JP2000217591A - 5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents
5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法Info
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- JP2000217591A JP2000217591A JP2102099A JP2102099A JP2000217591A JP 2000217591 A JP2000217591 A JP 2000217591A JP 2102099 A JP2102099 A JP 2102099A JP 2102099 A JP2102099 A JP 2102099A JP 2000217591 A JP2000217591 A JP 2000217591A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から直
接5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体か
ら5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体を生成する能力を有する微生物を用いて、生物変換に
より5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘
導体を得る。 【効果】 常温、常圧の条件下で、微生物を用いて反応
を行うため、安全且つ単純な装置で5−ヒドロキシ−
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造することが
できる。
接5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体か
ら5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体を生成する能力を有する微生物を用いて、生物変換に
より5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘
導体を得る。 【効果】 常温、常圧の条件下で、微生物を用いて反応
を行うため、安全且つ単純な装置で5−ヒドロキシ−
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造することが
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を利用して
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキ
シ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造する方
法に関する。5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカル
ボン酸誘導体は医農薬中間体、合成樹脂原料等として用
いられ、産業上有用な化合物である。
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキ
シ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造する方
法に関する。5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカル
ボン酸誘導体は医農薬中間体、合成樹脂原料等として用
いられ、産業上有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体の生産に関連した技術としては、式3
(化2)に示すように、1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−2,3−ピラジンジジカルボニトリルから化学合成に
より複雑な工程を得て構造異性体である1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−2,3−ピラジンジカルボン酸を合成
する方法が知られているに過ぎない(Chem.Pha
rm.Bull.,Vol.28(10),p.305
7−3063,(1980))。
ルボン酸誘導体の生産に関連した技術としては、式3
(化2)に示すように、1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−2,3−ピラジンジジカルボニトリルから化学合成に
より複雑な工程を得て構造異性体である1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−2,3−ピラジンジカルボン酸を合成
する方法が知られているに過ぎない(Chem.Pha
rm.Bull.,Vol.28(10),p.305
7−3063,(1980))。
【0003】
【化2】 微生物培養環境においては、構造異性体である1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−2,3−ピラジンジカルボン酸
も含め、5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸を製造したという報告は見当たらない。特に、2,3
−ピラジンジカルボン酸誘導体から微生物を用いて直接
水酸化することにより、5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を生成したという報告は見当た
らない。
ジヒドロ−6−オキソ−2,3−ピラジンジカルボン酸
も含め、5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸を製造したという報告は見当たらない。特に、2,3
−ピラジンジカルボン酸誘導体から微生物を用いて直接
水酸化することにより、5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を生成したという報告は見当た
らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、常
温、常圧の条件下で実施でき、安全かつ単純な工程で、
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から直接5−ヒド
ロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造す
る方法を提供することにある。本発明の目的は、2,3
−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を生成する能力を
有する微生物を用いて上記課題を解決することにある。
温、常圧の条件下で実施でき、安全かつ単純な工程で、
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から直接5−ヒド
ロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製造す
る方法を提供することにある。本発明の目的は、2,3
−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を生成する能力を
有する微生物を用いて上記課題を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく検討を重ねた結果、アルカリゲネス属に属
する微生物の中に、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボ
ン酸誘導体を生成する能力を有する微生物を見出し、生
産物の生産性を高めるため培養条件、反応条件を鋭意検
討した結果、安全で単純な方法で2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を著量製造できる方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
解決するべく検討を重ねた結果、アルカリゲネス属に属
する微生物の中に、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボ
ン酸誘導体を生成する能力を有する微生物を見出し、生
産物の生産性を高めるため培養条件、反応条件を鋭意検
討した結果、安全で単純な方法で2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を著量製造できる方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】則ち、本発明は、下記の式1(化3)で表
される2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から下記の
式2(化3)で表される5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を生成する能力を有する微生物
を液体培地中で培養し、得られた菌体および/または該
菌体処理物を水性溶媒中で2,3−ピラジンジカルボン
酸誘導体に接触させ、該溶媒中に5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする5−ヒドロキシ−2,3−ピ
ラジンジカルボン酸誘導体の製造方法である。
される2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から下記の
式2(化3)で表される5−ヒドロキシ−2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体を生成する能力を有する微生物
を液体培地中で培養し、得られた菌体および/または該
菌体処理物を水性溶媒中で2,3−ピラジンジカルボン
酸誘導体に接触させ、該溶媒中に5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする5−ヒドロキシ−2,3−ピ
ラジンジカルボン酸誘導体の製造方法である。
【0007】
【化3】 (式中R’、R”は水素または炭素数が1〜5のアルキ
ル基を示す。)
ル基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において用いることのできる2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体には、2,3−ピラジンジカルボン酸
の他、2,3−ピラジンジカルボン酸のモノエステル
類、ジエステル類等が含まれる。
本発明において用いることのできる2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体には、2,3−ピラジンジカルボン酸
の他、2,3−ピラジンジカルボン酸のモノエステル
類、ジエステル類等が含まれる。
【0009】本発明において使用される微生物は細菌及
び放線菌に属する微生物であって、2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピ
ラジンジカルボン酸誘導体を生成する能力のある微生物
である。その中でも、本発明において使用される微生物
として、アルカリゲネス sp.UK21を例示するこ
とができる。アルカリゲネスsp.UK21は平成10
年8月21日より通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所に受託番号、FERM P−16950として
寄託されている。
び放線菌に属する微生物であって、2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,3−ピ
ラジンジカルボン酸誘導体を生成する能力のある微生物
である。その中でも、本発明において使用される微生物
として、アルカリゲネス sp.UK21を例示するこ
とができる。アルカリゲネスsp.UK21は平成10
年8月21日より通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所に受託番号、FERM P−16950として
寄託されている。
【0010】本発明の方法に用いられる微生物として
は、同菌株に突然変異処理を施し、2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−2,3−ピラジ
ンジカルボン酸誘導体への生産性が増大したものを選択
して用いて何ら差し支えない。このような突然変異体と
しては、例えば、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体
および/または5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体に対する耐性の向上した変異株、5−ヒ
ドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を分解
しなくなった変異株、2,3−ピラジンジカルボン酸誘
導体から5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸誘導体生成に関与する酵素類の生産性の高い変異株な
どが挙げられる。
は、同菌株に突然変異処理を施し、2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−2,3−ピラジ
ンジカルボン酸誘導体への生産性が増大したものを選択
して用いて何ら差し支えない。このような突然変異体と
しては、例えば、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体
および/または5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体に対する耐性の向上した変異株、5−ヒ
ドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を分解
しなくなった変異株、2,3−ピラジンジカルボン酸誘
導体から5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸誘導体生成に関与する酵素類の生産性の高い変異株な
どが挙げられる。
【0011】次に微生物の培養方法について説明する。
微生物を増殖させる液体培地としては通常、これらの微
生物が生育し得る液体培地であれば良い。炭素源として
は、本発明に係わる微生物が資化し生育できる炭素化合
物であればいずれでも使用可能である。窒素源として
は、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝
酸アンモニウム等の無機窒素源、酵母エキス、ペプト
ン、肉エキスなどの有機窒素源を使用することができ
る。液体培地にはこれらの他に、必要に応じて、無機塩
類、金属塩、ビタミン類などを添加することもできる。
微生物を増殖させる液体培地としては通常、これらの微
生物が生育し得る液体培地であれば良い。炭素源として
は、本発明に係わる微生物が資化し生育できる炭素化合
物であればいずれでも使用可能である。窒素源として
は、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝
酸アンモニウム等の無機窒素源、酵母エキス、ペプト
ン、肉エキスなどの有機窒素源を使用することができ
る。液体培地にはこれらの他に、必要に応じて、無機塩
類、金属塩、ビタミン類などを添加することもできる。
【0012】培養に際しての培養温度は、通常15〜4
5℃、好ましくは25〜35℃である。培養の際のpH
は、通常pH4〜10であり、好ましくはpH6〜8付
近である。培養は、微生物の種類により嫌気下でも好気
下でもいずれも行うことができるが、増殖速度が速いこ
とから好気下での振盪培養が好ましく、また常圧下で行
いうる。但し、培養条件は、用いる微生物や培地組成な
どに応じて5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボ
ン酸の生産量が最大になるように設定することが重要で
あることは当然である。
5℃、好ましくは25〜35℃である。培養の際のpH
は、通常pH4〜10であり、好ましくはpH6〜8付
近である。培養は、微生物の種類により嫌気下でも好気
下でもいずれも行うことができるが、増殖速度が速いこ
とから好気下での振盪培養が好ましく、また常圧下で行
いうる。但し、培養条件は、用いる微生物や培地組成な
どに応じて5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボ
ン酸の生産量が最大になるように設定することが重要で
あることは当然である。
【0013】また、本発明微生物が含有する、2,3−
ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体の生産に関与する酵素
類を多量に生産させるために、類似化合物である6−ヒ
ドロキシピコリン酸を液体培地に添加することもでき
る。6−ヒドロキシピコリン酸の添加量は液体培地に対
して0.01〜1.0w/w%、好ましくは0.1〜
0.5w/w%になるよう添加することができる。
ピラジンジカルボン酸誘導体から5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体の生産に関与する酵素
類を多量に生産させるために、類似化合物である6−ヒ
ドロキシピコリン酸を液体培地に添加することもでき
る。6−ヒドロキシピコリン酸の添加量は液体培地に対
して0.01〜1.0w/w%、好ましくは0.1〜
0.5w/w%になるよう添加することができる。
【0014】本発明に係る微生物を用いて2,3−ピラ
ジンジカルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を生産する工程は、バ
ッチ式でも、バイオリアクターを用いた連続式でも可能
である。
ジンジカルボン酸誘導体から直接5−ヒドロキシ−2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を生産する工程は、バ
ッチ式でも、バイオリアクターを用いた連続式でも可能
である。
【0015】培養終了後、上記の方法で増殖させた菌体
をろ過または遠心分離により回収する。得られた菌体は
そのまま生理食塩水等に懸濁して2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体との反応に供してもよいし、破砕菌体、
菌体培養液、粗酵素、精製酵素等の菌体処理物としてか
ら反応に供してもよい。培養菌体または該菌体処理物
は、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を含む水系溶
媒に懸濁させるか、または公知の固定化法で固定化し、
固定化物を2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を含む
水系溶媒と接触させることによって5−ヒドロキシ2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を液中に蓄積せしめ、
これを採取する。水性溶媒としては、例えば、蒸留水、
トリス−HCl緩衝液等の緩衝能を有する水性媒体を用
いることができる。
をろ過または遠心分離により回収する。得られた菌体は
そのまま生理食塩水等に懸濁して2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体との反応に供してもよいし、破砕菌体、
菌体培養液、粗酵素、精製酵素等の菌体処理物としてか
ら反応に供してもよい。培養菌体または該菌体処理物
は、2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を含む水系溶
媒に懸濁させるか、または公知の固定化法で固定化し、
固定化物を2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を含む
水系溶媒と接触させることによって5−ヒドロキシ2,
3−ピラジンジカルボン酸誘導体を液中に蓄積せしめ、
これを採取する。水性溶媒としては、例えば、蒸留水、
トリス−HCl緩衝液等の緩衝能を有する水性媒体を用
いることができる。
【0016】2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から
5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体
を生成するための反応に用いる2,3−ピラジンジカル
ボン酸誘導体は、50〜5000mM、好ましくは50
〜1000mMの濃度で供給する。原料基質の供給は1
度に添加しても良いが、基質による阻害性が見られるよ
うな場合には少量ずつ数回に分けて添加することもでき
る。反応時の菌体濃度は乾物重ベースで1〜100g/
lの範囲で行われる。
5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体
を生成するための反応に用いる2,3−ピラジンジカル
ボン酸誘導体は、50〜5000mM、好ましくは50
〜1000mMの濃度で供給する。原料基質の供給は1
度に添加しても良いが、基質による阻害性が見られるよ
うな場合には少量ずつ数回に分けて添加することもでき
る。反応時の菌体濃度は乾物重ベースで1〜100g/
lの範囲で行われる。
【0017】反応終了後、反応液中の5−ヒドロキシ−
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体は常法に従い回収
すれば良い。すなわち、反応液をろ過、遠心分離等によ
り処理した後、溶剤抽出等の方法により回収する。また
溶液に塩酸や硫酸等の酸溶液を加えて酸性化することに
より、5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸
誘導体を回収することも可能であり、必要によりクロマ
トグラフィー等公知の精製方法を適宜併用することがで
きる。
2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体は常法に従い回収
すれば良い。すなわち、反応液をろ過、遠心分離等によ
り処理した後、溶剤抽出等の方法により回収する。また
溶液に塩酸や硫酸等の酸溶液を加えて酸性化することに
より、5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸
誘導体を回収することも可能であり、必要によりクロマ
トグラフィー等公知の精製方法を適宜併用することがで
きる。
【0018】尚、本発明の製造法においては5−ヒドロ
キシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の検出及び
定量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)によって行われる。則ち、オクタデシル基を有した
シリカゲルパックドカラムなどを固定相に用い、リン酸
水溶液とアセトニトリルの混合物を移動相とする一般的
な逆相クロマトグラフィーによって分析が可能である。
検出は紫外部分光検出器によって波長230nm付近で
行う。
キシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の検出及び
定量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)によって行われる。則ち、オクタデシル基を有した
シリカゲルパックドカラムなどを固定相に用い、リン酸
水溶液とアセトニトリルの混合物を移動相とする一般的
な逆相クロマトグラフィーによって分析が可能である。
検出は紫外部分光検出器によって波長230nm付近で
行う。
【0019】
【実施例】以下に代表的な実施例を示し本発明の具体的
な説明を行うが、これらの実施例は本発明の範囲を限定
するものではない。 〔実施例1〕培地A10mlを100ml容の培養フラ
スコに入れ、121℃、1.2気圧にて15分間オート
クレーブ滅菌を行った。
な説明を行うが、これらの実施例は本発明の範囲を限定
するものではない。 〔実施例1〕培地A10mlを100ml容の培養フラ
スコに入れ、121℃、1.2気圧にて15分間オート
クレーブ滅菌を行った。
【0020】培地A ────────────────────── Pepton 0.5 g Meat extract 0.5 g Yeast extract 0.05g NaCl 0.2 g ──────────────────────── Tap water pH7.0 100 ml
【0021】上記の培地A5mlに、同培地Aに寒天
1.5%を加えた個体培地で増殖させた菌体(アルカリ
ゲネスsp.UK21)を1白金耳接種した。28℃の
恒温室にて1日間振盪培養後、培地B100mlに移植
し、更に3日間28℃で振盪培養した。
1.5%を加えた個体培地で増殖させた菌体(アルカリ
ゲネスsp.UK21)を1白金耳接種した。28℃の
恒温室にて1日間振盪培養後、培地B100mlに移植
し、更に3日間28℃で振盪培養した。
【0022】培地B ──────────────────────── キノリン酸 0.25g KH2PO4 0.1 K2HPO4 0.3 Galactose 1.0 Yeast extract 1.0 MgSO4・7H2O 0.05 Metal solution (*) 1.0 ml ─────────────────────────
─ Tap Water pH7.0 100 ml
─ Tap Water pH7.0 100 ml
【0023】*)Metal solution ────────────────────── CaCl2・2H2O 400mg H3BO3 300mg CuSO4・5H2O 40mg KI 100mg FeSO4・7H2O 200mg MnSO4・7H2O 400mg Na2MoO4・2H2O 200mg conc.HCl 10ml ─────────────────────── Distilled water 1000ml
【0024】菌体は遠心分離(8,500rpm 20
min.4.0℃ )して集菌し、生理食塩水( 0.8
5% NaCl )に懸濁して休止菌体を調製した。休止
菌体による2,3−ピラジンジカルボン酸の変換反応
は、以下の組成の反応系を調製し、2,3−ピラジンジ
カルボン酸を逐次添加することにより反応生成物を蓄積
させた。
min.4.0℃ )して集菌し、生理食塩水( 0.8
5% NaCl )に懸濁して休止菌体を調製した。休止
菌体による2,3−ピラジンジカルボン酸の変換反応
は、以下の組成の反応系を調製し、2,3−ピラジンジ
カルボン酸を逐次添加することにより反応生成物を蓄積
させた。
【0025】 ───────────────────────────────── 2,3−ピラジンジカルボン酸 6.0ml 菌体懸濁液(乾燥菌体重量として60mg) 10.0ml 蒸留水 4.0ml ───────────────────────────────── Total volume 20.0ml
【0026】反応は菌体の添加で開始した。反応経過に
伴い3〜6時間毎に100mMずつ5回に分けて2,3
−ピラジンジカルボン酸を追加添加した(計600m
M)。36時間後にMeOHの添加により反応を停止し
た。得られた反応生成物を同定するため、反応終了後、
菌体を遠心分離(3000rpm、10分間)で除去
し、上清をDowex−1(OH form 1×2−2
00:ダウケミカル社製)を詰めたカラム (15×15
0mm)にかけ、不純物を除いた。反応生成物は素通り
してきたので、これをpH7.5に調製しながら減圧濃
縮を行い、白色固体を得た。得られた固形物を蒸留水に
溶かし、エタノ−ルを添加して反応生成物を結晶化させ
た。これをデシケ−タで乾燥させた。生成物をGC/M
S、NMR、IRで分析した結果、生成物はの5−ヒド
ロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸と同定された。
得られた反応生成物はHPLCで定量分析したところ5
−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸101g
/l(546mM)に相当し、モル収率は91.0%で
あった。
伴い3〜6時間毎に100mMずつ5回に分けて2,3
−ピラジンジカルボン酸を追加添加した(計600m
M)。36時間後にMeOHの添加により反応を停止し
た。得られた反応生成物を同定するため、反応終了後、
菌体を遠心分離(3000rpm、10分間)で除去
し、上清をDowex−1(OH form 1×2−2
00:ダウケミカル社製)を詰めたカラム (15×15
0mm)にかけ、不純物を除いた。反応生成物は素通り
してきたので、これをpH7.5に調製しながら減圧濃
縮を行い、白色固体を得た。得られた固形物を蒸留水に
溶かし、エタノ−ルを添加して反応生成物を結晶化させ
た。これをデシケ−タで乾燥させた。生成物をGC/M
S、NMR、IRで分析した結果、生成物はの5−ヒド
ロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸と同定された。
得られた反応生成物はHPLCで定量分析したところ5
−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸101g
/l(546mM)に相当し、モル収率は91.0%で
あった。
【0027】HPLC分析条件 カラム:Wakosil−II5C18−HG(4.6
×150mm) 溶媒:10mMKH2PO4(pH2.5)/CH3CN
=99/1(V/V) 流量:1.0ml/min. 検出波長:230nm
×150mm) 溶媒:10mMKH2PO4(pH2.5)/CH3CN
=99/1(V/V) 流量:1.0ml/min. 検出波長:230nm
【0028】〔実施例2〕培地B100mlに6−ヒド
ロキシピコリン酸0.2gを添加した、培地Cを用いた
以外は実施例1と同様の方法で休止菌体を作成した。こ
の菌体60mg(乾燥重)を用いて、2,3−ピラジンジ
カルボン酸100mMを含む蒸留水20mlで2,3−
ピラジンジカルボン酸の変換反応を行ったところ、反応
5時間で5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸16.8g/l(91mM)の蓄積を認めた。
ロキシピコリン酸0.2gを添加した、培地Cを用いた
以外は実施例1と同様の方法で休止菌体を作成した。こ
の菌体60mg(乾燥重)を用いて、2,3−ピラジンジ
カルボン酸100mMを含む蒸留水20mlで2,3−
ピラジンジカルボン酸の変換反応を行ったところ、反応
5時間で5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸16.8g/l(91mM)の蓄積を認めた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高温、高圧に調節する
機能を具備しない簡便な装置を用い、常温、常圧の条件
下で実施できる微生物の培養を利用して、安全かつ単純
な工程で2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−
ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製
造できる。
機能を具備しない簡便な装置を用い、常温、常圧の条件
下で実施できる微生物の培養を利用して、安全かつ単純
な工程で2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体から5−
ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体を製
造できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の式1(化1)で表される2,3−
ピラジンジカルボン酸誘導体から下記の式2(化1)で
表される5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン
酸誘導体を生成する能力を有する微生物を液体培地中で
培養し、得られた菌体および/または該菌体処理物を水
性溶媒中で2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体に接触
させ、該溶媒中に5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジ
カルボン酸誘導体を蓄積せしめ、これを採取することを
特徴とする5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボ
ン酸誘導体の製造方法。 【化1】 (式中R’、R”は水素または炭素数が1〜5のアルキ
ル基を示す。) - 【請求項2】 微生物がアルカリゲネス属に属する微生
物である請求項1に記載の5−ヒドロキシ−2,3−ピ
ラジンジカルボン酸誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 アルカリゲネス属に属する微生物がアル
カリゲネス sp.UK21(FERMP−1695
0)である請求項2に記載の5−ヒドロキシ−2,3−
ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカ
ルボン酸誘導体が、5−ヒドロキシ−2,3−ピラジン
ジカルボン酸、または、カルボキシル基がエステル化し
た化合物を含有する5−ヒドロキシ−2,3−ピラジン
ジカルボン酸誘導体である請求項1〜3の何れか1項に
記載の5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸
誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体か
ら5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導
体を生成する能力を有する微生物を培養する際に、液体
培地中に6−ヒドロキシピコリン酸を添加することを特
徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の5−ヒドロ
キシ−2,3−ピラジンジカルボン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2102099A JP2000217591A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2102099A JP2000217591A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000217591A true JP2000217591A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=12043367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2102099A Pending JP2000217591A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 5−ヒドロキシ−2,3−ピラジンジカルボン酸誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000217591A (ja) |
-
1999
- 1999-01-29 JP JP2102099A patent/JP2000217591A/ja active Pending
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060530 |
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