JP2000217579A - 新規抗菌性ペプチド - Google Patents

新規抗菌性ペプチド

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JP2000217579A
JP2000217579A JP11020837A JP2083799A JP2000217579A JP 2000217579 A JP2000217579 A JP 2000217579A JP 11020837 A JP11020837 A JP 11020837A JP 2083799 A JP2083799 A JP 2083799A JP 2000217579 A JP2000217579 A JP 2000217579A
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leu
arg
amino acid
antibacterial
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Yasuki Kojima
泰樹 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題はヒト由来の蛋白質の中に存在
する蛋白質またはペプチドであって、抗菌活性を有し、
そして好ましくはヒトに生理的であって毒性の低い蛋白
質およびペプチドを新規に提供すること。 【解決手段】 以下のアミノ酸配列:Leu−Arg−
Val−Arg−Leu−Ala−Ser−His−L
eu−Arg−Lys−Leu−Arg−Lys−Ar
g−Leu−Leu−Arg−Asp−Ala−Asp
−Asp−Leu−Gln−Lys−Arg−Leu−
Ala−Val−Tyr(配列番号1)のアミノ酸配列
を有する抗菌性ペプチドまたは抗菌性を有するその改変
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腸菌、緑膿菌、
黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などに対する抗菌性を有
する医療製剤用、又は医療外製剤用の抗菌性ペプチドに
関する。
【0002】
【従来の技術】昆虫、カブトガニ等の甲殻類からヒトに
至るまで、多くの動物においては、微生物の侵入および
感染に対して様々な防御系が発達している。皮膚および
粘膜による微生物の排除、体液および細胞に含まれる殺
菌性物質などによる防御は、非特異的感染防御機構また
は先天性の免疫機構(Innate Immunit
y)と呼ばれる。これらのバリアーが破られると免疫グ
ロブリンおよび感作リンパ球などが関与した、いわゆる
特異的免疫機構が働き微生物に対抗する。従って、第一
のバリヤーである非特異的感染防御機構は、極めて重要
な役割を担っている。特異的免疫機構をもたない昆虫お
よびカブトガニなどの甲殻類では、数多くの抗菌性蛋白
質および抗菌性ペプチドが発見されている。(平田陸
正、MINOPHAGEN MEDICAL REVI
EW, 43[1]、1−15(1998);Hanc
ock、R.E.W.ら、Advances in M
icrobial Physiology 37、13
5−167(1995))、近年ますますこれらの防御
因子としての役割が重要視されている。
【0003】ところが、昆虫およびカブトガニなどの甲
殻類に由来する抗菌性蛋白質および抗菌性ペプチドは、
ヒトに対する抗原性、アレルギー性、または細胞傷害性
をもつものがある(平田、前出;Hancockら、前
出)。従って、ヒトが関連する環境におけるこれらの抗
菌性蛋白質の直接の使用には、安全面および実際の使用
上において一定の限界が見られる。
【0004】近年、哺乳類における非特異的感染防御機
構についての知見が増え、特にヒト顆粒球由来の抗菌性
蛋白質および抗菌性ペプチドの報告がなされ、ヒトに対
してより安全で生理的な(すなわち、生体適合性を有す
る)ものが報告されている(平田、前出;Hancoc
kら、前出;Hancock、R.E.W、TheLa
ncet 349、418−422(1997))。そ
れは例えば、ラクトフェリン、ラクトフェリンの分解産
物であるラクトフェリシン、殺菌性・膜透過性亢進蛋白
質(Bactericidal Permeabili
ty Increasing Protein)(To
bias,P.S.ら、J. Biol. Chem.
263,13479−13481(1988))、お
よびその抗菌活性部位のペプチド、ならびに抗菌性カチ
オン蛋白質18kDa(Cationic Antim
icrobial Protein 18kDa)およ
びその抗菌活性部位のペプチドなど(Ogata M,
ら,Infectionand Immunity 6
5,2160−2167,(1997))である。これ
らの抗菌性ペプチドはヒト由来のより生理的な物質であ
るというだけではなく、中にはグラム陰性菌、グラム陽
性菌だけでなくメチシリン耐性黄色ブドウ球(MRS
A)にも一定の抗菌性を有し、さらに抗菌性と同時にリ
ポポリサッカライド(LPS)中和活性をもつものもあ
る(平田、前出;Hancockら、前出(199
5);Hancock、前出(1997))。それらは
多剤耐性菌による感染症およびエンドドキシンショック
治療のための新しい戦略としての臨床応用、ならびに抗
生物質にかわる環境および人体への汚染の少ない抗菌剤
として注目されはじめている。
【0005】以上の抗菌性蛋白質および抗菌性ペプチド
は、顆粒球由来いわば細胞内蛋白に限られている。一方
で、たとえば、リポポリサッカライド(LPS)が体内
に入ったときには、それを中和し制御するLPS結合蛋
白質は、細胞内蛋白質だけでなく血漿中蛋白質および細
胞膜蛋白質にも報告されている(平田、前出;Hanc
ockら、前出(1995);Hancock、前出
(1997))。同様に細胞内蛋白質に限らず、血漿中
蛋白質の中にも抗菌活性を有する蛋白質およびペプチド
が存在しうると本発明者らは予想した。
【0006】既に報告されている顆粒球由来の抗菌性ペ
プチドは、その活性部位に特徴的な蛋白質の2次構造を
有することが既に知られている。それは、カチオン性両
親媒性αヘリックス(Cationic Amphip
athic α−helix)構造である。例えば、ラ
クトフェリシンの12残基、および抗菌性カチオン蛋白
質(CAP18)の約30残基がそのような構造を有
し、それが抗菌性を担っていると推論されている(平
田、前出)。その作用機序は、細菌増殖阻害すなわちD
NA合成阻害および合成酵素阻害とは異なり、細菌膜の
膜電位差に変異を起こさせ膜を破壊する作用である。従
って、この抗菌性ペプチドは細菌に耐性を与えがたいと
いう長所を持っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はヒト由
来の蛋白質の中に存在し得る蛋白質またはペプチドであ
って、抗菌活性を有し、そして好ましくはヒトに生理的
であって毒性の低い蛋白質およびペプチドを新規に提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、配列番号1の
アミノ酸配列を有する抗菌性ペプチドまたは抗菌性を有
するその改変体に関する。
【0009】本発明の1つの局面において、本発明の改
変体は、その改変が、親水性インデックスまたは疎水性
インデックスの変化が±2以内の保存的置換である。本
発明の他の局面において、本発明の改変体は、その改変
が、親水性インデックスまたは疎水性インデックスの変
化が±1以内の保存的置換である。本発明の別の局面に
おいて、本発明の改変体は、その改変が、親水性インデ
ックスまたは疎水性インデックスの変化が±0.5以内
の保存的置換である。本発明の他の局面において、本発
明の改変体は、その改変が、天然アミノ酸を用いる改変
である。本発明の別の局面において、本発明の改変体
は、その改変が10アミノ酸以下の置換、付加、挿入、
または欠失である。本発明の1つの局面において、本発
明の改変体は、その改変が3アミノ酸以下の置換、付
加、挿入、または欠失である。本発明の好ましい局面に
おいて、本発明のペプチドは、ヒトApoE蛋白質のア
ミノ酸配列の一部を有する。本発明の別の局面におい
て、本発明は、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコー
ドするポリヌクレオチドに関する。
【0010】本発明はまた、本発明のペプチドまたはそ
の改変体を抗菌成分として含有する抗菌剤に関する。本
発明の別の局面において、本発明は、本発明のペプチド
またはその改変体を抗菌成分として含有する医療用具に
関する。本発明の別の局面において、本発明の医療用具
は血液浄化器である。
【0011】
【発明の実施の形態】アポ蛋白質E(apoprote
in E)(Apo−E)には、カチオン性両親媒性α
ヘリックスの構造を有すると推測される配列があること
が知られている(Clay,M.A.ら、Bioche
mistry 34、11142−11151(199
5))。本発明者らはApoEの全配列から、このカチ
オン性両親媒性αヘリックスの部分の配列を選び出し、
そして化学合成によりこの部分の配列を有するペプチド
を合成し、合成したペプチドの抗菌性を試験し、その結
果抗菌活性を有するペプチドを同定した。
【0012】この配列を、配列番号1に示す。配列番号
1のペプチドは、ApoEとは異なり、抗菌活性を有す
ることが本発明において見い出された。ヒト血漿成分由
来の抗菌性ペプチドとしては、本発明者らの知る限りに
おいて初めての報告である。このペプチドは血漿成分の
リポ蛋白であるApo−Eの一部(133−162)に
該当する30残基のアミノ酸を有するペプチドである。
【0013】配列番号1の本発明のペプチドは、一般の
グラム陽性細菌、グラム陰性細菌のみならず、メチシリ
ン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)も含む、広範な抗菌
スペクトルを有することが見い出された。
【0014】本発明の別の実施態様において、配列番号
1のペプチド配列の一部、好ましくは約20アミノ酸以
上のペプチド長を有する改変体もまた、抗菌活性を有す
ることが示された。従って、本発明のペプチドまたはそ
の改変体は、好ましくは、約20以上のアミノ酸長であ
る。アミノ酸長に一定の制限があるのは、本発明のペプ
チドの抗菌活性にカチオン性両親媒性αヘリックスなど
の高次構造が必須であり、その高次構造の維持にはある
程度の配列長が必要であるからであると推測される。し
かしながら、約20アミノ酸未満の長さのペプチドもま
た、抗菌活性を有し得、このようなペプチドもまた、本
発明に含まれる。
【0015】本発明の配列番号1に示されるアミノ酸配
列を含む、30アミノ酸より大きなペプチドまたはその
改変体も抗菌活性を有し得、そして本発明に含まれる。
このような大きな分子も、抗菌活性に必要であると推測
されるカチオン性両親媒性αヘリックスペプチド部分を
含み得る。しかし、例えば、ApoE分子そのものは抗
菌活性を有しない。ApoE分子のような巨大分子で
は、このカチオン性両親媒性αヘリックスが細菌の細胞
膜と接触を可能にする分子の表面上に存在しないと推測
される。従って、30アミノ酸長よりも大きな分子にも
一定の制約があると考えられる。最大長は、100アミ
ノ酸長であり、好ましくは75アミノ酸、より好ましく
は50アミノ酸、最も好ましくは40アミノ酸長であり
得る。
【0016】本発明の好ましい実施態様において、本発
明は、ヒトApoE蛋白質の配列の一部を含む、抗菌性
のペプチドに関する。ヒトの蛋白質配列由来のペプチド
は、ヒトに対して生理的であり、抗原性を有さず、かつ
毒性が少ない(すなわち、安全性が高い)と考えられ
る。本発明の抗菌性ペプチドの改変体を作製する際に
は、ArgまたはLysのようなカチオン性アミノ酸を
残すか、あるいは同様のカチオン性を有するアミノ酸に
置換する改変が特に好ましい。
【0017】本発明において、また、アミノ酸置換など
によるその改変体も配列番号1のペプチドと同様の抗菌
活性を有し得ることが示された。従って、当該分野で周
知の任意のペプチド改変技術を用いた方法で作製したペ
プチドもまた、抗菌活性を有し得、そして本発明に含ま
れる。
【0018】本明細書中において、ペプチドの「改変
体」とは、アミノ酸の付加、欠失、置換、挿入、または
修飾を含む、改変されたペプチドをいう。アミノ酸の付
加はもとのペプチド鎖の外側に1つ以上のアミノ酸を付
加することをいう。アミノ酸の挿入は、もとのペプチド
の内部に1つ以上のアミノ酸を挿入することをいう。ア
ミノ酸の欠失は、もとのペプチドから1つ以上のアミノ
酸を欠失させることをいう。アミノ酸の置換は、もとの
ペプチドを1つ以上のアミノ酸で置換することをいう。
アミノ酸またはペプチドの修飾には、一重または多重
の、アミド化、カルボキシル化、硫酸化、ハロゲン化、
アルキル化、グリコシル化、リン酸化、水酸化、アシル
化(例えば、アセチル基、脂肪基)などが挙げられる
が、これらに限定されない。置換、付加、または挿入さ
れるアミノ酸は、天然のアミノ酸であってもよく、非天
然のアミノ酸であってもよい。天然のアミノ酸であるこ
とが好ましい。本発明のさらなる実施態様において、本
発明のペプチドおよびその改変体はまた、アンモニウム
塩(アルキルまたはアリールアンモニウム塩を含む)、
硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸
二水素塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、安息香酸
塩、スルホン酸塩、チオスルホン酸塩、メシレート(メ
チルスルホン酸)塩、エチルスルホン酸塩、およびベン
ゼンスルホン酸塩のようなペプチドの塩の形態を取り得
る。
【0019】生物学的機能の等価な改変 以下、ペプチドの生物学的機能の等価な置換について概
説する。ペプチドの生物学的機能の等価な置換は、本発
明のペプチドおよびそれらをコードするDNAセグメン
トの構造において行われ得、そして依然として所望の特
徴を有する蛋白質またはペプチドをコードする機能的分
子を得る。以下、等価体またはさらに改良された第2の
生成分子を生成するための蛋白質のアミノ酸の変化につ
いて議論する。アミノ酸置換を実施する方法は、化学合
成、または遺伝子工学を利用する技術においてアミノ酸
をコードするDNA配列のコドンを変化させることを含
むがこれらに限定されない。
【0020】あるアミノ酸は、相互作用結合能力の明ら
かな低下または消失なしに、例えば、カチオン性領域ま
たは基質分子の結合部位のような構造を有する蛋白質構
造において他のアミノ酸に置換され得る。ある蛋白質の
生物学的機能活性を規定するのは、蛋白質の相互作用能
力および性質である。従って、特定のアミノ酸配列置換
が蛋白質配列、およびそのDNAコード配列において行
われ得、それでもなお、もとの性質を有する蛋白質が得
られ得る。従って、それらの生物学的有用性または活性
の明らかな低下または消失なしに、種々の変化が、開示
されたペプチド配列またはこのペプチドをコードする対
応するDNA配列において行われ得ることが本発明者ら
により意図される。
【0021】このような変化を作成する際に、アミノ酸
の疎水性インデックスが考慮され得る。蛋白質における
相互作用的な生物学的機能を与える際の疎水性アミノ酸
インデックスの重要性は、一般に当該分野で考慮される
(Kyte.JおよびDoolittle,R.F.
J.Mol.Biol. 157(1):105−13
2,1982)。アミノ酸の疎水的性質は、生成した蛋
白質の二次構造に寄与することが認められる。これは次
いでその蛋白質と他の分子(例えば、細胞膜分子、酵
素、基質、レセプター、DNA、抗体、抗原など)との
相互作用を規定する。各アミノ酸は、それらの疎水性お
よび電荷の性質に基づく疎水性インデックスを割り当て
られる。それらは:イソロイシン(+4.5);バリン
(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニ
ン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);
メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリ
シン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン
(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン
(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−
3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−
3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン
(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン
(−4.5))(Kyte.JおよびDoolittl
e,R.F.1982)である。
【0022】あるアミノ酸を、同様の疎水性インデック
スまたは値を有する他のアミノ酸により置換して、そし
て依然として同様の生物学的活性を有する蛋白質(例え
ば、依然として生物学的機能的に等価な蛋白質)を生じ
させ得ることが当該分野で周知である。このような変化
を作成することにおいて、疎水性インデックスが±2以
内であるアミノ酸置換が好ましく、±1以内であるアミ
ノ酸置換がより好ましく、および±0.5以内のアミノ
酸置換がさらにより好ましい。親水性に基づくこのよう
なアミノ酸の置換が効果的に行われ得ることが当該分野
において理解される。米国特許第4、554、101号
は、その隣接した親水性により支配されるような蛋白質
の最も局所的な平均親水性が、蛋白質の生物学的特性に
関連することを記載する。米国特許第4、554、10
1号に記載されるように、以下の親水性インデックスが
アミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+
3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+
3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン
(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン
(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.
4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.
5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.
0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);
ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チ
ロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);
トリプトファン(−3.4)。アミノ酸が同様の親水性
インデックスを有しかつ依然として生物学的等価体(特
に免疫学的に等価な蛋白質)を獲得し得る別のものに置
換され得ることが理解される。このような変化におい
て、親水性インデックスが±2以内であるアミノ酸置換
が好ましく、±1以内であるアミノ酸置換がより好まし
く、および±0.5以内のアミノ酸置換がさらにより好
ましい。
【0023】本発明において、「保存的置換」とは、ア
ミノ酸置換において、元のアミノ酸と置換されるアミノ
酸との親水性インデックスまたは/および疎水性インデ
ックスが類似している置換をいう。保存的置換は、好ま
しくは、親水性インデックスまたは/および疎水性イン
デックスが±2以内であるアミノ酸置換であり、親水性
インデックスまたは/および疎水性インデックスが±1
以内であるアミノ酸置換がより好ましく、親水性インデ
ックスまたは/および疎水性インデックスが±0.5以
内であるアミノ酸置換がさらにより好ましい。
【0024】上記に概要されるように、アミノ酸置換は
上記のインデックスに基づいて行われる。種々の以上の
特性を考慮する例示的な置換には、当業者に周知であ
り、例えば、アルギニンおよびリジン;グルタミン酸お
よびアスパラギン酸;セリンおよびスレオニン;グルタ
ミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシン、
およびイソロイシン、などが挙げられるがこれらに限定
されない。
【0025】本発明における所定のアミノ酸配列からな
るペプチドは、化学合成法などの周知のペプチド調製法
を用いて製造することが出来る。また、化学合成法だけ
でなく原核生物宿主(例えば、大腸菌または放線菌)ま
たは真核生物宿主(例えば、酵母)などを利用した遺伝
子工学による手法を用いて生成することもできる。本発
明のペプチドは、通常、ジスルフィド結合(−S−S
−)を含まない単純な直鎖の形をしている。従って、い
ずれの合成法を用いても他の複雑な構造の抗菌性ペプチ
ドと比較して合成は容易である。
【0026】本発明のペプチド配列は、遺伝子工学を利
用した種々の技術および処置に使用され得る。例えば、
遺伝子操作技術を用いて、本発明のペプチドのアミノ酸
配列をコードするポリヌクレオチドを単独で、または他
のポリペプチドまたは蛋白質をコードする遺伝子と組合
せて使用して、抗菌作用を必要とする医学的処置(例え
ば、遺伝子治療)に応用し得る。本発明のアミノ酸配列
をコードするポリヌクレオチドはまた、遺伝子工学技術
を利用して動物(例えば、家畜)に組み込み、抗菌性の
動物を作製するためにも用いられ得る。本発明のアミノ
酸配列をコードするポリヌクレオチドはまた、遺伝子工
学技術を利用して植物(例えば、イネ)に組み込み、抗
菌性の植物を作製するためにも用いられ得る。
【0027】本明細書中で「ポリヌクレオチド」は、任
意の長さのヌクレオチドを含む。
【0028】一般に、抗菌活性を有する化合物は、抗癌
作用または抗発癌作用を有し得ることが知られている。
従って、本発明のペプチドもまた、抗癌作用または抗発
癌作用を有し得る。このように、本発明のペプチドを含
む薬学的組成物はまた、抗癌剤または抗発癌剤として使
用され得る。さらに、遺伝子工学技術を使用する癌の処
置にも応用され得る。
【0029】本明細書中において、ある物質の「抗菌
性」とは、一般に、少なくとも1種の細菌をその物質が
生理的な濃度で殺傷する能力をいう。抗菌性は、好まし
くは、グラム陽性菌、およびグラム陰性菌の少なくとも
それぞれ一種以上を含む、広範な種々の細菌を殺傷する
能力をいう。より好ましくは、メチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌(MRSA)を含む薬物耐性を獲得した細菌をさ
らに殺傷する能力をいう。本明細書において、「抗生物
質に匹敵する抗菌性」とは、ゲンタマイシンに代表され
る通常の抗生物質が有する細菌の殺傷能力に匹敵する
か、またはそれ以上の細菌の殺傷能力をいう。本明細書
中において、「生理的な濃度」とは、ヒトを含む被験体
において、毒性を示さない程度の濃度をいう。
【0030】抗菌試験は、例えば、大腸菌、緑膿菌、サ
ルモネラ菌、サルモネラ・チフス菌、黄色ブドウ球菌、
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の標準株を
用い血液寒天培地上で抗菌剤と混和後、37℃で2時
間、37℃で48時間培養する方法で行い得る。もっと
も、本発明の抗菌性ペプチドの用途は多岐にわたるの
で、当業者は、個々の用途にあわせた抗菌試験を、必要
に応じて実施し得る。
【0031】本発明の抗菌性ペプチドはまた、医薬品、
医薬部外品、化粧品などの内用薬または外用薬、ならび
に口腔内殺菌剤、衛生用途(例えば、食品、病院、台
所、および洗濯用など)の除菌剤、園芸植物用の抗菌
剤、防腐剤、殺虫剤などの形態で使用され得る。これら
の製剤には、薬学的に許容される周知の賦型剤(例え
ば、乳糖、マンニトール、グルコース、マルトース、デ
キストラン、セルロース誘導体など)または担体、潤滑
剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、
アルコール(例えば、エタノール)、生理食塩水などが
含有され得る。
【0032】製剤の形態としては錠剤、顆粒剤などの固
形剤、溶液剤、懸濁液などの液剤、噴霧用液剤、その他
の周知の薬学的に受容可能な剤型が挙げられる。
【0033】本発明の抗菌性ペプチドを含む抗菌剤はま
た、日用品に抗菌性を与えるために、例えば、コーティ
ング成分として使用され得る。日用品には、種々の材料
(例えば、プラスチック、繊維、紙、木、金属、ガラス
など)で作製されたものが含まれる。日用品の例として
は、食器(例えば、皿、コップ、箸など)、家具(例え
ば、ソファ、タンス、システムキッチンなど)、楽器
(例えば、ピアノ、ギターなど)、書籍、事務用品(例
えば、ノートなど)、容器(例えば、花瓶、洗面器な
ど)、電機製品(例えば、洗濯機、冷蔵庫、掃除機な
ど)、情報機器(例えば、パソコン)、眼鏡、種々のカ
ード(例えば、キャッシュカード、診察券など)、電話
機、靴、衣類(例えば、靴下など)、寝具(例えば、ま
くら、布団など)、住宅(例えば、畳、フローリング、
窓ガラス、サッシなど)、園芸用品(例えば、はさ
み)、輸送用機械(例えば、自動車、自転車など)、玩
具(例えば、人形)などが挙げられるが、これらに限定
されない。
【0034】本発明のペプチドはまた、医療用具の抗菌
成分として使用され得る。医療用具の例としては、人工
臓器(例えば、人工心臓、人工腎臓など)、体外透析
器、体外循環治療システム、手術用器具(例えば、カテ
ーテル、チューブなど)、機能性器具(例えば、コンタ
クトレンズ、人工歯)などが挙げられる。
【0035】医療用具としての使用の際には、本発明の
ペプチドは、種々のキャリアまたは膜などと組み合わせ
て使用され得る。例えば、現在、従来の抗生物質を高分
子繊維(例えば、ポリスチレン)に固定した繊維状吸着
材(例えば、敗血症治療血液浄化器「トレミキシン」
(登録商標;東レ製))が入手可能である。本発明の抗
菌性ペプチドを、従来の抗生物質に代えて使用すること
で、より生理的な血液浄化器を提供し得る。本発明の抗
菌性ペプチドは、当該分野で周知の方法を用いて、アミ
ノ基またはカルボキシル基あるいは任意の使用可能な側
鎖上の官能基を介して種々のキャリアまたは膜と、共有
結合で、またはその他の様式により結合され得る。
【0036】本発明の抗菌性ペプチドはまた、環境関連
分野においても使用され得る。環境関連分野としては、
例えば、水(例えば、河川、湖沼、生活排水、工場排水
など)および大気の浄化が挙げられる。例えば、本発明
の抗菌性ペプチドを、濾過膜に、当該分野で周知の技術
を用いて結合させることで、浄化の際の殺菌にも応用し
得る。
【0037】
【実施例】本発明の実施例において使用したペプチドは
すべて、ペプチド合成機(Pioneer、日本パーセ
プティブ(株))を用いた化学合成法により、合成し
た。具体的には、Fmoc法による固相合成法で縮合剤
としてHATU(日本パーセプティブ(株))を使用し
た。合成の際に使用した樹脂、アミノ酸は日本パーセプ
ティブ(株)から購入した。また、本実施例で用いた試
薬は特別な指示がない限り、ナカライテスク(株)また
はシグマアルドリッチジャパン(株)から入手した。
【0038】調製例 アミノ酸配列Leu−Arg−Val−Arg−Leu
−Ala−Ser−His−Leu−Arg−Lys−
Leu−Arg−Lys−Arg−Leu−Leu−A
rg−Asp−Ala−Asp−Asp−Leu−Gl
n−Lys−Arg−Leu−Ala−Val−Tyr
(配列番号1)のペプチド(A)を作製し、逆相カラム
を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC、Gu
lliver 1500、日本分光(株))によって精
製した。HPLCは、粒径5μmのC18シリカゲルを
充填した長さ125mm×内径4mmのカラム(Kro
masil100C18)を使用し、溶出の条件は0.
1%トリフルオロ酢酸水溶液(TFA)と80%アセト
ニトリル水溶液とを用いて、両水溶液を20%〜80%
の範囲で経時的に濃度勾配を設けて、毎分0.75ml
の流量で前記カラムに30分間供給した。ピークの検知
手段については波長215nmの紫外線検出器(Gul
liver 1500、日本分光(株))を用いた。吸
光度の検出結果を図1に示す。
【0039】同様の手法を用いて以下に示す一連のペプ
チドを合成し、そして精製して、その後の抗菌試験に使
用した。 ペプチド(A)の短縮形 ペプチド(A−1) Arg−Val−Arg−Leu
−Ala−Ser−His−Leu−Arg−Lys−
Leu−Arg−Lys−Arg−Leu−Leu−A
rg−Asp−Ala−Asp−Asp−Leu−Gl
n−Lys−Arg−Leu(配列番号2) ペプチド(A−2) Arg−Val−Arg−Leu
−Ala−Ser−His−Leu−Arg−Lys−
Leu−Arg−Lys−Arg−Leu−Leu−A
rg−Asp−Ala−Asp−Asp−Leu(配列
番号3) ペプチド(A−3) Arg−Val−Arg−Leu
−Ala−Ser−His−Leu−Arg−Lys−
Leu−Arg−Lys−Arg−Leu−Leu−A
rg−Asp(配列番号4)。
【0040】配列番号1のペプチドの置換による改変体
の例 ペプチド(B) Leu−Arg−Val−Arg−L
eu−Ala−Ser−His−Ala(Leu)−A
rg−Lys−Ala(Leu)−Arg−Lys−A
rg−Ala(Leu)−Ala(Leu)−Arg−
Asp−Ala−Asp−Asp−Leu−Gln−L
ys−Arg−Leu−Ala−Val−Tyr(配列
番号5)。
【0041】対照 ペプチド(C)Gly−Asp−Phe−Phe−Ar
g−Lys−Ser−Lys−Glu−Lys−Ile
−Gly−Lys−Glu−Phe−Lys−Arg−
Ile−Val−Gln−Arg−Ile−Lys−A
sp−Phe−Leu−Arg−Asn−Leu−Va
l(抗菌性カチオン蛋白質18由来)(配列番号6)。
【0042】以上のように得られた配列番号1のペプチ
ド(A)、ペプチド(A−1)、ペプチド(A−2)、
ペプチド(A−3)、ペプチド(B)、ペプチド(C)
について以下の実施例1〜3において抗菌試験を行っ
た。
【0043】抗菌試験 以下の実施例において、抗菌試験は以下のように行っ
た。使用した細菌は、すべて、社団法人 総合保健セン
ターより入手した。ペプチドを滅菌生理食塩水で希釈
し、各濃度のサンプルを作製した。各サンプルに1%ペ
プトン水に浮遊した大腸菌(Escherichia
coli ATCC 25922)、黄色ブドウ球菌
(Staphylococcus aureus AT
CC 25923)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(m
ethicillin−resistant Stap
hylococcus aureus)、緑膿菌(Ps
eudomonas aeruginosa ATCC
27853)、サルモネラ菌(Salmonella
0−9群、H−G群)、ネズミチフス菌(Salmo
nella typhimurium IFO 142
09)をそれぞれ混合し、最終菌濃度が1×107CF
U/ml程度になるよう試験管中で培養した。そして、
37℃、2時間インキュベートした後、各サンプルを血
液寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン社製)に混
和し、更に37℃にて、48時間培養した後、各サンプ
ルの菌の発育状況を調べた。結果、48時間後の生菌数
が100以下であった薬剤濃度(μM)を表に示した。
【0044】実施例1:配列番号1のペプチドの抗菌性 上記のように合成したペプチド(A)、および抗菌性カ
チオン蛋白質18の配列由来のペプチド(C)(配列番
号6)および抗生物質ゲンタマイシン(Gentamy
cin Reagent、Aurora Biolog
icals Ltd.)の各々の抗菌活性を、上記の抗
菌試験により試験した。これらの試験の結果を表1に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなようにペプチド
(A)はMRSAを含む幅広い抗菌作用を示した。全体
としてグラム陰性菌に対する抗菌力がグラム陽性菌に対
するものよりも高い。その活性は、最下段のゲンタマイ
シンと比較するとわかるように、従来の抗生物質に匹敵
する程度といえる。また、対照のペプチド(C)は、好
中球の中にあるCAP18由来のペプチドで既に強力な
抗菌作用を示すことが知られているものであるが、本発
明のペプチド(A)はこの公知のペプチドと同等、ある
いはそれ以上の抗菌作用をもつことがわかる。
【0047】実施例2:配列番号1のペプチドのアミノ
酸長の抗菌性への影響 配列番号1のペプチド、およびその短縮形として、それ
ぞれ26、22、および18個のアミノ酸からなるペプ
チド(A−1)、(A−2)、および(A−3)(それ
ぞれ、配列番号2、3、および4)を上記のように合成
した。これらのペプチドを最終菌濃度が1×104CF
U/ml程度となるようにした以外は上記の抗菌試験と
同様に試験した。これらの試験の結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果からわかるように、この30残
基ペプチドの一部の配列を有するペプチドもまた、一定
の抗菌性を示した。しかし、長さが短くなるにつれて抗
菌性が減少することから、高い抗菌性を有するためには
約20残基以上の長さをもつことが望ましいと考えられ
る。これはαヘリックスの構造のペプチドが、生体膜を
貫通するためには一定以上の長さが必要となるからであ
ると考えられる。
【0050】実施例3:配列番号1のペプチドのアミノ
酸置換の抗菌性への影響 ペプチド(A)、およびペプチド(A)のロイシンをア
ラニンに置換したペプチド(B)(配列番号5)を上記
のように合成した。これらのペプチドの抗菌活性を上記
の抗菌試験により試験した。これらの試験の結果を表3
に示す。
【0051】
【表3】
【0052】表3の結果からわかるように、ペプチド
(A)の30残基のペプチドの中央に位置する4つのL
euをAlaに置換したペプチド(B)(配列番号5)
もまた、抗菌活性を保持していた。本発明者らの実験で
は、30残基の中のいくつかのアミノ酸に、保存的置換
を施しても抗菌活性は保持されていた。これらのこと
は、ペプチド(A)の改変体もまた抗菌活性を保持し得
ることを示す。
【0053】
【発明の効果】本発明の新規ペプチドは、ヒト血漿中蛋
白質由来のものとしては、初めて報告される抗菌性ペプ
チドである。その抗菌力は、既に報告されているヒト細
胞内蛋白質(顆粒球由来)CAP18の活性部位のペプ
チド(C)(配列番号6)と同等あるいは、それ以上で
あり得、古典的な抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)
にも匹敵し得る。
【0054】又、これはヒト由来の抗菌性ペプチドであ
るので、従来の抗生物質に近いかまたはそれ以上の抗菌
力を保持しながら、より抗菌スペクトルが広く、細菌の
細胞膜に作用することから細菌に耐性を与え難く、人体
および環境に副作用および害が少ないという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1においてペプチド合成機を用いる化
学合成法により合成したペプチド(A)(配列番号1)
の逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)による精製のチャート図。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Miwa Noriyuki Kojima Taiki <120> Novel antibacterial peptides <130> J198381635 <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 30 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Human derived <400> 1 Leu Arg Val Arg Leu Ala Ser His Leu Arg Lys Leu Arg Lys Arg Leu 1 5 10 15 Leu Arg Asp Ala Asp Asp Leu Gln Lys Arg Leu Ala Val Tyr 20 25 30 <210> 2 <211> 26 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:human derived <400> 2 Arg Val Arg Leu Ala Ser His Leu Arg Lys Leu Arg Lys Arg Leu Leu 1 5 10 15 Arg Asp Ala Asp Asp Leu Gln Lys Arg Leu 20 25 <210> 3 <211> 22 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:human derived <400> 3 Arg Val Arg Leu Ala Ser His Leu Arg Lys Leu Arg Lys Arg Leu Leu 1 5 10 15 Arg Asp Ala Asp Asp Leu 20 <210> 4 <211> 18 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:human derived <400> 4 Arg Val Arg Leu Ala Ser His Leu Arg Lys Leu Arg Lys Arg Leu Leu 1 5 10 15 Arg Asp Ala <210> 5 <211> 30 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:human origine <400> 5 Leu Arg Val Arg Leu Ala Ser His Ala Arg Lys Ala Arg Lys Arg Ala 1 5 10 15 Ala Arg Asp Ala Asp Asp Leu Gln Lys Arg Leu Ala Val Tyr 20 25 30 <210> 6 <211> 30 <212> PRT <213> Homo sapiens CAP18 origine <400> 6 Gly Asp Phe Phe Arg Lys Ser Lys Glu Lys Ile Gly Lys Glu Phe Lys 1 5 10 15 Arg Ile Val Gln Arg Ile Lys Asp Phe Leu Arg Asn Leu Val 20 25 30
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 A61K 37/02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列:Leu−Arg−V
    al−Arg−Leu−Ala−Ser−His−Le
    u−Arg−Lys−Leu−Arg−Lys−Arg
    −Leu−Leu−Arg−Asp−Ala−Asp−
    Asp−Leu−Gln−Lys−Arg−Leu−A
    la−Val−Tyr(配列番号1)を有する抗菌性ペ
    プチドまたは抗菌性を有するその改変体。
  2. 【請求項2】前記改変が、親水性インデックスまたは疎
    水性インデックスの変化が±2以内の保存的置換であ
    る、請求項1に記載のペプチドまたはその改変体。
  3. 【請求項3】前記改変が、親水性インデックスまたは疎
    水性インデックスの変化が±1以内の保存的置換であ
    る、請求項2に記載のペプチドまたはその改変体。
  4. 【請求項4】前記改変が、親水性インデックスまたは疎
    水性インデックスの変化が±0.5以内の保存的置換で
    ある、請求項3に記載のペプチドまたはその改変体。
  5. 【請求項5】前記改変が、天然アミノ酸による置換、付
    加、または挿入である、請求項1に記載のペプチドまた
    はその改変体。
  6. 【請求項6】前記改変が、10アミノ酸以下の置換、付
    加、挿入、または欠失である、請求項1に記載のペプチ
    ドまたはその改変体。
  7. 【請求項7】前記改変が、3アミノ酸以下の置換、付
    加、挿入、または欠失である、請求項6に記載のペプチ
    ドまたはその改変体。
  8. 【請求項8】前記ペプチドが、ヒトApoE蛋白質のア
    ミノ酸配列の一部を有する、請求項1に記載のペプチド
    またはその改変体。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1つに記載のペプ
    チドまたはその改変体のアミノ酸配列をコードするポリ
    ヌクレオチド。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれか1つに記載のペ
    プチドまたはその改変体を抗菌成分として包含する抗菌
    剤。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれか1つに記載のペ
    プチドまたはその改変体を抗菌成分として包含する医療
    用具。
  12. 【請求項12】前記ペプチドがキャリアまたは膜と組み
    合わされた、請求項11に記載の医療用具。
  13. 【請求項13】前記医療用具が血液浄化器である、請求
    項11に記載の医療用具。
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