JP2000216257A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2000216257A
JP2000216257A JP11011691A JP1169199A JP2000216257A JP 2000216257 A JP2000216257 A JP 2000216257A JP 11011691 A JP11011691 A JP 11011691A JP 1169199 A JP1169199 A JP 1169199A JP 2000216257 A JP2000216257 A JP 2000216257A
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gate insulating
insulating film
film
transistor
semiconductor device
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English (en)
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Atsushi Ishinaga
篤 石長
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Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一半導体基板上にゲート絶縁膜厚の異なる
2種類のトランジスタを形成する際に、それらのゲート
絶縁膜が膜厚制御性に優れ、高信頼性の膜とし、2種類
のトランジスタの信頼性を確保する。 【解決手段】 NOガス203雰囲気中で400〜10
00℃の熱処理を行い、シリコン基板201表面にシリ
コン窒化膜204を形成する。低圧系トランジスタ形成
領域Bをレジスト205で覆い、ウェットエッチングに
より高圧系トランジスタ形成領域Aのシリコン窒化膜2
04を除去する。レジスト205を剥離した後、酸化処
理を行い、高圧系トランジスタ形成領域Aのゲート絶縁
膜が所望の膜厚となるように厚膜ゲート絶縁膜208を
形成する。このとき、低圧系トランジスタ形成領域Bで
は、シリコン基板201表面にシリコン窒化膜204が
存在しているため、厚膜ゲート絶縁膜208よりも薄い
薄膜ゲート絶縁膜207が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体集積回
路に使用される半導体装置およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】CMOS搭載マイコンのように電源電圧
が一定でかつ高速動作を実現するような半導体集積回路
を作製する場合、電源電圧がそのまま印加される入出力
部や周辺トランジスタ部には、厚膜ゲート絶縁膜を有す
る高圧系トランジスタが使用される。また、降圧回路に
より降圧された電圧が印加され、かつ高速動作の要求さ
れるメモリ部には、薄膜ゲート絶縁膜を有する低圧系ト
ランジスタが使用される。このように高圧系トランジス
タおよび低圧系トランジスタを有する半導体装置では、
同一半導体基板上に、膜厚の異なる2種類のゲート絶縁
膜を形成する必要がある。
【0003】以下、図6を参照しながら従来の半導体装
置の製造方法について説明する。図6は従来の半導体装
置の製造方法を示す工程断面図である。図6において、
601はシリコン基板、602はLOCOS酸化膜、6
03は酸化種、604はシリコン酸化膜、605はレジ
スト、606はシリコン酸化膜で形成された薄膜ゲート
絶縁膜、607は積層されたシリコン酸化膜で形成され
た厚膜ゲート絶縁膜、608はゲート電極用のポリシリ
コン膜であり、Aは厚膜ゲート絶縁膜を有する高圧系ト
ランジスタ形成領域、Bは薄膜ゲート絶縁膜を有する低
圧系トランジスタ形成領域を示す。
【0004】まず、シリコン基板601上に素子間を分
離するLOCOS酸化膜602を形成する(図6
(a))。次に、酸素や水蒸気といった酸化種603を
用いてシリコン酸化膜604を形成する(図6
(b))。次に高圧系トランジスタ形成領域Aをレジス
ト605で覆い、低圧系トランジスタ形成領域Bのシリ
コン酸化膜603をウェットエッチング等により除去す
る(図6(c))。次にレジスト605を剥離した後、
再度、酸化種603雰囲気中で薄膜ゲート絶縁膜606
が所望の膜厚となるように酸化処理を行う。このとき、
高圧系トランジスタ形成領域Aではシリコン酸化膜60
4がさらに酸化され、積層のシリコン酸化膜となった厚
膜ゲート絶縁膜607が形成される(図6(d))。
【0005】次に全面にポリシリコン膜608を成膜し
(図6(e))、その後、図示しないがポリシリコン膜
608のパターニングを行って高圧系トランジスタ形成
領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにゲート電
極を形成し、さらに周知の方法により高圧系トランジス
タ形成領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにそ
れぞれソース・ドレイン領域を形成することで、同一シ
リコン基板601上に膜厚の異なる2種類のゲート絶縁
膜を有するMOSトランジスタを形成することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、レジスト605を剥離したときの洗浄工程
で高圧系トランジスタ形成領域Aのシリコン酸化膜60
4の膜減りが生じるため、厚膜ゲート絶縁膜607の膜
厚制御が困難であった。また、レジスト605形成のリ
ソグラフィ工程やそれを剥離したときの洗浄工程により
汚染の影響を受けやすく、厚膜ゲート絶縁膜607の膜
質劣化が生じ、高圧系トランジスタの信頼性を確保する
ことが困難になるという課題を有していた。
【0007】また、ゲート絶縁膜は膜厚が薄くなるにつ
れ、汚染などの影響による初期不良や偶発不良は減少す
るが、膜本来の実力である真性破壊までの寿命が短くな
り、単層のシリコン酸化膜からなる薄膜ゲート絶縁膜6
06では、低圧系トランジスタの信頼性を確保すること
が困難になるという課題を有していた。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、同一
半導体基板上にゲート絶縁膜厚の異なる2種類のトラン
ジスタを有する半導体装置において、それらのゲート絶
縁膜を膜厚制御性に優れ、高信頼性の膜とし、2種類の
トランジスタの信頼性を確保できる半導体装置およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶
縁膜を有する第1のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜
より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する第2のトラン
ジスタとを備えた半導体装置であって、厚膜ゲート絶縁
膜は単層のシリコン酸化膜で構成され、薄膜ゲート絶縁
膜は膜中に窒素原子を含んだシリコン酸化膜で構成され
たことを特徴とする。この構成によれば、厚膜ゲート絶
縁膜は単層であるため、その膜厚制御も簡単で、また汚
染の影響を受けていない高信頼性の膜となり、薄膜ゲー
ト絶縁膜は酸化膜中のダングリングボンドやブロークン
ボンドが窒素で終端された高信頼性の膜となるという作
用を有する。
【0010】本発明の請求項2記載の発明は、同一半導
体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶縁膜を有する第1
のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜より膜厚の薄い薄
膜ゲート絶縁膜を有する第2のトランジスタとを備えた
半導体装置であって、厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲー
ト絶縁膜は膜中に窒素原子を含んだシリコン酸化膜で構
成されたことを特徴とする。この構成によれば、厚膜ゲ
ート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜は酸化膜中のダング
リングボンドやブロークンボンドが窒素で終端された高
信頼性の膜となるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項3記載の発明は、請求項1
記載の半導体装置において、薄膜ゲート絶縁膜は膜中に
1〜10atm%の窒素原子を含んだシリコン酸化膜で
構成されたものであり、この程度の窒素原子を含むこと
が好ましい。
【0012】本発明の請求項4記載の発明は、請求項2
記載の半導体装置において、厚膜ゲート絶縁膜および薄
膜ゲート絶縁膜はそれぞれ膜中に1〜10atm%の窒
素原子を含んだシリコン酸化膜で構成されたものであ
り、この程度の窒素原子を含むことが好ましい。
【0013】本発明の請求項5記載の発明は、請求項
1,2,3または4記載の半導体装置において、薄膜ゲ
ート絶縁膜の膜厚を2nm以上で5nm以下としたもの
である。5nm以下とすることにより、窒素原子を含ん
だシリコン酸化膜からなり汚染の影響を受けやすくなる
薄膜ゲート絶縁膜の初期不良率および偶発不良率を低減
できる。これは、絶縁膜の初期不良および偶発不良は薄
膜化とともに低減していき5nm以下となると全く観察
されなくなることによる。また、2nm以上とすること
により、寿命を確保することができる。
【0014】本発明の請求項6記載の発明は、同一半導
体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶縁膜を有する第1
のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜より膜厚の薄い薄
膜ゲート絶縁膜を有する第2のトランジスタとを備えた
半導体装置の製造方法であって、第1および第2のトラ
ンジスタ形成領域の半導体基板の表面を窒化してシリコ
ン窒化膜を形成する窒化工程と、第1のトランジスタ形
成領域のシリコン窒化膜をエッチングするエッチング工
程と、第1のトランジスタ形成領域の半導体基板表面お
よび第2のトランジスタ形成領域のシリコン窒化膜を酸
化することにより厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶
縁膜を形成する酸化工程とを含むことを特徴とするもの
であり、厚膜ゲート絶縁膜が単層のシリコン酸化膜とな
り、薄膜ゲート絶縁膜が窒素原子を含んだシリコン酸化
膜となり、膜厚の異なる高信頼性の厚膜ゲート絶縁膜と
薄膜ゲート絶縁膜とを形成できるという作用を有する。
【0015】本発明の請求項7記載の発明は、同一半導
体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶縁膜を有する第1
のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜より膜厚の薄い薄
膜ゲート絶縁膜を有する第2のトランジスタとを備えた
半導体装置の製造方法であって、第1および第2のトラ
ンジスタ形成領域の半導体基板の表面を酸化してシリコ
ン酸化膜を形成する第1の酸化工程と、第2のトランジ
スタ形成領域のシリコン酸化膜をエッチングするエッチ
ング工程と、第1のトランジスタ形成領域のシリコン酸
化膜および第2のトランジスタ形成領域の半導体基板表
面を窒化する窒化工程と、この窒化工程後に第1および
第2のトランジスタ形成領域を酸化することにより厚膜
ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜を形成する第2の
酸化工程とを含むことを特徴とするものであり、厚膜ゲ
ート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜が窒素原子を含んだ
シリコン酸化膜となり、膜厚の異なる高信頼性の厚膜ゲ
ート絶縁膜と薄膜ゲート絶縁膜とを形成できるという作
用を有する。
【0016】本発明の請求項8記載の発明は、請求項6
または7記載の半導体装置の製造方法において、窒化工
程は、急速加熱炉を用いて、一酸化窒素雰囲気中で40
0〜1000℃の熱処理により窒化を行うことを特徴と
するものであり、温度または窒化時間を変化させること
で容易に窒化の度合を調整でき、薄膜ゲート絶縁膜の膜
厚を簡単に制御できるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項9記載の発明は、請求項6
または7記載の半導体装置の製造方法において、窒化工
程は、急速加熱炉を用いて、笑気ガス雰囲気中で400
〜1000℃の熱処理により窒化を行うことを特徴とす
るものであり、温度または窒化時間を変化させることで
容易に窒化の度合を調整でき、薄膜ゲート絶縁膜の膜厚
を簡単に制御できるという作用を有する。
【0018】本発明の請求項10記載の発明は、請求項
6または7記載の半導体装置の製造方法において、窒化
工程は、急速加熱炉を用いて、アンモニア雰囲気中で4
00〜1000℃の熱処理により窒化を行うことを特徴
とするものであり、温度または窒化時間を変化させるこ
とで容易に窒化の度合を調整でき、薄膜ゲート絶縁膜の
膜厚を簡単に制御できるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項11記載の発明は、請求項
6または7記載の半導体装置の製造方法において、窒化
工程は、抵抗加熱炉を用いて、笑気ガス雰囲気中で40
0〜1000℃の熱処理により窒化を行うことを特徴と
するものであり、温度または窒化時間を変化させること
で容易に窒化の度合を調整でき、薄膜ゲート絶縁膜の膜
厚を簡単に制御できるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項12記載の発明は、請求項
8記載の半導体装置の製造方法において、一酸化窒素雰
囲気中で行う熱処理温度を600〜900℃とすること
を特徴とするもので、これにより最適な窒化状態にする
ことができる。
【0021】本発明の請求項13記載の発明は、請求項
9または11記載の半導体装置の製造方法において、笑
気ガス雰囲気中で行う熱処理温度を700〜1000℃
とすることを特徴とするもので、これにより最適な窒化
状態にすることができる。
【0022】本発明の請求項14記載の発明は、同一半
導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶縁膜を有する第
1のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜より膜厚の薄い
薄膜ゲート絶縁膜を有する第2のトランジスタとを備え
た半導体装置の製造方法であって、第2のトランジスタ
形成領域の半導体基板の表面に窒素をイオン注入してシ
リコン窒化膜を形成する窒素イオン注入工程と、第1の
トランジスタ形成領域の半導体基板表面および第2のト
ランジスタ形成領域のシリコン窒化膜を酸化することに
より厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜を形成す
る酸化工程とを含むことを特徴とするものであり、厚膜
ゲート絶縁膜が単層のシリコン酸化膜となり、薄膜ゲー
ト絶縁膜が窒素原子を含んだシリコン酸化膜となり、膜
厚の異なる高信頼性の厚膜ゲート絶縁膜と薄膜ゲート絶
縁膜とを形成できるという作用を有する。
【0023】本発明の請求項15記載の発明は、同一半
導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲート絶縁膜を有する第
1のトランジスタと、厚膜ゲート絶縁膜より膜厚の薄い
薄膜ゲート絶縁膜を有する第2のトランジスタとを備え
た半導体装置の製造方法であって、第1および第2のト
ランジスタ形成領域の半導体基板の表面を酸化してシリ
コン酸化膜を形成する第1の酸化工程と、第2のトラン
ジスタ形成領域のシリコン酸化膜をエッチングするエッ
チング工程と、第1のトランジスタ形成領域のシリコン
酸化膜および第2のトランジスタ形成領域の半導体基板
表面に窒素をイオン注入する窒素イオン注入工程と、こ
の窒素イオン注入工程後に第1および第2のトランジス
タ形成領域を酸化することにより厚膜ゲート絶縁膜およ
び薄膜ゲート絶縁膜を形成する第2の酸化工程とを含む
ことを特徴とするものであり、厚膜ゲート絶縁膜および
薄膜ゲート絶縁膜が窒素原子を含んだシリコン酸化膜と
なり、膜厚の異なる高信頼性の厚膜ゲート絶縁膜と薄膜
ゲート絶縁膜とを形成できるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項16記載の発明は、請求項
14または15記載の半導体装置の製造方法において、
窒素イオン注入工程は、イオン注入機を用いて、2〜3
0keVの注入エネルギーで、かつ1×1013〜5×1
14cm-2のドーズ量で窒素を注入することを特徴とす
るものであり、この範囲で注入エネルギーとドーズ量を
変化させることで容易に窒化の度合を調整でき、薄膜ゲ
ート絶縁膜の膜厚を簡単に制御できるという作用を有す
る。
【0025】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態;請求項1等
に対応〕以下、本発明の第1の実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態における半導体装置の構成を示す断面図である。
図1において、101はシリコン基板、102は素子間
を分離するLOCOS酸化膜、103は厚膜ゲート絶縁
膜、104は薄膜ゲート絶縁膜、105a,105bは
ポリシリコン膜からなるゲート電極、106は高圧系ト
ランジスタ(第1のトランジスタ)のソース・ドレイン
領域、107は低圧系トランジスタ(第2のトランジス
タ)のソース・ドレイン領域であり、Aは高圧系トラン
ジスタ形成領域、Bは低圧系トランジスタ形成領域を示
す。
【0026】この実施の形態における半導体装置の特徴
は、ゲート電極105aに高電圧が印加される高圧系ト
ランジスタの厚膜ゲート絶縁膜103を単層のシリコン
酸化膜で構成し、ゲート電極105bに低電圧が印加さ
れる低圧系トランジスタの薄膜ゲート絶縁膜104を膜
中に窒素原子を含むシリコン酸化膜で構成していること
である。
【0027】従来例でも述べたが、CMOS搭載マイコ
ンのように電源電圧が一定でかつ高速動作を実現するよ
うな半導体集積回路を作製する場合、電源電圧がそのま
ま印加される入出力部や周辺トランジスタ部には、厚膜
ゲート絶縁膜103を有する高圧系トランジスタが使用
され、降圧回路により降圧された電圧が印加され、かつ
高速動作の要求されるメモリ部には、薄膜ゲート絶縁膜
104を有する低圧系トランジスタが使用される。
【0028】ここで、高電圧の印加される厚膜ゲート絶
縁膜103には、その印加電圧に耐えうる膜厚が要求さ
れる。一方、ゲート絶縁膜は膜厚が厚くなるにつれ、プ
ロセス中に発生しシリコン基板101上に残留する種々
の汚染などの影響を取り込みやすくなり、ゲート絶縁膜
信頼性の初期不良や偶発不良が増加する。このとき、従
来構造のように厚膜ゲート絶縁膜607(図6)が積層
されたシリコン酸化膜であった場合、プロセス中に発生
した汚染が完全に除去されず最終的に厚膜ゲート絶縁膜
607中に取り込まれるため、高圧系トランジスタの信
頼性不良が多発する。これに対し、本実施の形態のよう
に、単層のシリコン酸化膜からなる厚膜ゲート絶縁膜1
03を用いた場合には、ゲート絶縁膜を形成する直前に
充分な洗浄を行うことが可能になるため高信頼性の高圧
系トランジスタを形成することができる。
【0029】また、高速動作の要求される低圧系トラン
ジスタに使用される薄膜ゲート絶縁膜104には、2〜
5nmといった非常に薄いゲート絶縁膜が使用される。
一方、ゲート絶縁膜は膜厚が薄くなるにつれ、汚染など
の影響による初期不良や偶発不良は減少するが、膜本来
の実力である真性破壊までの寿命が短くなる。このと
き、従来構造のように薄膜ゲート絶縁膜606(図6)
が単層のシリコン酸化膜であった場合、低圧系トランジ
スタの信頼性を確保することが困難となる。これに対
し、本実施の形態のように、膜中に窒素原子を含んだシ
リコン酸化膜からなる薄膜ゲート絶縁膜104を用いた
場合には、真性破壊の要因となるシリコン酸化膜中のダ
ングリングボンドやブロークンボンドが窒素により終端
されているため、非常に薄いゲート絶縁膜でも信頼性を
確保できるため高信頼性の低圧系トランジスタを形成す
ることができる。
【0030】以上のように本実施の形態によれば、厚膜
ゲート絶縁膜103を単層のシリコン酸化膜にし、薄膜
ゲート絶縁膜104を膜中に窒素原子を含むシリコン酸
化膜にすることにより、高信頼性の厚膜ゲート絶縁膜1
03および薄膜ゲート絶縁膜104を同一シリコン基板
101上に同時に形成することができ、高信頼性の高圧
系トランジスタおよび低圧系トランジスタを実現できる
ものである。また、厚膜ゲート絶縁膜103は単層のシ
リコン酸化膜で形成するため、その膜厚制御は容易であ
る。
【0031】なお、低圧系トランジスタの薄膜ゲート絶
縁膜104は、膜中に1〜10atm%の窒素原子を含
むシリコン酸化膜(シリコン酸窒化膜)で構成すること
が好ましい。これは、窒素原子が1atm%未満では窒
化が不十分となり、単なる酸化膜と特性的に変わらなく
なってしまい、また、10atm%を超えるとリーク電
流が増加し、使用できないからである。また、現在の装
置で容易に形成できる実用的な範囲は、1〜3atm%
の窒素原子を含むシリコン酸化膜である。
【0032】また、薄膜ゲート絶縁膜104の膜厚は2
nm以上で5nm以下とすることが好ましい。これは、
5nm以下とすることにより、薄膜ゲート絶縁膜104
の初期不良および偶発不良を防止することができ、また
2nm未満ではその寿命を確保することができないから
である。
【0033】〔第2の実施の形態;請求項6等に対応〕
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照
しながら説明する。この第2の実施の形態は、第1の実
施の形態の半導体装置についてその製造方法の一例を説
明するものである。
【0034】図2は本発明の第2の実施の形態における
半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図2に
おいて、201はシリコン基板、202はLOCOS酸
化膜、203はNOガス、204はシリコン窒化膜、2
05はレジスト、206は酸化種、207は薄膜ゲート
絶縁膜、208は厚膜ゲート絶縁膜、209はゲート電
極用のポリシリコン膜であり、Aは高圧系トランジスタ
形成領域、Bは低圧系トランジスタ形成領域を示す。
【0035】まず、シリコン基板201上に素子間を分
離するLOCOS酸化膜202を形成する(図2
(a))。次に急速加熱炉を用いてNOガス203雰囲
気中で400〜1000℃の熱処理を行い、シリコン窒
化膜204を形成する(図2(b))。次に低圧系トラ
ンジスタ形成領域Bをレジスト205で覆い、ウェット
エッチングにより高圧系トランジスタ形成領域Aのシリ
コン窒化膜204を除去し、シリコン基板201を露出
させる(図2(c))。
【0036】次にレジスト205を剥離した後、酸化種
206雰囲気中で熱処理を行い、高圧系トランジスタ形
成領域Aのゲート絶縁膜が所望の膜厚となるように厚膜
ゲート絶縁膜208を形成する。このとき、低圧系トラ
ンジスタ形成領域Bでは、シリコン基板201表面にシ
リコン窒化膜204が存在しているため酸化種206の
拡散を抑制し、厚膜ゲート絶縁膜208よりも薄い薄膜
ゲート絶縁膜207が形成される(図2(d))。この
薄膜ゲート絶縁膜207を所望の膜厚にするためには、
NOガス203雰囲気での窒化処理の温度(400〜1
000℃の範囲内で)および時間を変えることで調整す
ることができる。
【0037】次に全面にポリシリコン膜209を成膜し
(図2(e))、その後、図示しないがポリシリコン膜
209のパターニングを行って高圧系トランジスタ形成
領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにゲート電
極(図1のゲート電極105a,105b参照)を形成
し、さらに周知の方法により高圧系トランジスタ形成領
域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにそれぞれソ
ース・ドレイン領域(図1のソース・ドレイン領域10
6,107参照)を形成することで、同一シリコン基板
201上にそれぞれ膜厚の異なる高信頼性のゲート絶縁
膜を持った高圧系トランジスタと低圧系トランジスタの
2種類のトランジスタを形成することができる。
【0038】なお、本実施の形態では、図2(b)の工
程で、シリコン窒化膜204を形成するために、急速加
熱炉を用いてNOガス203雰囲気中で400〜100
0℃の熱処理を行ったが、急速加熱炉または抵抗加熱炉
を用いて笑気ガス(N2 O)雰囲気中で400〜100
0℃の熱処理を行ってもよいし、急速加熱炉を用いてア
ンモニア雰囲気中で400〜1000℃の熱処理を行っ
てもよい。いずれの場合も、400〜1000℃の範囲
内で温度を調整するか、処理時間を調整することで、容
易に窒化の度合を調整でき、これにより薄膜ゲート絶縁
膜207を所望の膜厚にできる。いずれの場合も上記の
熱処理温度が400℃未満であれば、温度が低すぎて窒
化されなくなり、また1000℃を超えた場合にはRT
Pでのスリップ(結晶欠陥)や熱履歴の増大などプロセ
ス的な問題が生じ、トランジスタに悪影響を及ぼしトラ
ンジスタ特性が悪くなる。
【0039】さらに、NOガスの場合には、600〜9
00℃の範囲の熱処理がより好ましく、適度な窒化が行
える。これは、600℃未満では窒化の程度が小さく、
900℃を超えると窒化が強すぎて酸化を行っても膜厚
を稼ぐのが難しくなるからである。同様に、笑気ガスの
場合には、700〜1000℃の範囲で熱処理を行うの
がより好ましい。また、アンモニアの場合にも同様に6
00〜900℃の範囲で熱処理をおこなうのがより好ま
しいと考えられる。
【0040】〔第3の実施の形態;請求項14等に対
応〕以下、本発明の第3の実施の形態について、図面を
参照しながら説明する。この第3の実施の形態は、第1
の実施の形態の半導体装置についてその製造方法の一例
を説明するものである。
【0041】図3は本発明の第3の実施の形態における
半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図3に
おいて、301はシリコン基板、302はLOCOS酸
化膜、305はレジスト、306はシリコン窒化膜、3
07は酸化種、308は厚膜ゲート絶縁膜、309は薄
膜ゲート絶縁膜、310はゲート電極用のポリシリコン
膜であり、Aは高圧系トランジスタ形成領域、Bは低圧
系トランジスタ形成領域を示す。
【0042】まず、シリコン基板301上に素子間を分
離するLOCOS酸化膜302を形成する(図3
(a))。次に高圧系トランジスタ形成領域Aをレジス
ト305で覆い、イオン注入機を用いて窒素を低エネル
ギーで注入を行う(窒素イオン注入311)。このと
き、低圧系トランジスタ形成領域Bのシリコン基板30
1表面は注入により窒化されシリコン窒化膜306が形
成される(図3(b))。
【0043】次にレジスト305を剥離した後、酸化種
307雰囲気中で熱処理を行い、高圧系トランジスタ形
成領域Aのゲート絶縁膜が所望の膜厚となるように厚膜
ゲート絶縁膜308を形成する。このとき、低圧系トラ
ンジスタ形成領域Bでは、シリコン基板301表面にシ
リコン窒化膜306が存在しているため酸化種307の
拡散を抑制し、厚膜ゲート絶縁膜308よりも薄い薄膜
ゲート絶縁膜309が形成される(図3(c))。この
薄膜ゲート絶縁膜309を所望の膜厚にするためには窒
素注入時にそのドーズ量あるいは注入エネルギーを変え
ることで調整することができる。
【0044】次に全面にポリシリコン膜310を成膜し
(図3(d))、その後、図示しないがポリシリコン膜
310のパターニングを行って高圧系トランジスタ形成
領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにゲート電
極(図1のゲート電極105a,105b参照)を形成
し、さらに周知の方法により高圧系トランジスタ形成領
域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにそれぞれソ
ース・ドレイン領域(図1のソース・ドレイン領域10
6,107参照)を形成することで、同一シリコン基板
301上にそれぞれ膜厚の異なる高信頼性のゲート絶縁
膜を持った高圧系トランジスタと低圧系トランジスタの
2種類のトランジスタを形成することができる。
【0045】なお、図3(b)の工程での窒素イオン注
入311は、イオン注入機を用いて2〜30keVの注
入エネルギーで、例えば1×1013〜5×1014cm-2
のドーズ量で行うものであり、この範囲内で注入エネル
ギーとドーズ量を変化させることで容易に窒化の度合を
調整でき、薄膜ゲート絶縁膜309の膜厚を簡単に制御
できる。なお、現在の装置で容易に注入できる実用的な
範囲の注入エネルギーは5keV以上である。また、3
0keVを超えると注入のピーク位置が深すぎてゲート
絶縁膜が形成されるシリコン基板301の表面に窒素が
注入されない。また、チャネル領域に窒素が入らないよ
うにするためには、15keV以下とするのが、より好
ましく、チャネル領域に窒素が入ると、トランジスタの
駆動力に悪影響を及ぼす懸念がある。
【0046】〔第4の実施の形態;請求項7等に対応〕
以下、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照
しながら説明する。この第4の実施の形態は、第1の実
施の形態の半導体装置についての製造方法ではない。第
1の実施の形態では、図1における厚膜ゲート絶縁膜1
03を単層のシリコン酸化膜で構成し、薄膜ゲート絶縁
膜104を膜中に窒素原子を含むシリコン酸化膜で構成
したものであったが、この第4の実施の形態では、図1
における厚膜ゲート絶縁膜103および薄膜ゲート絶縁
膜104の両方を、その膜中に窒素原子を含むシリコン
酸化膜で構成した半導体装置(請求項2に対応)につい
て、その製造方法の一例を説明する。
【0047】図4は本発明の第4の実施の形態における
半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図4に
おいて、401はシリコン基板、402はLOCOS酸
化膜、403は酸化種、404はシリコン酸化膜、40
5はレジスト、406はNOガス、407は窒化したシ
リコン酸化膜、408はシリコン窒化膜、409は酸化
種、410厚膜ゲート絶縁膜、411は薄膜ゲート絶縁
膜、412はゲート電極用のポリシリコン膜であり、A
は高圧系トランジスタ形成領域、Bは低圧系トランジス
タ形成領域を示す。
【0048】まず、シリコン基板401上に素子間を分
離するLOCOS酸化膜402を形成する(図4
(a))。次に酸化種403雰囲気中で熱処理を行いシ
リコン酸化膜404を形成する(図4(b))。次に高
圧系トランジスタ形成領域Aをレジスト405で覆い、
ウェットエッチングにより低圧系トランジスタ形成領域
Bのシリコン酸化膜404を除去し、シリコン基板40
1を露出させる(図4(c))。
【0049】次にレジスト405を剥離した後、急速加
熱炉を用いてNOガス406雰囲気中で400〜100
0℃の熱処理を行い、高圧系トランジスタ形成領域Aに
窒化したシリコン酸化膜407を、低圧系トランジスタ
形成領域Bにシリコン窒化膜408を形成する(図4
(d))。次に酸化種409雰囲気中で熱処理を行い厚
膜ゲート絶縁膜410および薄膜ゲート絶縁膜411を
形成する(図4(e))。このとき、厚膜ゲート絶縁膜
410と薄膜ゲート絶縁膜411とはともに膜中に窒素
を含んだ酸窒化膜となるため高信頼性のゲート絶縁膜と
なる。
【0050】次に全面にポリシリコン膜412を成膜し
(図4(f))、その後、図示しないがポリシリコン膜
412のパターニングを行って高圧系トランジスタ形成
領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにゲート電
極(図1のゲート電極105a,105b参照)を形成
し、さらに周知の方法により高圧系トランジスタ形成領
域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにそれぞれソ
ース・ドレイン領域(図1のソース・ドレイン領域10
6,107参照)を形成することで、同一シリコン基板
401上にそれぞれ膜厚の異なる高信頼性のゲート絶縁
膜を持った高圧系トランジスタと低圧系トランジスタの
2種類のトランジスタを形成することができる。
【0051】なお、本実施の形態では、図4(d)の工
程で、シリコン窒化膜408および窒化したシリコン酸
化膜407を形成するために、急速加熱炉を用いてNO
ガス406雰囲気中で400〜1000℃の熱処理を行
ったが、第2の実施の形態における図2(b)の工程の
場合と同様に、急速加熱炉または抵抗加熱炉を用いて笑
気ガス(N2 O)雰囲気中で400〜1000℃の熱処
理を行ってもよいし、急速加熱炉を用いてアンモニア雰
囲気中で400〜1000℃の熱処理を行ってもよい。
いずれの場合も、400〜1000℃の範囲内で温度を
調整するか、処理時間を調整することで、容易に窒化の
度合を調整でき、これにより薄膜ゲート絶縁膜411を
所望の膜厚にできる。さらに、第2の実施の形態と同
様、NOガスやアンモニアの場合には、600〜900
℃の範囲の熱処理がより好ましく、笑気ガスの場合に
は、700〜1000℃の範囲で熱処理を行うのがより
好ましい。また、アンモニアの場合にも同様に600〜
900℃の範囲で熱処理をおこなうのがより好ましいと
考えられる。
【0052】また、本実施の形態における厚膜ゲート絶
縁膜410および薄膜ゲート絶縁膜411のそれぞれの
膜中に含まれる窒素原子は、第1の実施の形態における
薄膜ゲート絶縁膜104と同様に、1〜10atm%で
あることが好ましく、現在の装置で容易に形成できる実
用的な範囲は、1〜3atm%である。
【0053】また、薄膜ゲート絶縁膜411の膜厚は、
第1の実施の形態と同様、2nm以上で5nm以下とす
ることにより、薄膜ゲート絶縁膜411の寿命を確保で
きるとともに初期不良や偶発不良を防止できる。
【0054】〔第5の実施の形態;請求項15等に対
応〕以下、本発明の第5の実施の形態について、図面を
参照しながら説明する。この第5の実施の形態では、第
4の実施の形態同様、図1における厚膜ゲート絶縁膜1
03および薄膜ゲート絶縁膜104の両方を、その膜中
に窒素原子を含むシリコン酸化膜で構成した半導体装置
(請求項2に対応)について、その製造方法の一例を説
明する。
【0055】図5は本発明の第5の実施の形態における
半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図5に
おいて、501はシリコン基板、502はLOCOS酸
化膜、503は酸化種、504はシリコン酸化膜、50
5はレジスト、506は窒化したシリコン酸化膜、50
7はシリコン窒化膜、508は酸化種、509は厚膜ゲ
ート絶縁膜、510は薄膜ゲート絶縁膜、511はゲー
ト電極用のポリシリコン膜であり、Aは高圧系トランジ
スタ形成領域、Bは低圧系トランジスタ形成領域を示
す。
【0056】まず、シリコン基板501上に素子間を分
離するLOCOS酸化膜502を形成する(図5
(a))。次に酸化種503雰囲気中で熱処理を行いシ
リコン酸化膜504を形成する(図5(b))。次に高
圧系トランジスタ形成領域Aをレジスト505で覆い、
ウェットエッチングにより低圧系トランジスタ形成領域
Bのシリコン酸化膜504を除去し、シリコン基板50
1を露出させる(図5(c))。
【0057】次にレジスト505を剥離した後、イオン
注入機を用いて窒素を注入し(窒素イオン注入51
2)、高圧系トランジスタ形成領域Aに窒化したシリコ
ン酸化膜506を、低圧系トランジスタ形成領域Bにシ
リコン窒化膜507を形成する(図5(d))。次に酸
化種509雰囲気中で熱処理を行い厚膜ゲート絶縁膜5
09および薄膜ゲート絶縁膜510を形成する(図5
(e))。このとき、厚膜ゲート絶縁膜509と薄膜ゲ
ート絶縁膜510ともに膜中に窒素を含んだ酸窒化膜と
なるため、高信頼性のゲート絶縁膜となる。
【0058】次に全面にポリシリコン膜511を成膜し
(図5(f))、その後、図示しないがポリシリコン膜
511のパターニングを行って高圧系トランジスタ形成
領域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにゲート電
極(図1のゲート電極105a,105b参照)を形成
し、さらに周知の方法により高圧系トランジスタ形成領
域Aおよび低圧系トランジスタ形成領域Bにそれぞれソ
ース・ドレイン領域(図1のソース・ドレイン領域10
6,107参照)を形成することで、同一シリコン基板
501上にそれぞれ膜厚の異なる高信頼性のゲート絶縁
膜を持った高圧系トランジスタと低圧系トランジスタの
2種類のトランジスタを形成することができる。
【0059】なお、図5(d)の工程での窒素イオン注
入512は、図3(b)の工程での窒素イオン注入31
1と同様に、イオン注入機を用いて2〜30keVの注
入エネルギーで、例えば1×1013〜5×1014cm-2
のドーズ量で行うものであり、この範囲内で注入エネル
ギーとドーズ量を変化させることで容易に窒化の度合を
調整でき、薄膜ゲート絶縁膜510の膜厚を簡単に制御
できる。
【0060】また、本実施の形態における厚膜ゲート絶
縁膜509および薄膜ゲート絶縁膜510のそれぞれの
膜中に含まれる窒素原子は、第1の実施の形態における
薄膜ゲート絶縁膜104と同様に、1〜10atm%で
あることが好ましく、現在の装置で容易に形成できる実
用的な範囲は、1〜3atm%である。
【0061】また、薄膜ゲート絶縁膜510の膜厚は、
第1の実施の形態と同様、2nm以上で5nm以下とす
ることにより、薄膜ゲート絶縁膜510の寿命を確保で
きるとともに初期不良や偶発不良を防止できる。
【0062】なお、上記第1〜第5の実施の形態におい
て、厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜以外の構
成および形成方法については任意でよく、図1の構成は
一例であり、例えばLDD構造など他の構成としてもよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明は、第1のトランジ
スタの厚膜ゲート絶縁膜を単層のシリコン酸化膜にし、
第2のトランジスタの薄膜ゲート絶縁膜を窒素原子を含
んだシリコン酸化膜にすることにより、または厚膜ゲー
ト絶縁膜および薄膜ゲート絶縁膜を窒素原子を含んだシ
リコン酸化膜にすることにより、膜厚の制御性に優れ、
かつ高信頼性の厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁
膜を同時に形成することができ、ゲート絶縁膜厚の異な
る高信頼性の第1および第2のトランジスタを実現でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体装置
の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における半導体装置
の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における半導体装置
の製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における半導体装置
の製造方法を示す工程断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態における半導体装置
の製造方法を示す工程断面図である。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
である。
【符号の説明】
101 シリコン基板 102 LOCOS酸化膜 103 厚膜ゲート絶縁膜 104 薄膜ゲート絶縁膜 105a,105b ゲート電極 106 ソース・ドレイン領域 107 ソース・ドレイン領域 201 シリコン基板 202 LOCOS酸化膜 203 NOガス 204 シリコン窒化膜 205 レジスト 206 酸化種 207 薄膜ゲート絶縁膜 208 厚膜ゲート絶縁膜 209 ポリシリコン膜 301 シリコン基板 302 LOCOS酸化膜 305 レジスト 306 シリコン窒化膜 307 酸化種 308 厚膜ゲート絶縁膜 309 薄膜ゲート絶縁膜 310 ポリシリコン膜 311 窒素イオン注入 401 シリコン基板 402 LOCOS酸化膜 403 酸化種 404 シリコン酸化膜 405 レジスト 406 NOガス 407 窒化したシリコン酸化膜 408 シリコン窒化膜 409 酸化種 410 厚膜ゲート絶縁膜 411 薄膜ゲート絶縁膜 412 ポリシリコン膜 501 シリコン基板 502 LOCOS酸化膜 503 酸化種 504 シリコン酸化膜 505 レジスト 506 窒化したシリコン酸化膜 507 シリコン窒化膜 508 酸化種 509 厚膜ゲート絶縁膜 510 薄膜ゲート絶縁膜 511 ポリシリコン膜 512 窒素イオン注入

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲ
    ート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜ゲ
    ート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する第
    2のトランジスタとを備えた半導体装置であって、 前記厚膜ゲート絶縁膜は単層のシリコン酸化膜で構成さ
    れ、前記薄膜ゲート絶縁膜は膜中に窒素原子を含んだシ
    リコン酸化膜で構成されたことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲ
    ート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜ゲ
    ート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する第
    2のトランジスタとを備えた半導体装置であって、 前記厚膜ゲート絶縁膜および前記薄膜ゲート絶縁膜は膜
    中に窒素原子を含んだシリコン酸化膜で構成されたこと
    を特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 薄膜ゲート絶縁膜は膜中に1〜10at
    m%の窒素原子を含んだシリコン酸化膜で構成された請
    求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 厚膜ゲート絶縁膜および薄膜ゲート絶縁
    膜はそれぞれ膜中に1〜10atm%の窒素原子を含ん
    だシリコン酸化膜で構成された請求項2記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 薄膜ゲート絶縁膜は膜厚2nm以上で5
    nm以下である請求項1,2,3または4記載の半導体
    装置。
  6. 【請求項6】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲ
    ート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜ゲ
    ート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する第
    2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であ
    って、 前記第1および第2のトランジスタ形成領域の前記半導
    体基板の表面を窒化してシリコン窒化膜を形成する窒化
    工程と、前記第1のトランジスタ形成領域の前記シリコ
    ン窒化膜をエッチングするエッチング工程と、前記第1
    のトランジスタ形成領域の前記半導体基板表面および前
    記第2のトランジスタ形成領域の前記シリコン窒化膜を
    酸化することにより前記厚膜ゲート絶縁膜および前記薄
    膜ゲート絶縁膜を形成する酸化工程とを含むことを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜ゲ
    ート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜ゲ
    ート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する第
    2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であ
    って、 前記第1および第2のトランジスタ形成領域の前記半導
    体基板の表面を酸化してシリコン酸化膜を形成する第1
    の酸化工程と、前記第2のトランジスタ形成領域の前記
    シリコン酸化膜をエッチングするエッチング工程と、前
    記第1のトランジスタ形成領域の前記シリコン酸化膜お
    よび前記第2のトランジスタ形成領域の前記半導体基板
    表面を窒化する窒化工程と、この窒化工程後に前記第1
    および第2のトランジスタ形成領域を酸化することによ
    り前記厚膜ゲート絶縁膜および前記薄膜ゲート絶縁膜を
    形成する第2の酸化工程とを含むことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 窒化工程は、急速加熱炉を用いて、一酸
    化窒素雰囲気中で400〜1000℃の熱処理により窒
    化を行うことを特徴とする請求項6または7記載の半導
    体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 窒化工程は、急速加熱炉を用いて、笑気
    ガス雰囲気中で400〜1000℃の熱処理により窒化
    を行うことを特徴とする請求項6または7記載の半導体
    装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 窒化工程は、急速加熱炉を用いて、ア
    ンモニア雰囲気中で400〜1000℃の熱処理により
    窒化を行うことを特徴とする請求項6または7記載の半
    導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 窒化工程は、抵抗加熱炉を用いて、笑
    気ガス雰囲気中で400〜1000℃の熱処理により窒
    化を行うことを特徴とする請求項6または7記載の半導
    体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 一酸化窒素雰囲気中で行う熱処理温度
    を600〜900℃とすることを特徴とする請求項8記
    載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 笑気ガス雰囲気中で行う熱処理温度を
    700〜1000℃とすることを特徴とする請求項9ま
    たは11記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜
    ゲート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜
    ゲート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する
    第2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法で
    あって、 前記第2のトランジスタ形成領域の前記半導体基板の表
    面に窒素をイオン注入してシリコン窒化膜を形成する窒
    素イオン注入工程と、前記第1のトランジスタ形成領域
    の前記半導体基板表面および前記第2のトランジスタ形
    成領域の前記シリコン窒化膜を酸化することにより前記
    厚膜ゲート絶縁膜および前記薄膜ゲート絶縁膜を形成す
    る酸化工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 同一半導体基板上に、膜厚の厚い厚膜
    ゲート絶縁膜を有する第1のトランジスタと、前記厚膜
    ゲート絶縁膜より膜厚の薄い薄膜ゲート絶縁膜を有する
    第2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法で
    あって、 前記第1および第2のトランジスタ形成領域の前記半導
    体基板の表面を酸化してシリコン酸化膜を形成する第1
    の酸化工程と、前記第2のトランジスタ形成領域の前記
    シリコン酸化膜をエッチングするエッチング工程と、前
    記第1のトランジスタ形成領域の前記シリコン酸化膜お
    よび前記第2のトランジスタ形成領域の前記半導体基板
    表面に窒素をイオン注入する窒素イオン注入工程と、こ
    の窒素イオン注入工程後に前記第1および第2のトラン
    ジスタ形成領域を酸化することにより前記厚膜ゲート絶
    縁膜および前記薄膜ゲート絶縁膜を形成する第2の酸化
    工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 窒素イオン注入工程は、イオン注入機
    を用いて、2〜30keVの注入エネルギーで、かつ1
    ×1013〜5×1014cm-2のドーズ量で窒素を注入す
    ることを特徴とする請求項14または15記載の半導体
    装置の製造方法。
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