JP2000214345A - 光通信デバイスおよび双方向光通信装置 - Google Patents

光通信デバイスおよび双方向光通信装置

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JP2000214345A
JP2000214345A JP1219299A JP1219299A JP2000214345A JP 2000214345 A JP2000214345 A JP 2000214345A JP 1219299 A JP1219299 A JP 1219299A JP 1219299 A JP1219299 A JP 1219299A JP 2000214345 A JP2000214345 A JP 2000214345A
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Noriaki Okada
訓明 岡田
Yoshifumi Iwai
敬文 岩井
Hideaki Fujita
英明 藤田
Toshiyuki Matsushima
俊幸 松島
Hisahiro Tamura
壽宏 田村
Yorishige Ishii
▲頼▼成 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一本の光ファイバを用いて同時に双方向に光
通信可能であり、送信光と受信光との間のクロストーク
を軽減できる光通信デバイスおよび双方向光通信装置を
提供する。 【解決手段】 光ファイバ1に結合される光通信デバイ
ス20において、半導体レーザ2に結合された送信光用
導波路4と、フォトダイオード3に結合された受信用導
波路5とを、互いに光学的に分離して設ける。送信光2
1が出射される送信用導波路4の端面9と、その送信光
21が照射される光ファイバ1の入射領域の端面8と
を、端面8での送信光21の反射光23が半導体レーザ
2に並設されたフォトダイオード3に入射することを抑
制するように、上記送信光21の光軸と上記入射領域端
面8の法線とが互いに傾斜するように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に使用す
る光通信デバイス、および、一本の光ファイバを用い
て、光通信を双方向に同時に行うことが可能な双方向光
通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、一本の光ファイバを用いて光通
信を双方向に同時に行う光通信デバイスの構成を図14
に示す。この光通信デバイスでは、データ信号に基づく
変調光である発信光が、発光素子31から出射し、この
発光素子31のパッケージに装着された半球レンズ31
aで集光され、第一の光導波路部32aに入射する。第
一の光導波路部32aを伝搬する発信光は、第二の光導
波路部32bを経て、光ファイバ33の一端面に入射
し、光ファイバ33の他端面に設置された他の光通信デ
バイスに伝搬する。
【0003】反対に、光ファイバ33の一端面から第二
の光導波路部32bに入射した受信光は第二の光導波路
部32bから第三の光導波路部32cに進み、受光素子
34に入射し、データ信号を示すための電気信号に変換
される。このようにして、一本の光ファイバ33から分
岐型の第一ないし第三の光導波路部32a、32b、3
2cを介して双方向光通信が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
では、第一ないし第三の光導波路部32a、32b、3
2cがY分岐構造であるため、発光素子31から出射し
た光の一部が、第二の光導波路部32bにおける、発信
光が出射される端面、あるいは光ファイバ33におけ
る、発信光が入射される端面で反射されることによっ
て、受光素子34に導かれてしまう。
【0005】この光は、光ファイバ33の他端に結合
(接続)されたもう一方の光通信デバイスから発信光が
送られて受信したときにノイズとなるため、高いSN比
を保ちながら、同時に双方向に光通信を行うことができ
なかった。そのため、この光通信デバイスは時分割通信
用に使用が限られていた。
【0006】本発明はこれらの欠点を除くためになされ
たものであり、同時双方向に光通信を安価に行うことが
できる光通信デバイス、およびそれを用いた双方向光通
信装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光通信デバイス
は、上記の課題を解決するために、発光素子に光学的に
結合された送信用導波路と、受光素子に光学的に結合さ
れた受信用導波路とが、互いに光学的に分離されて、か
つ、外部の光ファイバの同一端面に対し光学的に結合可
能に設けられ、送信用導波路における発信光の出射する
端面は、送信光の光ファイバ端面での反射光が受信用導
波路に入射することを抑制するように、光ファイバの光
軸に直交する(垂直な)面に対し傾斜していることを特
徴としている。
【0008】上記構成によれば、上記送信用導波路と受
信用導波路とが分離されており、光ファイバと送信用導
波路の端面が光軸に直交する面から傾斜するように設定
しているため、送信用導波路からの送信光が、受信用導
波路に侵入することを抑制することができる。
【0009】したがって、上記構成では、各光通信デバ
イスを光ファイバの両端に光学的に結合して、双方向光
通信を行っても、送信用導波路からの送信光が、受信用
導波路に侵入することによるS/N比の低下を低減でき
るので、上記双方向光通信をより安定に実行できる。
【0010】これにより、上記構成においては、一本の
光ファイバを用いて、送受信を同時に行う双方向光通信
を、時分割通信といった複雑な機構を省いて行うことが
可能となり、より安定で、情報の伝送密度の高い双方向
光通信を安価にできる。
【0011】また、上記光通信デバイスでは、光ファイ
バと送信用導波路の各光軸が互いに平行となるように設
定されることが好ましい。上記構成によれば、送信用導
波路から光ファイバヘの結合効率を高くすることができ
る。そのため、双方向光通信を送受信同時により安価に
行うことができる。
【0012】上記光通信デバイスでは、送信用導波路お
よび受信用導波路の少なくとも一方と、光ファイバとの
互いに結合する側の各端面は互いに平行であり、かつ送
信用導波路における光軸方向に対する直交方向の断面積
に対し、受信用導波路における光軸方向に対する直交方
向の断面積が大きくなっていることが好ましい。
【0013】上記構成によれば、送信用導波路および受
信用導波路の少なくとも一方と、光ファイバとの互いに
結合する側の各端面は互いに平行であるので、送信用導
波路および受信用導波路の少なくとも一方と光ファイバ
とをより近接して結合させることができる。
【0014】これにより、上記構成では、送信用導波路
から受信用導波路への漏れ光の発生を抑制することがで
きて受信光においてS/N比を向上でき、また光ファイ
バからの出射光の広がりを小さく抑えることができる。
このため、上記構成では、光ファイバから受信用導波路
への受信光の結合効率をより改善できる。
【0015】さらに、上記構成では、送信用導波路の断
面積に対し、受信用導波路の断面積が大きくなっている
ので、発光素子に結合される送信用導波路の幅(光軸方
向に対して直交する方向の長さ)を狭くし、受光素子に
結合される受信用導波路の幅を広く設定でき、かつ、送
信用導波路の位置を光ファイバの中心軸から変位させる
ことにより、光ファイバから受信用導波路に結合する光
の結合効率を、より向上させることができる。
【0016】上記光通信デバイスでは、送信用導波路
は、発信光が通るコア部と、コア部における光軸方向に
対する側部に設けられたクラッド部とを有し、送信用導
波路の端面の、光軸に対する直交面からの傾斜角度φ
は、上記コア部の屈折率をn1 、上記クラッド部の屈折
率をn2 としたとき、下記の式(1) φ>cos-1(n2 /n1 ) ……(1) を満たしていることが望ましい。
【0017】上記構成によれば、送信用導波路からの送
信光による光ファイバ端面での反射光が、受信用導波路
の方向には進行しないため、受信用導波路に侵入するこ
とをより完全に抑制することができて、受信光における
S/N比を、より改善でき、双方向光通信をより安定に
実行できる。
【0018】上記光通信デバイスにおいては、送信用導
波路、および受信用導波路の各開口数は、結合される光
ファイバの開口数に略同一にそれぞれ設定されているこ
とが好ましい。
【0019】上記構成によれば、開口数を略同一に設定
したことにより、送信用導波路から出射される発信光の
ほぼ全てを光ファイバにおいて伝搬できるので、送信用
導波路から光ファイバヘの結合効率を高くすることがで
きる。さらに、上記構成では、開口数を略同一に設定し
たことにより、光ファイバから受信用導波路に対し出射
される受信光を効率よく受信用導波路に伝搬することが
できる。これにより、上記構成では、双方向光通信を送
受信同時により安定に行うことができる。
【0020】上記光通信デバイスでは、送信用導波路と
受信用導波路とは、送信用導波路および受信用導波路が
形成される基板上に、基板の表面方向に沿って互いに並
設されていることが望ましい。
【0021】上記構成によれば、送信用導波路および受
信用導波路が基板上に基板の表面方向に沿って互いに並
列して配置されているので、同一プロセスで同時に送信
用導波路および受信用導波路を基板上に形成できること
から、低コストでの大量生産が可能となる。
【0022】上記光通信デバイスにおいては、送信用導
波路および受信用導波路が基板上に基板の表面方向に対
し直交方向に沿って互いに並設されていてもよい。上記
構成によれば、送信用導波路および受信用導波路が基板
上に上下、基板の表面方向に対し直交方向に沿って配置
されているので、受信用導波路の幅を光ファイバの径に
合わせることができる。これにより、上記構成では、光
ファイバから受信用導波路への結合損失を小さく設定す
ることが可能となり、受信光におけるS/N比を、より
改善できて双方向光通信をより安定に実行できる。
【0023】上記光通信デバイスでは、送信用導波路お
よび受信用導波路の少なくとも一方のコア部の周囲に、
遮光膜が形成されていることが好ましい。上記構成によ
れば、送信用導波路および受信用導波路の少なくとも一
方の上に、遮光膜を形成することにより、送信用導波路
からの漏れ光が受信用導波路に入射することが抑制され
るので、受信光におけるS/N比を、より改善できて双
方向光通信をより安定に実行できる。
【0024】その上、上記構成では、さらにコア部と遮
光膜の間にクラッド部を設けた場合、遮光膜による光吸
収を抑え、送信用導波路および受信用導波路の少なくと
も一方の伝搬損失を軽減できて、受信光におけるS/N
比を、より改善できて双方向光通信をより安定に実行で
きる。
【0025】さらに、上記構成では、上下に積み重ねら
れた送信用導波路と受信用導波路の間に、クラッド部、
遮光膜を挟むという構成の場合、光学的な分離をより完
全にできるので、迷光の影響をより抑制できて、受信光
におけるS/N比を、より改善できて双方向光通信をよ
り安定に実行できる。
【0026】上記光通信デバイスにおいては、送信用導
波路、受信用導波路の各コア部が、高分子材料から形成
され、その厚さが10μm以上150μm以下であるこ
とが望ましい。
【0027】上記構成によれば、送信用導波路および受
信用導波路に高分子材料を用いると、厚膜の送信用導波
路および受信用導波路を、容易に、かつ、安価に形成す
ることができる。また、上記構成では、送信用導波路お
よび受信用導波路を10〜150μmの厚膜に形成する
ことで、径が大きい、安価なマルチモード光ファイバと
の良好な結合が得られる。したがって、上記構成では、
双方向光通信をより安定に、かつ安価に実行できる。
【0028】上記光通信デバイスでは、受光素子は基板
上にモノリシックに形成され、受信用導波路は、受信光
の導波光を反射して受光素子に導くように形成された終
端部を受光素子上に備え、かつ、発光素子は、基板上に
てハイブリッドに集積化されていることが好ましい。
【0029】上記構成によれば、上記構成では、受信用
導波路の終端部に、例えば45度ミラーを形成すること
で受信用導波路を伝搬する導波光を効率よく受光素子に
結合させることができ、かつ、受光素子の受光面積も受
信用導波路の断面積程度まで小さくできる。
【0030】よって、上記構成では、受光素子、信号回
路を組み込んだシリコン基板等の基板上に、発光素子、
送信用導波路および受信用導波路をモノリシックに、集
積化する事により、例えば半導体プロセスを用いること
ができて、小型化、低コストでの大量生産が可能とな
る。
【0031】本発明の双方向光通信装置は、前記の課題
を解決するために、発信光および受信光である信号光を
マルチモードにて伝搬するための光ファイバの軸方向の
両端面に、上記光通信デバイスが、それぞれ光学的に結
合されていることを特徴としている。
【0032】上記構成によれば、一本の光ファイバとそ
の両端面に結合された各光通信デバイスを用いて双方向
光通信を送受信同時に、簡素で、かつ、安価に行うこと
ができる。
【0033】その上、上記構成では、光ファイバがマル
チモードにて光を伝搬するので、上記光ファイバのコア
径を大きく、例えば1mm程度に設定できる。このこと
から、上記構成では、上記光ファイバと各光通信デバイ
スとの光学的な結合を容易化できる。
【0034】上記双方向光通信装置においては、光ファ
イバはプラスチック光ファイバあるいはポリマクラッド
石英光ファイバであることが望ましい。
【0035】上記構成によれば、プラスチック光ファイ
バを用いることにより、プラスチック光ファイバの価格
が石英製光ファイバより安いため、より安価に双方向光
通信装置を構成できると共に、光ファイバのコア径を大
きくできるので、光ファイバと送信用導波路および受信
用導波路とを光学的に結合する際の光軸調整(取り付け
の際における結合の位置合わせ調整)を容易化すること
が可能となる。
【0036】さらに、上記構成では、ポリマクラッド石
英光ファイバを用いることにより、ポリマクラッド石英
光ファイバはプラスチック光ファイバよりも伝送損失が
小さいので、より伝送距離を延ばすことができて、低コ
スト化を図れる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第一の実施の形態)本発明の第
一の実施の形態について、図1ないし図3に基づいて以
下に説明する。図1は本発明の光導波路デバイス20と
光ファイバ1との結合部の平面図を示し、図2は光導波
路デバイス20の受信用導波路5部分の断面図(A−
A’矢視断面)、図3は光導波路デバイス20の送信用
導波路4部分の断面図(B−B’矢視断面)である。
【0038】図1ないし図3に示すように、上記光通信
デバイス20は、発光素子としての半導体レーザ2と、
受光素子としてのフォトダイオード3と、半導体レーザ
2から出射された送信光21を光ファイバ1に導く送信
用導波路4と、光ファイバ1から出射された受信光22
をフォトダイオード3に導く受信用導波路5とを備えて
いる。
【0039】送信用導波路4および受信用導波路5は、
それぞれ、光透過性を有して光の伝搬する略直方体形状
のコア部13と、各クラッド層(クラッド部)12、1
4とを有している。各クラッド層12、14は、コア部
13における光の伝搬方向に対し側面部となる外面を少
なくとも覆い、上記コア部13内を伝搬する光を境界で
全反射して上記光の伝送損失を低減するようになってい
る。
【0040】ここで、送信用導波路4と受信用導波路5
とは光学的に互いに分離されて互いに並列しており、光
ファイバ1の同一となる端面8に光学的にそれぞれ結合
されている。送信用導波路4と受信用導波路5とは光学
的に互いに分離されているため、これら送信用導波路4
と受信用導波路5との相互間での光の漏洩は防止されて
いる。送信用導波路4と光ファイバ1との各光軸は、そ
れらの間の光の結合効率を最も高めるために互いに平行
に設定されている。
【0041】さらに、本実施の形態では、送信用導波路
4からの発信光21が受信用導波路5に対する受信光に
混入(クロストーク)して、上記受信光のS/N比を劣
化することを防止するために、送信用導波路4の出射面
となる端面9と光ファイバ1の端面8は共に、それらの
光軸に対する直交面から同じ角度だけ傾斜している。ま
た、それらの間の光の結合効率を最も高めるために光フ
ァイバ1の端面8と送信用導波路4の端面9とが互いに
平行となるよう、光ファイバ1と送信用導波路4とは光
学的に互いに結合されて取り付けられている。
【0042】送信用導波路4と光ファイバ1との各光軸
が互いに平行状態から外れて傾いた状態となった場合、
それらの間の光の結合損失は大きくなる。図4は、光フ
ァイバ1と送信用導波路4との間の各光軸の傾き(ず
れ)と結合損失の解析結果である。この解析結果では、
傾きが大きくなるほど、結合損失は増大するため、光フ
ァイバ1と送信用導波路4との各光軸は互いに平行とな
るように保つほうがよいことがわかる。
【0043】図5は、送信用導波路4部分の拡大図を示
し、送信用導波路4内を通過する発信光21を模式的に
表している。前述したように光ファイバ1の端面8は、
光ファイバ1の中心軸に平行な仮想軸1cに対し直交す
る仮想面である直交面1dから傾斜角φだけ傾斜するよ
うに設定されている。上記傾斜角φは、送信用導波路4
から出射される送信光21の一部が、光ファイバ1の入
射領域の端面8で反射されて反射光23となったとき
に、上記反射光23が受信用導波路5に入射することを
回避するように設定されている。
【0044】すなわち、その傾斜角は、光ファイバ1の
長手方向端面において、受信用導波路5と送信用導波路
4との並設方向に沿って、受信用導波路5に面する側が
光通信デバイス20に向かって突出し、送信用導波路4
に面する側が光通信デバイス20から順次離間するよう
に設定されている。
【0045】本第一の実施の形態として、光ファイバ1
にPOF(Plastic Optical Fiber)を用い、シリコン
(Si)からなる基板1上に後述する工程で送信用導波
路4および受信用導波路5の各コア部13および各クラ
ッド層12、14を形成し、光ファイバ1および送信用
導波路4および受信用導波路5の各端面8、9、10の
傾斜角度をそれぞれ設定したときの効果を調べた。
【0046】ここで使用した光ファイバ1は、コア1a
がポリメチルメタクリレート(略称PMMA:屈折率
1.49、直径500μm)から、クラッド1bはフッ
素樹脂のフルオロアクリレート(屈折率1.40)か
ら、また送信用導波路4および受信用導波路5の各コア
部13(幅はそれぞれ50μm,350μm、厚さは共
に40μm)はフッ素化ポリイミド(屈折率1.54)
から、各クラッド層12、14はSiO2 (屈折率1.
45)からそれぞれ調製した。
【0047】光ファイバ1と送信用導波路4間の間隔を
小さく、かつ、光ファイバ1と送信用導波路4の光軸を
平行に保つため、光ファイバ1と送信用導波路4の各端
面8、9の傾斜角は同一にそれぞれ設定し、それらの各
端面8、9が互いに平行となるよう結合した。ここで
は、光ファイバ1の端面8と送信用導波路4の端面9と
の間隔は10μmに設定した。
【0048】図1に模式的に示すような構成で、傾斜角
φを変化させて光ファイバ1における、発信光21が入
射する端面8における反射で受信にどのような影響があ
るかを調べた。
【0049】光ファイバ1における出射側の他の端面か
らの反射光の影響を抑えるため、できるだけ長い光ファ
イバ1(プラスチック光ファイバであれば、50m以
上)に光通信デバイス20を結合し、半導体レーザ2を
発光させて送信用導波路4から出射された光量と、受信
用導波路5を経てフォトダイオード3に入射する光量の
比、すなわちクロストークを測定した。その結果を図6
に示す。
【0050】この結果から光ファイバ1と送信用導波路
4の各端面8、9の傾斜角を大きくすると良いことがわ
かる。この理由について光ファイバ1および送信用導波
路4の開口数NAを用いて以下に説明する。
【0051】図5に示すように、送信用導波路4を伝搬
する送信光21は送信用導波路4を出射したときに広が
り、その出射された発信光21の放射角度(広がりの大
きな光線と光軸とがなす角度)は送信用導波路4の開口
数NAで定まる。送信用導波路4、および光ファイバ1
の開口数NAは、送信用導波路4、および光ファイバ1
内を伝搬する光線が光軸を横切る角度の最大値θmax を
用いて、次式(2)で定義される。
【0052】NA=sinθmax ……(2) したがって、θmax は、コアの屈折率n1 、クラッドの
屈折率n2 を用いて次式(3)で定義される。
【0053】 θmax =cos-1(n2 /n1 ) ……(3) 光ファイバ1の端面傾斜角φが、この角度θmax と同じ
場合に、光ファイバ1における、発信光21が入射され
る端面8からの反射光23は、ほぼθmax に沿って戻る
ことになり、また、角度θmax より大きいとき、光ファ
イバ1の端面8からの反射光23は、光ファイバ1と送
信用導波路4の間の距離に関係なく、受信用導波路5の
方向に進行しなくなる。したがって、上記材料を用いて
構成した場合、端面8の傾斜角φは19.7°以上とす
るとよい。
【0054】しかしながら光ファイバ1の端面8を加工
することを考慮した場合、端面8の傾斜角φは小さい方
がより好ましく、最大でも40°程度が妥当である。こ
れ以上、端面8の傾斜角φを大きく設定した場合には、
直径1mm以下の光ファイバ1の端面8が鋭角となり、
端面8の加工が難しく、また破損しやすくなるため、実
用的ではない。また、傾斜角φが大きくなるほど、送信
用導波路4および受信用導波路5と、光ファイバ1との
間での、光の結合損失が増加するため、傾斜角φは、小
さい方がより好ましい。
【0055】次に送信用導波路4の開口数について考察
する。上記の第一の実施の形態に示した光ファイバ1と
送信用導波路4の開口数NAは、上記示した式よりそれ
ぞれ0.51と0.52とほぼ等しい構成としている。
送信用導波路4の開口数は光ファイバ1の開口数とほぼ
同じにするのが好ましい。送信用導波路4と光ファイバ
1の開口数が同じであると、送信用導波路4から出射さ
れた発信光21の全てが光ファイバ1を伝搬できるの
で、送信用導波路4から光ファイバ1への結合効率を高
くすることができる。
【0056】受信用導波路5の開口数は光ファイバ1の
開口数と同じか、より大きく設定するとよい。しかしな
がら、後述するように送信用導波路4と受信用導波路5
のコア部13、各クラッド層12、14は同じ材料およ
び加工方法を用いて構成し、同時に加工を行って形成す
るため、各送信用導波路4および受信用導波路5の各開
口数NAは互いに等しく設定するのが好ましい。
【0057】上記説明した構成の光通信デバイス20で
は、光ファイバ1と、送信用導波路4および受信用導波
路5との結合間隔を小さく構成することができるため、
半導体レーザ2から出射された送信光21が、広がりが
小さい状態で光ファイバ1に結合することが可能とな
る。そのため送信用導波路4と光ファイバ1の間の結合
損失を小さくすることができる。
【0058】また、光ファイバ1の端面8からの反射光
23が、同じ光通信デバイス20内のフォトダイオード
3に入射することが防止されるため、光通信を、双方向
において、同時に、安定に、かつ、信頼性よく行うこと
が可能となる。
【0059】同時双方向通信においては、光ファイバ1
を伝搬する光の一部が出射端面で反射されて、再度光フ
ァイバ1内を逆進し、送信側の光通信デバイス20に戻
り、送信側の光通信デバイス20での受信に対しノイズ
となるという問題についても考慮する必要がある。図7
に示すように、この反射光25によるノイズも光ファイ
バ1の端面8を傾斜させることにより、大幅に除去する
ことができる。
【0060】すなわち、光ファイバ1を伝搬する受信光
22は、光ファイバ1を出射して、受信用導波路5に結
合する。このとき、光ファイバ1の端面8で、受信光2
2から反射光25が発生する。端面8の傾斜角φが大き
いと、この反射光25は大きな伝搬角度を有することに
なるので、光ファイバ1内を伝搬できなくなる。そのた
め、よりクロストークを小さくすることができる。
【0061】図1ないし図3に示すように、送信用導波
路4と受信用導波路5とは、それらの間での光の漏洩を
回避するために、互いに近接、つまり互いの間にある程
度の間隔(数十μm)を有してそれぞれ設けられてお
り、さらに、送信用導波路4および受信用導波路5上
に、後述する遮光膜15、あるいは上部クラッド層14
と遮光膜15の双方を設けて、互いに光学的に分離して
おくのが望ましい。
【0062】(第二の実施の形態)上記第一の実施の形
態で示した光通信デバイスを用いた双方向光通信装置に
ついて以下に第二の実施の形態として説明する。双方向
光通信装置では、図8に示されるように、光ファイバ1
の両端面に上記光通信デバイス20、20’が光学的に
それぞれ結合されている。光通信デバイス20’では、
光通信デバイス20と同一の機能を有する部材について
は、光通信デバイス20の各部材番号にダッシュを付記
して示している。
【0063】光ファイバ1は、データ信号に基づく変調
光を送信光および受信光としてそれぞれ伝搬する、細長
いコード状のものである。光通信デバイス20、20’
は、光ファイバ1の長手方向の各端面に光学的にそれぞ
れ結合され、送信光を生成して光ファイバ1に送出する
と共に光ファイバ1の端面からの出射された受信光から
上記データ信号を再生するためのものである。
【0064】光ファイバ1は、光ファイバ1の長手方向
に対する直交方向の断面が略円形状となっており、図1
に示すように、光ファイバ1の中心部に光透過性のコア
1aと、そのコア1aの外周を覆う光透過性のクラッド
1bとを有している。
【0065】コア1aの屈折率は、クラッド1bの屈折
率より大きく設定されており、よって、光ファイバ1
は、コア1a内を光ファイバ1の中心軸にほぼ沿って伝
搬する光が、コア1aとクラッド1bとの境界にて全反
射して、伝送損失の少ない伝搬が可能となっている。
【0066】光通信デバイス20において、図1に示す
ように、半導体レーザ2から出射された送信光21は、
送信用導波路4に結合され、送信用導波路4を伝搬し
て、送信用導波路4の出射の端面9より出射される。こ
の端面9から出射された送信光21は、上記端面9に対
し近接して配置された光ファイバ1に結合され、光ファ
イバ1を伝わって、光ファイバ1の反対側の他の光通信
デバイスに導かれる。
【0067】また、半導体レーザ2の他方の端面から出
射した光は、モニタ用光24としてモニタ用導波路6に
導かれ、モニタ用フォトダイオード7で検出され、上記
半導体レーザ2の出力調整に用いられる。
【0068】一方、光通信デバイスにおいて、図1に示
すように、光ファイバ1から出射された受信光22は受
信用導波路5に結合され、受信用導波路5を伝搬して、
受信用導波路5の下部に位置するフォトダイオード3に
よって検出され、受信光22の光強度の変化に応じて、
前記データ信号に対応した電気信号が得られる。この電
気信号は、図示しない復号器にて、上記データ信号に復
号され、データ通信が完了する。
【0069】この構成では、より高密度なデータ通信の
ための波長多重通信を必要としない場合、光ファイバ1
の両端に結合する各光通信デバイス20、20’の特性
を互いに同一に設定でき、低価格な双方向光通信装置の
リンクを提供できる。
【0070】光ファイバ1には、プラスチック光ファイ
バや、ポリマークラッド光ファイバを用いることが可能
である。特に、プラスチック光ファイバは、コア径が
0.2〜1.0mmと大きくなるため、送信用導波路4
や受信用導波路5との結合の際の位置合わせが容易であ
り、かつ、プラスチック光ファイバの製造コストも安価
なものである。
【0071】光ファイバ1から受信用導波路5への結合
効率を上げるためには、受信用導波路5のコア部13の
サイズ(受信光22の受光面積)を大きく設定する必要
があるので、受信用導波路5のコア部13の素材には厚
膜形成が容易な高分子材料を用いるとよい。
【0072】一方、送信用導波路4は、光ファイバ1の
コア1aよりもサイズ(発信光21の発信光の出射面
積)が小さければ小さいほど、位置ずれに対する許容範
囲が広がることから、送信用導波路4は可能なかぎり細
く、すなわち送信用導波路4における発信光21に直交
する断面積は可能なかぎり小さく設定することが望まし
い。一方、受信用導波路5は、可能な限り太く、つまり
受信用導波路5の受信光22に直交する断面積を大きく
設定するのが望ましい。このことから、受信用導波路5
の断面積は送信用導波路4の断面積より大きくなるよう
に設定することが好ましい。
【0073】さらに、送信光21が光ファイバ1におけ
る、光軸方向に対して直交する断面が円形になっている
コア1aの外周近く、すなわちコア1aの中心軸から離
れ、コア1aの外周を覆う、クラッド1bの近くに結合
するよう、送信光用導波路4と光ファイバ1との位置を
互いに合わせると、受信光用導波路5の受光面積を大き
く設定できるので、光ファイバ1から受信光用導波路5
への結合効率を改善できる。
【0074】また受光面積を大きくするには、受信用導
波路5の導波路厚が大きい方が好ましい。そのため、受
信用導波路5においては、ポリイミドなどの有機材料か
らなる厚さ10μm以上の厚膜導波路としている。しか
し、上記導波路厚は大きすぎると加工時間が長くなり、
また受信用導波路5の内部応力が大きくなり、受信用導
波路5が設けられた基板1にダメージを与えるため、1
50μm以下とするのがよい。
【0075】光ファイバ1の入射領域端面8での反射光
の他に、送信用導波路4の伝搬中の送信光21からの漏
れ光、半導体レーザ2からの出射光の漏れ光等が、フォ
トダイオード3に入射することによっても、受信用導波
路5を伝搬する受信光22から再生された電気信号(デ
ータ信号)におけるSN比は低下する。
【0076】そこで、本願発明では、上記のような漏れ
光が、基板11上において、互いに近接した位置に設け
られたフォトダイオード3に対して入射することを防止
するため、図2に示すように、受信用導波路5の側壁と
上部を覆う遮光膜15が設けられている。この遮光膜1
5は金属反射膜で構成するとよい。金属反射膜の場合、
受信用導波路5の伝搬モードからはずれたモードの光も
受信用導波路5を伝搬させることができ、光ファイバ1
から受信用導波路5への結合損失を小さくすることがで
きる。
【0077】この遮光膜15によって、受信用導波路5
では、光ファイバ1と結合して受信光22が入射される
側の端面10からしか光が結合しないようになってい
る。さらに、送信用導波路4、およびモニタ用導波路6
の側壁と上部においても、半導体レーザ結合側端面と光
ファイバ結合側端面とを残して、他の部分を遮光膜15
で覆うと、漏れ光の影響を、上記遮光膜15によって、
さらに抑制でき、データ信号におけるSN比を向上させ
ることができる。
【0078】コア部13上に直接遮光膜15を配置した
場合、反射時の損失によって光の伝送損失が大きくなる
ため、コア部13と遮光膜15の間に上部クラッド層1
4を、下部クラッド層12と同様の素材により配置して
もよい。
【0079】受信用導波路5において、導波光をフォト
ダイオード3に結合させるために、図1に示すように、
フォトダイオード3上の下部クラッド層12を除去し、
さらに結合効率を高めるため受信用導波路5における、
受信光22の到達端面(終端部)を加工して、フォトダ
イオード3上において、受信光22の伝搬方向に対し4
5度の斜面が形成されている。受信用導波路5内を伝搬
する受信光22である導波光は、この斜面上の遮光膜
(金属反射膜)15によって反射され、フォトダイオー
ド3に導かれる。
【0080】本発明に係る光通信デバイス20は、モニ
タ用フォトダイオード7と、受信光用のフォトダイオー
ド3とを埋め込むようにモノリシックに形成した基板1
1に、半導体レーザ2、送信用導波路4および受信用導
波路5を半導体プロセスを用いて集積化しており、個々
の部品を別々に作製し、それらを組み上げるといったバ
ルクで形成した、従来の光通信デバイスと比較して、大
幅に小型化でき、低コストでの大量生産が可能となって
いる。
【0081】(第三の実施の形態)次に第一の実施の形
態における光通信デバイス20の作製法を第三の実施の
形態として図9を参照しながら以下に説明する。図9
は、送信用導波路4の各製造工程における各断面図であ
る。受信用導波路5も、同様な一連のプロセスで形成さ
れる。
【0082】まず、図9(a)に示すように、基板11
上に半導体プロセスによって、図示しないフォトダイオ
ード、モニタ用フォトダイオード7、およびそれらの信
号検出回路を形成する。続いて、その上に、光導波路の
バッファ層(クラッド部)となる下部クラッド層12を
形成する。下部クラッド層12の材料としては、後述す
るコア部13の材料の屈折率より低い屈折率を有する、
例えばSiO2 等を用いることができる。
【0083】下部クラッド層12の上面は研磨して、平
滑となるように設定される。次に、図9(b)に示すよ
うに、下部クラッド層12に対し、フォトリソグラフ
ィ、エッチングを行って、各フォトダイオード3、7
上、および後に設置する半導体レーザ2の固定位置2a
の上の下部クラッド層12を除去する。
【0084】続いて、図9(c)に示すように、上記基
板11および下部クラッド層12上に、後に光導波路の
コア部13となる光透過性プラスチック層13cを形成
する。この光透過性プラスチック層13cの材料として
は、例えば、ポリイミド等の光透過性の有機材料を用い
ることができ、光透過性プラスチック層13cの膜厚
は、例えば100μm程度に設定される。
【0085】次に、図9(d)に示すように、光透過性
プラスチック層13cに対し、フォトリソグラフィ、エ
ッチングを行って、送信用導波路と受信用導波路と半導
体レーザからの出射光のモニタ用導波路以外の除去部分
13bとなる光透過性プラスチック層13cを除去し
て、送信用導波路4のコア部13、モニタ用導波路6の
コア部6aをそれぞれ形成する。このとき、図示しない
が、受信用導波路も形成されている。エッチングの方法
としては、反応性イオンエッチングや、エキシマレーザ
エッチングを挙げることができる。
【0086】次に、図9(e)に示すように、エキシマ
レーザエッチングを行って、モニタ用導波路6のコア部
6aにおける終端部6bを斜度45度の斜面となるよう
加工する。エキシマレーザの照射時間を徐々に変えるこ
とによってエッチング量を制御し、斜面を形成する。
【0087】次に、図9(f)に示すように、残存した
光透過性プラスチック層である送信用導波路4、受信用
導波路5の各コア部13、およびモニタ用導波路6のコ
ア部6a上や半導体レーザ固定位置2aとなる下部クラ
ッド層12上に、上部クラッド層(クラッド部)14を
形成し、さらに、その上に遮光膜15を形成する。
【0088】上部クラッド層14の材料としては、前述
したコア部13の材料の屈折率より低い屈折率を有す
る、例えば、SiO2 等を用いることができる。遮光膜
15の材料としては、例えば光を反射することによって
遮光できる、例えばアルミニウム等を用いることができ
る。
【0089】次に、図9(g)に示すように、上部クラ
ッド層14および遮光膜15に対し、フォトリソグラフ
ィ、エッチングを行って、送信用導波路4におけるコア
部13における半導体レーザ結合側端面2b、光ファイ
バ結合側端面13aと、モニタ用導波路6のコア部6a
における半導体レーザ結合側端面2bと、下部クラッド
層12上との上部クラッド層14および遮光膜15をそ
れぞれ除去する。
【0090】最後に、図9(h)に示すように、前記の
半導体レーザの固定位置2aに対し、半導体レーザ2を
ボンディングして、送信用導波路4が完成する。また、
受信用導波路5についても、上記送信用導波路4と同様
に作製され、かつ、上述の半導体製造プロセスを用いて
一括して同時に作製することが可能である。なお、以上
説明した光通信デバイス20において、各層の形成は、
スパッタ、CVD、蒸着、スピンコーティング等の方法
を材料に応じて使い分けて行われる。
【0091】(第四の実施の形態)本発明の第四の実施
の形態について、図10および図11に基づき以下に説
明する。図10および図11に示す、本第四の実施の形
態における光通信デバイス28では、受信用導波路5の
上に送信用導波路4が構成されている点が、前記第一の
実施の形態と異なっている。上記の点以外の他の構成に
ついては第一の実施の形態と同様であり、それらと同様
な各構成については、第一の実施の形態に付記した部材
番号と同一の部材番号を付記して、それらの説明を省い
た。
【0092】受信用導波路5と送信用導波路4とを、基
板11面内、つまり基板11の表面方向に沿って互いに
並列に配置した場合、送信用導波路4の幅と上記両者の
ギャップ領域の幅の分、受信用導波路5の幅が狭くな
る。
【0093】そこで、第四の実施の形態では、図10お
よび図11に示すように、受信用導波路5と送信用導波
路4を基板11上において、その表面方向に対し直交す
る方向に互いに並べて、つまり、上下に配置している。
これにより、受信用導波路5の幅は光ファイバ1のコア
1aの直径に合わせる、すなわち直径と同一まで大きく
設定できるので、受信用導波路5における受信光22の
光軸方向に直交する断面積をより広く設定できる。
【0094】この結果、第四の実施の形態では、第一の
実施の形態と比較して、光ファイバー1と受信用導波路
5との間の光の結合効率をより大きくすることができ
て、受信光22の結合効率の改善、つまりS/N比を向
上できる。
【0095】本第四の実施の形態においても、第一の実
施の形態と同様に、送信用導波路4と光ファイバ1の端
面は、光ファイバ1の中心軸1cに対する直交面(仮想
面)1dから傾斜角φだけ傾斜するように設定されてい
る。
【0096】上記傾斜角φは、送信用導波路4から出射
される送信光21の一部が、光ファイバ1の入射領域の
端面8で反射されて反射光23となったときに、上記反
射光23が受信用導波路5に入射することを、前述と同
様、回避するように設定されている。
【0097】第四の実施の形態においても、半導体レー
ザ2から出射された送信光21の反射光23が、同じ光
通信デバイス28内のフォトダイオード3に入射するこ
とが防止されるため、光通信を、双方向において、同時
に、安定に、かつ、信頼性よく行うことが可能となる。
【0098】さらに、送信用導波路4と受信用導波路5
の間での光の漏洩を防ぐため、この導波路間には遮光膜
15の層を挟む構成としている。上記第四の実施の形態
においては、送信用導波路4の上に受信用導波路5を配
置する構成としてもよい。
【0099】次に、上記第四の実施の形態における光通
信デバイス28の作製法を図9および図12を参照しな
がら以下に説明する。図12は、受信用導波路5上の送
信用導波路4の各製造工程における各断面図である。
【0100】まず、図9(a)から(e)に示す第三の
実施の形態と同じ工程に従って、図12(a)に示すよ
うに、受信用導波路5を形成する。次に、図12(b)
に示すように、遮光膜15を形成し、さらに、その上
に、送信用導波路4用の下部クラッド層16を形成す
る。
【0101】次に、図12(c)に示すように、フォト
リソグラフィ、エッチングを行って、モニタ用フォトダ
イオード7上、および後に設置する半導体レーザ2の固
定位置2aの上の遮光膜15、下部クラッド層16を除
去する。続いて、図12(d)に示すように、上記基板
11および下部クラッド層12上に、送信用導波路4の
コアとなる光透過性プラスチック層17を形成する。そ
の上に、上部クラッド層18を形成する。
【0102】次に、図12(e)に示すように、フォト
リソグラフィ、エッチングを行って、送信用導波路4と
モニタ用導波路6以外の除去部分となる上部クラッド層
18および光透過性プラスチック層17を除去する。
【0103】最後に、図12(f)に示すように、光フ
ァイバに結合する側の端面19を光軸に直交する面から
傾斜させるよう、斜めにダイシングして各チップを分離
し、前記の半導体レーザ2の固定位置2aに対し、半導
体レーザ2をボンディングして、光通信デバイス28が
完成する。
【0104】(第五の実施の形態)本発明の第五の実施
の形態について、図13に基づき以下に説明する。この
光通信デバイス29では、受信用導波路が複数本形成さ
れている点が、上記第一の実施の形態と異なっている。
上記の点以外の他の構成については第一の実施の形態と
同様であり、それらと同様な各構成については、第一の
実施の形態に付記した部材番号と同一の部材番号を付記
して、それらの説明を省いた。
【0105】受信用導波路を第一受信用導波路5、第二
受信用導波路26と、複数本用意することにより、この
形態の光通信デバイス29に対し光分岐機能を備えさせ
ることもできる。
【0106】本実施の形態では、第一受信用導波路5は
受光素子3に結合させる一方、第二受信用導波路26は
別の光ファイバ27に結合させるなどのことが可能とな
るので、光通信の中継デバイスの役割を備えることもで
きる。このとき、それぞれの受信用導波路5、26の各
断面積の比率を変えることにより、それぞれの受信用導
波路5、26に結合する各受信光の割合を設定すること
ができる。
【0107】
【発明の効果】本発明の光通信デバイスは、以上のよう
に、発光素子に光学的に結合された送信用導波路と、受
光素子に光学的に結合された受信用導波路とが、互いに
光学的に分離されて、かつ、外部の光ファイバの同一端
面に対し光学的に結合可能に設けられ、送信用導波路に
おける発信光の出射する端面は、送信光の光ファイバ端
面での反射光が受信用導波路に入射することを抑制する
ように、光ファイバの光軸に対し直交する面に対し傾斜
している構成である。
【0108】それゆえ、上記構成では、各光通信デバイ
スを光ファイバの両端に結合することにより、一本の光
ファイバを用いて双方向光通信を行うことが可能とな
り、双方向光通信を安価にできるという効果を奏する。
【0109】その上、上記構成では、上記送信用導波路
と受信用導波路とが分離されており、光ファイバと送信
用導波路の端面が光軸に直交する面から傾斜するように
設定しているため、送信用導波路からの送信光が、受信
用導波路に侵入することを抑制することができる。
【0110】したがって、上記構成では、各光通信デバ
イスを光ファイバの両端に光学的に結合して、双方向光
通信を行っても、送信用導波路からの送信光が、受信用
導波路に侵入することによるS/N比の低下を低減でき
るので、上記双方向光通信をより安定に実行できる。
【0111】これにより、上記構成においては、一本の
光ファイバを用いて、送受信を同時に行う双方向光通信
を、時分割通信といった複雑な機構を省いて行うことが
可能となり、より安定で、情報の伝送密度の高い双方向
光通信を安価にできるという効果を奏する。
【0112】本発明の双方向光通信装置は、以上のよう
に、発信光および受信光である信号光をマルチモードに
て伝搬するための光ファイバの軸方向の両端面に、上記
光通信デバイスが、それぞれ光学的に結合されているこ
とを特徴としている。
【0113】上記構成によれば、一本の光ファイバとそ
の両端面に結合された各光通信デバイスを用いて双方向
光通信を送受信同時に、簡素で、かつ、安価に行うこと
ができるという効果を奏する。
【0114】その上、上記構成では、光ファイバがマル
チモードにて光を伝搬するので、上記光ファイバのコア
径を大きく、例えば1mm程度に設定できる。このこと
から、上記構成では、上記光ファイバと各光通信デバイ
スとの光学的な結合を容易化できるという効果も奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信デバイスにおける、第一の実施
の形態、およびそれと光学的に結合された光ファイバを
示す概略平面図である。
【図2】上記光通信デバイスおよび光ファイバにおけ
る、図1のA−A’矢視断面を示す断面図である。
【図3】上記光通信デバイスおよび光ファイバにおけ
る、図1のB−B’矢視断面を示すさらに他の断面図で
ある。
【図4】上記光通信デバイスにおける送信用導波路と光
ファイバの各端面を光軸に対し傾斜角度を変化させた場
合の結合損失の解析結果を示すグラフである。
【図5】上記送信用導波路と光ファイバとの光学的な結
合を示す説明図である。
【図6】上記傾斜角度とクロストークとの関係を示した
実験結果のグラフである。
【図7】上記光通信デバイスにおける、受信用導波路と
光ファイバとの光学的な結合を示す説明図である。
【図8】本発明に係る双方向光通信装置を、第二の実施
の形態として示す概略説明図である。
【図9】上記光通信デバイスの製造工程を示す説明図で
あって、(a)ないし(h)はそれぞれ上記製造工程に
おける各工程図である。
【図10】本発明の光通信デバイスの第四の実施の形態
を示す概略平面図である。
【図11】上記光通信デバイスにおける断面図である。
【図12】上記光通信デバイスの製造工程を示す各工程
図である。
【図13】本発明の光通信デバイスの第五の実施の形態
を示す概略説明図である。
【図14】従来の光通信デバイスを示す概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 半導体レーザ(発光素子) 3 フォトダイオード(受光素子) 4 送信用導波路 5 受信用導波路 6 モニタ用導波路 7 モニタ用フォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 英明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松島 俊幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 田村 壽宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石井 ▲頼▼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA02 BA11 BA24 CA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子に光学的に結合された送信用導波
    路と、受光素子に光学的に結合された受信用導波路と
    が、互いに光学的に分離されて、かつ、外部の光ファイ
    バの同一端面に対し光学的に結合可能に設けられ、 送信用導波路における発信光の出射する端面は、送信光
    の光ファイバ端面での反射光が受信用導波路に入射する
    ことを抑制するように、光ファイバの光軸に対し直交す
    る面に対し傾斜していることを特徴とする光通信デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】送信用導波路および受信用導波路の少なく
    とも一方と、光ファイバとの互いに結合する側の各端面
    は互いに平行であり、 かつ、送信用導波路における光軸方向に対する直交方向
    の断面積に対し、受信用導波路における光軸方向に対す
    る直交方向の断面積が大きくなっていることを特徴とす
    る請求項1記載の光通信デバイス。
  3. 【請求項3】送信用導波路は、発信光が通るコア部と、
    コア部における光軸方向に対する側部に設けられたクラ
    ッド部とを有し、 送信用導波路の端面の、光軸に対する直交面からの傾斜
    角度φは、上記コア部の屈折率をn1 、上記クラッド部
    の屈折率をn2 としたとき、下記の式(1) φ>cos-1(n2 /n1 ) ……(1) を満たしていることを特徴とする請求項1または2記載
    の光通信デバイス。
  4. 【請求項4】送信用導波路、および受信用導波路の各開
    口数は、結合される光ファイバの開口数に略同一にそれ
    ぞれ設定されていることを特徴とする請求項3記載の光
    通信デバイス。
  5. 【請求項5】送信用導波路と受信用導波路とは、送信用
    導波路および受信用導波路が形成される基板上に、基板
    の表面方向に沿って互いに並設されていることを特徴と
    する請求項1ないし4の何れか一項に記載の光通信デバ
    イス。
  6. 【請求項6】送信用導波路と受信用導波路とは、送信用
    導波路および受信用導波路が形成される基板上に、基板
    の表面方向に対し直交方向に沿って互いに並設されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記
    載の光通信デバイス。
  7. 【請求項7】送信用導波路および受信用導波路の少なく
    とも一方のコア部の周囲に、遮光膜が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の
    光通信デバイス。
  8. 【請求項8】送信用導波路、受信用導波路の各コア部
    が、高分子材料から形成され、その厚さが10μm以上
    150μm以下であることを特徴とする請求項1ないし
    7の何れか一項に記載の光通信デバイス。
  9. 【請求項9】受光素子は基板上にモノリシックに形成さ
    れ、 受信用導波路は、受信光の導波光を反射して受光素子に
    導くように形成された終端部を受光素子上に備え、 かつ、発光素子は、基板上にてハイブリッドに集積化さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一
    項に記載の光通信デバイス。
  10. 【請求項10】発信光および受信光である信号光をマル
    チモードにて伝搬するための光ファイバの軸方向の両端
    面に、請求項1ないし9の何れか一項に記載の光通信デ
    バイスが、それぞれ光学的に結合されていることを特徴
    とする双方向光通信装置。
  11. 【請求項11】光ファイバはプラスチック光ファイバあ
    るいはポリマクラッド石英光ファイバであることを特徴
    とする請求項10記載の双方向光通信装置。
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