JPH09145928A - 光減衰器 - Google Patents

光減衰器

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Publication number
JPH09145928A
JPH09145928A JP7304676A JP30467695A JPH09145928A JP H09145928 A JPH09145928 A JP H09145928A JP 7304676 A JP7304676 A JP 7304676A JP 30467695 A JP30467695 A JP 30467695A JP H09145928 A JPH09145928 A JP H09145928A
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JP
Japan
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optical fiber
clad
optical
side optical
optical signal
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JP7304676A
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Inventor
Manabu Tanabe
学 田辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コア伝播モード光とクラッド伝播モード光と
の相互干渉の影響による光信号の伝送特性の劣化を防止
する光減衰器を提供する。 【解決手段】 入力端101を介して前部光ファイバ1
02のクラッド部106を伝播するクラッド伝播モード
光は、前部光ファイバ102の途中に設置されたクラッ
ド伝播モード除去部108の高屈折率液109は、クラ
ッド部106よりも十分に屈折率の高い物質で、クラッ
ド伝播モード光は、それらの境界面においては全反射さ
れずに高屈折率液109側に透過され、クラッド伝播モ
ード光は減衰し接続点105に到達しない。後部光ファ
イバ104のクラッド伝播モード光もまた、クラッド伝
播モード除去部108の高屈折率液109側に透過さ
れ、クラッド伝播モード光は減衰し光出射端103に到
達しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光減衰器に関し、
より特定的には、固定的な減衰量を有しており、歪み・
雑音を新たに発生することなく光信号を減衰する光減衰
器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光伝送システムに設置される
受光素子や光部品に過大な光信号が入射されるのを防ぐ
こと、または、上記の受光素子や光部品に最適な光信号
を入射することを目的として、入射した光信号を固定的
に設定された減衰量だけ減衰させて出射する光減衰器
が、光伝送システムには用いられている。
【0003】上記のような光減衰器を構成するために、
次に例示するような方式の光減衰器が考えられ実現され
てきた。 (例1)溶融型2×2分岐器において、それぞれ2つず
つある光信号の入出力端のうちそれぞれ1つずつを無反
射終端したもの (例2)光ファイバから出射した放射光を第1のレンズ
によって平行光線に変換した後、再度第2のレンズによ
って平行光線を収束させる、いわゆるコリメート系にお
いて、第1と第2のレンズの間に光を吸収・減衰させる
物質を挿入したもの (例3)2本の光ファイバを接続する際、互いのコア部
分の中心軸を直径方向にずらして融着などの方法で接続
し、接続損失を大きくしたもの (例4)コア部分の径が互いに異なる2本の光ファイバ
を融着などの方法で接続し、接続損失を大きくしたもの 上記(例3)および(例4)のように、2本の光ファイ
バの接続損失を大きくすることで光信号を減衰させる光
減衰器のことを、以下の説明においては「ファイバ光減
衰器」と称することとする。
【0004】次に、この「ファイバ光減衰器」とこれを
用いた光伝送システムについて説明する。以下には、上
記(例3)に示した「ファイバ光減衰器」について説明
する。図5(a)は、「ファイバ光減衰器」と、これを
用いた光伝送システムの構成例を示すブロック図であ
る。図5(a)において、光伝送システムには、光信号
を出射する光源素子の一例としての半導体レーザ501
と、光減衰器502(図示は2つ)と、入射した光信号
を分岐・増幅などする光部品503と、光信号を入射す
る受光素子504とが、光ファイバ伝送路505によっ
て接続されている。光ファイバは、高屈折率のコア部が
低屈折率のクラッド部で覆われた構造を有している。そ
のため、光信号はコア部内で全反射を繰り返しながら伝
送される。したがって、2本の光ファイバにおけるコア
部の中心軸をその直径方向に互いにずらして融着などの
方法で接続すると、前段の光ファイバを伝送されてきた
光信号は、後段の光ファイバへの入射を制限される。こ
れによって、前段の光ファイバと後段の光ファイバとを
接続する際、ずらす量などを調節すると光減衰器を構成
することができる。光減衰器502は、このような構成
による光減衰器であり、光入射端5021に入射された
光信号を伝送する前部光ファイバ5022と、前部光フ
ァイバ5022から入射された光信号を光出射端502
4まで伝送する後部光ファイバ5023とを含む。前部
光ファイバ5022と後部光ファイバ5023とは、上
述したように、接続点5025において互いにずらして
接続されている。図5(b)は、光減衰器502におけ
る前部光ファイバ5022と後部光ファイバ5023と
の接続点5025付近の拡大図である。図5(b)にお
いて、前部光ファイバ5022および後部光ファイバ5
023は、前述したように、コア部5026とクラッド
部5027とを含む。前部光ファイバ5022のコア部
5026を伝播してきた光信号5061の一部は、その
まま後部光ファイバ5023のコア部5026に入射さ
れ、後部光ファイバ5023を伝播される(光信号50
62参照)。しかしながら、光信号5061の残りは、
後部光ファイバ5023のクラッド部5027に入射さ
れる(光信号5063参照)。このクラッド部5027
に入射された光信号5063が損失となり、光信号50
26は減衰されたこととなる。
【0005】上記のように構成された光伝送システムに
おいて、半導体レーザ501から出射された光信号は、
光ファイバ伝送路505内を伝送され、光減衰器502
に入射される。光減衰器502は、上述したように光信
号を所定量減衰させ光部品503に出射する。光部品5
03は、上述した機能を有しており、光信号を2分岐し
たり、あるいは増幅したりした後、再度光ファイバ伝送
路505に出射する。光ファイバ伝送路505内を伝送
された光信号は、光減衰器502に入射される。光減衰
器502は、光信号を減衰し受光素子504に出射す
る。
【0006】上述した「ファイバ光減衰器」は、前述の
(例4)に示した構成とすることも可能である。光減衰
器502において、後部光ファイバ5023のコア部5
026の径を前部光ファイバ5022のコア部5026
の径よりも小さくすることにより、所定の減衰量を得る
ことができる(図6(a)参照)。逆に、後部光ファイ
バ5023のコア部5026の径を前部光ファイバ50
22のコア部5026の径よりも太くすることによって
も、所定の減衰量を得ることができる(図6(b)参
照)。
【0007】この「ファイバ光減衰器」は、以下に示す
特徴を有しているため光伝送システム、特に反射を嫌
い、伝送される光信号の歪みをできるだけ小さくする必
要のあるSCM(Sub−Carrier Multi
plexing)伝送方式を用いた光伝送システムへの
適用が有効と考えられている。 (1)「ファイバ光減衰器」の構成上、光ファイバ端が
存在しないため光信号の反射が生じない。したがって、
多重反射の影響による「マルチパス」(詳細は後述)に
よる光信号の伝送特性が劣化しない。 (2)「ファイバ光減衰器」は、光伝送システムの敷設
場所において上述した前部光ファイバと後部光ファイバ
とを接続することもできる。したがって、上記の敷設場
所において所定の減衰量に調節することが可能となり、
光伝送システムの半導体レーザ(以下、LDと称する)
の光出力を簡単に調整することができる。そのため、L
Dを光出力の歪みなどが最小となるバイアス駆動電流で
使用することができる。もし、「ファイバ光減衰器」以
外の減衰量固定の光減衰器を光伝送システムに適用し、
上記のようなLDの光出力調整を行う場合、ある程度の
設定誤差を許容したとしても減衰量の異なる光減衰器が
多種多数必要となる。また、減衰量可変の光減衰器なら
ば、上記のようなLDの光出力調整は正確かつ簡単に行
える。しかしながら、減衰量可変の光減衰器は、値段が
高いこと、サイズが大きいこと、減衰量の設定が時間経
過・振動などでずれたりすることなどの欠点があるの
で、実際の光伝送システムには使用されない。
【0008】ところで、SCM伝送方式においては、ま
ず、伝送すべき電気信号で搬送波が変調される。この変
調された電気信号で半導体レーザなどの光源素子から出
射される光が直接光強度変調され光信号に変換される。
この光信号が光ファイバ伝送路内を伝送される。このS
CM伝送方式を用いた光伝送システムにおいて、歪み・
雑音特性などの光信号の伝送特性を劣化させる原因の1
つに、多重反射に代表されるマルチパスの影響がある。
以下、マルチパスについて、多重反射を例に採り上げて
説明する。
【0009】複数の反射点を有する光ファイバ伝送路
に、SCM伝送方式による光信号を伝送させるとき、光
信号の受信点である受光素子には、反射点において反射
せずに直接受光素子に到達した光信号(以下、直接光と
称する)と、反射点において偶数回反射してから受光素
子に到達した光信号(以下、遅延光と称する)とが存在
する。すなわち、光信号の送信点である光源素子から受
光素子までの経路(光路)には、直接光信号の経路と遅
延光信号の経路とが存在することとなる。これが、「マ
ルチパス」と呼ばれる現象であり、無線伝送システムに
おいてはよく起こる現象である。多重反射して受光素子
に到達した遅延光は、直接光と比較して、反射点間距離
の往復の分だけ経路が長くなるため、到達時間に遅れが
生じることとなる。また、通常各反射点における光信号
の反射量は、反射点において全反射するわけではないの
で(開放端における反射量;約−15dB、通常の光コ
ネクタにおける反射量;約−25〜−30dB)、直接
光と遅延光との間にはある程度の光電力レベル差も生じ
る。
【0010】上記のように直接光と遅延光とは、受光素
子への到達時間および光電力以外は全く同じ信号である
ため、受光素子において相互に干渉する(自己遅延ホモ
ダイン)。その結果、直接光と遅延光とのビートが電気
信号の周波数領域に生じることとなる。SCM伝送方式
を用いた光伝送システムにおいては、このビートが雑音
・歪み妨害となって伝送特性を劣化させるという問題点
があった。この多重反射による伝送特性劣化について
は、以下に示す実験や理論解析などの報告がすでになさ
れている。 (1)「A.lidgard and N.A.Ols
son, ”Generation and Canc
ellation of Second−Order
Harmonic Distortion in An
alog Optical System by In
terferometic FM−AMconvers
ion”, IEEE Photonic Techn
ology Letters, Vol.2,No.
1, pp519−521,1990」 (2)「J.H.Angenent,I.P.D.Ub
bens,and P.J.de Waard, ”D
ISTORTION OF A MULTICARRI
ER SIGNAL DUE TO OPTICAL
REFLECTIONS.” ECOC’91,IOO
C’91,WeC8−4,1991」 このマルチパスが引き起こす伝送特性の劣化は、多重反
射ばかりでなく、光ファイバ伝送路上に物理的に複数の
経路(光路)が存在すれば、大なり小なり必ず発生す
る。光伝送システムにおいて、光信号は通常光ファイバ
伝送路のコア部を上述したように伝播する。このコア部
を伝播する光信号を、以下の説明においては「コア伝播
モード光」と称することとする。ところが、光ファイバ
伝送路の途中に、以下(a)〜(c)に該当する箇所が
存在すると、コア伝播モード光が光ファイバ伝送路のク
ラッド部に入射され、クラッド部を伝播する光信号が生
じることとなる。このクラッド部を伝播する光信号を、
以下の説明においては「クラッド伝播モード光」と称す
ることとする。 (a)光源素子から出射された光を集光し光ファイバ伝
送路に入射する箇所 (b)光ファイバ伝送路から一度出射された光を再度光
ファイバ伝送路に入射する箇所 (b)に該当するような箇所として、例えば、光減衰
器、光フィルタ、光分岐器、光分波器などの光部品が光
ファイバ伝送路に挿入されている箇所や、光ファイバな
どを光コネクタを用いて接続する際、その光コネクタど
うしがフィジカルコンタクトとなっていない光コネクタ
の接続点などこの光コネクタがフィジカルコンタクトし
ない例としては、図7に示すような端面研磨の際に生じ
る光コネクタ端面における光ファイバ部分のへこみ(ギ
ャップ)や、光コネクタのPC研磨時の端面の曲率中心
軸とコア中心軸とのズレなどがある。 (c)光ファイバ伝送路が小さな曲率で何重にも曲げら
れ巻かれている箇所このクラッド伝播モード光は、コア
伝播モード光の一部がクラッド部に入射されたことによ
り生じるため、コア伝播モード光と比較してその光電力
レベルは小さいものである。また、クラッド伝播モード
光とコア伝播モード光とは、光路が異なるため受光素子
への到達時間も異なるものとなる。さらに、このクラッ
ド伝播モード光もまた、上記(a)〜(c)に該当する
箇所が存在すると、再びコア部に入射され、コア部を伝
播する光信号となる。この光信号はコア部を伝播する光
信号ではあるが、一時的にでもクラッド部を伝播したた
めに受光素子への到達時間は、常にコア部を伝播してき
たコア伝播モード光の到達時間と異なることとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したファイバ光減
衰器は、前述した特徴を有しているために光伝送システ
ム(特に、SCM伝送方式による光伝送システム)への
適用性に優れている。しかしながら、図5(b)に示す
ように、前部光ファイバ5022と後部光ファイバ50
23とは、それぞれのコア部の中心軸をその直径方向に
互いにずらして接続されており、前部光ファイバ502
2のコア部5026を伝播してきた光信号の一部を後部
光ファイバ5023のクラッド部5027へと放射する
ことにより所定の減衰量を得るような構成を有してい
る。したがって、クラッド伝播モード光が生ずることと
なる。逆に、前部光ファイバ5022のクラッド部を伝
播してきた光信号(光信号5064)の一部が、後部光
ファイバ5023のコア部5026に入射されることも
ある(光信号5065)。すなわち、後部光ファイバ5
023には、そのコア部5026とクラッド部5027
とに複数の光路が存在することとなる。図6に示すよう
な構成を有する光減衰器においても、同様のことが起こ
り得る。これは、前述した「マルチパス」と同様の現象
であるため、このような光信号が受光素子へ到達する
と、2つの光信号のビートが電気信号の周波数領域に生
じ、雑音・歪み妨害による光信号の伝送特性が劣化する
という問題点があった。このビートの大きさは、伝播し
てきた光信号の偏波によって変動するため、光ファイバ
伝送路の状態・周囲温度の変化・光信号の波長変動など
の微妙な違いあるいは変動によって変化する。この雑音
・歪み妨害は、そのビートの大きさの変化に応じて変動
し、時間的に不安定になる。
【0012】それゆえに、本発明の目的は、光伝送シス
テムの受光素子においてコア伝播モード光とクラッド伝
播モード光との相互干渉の影響による、光信号の伝送特
性の劣化を防止する光減衰器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】以下に
は、上記目的を達成するための本発明の構成を示すが、
後述する実施形態との対応関係を明確にするために、本
発明で採用される各構成要素には、対応する部分に参照
番号を付しておく。ただし、この参照番号は、あくまで
も理解を容易にするためおよび参考のために付されるの
であって、本発明の特許請求の範囲を限定的に解釈する
ものではないことを予め指摘しておく。
【0014】第1の発明は、入射した光信号を所定量減
衰させて出射する装置であって、光信号を入射する入射
側光ファイバ(102)と当該光信号を出射する出射側
光ファイバ(104)とを含んでおり、入射側光ファイ
バおよび出射側光ファイバの接続点(105)におい
て、接続損失を大きくし光信号を減衰する減衰手段(1
01〜107)と、入射側光ファイバのクラッド部を伝
播する光信号を除去するクラッド伝播光除去手段とを備
える。上記のクラッド伝播光除去手段は、入射側光ファ
イバのクラッド部を伝播する光信号を除去するので、入
射側光ファイバと出射側光ファイバとの接続点にはクラ
ッド部を伝播する光信号が入射されない。そのため、入
射側光ファイバのクラッド部を伝播してきた光信号が、
出射側光ファイバのコア部に入射することがなくなる。
したがって、少なくとも、光伝送システムの光信号受信
点に設置される受光素子に入射される光信号において
は、コア部を伝播してくる光信号の経路は一つである。
そのため、その干渉が原因で生じる伝送信号の周波数領
域におけるノイズ・歪み妨害などの伝送特性への悪影響
を少なくすることができる。
【0015】第2の発明は、入射した光信号を所定量減
衰させて出射する装置であって、光信号を入射する入射
側光ファイバ(102)と当該光信号を出射する出射側
光ファイバ(104)とを含んでおり、入射側光ファイ
バおよび出射側光ファイバの接続点(105)におい
て、接続損失を大きくし光信号を減衰する減衰手段(1
01〜107)と、出射側光ファイバのクラッド部を伝
播する光信号を除去するクラッド伝播光除去手段とを備
える。上記のクラッド伝播光除去手段は、出射側光ファ
イバのクラッド部を伝播する光信号を除去するので、出
射側光ファイバの出射端にはクラッド部を伝播する光信
号が入射されない。そのため、光伝送システムの光信号
受信点に設置される受光素子に入射される光信号におい
ても、クラッド部を伝播して入射する光信号は少なくな
る。したがって、光ファイバのコア部を伝播して入射す
る光信号との干渉も少なくなる。そのため、その干渉が
原因で生じる伝送信号の周波数領域におけるノイズ・歪
み妨害などの伝送特性への悪影響を少なくすることがで
きる。
【0016】第3の発明は、入射した光信号を所定量減
衰させて出射する装置であって、光信号を入射する入射
側光ファイバ(102)と当該光信号を出射する出射側
光ファイバ(104)とを含んでおり、入射側光ファイ
バおよび出射側光ファイバの接続点(105)におい
て、接続損失を大きくし光信号を減衰する減衰手段(1
01〜107)と、入射側光ファイバおよび出射側光フ
ァイバのクラッド部を伝播する光信号を除去するクラッ
ド伝播光除去手段とを備える。まず、クラッド伝播光除
去手段は、入射側光ファイバのクラッド部を伝播する光
信号を除去するので、入射側光ファイバと出射側光ファ
イバとの接続点にはクラッド部を伝播する光信号が入射
されない。そのため、入射側光ファイバのクラッド部を
伝播してきた光信号が、出射側光ファイバのコア部に入
射することがなくなる。さらに、クラッド伝播光除去手
段は、出射側光ファイバのクラッド部を伝播する光信号
をも除去するので、出射側光ファイバの出射端にはクラ
ッド部を伝播する光信号が入射されない。そのため、光
伝送システムの光信号受信点に設置される受光素子に入
射される光信号において、コア部を伝播してくる光信号
の経路は1つであり、クラッド部を伝播して入射する光
信号はなくなる。したがって、この受光素子に入射され
る光信号は、光伝送システムにおける光ファイバ伝送路
のコア部を単一の経路によって伝播してくることとな
る。これによって、受光素子において、他の光信号との
干渉がなくなるため伝送信号の周波数領域におけるノイ
ズ・歪み妨害などの伝送特性への悪影響を少なくするこ
とができる。
【0017】第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発
明において、入射側光ファイバおよび出射側光ファイバ
のコア部の中心軸が直径方向に互いにずらされて接続さ
れていることを特徴とする。
【0018】第5の発明は、第1〜第3のいずれかの発
明において、入射側光ファイバと出射側光ファイバとに
おいて、いずれか一方のコア部の径は、いずれか他方の
コア部の径よりも大きいことを特徴とする。
【0019】第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発
明において、クラッド伝播光除去手段(108)は、入
射側光ファイバおよび出射側光ファイバのクラッド部の
屈折率に対して充分高い屈折率を有する液体状物質(1
09)を有しており、入射側光ファイバおよび/または
出射側光ファイバのクラッド部は、当該クラッド部の全
周を所定の長さにわたって液体状物質によって浸されて
いることを特徴とする。上記の液体状物質は、入射側光
ファイバおよび出射側光ファイバのクラッド部の屈折率
に対して充分高い屈折率を有しているので、入射側光フ
ァイバおよび/または出射側光ファイバのクラッド部を
伝播する光信号を減衰させ除去することができる。
【0020】第7の発明は、第1〜第5のいずれかの発
明において、クラッド伝播光除去手段(201)は、入
射側光ファイバおよび出射側光ファイバのクラッド部の
屈折率に対して高い屈折率を有する物質(202)を有
しており、入射側光ファイバおよび/または出射側光フ
ァイバのクラッド部には、当該クラッド部の全周を所定
の長さにわたって物質が付着されていることを特徴とす
る。上記の物質は、入射側光ファイバおよび出射側光フ
ァイバのクラッド部の屈折率に対して高い屈折率を有し
ているので、所定の長さが充分長ければ入射側光ファイ
バおよび/または出射側光ファイバのクラッド部を伝播
する光信号を減衰させ除去することができる。
【0021】第8の発明は、第1〜第5のいずれかの発
明において、クラッド伝播光除去手段は、入射側光ファ
イバおよび/または出射側光ファイバの途中に、溶融型
光部品または導波路型光部品を光コネクタを用いること
なく挿入される。上記の溶融型光部品または導波路型光
部品は、入射側光ファイバおよび/または出射側光ファ
イバのコア部を伝播する光信号の伝播モードのみを有す
るため、クラッド部を伝播する光信号を出射することが
ない。そのため、入射側光ファイバおよび/または出射
側光ファイバのクラッド部を伝播する光信号を減衰させ
除去することができる。
【0022】第9の発明は、第1〜第5のいずれかの発
明において、入射側光ファイバおよび出射側光ファイバ
は、コア部とクラッド部とを有しており、クラッド伝播
光除去手段(301)は、入射側光ファイバおよび/ま
たは出射側光ファイバの一部分において、クラッド部が
除去されている。上記のように入射側光ファイバおよび
/または出射側光ファイバの一部分においてクラッド部
を除去すると、クラッド部を伝播する光信号はこの除去
された部分において外部へと出射される。外部へと出射
された光信号は拡散されるため再度クラッド部へ入射さ
れることはないため、入射側光ファイバおよび/または
出射側光ファイバのクラッド部を伝播する光信号を除去
することができる。
【0023】第10の発明は、第1〜第5のいずれかの
発明において、入射側光ファイバおよび出射側光ファイ
バは、コア部とクラッド部とを有しており、クラッド伝
播光除去手段は、純粋石英からなるコア部と、純粋石英
に屈折率を低下させるための物質をドープしたクラッド
部、または、純粋石英に屈折率を低下させるための物質
と、電離放射線を照射したとき光信号波長帯に光吸収を
生じる物質とをドープしたクラッド部とを含み、クラッ
ド伝播光除去手段の一部または全体には、充分な線量の
電離放射線が照射されていることを特徴とする。上記の
ような構成を有する光ファイバに電離放射線を照射する
と、クラッド部に電子を遊離させることができる。この
遊離された電子は格子欠陥にトラップされてカラーセン
タとなる。このカラーセンタは、光信号波長帯において
光を吸収する。これによって、入射側光ファイバおよび
/または出射側光ファイバのクラッド部を伝播する光信
号を除去することができる。
【0024】第11の発明は、第1〜第5のいずれかの
発明において、入射側光ファイバおよび出射側光ファイ
バは、コア部とクラッド部とを有しており、クラッド伝
播光除去手段は、入射側光ファイバおよび/または出射
側光ファイバ光信号波長帯において、光吸収あるいは光
散乱させる物質が混入されたクラッド部である。上記の
ような構成を有する光ファイバのクラッド部に光信号が
入射されると、上記の物質の作用により、この光信号は
吸収され、または散乱させられる。これによって、入射
側光ファイバおよび/または出射側光ファイバのクラッ
ド部を伝播する光信号を除去することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例に
係る光減衰器(ファイバ光減衰器)を説明するための参
考図である。図1(a)は、第1の実施例に係る光減衰
器の全体構成を示す図である。図1(a)において、光
減衰器は、光入射端101に入射された光信号を伝送す
る前部光ファイバ102と、前部光ファイバ102から
入射された光信号を光出射端103まで伝送する後部光
ファイバ104と、クラッド伝播モード光除去部108
とを備える。前部光ファイバ102と後部光ファイバ1
04とは、高屈折率のコア部106が低屈折率のクラッ
ド部107で覆われた構造を有している。また、前部光
ファイバ102と後部光ファイバ104とは、接続点1
05において、互いのコア部106の中心軸が、それら
の直径方向に互いにずらされて融着などの方法で接続さ
れている。クラッド伝播モード光除去部108は、クラ
ッド部107の屈折率に対して十分に屈折率の高い材料
である高屈折率液109を含んでおり、クラッド部10
6を伝播する光(以下、クラッド伝播モード光と称す
る)を除去する。このクラッド伝播モード光除去部10
8は、前部光ファイバ102および/または後部光ファ
イバ104に設置されている(図1(a)には、前部光
ファイバ102および後部光ファイバ104に設置され
ている場合を図示)。より具体的には、前部光ファイバ
102および/または後部光ファイバ104がクラッド
伝播モード光を除去するのに十分な長さにわたって、ク
ラッド部106の周囲を、高屈折率液109で浸された
ものである。例えば、クラッド部106の屈折率が約
1.46であった場合、高屈折率液109としてジョー
ドメタン(屈折率n=1.74)、αブロモナフタレン
(n=1.66)、セダ油(n=1.52)、ベンゼン
(n=1.50)などが使用可能である。
【0026】図1(b)は、図1(a)に示す光減衰器
の接続点105近傍における、光信号の伝播の態様を説
明するための参考図である。
【0027】図1(c)は、図1(a)に示す光減衰器
のクラッド伝播モード光除去部108近傍の縦断面図で
あり、さらにこの部分における、光信号の伝播する態様
を説明するための参考図である。
【0028】以下、図1を参照して、第1の実施例に係
る光減衰器における、光信号の伝播する態様を説明す
る。前段の光ファイバ伝送路(図示せず)から伝播され
てきた光信号は、入力端101を介して前部光ファイバ
102に入射される。前部光ファイバ102に入射され
た光信号は、主にコア部107の内部を伝播するコア部
伝播モード光であるが、一部の光信号は、クラッド部1
06の内部を伝播するクラッド伝播モード光である。コ
ア部伝播モード光は、接続点105までコア部107を
前述したように伝播する。クラッド伝播モード光は、ク
ラッド部106と光ファイバ外部との境界面およびコア
部107との境界面でほぼ全反射され、クラッド部10
6内部を伝播する。本実施例に係る光減衰器において、
前部光ファイバ102の途中に設置されたクラッド伝播
モード除去部108は、その内部に含む高屈折率液10
9とクラッド部106とは前述のような屈折率の関係を
有している。したがって、クラッド伝播モード光は、ク
ラッド伝播モード光除去部108に覆われた部分に到達
すると、クラッド伝播モード除去部108とクラッド部
106との境界面においては全反射されずに高屈折率液
109側に透過される。そのため、クラッド伝播モード
光は、クラッド伝播モード光除去部108に覆われた部
分においてはクラッド部106を伝播されず減衰してい
く。さらに、クラッド伝播モード光除去部108は、ク
ラッド伝播モード光を除去するのに十分な長さを有して
いるため、クラッド伝播モード光除去部108以降にお
いてはクラッド伝播モード光はなくなる。そのため、前
部光ファイバ102に設置されたクラッド伝播モード光
除去部108を通過した時点における光信号は、コア部
伝播モード光のみとなる(図1(c)参照)。
【0029】このコア伝播モード光は、前部光ファイバ
102のコア部107を伝播し接続点105に到達す
る。光信号は、接続点105においては前部光ファイバ
102と後部光ファイバ104とが前述したように接続
されている。そのため、一部の光信号は後部光ファイバ
104のクラッド部106に入射され、残りの光信号は
後部光ファイバ104のコア部107に入射される(図
1(b)参照)。コア部107に入射された光信号は、
そのまま後部光ファイバ104のコア部107内を前述
したように伝播し、光出射端103から再度光ファイバ
伝送路(図示せず)に出射される。一方、後部光ファイ
バ104のクラッド伝播モード光は、クラッド部106
と光ファイバ外部との境界面およびコア部107との境
界面でほぼ全反射され、クラッド部106内部を伝播す
る。しかしながら、クラッド伝播モード光は、クラッド
伝播モード光除去部108に覆われた部分に到達する
と、前述と同様に高屈折率液109側に透過される。そ
のため、クラッド伝播モード光は、クラッド部106を
伝播せずに減衰していく。したがって、再度クラッド伝
播モード光除去部108以降においてはクラッド伝播モ
ード光はなくなる。そのため、この光減衰器の後段に設
置される受光素子(図示せず)などには、コア伝播モー
ド光のみが入射されるため、ビートが発生しない。
【0030】なお、上述した実施例においては、クラッ
ド伝播モード光除去部108は、十分な長さにわたって
前部光ファイバ102および後部光ファイバ104を浸
しており、クラッド伝播モード光を完全に除去するよう
な構成にしている。しかしながら、浸されている部分が
短くとも、クラッド伝播モード光を除去する効果は十分
にある。
【0031】なお、接続損失を大きくし所要の減衰量が
得られるように、接続部における2本の光ファイバのう
ち一方のコア径を他方のコア径より小さくした光減衰器
においても本発明の作用は全く同じである。
【0032】図2は、本発明の第2の実施例に係る光減
衰器(ファイバ光減衰器)を説明するための参考図であ
る。図2(a)は、第2の実施例に係る光減衰器の全体
構成を示す図である。図2(a)において、光減衰器
は、光入射端101と、前部光ファイバ102と、光出
射端103と、後部光ファイバ104と、クラッド伝播
モード光除去コート201とを備える。なお、図2
(a)においては、図1と同一の構成については、同一
の参照番号を付し、その説明を略する。クラッド伝播モ
ード光除去コート201は、クラッド部107の屈折率
に対して屈折率の高い材料であるコート物質202を含
んでおり、クラッド部106を伝播する光を除去する。
このクラッド伝播モード光除去コート201は、前部光
ファイバ102および/または後部光ファイバ104に
設置されている。より具体的には、前部光ファイバ10
2および/または後部光ファイバ104が、クラッド伝
播モード光を除去するのに十分な長さにわたって、クラ
ッド部106の周囲に、コート物質202を付着させた
ものである。
【0033】図2(b)は、図2(b)に示す光減衰器
のクラッド伝播モード光除去コート201近傍の縦断面
図であり、さらにこの部分における、光信号の伝播する
態様を説明するための参考図である。
【0034】以下、図2を参照して、第2の実施例に係
る光減衰器における、光信号の伝播する態様を説明す
る。これは、基本的に第1の実施例に係る光減衰器にお
ける、光信号の伝播する態様と同じものである。すなわ
ち、前部光ファイバ102のクラッド部伝播モード光
は、前部光ファイバ102の途中に設置されたクラッド
伝播モード除去コート201のコート物質202によっ
て、コート物質202側に透過され放射される。そのた
め、クラッド伝播モード光は、コート物質202を付着
された部分においてクラッド部106を伝播されず減衰
していく。したがって、前部光ファイバ102に設置さ
れたクラッド伝播モード光除去コート201を通過した
時点における光信号は、コア伝播モード光のみとなる。
【0035】後部光ファイバ104を伝播する光信号
は、前部光ファイバ102と後部光ファイバ104とが
前述のように接続されているため、後部光ファイバ10
4のコア部107およびクラッド部106に入射され
る。コア部107に入射された光信号は、そのまま後部
光ファイバ104のコア部107内を伝播し、光出射端
103から再度光ファイバ伝送路(図示せず)に出射さ
れる。
【0036】一方、後部光ファイバ104のクラッド伝
播モード光は、クラッド伝播モード除去コート201の
コート物質202によって、コート物質202側に透過
され放射される。そのため、クラッド伝播モード光は、
コート物質202を付着された部分においてクラッド部
106を伝播されず減衰していく。したがって、光出射
端103から出射される光信号は、コア伝播モード光の
みとなる。そのため、この光減衰器の後段に設置される
受光素子(図示せず)などには、コア伝播モード光のみ
が入射されるため、ビートが発生しない。
【0037】従来の光減衰器に使用される光ファイバと
して、クラッド部の周囲のバッファ層(被膜層)にクラ
ッド部より屈折率の高い物質が使われる場合があった。
しかしながら、バッファ層に使われる物質には、以下
(a)〜(d)に記す要件がある。 (a)外部からの圧力・摩擦から光ファイバを守るため
に強いこと (b)外力によって損失が増えないように柔らかいこと (c)光ファイバに密着して滑りがないこと・簡単に除
去できること (d)化学的に安定であること したがって、バッファ層を形成する物質を「屈折率が高
い」という点のみで選択することは難しく、どうしても
クラッド部よりわずかに屈折率が高い程度となってしま
っていた。したがって、光減衰器の光ファイバとしてこ
の種の光ファイバを使用したとき、機器内に格納する等
の理由から充分な長さを確保できなかった。そのため、
クラッド伝播モード光の除去は不十分であり、従来の光
減衰器をSCM伝送方式を用いた光伝送システムに使用
することは不適切であった。
【0038】本実施例では、クラッド部106とコート
物質202との屈折率差が小さくても、クラッド伝播モ
ード光除去コート201の長さをクラッド伝播モード光
を除去するのに充分な長さとするので第1の実施例と同
様にクラッド伝播モード光を除去するというの充分な効
果が得られる。本願発明者が行った実験では、あるメー
カの光ファイバをピッグテイルとして使用した場合に
は、光入射端および光出射端から接続点までの長さが数
mあればクラッド伝播モード光の伝送特性への影響をな
くすことができたが、他のメーカの光ファイバでは10
m以上にしても完全に影響をなくすことはできなかっ
た。このように、屈折率差の小さいコート物質を使用す
ると、SCM伝送方式を用いた光伝送システムにおいて
も上記の長さが必要となる。したがって、本実施例で
は、光ファイバ長を長くすると収納上の理由等でどうし
ても曲げなければならなくなる。この曲げの部分におい
て、その曲率等によっては、クラッド伝播モード光が生
じることがあるので、屈折率が少しでも高いコート物質
202を選択し、光ファイバ長を短くする方がその効果
は大きい。
【0039】次に、本発明の第4の実施例に係る光減衰
器について説明する。この光減衰器は、図1に示す光減
衰器のクラッド伝播モード光除去部108の代わりに、
前部光ファイバ102および/または後部光ファイバ1
04の途中に溶融型光部品または導波路型光部品を光コ
ネクタなどを使用しないで融着などの接続方法で挿入し
た構成を有する。溶融型光部品とは、2本以上の光ファ
イバをある箇所で溶融しながらねじり合わせ引っ張り伸
ばした光部品であり、通常光分岐器・光分波器として利
用される。また、導波路型光部品とは、基板上に光導波
路を形成し、この光導波路を光が伝播する光部品であ
り、光分岐器などの受動部品として利用されるばかりで
なく外部変調器などの能動光部品としても使用される。
溶融型光部品または導波路型光部品は、予め定められた
伝播モードを有する光信号のみを伝播させる。すなわ
ち、上記の光部品は、前部光ファイバ102および/ま
たは後部光ファイバ104のコア部107から入射した
コア伝播モード光をそのまま出射し、接続点105また
は光出射端103に伝播させることができる。しかしな
がら、前部光ファイバ102および/または後部光ファ
イバ104のクラッド部106から入射したクラッド伝
播モード光は、伝播されることを考慮していないため伝
播モードがないので上記の光部品からは出射されず、接
続点105または光出射端103に伝播しない。
【0040】上述のように構成された第4の実施例に係
る光減衰器の動作は、基本的には従来の光減衰器と同様
であるが、本実施例は、第1の実施例と同様に、これら
の光部品以前に生じたクラッド伝播モード光を除去し、
接続点105光ファイバ出力端に達することを防ぐもの
である。すなわち、前述のように光部品を光ファイバの
途中に挿入することによって、クラッド伝播モード光の
通過を阻止し、コア伝播モード光のみを光ファイバ出射
部まで伝えることによって、伝送劣化を防ぐ。
【0041】本実施例で光コネクタを使用しないで融着
などで光部品を挿入するのは、光コネクタを使用した場
合には再びクラッド伝播モード光が発生する可能性があ
るためである。
【0042】図3は、本発明の第3の実施例に係る光減
衰器(ファイバ光減衰器)の全体構成を示す図である。
図3において、光減衰器は、光入射端101と、前部光
ファイバ102と、光出射端103と、後部光ファイバ
104と、クラッド伝播モード光遮断部301とを備え
る。なお、図3においては、図1と同一の構成について
は、同一の参照番号を付し、その説明を略する。クラッ
ド伝播モード光遮断部301は、第1の実施例のクラッ
ド伝播モード除去部108と同様に、クラッド伝播モー
ド光遮断部301以降にクラッド伝播モード光を伝播さ
せない趣旨のものである。より具体的には、前部光ファ
イバ102および/または後部光ファイバ104の一部
分のクラッド部106を取り除き、コア部107を外部
に露出させたものである。第3の実施例に係る光減衰器
における、光信号の伝播する態様を説明する。これは、
基本的に第1の実施例に係る光減衰器における、光信号
の伝播する態様と同じものである。すなわち、前部光フ
ァイバ102に入射されたクラッド部伝播モード光は、
クラッド伝播モード光遮断部301に出射される。クラ
ッド伝播モード光遮断部301において、クラッド伝播
モード光は拡散されるため再度クラッド部106に入射
されることはなく、接続点105に到達しない。また、
後部光ファイバ104に入射されたクラッド伝播モード
光もまた、後部光ファイバ104に設置されたクラッド
伝播モード光遮断部301において拡散されるため、光
出射端103に到達しない。したがって、光出射端10
3から出射される光信号は、コア伝播モード光のみとな
る。そのため、この光減衰器の後段に設置される受光素
子(図示せず)などには、コア伝播モード光のみが入射
されるため、ビートが発生しない。
【0043】図4は、本発明の第5の実施例に係る光減
衰器(ファイバ光減衰器)を説明するための参考図であ
る。図4(a)は、第5の実施例に係る光減衰器の全体
構成を示す図である。図4(a)において、光減衰器
は、光入射端101に入射された光信号を伝送する前部
光ファイバ102と、前部光ファイバ102から入射さ
れた光信号を光出射端103まで伝送する後部光ファイ
バ104とを備える。前部光ファイバ102と後部光フ
ァイバ104とは、接続点105において、互いのコア
部106の中心軸が、それらの直径方向に互いにずらさ
れて融着などの方法で接続されている。さらに、前部光
ファイバ102および後部光ファイバ104のコア部1
07は純粋石英で構成されており、それらのクラッド部
106は、純粋石英にフッ素などの屈折率を低下させる
物質をドープしたもので構成されている。また、前部光
ファイバ102および後部光ファイバ104のクラッド
部106は、屈折率を低下させる物質および電離放射線
を照射したときに光信号波長帯に光吸収を生じる物質
(例えば、ホウ素やリンなど)を純粋石英にドープした
ものでもよい。このように構成された前部光ファイバ1
02および後部光ファイバ104の全体または一部にγ
線などの電離放射線を照射する。
【0044】ところで、光ファイバに電離放射線を照射
すると電子が遊離する。この遊離した電子はクラッド部
の格子欠陥にトラップされて「カラーセンタ」となる。
このカラーセンタは、そのエネルギー順位に応じて可視
光から近赤外光にかけての波長の光を吸収する。光ファ
イバの材質が純粋石英の場合、電離放射線照射中には、
それによって生じたカラーセンタが光を吸収する。しか
しながら、電離放射線照射後には、カラーセンタが即座
に消滅するので光ファイバは元の状態に回復してしま
う。ところが、光ファイバの材質が、屈折率を上下させ
るなどの目的でフッ素やゲルマニウムなどの物質を純粋
石英にドープしたものである場合、電離放射線照射中の
カラーセンタによる光吸収の効果は、純粋石英の場合と
比較して大きい。さらに、電離放射線照射後においても
カラーセンタは消滅せず、照射前の状態にほとんど回復
しないため光吸収の効果は保持されたままである。ここ
で、光吸収の量は、照射された電離放射線の総線量に比
例して大きくなる。
【0045】上記のような構成を有する第5の実施例に
係る光減衰器の動作は、基本的には「従来の技術」の欄
において説明した光減衰器と同じである。しかしなが
ら、第1の実施例などで記述したのと同様に、光ファイ
バ伝送路の途中または光ファイバの接続点において生じ
たクラッド伝播モード光は上記のカラーセンタによって
吸収されるため、光出射端103にクラッド伝播モード
光が到達することを防ぐことができる。これに対し、コ
ア伝播モード光は、コア部が純粋石英で構成されている
ので上述したようにカラーセンタは消滅しているので吸
収などは起こらず、接続点105および光出射端103
に到達する。そのため、この光減衰器の後段に設置され
る受光素子(図示せず)などには、コア伝播モード光の
みが入射されるため、ビートが発生しない。
【0046】本実施例に係る光減衰器は、前部光ファイ
バ102および後部光ファイバ104に照射する電離放
射線の総線量が多ければ、これら光ファイバの長さはわ
ずかでもクラッド伝播モード光を除去する効果はあり、
逆に十分な長さにわたって電離放射線をこれら光ファイ
バに照射すれば、総線量が少なくてもクラッド伝播モー
ド光を除去する効果はある。
【0047】なお、本実施例に係る光減衰器において、
電離放射線は、前部光ファイバ102および後部光ファ
イバ104の接続点105にできる限り近い部分にまで
照射すれば本発明の効果をより一層高めることが可能で
ある。
【0048】次に、本発明の第6の実施例に係る光減衰
器について説明する。この光減衰器は図5に示す従来の
光減衰器と同様の構成を有するが、前部光ファイバおよ
び/または後部光ファイバのクラッド部には、光信号波
長帯において光信号を吸収あるいは散乱させて減衰させ
るOH基や微小な気泡などが混入されるところが図5に
示す従来の光減衰器とは異なる。
【0049】上記のような構成を有する第6の実施例に
係る光減衰器の動作は、基本的には「従来の技術」の欄
において説明した光減衰器と同じである。しかしなが
ら、第1の実施例などで記述したのと同様に、光ファイ
バ伝送路の途中または光ファイバの接続点において生じ
たクラッド伝播モード光は、クラッド部に混入されたO
H基や微小な気泡などによって吸収あるいは散乱される
ため、光出射端にクラッド伝播モード光が到達すること
を防ぐことができる。これに対し、コア伝播モード光
は、コア部は通常の光ファイバと同一のものであるため
吸収などが起こらず、接続点105および光出射端10
3に到達する。そのため、この光減衰器の後段に設置さ
れる受光素子(図示せず)などには、コア伝播モード光
のみが入射されるため、ビートが発生しない。
【0050】なお、第1の実施例におけるクラッド伝播
モード光除去部108、第2の実施例におけるクラッド
伝播モード光除去コート201、第5の実施例における
電離放射線を照射される部分、第6の実施例における物
質が混入される部分は、上述したように、前部光ファイ
バ102および/または後部光ファイバ104の接続点
105から離れた部分に設けてもよいが、前部光ファイ
バ102から後部光ファイバ104にわたって接続点1
05を含むような態様で設けても前述した効果が変わる
ものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る光減衰器を説明す
るための参考図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る光減衰器を説明す
るための参考図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る光減衰器の全体構
成を示す図である。
【図4】本発明の第5の実施例に係る光減衰器を説明す
るための参考図である。
【図5】従来の光減衰器を説明するための参考図であ
る。
【図6】従来の光減衰器において、コア部分の径が互い
に異なる2本の光ファイバを融着などの方法で接続し接
続損失を大きくしたものについて、その接続点近傍の断
面を模式的に示し説明する図である。
【図7】通常の光伝送システムに使用されることのある
ギャップのある光コネクタ接合の様子を示す図である。
【符号の説明】
101…光入射端 102…前部光ファイバ 103…光出射端 104…後部光ファイバ 105…接続点 106…クラッド部 107…コア部 108…クラッド伝播モード光除去部 109…高屈折率液 201…クラッド伝播モード光除去コート 202…コート物質 301…クラッド伝播モード光遮断部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した光信号を所定量減衰させて出射
    する装置であって、 光信号を入射する入射側光ファイバと当該光信号を出射
    する出射側光ファイバとを含んでおり、入射側光ファイ
    バおよび出射側光ファイバの接続点において、接続損失
    を大きくし光信号を減衰する減衰手段と、 前記入射側光ファイバのクラッド部を伝播する光信号を
    除去するクラッド伝播光除去手段とを備える、光減衰
    器。
  2. 【請求項2】 入射した光信号を所定量減衰させて出射
    する装置であって、 光信号を入射する入射側光ファイバと当該光信号を出射
    する出射側光ファイバとを含んでおり、入射側光ファイ
    バおよび出射側光ファイバの接続点において、接続損失
    を大きくし光信号を減衰する減衰手段と、 前記出射側光ファイバのクラッド部を伝播する光信号を
    除去するクラッド伝播光除去手段とを備える、光減衰
    器。
  3. 【請求項3】 入射した光信号を所定量減衰させて出射
    する装置であって、 光信号を入射する入射側光ファイバと当該光信号を出射
    する出射側光ファイバとを含んでおり、入射側光ファイ
    バおよび出射側光ファイバの接続点において、接続損失
    を大きくし光信号を減衰する減衰手段と、 前記入射側光ファイバおよび前記出射側光ファイバのク
    ラッド部を伝播する光信号を除去するクラッド伝播光除
    去手段とを備える、光減衰器。
  4. 【請求項4】 前記入射側光ファイバおよび前記出射側
    光ファイバのコア部の中心軸が直径方向に互いにずらさ
    れて接続されていることを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載の光減衰器。
  5. 【請求項5】 前記入射側光ファイバと前記出射側光フ
    ァイバとにおいて、いずれか一方のコア部の径は、いず
    れか他方のコア部の径よりも大きいことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の光減衰器。
  6. 【請求項6】 前記クラッド伝播光除去手段は、前記入
    射側光ファイバおよび前記出射側光ファイバのクラッド
    部の屈折率に対して充分高い屈折率を有する液体状物質
    を有しており、 前記入射側光ファイバおよび/または前記出射側光ファ
    イバのクラッド部は、当該クラッド部の全周を所定の長
    さにわたって前記液体状物質によって浸されていること
    を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の光減衰
    器。
  7. 【請求項7】 前記クラッド伝播光除去手段は、前記入
    射側光ファイバおよび前記出射側光ファイバのクラッド
    部の屈折率に対して高い屈折率を有する物質を有してお
    り、 前記入射側光ファイバおよび/または前記出射側光ファ
    イバのクラッド部には、当該クラッド部の全周を所定の
    長さにわたって前記物質が付着されていることを特徴と
    する、請求項1〜5のいずれかに記載の光減衰器。
  8. 【請求項8】 前記クラッド伝播光除去手段は、 前記入射側光ファイバおよび/または前記出射側光ファ
    イバの途中に、溶融型光部品または導波路型光部品を光
    コネクタを用いることなく挿入される、請求項1〜5の
    いずれかに記載の光減衰器。
  9. 【請求項9】 前記入射側光ファイバおよび前記出射側
    光ファイバは、コア部とクラッド部とを有しており、 前記クラッド伝播光除去手段は、前記入射側光ファイバ
    および/または前記出射側光ファイバの一部分におい
    て、クラッド部が除去されている、請求項1〜5のいず
    れかに記載の光減衰器。
  10. 【請求項10】 前記入射側光ファイバおよび前記出射
    側光ファイバは、コア部とクラッド部とを有しており、 前記クラッド伝播光除去手段は、 純粋石英からなるコア部と、 純粋石英に屈折率を低下させるための物質をドープした
    クラッド部、または、純粋石英に屈折率を低下させるた
    めの物質と、電離放射線を照射したとき光信号波長帯に
    光吸収を生じる物質とをドープしたクラッド部とを含
    み、 前記クラッド伝播光除去手段の一部または全体には、充
    分な線量の電離放射線が照射されていることを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の光減衰器。
  11. 【請求項11】 前記入射側光ファイバおよび前記出射
    側光ファイバは、コア部とクラッド部とを有しており、 前記クラッド伝播光除去手段は、前記入射側光ファイバ
    および/または前記出射側光ファイバ光信号波長帯にお
    いて、光吸収あるいは光散乱させる物質が混入されたク
    ラッド部である、請求項1〜5のいずれかに記載の光減
    衰器。
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