JP2000214200A - 高空間分解能の近磁界プロ―ブまたは近磁界プロ―ブシステム - Google Patents

高空間分解能の近磁界プロ―ブまたは近磁界プロ―ブシステム

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JP2000214200A
JP2000214200A JP11018656A JP1865699A JP2000214200A JP 2000214200 A JP2000214200 A JP 2000214200A JP 11018656 A JP11018656 A JP 11018656A JP 1865699 A JP1865699 A JP 1865699A JP 2000214200 A JP2000214200 A JP 2000214200A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ループコイルを有する磁界検知型プローブにお
いて測定対象によって余分な外来ノイズを拾うことな
く、簡便な構成で高感度高分解能で、電磁ノイズおよび
電流を検知できる近磁界プローブまたは近磁界プローブ
システムを工夫すること。 【解決手段】ループコイルと伝送路よりなる近磁界プロ
ーブについて、導電性部材で、検知部の先端コイル側に
開口部を持たせて全体を一体的に覆ったこと、または、
導電性部材で先端コイル付近まで一体で覆った近磁界プ
ローブについて、平面に配置した先端コイルの配置面と
導電性部材の間隔を測定対象の間隔に合わせて配置した
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子式複写機、FA
X、印刷機、パソコン等の事務機器、家庭用電気機器、
産業機器等、各種電気電子機器からの電磁ノイズを検知
し、また装置内に内在させるプリント配線基板等からの
ノイズを検知し、その対策に用いるEMC規制対策や電
磁障害対策用検査機器、殊に対象物に近接させ、ノイズ
源になる電流を特定する際に必要な近接磁界検出を行っ
て電流を検知するいわゆる近磁界プローブに関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来、EMC対策には、法的規制で定めて
いるオープンサイトや電波暗室内で10m,30m等の
遠方での電磁波を定められたアンテナを用いて計測した
結果に基づいて対策を講じるやり方があり、他方、これ
とは別にこのような認証サイト等での計測の前に近接さ
せたプローブで対象装置からの電磁界を検知し、この検
知結果に基づいて必要な対策を講じるやり方がある。ま
た、電磁ノイズの検知手段としてはカレントプローブの
ようにケーブルに巻き付けて用いるタイプのものや、巻
き線をループコイルとした比較的大きな対象へ近接して
電流検知を行うプローブによるものもある(Crede
nce社プローブ:US5773974) しかし、プリント配線板からの微小な電磁ノイズを高精
度に検出するのに、いわゆる近磁界プローブが用いられ
ており、その一例として、特開昭62−106379号
公報に記載されたものがある。このものは対称なループ
コイルとそれに続くシールドボックス内の回路で磁界の
みにより生じた信号を検出する構成となっている。ま
た、特開平7−191058号公報に記載されているも
のでは、フレキシブル基板上にエッチングで形成したセ
ンサーとエルボーになった先に出力コネクターを設けた
ものであり、特開平8−248080号公報に記載され
ているものは近磁界プローブをプリント基板で構成し、
シールドを設けてあるものである。さらに、実開平4−
69771号公報に記載されている「EMIプローブ」
は、金属線コイルとコネクターと抵抗からなるプローブ
において、電磁ノイズ測定対象に対して概ね開口を広げ
たコーン型のシールド板を設けてあるもの、あるいは一
部を開口したシールド板を用いるものである。また、公
知ではないが、特願平9−059267号のものもあ
る。このものは、必要最小限のシールドをコイルから続
く伝送路部に施す構成としているものであり、薄膜で近
磁界プローブを作製し、その伝送路にシールドを設け、
また、伝送路をトリプレート構造とすることで、測定上
の誤差を低減させたものである。
【0003】さらに、特願平10ー39797号のもの
があり、このものは、位置決め可能な近磁界プローブで
あって、コイル部を積層し、その一部を位置決め用セン
サーとして用いて、位置決めの精度を高めたものであ
る。さらに、公知のものとして、特開平7−15937
8号公報(特許第2782316号)に、漏洩磁束検出
装置およびスイッチング電源装置が記載されている。こ
のものは、検知用プローブが少なくとも一対の個別コイ
ルからなり、電磁誘導法により漏洩磁束を検知する漏洩
磁束検出装置において、一方の個別コイルが他方の個別
コイルの逆相であるように巻線を施し、かつ個別コイル
をそれぞれ引出線によって差動増幅器に接続し、この差
動増幅器により、各個別コイルの漏洩磁束信号成分の加
算演算と、各個別コイルのノイズ成分の差引演算とを同
時に行なった増幅信号を得るように構成したものであ
る。
【0004】他方、従来からケーブルを流れる電流を検
知するカレントプローブが用いられているが、EMC対
策を施すために、PCB等に流れる電流を検知するに
は、プリント基板上の配線を切断した上に、余分な引き
出し線を新たに設ける等の手段が必要で、引き回しのた
めに回路上の誤差等のため、測定可能な周波数範囲が低
く、かつ高密度に実装した基板には適用不可能であっ
た。また、磁界検出用ループコイルを近接させる方式の
Credence社の磁界および電流プローブでは巻き
線でループコイルを構成していて、LSIのピンに流れ
る電流を検知できるだけの高分解能は実現できていな
い。同社のUS特許5773974においてこの磁界プ
ローブのコイル部分についてはクレーム中でインダクテ
ィブアンテナと記載されているが、これで高分解能を実
現できるものか疑問である。
【0005】
【解決しようとする課題】そこで本発明は、ループコイ
ルを有する磁界検知型プローブにおいて測定対象によっ
て余分な外来ノイズを拾うことなく、簡便な構成で高感
度高分解能で、電磁ノイズおよび電流を検知できる近磁
界プローブまたは近磁界プローブシステムを工夫するこ
とをその課題とするものである。
【0006】
【課題解決のために講じた手段】上記課題解決のための
本発明の手段は次ぎのとおりである。
【解決手段1】解決手段1は、ループコイルと伝送路よ
りなる近磁界プローブについて、導電性部材で、検知部
の先端コイル側に開口部を持たせて全体を一体的に覆っ
たことである。この解決手段1は性能テストで試みた構
造であって、これにより簡単で効果の高いシールド方法
及び構造が得られる。
【解決手段2】解決手段2は、導電性部材で先端コイル
付近まで一体で覆った近磁界プローブについて、平面に
配置した先端コイルの配置面と導電性部材の間隔を測定
対象の間隔に合わせて配置したことである。この解決手
段2は解決手段1によるものをさらに高空間分解を得る
ための構造に応用したものであり、コイルから上の距離
を調整することによって高空間分解能が得られる。
【解決手段3】解決手段3は、導電性部材で先端コイル
付近まで一体的に覆った近磁界プローブについて、平面
に配置した先端コイルの先端位置と先端コイルの配置面
とに間隔をおいて配置した導電性部材の先端部の位置を
測定対象にあわせて配置したことである。これにより、
コイルの露出面積を最適なものにすることができる。
【0007】
【解決手段4】解決手段4は解決手段1乃至解決手段3
の、ループコイルと伝送路よりなる近磁界プローブにお
いて、伝送線路に続いてパッド部を設け、その接続部に
コネクターを設け、同軸ケーブルを接続し、信号を積分
する回路部にその同軸ケーブルを接続し、回路部からの
出力をさらに同軸ケーブルで出力する近磁界プローブシ
ステムとしたことである。なお、上記回路部が信号処理
部であり、当該信号処理部により微分波形を積分して実
時間電流波形とするなどの信号処理を行う。
【解決手段5】解決手段5は解決手段4において、伝送
線路部に直接チップ部品で構成された積分回路部を直接
接続し、さらに、積分回路部の出力部にパッド部を設
け、その接続部にコネクターを設け、当該コネクターに
同軸ケーブルを接続して近磁界プローブシステムを構成
したことである。
【解決手段6】解決手段6は解決手段4において、積分
回路等の信号処理部用回路部を半導体基板上に伝送線路
部と一体に構成したことである。
【0008】
【解決手段7】解決手段7は解決手段1乃至解決手段3
によるプローブにおいて、その接続部にコネクターを有
する同軸ケーブルを接続し、プローブ先端部を保持部材
に接続しペン型プローブを構成したことである。上記保
持部材を手で把持してプローブを操作し、あるいは上記
保持部材を支持部材に支持させた状態でこれを測定対象
に近接させることができる。
【解決手段8】解決手段8は解決手段7において近磁界
プローブの支持部材を導電性部材とし、それと一体に上
記シールド部材を設けたことである。
【解決手段9】解決手段9は解決手段1乃至解決手段3
において、複数の面を持つ保持部材の少なくとも2つ以
上の面にプローブ先端部を張り付けたことである。これ
により、ベクトル量を検知し、誤差補正を行うことがで
きる。
【0009】
【解決手段10】解決手段10は解決手段1乃至解決手
段3、解決手段7乃至解決手段9によるプローブまたは
プローブユニットにアンプ部を接続し、さらに計測器に
接続して計測システムを構成したことである。これによ
り、アンプでゲインを上げてオシロ等への接続を容易に
し、また、アンプでインピーダンスを変更し、プローブ
設計の自由度を向上させることができる。
【解決手段11】解決手段11は解決手段1乃至解決手
段3、解決手段7乃至解決手段9によるプローブを保持
基板に並列に多数配置したプローブユニットをアンプ部
と一体に接続し、さらに計測器に接続して計測システム
を構成したことである。これにより、アレー化して多数
の計測対象について同時に計測することが可能であり、
並列接触計測あるいは分布計測が可能である。
【解決手段12】解決手段12は解決手段1乃至解決手
段3のプローブ、または解決手段9の角度補正機能を有
するプローブユニット、解決手段10のアンプ機能をも
ったプローブユニットまたは解決手段11のプローブア
レーと、これらをXYZの3次元に移動させる手段と、
プローブ、プローブユニットおよびプローブアレーで得
られた信号を検知する計測部とで計測システムを構成し
たことである。これによってLSI等の回路の実時間電
流の分布を計測することができる。
【解決手段13】解決手段13は、解決手段1乃至解決
手段3、解決手段9、解決手段10のプローブまたはプ
ローブユニットにおいて、その出力を一定時間ごとにサ
ンプリングし、その出力の和を実行し、各時刻ごとの積
分を行う積分回路あるいは信号処理回路を設けたことで
ある。これにより、ドリフト等の調整を不要にし、計測
データをパソコン等の計算機に直接出力することができ
る。
【0010】
【実施例】次いで、図面を参照しながら実施例を説明す
る。実施例1は、解決手段1による近磁界プローブの実
施例であって、図1の各図面に示す手順によって、次ぎ
のようにして作製される。プローブ先端部のループコイ
ル1、伝送線路2(平行線路型)、パッド部3を導電性
箔により作製するのであるが、まず、一枚のシートを目
的の形に切断して、ループコイル1、伝送線路部2及び
パッド部3を作製し、その後、グラスエポキシ基板等の
絶縁性基板4上に接着する。この例では支持材もかねて
絶縁シート5と導電性金属箔6を貼り合わしたものを加
工している(図1(a),(b),(c))。その後、
さらにパッド接続部3にコネクター7を半田などで接続
し、同軸ケーブル8を接続する(図2(a),
(b))。伝送路についてはコープレーナ型等もとられ
る。また、両面基板とすることでマイクロストリップ型
とすることもできる。その上で、A1,Cuなどの金属
箔による導電性部材9を,プローブ全体を覆うように一
体に設けること(外部シールド)で、オシロスコープ等
の計測器に接続できる近磁界プローブシステムが構成さ
れる(図3(a),(b),(c))。その際に、導電
性部材9は先端のループコイル1を覆わない構成でもよ
く(図4(a),(b),(c))、または、前面にも
シールドを設ける構成とすることもできる(図5
(a),(b),(c))。このシールド部材は100
μm程度のものでは、外形を保持するための支持板を用
いてもよく、0.5mm程度のものについては、カバー
を兼ねる構造とすることができる。また、導電性部材9
すなわち金属箔で覆う際には予め絶縁性部材を設けるこ
とで、プローブ部の金属部とのショートを避ける構成と
することができる。したがって、シールド部材を密着し
て形成することができ、全体形状を小型にできる。従来
型に比べ導電性部材9で覆ったこと、すなわちシールド
部材を設けたことで、余分な磁束の鎖交がなく、高感度
なプローブが実現される。
【0011】実施例2 図6,図7及び図8に示す実施例2は、解決手段2によ
る近磁界プローブの実施例であって、実施例1の図1
(a),(b),(c)と同じ手順で作製し、裏面に設
けた積分回路部10をはじめとする信号処理部のコネク
タ部11と平行線路部のパッド部とを同軸ケーブル12
で接続したプローブ(図6(a),(b))について、
先端のループコイルの一部ないし全部にかかるように導
電性部材9を設けたものである(図7(a),(b),
(c))。このものの先端のループコイルの配置面と導
電性部材9との間隔Eを測定対象のPCB基板上の配線
の最小ピッチに合わせて設定する。例えば、先端のルー
プコイルの寸法を2mmφとして、PCB基板上の配線
の最小ピッチがO.5mmであれば、間隔Eを0.5m
mとし、配線の最小ピッチが1mmであれば、上記間隔
Eを1mmに設定する。このように上記間隔Eを設定す
ることによって、信号発生部からの磁界を主として検知
できることから測定対象に応じた最適な高分解能なプロ
ーブが実現される。
【0012】実施例3 図9または図10に示す実施例3は解決手段3による近
磁界プローブの例であり、実施例2のそれと同様にして
作製したプローブについて、平面に配置した先端のルー
プコイルの先端位置と先端コイルの配置面とに間隔をお
いて配置した導電性部材9の先端部の位置を測定対象に
合わせて配置したもの(配置の間隔E1)であり、その
一部ないし全部にかかるように導電性部材9を設けたも
のである。この時に配置した導電性部材の先端部の位置
を,測定対象に合わせて実験的に求めて配置する。例え
ば、先端コイル部の寸法を2mmφとして、PCBの配
線の最小ピッチが0.5mmであれば、先ず間隔Eを
0.3mmとし、コイルの先端部と導電性部材の位置の
差(配置の間隔E1)を0.2mmとし(図9(a),
(b),(c))、配線の最小ピッチが1mmで、上記
間隔Eが同様に0.3mmであれば配置の間隔E1を
0.7mmに設定できる(図10(a),(b),
(c))。この値は測定対象に合わせて、実測から寸法
を求めて設定される。このような設計の導電性部材によ
って、外部の磁界をさらにシールドできて、目的の測定
対象に応じた検知領域の限定ができることで、最適な高
分解能なプローブが実現される。
【0013】実施例4 図11に示す実施例4は積分回路を備えた解決手段4に
よる近磁界プローブである。実施例1、実施例2、実施
例3と同様にして作製した近磁界プローブのパッドの接
続部にコネクターを半田などで接続して同軸ケーブルを
接続し、さらに、図6(a),(b)と同様にして積分
回路部を同一のグラスエポキシ基板上に設け、その入力
コネクター部に同軸ケーブルを接続して積分回路部から
出力コネクター部に同軸ケーブル11を接続する。その
後、A1,Cuなどの金属箔を用いた導電性部材9を設
けて完成し(図11(a),(b),(c))、同軸ケ
ーブル11をオシロスコープ等の計測器に接続して実時
間波形計測可能な近磁界プローブシステムを構成する
(なお、積分回路用DC電源の表記は省略している)。
微分波形であるループコイルからの信号を積分回路10
により、信号処理することで、余分な素子を加えたり、
引回し線を設けなくてもPCB等の平面状配線に流れる
電流の実時間検知が可能となる。なお、プローブ先端部
のループコイル、伝送線路及びパッド部に関しては通常
のプリント基板作製プロセスと同様の工程でもできる。
積分回路部は必要に応じて別の信号処理部としてもよ
い。
【0014】実施例5 図12及び図13に示す実施例5は解決手段5による
例、すなわちその積分回路部の具体例である。実施例
1、実施例2、実施例3等と同様にして、プローブ先端
部のループコイル、伝送線路を通常のプリント基板作製
プロセスと同様の工程で作製し、その際に、伝送線路の
先に積分回路10を構成するためのチップ部品用接続パ
ッド3とさらに出力用コネクターパッド13を設けた配
線パターンを同時に設ける。この配線パターン部にチッ
プ部品(積分回路10)及びコネクター11aを半田付
け等で接続し、当該コネクター11aに同軸ケーブル1
1を接続し(図12(a),(b))、さらに、一体で
プローブ部全体をAl,Cuなどの金属箔(導電性部材
9)で覆い(図13(a),(b))、オシロスコープ
等の計測器に同軸ケーブル11を接続して実時間波形計
測可能な近磁界プローブシステムを構成する(ただし、
図においては積分回路用DC電源の表記を省略してい
る)。このようにすることによって小型プローブが構成
される。なお、絶縁基板4である石英基板上に導電性薄
膜であるAl等を成膜の後、通常の半導体プロセスに準
じたフォトリソエッチング工程を経ても先ほどと同様の
配線パターンを実現することができ、さらに、チップ部
品、コネクターを導電性接着剤で接続することでも同様
に実現することができる。この場合に積分回路10とし
ては、差動アンプを設けその出力をフィードバックし、
その経路に高周波特性に優れたチップコンデンサーを設
けることで十分な機能を発揮できる。その積分回路部の
一例は図14に示すものを用いればよく、また、別の信
号処理部を設ける必要がある場合は積分回路部の作製に
準じてこれを設ければよい。
【0015】実施例6 図15乃至図18に示す実施例6は、解決手段6の積分
回路部の例である。Si及びGaAs等の半導体基板上
に通常の半導体プロセスにより積分回路部を予め形成
し、さらに絶縁層及びスルーホール12を形成する(図
15(a),(b)、図16(a),(b))。その
後、実施例5における石英基板のかわりに積分回路部を
形成したSi,GaAs等の半導体基板上に、プローブ
先端部のループコイル1、伝送線路2をAl等の導電性
金属で成膜後に、通常のフォトリソ工程を経て作製され
た積分回路部10とプローブ先端部とを接続する。な
お、実施例5のように石英基板上にプローブ先端部を形
成し、フリップチップ実装等でも同様にして実現するこ
とができる。この後、同軸ケーブル接続用コネクター1
1aへ実装して後、同軸ケーブル11を接続し(図17
(a),(b))、さらに、一体でプローブ部全体をA
l,Cuなどの導電性部材(金属箔)9でシールドする
(図18(a),(b))。これをオシロスコープ等の
計測器に接続することにより実時間波形計測可能な近磁
界プローブシステムが構成される。この実施例により全
体をさらに小型化して、例えば、LSI内部の配線パタ
ーン寸法の電流検知が可能な近磁界プローブが製作され
る。なお、積分回路部以外の信号処理部も同様の構成で
可能である。
【0016】実施例7 図19及び図20に示す実施例7は解決手段7によるペ
ン型の近磁界プローブである。この実施例7において
は、実施例6のSi基板上に形成した積分回路部をもつ
プローブ部と、さらにA1,Cuなどの金属箔による導
電性部材とを設け、一体になったプローブ先端部をアラ
ルダイト等のエポキシ系接着剤で保持部材14に接続す
る。保持部材14の材質としてはプラスチック、金属、
ガラス等でよく、プローブ先端部の基板の材質と導電性
の有無を勘案して定めればよい。形状としては、手で保
持して計測個所に近接させ易く、あるいはループコイル
を形成する基板自体を接触させ易い形にするのがよい
(図19(a),(b))。プローブ先端部のコネクタ
ーに同軸ケーブルを接続し、これをオシロスコープ等の
計測器に接続することによって近磁界プローブシステム
が構成される(図20(a),(b))。この近磁界プ
ローブシステムにより、余分な素子を加えたり、引回し
線を設けることなしにPCB等の平面状配線に流れる電
流を確認することができるから、通常の電圧プローブと
同様にオシロスコープ上で目的とする部分に手で持って
いくことで電流信号を簡便に測定できる。なお、プロー
ブ先端部を加工しあるいは接着材等を用いて、一時的
に、目的の個所に固定する方法もとれる。さらに支持部
材15を設け、当該支持部材15に上記保持部材14を
固定し、プローブ先端部を加工することなしに目的の個
所に接触させた状態に固定することにより、電流信号を
簡便に検知することも可能となる。
【0017】実施例8 図21に示す実施例8は解決手段8による近磁界プロー
ブであり、実施例6のSi基板上に形成した積分回路部
と一体になったプローブ先端部をアラルダイト等のエポ
キシ系接着剤で保持部材14に接続したものである。保
持部材の材質として導電性部材を用い、これにA1,C
uなどの金属箔による導電性部材を設けて一体にしてい
る。全体の形状は計測個所に近接させ易く、あるいはル
ープコイルを形成する基板自体を計測個所に接触させ易
い形にするのがよい。プローブ先端部のコネクターに同
軸ケーブル11を接続し、これをオシロスコープ等の計
測器に接続することによって、近磁界プローブシステム
が構成される。実時間波形の検知が可能であって、余分
な素子を加えたり、引回し線を設けることなしに、PC
B等の平面状配線に流れる電流を検出して確認すること
ができるから、通常の電圧プローブと同様にオシロスコ
ープ上で目的とする部分に近磁界プローブの先端を手で
持っていくだけで電流信号を簡便に測定できる。なお、
プローブ先端部を加工しあるいは接着材等を用いて、一
時的に、目的の個所に固定する方法も採れるし、また支
持部材を設け、当該支持部材に上記保持部材14を固定
し、プローブ先端部を加工することなしに測定対象個所
にプローブ先端部を接触させることによって、電流信号
を簡便に検出することができる。
【0018】実施例9 図22及び図24に示す実施例9は解決手段9による電
流検知システムの一例で、実施例7のプローブ先端部を
保持部材14に2つ以上取り付けたものであり(図22
(a),(b),(c))、プローブ先端部の1個を支
持基板に平行に配置し、他方のプローブ先端部を垂直に
配置して張り付けている。この2つのプローブ先端部で
電流によって発生した各磁界成分をそれぞれ検知し、こ
の検知信号をフィードバックさせることで、接触時の角
度のずれを補正する。この電流検知プローブシステムに
よれば、2つのプローブ先端で検出した各ベクトル分を
合成することにより絶対値の誤差の少ない高精度の電流
値を検知することができる(図24)。なお、表示部に
おいて一方のプローブの出力を他方のプローブの出力を
表示し、かつ、両出力を2乗平均した値を計測器に出力
する。また、表示部の指示値ができるだけ大きくなるよ
うに、測定箇所において、プローブを支持部材15に平
行に保持させる。
【0019】実施例10 図25に示す実施例10は解決手段10によるもので、
実施例2等の積分回路を設けたプローブ(例えば図8)
とアンプとをユニットにしたものであり、プローブとア
ンプとをユニットにしたことにより、通常のゲインを持
つオシロスコープ等の計測器にそのまま接続して、PC
B上のLSI等に流れる実時間電流を十分検知すること
ができるものである。また、アンプを接続することでイ
ンピーダンスの変更が容易であり、設計の自由度が増す
ので、プローブ各部の寸法の設定を測定対象にあわせて
適宜変更できる。
【0020】実施例11 図26に示す実施例11は実施例2等の積分回路を設け
たプローブ(例えば図8)を多数並列に配置したもので
あり、多数のプローブをスイッチで順次切り換えること
により、フラットケーブルに流れる複数の電流値を同時
に検知することができる。寸法によっては、LSIのピ
ンに対応して多数のプローブを配置することが可能であ
って、このようにすることによって例えば多数のアドレ
スデータラインについて同時に電流値を計測することが
可能である。
【0021】実施例12 図27に示す実施例12は解決手段12によるものであ
り、実施例6のプローブ(図18(a),(b))を微
小移動可能なXYZ方向に移動する移動ステージ16に
支持させ、この移動ステージ16によってプローブを微
小移動させることにより、LSI内の配線の任意の多数
の位置の実時間電流を計測し、その電流値分布を計測す
ることが可能なものである。
【0022】実施例13 図28に示す実施例13は解決手段13によるものであ
り、プローブからの検知信号をサンプリング部で一定時
間毎にサンプリングし、積算部で積算しあるいはAD変
換部でAD変換して出力することができるものである。
これによりドリフト等の調整を要しないでパソコン等の
計算機へ直接出力することが可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明のプローブによれば、プローブ部
のさらに外部にシールド部材を一体で、測定対象側にだ
け開口を持たせことで余分なノイズを排除することがで
き、極めて微少な電流信号(微分波形)を検知できる。
その上で、請求項2及び請求項3に係る発明により、シ
ールド部材の位置を調整することでさらに狭い測定対象
に絞った領域からの信号を主として検知できるのでより
高分解能性が実現できる。請求項4に係る発明により、
積分回路などの信号処理部を設けたことで高周波の実時
間電流波形などが得られ信号の解析が容易となる。請求
項5に係る発明によりチップ部品で構成するため、プロ
ーブ全体を小型化でき、また、請求項6に係る発明によ
りプローブ先端部及び積分回路部をモノリシック化する
ことで、プローブ全体をさらに小型化できる。
【0024】請求項7に係る発明,請求項8に係る発明
においては、手で持って、あるいは簡単な固定治具を使
ってプローブを保持できるので、測定個所の特定→測定
→移動を目視しながら行うことが可能であり、測定時の
作業性が向上する。請求項9に係る発明により、プロー
ブを2つ角度を変えて配置してあるので、固定時の角度
相当の情報が検知可能であるので、それを用いて測定値
の補正等を行うことで、測定誤差を低減できる。請求項
10に係る発明によりアンプないし、インピーダンス変
換装置を設けたので、より小さな電流源も検知できる。
また、測定対象にあわせたプローブ各部の寸法設計が可
能となる。請求項11に係る発明によりプローブを並列
に配置することで、LSIの並列信号線を同時に計測で
き、また請求項12に係る発明によりプローブを3次元
に微小移動させることができるので、LSIの微細領域
の電流分布を計測することが可能となる。請求項13に
係る発明によりプローブ出力を予めデジタル化するの
で、ドリフト調整が不要で、かつ計算機へも出力でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1の作製手順1を示す平面図で
あり、(b)は作製手順2を示す平面図であり、(c)
は作製手順3を示す平面図である。
【図2】(a)は実施例1の作製手順4を示す側面図で
あり、(b)は作製手順4を示す平面図である。
【図3】(a)は実施例1のプローブの例1の正面図で
あり、(b)は同例1の側面図であり、(c)は同例1
の平面図である。
【図4】(a)は実施例1のプローブの他の例2の正面
図であり、(b)は同例2の側面図であり、(c)は同
例2の平面図である。
【図5】(a)は実施例1のプローブのさらに他の例3
の正面図であり、(b)は同例3の側面図であり、
(c)は同例3の平面図である。
【図6】(a)は実施例2の作製手順4を示す正面図で
あり、(b)は作製手順4を示す平面図である。
【図7】(a)は実施例2のプローブの例1の正面図で
あり、(b)は同例1の側面図であり、(c)は同例1
の平面図である。
【図8】(a)は実施例2のプローブの他の例2の正面
図であり、(b)は同例2の側面図であり、(c)は同
例2の平面図である。
【図9】(a)は実施例3のプローブの例1の正面図で
あり、(b)は同例1の側面図であり、(c)は同例1
の平面図である。
【図10】(a)は実施例3のプローブの他の例2の正
面図であり、(b)は同例2の正面図であり、(c)は
同例2の平面図である。
【図11】(a)は実施例4のプローブの例1の正面図
であり、(b)は同例1の側面図であり、(c)は同例
1の平面図である。
【図12】(a)は実施例5のプローブ部の側面図であ
り、(b)は同プローブの平面図である。
【図13】(a)はシールドを施した実施例5のプロー
ブの側面図であり、(b)は同プローブの平面図であ
る。
【図14】は実施例5の積分回路部の等価回路図であ
る。
【図15】(a)は実施例6の製作工程1を示す平面図
であり、(b)は同じ側面図である。
【図16】(a)は実施例6の製作工程2を示す平面図
であり、(b)は同側面図である。
【図17】(a)は実施例6のプローブ部の平面図であ
り、(b)は同側面図である。
【図18】(a)はシールドを施した実施例6のプロー
ブの平面図であり、(b)は同側面図である。
【図19】(a)は実施例7のペン型の近磁界プローブ
の平面図であり、(b)は同側面図である。
【図20】は実施例7のペン型の近磁界プローブの使用
例の側面図である。
【図21】(a)は実施例8のプローブの平面図であ
り、(b)は同側面図である。
【図22】(a)は実施例9の電流検知システムの平面
図であり、(b)は電流検知システムにおけるプローブ
の側面図であり、(c)は同プローブの底面図である。
【図23】は実施例9の電流検知システムの使用例の側
面図である。
【図24】は実施例9における角度補正法の一例を示す
概念図である。
【図25】(a)は実施例10の側面図であり、(b)
は同実施例の平面図であり、(c)は同実施例の正面図
である。
【図26】は実施例11の電流検知システムの使用例の
側面図である。
【図27】は実施例12の電流検知システムの使用例の
側面図である。
【図28】は実施例13の積分回路部の概念図である。
【符号の説明】
1:ループコイル 2:平行線路部 3:パッド部 4:絶縁性基板 5:絶縁シート 6:導電性金属箔 7:コネクター 8:同軸ケーブル 9:導電性部材 10:積分回路部 11:同軸ケーブル 11a:同軸ケーブル用コネクター 12:スルーホール 13:接続用パッド 14:保持部材 15:支持部材 16:移動ステージ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ループコイルと伝送路よりなる近磁界プロ
    ーブにおいて、導電性部材で検知部の先端コイル側に開
    口部を持たせ、全体を一体で覆ったことを特長とする近
    磁界プローブ。
  2. 【請求項2】導電性部材で先端コイル付近まで一体で覆
    った近磁界プローブにおいて、平面に配置した先端コイ
    ルの配置面と導電性部材の間隔を測定対象の間隔にあわ
    せて配置したことを特長とする近磁界プローブ。
  3. 【請求項3】導電性部材で先端コイル付近まで一体で覆
    った近磁界プローブにおいて、平面に配置した先端コイ
    ルの先端位置と先端コイルの配置面との間に間隔をおい
    て配置した導電性部材の先端部の位置を測定対象にあわ
    せて配置したことを特長とする近磁界プローブ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のループコイルと伝
    送路よりなる近磁界プローブにおいて、伝送線路に続い
    てパッド部を設け、その接続部にコネクターを設け、同
    軸ケーブルを接続し、信号を積分する回路部にその同軸
    ケーブルを接続し、回路部からの出力をさらに同軸ケー
    ブルで出力する近磁界プローブシステム。
  5. 【請求項5】伝送線路部から直接チップ部品で構成され
    た信号を積分する回路部に接続され、さらに、積分回路
    部の出力部にパッド部を設け、その接続部にコネクター
    を設けてさらに同軸ケーブルを接続した請求項4の近磁
    界プローブシステム。
  6. 【請求項6】積分をはじめとする信号処理部用回路部を
    半導体基板上に伝送線路部と一体で構成した請求項4の
    近磁界プローブシステム。
  7. 【請求項7】その接続部にコネクターを有する同軸ケー
    ブルを接続してなるプローブ先端部とその先端部を保持
    部材に接続し、該保持部材を手で保持して操作し、ある
    いは支持部材を用いて測定対象に近接させることができ
    るようにした、請求項1乃至請求項3のペン型近磁界プ
    ローブ。
  8. 【請求項8】上記支持部材を導電性部材とし、これと一
    体に上記シールド部材を設けた請求項8又は請求項7の
    近磁界プローブ。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項3の近磁界プローブに
    おいて、複数の面を持つ保持部材の少なくとも2つ以上
    の面にプローブ先端部を張り付けた近磁界プローブ。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項3、請求項7乃至請
    求項9の近磁界プローブにアンプ部を接続し、さらに計
    測器を接続した計測システム。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項3、請求項7乃至請
    求項9の近磁界プローブを保持基板に並列に多数配置し
    たプローブユニットをアンプ部と一体に接続し、さらに
    計測器に接続した計測システム。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項3、または請求項9
    の角度補正機能を有するプローブユニット、請求項10
    のアンプ機能をもったプローブユニットまたは請求項1
    1のプローブアレーと、これらをXYZの3次元に移動
    させる手段と、プローブ、プローブユニットおよびプロ
    ーブアレーで得られた信号を検知する計測部とで構成さ
    れた計測システム。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項3、請求項9、請求
    項10のプローブ又はプローブユニットの出力を一定時
    間ごとにサンプリングし、その出力の和を実行し、各時
    刻ごとの積分を行う積分回路あるいは信号処理回路を設
    けた計測システム。
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