JP2000212833A - 芳香族系熱接着性繊維 - Google Patents
芳香族系熱接着性繊維Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不織布製クッション材に適度な風合とヘタリ
にくさを与える熱接着性繊維を提供する。 【解決手段】 この熱接着性繊維は、融点が130〜1
80℃である芳香族系共重合体を熱接着性成分とする。
芳香族系共重合体は、ポリアルキレングリコールと、一
般式I又はIIで示される芳香族系カルボン酸類とが縮重
合されてなる。一般式Iは、ROOC−Ph−NHCO
−Z−CONH−Ph−COOR’(式中、Phはフェ
ニレン基、Zは芳香環族基、R及びR’は水素原子又は
アルキル基を表わす。)で示される。一般式IIは、RO
OC−Ph−CONH−Z−NHCO−Ph−COO
R’(式中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合
と同一である。)で示される。熱接着性繊維は、この芳
香族系共重合体を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって
も、芳香族系共重合体を一方の成分とするサイドバイサ
イド型複合繊維であっても良い。
にくさを与える熱接着性繊維を提供する。 【解決手段】 この熱接着性繊維は、融点が130〜1
80℃である芳香族系共重合体を熱接着性成分とする。
芳香族系共重合体は、ポリアルキレングリコールと、一
般式I又はIIで示される芳香族系カルボン酸類とが縮重
合されてなる。一般式Iは、ROOC−Ph−NHCO
−Z−CONH−Ph−COOR’(式中、Phはフェ
ニレン基、Zは芳香環族基、R及びR’は水素原子又は
アルキル基を表わす。)で示される。一般式IIは、RO
OC−Ph−CONH−Z−NHCO−Ph−COO
R’(式中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合
と同一である。)で示される。熱接着性繊維は、この芳
香族系共重合体を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって
も、芳香族系共重合体を一方の成分とするサイドバイサ
イド型複合繊維であっても良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として不織布を
製造する際に、主体繊維相互間を接着するための熱接着
性繊維に関するものであり、特に、クッション材として
用いられる不織布を製造する際に、好適に用いられる芳
香族系熱接着性繊維に関するものである。
製造する際に、主体繊維相互間を接着するための熱接着
性繊維に関するものであり、特に、クッション材として
用いられる不織布を製造する際に、好適に用いられる芳
香族系熱接着性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ソファー,椅子,ベッド等の
家具用シートや自動車用シートのクッション材として
は、主としてポリウレタンフォームが使用されている。
しかしながら、ポリウレタンフォームは独立気泡を含む
ものが多く、通気性が不十分である。従って、臀部や背
部が蒸れやすく、快適性に欠けるということがあった。
家具用シートや自動車用シートのクッション材として
は、主としてポリウレタンフォームが使用されている。
しかしながら、ポリウレタンフォームは独立気泡を含む
ものが多く、通気性が不十分である。従って、臀部や背
部が蒸れやすく、快適性に欠けるということがあった。
【0003】一方、短繊維又は長繊維を集積してなる、
比較的嵩高な不織布をクッション材として用いることも
行なわれている。この不織布は、集積されている繊維相
互間に空隙を保持しているため、通気性に優れ、家具用
シートや自動車用シートのクッション材として用いた場
合、ポリウレタンフォームに比べて快適である。このよ
うな不織布として、以下の如き種々のタイプのものが知
られている。
比較的嵩高な不織布をクッション材として用いることも
行なわれている。この不織布は、集積されている繊維相
互間に空隙を保持しているため、通気性に優れ、家具用
シートや自動車用シートのクッション材として用いた場
合、ポリウレタンフォームに比べて快適である。このよ
うな不織布として、以下の如き種々のタイプのものが知
られている。
【0004】例えば、ポリエステル短繊維等の繊維が集
積されてなる繊維ウェブにニードリングを施し、繊維相
互間を絡合させた不織布よりなるクッション材が知られ
ている。しかし、このようなクッション材は、繊維相互
間が単に絡合しているだけであるため、繊維が脱落及び
飛散しやすく、取り扱いにくいという欠点がある。更
に、繊維相互間が固定されていないため、繰り返し使用
すると、ヘタリやすく、クッション性が低下するという
欠点もあった。
積されてなる繊維ウェブにニードリングを施し、繊維相
互間を絡合させた不織布よりなるクッション材が知られ
ている。しかし、このようなクッション材は、繊維相互
間が単に絡合しているだけであるため、繊維が脱落及び
飛散しやすく、取り扱いにくいという欠点がある。更
に、繊維相互間が固定されていないため、繰り返し使用
すると、ヘタリやすく、クッション性が低下するという
欠点もあった。
【0005】この欠点を解消するために、ポリエステル
短繊維等よりなる繊維ウェブ中に、低融点ポリエステル
短繊維等の熱接着性繊維を混入させ、この熱接着性繊維
によって、主体繊維相互間を接着することも行なわれて
いる(特開昭57−35047号公報)。しかしなが
ら、一般的に熱接着性繊維を溶融固化させて、主体繊維
相互間を接着すると、溶融固化した熱接着性繊維が硬化
するため、クッション材の風合が硬くなるという欠点が
あった。また、このようなクッション材を繰り返し使用
すると、熱接着性繊維が硬化しており、それ自身の回復
性が乏しいため、ヘタリやすさもあまり改善されない傾
向がある。
短繊維等よりなる繊維ウェブ中に、低融点ポリエステル
短繊維等の熱接着性繊維を混入させ、この熱接着性繊維
によって、主体繊維相互間を接着することも行なわれて
いる(特開昭57−35047号公報)。しかしなが
ら、一般的に熱接着性繊維を溶融固化させて、主体繊維
相互間を接着すると、溶融固化した熱接着性繊維が硬化
するため、クッション材の風合が硬くなるという欠点が
あった。また、このようなクッション材を繰り返し使用
すると、熱接着性繊維が硬化しており、それ自身の回復
性が乏しいため、ヘタリやすさもあまり改善されない傾
向がある。
【0006】このようなことから、熱接着性繊維とし
て、溶融固化した後においても弾力性及び柔軟性に優れ
た特定のポリエーテルエステル系共重合体(例えば、ポ
リブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコ
ールとの共重合体)を熱接着性成分とした複合繊維が提
案されている(特開平4−240219号公報)。確か
に、このポリエーテルポリエステル系共重合体は、弾力
性に優れているため、クッション材の風合が硬くなるの
を防止しうる。しかしながら、ポリエーテルポリエステ
ル系共重合体は、溶融紡糸法で繊維化する際に、結晶化
が十分に促進されず、繊維を集束して扱うときに、その
表面の粘性によって、繊維相互間が密着してしまうとい
うことがあった。また、繊維表面の摩擦係数が大きいこ
とにより、取り扱い時に繊維に切断及び損傷が生じると
いうこともあった。更に、柔軟性が過剰であるため、高
温雰囲気下ではヘタリやすく、自動車用シート等として
用いるには、不適当な場合があった。
て、溶融固化した後においても弾力性及び柔軟性に優れ
た特定のポリエーテルエステル系共重合体(例えば、ポ
リブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコ
ールとの共重合体)を熱接着性成分とした複合繊維が提
案されている(特開平4−240219号公報)。確か
に、このポリエーテルポリエステル系共重合体は、弾力
性に優れているため、クッション材の風合が硬くなるの
を防止しうる。しかしながら、ポリエーテルポリエステ
ル系共重合体は、溶融紡糸法で繊維化する際に、結晶化
が十分に促進されず、繊維を集束して扱うときに、その
表面の粘性によって、繊維相互間が密着してしまうとい
うことがあった。また、繊維表面の摩擦係数が大きいこ
とにより、取り扱い時に繊維に切断及び損傷が生じると
いうこともあった。更に、柔軟性が過剰であるため、高
温雰囲気下ではヘタリやすく、自動車用シート等として
用いるには、不適当な場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、例
えば不織布製クッション材を製造する際に用いる熱接着
性繊維として、このクッション材に適度な風合とヘタリ
にくさを与える熱接着性繊維を提供しようというもので
ある。
えば不織布製クッション材を製造する際に用いる熱接着
性繊維として、このクッション材に適度な風合とヘタリ
にくさを与える熱接着性繊維を提供しようというもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、融点が
130〜180℃の芳香族系共重合体が繊維表面の少な
くとも一部を占めており、該芳香族系共重合体は、ポリ
アルキレングリコールと、一般式I ROOC−Ph−NHCO−Z−CONH−Ph−COOR’ (I) (式中、Phはフェニレン基、Zは芳香環族基、R及び
R’は水素原子又はアルキル基を表わす。)又は一般式
II ROOC−Ph−CONH−Z−NHCO−Ph−COOR’ (II) (式中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合と同
一である。)で示される芳香族アミド結合を有する芳香
族系カルボン酸類とが縮重合されてなるものであること
を特徴とする芳香族系熱接着性繊維に関するものであ
る。
130〜180℃の芳香族系共重合体が繊維表面の少な
くとも一部を占めており、該芳香族系共重合体は、ポリ
アルキレングリコールと、一般式I ROOC−Ph−NHCO−Z−CONH−Ph−COOR’ (I) (式中、Phはフェニレン基、Zは芳香環族基、R及び
R’は水素原子又はアルキル基を表わす。)又は一般式
II ROOC−Ph−CONH−Z−NHCO−Ph−COOR’ (II) (式中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合と同
一である。)で示される芳香族アミド結合を有する芳香
族系カルボン酸類とが縮重合されてなるものであること
を特徴とする芳香族系熱接着性繊維に関するものであ
る。
【0009】本発明に係る芳香族系熱接着性繊維は、芳
香族系共重合体が繊維表面の少なくとも一部を占めてい
るものである。従って、芳香族系共重合体のみで熱接着
性繊維が形成されていても良い。また、芳香族系共重合
体と他の重合体で熱接着性繊維が形成されており、且
つ、芳香族系共重合体が熱接着性繊維の表面の少なくと
も一部に存在していても良い。芳香族系共重合体が繊維
表面の少なくとも一部を占めている理由は、この共重合
体を主体繊維相互間の接着のための熱接着性成分として
機能させるためである。
香族系共重合体が繊維表面の少なくとも一部を占めてい
るものである。従って、芳香族系共重合体のみで熱接着
性繊維が形成されていても良い。また、芳香族系共重合
体と他の重合体で熱接着性繊維が形成されており、且
つ、芳香族系共重合体が熱接着性繊維の表面の少なくと
も一部に存在していても良い。芳香族系共重合体が繊維
表面の少なくとも一部を占めている理由は、この共重合
体を主体繊維相互間の接着のための熱接着性成分として
機能させるためである。
【0010】本発明で用いる芳香族系共重合体は、アル
コール成分とカルボン酸成分とが縮重合されてなるポリ
エステル系重合体である。アルコール成分としては、ポ
リアルキレングリコールが用いられる。ポリアルキレン
グリコールとしては、従来公知のどのようなものが用い
られても良いが、一般的に、ポリエチレングリコール,
ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコ
ール等が好適に用いられる。ポリアルキレングリコール
の分子量は、カルボン酸成分にもよるが、概ね1000
〜8000程度であるのが好ましい。本発明において用
いるのに最も好ましいアルコール成分は、分子量が10
00〜8000のポリテトラメチレングリコールであ
る。これを用いて得られた芳香族系共重合体は、低温特
性,機械強度,耐酸化劣化性及び耐加水分解性に優れて
いるからである。
コール成分とカルボン酸成分とが縮重合されてなるポリ
エステル系重合体である。アルコール成分としては、ポ
リアルキレングリコールが用いられる。ポリアルキレン
グリコールとしては、従来公知のどのようなものが用い
られても良いが、一般的に、ポリエチレングリコール,
ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコ
ール等が好適に用いられる。ポリアルキレングリコール
の分子量は、カルボン酸成分にもよるが、概ね1000
〜8000程度であるのが好ましい。本発明において用
いるのに最も好ましいアルコール成分は、分子量が10
00〜8000のポリテトラメチレングリコールであ
る。これを用いて得られた芳香族系共重合体は、低温特
性,機械強度,耐酸化劣化性及び耐加水分解性に優れて
いるからである。
【0011】カルボン酸成分としては、以下に示す一般
式I又はIIで表わされる芳香族系カルボン酸類が用いら
れる。即ち、一般式I ROOC−Ph−NHCO−Z
−CONH−Ph−COOR’(式中、Phはフェニレ
ン基、Zは芳香環族基、R及びR’は水素原子又はアル
キル基を表わす。)で示される芳香族アミド結合を有す
る芳香族系カルボン酸類、又は一般式II ROOC−P
h−CONH−Z−NHCO−Ph−COOR’(式
中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合と同一で
ある。)で示される芳香族アミド結合を有する芳香族系
カルボン酸類が用いられる。一般式I又は11において、
Zは芳香環を含む基を表わすものであるが、具体的に
は、p−フェニレン基,m−フェニレン基,p−ジフェ
ニレン基又はp−ジフェニレンエーテル基が用いられ
る。勿論、これ以外にも、芳香環を含むものであれば、
用いることができる。また、R及びR’は水素原子又は
アルキル基であるが、アルキル基として、メチル基,エ
チル基,ブチル基等の低級アルキル基を用いるのが好ま
しい。本発明において用いるのに最も好ましいカルボン
酸成分は、N,N’−ビス(p−エトキシカルボニルフ
ェニル)テレフタラミドである。これを用いて得られた
芳香族系共重合体は、熱的性質及び加工性が優れてお
り、且つ低価格だからである。
式I又はIIで表わされる芳香族系カルボン酸類が用いら
れる。即ち、一般式I ROOC−Ph−NHCO−Z
−CONH−Ph−COOR’(式中、Phはフェニレ
ン基、Zは芳香環族基、R及びR’は水素原子又はアル
キル基を表わす。)で示される芳香族アミド結合を有す
る芳香族系カルボン酸類、又は一般式II ROOC−P
h−CONH−Z−NHCO−Ph−COOR’(式
中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合と同一で
ある。)で示される芳香族アミド結合を有する芳香族系
カルボン酸類が用いられる。一般式I又は11において、
Zは芳香環を含む基を表わすものであるが、具体的に
は、p−フェニレン基,m−フェニレン基,p−ジフェ
ニレン基又はp−ジフェニレンエーテル基が用いられ
る。勿論、これ以外にも、芳香環を含むものであれば、
用いることができる。また、R及びR’は水素原子又は
アルキル基であるが、アルキル基として、メチル基,エ
チル基,ブチル基等の低級アルキル基を用いるのが好ま
しい。本発明において用いるのに最も好ましいカルボン
酸成分は、N,N’−ビス(p−エトキシカルボニルフ
ェニル)テレフタラミドである。これを用いて得られた
芳香族系共重合体は、熱的性質及び加工性が優れてお
り、且つ低価格だからである。
【0012】本発明で用いる芳香族系共重合体は、上記
したポリアルキレングリコールと芳香族系カルボン酸類
とが、脱水或いは脱アルコール反応によって、縮重合さ
れてなるものである。即ち、ポリアルキレングリコール
単位と芳香族系カルボン酸単位とが、等モル比で交互に
重合した共重合体である。この共重合体中において、ポ
リアルキレングリコール単位はソフトセグメントと呼ば
れ、共重合体に柔軟性や弾力性を与えるものである。一
方、芳香族系カルボン酸単位はハードセグメントと呼ば
れ、共重合体の結晶化を促進させ、共重合体に剛性を与
えるものである。従って、共重合体中において、ソフト
セグメントの割合が多いと、共重合体の柔軟性や弾力性
が増す。一方、ハードセグメントの割合が多いと、結晶
化が促進され、共重合体の融点が上昇する。依って、ソ
フトセグメントを構成するポリアルキレングリコールの
分子量と、ハードセグメントを構成する芳香族系カルボ
ン酸類の構造とを適宜変更することによって、その融点
及び柔軟性等を適宜変更することができるのである。
したポリアルキレングリコールと芳香族系カルボン酸類
とが、脱水或いは脱アルコール反応によって、縮重合さ
れてなるものである。即ち、ポリアルキレングリコール
単位と芳香族系カルボン酸単位とが、等モル比で交互に
重合した共重合体である。この共重合体中において、ポ
リアルキレングリコール単位はソフトセグメントと呼ば
れ、共重合体に柔軟性や弾力性を与えるものである。一
方、芳香族系カルボン酸単位はハードセグメントと呼ば
れ、共重合体の結晶化を促進させ、共重合体に剛性を与
えるものである。従って、共重合体中において、ソフト
セグメントの割合が多いと、共重合体の柔軟性や弾力性
が増す。一方、ハードセグメントの割合が多いと、結晶
化が促進され、共重合体の融点が上昇する。依って、ソ
フトセグメントを構成するポリアルキレングリコールの
分子量と、ハードセグメントを構成する芳香族系カルボ
ン酸類の構造とを適宜変更することによって、その融点
及び柔軟性等を適宜変更することができるのである。
【0013】本発明においては、芳香族系共重合体の融
点が130〜180℃になるように設定する。この融点
が130℃未満になると、ソフトセグメントの割合が多
くなって、結晶化が促進されにくくなり、溶融紡糸法で
繊維化した後、集束して取り扱うと、繊維相互間が密着
する恐れが生じたり、或いは不織布製クッション材の熱
接着性繊維として用いると、クッション材がヘタリやす
くなり、特に高温雰囲気下ではヘタリやすくなる傾向が
生じる。また、この融点が180℃を超えると、ハード
セグメントの割合を増やす必要があり、共重合体自体の
柔軟性及び弾力性が乏しくなり、不織布製クッション材
の熱接着性繊維として用いるのには、不適当である。更
に、不織布製クッション材の製造時に、熱接着性繊維を
軟化又は溶融させるのに高温加熱が必要となり、不経済
である。融点が130〜180℃の芳香族系共重合体を
得るには、使用する各成分の分子構造にもよるが、一般
的に、ソフトセグメントであるポリアルキレングリコー
ルの分子量を1000〜8000程度とし、ハードセグ
メントである芳香族系カルボン酸類の分子量を300〜
1600程度とするのが良い。なお、本発明で言う融点
とは、示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製DSC
7)を用い、昇温速度10℃/分で測定したものであ
る。
点が130〜180℃になるように設定する。この融点
が130℃未満になると、ソフトセグメントの割合が多
くなって、結晶化が促進されにくくなり、溶融紡糸法で
繊維化した後、集束して取り扱うと、繊維相互間が密着
する恐れが生じたり、或いは不織布製クッション材の熱
接着性繊維として用いると、クッション材がヘタリやす
くなり、特に高温雰囲気下ではヘタリやすくなる傾向が
生じる。また、この融点が180℃を超えると、ハード
セグメントの割合を増やす必要があり、共重合体自体の
柔軟性及び弾力性が乏しくなり、不織布製クッション材
の熱接着性繊維として用いるのには、不適当である。更
に、不織布製クッション材の製造時に、熱接着性繊維を
軟化又は溶融させるのに高温加熱が必要となり、不経済
である。融点が130〜180℃の芳香族系共重合体を
得るには、使用する各成分の分子構造にもよるが、一般
的に、ソフトセグメントであるポリアルキレングリコー
ルの分子量を1000〜8000程度とし、ハードセグ
メントである芳香族系カルボン酸類の分子量を300〜
1600程度とするのが良い。なお、本発明で言う融点
とは、示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製DSC
7)を用い、昇温速度10℃/分で測定したものであ
る。
【0014】芳香族系共重合体の製造方法は、ポリアル
キレングリコールと芳香族系カルボン酸類とを、公知の
方法で縮重合させれば良い。特に、以下の如く、二段階
に分けて縮重合する製造方法を採用するのが好ましい。
即ち、第一段として、ポリアルキレングリコールと芳香
族系カルボン酸類とを縮重合させて、低分子量オリゴマ
ーを得た後、第二段として、この低分子量オリゴマーを
更に縮重合させて、高分子量の芳香族系共重合体を得る
方法が好ましい。この方法において、低分子量オリゴマ
ーを得る際の反応温度は、140〜210℃が好まし
く、更に170〜210℃がより好ましく、更に190
〜210℃であるのが最も好ましい。また、低分子量オ
リゴマーを縮重合させる際の反応温度は、210〜27
0℃であるのが好ましく、更に220〜260℃である
のがより好ましい。この反応温度が210℃未満である
と、高分子量の芳香族系共重合体が得られにくくなる傾
向が生じ、反応温度が270℃を超えると、芳香族系共
重合体が着色したり、又は分解して分子量が低下する恐
れがある。また、低分子量オリゴマーを縮重合させるの
は、減圧下で行なうのが好ましく、特に0.1〜2mm
Hgの圧力下で行なうのがより好ましく、更に0.1〜
1mmHgの圧力下で行なうのが最も好ましい。なお、
低分子量オリゴマーを縮重合させる際の反応時間は、1
〜4時間程度とするのが好ましい。
キレングリコールと芳香族系カルボン酸類とを、公知の
方法で縮重合させれば良い。特に、以下の如く、二段階
に分けて縮重合する製造方法を採用するのが好ましい。
即ち、第一段として、ポリアルキレングリコールと芳香
族系カルボン酸類とを縮重合させて、低分子量オリゴマ
ーを得た後、第二段として、この低分子量オリゴマーを
更に縮重合させて、高分子量の芳香族系共重合体を得る
方法が好ましい。この方法において、低分子量オリゴマ
ーを得る際の反応温度は、140〜210℃が好まし
く、更に170〜210℃がより好ましく、更に190
〜210℃であるのが最も好ましい。また、低分子量オ
リゴマーを縮重合させる際の反応温度は、210〜27
0℃であるのが好ましく、更に220〜260℃である
のがより好ましい。この反応温度が210℃未満である
と、高分子量の芳香族系共重合体が得られにくくなる傾
向が生じ、反応温度が270℃を超えると、芳香族系共
重合体が着色したり、又は分解して分子量が低下する恐
れがある。また、低分子量オリゴマーを縮重合させるの
は、減圧下で行なうのが好ましく、特に0.1〜2mm
Hgの圧力下で行なうのがより好ましく、更に0.1〜
1mmHgの圧力下で行なうのが最も好ましい。なお、
低分子量オリゴマーを縮重合させる際の反応時間は、1
〜4時間程度とするのが好ましい。
【0015】上記した第一段及び第二段の縮重合は、通
常、触媒の存在下で行なわれる。この触媒としては、金
属アルコキシド類、特にチタンアルコキシド類を用いる
のが好ましい。また、縮重合時若しくは縮重合後には、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加するのが好ま
しく、或いはリン系,イオウ系,アミン系酸化防止剤等
を添加しても良く若しくは前記ヒンダードフェノール系
酸化防止剤と併用しても良い。縮重合後における酸化防
止剤の添加方法としては、第二段の縮重合終了時に、重
合缶内に酸化防止剤を投入し、溶融状態で撹拌混合する
こともできるが、通常、ペレット化した芳香族系共重合
体を酸化防止剤と混合し、溶融混練する方法が採られ
る。
常、触媒の存在下で行なわれる。この触媒としては、金
属アルコキシド類、特にチタンアルコキシド類を用いる
のが好ましい。また、縮重合時若しくは縮重合後には、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加するのが好ま
しく、或いはリン系,イオウ系,アミン系酸化防止剤等
を添加しても良く若しくは前記ヒンダードフェノール系
酸化防止剤と併用しても良い。縮重合後における酸化防
止剤の添加方法としては、第二段の縮重合終了時に、重
合缶内に酸化防止剤を投入し、溶融状態で撹拌混合する
こともできるが、通常、ペレット化した芳香族系共重合
体を酸化防止剤と混合し、溶融混練する方法が採られ
る。
【0016】本発明に係る芳香族系熱接着性繊維は、上
記した芳香族系共重合体が、繊維表面の少なくとも一部
を占めているものである。この理由は、前述したとお
り、芳香族系共重合体を熱接着性成分として機能させる
ためである。即ち、芳香族系熱接着性繊維と接触してい
る他の主体繊維を、芳香族系共重合体の軟化又は溶融に
よって、接着させるためであり、従って、芳香族系共重
合体が繊維表面に存在しないと、他の主体繊維を接着さ
せることができないからである。このような理由である
から、芳香族系熱接着性繊維は、芳香族系共重合体のみ
から成っていても良い。また、以下のような複合繊維で
あっても良い。(i)芯鞘型複合繊維であって、鞘成分
が芳香族系共重合体から成るもの、(ii)断面半月状の
二成分が貼合されたサイドバイサイド型複合繊維であっ
て、一方の成分が芳香族系共重合体から成るもの、(ii
i)海島型複合繊維であって、海成分が芳香族系共重合
体から成るもの、(iv)断面多葉型複合繊維であって、
葉成分又は幹成分が芳香族系共重合体から成るもの等で
あっても良い。(ii)や(iv)等のタイプの場合、芳香
族系熱接着性繊維中における芳香族系共重合体は、繊維
表面積の40%以上を占めているのが好ましい。繊維表
面積の40%未満であると、他の主体繊維との接着が不
十分となり、不織布製クッション材としたとき、ヘタリ
やすくなる傾向が生じる。
記した芳香族系共重合体が、繊維表面の少なくとも一部
を占めているものである。この理由は、前述したとお
り、芳香族系共重合体を熱接着性成分として機能させる
ためである。即ち、芳香族系熱接着性繊維と接触してい
る他の主体繊維を、芳香族系共重合体の軟化又は溶融に
よって、接着させるためであり、従って、芳香族系共重
合体が繊維表面に存在しないと、他の主体繊維を接着さ
せることができないからである。このような理由である
から、芳香族系熱接着性繊維は、芳香族系共重合体のみ
から成っていても良い。また、以下のような複合繊維で
あっても良い。(i)芯鞘型複合繊維であって、鞘成分
が芳香族系共重合体から成るもの、(ii)断面半月状の
二成分が貼合されたサイドバイサイド型複合繊維であっ
て、一方の成分が芳香族系共重合体から成るもの、(ii
i)海島型複合繊維であって、海成分が芳香族系共重合
体から成るもの、(iv)断面多葉型複合繊維であって、
葉成分又は幹成分が芳香族系共重合体から成るもの等で
あっても良い。(ii)や(iv)等のタイプの場合、芳香
族系熱接着性繊維中における芳香族系共重合体は、繊維
表面積の40%以上を占めているのが好ましい。繊維表
面積の40%未満であると、他の主体繊維との接着が不
十分となり、不織布製クッション材としたとき、ヘタリ
やすくなる傾向が生じる。
【0017】芳香族系熱接着性繊維として、芳香族系共
重合体と他成分とを複合させた複合繊維を用いる場合、
他成分の融点が200℃以上であるのが好ましい。他成
分の融点が200℃未満であると、芳香族系共重合体を
軟化又は溶融させたとき、他成分も軟化又は溶融する恐
れが生じるからである。即ち、この他成分が熱接着性成
分となると、得られる不織布製クッション材の風合が硬
くなったり、クッション材がヘタリやすくなる恐れが生
じるのである。他成分としては、ポリエステル系重合
体,ポリアミド系重合体,ポリオレフィン系重合体等の
従来公知の繊維形成性熱可塑性重合体が用いられる。特
に、芳香族系共重合体との親和性に優れている、ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル系重合体を用いるのが好ましい。従っ
て、芳香族系熱接着性繊維として複合繊維を用いるとき
は、芯成分が融点200℃以上のポリエステル系重合体
で、鞘成分が融点130〜180℃の芳香族系共重合体
である芯鞘型複合繊維、一方の成分が前記芳香族系共重
合体で他方の成分が前記ポリエステル系重合体であるサ
イドバイサイド型複合繊維、海成分が前記芳香族系共重
合体で島成分が前記ポリエステル系重合体である海島型
複合繊維等を用いるのが好ましい。
重合体と他成分とを複合させた複合繊維を用いる場合、
他成分の融点が200℃以上であるのが好ましい。他成
分の融点が200℃未満であると、芳香族系共重合体を
軟化又は溶融させたとき、他成分も軟化又は溶融する恐
れが生じるからである。即ち、この他成分が熱接着性成
分となると、得られる不織布製クッション材の風合が硬
くなったり、クッション材がヘタリやすくなる恐れが生
じるのである。他成分としては、ポリエステル系重合
体,ポリアミド系重合体,ポリオレフィン系重合体等の
従来公知の繊維形成性熱可塑性重合体が用いられる。特
に、芳香族系共重合体との親和性に優れている、ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル系重合体を用いるのが好ましい。従っ
て、芳香族系熱接着性繊維として複合繊維を用いるとき
は、芯成分が融点200℃以上のポリエステル系重合体
で、鞘成分が融点130〜180℃の芳香族系共重合体
である芯鞘型複合繊維、一方の成分が前記芳香族系共重
合体で他方の成分が前記ポリエステル系重合体であるサ
イドバイサイド型複合繊維、海成分が前記芳香族系共重
合体で島成分が前記ポリエステル系重合体である海島型
複合繊維等を用いるのが好ましい。
【0018】芳香族系熱接着性繊維は、繊維長の極めて
短いものから長いものまで任意の繊維長を持つ短繊維形
態であっても良いし、実質的に連続繊維である長繊維形
態であっても良い。また、芳香族系熱接着性繊維には、
捲縮が付与されていても良いし、付与されていなくても
良い。
短いものから長いものまで任意の繊維長を持つ短繊維形
態であっても良いし、実質的に連続繊維である長繊維形
態であっても良い。また、芳香族系熱接着性繊維には、
捲縮が付与されていても良いし、付与されていなくても
良い。
【0019】芳香族系熱接着性繊維中には、その特性
(流動性,帯電性,電気抵抗,融点,摩擦係数,粘性,
耐光性,耐水性,燃焼性,色彩等)を改良又は変動させ
るため、ワックス,帯電防止剤,導電剤,結晶核剤,可
塑剤,離型剤,UV(紫外線)安定剤,耐加水分解防止
剤,難燃剤,無機充填剤,無機顔料,有機顔料等の各種
添加剤が含有されていても良い。これらの添加剤は、芳
香族系熱接着性繊維の溶融紡糸時又は溶融紡糸前に、芳
香族系共重合体等に添加すれば良い。また、芳香族系共
重合体等を重合する時に、これら添加剤を添加しておい
ても良い。また、添加方法としては、芳香族系共重合体
等に直接添加剤を投入して添加しても良いし、添加剤含
有マスターバッチを用い、このマスターバッチと芳香族
系共重合体等とを混合して添加しても良い。
(流動性,帯電性,電気抵抗,融点,摩擦係数,粘性,
耐光性,耐水性,燃焼性,色彩等)を改良又は変動させ
るため、ワックス,帯電防止剤,導電剤,結晶核剤,可
塑剤,離型剤,UV(紫外線)安定剤,耐加水分解防止
剤,難燃剤,無機充填剤,無機顔料,有機顔料等の各種
添加剤が含有されていても良い。これらの添加剤は、芳
香族系熱接着性繊維の溶融紡糸時又は溶融紡糸前に、芳
香族系共重合体等に添加すれば良い。また、芳香族系共
重合体等を重合する時に、これら添加剤を添加しておい
ても良い。また、添加方法としては、芳香族系共重合体
等に直接添加剤を投入して添加しても良いし、添加剤含
有マスターバッチを用い、このマスターバッチと芳香族
系共重合体等とを混合して添加しても良い。
【0020】特に、芳香族系熱接着性繊維の芳香族系共
重合体中には、無機粒子を含有させるのが好ましい。芳
香族系共重合体に無機粒子を添加して溶融紡糸すると、
芳香族系共重合体の結晶化が促進され、溶融紡糸した
後、芳香族系熱接着性繊維群を集束して取り扱っても相
互に密着しにくくなり、また相互の摩擦による損傷を防
止することができる。このような無機粒子としては、二
酸化チタン,二酸化ケイ素,酸化アルミニウム,水酸化
アルミニウム,酸化マグネシウム,ステアリン酸マグネ
シウム等の一般的に滑剤として用いられている無機粒子
を用いることができる。特に好ましいのは、二酸化チタ
ンや二酸化ケイ素である。無機粒子の含有量は、芳香族
系共重合体重量に対して、2重量%以下であるのが好ま
しく、特に0.1〜1重量%であるのがより好ましい。
無機粒子の含有量が2重量%を超えても、上記した効果
の更なる向上が見られなくなり、却って、溶融紡糸時に
おける濾圧が上昇する傾向となり、また繊維が切断しや
すくなる恐れもある。無機粒子の粒径は任意であるが、
一般的に、平均粒径で0.1〜10μmであるのが好ま
しい。無機粒子の平均粒径が10μmを超えると、溶融
紡糸時における濾圧の上昇や繊維の切断が見られること
もある。
重合体中には、無機粒子を含有させるのが好ましい。芳
香族系共重合体に無機粒子を添加して溶融紡糸すると、
芳香族系共重合体の結晶化が促進され、溶融紡糸した
後、芳香族系熱接着性繊維群を集束して取り扱っても相
互に密着しにくくなり、また相互の摩擦による損傷を防
止することができる。このような無機粒子としては、二
酸化チタン,二酸化ケイ素,酸化アルミニウム,水酸化
アルミニウム,酸化マグネシウム,ステアリン酸マグネ
シウム等の一般的に滑剤として用いられている無機粒子
を用いることができる。特に好ましいのは、二酸化チタ
ンや二酸化ケイ素である。無機粒子の含有量は、芳香族
系共重合体重量に対して、2重量%以下であるのが好ま
しく、特に0.1〜1重量%であるのがより好ましい。
無機粒子の含有量が2重量%を超えても、上記した効果
の更なる向上が見られなくなり、却って、溶融紡糸時に
おける濾圧が上昇する傾向となり、また繊維が切断しや
すくなる恐れもある。無機粒子の粒径は任意であるが、
一般的に、平均粒径で0.1〜10μmであるのが好ま
しい。無機粒子の平均粒径が10μmを超えると、溶融
紡糸時における濾圧の上昇や繊維の切断が見られること
もある。
【0021】本発明に係る芳香族系熱接着性繊維を使用
して、不織布製クッション材を得る方法としては、以下
のような方法が挙げられる。例えば、不織布製クッショ
ン材の主体繊維となるポリエステル短繊維,綿,ウー
ル,パーム繊維等と、芳香族系熱接着性短繊維とを混綿
し、カード等を用いて繊維ウェブを形成し、次いで、所
望によりニードリングを施し又は施さないで、熱処理し
て芳香族系熱接着性短繊維を軟化又は溶融させ、主体繊
維同士を接着するという方法が挙げられる。また、ポリ
エステル長繊維等の主体繊維と芳香族系熱接着性長繊維
とを混合しながら、繊維ウェブを作成し、この繊維ウェ
ブに熱処理するという方法も挙げられる。熱処理は、芳
香族系熱接着性繊維中の芳香族系共重合体が軟化又は溶
融する温度及び時間で行なえば良い。また、熱処理装置
としては、熱風循環ドライヤー,熱風貫流ドライヤー,
サクションドライヤー等を用いることができる。本発明
に係る芳香族系熱接着性繊維は、クッション材以外の用
途の不織布製造の際にも使用しうるし、不織布以外の繊
維製品の製造の際にも使用しうることは、言うまでもな
い。
して、不織布製クッション材を得る方法としては、以下
のような方法が挙げられる。例えば、不織布製クッショ
ン材の主体繊維となるポリエステル短繊維,綿,ウー
ル,パーム繊維等と、芳香族系熱接着性短繊維とを混綿
し、カード等を用いて繊維ウェブを形成し、次いで、所
望によりニードリングを施し又は施さないで、熱処理し
て芳香族系熱接着性短繊維を軟化又は溶融させ、主体繊
維同士を接着するという方法が挙げられる。また、ポリ
エステル長繊維等の主体繊維と芳香族系熱接着性長繊維
とを混合しながら、繊維ウェブを作成し、この繊維ウェ
ブに熱処理するという方法も挙げられる。熱処理は、芳
香族系熱接着性繊維中の芳香族系共重合体が軟化又は溶
融する温度及び時間で行なえば良い。また、熱処理装置
としては、熱風循環ドライヤー,熱風貫流ドライヤー,
サクションドライヤー等を用いることができる。本発明
に係る芳香族系熱接着性繊維は、クッション材以外の用
途の不織布製造の際にも使用しうるし、不織布以外の繊
維製品の製造の際にも使用しうることは、言うまでもな
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、熱接着性繊維の熱接着性成分として、特殊な共重合
体を用いた点を特徴とするものとして解釈されるべきで
ある。なお、各種特性の評価方法は、以下のとおりであ
る。
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、熱接着性繊維の熱接着性成分として、特殊な共重合
体を用いた点を特徴とするものとして解釈されるべきで
ある。なお、各種特性の評価方法は、以下のとおりであ
る。
【0023】(1)芳香族系共重合体の分子量:東ソー
社製GPC装置CP−8000を使用し、溶離液として
N−メチル−2−ピロリドン1リットルに塩化リチウム
を20ミリモル添加したものを用いて測定した。そし
て、ポリスチレンを標準試料として、重量平均分子量
(Mw)を求めた。
社製GPC装置CP−8000を使用し、溶離液として
N−メチル−2−ピロリドン1リットルに塩化リチウム
を20ミリモル添加したものを用いて測定した。そし
て、ポリスチレンを標準試料として、重量平均分子量
(Mw)を求めた。
【0024】(2)芳香族系共重合体のメルトインデッ
クス値(MI値):宝工業社製メルトインデクサーL2
24、X416を用い、荷重2.01kg、温度230
℃で測定した。メルトインデックス値の単位はg/10
分である。
クス値(MI値):宝工業社製メルトインデクサーL2
24、X416を用い、荷重2.01kg、温度230
℃で測定した。メルトインデックス値の単位はg/10
分である。
【0025】(3)不織布製クッション材の繰り返し圧
縮時における耐ヘタリ性:JIS K6382 5.
6.3に記載の方法に準拠して評価した。即ち、まず厚
さt0の試験片を準備する。そして、この試験片を両面
平行な圧縮板に挟み、この試験片の厚さがt0/2とな
るような圧縮を、常温で毎分60回の速さで連続800
00回繰り返す。この後、試験片を取り出して室温で3
0分間放置した後の厚さt1を測定し、以下の式で圧縮
残留歪み率C(%)を算出する。試験片3個につき、圧
縮残留歪み率C(%)を算出し、その平均値が10%以
下である不織布製クッション材を合格とした。 C(%)=[(t0−t1)/t0]×100
縮時における耐ヘタリ性:JIS K6382 5.
6.3に記載の方法に準拠して評価した。即ち、まず厚
さt0の試験片を準備する。そして、この試験片を両面
平行な圧縮板に挟み、この試験片の厚さがt0/2とな
るような圧縮を、常温で毎分60回の速さで連続800
00回繰り返す。この後、試験片を取り出して室温で3
0分間放置した後の厚さt1を測定し、以下の式で圧縮
残留歪み率C(%)を算出する。試験片3個につき、圧
縮残留歪み率C(%)を算出し、その平均値が10%以
下である不織布製クッション材を合格とした。 C(%)=[(t0−t1)/t0]×100
【0026】(4)不織布製クッション材の高温雰囲気
下における耐ヘタリ性:JIS K6382 5.5.
2に記載の方法に準拠して評価した。即ち、まず厚さt
0の試験片を準備する。そして、この試験片を両面平行
な圧縮板に挟み、この試験片の厚さがt0/2となるよ
うに圧縮し、この圧縮状態で固定したまま、温度70±
1℃の恒温槽中で連続22時間加熱する。この後、試験
片を恒温槽から取り出して、圧縮板から外して圧縮を解
除し、室温で30分間放置した後の厚さt2 を測定し、
以下の式で圧縮残留歪み率CT(%)を算出する。試験
片3個につき、圧縮残留歪み率CT(%)を算出し、そ
の平均値が25%以下である不織布製クッション材を合
格とした。 CT(%)=[(t0−t2)/t0]×100
下における耐ヘタリ性:JIS K6382 5.5.
2に記載の方法に準拠して評価した。即ち、まず厚さt
0の試験片を準備する。そして、この試験片を両面平行
な圧縮板に挟み、この試験片の厚さがt0/2となるよ
うに圧縮し、この圧縮状態で固定したまま、温度70±
1℃の恒温槽中で連続22時間加熱する。この後、試験
片を恒温槽から取り出して、圧縮板から外して圧縮を解
除し、室温で30分間放置した後の厚さt2 を測定し、
以下の式で圧縮残留歪み率CT(%)を算出する。試験
片3個につき、圧縮残留歪み率CT(%)を算出し、そ
の平均値が25%以下である不織布製クッション材を合
格とした。 CT(%)=[(t0−t2)/t0]×100
【0027】(5)不織布製クッション材の風合:パネ
ラー10人により手触りでの風合を次の三段階で評価し
た。1;柔らかい、2;普通、3;硬い。
ラー10人により手触りでの風合を次の三段階で評価し
た。1;柔らかい、2;普通、3;硬い。
【0028】[芳香族系共重合体の合成例1]窒素導入
菅,温度センサー,撹拌装置,蒸留装置を取り付けた1
5リットル容オートクレーブに、分子量2051のポリ
テトラメチレングリコール4227g(2.06089
モル)、N,N’−ビス(4−エトキシカルボニルフェ
ニル)テレフタラミド949g(2.06089モ
ル)、Irganox1330(チバガイギー社製 ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤)5.18g(0.1
重量%)を仕込んだ後、100℃で減圧乾燥した。次
に、このオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリド
ン2567g(33重量%)及びテトラブトキシチタネ
ート8.42g(0.1重量%)を仕込み、内容物を2
10℃まで昇温し、1時間反応させた後、減圧度を徐々
に上げ、1時間かけて240℃まで昇温し、溶媒をほぼ
完全に除去した。また、溶媒除去と同時に反応で生成し
たエタノールも留去した。その後、更に240℃で1m
mHgの減圧下で1時間反応させたところ、高粘度の芳
香族系共重合体が生成した。溶融状態で生成した芳香族
系共重合体を窒素下で取り出したところ、4150g
(収率83.23%)の弾性のある芳香族系共重合体を
得た。得られた芳香族系共重合体の分子量、融点及びM
I値(単位はg/10分)を表1に示した。
菅,温度センサー,撹拌装置,蒸留装置を取り付けた1
5リットル容オートクレーブに、分子量2051のポリ
テトラメチレングリコール4227g(2.06089
モル)、N,N’−ビス(4−エトキシカルボニルフェ
ニル)テレフタラミド949g(2.06089モ
ル)、Irganox1330(チバガイギー社製 ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤)5.18g(0.1
重量%)を仕込んだ後、100℃で減圧乾燥した。次
に、このオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリド
ン2567g(33重量%)及びテトラブトキシチタネ
ート8.42g(0.1重量%)を仕込み、内容物を2
10℃まで昇温し、1時間反応させた後、減圧度を徐々
に上げ、1時間かけて240℃まで昇温し、溶媒をほぼ
完全に除去した。また、溶媒除去と同時に反応で生成し
たエタノールも留去した。その後、更に240℃で1m
mHgの減圧下で1時間反応させたところ、高粘度の芳
香族系共重合体が生成した。溶融状態で生成した芳香族
系共重合体を窒素下で取り出したところ、4150g
(収率83.23%)の弾性のある芳香族系共重合体を
得た。得られた芳香族系共重合体の分子量、融点及びM
I値(単位はg/10分)を表1に示した。
【0029】[芳香族系共重合体の合成例2〜5]ポリ
テトラメチレングリコールの分子量を表1に示したもの
にした他は、合成例1と同様の方法により芳香族系共重
合体を得た。得られた芳香族系共重合体の分子量(M
w)、融点(Tm)及びMI値を表1に示した。なお、
合成例2〜5において、ポリテトラメチレングリコール
とN,N’−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)
テレフタラミドとの仕込みモル比を等モルにすること
は、言うまでもない。
テトラメチレングリコールの分子量を表1に示したもの
にした他は、合成例1と同様の方法により芳香族系共重
合体を得た。得られた芳香族系共重合体の分子量(M
w)、融点(Tm)及びMI値を表1に示した。なお、
合成例2〜5において、ポリテトラメチレングリコール
とN,N’−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)
テレフタラミドとの仕込みモル比を等モルにすること
は、言うまでもない。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1 合成例2で得られた芳香族系共重合体を鞘成分とし、融
点256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分とし
て、通常の複合溶融紡糸装置を用い、芯鞘複合体積比5
0:50,紡糸温度270℃,吐出量206g/分,紡
糸孔数225個,紡糸速度700m/分の条件で紡出
し、18℃の冷風で冷却しながら引き取って芯鞘複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.2倍、延伸温度
65℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。なお、未延伸長繊維を集束してトウとした
際、未延伸長繊維相互間の密着性の有無を観察し、その
結果を表2に示した。
点256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分とし
て、通常の複合溶融紡糸装置を用い、芯鞘複合体積比5
0:50,紡糸温度270℃,吐出量206g/分,紡
糸孔数225個,紡糸速度700m/分の条件で紡出
し、18℃の冷風で冷却しながら引き取って芯鞘複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.2倍、延伸温度
65℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。なお、未延伸長繊維を集束してトウとした
際、未延伸長繊維相互間の密着性の有無を観察し、その
結果を表2に示した。
【0032】この芳香族系熱接着性短繊維60重量%
と、詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度13
デニール、繊維長51mm、中空度15%)40重量%
とを混綿し、カード機で繊維ウェブを作成した後、クロ
スレイヤーで繊維ウェブを積層して、目付1.25kg
/m2の積層ウェブを得た。この積層ウェブの厚さを5
cmに規制しながら、熱風循環ドライヤー中に導入し、
180℃で15分間の熱処理を行なった。この結果、積
層ウェブ中の詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維同
士が、芳香族系熱接着性短繊維の軟化又は溶融によって
接着された不織布製クッション材が得られた。この不織
布製クッション材の繰り返し圧縮時における耐ヘタリ性
(平均C%),高温雰囲気下における耐ヘタリ性(平均
CT%)及び風合を表2に示した。
と、詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度13
デニール、繊維長51mm、中空度15%)40重量%
とを混綿し、カード機で繊維ウェブを作成した後、クロ
スレイヤーで繊維ウェブを積層して、目付1.25kg
/m2の積層ウェブを得た。この積層ウェブの厚さを5
cmに規制しながら、熱風循環ドライヤー中に導入し、
180℃で15分間の熱処理を行なった。この結果、積
層ウェブ中の詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維同
士が、芳香族系熱接着性短繊維の軟化又は溶融によって
接着された不織布製クッション材が得られた。この不織
布製クッション材の繰り返し圧縮時における耐ヘタリ性
(平均C%),高温雰囲気下における耐ヘタリ性(平均
CT%)及び風合を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例2 合成例4で得られた芳香族系共重合体を鞘成分とする他
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
【0035】実施例3 合成例2で得られた芳香族系共重合体を鞘成分とする他
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
【0036】実施例4 合成例4で得られた芳香族系共重合体に、二酸化チタン
を1.0重量%添加したものを鞘成分とする他は、実施
例1と同一の方法で不織布製クッション材を得た。
を1.0重量%添加したものを鞘成分とする他は、実施
例1と同一の方法で不織布製クッション材を得た。
【0037】実施例5 合成例3で得られた芳香族系共重合体と、融点256℃
のポリエチレンテレフタレートとを、通常の複合溶融紡
糸装置に導入し、サイドバイサイド複合体積比45:5
5=芳香族系共重合体:ポリエチレンテレフタレート,
紡糸温度270℃,吐出量240g/分,紡糸孔数26
5個,紡糸速度600m/分の条件で紡出し、18℃の
冷風で冷却しながら引き取ってサイドバイサイド複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.5倍、延伸温度
70℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、実施例
1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
のポリエチレンテレフタレートとを、通常の複合溶融紡
糸装置に導入し、サイドバイサイド複合体積比45:5
5=芳香族系共重合体:ポリエチレンテレフタレート,
紡糸温度270℃,吐出量240g/分,紡糸孔数26
5個,紡糸速度600m/分の条件で紡出し、18℃の
冷風で冷却しながら引き取ってサイドバイサイド複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.5倍、延伸温度
70℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、実施例
1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
【0038】実施例6 合成例3で得られた芳香族系共重合体を、通常の溶融紡
糸装置(非複合型の溶融紡糸装置)に導入し、紡糸温度
225℃,吐出量310g/分,紡糸孔数225個,紡
糸速度500m/分の条件で紡出し、18℃の冷風で冷
却しながら引き取って、芳香族系共重合体のみからなる
未延伸長繊維(非複合型の未延伸長繊維)を得た。この
未延伸長繊維を集束して10万デニールのトウとし、5
1mmに切断して、繊度25デニールの芳香族系熱接着
性短繊維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、
実施例1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
糸装置(非複合型の溶融紡糸装置)に導入し、紡糸温度
225℃,吐出量310g/分,紡糸孔数225個,紡
糸速度500m/分の条件で紡出し、18℃の冷風で冷
却しながら引き取って、芳香族系共重合体のみからなる
未延伸長繊維(非複合型の未延伸長繊維)を得た。この
未延伸長繊維を集束して10万デニールのトウとし、5
1mmに切断して、繊度25デニールの芳香族系熱接着
性短繊維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、
実施例1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
【0039】実施例7 合成例3で得られた芳香族系共重合体と、融点256℃
のポリエチレンテレフタレートとを、通常の複合溶融紡
糸装置に導入し、サイドバイサイド複合体積比30:7
0=芳香族系共重合体:ポリエチレンテレフタレート,
紡糸温度270℃,吐出量230g/分,紡糸孔数26
5個,紡糸速度600m/分の条件で紡出し、18℃の
冷風で冷却しながら引き取ってサイドバイサイド複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.3倍、延伸温度
70℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、実施例
1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
のポリエチレンテレフタレートとを、通常の複合溶融紡
糸装置に導入し、サイドバイサイド複合体積比30:7
0=芳香族系共重合体:ポリエチレンテレフタレート,
紡糸温度270℃,吐出量230g/分,紡糸孔数26
5個,紡糸速度600m/分の条件で紡出し、18℃の
冷風で冷却しながら引き取ってサイドバイサイド複合型
の未延伸長繊維を得た。この未延伸長繊維を集束して1
0万デニールのトウとし、延伸倍率3.3倍、延伸温度
70℃で延伸した後、温度120℃で緊張熱処理し、次
いで押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、51m
mに切断して、繊度4デニールの芳香族系熱接着性短繊
維を得た。この芳香族系接着性短繊維を用いて、実施例
1と同様の方法で不織布製クッション材を得た。
【0040】比較例1 合成例5で得られた芳香族系共重合体を鞘成分とする他
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。
【0041】比較例2 合成例1で得られた芳香族系共重合体を鞘成分とする他
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。しかし、詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維同
士を芳香族系熱接着性繊維で接着することができず、一
体性のある不織布製クッション材は得られなかった。
は、実施例1と同一の方法で不織布製クッション材を得
た。しかし、詰綿用ポリエチレンテレフタレート繊維同
士を芳香族系熱接着性繊維で接着することができず、一
体性のある不織布製クッション材は得られなかった。
【0042】比較例3 芳香族系共重合体に代えて、以下のポリエーテルエステ
ル系共重合体を用いる他は、実施例1と同様にして不織
布製クッション材を得た。ポリエーテルエステル系共重
合体は、ポリブチレンテレフタレート40重量%と、分
子量1500のポリテトラメチレングリコール60重量
%との共重合体である。
ル系共重合体を用いる他は、実施例1と同様にして不織
布製クッション材を得た。ポリエーテルエステル系共重
合体は、ポリブチレンテレフタレート40重量%と、分
子量1500のポリテトラメチレングリコール60重量
%との共重合体である。
【0043】以上の実施例2〜7及び比較例1〜3にお
いて、未延伸長繊維を集束してトウとしたときにおける
未延伸長繊維相互間の密着性の有無を観察し、その結果
を表2に示した。また、実施例2〜7及び比較例1〜3
で得られた各不織布製クッション材において、その繰り
返し圧縮時における耐ヘタリ性(平均C%),高温雰囲
気下における耐ヘタリ性(平均CT%)及び風合を表2
に示した。
いて、未延伸長繊維を集束してトウとしたときにおける
未延伸長繊維相互間の密着性の有無を観察し、その結果
を表2に示した。また、実施例2〜7及び比較例1〜3
で得られた各不織布製クッション材において、その繰り
返し圧縮時における耐ヘタリ性(平均C%),高温雰囲
気下における耐ヘタリ性(平均CT%)及び風合を表2
に示した。
【0044】以上の実施例1〜7で得られた各不織布製
クッション材は、ほぼ満足のゆく程度にヘタリにくく、
また風合も概ね柔らかいものであった。ただ、実施例7
で得られた不織布製クッション材は、芳香族系共重合体
が熱接着性繊維表面積に対して50%未満しか占めてい
ないので、ヘタリやすくなっている。また、比較例1で
得られた不織布製クッション材は、熱接着性繊維中の芳
香族系共重合体の融点が130℃未満であるため、高温
雰囲気下においてヘタリやすくなっている。一方、比較
例2で得られた不織布製クッション材は、熱接着性繊維
中の芳香族系共重合体の融点が180℃を超えているた
め、詰綿用ポリエチレンテレフタレート短繊維同士が十
分に接着されず、この短繊維が脱落しやすく、一体とし
て取り扱いにくいものであった。更に、比較例3で得ら
れた不織布製クッション材は、接着成分としてポリエー
テルエステル系共重合体を用いたので、ヘタリやすいも
のであった。
クッション材は、ほぼ満足のゆく程度にヘタリにくく、
また風合も概ね柔らかいものであった。ただ、実施例7
で得られた不織布製クッション材は、芳香族系共重合体
が熱接着性繊維表面積に対して50%未満しか占めてい
ないので、ヘタリやすくなっている。また、比較例1で
得られた不織布製クッション材は、熱接着性繊維中の芳
香族系共重合体の融点が130℃未満であるため、高温
雰囲気下においてヘタリやすくなっている。一方、比較
例2で得られた不織布製クッション材は、熱接着性繊維
中の芳香族系共重合体の融点が180℃を超えているた
め、詰綿用ポリエチレンテレフタレート短繊維同士が十
分に接着されず、この短繊維が脱落しやすく、一体とし
て取り扱いにくいものであった。更に、比較例3で得ら
れた不織布製クッション材は、接着成分としてポリエー
テルエステル系共重合体を用いたので、ヘタリやすいも
のであった。
【0045】
【作用及び発明の効果】本発明に係る芳香族系熱接着性
繊維は、その繊維表面の少なくとも一部を占める熱接着
性成分が、特定の芳香族アミド系化合物をハードセグメ
ントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメン
トとする芳香族系共重合体で構成されているため、ハー
ドセグメントによる結晶化の促進で適度な剛性と、ソフ
トセグメントによる適度な弾性とを具備するものであ
り、且つ、その融点が130〜180℃の範囲に規制さ
れているものである。従って、この芳香族系熱接着性繊
維を、例えば不織布製クッション材の主体繊維同士を接
着するために用いれば、クッション材が繰り返し圧縮を
受けたときでも、また高温下で使用されたときでも、ヘ
タリにくいという効果を奏する。また、ソフトセグメン
トによる適度な弾性は、不織布製クッション材に柔らか
い風合を与えるという効果も奏する。
繊維は、その繊維表面の少なくとも一部を占める熱接着
性成分が、特定の芳香族アミド系化合物をハードセグメ
ントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメン
トとする芳香族系共重合体で構成されているため、ハー
ドセグメントによる結晶化の促進で適度な剛性と、ソフ
トセグメントによる適度な弾性とを具備するものであ
り、且つ、その融点が130〜180℃の範囲に規制さ
れているものである。従って、この芳香族系熱接着性繊
維を、例えば不織布製クッション材の主体繊維同士を接
着するために用いれば、クッション材が繰り返し圧縮を
受けたときでも、また高温下で使用されたときでも、ヘ
タリにくいという効果を奏する。また、ソフトセグメン
トによる適度な弾性は、不織布製クッション材に柔らか
い風合を与えるという効果も奏する。
【0046】更に、ハードセグメントによって結晶化が
促進されているので、芳香族系共重合体を溶融紡糸した
繊維を集束して取り扱う際にも、芳香族系熱接着性繊維
相互間が密着しにくいという効果を奏する。特に、芳香
族系共重合体に無機粒子を含有させておいた場合には、
この効果を更に向上させることができる。
促進されているので、芳香族系共重合体を溶融紡糸した
繊維を集束して取り扱う際にも、芳香族系熱接着性繊維
相互間が密着しにくいという効果を奏する。特に、芳香
族系共重合体に無機粒子を含有させておいた場合には、
この効果を更に向上させることができる。
【0047】なお、以上主として、本発明に係る熱接着
性繊維が、不織布製クッション材製造用に用いられる場
合について説明したが、本発明に係る熱接着性繊維は、
この用途以外の用途は勿論、不織布製造用以外の用途に
用いられても良いことは、言うまでもない。
性繊維が、不織布製クッション材製造用に用いられる場
合について説明したが、本発明に係る熱接着性繊維は、
この用途以外の用途は勿論、不織布製造用以外の用途に
用いられても良いことは、言うまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 誠 愛知県豊田市平戸橋町馬場瀬39−9 (72)発明者 辻本 啓三 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 下里 伸治 愛知県海部郡弥富町大字鎌島字岡田7番地 (72)発明者 久保 雄二 三重県四日市市日永2丁目5番1号 (72)発明者 山川 浩 三重県四日市市柴田2丁目1番5−201号 Fターム(参考) 4L041 AA07 AA15 AA20 BA02 BA05 BA09 BA21 BA49 BD04 BD11 BD20 CA06 CA30 CA32 CA61 CB05 DD01 DD05 DD14 DD21 4L047 AA21 AA24 AA27 AA29 BA09 BB07 BB09 CB01 CC07
Claims (5)
- 【請求項1】 融点が130〜180℃の芳香族系共重
合体が繊維表面の少なくとも一部を占めており、該芳香
族系共重合体は、ポリアルキレングリコールと、一般式
I ROOC−Ph−NHCO−Z−CONH−Ph−COOR’ (I) (式中、Phはフェニレン基、Zは芳香環族基、R及び
R’は水素原子又はアルキル基を表わす。)又は一般式
II ROOC−Ph−CONH−Z−NHCO−Ph−COOR’ (II) (式中、Ph、Z、R及びR’は、一般式Iの場合と同
一である。)で示される芳香族アミド結合を有する芳香
族系カルボン酸類とが縮重合されてなるものであること
を特徴とする芳香族系熱接着性繊維。 - 【請求項2】 融点が200℃以上のポリエステルを芯
成分とし、請求項1に記載された芳香族系共重合体を鞘
成分とする芯鞘型複合繊維である請求項1記載の芳香族
系熱接着性繊維。 - 【請求項3】 融点が200℃以上のポリエステルと、
請求項1に記載された芳香族系共重合体とを繊維軸方向
に並列に配設すると共に貼合したサイドバイサイド型複
合繊維である請求項1記載の芳香族系熱接着性繊維。 - 【請求項4】 芳香族系共重合体の繊維表面を占めてい
る割合が、繊維表面積に対して40%以上である請求項
1又は3記載の芳香族系熱接着性繊維。 - 【請求項5】 芳香族系共重合体に、無機粒子が該芳香
族系共重合体重量に対し2重量%以下添加されている請
求項1乃至4のいずれか一項に記載の芳香族系熱接着性
繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193999A JP2000212833A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 芳香族系熱接着性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193999A JP2000212833A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 芳香族系熱接着性繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000212833A true JP2000212833A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11791630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1193999A Pending JP2000212833A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 芳香族系熱接着性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000212833A (ja) |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP1193999A patent/JP2000212833A/ja active Pending
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