JP2000212797A - 高耐食性アルミダイカスト材とその陽極酸化方法 - Google Patents

高耐食性アルミダイカスト材とその陽極酸化方法

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JP2000212797A
JP2000212797A JP11015219A JP1521999A JP2000212797A JP 2000212797 A JP2000212797 A JP 2000212797A JP 11015219 A JP11015219 A JP 11015219A JP 1521999 A JP1521999 A JP 1521999A JP 2000212797 A JP2000212797 A JP 2000212797A
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aluminum
aluminum die
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highly corrosion
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Kenji Uko
健司 宇▲高▼
Takeya Ohashi
健也 大橋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、高Siを含むアルミダイカス
ト材表面の複雑な金属組織等の不均一性に起因する陽極
酸化皮膜の耐食性低下を改善した高耐食性アルミダイカ
スト材とその製法及び用途を提供する。 【解決手段】Si4.5〜18 重量%を含有するアルミ
ダイカスト材の表面に、酸化アルミニウムを主体としか
つ空孔率が30体積%以下である陽極酸化皮膜を設けた
高耐食性アルミニウムダイカスト材,酸化アルミニウム
の三水和物であるバイヤライト皮膜を形成する処理をし
た後、多孔質陽極酸化皮膜を形成する処理を施し、次い
で封孔処理を行う製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高耐食性ア
ルミニウムダイカスト材とその陽極酸化方法及び用途に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミダイカストの生産量は近年、自動
車用途の急激な伸びをはじめ、ますます増加する傾向に
ある。これは主として、次に示すようなアルミダイカス
トの特徴によるものである。
【0003】(1) 軽量である。
【0004】(2) 鋳造性に優れ、薄肉・複雑な形状に
も適する。
【0005】(3) 寸法精度が良い。
【0006】(4) 生産性が良い。
【0007】合金種類別では、Al−Cu−Si系合金
のADC12が生産量の大部分を占めている。ADC1
2は、耐摩耗性,ダイカスト性の向上及び熱膨張率低下
のためにSiを9.6〜12重量%、また機械的性質向
上のためにCuを1.5〜3.5重量%含んでおり、表1に
その合金組成を示した。一般に、産業機械,計測機及び
輸送機器のハウジングやカバー及び支持材といった各種
部品に広く使用されているものである。
【0008】ADC12は、耐食性や外観上の問題から
表面処理が必要とされる場合があり、他のアルミニウム
材料同様、陽極酸化,化成処理,めっき及び塗装などの
方法が用いられる。なかでも、耐食性や耐摩耗性に優れ
る陽極酸化処理が望まれている。
【0009】しかし、ADC12を代表とするAl−C
u−Si系合金をはじめ、Al−Si系やAl−Si−
Mg系といった合金、すなわちSiを7.5〜18 重量
%含有する合金の場合、チル層と呼ばれる表面近傍の急
冷組織に高密度に存在するSiの影響等により、表面処
理特に陽極酸化する上で幾つかの問題が生じる。その一
つが陽極酸化皮膜の局部的な黄色化である。すなわち、
全体としては黒灰色に発色しながら一部が黄色を呈し、
外観性に劣るという問題である。また、ダイカスト材特
有の複雑な金属組織の上に形成した陽極酸化皮膜は、空
孔が多いなど欠陥が目立ち、耐食性に不満が残るのが実
情であった。
【0010】従来、これらの問題に対しては、1)合金
成分の添加量を減らす等の材料側からの検討、2)鋳造
欠陥を減少させるための鋳造条件及び鋳造法の改善、
3)前処理も含めた陽極酸化処理方法の改良といった三
方向からの検討がなされてきた。しかし、1)に関し
て、合金成分は前述のアルミダイカストの特性、特に鋳
造性,寸法精度及び生産性と機械的特性の点から現状よ
り大きく変更することは難しく、また2)に関しても生
産性等の制約があり問題を解決するまでには至っていな
い。よって、従来通りの材料及び鋳造法でつくられたも
のをいかにして表面処理するかという3)の検討が現状
では最も重要となる。
【0011】これに関連し、特開平9−1319 号公報で
は、研掃処理,フッ酸及びフッ素化合物処理,化学研磨
を順に行った後に陽極酸化処理を施すことが紹介されて
いる。物理的あるいは化学的に表面を削ることで表面性
状を均一にすることにより、均一染色性と光輝性のある
陽極酸化皮膜を形成させるものである。
【0012】このように従来技術では、アルミダイカス
トを陽極酸化処理する際の前処理として、ブラスト処理
等の機械加工やフッ酸浴処理及び化学研磨といった工程
が入る。
【0013】更に、特開平9−184093 号公報には、Al
又はAl合金に対しベーマイト処理後0.07〜0.3μ
m厚さの無孔質陽極酸化皮膜を形成することが開示され
ている。
【0014】しかしながら、工程が複雑になれば作業性
及び経済性が低下するとともに、度重なる研掃,研磨処
理によりアルミダイカストの特徴である寸法精度に誤差
を生じる可能性がある。ゆえに、陽極酸化皮膜の黄色化
を防止するにしても簡易かつ寸法精度を維持できる方法
が求められる。更に、後者の方法には本発明に係る特定
の合金に対する処理法は示されていない。
【0015】また、特開平1−287916 号公報には、アル
ミニウム箔を純水ボイル工程後にクエン酸水溶液による
陽極酸化工程が示され、静電容量を高めることが示され
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法では
優れた表面外観と耐食性の両立を目指したために、耐食
性に関していえばまだ充分ではない面があった。よっ
て、アルミダイカスト材の用途をさらに拡大する上で重
要な要素となる一層の高耐食性化を達成できる方法につ
いて検討を重ねた。
【0017】本発明の目的は、より耐食性に優れたアル
ミダイカスト材とその製法及び用途を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
基合金部材に対するベーマイト処理の効果をさらに検討
した結果、酸化アルミニウムの水和による体積膨張によ
り被処理材表面をベーマイトがほぼ均質に覆い、後の陽
極酸化皮膜の成長を均一にすること、よってベーマイト
皮膜より水和水の多いバイヤライト皮膜の方が有利であ
ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0019】本発明は、Si4.5〜18 重量%を含有
するアルミダイカスト材の表面に、空孔率が30体積%
以下であり、好ましくは膜厚が8〜30μmの密着性に
優れる陽極酸化皮膜が形成されているものである。
【0020】前記酸化皮膜はアルミニウムの水和酸化物
を主成分とする外層と非晶質で多孔質のアルミニウムの
酸化物を主成分とする内層から構成されるものである。
【0021】本発明は、Si4.5〜18 重量%を含有
するアルミダイカスト材表面にバイヤライト皮膜を形成
する処理を施した後、多孔質陽極酸化皮膜を形成する処
理及び封孔処理を順次施し、表面に高耐食性皮膜を付与
するものである。
【0022】本発明は、前記バイヤライト皮膜形成処理
が純水中に浸漬して加熱することにより行われるもので
ある。この方法により、アルミダイカスト材の表面にバ
イヤライト皮膜と呼ばれる酸化アルミニウムの三水和物
がほぼ全体を覆って表面組成のむらを減少させ、その後
の陽極酸化皮膜の成長を均一にする効果をもたらす。前
記バイヤライト皮膜形成処理において、処理温度と時間
をそれぞれ45〜75℃,5〜60分とするのが好まし
い。温度が45℃未満ではバイヤライト皮膜の形成が極
端に遅く、逆に75℃を超えると酸化アルミニウムの一
水和物であるベーマイトが形成するようになる。また、
時間が5分未満ではバイヤライト皮膜の成長が不十分
で、60分を超えることは生産性の点から好ましくな
い。
【0023】前記陽極酸化処理は、硫酸,しゅう酸,り
ん酸,クロム酸,酒石酸,スルファミン酸,ベンゼンス
ルホン酸を少なくとも一種以上含む水溶液中で、直流
法,交流法,交直重畳法及び波形制御法のいずれかによ
り行われるものである。この方法により、厚い多孔質な
陽極酸化皮膜を形成して耐食性を向上させることができ
る。
【0024】前記陽極酸化処理の電解液として上記酸を
濃度で1〜40重量%含有し、浴温10〜42℃で、電
界電圧が直流で10〜60V、交流で20〜120V、
あるいは電流密度で50〜600Am-2にして、10〜
60分通電するのが好ましい。この方法により、膜厚が
2〜60μm、好ましくは8〜30μmの陽極酸化皮膜
が得られる。
【0025】前記封孔処理は沸騰水中に浸漬あるいは加
圧水蒸気に接触処理させることにより行われるものであ
る。この方法により、多孔質酸化皮膜の孔壁部分の酸化
アルミニウムが水和して体積膨張し、その結果、孔をほ
ぼ塞ぐようになって高耐食性を得ることができる。
【0026】前記封孔処理は処理温度と時間をそれぞれ
80〜200℃,5〜30分とするのが好ましい。この
方法により、多孔質酸化皮膜の孔が表面側から塞がれて
いき緻密な皮膜へと変化するが、耐食性を考慮すると必
ずしも孔の内部全てを完全に塞ぐ必要はない。よって、
処理時間は最大でも30分とするのが処理効率,経済性
の点から好ましい。
【0027】本発明は、アルミニウム又はアルミニウム
合金部材を純水中に浸漬し、前記部材表面にバイヤライ
ト皮膜を形成した後、電解質水溶液により陽極酸化処理
を施すことを特徴とする高耐食性アルミニウム材の陽極
酸化方法にあり、更に前記陽極酸化処理を施した後、封
孔処理を施すことを特徴とするものである。
【0028】本発明は、脱水槽を支えるフランジを有
し、該フランジがSi4.5〜18 重量%を含むアルミ
ダイカスト材からなる全自動洗濯機であって、該フラン
ジ表面に酸化アルミニウムを主体としかつ空孔率が30
体積%以下、好ましくは25体積%以下で膜厚が8〜3
0μmの低空孔耐食性密着膜を有することを特徴とす
る。その製造法は前述と同様である。
【0029】本発明に用いられるアルミダイカスト材の
組成の代表例を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は表2に示すJ
IS規格ADC12のアルミダイカストに施した本発明
の陽極酸化皮膜処理工程を示す概略図である。
【0032】
【表2】
【0033】図1(a)は、被処理材1の断面における
表面状態を示し、ベース基体32表面近傍にはチル層3
3と呼ばれる厚さ数μm〜数十μmの急冷凝固組織を有
する。チル層は、急冷されたために微細な組織を有し、
またAlと合金元素との共晶,固溶体及び金属間化合物
が複雑に形成されている場合が多い。このような組織の
不均一性が陽極酸化時における皮膜の不均一性、すなわ
ち生成する皮膜の不健全性の主な原因となる。特にSi
粒子は、皮膜中に分散することによって黒色化を引き起
こすなど影響が大きい。なお、図中には最表面にある極
めて薄い自然酸化膜は省略している。
【0034】上記被処理材は、アセトン等による脱脂を
行った後、バイヤライト皮膜形成処理を施される。図1
(b)に示す様に、この処理は、純水中に浸漬して加熱
処理することにより、酸化アルミニウムの三水和物であ
るバイヤライト(Al23・3H2O)34を生成するも
のである。本実施例では脱脂をアセトン中で10分間超
音波洗浄により行い、乾燥後、バイヤライト皮膜形成処
理として比抵抗7MΩcmの超純水中に浸漬し、60℃で
30分間加熱処理した。バイヤライト皮膜形成処理後の
試料表面は若干の光沢を残しつつやや黒味を帯びた灰色
となった。
【0035】バイヤライト皮膜形成処理した後に施す陽
極酸化処理は、耐食性付与のため行うものである。本実
施例の陽極酸化条件は、15重量%硫酸溶液中、浴温2
5℃,電流密度2Adm-2で30分間電解とした。図1
(c)に示す様に、水洗,乾燥後に陽極酸化皮膜35の
膜厚を断面の直接観察により求めたところ、約10μm
であった。
【0036】陽極酸化処理後に更に比抵抗7MΩcmの純
水中で30分煮沸処理する封孔処理を行った。
【0037】陽極酸化処理後の表面の皮膜は酸化アルミ
ニウムであるが、その皮膜の中に若干の処理液のイオン
が含まれており、多孔質の皮膜となっている。そして、
その次の封孔処理によって穴の部分にアルミニウムの水
和物を有する皮膜が形成された。
【0038】本発明例を適用したADC12材表面を電
子顕微鏡で観察した結果、従来の陽極酸化のみでは空孔
率が約50体積%であるのに対し、本実施例では約半分
の25体積%以下となり、緻密な皮膜が形成されている
ことがわかった。
【0039】表3は本実施例の0.06 重量%塩化ナト
リウム溶液中における孔食電位の測定結果を示してい
る。比較例として、本実施例のバイヤライトに代えてベ
ーマイト処理を施したもの(比較例)、前処理無しで陽
極酸化のみのもの(比較例2)及び無処理のADC12
材(比較例3)についての結果も併せて示した。
【0040】
【表3】
【0041】孔食電位は、電位を正方向に掃引していっ
たときに孔食が起り始めた電位であり、数値が大きいほ
ど耐食性が良いことを示す。表3にみられるように、陽
極酸化のみ(−180mV)あるいはベーマイト処理後に
陽極酸化した場合(+400mV)と比較して、本開発
例では+710mVと著しく耐食性が向上していること
がわかる。
【0042】(実施例2)図2は、本発明の耐食性皮膜
処理を施した全自動洗濯機の断面図である。鋼板製で且
つ箱形の外枠1内には、吊り棒2及び防振ばね3によっ
てポリプロピレン等の合成樹脂製の外槽4が防振支持さ
れている。外槽4の側壁には、防振ばね3を介して吊り
棒2を係合するリブ4aが突設されている。
【0043】外槽4内には水平断面形状が略円形で且つ
ステンレス鋼板製の洗濯兼脱水槽5が設けられる。この
洗濯兼脱水槽5の上端縁には合成樹脂製の上部流体バラ
ンスリング6がねじにより取り付けられている。洗濯兼
脱水槽5の側壁には多数の脱水孔5aが設けられ、底部
内側の中央にはポリプロピレン等の合成樹脂で成形した
大形の回転翼7が設置され、回転翼7の周囲にはその外
周面を洗濯兼脱水槽5の内周面に当接して支えたポリプ
ロピレン等の合成樹脂製の中空リングに流体を封入した
下部流体バランスリング8が取り付けられる。
【0044】外槽4の上端には、外槽4と洗濯兼脱水槽
5の間の隙間に洗濯物が落下するのを防止するために、
合成樹脂製の槽カバー9が設けられる。
【0045】排水装置10は、外槽4の底部の外側に取
り付けられて外槽4の内側に連通した排水電磁弁11
と、排水電磁弁11に後続する排水ホース12を備え
る。排水ホース12は、外枠1の側壁下部に形成した穴
を通して枠外に伸長される。
【0046】外槽4の底部外側には、更に、駆動装置1
3を取り付ける鋼板製のセンターベース14が固定され
ており、該センターベース14には洗濯用モータ15と
クラッチ機構部16が固定される。洗濯用モータ15の
出力軸15aには駆動プーリ17が固定され、クラッチ
機構部16の入力軸16aには従動プーリ18が固定さ
れ、両プーリ17,18はベルト19によって連結され
る。クラッチ機構部16は、その内部に洗濯駆動と脱水
駆動を切り換えるクラッチや減速機構を備え、その2重
出力軸16bはセンターベース14及び外槽4を貫通し
て外槽4内に突出し、外側軸には洗濯兼脱水槽5が結合
され、内側軸には回転翼7が結合される。
【0047】外枠1の上端部には上面カバー20が取り
付けられ、該上面カバー20の中央部には衣類投入口2
0aが開口し、その手前側にはフロントパネルボックス
20bが形成され、後側にはリアパネルボックス20cが
形成される。衣類投入口20aは開閉蓋21で開閉自在に
覆われ、フロントパネルボックス20b内には制御装置
22が設置され、リアパネルボックス20c内には注水
口23に連なる給水電磁弁24が設置される。
【0048】洗濯兼脱水槽5は、図3に示すように、ス
テンレス鋼板製で円筒状の胴部5bの下端縁とステンレ
ス鋼板製で椀状の底部5cの上端縁をはぜ折り加締めに
より締結して構成されている。底部5cは、胴部5bと
結合される上端部が下部流体バランスリング8を嵌め込
む下部よりも大径となるような段付きに絞り加工され、
外側底面はねじ止めされたJIS規格のADC12のダ
イキャスト鋳物からなるフランジ5dによって補強さ
れ、前記クラッチ機構部16の2重出力軸16bの外側
軸が該フランジ5dに結合される。そして、この2重出
力軸16bの内側軸はフランジ5dと底部5cを貫通
し、その先端に回転翼7が結合される。この回転翼7
は、その裏側に下部流体バランスリング8にその外周が
微小間隙を介して包囲されて形成された洗濯水循環ポン
プ室内で回転する遠心羽根7aを備える。循環水路カバ
ー25は、洗濯兼脱水槽5の内壁面に上下方向に伸びる
ように取り付けられて糸屑除去循環水路25aを形成
し、その下端部は前記下部流体バランスリング8に形成
した狭窄部を跨いで洗濯水循環ポンプ室の吐き出し口に
受水口として開口し、上端に開口する吐出口には、糸屑
回収フィルタ26が設置される。
【0049】洗濯水循環ポンプ室内で回転する回転翼7
の遠心羽根7aは洗濯水循環ポンプ室内の洗濯水を加圧
して受水口に吐き出し、洗濯兼脱水槽5の下側の通水口
5eを通して外槽4内の洗濯水を吸い込むものである。
【0050】上述の構造において、本実施例ではフラン
ジ5dを実施例1に記載の方法と全く同様にバイヤライ
ト処理,陽極酸化処理及び封孔処理を順次行い、実施例
1と同様に空孔率25体積%以下の緻密な酸化皮膜を形
成した。得られた皮膜の特性もほぼ同様であった。
【0051】(実施例3)図4及び図5は、実施例2の
構造のフランジ5dの構造に代えて実施例1と同様の処
理を行ったフランジの平面図及び断面図である。
【0052】本実施で用いるバイヤライト皮膜形成処理
工程は、研掃処理工程等と比較して、被処理材の形状を
ほとんど問題にしない。本実施例の全自動洗濯機のフラ
ンジ36は洗濯槽固定用ボルト穴37及び中心穴38を
有するが、前述と同様の酸化皮膜を有するものである。
これらの形状,位置及び数等は用途に応じて適宜変更す
ることが可能である。
【0053】さらに、バイヤライト皮膜形成処理の温度
は、ベーマイト処理の80〜200℃と比較してはるか
に低い45〜75℃であるため、作業性にも優れてい
る。
【0054】本実施例ではAl−Cu−Si系合金のA
DC12に適用した例について示したが、同系合金のA
DC10,Al−Si系合金のADC1,Al−Si−
Mg系合金のADC3その他Siを7.5〜18 重量%
含むようなアルミダイカストに適用することができる。
【0055】また、本実施例の被処理材は、表面近傍の
チル層を有するが、チル層を持たない組織,チル層が極
微量表面に存在する組織又はこれらの組織が混在してい
るものでもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、低空孔で緻密な高耐食
性陽極酸化皮膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った皮膜の処理工程を示す概略図。
【図2】本発明の一実施例である全自動洗濯機の平面
図。
【図3】図2の全自動洗濯機フランジ近傍の拡大断面
図。
【図4】本発明の他の実施例のフランジの平面図。
【図5】図4のフランジの断面図。
【符号の説明】
5d…フランジ、32…ベース基板、33…チル層、3
4…バイヤライト皮膜、35…陽極酸化皮膜、37…ボ
ルト穴、38…中心穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06F 13/00 D06F 13/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si4.5〜18 重量%を含有するアルミ
    ダイカスト材の表面に、酸化アルミニウムを主体としか
    つ空孔率が30体積%以下である陽極酸化皮膜を有する
    ことを特徴とする高耐食性アルミダイカスト材。
  2. 【請求項2】Si4.5〜18 重量%を含有するアルミ
    ダイカスト材の表面に、アルミニウムの水和酸化物を主
    成分とする外層と該外層の内側に非晶質で多孔質のアル
    ミニウムの酸化物を主成分とする内層とを有することを
    特徴とする高耐食性アルミダイカスト材。
  3. 【請求項3】Si4.5〜18 重量%を含有するアルミ
    ダイカスト材表面に、酸化アルミニウムの三水和物であ
    るバイヤライト皮膜を形成する処理をした後、多孔質陽
    極酸化皮膜を形成する処理を施し、次いで封孔処理を行
    うことを特徴とする高耐食性アルミダイカスト材の陽極
    酸化方法。
  4. 【請求項4】前記バイヤライト皮膜を形成する処理が、
    比抵抗1MΩcm以上の純水中に浸漬して45〜75℃で
    5〜60分処理するものであることを特徴とする請求項
    3に記載の高耐食性アルミダイカスト材の陽極酸化方
    法。
  5. 【請求項5】前記陽極酸化処理が、硫酸,しゅう酸,り
    ん酸,クロム酸を少なくとも一種を含む水溶液中で、直
    流法,交流法,交直重畳法及び波形制御法のいずれかに
    よって行うものであることを特徴とする請求項3又は4
    に記載の高耐食性アルミダイカスト材の陽極酸化方法。
  6. 【請求項6】前記封孔処理が、沸騰水中に浸漬もしくは
    加圧水蒸気に接触処理するものであることを特徴とする
    請求項3〜5のいずれかに記載の高耐食性アルミダイカ
    スト材の陽極酸化方法。
  7. 【請求項7】脱水槽を支えるフランジを有し、該フラン
    ジがSi4.5〜18 重量%を含有するアルミダイカス
    ト材からなる全自動洗濯機であって、前記フランジ表面
    に酸化アルミニウムを主体としかつ空孔率が30体積%
    以下である陽極酸化皮膜を有することを特徴とする全自
    動洗濯機。
  8. 【請求項8】脱水槽を支えるフランジを有し、該フラン
    ジがSi4.5〜18 重量%を含有するアルミダイカス
    ト材からなる全自動洗濯機の製造法であって、前記フラ
    ンジ表面に酸化アルミニウムの三水和物であるバイヤラ
    イト皮膜を形成する処理をした後、多孔質陽極酸化皮膜
    を形成する処理を施し、次いで封孔処理を行うことを特
    徴とする全自動洗濯機の製造法。
  9. 【請求項9】アルミニウム又はアルミニウム合金部材を
    純水中に浸漬し、前記部材表面にバイヤライト皮膜を形
    成した後、電解質水溶液により陽極酸化処理を施すこと
    を特徴とする高耐食性アルミニウム材の陽極酸化方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記陽極酸化処理を
    施した後、封孔処理を施すことを特徴とする高耐食性ア
    ルミニウム材の陽極酸化方法。
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