JP2000212562A - 砂質水田土壌からの水稲への重金属吸収抑制方法 - Google Patents

砂質水田土壌からの水稲への重金属吸収抑制方法

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JP2000212562A
JP2000212562A JP11018120A JP1812099A JP2000212562A JP 2000212562 A JP2000212562 A JP 2000212562A JP 11018120 A JP11018120 A JP 11018120A JP 1812099 A JP1812099 A JP 1812099A JP 2000212562 A JP2000212562 A JP 2000212562A
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paddy
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absorption
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Mitsuo Honna
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保水性に乏しい砂質水田土壌中のカドミ
ウムの水稲への重金属吸収量を長期にわたって抑制でき
る方法を提供する。 【解決手段】 カドミウム吸収抑制資材として粒径5〜
10mmを30〜70重量%以上含むALCと炭酸カル
シウムを1:2〜2:1の割合で混合して、保水性に乏
しい砂質水田土壌に、500kg/10a〜5000k
g/10aの量で施用する。好ましくはALCを100
0〜3000kg/10a施用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌中のカドミウ
ムが水稲に吸収されるのを抑制して、水稲のカドミウム
汚染を防止する、保水性に乏しい砂質水田土壌からの水
稲への重金属吸収抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水稲栽培にあっては土壌中の重金
属、特にカドミウム(Cd)の水稲への吸収の防止が、
米の汚染防止の観点から望まれており、種々の方策が試
みられている。例えば、従来から石灰等のアルカリ資材
を土壌に施用し、土壌のpHを調整してカドミウムの吸
収を抑制することが試みられている。しかしながら、満
足のいくカドミウムの吸収抑制効果を得ることができな
かったり、アルカリ障害が生じて稲の生育が阻害される
といった不具合があり、特に、砂質水田土壌では十分に
実用化できる満足する抑制方法は見出されていない。
【0003】例えば、特開平1―133992号公報で
は、珪酸カルシウム水和物を主成分とする軽量気泡コン
クリート粉末、すなわち、ALC粉末を重金属吸収抑制
剤として10a(アール)当たり200kg程度施用す
ることが記載されている。しかしながら、この方法でも
吸収抑制効果を長期に渡って持続させることが難しく、
追肥が必要になったりするなどの問題点が残されてい
た。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その主たる目的は特に、保水性に乏しい砂質
水田土壌の稲におけるアルカリ障害の発生を防止しなが
ら、水稲中のカドミウム吸収抑制を長期に渡って持続で
きるようにした方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明の重金属吸収抑制方法は、(1)粒状重金
属吸収抑制資材としてALC(軽量気泡コンクリート粒
子)と炭酸カルシウムを1:2〜2:1の割合で混合し
て、保水性に乏しい砂質水田土壌に500kg/10a
〜5000kg/10aの量で、好ましくは1000k
g/10a〜3000kg/10a施用することを特徴
とする砂質水田土壌からの水稲への重金属吸収抑制方
法、(2)請求項1項記載において、粒径5〜10mm
の粒子を30〜70重量%を含むALCを施用すること
を特徴とする砂質水田土壌からの水稲への重金属吸収抑
制方法、(3)請求項1、2項記載において、さらにハ
スク(椰子殻)及びベントナイトを1種または2種を施
用することを特徴とする砂質水田土壌からの水稲への重
金属吸収抑制方法、(4)請求項1、2、3項記載にお
いて、pH6.5〜8.1に調整してなることを特徴と
する砂質水田土壌からの水稲への重金属吸収抑制方法で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を詳しく
説明する。本発明において、ALCとしてはオートクレ
ーブ処理された珪酸カルシウムを主体とする軽量硬化体
であれば良く、その原料、処理条件、比重などは特に限
定されるものではない。例えば、現在、国内ではALC
及びALCに類似したオートクレーブ処理により製造し
た珪酸カルシウムを主体とする軽量硬化体が製造されて
いるが、このうちのいずれのものであっても採用でき
る。また国内では市販のALCの絶乾比重0.45〜
0.55程度となっているが、これよりも多少外れても
よい。
【0007】本発明においては、ALCは、特に保水性
に乏しい砂質水田土壌で長期に渡ってCdの吸収を抑制
する観点から、粒径5mm以上のものが30重量%以上
であることが重要であり、このように粒径の大きなAL
Cを施用することにより、長期に渡ってCdの吸収を抑
制することができる。なお、ALCとしては、粒径5〜
10mmの粒子を30〜70重量%含むものが特に好ま
しい。
【0008】ALCの施用量は、10a当り500kg
〜5000kgとりわけ1000kg〜3000kgが
好ましい。
【0009】また、必要に応じて、さらにハスク(椰子
殻)及びベントナイトを1種または2種を施用するのが
好ましい。
【0010】本発明では、ALCと共に炭酸カルシウム
(炭カル)を施用しても良い。炭酸カルシウムとALC
の混合割合は1:2〜2:1が好ましい。ALCを単独
で施用すると、稲にアルカリ障害を生じさせるおそれが
あるが、炭酸カルシウムを併用することによりアルカリ
障害を回避することができる。
【0011】本発明の方法では、吸収抑制効果を長期に
渡って持続することができるから、カドミウム吸収抑制
資材の施用は、ある年に1回行うと、以降の数年間は行
う必要はない。資材の具体的な施用方法は、従来の通り
でよいが、少なくとも作土の深さ15cm程度のところ
までに施すのが好ましい。
【0012】ALC粒子及び珪酸カルシウム自体は稲の
カドミウム吸収抑制資材として、従来から施用が試みら
れているものであるが、従来の方法では、水田土壌10
a当たり多くとも500kg程度の施用量であり、この
量では吸収抑制効果を長期に渡って持続することはでき
なかった。一方、施用量を増大させると、稲のアルカリ
障害の発生が当然に予測されることから、施用量の増大
は現実的には困難と思われており、かかる試みは行われ
たことはなかった。しかし、本発明者がこれらの資材に
ついて鋭意試験研究を継続し、ALC粒子と炭酸カルシ
ウムを1:2〜2:1の割合で混合し、500kg/1
0a〜5000kg/10a、好ましくは1000kg
/10a〜3000kg/10aの量で施用したとこ
ろ、吸収抑制効果が増大することは勿論のこと、以外に
も、危惧されていたアルカリ障害も全く発生しないこと
を見出した。
【0013】では、アルカリ資材ならば種類、形態等を
問わないかとなると、稲作は半年の栽培期間があり、少
なくともその間、効果が持続されなければならないの
で、溶液を用いることは不適当で、粒子である必要があ
り、コストの観点からも石灰系が一般的である。しか
し、例えば、消石灰はpHを上昇させ、稲のアルカリ障
害を惹起する恐れがあり大量に施用することができな
い。このため、長い栽培期間の中でも最も重要な出穂期
以降に吸収抑制効果が薄らいでしまうという不具合があ
る。
【0014】
【実施例】<実施例1>以下、本発明を実施例及び比較
例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明に
よる稲のカドミウム吸収抑制効果を評価するために、本
発明の方法および比較方法によって同一の土壌について
ポット試験を行った。すなわち、先ず、ALCを破砕及
び分級して得た表1のA、Bに示す粒土分布のALCを
試験区1はALCを1000kg/10aと炭酸カルシ
ウム500kg/10aを施用した。また、試験区2か
ら6は、1000kg/10a〜5000kg/10
a、炭酸カルシウム1500kg/10a〜5000k
g/10aと変化させて施用したものである。結果は表
2に示す。
【0015】<実施例2>なお、試験区7はALCを表
1のAでALC3000kg/10a〜炭酸カルシウム
1500kg/10a、さらにハスク(椰子殻)を10
3/10aを施用したものである。結果は表2で見ら
れるようにpHも7.8であり、優れた特性を示してい
る。
【0016】<実施例3>試験区8はALCを表1のB
でALC3000kg/10a〜炭酸カルシウム150
0kg/10a、さらにベントナイト2000kg/1
0aを施用したものである。結果は表2で見られるよう
にpHも7.7であり、優れた特性を示している。
【0017】<比較例1>試験区9は比較例として本発
明の範囲から外れた粉末のALCを3000kg/10
a〜炭酸カルシウム1500kg/10aの施用したも
のである。結果は表2に示す如く、pHが8.3と高
く、本発明から外れたものとなっている。
【0018】<比較例2>試験区10は比較例として資
材を全く施用しない状態で本発明の範囲から外れたもの
である。結果は表2に示したようにpHは6.1であ
り、特性に劣ることが明らかである。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のカドミウム
吸収抑制方法によれば、長期にわたってCdの吸収を抑
制することができる。また、ALCは建築材料として生
産されているが、製造工程で大量の廃材が発生し埋め立
て等により処分しているが本発明によると、ALC廃材
を大量に再利用でき、資源のリサイクルにも寄与でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/10 C09K 17/10 H 17/32 17/32 H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状重金属吸収抑制資材としてALC
    (軽量気泡コンクリート粒子)と炭酸カルシウムを1:
    2〜2:1の割合で混合して、保水性に乏しい砂質水田
    土壌に500kg/10a〜5000kg/10aの量
    で施用することを特徴とする、砂質水田土壌からの水稲
    への重金属吸収抑制方法。
  2. 【請求項2】 請求項1項記載において、粒径5〜10
    mmの粒子を30〜70重量%を含むALCを施用する
    ことを特徴とする砂質水田土壌からの水稲への重金属吸
    収抑制方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2項記載において、さらにハ
    スク(椰子殻)及びベントナイトを1種または2種を施
    用することを特徴とする砂質水田土壌からの水稲への重
    金属吸収抑制方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3項記載において、pH
    6.5〜8.1に調整してなることを特徴とする砂質水
    田土壌からの水稲への重金属吸収抑制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002191230A (ja) * 2000-12-27 2002-07-09 Kureatera:Kk コンクリート破砕物からなる緑化資材
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CN103918517A (zh) * 2014-04-29 2014-07-16 湖南新金浩茶油股份有限公司 一种可降低大米中重金属含量的水稻种植方法
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CN106416860A (zh) * 2016-08-31 2017-02-22 合山市丰鑫农机专业合作社 可降低大米重金属含量的水稻种植方法
CN111213556A (zh) * 2020-02-10 2020-06-02 中南林业科技大学 一种用于中轻度镉污染土壤的水稻安全生产方法

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Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030902