JP2000211916A - 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法 - Google Patents

六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法

Info

Publication number
JP2000211916A
JP2000211916A JP11011311A JP1131199A JP2000211916A JP 2000211916 A JP2000211916 A JP 2000211916A JP 11011311 A JP11011311 A JP 11011311A JP 1131199 A JP1131199 A JP 1131199A JP 2000211916 A JP2000211916 A JP 2000211916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
hexafluorophosphate
fluoride
tetrafluoroborate
recovered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11011311A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunitaka Momota
邦堯 百田
Kentaro Matsuo
健太郎 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morita Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Morita Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morita Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Morita Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP11011311A priority Critical patent/JP2000211916A/ja
Publication of JP2000211916A publication Critical patent/JP2000211916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】一般式 MF……(A) (ただし、M=N
a, K, Rb, Cs または NH4)で表されるアルカリ金属の
フッ化物またはフッ化アンモニウムを主成分とする薬剤
を加えた後、蒸留または蒸発により有機溶剤を回収す
る。熱的・化学的に不安定な六フッ化リン酸リチウムを
(1)式に示される反応により、熱的・化学的に安定して
いる六フッ化リン酸塩とフッ化リチウムとして、また、
熱的・化学的に不安定な四フッ化ホウ酸リチウムを (2)
式に示される反応により、熱的・化学的に安定している
四フッ化ホウ酸塩とフッ化リチウムとして回収する。 LiPF6 + MF …… LiF + MPF6 (1) LiBF4 + MF …… LiF + MBF4 (2) 【効果】有機電解液中の六フッ化リン酸リチウムあるい
は四フッ化ホウ酸リチウムの有効な固定化処理方法を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現在リチウムイオ
ン電池用およびリチウム電池用として多量に使用されて
いる六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチ
ウムを含有する有機溶液中の六フッ化リン酸リチウムあ
るいは四フッ化ホウ酸リチウムの処理方法と有機溶剤の
処理方法に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、この処理により有機溶剤
を回収して有効に再利用できるようにすると共に、六フ
ッ化リン酸リチウムの場合には六フッ化リン酸塩とフッ
化リチウムとして、また、四フッ化ホウ酸リチウムの場
合には四フッ化ホウ酸塩とフッ化リチウムとして回収
し、回収した固形物を水あるいは熱水への溶解度の差を
利用して、さらには、これらの成分を分離することによ
り、これらの化合物を工業的に再利用する技術に関する
ものである。
【0003】
【従来の技術】リチウムイオン電池用およびリチウム電
池用の電解質としては、通常、γ−ブチロラクタム、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、テトラヒドロ
フラン、 1,2−ジメトキシエタン、 1,3−ジオキソラン
などの誘電率が高い溶剤または混合溶剤に、六フッ化リ
ン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを溶かし
た物が用いられている。
【0004】不要になったこれらの有機電解液の処理
は、通常、焼却処理される場合が多いが、含有せしめら
れている六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ
酸リチウムにより焼却炉の炉材の消耗が著しい。また、
この電解質中において六フッ化リン酸アニオンや四フッ
化ホウ酸アニオンは比較的安定しているが、水溶液系に
溶解している六フッ化リン酸アニオンを難溶性の塩とし
て固定する一般的な方法、例えば、四級アンモニウム塩
や四級ホスホニウム塩などの大きなカチオンを有する塩
類を加えて、溶解度が小さい六フッ化リン酸塩として回
収する方法では、それらの塩が有機溶剤に溶けやすいた
めに、多量の水で希釈した場合を除いてその処理が困難
である。
【0005】水に希釈したのち、強酸条件下で加水分解
することにより、リン酸とフッ酸、あるいはホウ酸とフ
ッ酸に変換し、消石灰などのカルシウム塩類を加えてフ
ッ化カルシウムとリン酸アパタイト、あるいは、ホウ酸
カルシウムとフッ化カルシウムとして固定できるが、多
量のスラッジの発生と共に有機溶剤を処理することがで
きない問題が残る。そのまま減圧蒸留により溶剤のみを
回収する方法も考えられるが、減圧蒸留中に熱的・化学
的に不安定な六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化
ホウ酸リチウムの分解が起こり、蒸留により留出した溶
剤中への5フッ化リンあるいは3フッ化ホウ素の混入
や、溶剤のポリマー化の問題を引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、各種の電子機器
の小型化およびポータブル化に伴い、小型で軽量な高い
エネルギー密度を有する電池の需要が急速に伸びてい
る。その代表がリチウム電池およびリチウムイオン二次
電池である。その電解液としてはγ−ブチロラクタム、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエ
チルカーボネート、ジメチルカーボネート、テトラヒド
ロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジオキソランな
どの有機混合溶剤に六フッ化リン酸リチウムあるいは四
フッ化ホウ酸リチウムを溶質として溶かした物が用いら
れている。
【0007】リチウム一次電池、リチウムイオン電池お
よび近い将来に商品化されるであろうリチウム二次電池
の需要の増加に伴い、不要になった六フッ化リン酸リチ
ウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する電解液
の処理、または廃棄されるリチウム電池およびリチウム
イオン電池中に含まれる六フッ化リン酸リチウムあるい
は四フッ化ホウ酸リチウムを含有する電解液の処理が社
会的に大きな問題となる。しかしながら、これに関する
有効な処理方法は、未だに確立できていない。
【0008】本発明は、リチウム電池用に使用されてい
る六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチ
ウムを含有する有機電解液、または電池スクラップ中の
有機電解液を有機溶剤にて洗い出した液などに対して、
有機溶剤の回収と六フッ化リン酸リチウムあるいは四フ
ッ化ホウ酸リチウムの有効な固定化処理方法を提供する
ことを目的とするものである。また、本発明は、この処
理により回収した有機溶剤および化合物を工業的に再利
用できる技術を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、六フッ化リ
ン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを含有す
る有機電解液、または廃棄されたリチウム電池およびリ
チウムイオン電池中に含まれる六フッ化リン酸リチウム
あるいは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機電解液
を有機溶剤で洗い出した溶液(本明細書においては、こ
れらを単に有機溶液と言うこともある)に、リチウム以
外のアルカリ金属フッ化物またはフッ化アンモニウムを
加えることにより、比較的高い温度でも六フッ化リン酸
アニオンあるいは四フッ化ホウ酸アニオンの分解を伴う
ことなく有機溶剤を留去し回収することができることを
見い出した。
【0010】さらに、有機電解液中の六フッ化リン酸リ
チウムを六フッ化リン酸塩とフッ化リチウムとして、ま
た、四フッ化ホウ酸リチウムを四フッ化ホウ酸塩とフッ
化リチウムとして固定できることを見いだした。これら
の固形物は、さらに、水あるいは熱水中での溶解度の差
を利用することにより、六フッ化リン酸塩あるいは四フ
ッ化ホウ酸塩とフッ化リチウムとアルカリ金属のフッ化
物またはフッ化アンモニウムとに分離することにより、
それぞれを再利用する技術も見い出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0011】すなわち、本発明では、不要になった六フ
ッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含
有する有機電解液の処理、あるいは、廃棄されたリチウ
ム電池およびリチウムイオン電池中に含まれる六フッ化
リン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを含有
する有機電解液の処理に関して、一般式 (A) MF……(A) (ただし、M=Na, K, Rb, Cs または N
H4)で表されるアルカリ金属のフッ化物またはフッ化ア
ンモニウムを主成分とする薬剤を加えたのち、常圧また
は減圧下で蒸留または蒸発により有機溶剤を留去させて
回収すると共に、熱的・化学的に不安定な六フッ化リン
酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを、六フッ
化リン酸リチウムの場合には (1)式に示される反応によ
り、六フッ化リン酸塩とフッ化リチウムとして、また、
四フッ化ホウ酸リチウムの場合には(2) 式に示される反
応により、四フッ化ホウ酸塩とフッ化リチウムとして LiPF6 + MF …… LiF + MPF6 (1) LiBF4 + MF …… LiF + MBF4 (2) 熱的・化学的に安定している固形物としてそれらが分解
を伴うことなく回収できることを見い出した。回収した
溶剤は、そのままでも用途によっては使用できるが、分
別蒸留などにより容易に精製することができる。
【0012】回収した固形物は、水を加えて加温する
か、あるいは、熱水を加えることにより水に難溶性のフ
ッ化リチウム以外のものを溶解させた後、ろ別により容
易にフッ化リチウムを回収できた。さらに、回収したろ
液を冷却することにより六フッ化リン酸塩あるいは四フ
ッ化ホウ酸塩の結晶を析出させ、ろ別により回収するこ
とができた。回収したフッ化リチウムと六フッ化リン酸
塩あるいは四フッ化ホウ酸塩は、そのままでも97%以上
の純度を有するが、さらに洗浄もしくは再結晶させるこ
とにより高純度化することができた。
【0013】本発明をさらに具体的に説明する。リチウ
ム電池用およびリチウムイオン電池用の電解質として
は、主として、非プロトン性の溶剤、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、 1,2-ジエトキシエタン、
ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクト
ン、テトラヒドロフランなどの混合溶剤に、六フッ化リ
ン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムを溶質と
して溶かした物が主として用いられている。
【0014】溶剤の種類や組み合わせは電池メーカーに
よりかなり異なるが、六フッ化リン酸リチウムまたは四
フッ化ホウ酸リチウムを十分に溶解させ得ること、六フ
ッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを安
定して保持すること、高い電気伝導度を有することなど
の条件から、電解液の基本的な特性や液性にはさほど差
はないようである。したがって、本発明は電解液の溶剤
の種類に関係なく、六フッ化リン酸リチウムあるいは四
フッ化ホウ酸リチウムを含有するすべての有機電解液、
または、有機電解液を有機溶剤により洗い出した溶液に
適用することができる。
【0015】六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化
ホウ酸リチウムを含有する有機電解液の代表的なものと
して、エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート
(1:1)混合溶剤に六フッ化リン酸リチウムを溶解さ
せて11.5wt%の溶液に調製したもの、これにイソプロピ
ルアルコールを加えて10倍に希釈した溶液、および、γ
−ブチロラクトン−テトラヒドロフラン(1:1)混合
溶剤に四フッ化ホウ酸リチウムを溶解させて10wt%の溶
液に調製したものの3種の有機電解液を例に挙げて、本
発明をさらに詳細に説明する。
【0016】まず、11.5wt%−六フッ化リン酸リチウム
を含有するエチレンカーボネート−ジエチルカーボネー
ト(1:1)溶液に対して水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、アンモニア、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ
ムまたはフッ化アンモニウムなどの無機化合物を加える
ことにより六フッ化リン酸アニオンの固定を試みたが、
いずれもうまく行かなかった。そこで、無機塩類を加え
た後、減圧蒸留により有機溶剤を留去させることにより
六フッ化リン酸アニオンあるいは四フッ化ホウ酸アニオ
ンを固定する方法を試みた。その結果、フッ化ナトリウ
ム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウ
ムなどのアルカリ金属のフッ化物とフッ化アンモニウム
について、六フッ化リン酸アニオンあるいは四フッ化ホ
ウ酸アニオンの分解を伴うことなく有機溶剤を完全に留
出することができた。
【0017】添加するアルカリ金属のフッ化物あるいは
フッ化アンモニウムの量は、六フッ化リン酸リチウムあ
るいは四フッ化ホウ酸リチウムの分解が抑制される量で
あれば十分であるが、後の回収処理を考えると、有機電
解液に含まれる六フッ化リン酸リチウムを前記 (1)式に
より完全にフッ化リチウムと六フッ化リン酸塩に、ま
た、有機電解液に含まれる四フッ化ホウ酸リチウムを前
記 (2)式により完全にフッ化リチウムと四フッ化ホウ酸
塩に変換させるためには、六フッ化リン酸リチウムある
いは四フッ化ホウ酸リチウムに対して0.8 から10.0倍当
量を添加するのが望ましい。それ以上加えても何ら問題
はないが、経済性に問題が残る。使用するアルカリ金属
のフッ化物あるいはフッ化アンモニウムは固体または濃
厚な水溶液のいずれの形態においても有効があるが、極
性の有機溶剤を再利用するという観点から、出来るだけ
水分の少ない物を使用することが望ましい。
【0018】有機溶剤の留去は、常圧下でも減圧下でも
別に問題はないが、エチレンカーボネートやプロピレン
カーボネートのような高沸点溶剤を含有する場合は、減
圧下で行うのが望ましい。有機溶剤を留去させることに
より得られる固形物は、フッ化リチウムと六フッ化リン
酸塩と余剰のアルカリ金属のフッ化物またはフッ化アン
モニウムの混合物であるか、あるいは、フッ化リチウム
と四フッ化ホウ酸塩と余剰のアルカリ金属のフッ化物ま
たはフッ化アンモニウムの混合物であり、これらの3成
分は水系で処理することによりそれぞれ高純度の化合物
として回収することができた。
【0019】以下、フッ化リチウムと六フッ化リン酸カ
リウムとフッ化カリウム系を例に挙げて、回収した固形
物の分離方法の詳細を述べる。回収した固形物(フッ化
リチウムと六フッ化リン酸カリウムとフッ化カリウム)
を、熱水に溶解させると溶解度の小さいフッ化リチウム
だけが固形物として存在する。このスラリー溶液を熱ろ
過−水洗することにより高純度のフッ化リチウムを回収
することができた。一方、六フッ化リン酸カリウムとフ
ッ化カリウムは熱ろ過したろ液に残るが、室温付近では
六フッ化リン酸カリウムとフッ化カリウムの溶解度の差
が大きいために、冷却すると六フッ化リン酸カリウムの
みが結晶として析出し、六フッ化リン酸カリウムはろ過
により容易に回収することができた。この純度は98%以
上であり、工業用の六フッ化リン酸カリウムとして十分
再利用できるものであった。
【0020】(比較例1)500ml フラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液 400g(六フ
ッ化リン酸リチウム46g含有)を入れ、8mmHg の減圧下
で加温して溶剤を留去させた。フラスコの内温が徐々に
上昇し、140 ℃に達した時点で流出物がなくなり、頭頂
部温が下がった。釜には赤褐色で水飴状の液体と白色の
固体が残っていた。留出物は少し赤みを帯びており、30
00ppm のフッ素を含有していた。
【0021】(実施例1)500ml フラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液 400g(六フ
ッ化リン酸リチウム46g含有)とフッ化カリウム35gを
入れ、8mmHg の減圧下で加温して溶剤を留去させた。フ
ラスコの内温が徐々に上昇し、130 ℃に達した時点で流
出物がなくなり、後に白色の固形物81gを得た。この固
形物はX線回折の結果、フッ化リチウム、六フッ化リン
酸カリウムおよびフッ化カリウムの混合物で六フッ化リ
ン酸リチウムを含んでいなかった。留出物は無色透明
で、フッ素含量は 30ppm以下であった。
【0022】(実施例2)500ml フラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液 400g(六フ
ッ化リン酸リチウム46g含有)とフッ化ナトリウム28g
を入れ、8mmHg の減圧下で加温して溶剤を留去させた。
フラスコの内温が徐々に上昇し、130 ℃に達した時点で
流出物がなくなり、後に白色の固形物74gを得た。この
固形物はX線回折の結果、フッ化リチウム、六フッ化リ
ン酸ナトリウムおよびフッ化ナトリウムの混合物で六フ
ッ化リン酸リチウムを含んでいなかった。留出物は無色
透明で、フッ素含量は 30ppm以下であった。
【0023】(実施例3)500ml フラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液 400g(六フ
ッ化リン酸リチウム46g含有)とフッ化ルビジウム38g
を入れ、8mmHg の減圧下で加温して溶剤を留去させた。
フラスコの内温が徐々に上昇し、130 ℃に達した時点で
流出物がなくなり、後に白色の固形物84gを得た。この
固形物はX線回折の結果、フッ化リチウム、六フッ化リ
ン酸ルビジウムおよびフッ化ルビジウムの混合物で六フ
ッ化リン酸リチウムを含んでいなかった。留出物は無色
透明で、フッ素含量は 30ppm以下であった。
【0024】(実施例4)500ml フラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液 400g(六フ
ッ化リン酸リチウム46g含有)とフッ化セシウム55gを
入れ、8mmHg の減圧下で加温して溶剤を留去させた。フ
ラスコの内温が徐々に上昇し、130 ℃に達した時点で流
出物がなくなり、後に白色の固形物 101gを得た。この
固形物はX線回折の結果、フッ化リチウム、六フッ化リ
ン酸セシウムおよびフッ化セシウムの混合物で六フッ化
リン酸リチウムを含んでいなかった。留出物は無色透明
で、フッ素含量は 30ppm以下であった。
【0025】(実施例5)500mlフラスコに10wt%の四
フッ化ホウ酸リチウムを含有するγ−ブチロラクトン−
テトラヒドロフラン(1:1)溶液 400g(四フッ化ホ
ウ酸リチウム40g含有)とフッ化カリウム49gを入れ、
10mmHgの減圧下で加温して溶剤を留去させた。フラスコ
の内温が徐々に上昇し、100 ℃に達した時点で流出物が
なくなり、後に白色の固形物89gを得た。この固形物は
X線回折の結果、フッ化リチウム、四フッ化ホウ酸カリ
ウムおよびフッ化カリウムの混合物で四フッ化ホウ酸リ
チウムを含んでいなかった。
【0026】(実施例6)500mlフラスコに10wt%の四
フッ化ホウ酸リチウムを含有するγ−ブチロラクトン−
テトラヒドロフラン(1:1)溶液 400g(四フッ化ホ
ウ酸リチウム40g含有)とフッ化アンモニウム31gを入
れ、10mmHgの減圧下で加温して溶剤を留去させた。フラ
スコの内温が徐々に上昇し、100 ℃に達した時点で流出
物がなくなり、後に白色の固形物71gを得た。この固形
物はX線回折の結果、フッ化リチウム、四フッ化ホウ酸
アンモニウムおよびフッ化アンモニウムの混合物で四フ
ッ化ホウ酸リチウムを含んでいなかった。
【0027】(実施例7)1000mlフラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液をイソプロパ
ノールで10倍に希釈した溶液 600g(六フッ化リン酸
リチウム 6.9g含有)とフッ化カリウム 3.2gを入れ、
大気圧下で加温して大部分のイソプロパノールを留去さ
せた後、 8mmHgの減圧下で加温して溶剤を留去させた。
フラスコの内温が徐々に上昇し、130℃に達した時点で
流出物がなくなり、後に白色の固形物10.5gを得た。こ
の固形物はX線回折の結果、フッ化リチウム、六フッ化
リン酸カリウムおよびフッ化カリウムの混合物で六フッ
化リン酸リチウムを含んでいなかった。留出物は無色透
明で、フッ素含量は 10ppm以下であった。
【0028】(実施例8)2000mlフラスコに11.5wt%の
六フッ化リン酸リチウムを含有するエチレンカーボネー
ト−ジエチルカーボネート(1:1)溶液1400g(六フ
ッ化リン酸リチウム161g含有)とフッ化カリウム 123
gを入れ、10mmHgの減圧下で加温して溶剤を留去させ
た。フラスコの内温が徐々に上昇し、140 ℃に達した時
点で流出物がなくなり、後に白色の固形物 285gを得
た。フラスコに熱水約1000mlを加え内容物中の六フッ化
リン酸カリウムとフッ化カリウムを溶解させてスラリー
状にした。そのまま熱ろ過を行い、不溶解物をろ別し
た。ろ別した不溶解物は水で軽く洗浄・乾燥させて純度
99%以上のフッ化リチウム26gを得た。ろ液はそのまま
室温まで放冷すると結晶が析出した。この結晶をろ別し
た後、乾燥させて純度98.5%の六フッ化リン酸カリウム
183gを得た。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜5に記載の処理方法によれ
ば、近い将来に大きな問題になると予想される、リチウ
ム電池およびリチウムイオン電池用に使用されている六
フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを
含有する有機電解液中の六フッ化リン酸リチウムあるい
は四フッ化ホウ酸リチウムの有用な処理方法を提供する
ことが出来るだけでなく、本処理により産業的に有用な
六フッ化リン酸塩または四フッ化ホウ酸塩とフッ化リチ
ウムと有機溶剤としてそれぞれを回収し、それぞれの再
利用を可能ならしめることができる。
【0030】特に、請求項2記載の処理方法によれば、
有機溶剤を蒸発・凝縮させることにより、不純物をほと
んど含まない溶剤として回収することができる。
【0031】請求項3記載の処理方法によれば、適量の
アルカリ金属フッ化物またはフッ化アンモニウムを用い
て、六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチ
ウムを含有する有機電解液中の六フッ化リン酸リチウム
あるいは四フッ化ホウ酸リチウムを、熱的・化学的に安
定している他の六フッ化リン酸塩あるいは四フッ化ホウ
酸塩として固定することができる。
【0032】請求項4記載の処理方法によれば、高純度
のフッ化リチウムを回収することができる。
【0033】請求項5記載の処理方法によれば、高純度
の六フッ化リン酸塩または四フッ化ホウ素酸塩を回収す
ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D076 AA12 AA13 AA22 AA24 BB01 BB13 BC01 CD22 EA03X EA04X EA12X EA14X FA03 FA04 FA12 FA18 FA22 GA10 HA03 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムイオン電池用およびリチウム電池
    用に使用されている六フッ化リン酸リチウムまたは四フ
    ッ化ホウ酸リチウム含有する有機溶液の処理において、
    一般式(A) MF……(A) (ただし、M=Na, K, Rb, Cs または N
    H4)で表されるアルカリ金属のフッ化物またはフッ化ア
    ンモニウムを主成分とする薬剤を加えた後、蒸留または
    蒸発により有機溶剤を回収すると共に、熱的・化学的に
    不安定な六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ
    酸リチウムを、六フッ化リン酸リチウムの場合には (1)
    式に示される反応により、熱的・化学的に安定している
    六フッ化リン酸塩とフッ化リチウムとして、また、四フ
    ッ化ホウ酸リチウムの場合には(2) 式に示される反応に
    より、四フッ化ホウ酸塩とフッ化リチウムとして LiPF6 + MF …… LiF + MPF6 (1) LiBF4 + MF …… LiF + MBF4 (2) 回収することを特徴とする有機溶液の処理方法。
  2. 【請求項2】蒸留または蒸発させた有機溶剤を凝縮させ
    ることにより回収することを特徴とする請求項1記載の
    有機溶液の処理方法。
  3. 【請求項3】有機溶液中に含まれる六フッ化リン酸リチ
    ウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムに対し、 0.8〜1
    0.0倍当量のアルカリ金属のフッ化物またはフッ化アン
    モニウムを主成分とする薬剤を用いることを特徴とする
    請求項1記載の有機溶液の処理方法。
  4. 【請求項4】回収した固形物に水を加えて加温するか、
    あるいは、熱水を加えることにより水に難溶性のフッ化
    リチウム以外のものを溶解させた後、ろ別によりフッ化
    リチウムを回収することを特徴とする請求項1記載の有
    機溶液の処理方法。
  5. 【請求項5】回収したろ液を冷却することにより六フッ
    化リン酸塩あるいは四フッ化ホウ酸塩の結晶を析出さ
    せ、ろ別により六フッ化リン酸塩あるいは四フッ化ホウ
    酸塩の結晶を回収することを特徴とする請求項4記載の
    有機溶液の処理方法。
JP11011311A 1999-01-20 1999-01-20 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法 Pending JP2000211916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11011311A JP2000211916A (ja) 1999-01-20 1999-01-20 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11011311A JP2000211916A (ja) 1999-01-20 1999-01-20 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000211916A true JP2000211916A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11774476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11011311A Pending JP2000211916A (ja) 1999-01-20 1999-01-20 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000211916A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104030310A (zh) * 2014-05-23 2014-09-10 中国海洋石油总公司 一种四氟硼酸锂的制备方法
CN108666645A (zh) * 2018-06-26 2018-10-16 中国科学院生态环境研究中心 一种废旧锂离子动力电池电极材料的绿色剥离方法
CN109354040A (zh) * 2018-09-17 2019-02-19 湖南鸿捷新材料有限公司 一种从锂电电解液中回收氟化锂的方法
CN110040739A (zh) * 2019-04-29 2019-07-23 上海如鲲新材料有限公司 一种四氟硼酸锂结晶颗粒的制备方法
CN112394166A (zh) * 2020-11-09 2021-02-23 广东希格生物科技有限公司 六氟磷酸盐在制备抑制elisa反应基质效应的制剂中的应用
WO2024073934A1 (zh) * 2022-10-08 2024-04-11 浙江省化工研究院有限公司 一种锂一次电池及其电解液

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104030310A (zh) * 2014-05-23 2014-09-10 中国海洋石油总公司 一种四氟硼酸锂的制备方法
CN104030310B (zh) * 2014-05-23 2015-11-25 中国海洋石油总公司 一种四氟硼酸锂的制备方法
CN108666645A (zh) * 2018-06-26 2018-10-16 中国科学院生态环境研究中心 一种废旧锂离子动力电池电极材料的绿色剥离方法
CN108666645B (zh) * 2018-06-26 2023-05-26 中国科学院生态环境研究中心 一种废旧锂离子动力电池电极材料的绿色剥离方法
CN109354040A (zh) * 2018-09-17 2019-02-19 湖南鸿捷新材料有限公司 一种从锂电电解液中回收氟化锂的方法
CN109354040B (zh) * 2018-09-17 2021-03-02 湖南鸿捷新材料有限公司 一种从锂电电解液中回收氟化锂的方法
CN110040739A (zh) * 2019-04-29 2019-07-23 上海如鲲新材料有限公司 一种四氟硼酸锂结晶颗粒的制备方法
CN112394166A (zh) * 2020-11-09 2021-02-23 广东希格生物科技有限公司 六氟磷酸盐在制备抑制elisa反应基质效应的制剂中的应用
WO2024073934A1 (zh) * 2022-10-08 2024-04-11 浙江省化工研究院有限公司 一种锂一次电池及其电解液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8470278B2 (en) Processes for production of phosphorus pentafluoride and hexafluorophosphates
JP4616925B2 (ja) ジフルオロリン酸塩の製造方法
JP2832644B2 (ja) リチウムヘキサフルオロホスフェートの製造法
US9059480B2 (en) Process for production hexafluorophosphates
US10511068B2 (en) Process for recovering an electrolyte salt
KR101614235B1 (ko) 디플루오로인산염의 제조방법
JP5687792B2 (ja) ジフルオロリン酸塩の製造方法
JP5715725B2 (ja) ジフルオロリン酸塩の精製方法
JP4560132B2 (ja) ジフルオロリン酸塩の製造方法
WO2015046211A1 (ja) フッ素含有電解液の処理方法
KR102396069B1 (ko) 리튬 비스옥살레이트 보레이트 및 이를 리튬 비스옥살레이트 보레이트를 고순도로 제조하는 방법
KR20200049164A (ko) 매우 효율적인 리튬 비스(플루오로술포닐)이미드의 새로운 제조방법
JP5793284B2 (ja) ジフルオロリン酸塩の製造方法
JP2000211916A (ja) 六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを含有する有機溶液の処理方法
JP2014001136A (ja) 五フッ化リン及び六フッ化リン酸塩の製造方法
JP3257774B2 (ja) 六フッ化リン酸リチウムを含有する有機電解液の処理方法
CN114314611A (zh) 一种氟代碳酸乙烯酯氟化反应后盐的回收循环利用的方法
JP5865314B2 (ja) 五フッ化リン及び六フッ化リン酸塩の製造方法
WO2024040906A1 (zh) 一种回收锂离子电池电解液的方法
KR20240064028A (ko) 리튬 비스(플루오로술포닐)이미드의 정제 방법
CN116282085A (zh) 一种六氟磷酸锂的制备方法
TWI540097B (zh) Preparation of Tetrafluoroborate

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040816