JP2000210963A - エネルギ―線照射型連続成形装置および繊維強化プラスチック板状成形体 - Google Patents

エネルギ―線照射型連続成形装置および繊維強化プラスチック板状成形体

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JP2000210963A
JP2000210963A JP1641499A JP1641499A JP2000210963A JP 2000210963 A JP2000210963 A JP 2000210963A JP 1641499 A JP1641499 A JP 1641499A JP 1641499 A JP1641499 A JP 1641499A JP 2000210963 A JP2000210963 A JP 2000210963A
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resin
beam irradiation
curing
fiber
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Noriya Hayashi
宣也 林
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRP板の製造において、繊維を密に含有し
て優れた強度等の特性を有する成形体を製造できるとと
もに、加工費等の費用が少なくて済み、短時間に容易に
成形体を製造できる装置および成形体材料を提供する。 【解決手段】 繊維材料に光重合性樹脂および光重合開
始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸
させる樹脂槽を有する前工程と、繊維材料を絞り相互に
密着させる加圧機構と、エネルギー線照射光源とを備え
たエネルギー線照射型連続成形装置、並びに、繊維材料
に光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有するエネル
ギー線硬化型樹脂組成物を含浸して光硬化させ、板状ま
たは波板状の単層構造もしくは多層構造を形成させた繊
維強化プラスチック板状成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線照射
型連続成形装置およびエネルギー線硬化型繊維強化プラ
スチック板状成形体に関し、さらに詳しくは、繊維強化
プラスチック(FRP)や炭素繊維強化プラスチック
(CFRP:以下、FRPに含めて記載する場合があ
る。)による板状体の連続成形方法・装置において、エ
ネルギー線照射を用いる成形装置、およびエネルギー線
照射による硬化作用により製造されるFRP板状成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPとは、連続繊維からなる繊維強化
型プラスティックであり、硬さはセラミック並で、金属
並の強度があり、重さは金属材料の約1/8程度であ
る。弾性率は鉄の約3〜4倍程度と優れる。このような
FRPあるいはCFRP(炭素繊維強化型プラスチッ
ク)においては、その断面積中にどれだけ繊維を密に詰
めることができるかが、従来からの重要な研究課題であ
った。一般に、FRPを構成する樹脂と繊維とでは、そ
の強度において大きな差があり、繊維の強度が圧倒的に
大きい。よって、樹脂の性能が向上したとしても、強度
やその他の性能については、繊維自体の性能が製品に影
響するので、繊維をどれだけ密に含有できるかによっ
て、その性能が決定されることになる。すなわち、繊維
の本数がそのFRPの強度となるのである。したがっ
て、単純に繊維の割合が強度を決定するので、繊維だけ
でできれば強度には優れるが、板状等の成形体の形状に
はならないので、相互の繊維を接着させる意味からも樹
脂が必要である。そして、FRPに用いる繊維の織り
方、撚り方によっても、いろいろな種類があり、例えば
クロス(布)では幅8m位のものを用いることも可能で
あり、仮設用の板等に利用できる。
【0003】このようなFRPについては、従来からF
RP板及ぴCFRP板の連続成形方法や装置が存在して
いたが、マトリクス樹脂には熱硬化樹脂を使用し、硬化
には加熱炉を用いて熱硬化させていた。しかしながら、
このような従来の方法では、マトリクス樹脂には熱硬化
樹脂を使用しているため、硬化には加熱工程および加熱
炉が必要不可欠であり、以下のような問題点があった。 加熱工程に時間がかかり、材料費や加工費が高価であ
り、連続成形をしても利点を生かしきれない。 一般に、設備(加熱炉)が大型で費用および場所を必要
とする。 エネルギー効率が悪く、ランニングコストが高い。 熱硬化型マトリクス樹脂のため、加熱時の粘度変化に
より含浸状態の保持が困難であり、残留溶媒でボイドの
発生等の問題が生じてしまう。
【0004】すなわち、FRPの製造では材料費や加工
費が高くなってしまっていた。例えば、材料費だけで
も、高価なものでは1m2で3〜6万円ぐらいの費用がか
かる。さらにその作製、加工費には、材料費の約10倍
程度かかる場合もある。そして、FRPでは、高密度に
繊維を充填した高性能な成形体を造るほど、たとえ板状
等の単純な形状の製品であったとしても、材料の約8倍
程度の加工費がかかってしまう。低密度の加工費の安い
製品でも、約5割程度は加工費として必要である。この
ことから、加工費が少なくて済むような成形体を開発す
ることが待望されており、それによれば製品も安く提供
できる。
【0005】FRPにおいて加工費が高いのは、その加
工に以下のような作業や設備が必要とされるからであ
る。FRPの加工作業では、繊維と樹脂とに完全な形状
を付与して、圧力を相当に加えた状態で、そのままの状
態がスッポリ入る炉に入れて、炉の温度を約10分に一
度上昇する程度に、ゆっくり温調していかなければなら
ない。つまり、瀬戸物を良く焼くときのような煩雑な作
業の繰り返しが必要である。ここで、急激に温度を上昇
させてしまうと、繊維が密に詰まらずに、得られるFR
P成形体が粗密な製品になってしまう。したがって、高
密度のFRPを製造するには、徐々に温度上昇させてい
くような、慎重な温度制御が必要になっていた。
【0006】また、大きな形状の成形体を作製するよう
な場合、例えば大きな飛行機の翼部分をFRP材料で作
製する場合であれば、その翼部分が完全に入るような、
大きな炉の設備が必要になる。このような場合には、炉
の中の温度に分布があると、翼(製品)の強度が場所に
よって不均一になってしまう。したがって、成形体を均
一に硬化させるには、温度分布が一定になるような特別
な炉の設備を用いなければならなかった。
【0007】一方、加工費に抑えて、コストダウンを図
る目的からは、連続的に製造することができる設備が有
効である。連続的にパネルを成形する方法は、従来から
知られており、先ず硬化させる硬化性樹脂組成物を調合
する。次いで、先の樹脂組成物をマット(厚みのある不
織布、単繊維を混ぜ合わせたもの)、あるいはクロス
(織物)等に含浸させた後必要に応じて積層し板状とす
る。クロスは強度に優れるが、一般には加工費かかる。
マットは、通常、接着されているだけで繊維が織られて
いない為、繊維が抜ける場合等があるために強度がクロ
スには及ばないが、加工費は安い。
【0008】他方、近年、UV硬化樹脂に代表されるエネ
ルギー線硬化樹脂は様々な分野・用途に使用されている
が、かかる樹脂は一定量以上のエネルギー線が照射され
た部位のみを硬化する。そして、UVに代表されるエネ
ルギー線は、樹脂を透過する過程で減衰するので樹脂の
深部まで到達し難いか、あるいはエネルギー線と同等の
波長を吸収する物質等によって減衰や吸収が大きい等の
特性を有する。従って、光硬化樹脂は、エネルギー線の
到達する表層数μm〜mmのみしか硬化せず、深部は未硬
化のため厚肉材への適用が困難か又は不可能という問
題、また、エネルギー線の透過障害となるフィラー等を
含有する樹脂の場合、容易に硬化阻害が発生し硬化不能
に陥るという問題等を有していた。これらのことから、
利用範囲もフォトレジスト、コーティング、塗料、接着
剤、ワニス等の分野に限定されていた。かかる問題点の
解決策の代表的な例としては、高UV硬化性樹脂(三菱レ
イヨン株式会社、活性エネルギー線硬化性組成物、特開
平8-283388号公報)やUV・加熱併用硬化型樹脂(旭電化工
業株式会社:オプトマーKSシリーズ、日立化成工業株式
会社:ラデキュア、東洋紡績:UE樹脂、特公昭61-38023号
公報等)等がある。
【0009】しかしながら、高UV硬化性樹脂は、フィラ
ー等によりエネルギー線がブロックされた場合、硬化不
能に陥るという問題点は依然として残っていた。また、
UV照射後加熱するUV・加熱併用型樹脂は、エネルギー線
による硬化能力は従来の光硬化樹脂レベルであり、厚肉
硬化やフィラー含有硬化の問題点は何等解決されておら
ず、かかる問題点には光硬化後(表層のみ)に行う加熱に
よる熱硬化で対応しており、かかる問題点を解決できて
いないのが現状であった。仮に、上述のエネルギー線遮
蔽性物質を含有したりエネルギー線の減衰、吸収が大き
い厚肉の樹脂を迅速に硬化出来る技術が確立できた場
合、従来利用分野だけでなく、かかる光硬化樹脂の問題
点によりこれまで適用不可能だった様々な他分野への適
用が可能であるが、その1つとして熱硬化性あるいは熱
可塑性樹脂が大部分を占めるFRP、特にCFRP用マトリク
ス樹脂が挙げられる。FRP特にCFRPを成形する場
合の問題点としては、温度制御が複雑で硬化に長時間を
要するため加工コストが高いこと、大型FRPを硬化させ
る際には大型の加熱炉を必要とすること、常温下で短時
間に硬化可能な樹脂の場合は成形に長時間を要する大型
FRPに使用できないこと、樹脂粘度の温度変化により樹
脂含浸状態が変化し、成形が困難であること、残留溶剤
により樹脂硬化時にボイドが発生し成形晶の品質が低下
すること等がある。
【0010】最近、かかる問題点の解決策としてマトリ
クス樹脂への光硬化樹脂の利用が注目されている。かか
るマトリクス樹脂硬化方法の代表的な例としては、特に
ロックタイトコーポレイションのUV硬化と加熱硬化を併
用したフィラメントワインディング成形法(ロックタイ
トコーポレイション、繊維/樹脂組成物及びその調製
法、特表平7-507836号公報)を挙げることができる。し
かしながら、かかる組成物を用いたFRPの成形法は、樹
脂を含浸した未硬化のFRPにUVを照射して表面を硬化並
びに内部を極度に増粘(ゲル化)させ、形状並びに含浸状
態の保持をある程度可能とさせた後、加熱により完全に
硬化させるものである。従って、従来の勲可塑性あるい
は熱硬化性樹脂による製造方法と比較して樹脂粘度の温
度変化が極めて微小で且つ含浸後のハンドリングが容易
であるが、完全硬化には加熱硬化過程が必要であるた
め、加熱硬化に要する光熱費や作業時間等による加工コ
ストの問題や硬化完了に長時間を要する問題、更に大型
FRPの成形には大型の加熱炉が必要な点などは未解決で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、FRP板の製造において、繊維を密に含有
して優れた強度等の特性を有する成形体を製造できると
ともに、加工費等の費用が少なくて済み、短時間に容易
に成形体を製造できる装置および成形体材料を開発すべ
く、鋭意検討した。その結果、本発明者らは、エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物を、繊維材料に含浸させて硬化す
る新しい方法および装置によって、かかる問題点が解決
されることを見い出した。本発明は、かかる見地より完
成されたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、繊
維材料に光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有する
エネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させる樹脂槽(前
工程)と、繊維材料を絞り(絞り作用)相互に密着(密
着作用)させる加圧機構と、エネルギー線照射光源と、
を備えたことを特徴とするエネルギー線照射型連続成形
装置を提供するものである。ここで、上記加圧機構は、
ベルトタイプ(キャタピラータイプ:楕円状)からなる
機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおい
て凸凹があること、あるいは、該ベルトが走行方向に間
隔をおいて凸凹がなく平坦であることが好ましい。ま
た、上記加圧機構は、円状のロールタイプからなる機構
であるとともに、該ロールの表面に凸凹があること、あ
るいは、該ロールの表面に凸凹がなく平坦であることが
好ましい。さらに、上記エネルギー線照射光源として
は、加圧機構による第一の加圧と第二の加圧との間でエ
ネルギー線を照射するように設けられている態様(圧力
→光源→圧力:ベルト間硬化タイプ)、加圧機構による
加圧と同時にエネルギー線を照射するように設けられて
いる態様(例えば光源内蔵加圧機構:同時硬化タイ
プ)、若しくは、加圧機構による加圧後にエネルギー線
を照射するように設けられている態様(圧力→光源:時
間差硬化タイプ)などが挙げられる。
【0013】そして、本発明の連続成形装置では、上記
樹脂槽を並列や直列に複数連結させた装置、または、加
圧機構やエネルギー線照射光源を直列に複数連結させた
装置等が、特に、多層構造からなる成形体を製造する場
合などには好適に用いられる。また、樹脂組成物へのエ
ネルギー線の照射前に、樹脂槽または加圧機構のいずれ
かの部分に、予熱機構を設けることも好ましい。
【0014】本発明は、繊維材料もしくは少なくとも2
以上の形状を有する繊維材料に、光重合性樹脂および光
重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物
を含浸して光硬化させ、板状または波板状の単層もしく
は多層構造を形成させた繊維強化プラスチック板状成形
体をも提供するものである。
【0015】上記のような本発明によれば、紫外線(U
V)、電子線(EB)、赤外線、熱線、レーザー光線(エキシ
マ、アルゴン、CO2等)可視光線、太陽光線、X線等に代
表されるエネルギー線により、樹脂組成物中のエネルギ
ー線を遮蔽する遮蔽物質(エネルギー線遮蔽物質)の有無
に関わらず、板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物
をFRP特にCFRPのマトリクス樹脂として用いることで、
強化繊維の種類や板厚に関係なくFRP又はCFRPのエネル
ギー線硬化を可能にし、この特徴を生かして連続成形を
可能にして、従来技術にないFRP板及ぴCFRP板の連続成
形性、易成形性、短時閥成形、生産性向上、低加工コス
ト化、低設備費、低ランニングコスト化等を可能にす
る。そして、これらを可能にするための本発明に用いら
れる硬化型樹脂組成物としては、エネルギーを付与又は
エネルギー線を照射した際、これらとは別に硬化に有効
なエネルギーを樹脂内部に自己発生させる樹脂組成物、
更に硬化に有効なエネルギーを樹脂内部に連続的に自己
発生させる樹脂組成物、これら硬化に有効なエネルギー
として熱エネルギーを樹脂内部に自己発生或いは連続的
に自己発生させる樹脂組成物、これら熱エネルギーとし
て硬化反応熱を積極的に発生或いは連鎖反応的に硬化反
応させて連続的に自己発生させる樹脂組成物、これら一
連の硬化反応に、カチオン、ラジカル、アニオンを利用
する樹脂組成物、樹脂内部にカチオンと硬化反応熱を積
極的に発生或いは連続的に自己発生させる樹脂組成物等
が挙げられる。以下、本発明について、詳細に説明す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、FRP板連続成形装置
において、エネルギー線硬化タイプの成形装置等を提供
する。本発明によれば、成形時間が著しく短縮され、コ
スト的にも安く、優れた強度等を有するFRP板・CF
RP板が得られる。また、工場の装置が小型化(コンパ
クト化)でき、ランニングコストも安い。そして、本発
明の好ましい実施の形態によれば、波板,平板あるいは
ハニカム形状の板等が任意の選択により成形できる(図
2参照)。以下、本発明の繊維強化プラスチック成型体
の製造方法とともに、本発明の成形装置について説明す
る。
【0017】実施の形態(その1) 図1に、本発明の成形装置の好ましい実施の形態を模式
的に示す。図1では、供給ロール(ボビン)3から、ク
ロス,マットまたはテープ等の連続繊維材料を引き取
り、該繊維材料を樹脂5で満たされた樹脂槽4中に通
す。なお、樹脂槽4に含浸させる方法の他、樹脂5を上
側もしくは下側から噴き付ける方法等も採用できる。こ
れらの工程を経た複数枚のクロス等の繊維材料を、プレ
ス手前でロールにより重ね合わせて、厚さを調整して一
緒にする。この複数枚のクロス等の繊維材料を、加圧機
構およびエネルギー線(UV光,可視光等)照射光源に
通して、硬化させる。そして、必要に応じて、連続的に
硬化工程を経ることも可能である。
【0018】複数枚のクロス等を重ねる場合、供給ロー
ル3や樹脂槽4は必要なだけ直列あるいは並列に並べる
こともできる。但し、糸についても通すことが可能であ
るが、その場合には、糸を樹脂で固めて板状にするより
はむしろ、繊維材料の補強材として、成形体の強度を各
方向について増加させるために用いる。
【0019】得られる成形体が、図2(a)のような平
板材を製造する際には、図1のような配置そのままで良
い。図2(b)のような波板材を製造する場合には、ベ
ルトロールプレス1の部分を、凸凹状(歯状)のものに
置き換えて用いれば良い。また、図2(c)のようなハ
ニカム接合板を製造する場合には、先ず波状板を製造
し、次いで上下から平板になる布材および樹脂組成物を
加えて一緒にロールプレス1を通す。このように、波板
材の上下に布状のものを通して、上下からプレスして成
形すれば、ハニカム形状が成形される(図3参照)。こ
の際、第2段目のロールプレス1で押しつけられても、
第1段目のロールプレス1で波状が強固にできあがって
いるので、波状が歪むことはない。
【0020】図3において、成形体の引き抜きは、引き
抜き装置10によって行われる。ここで、加圧の際にお
いてもクロス等にはテンションがかけられている。加工
するクロス等へのテンションは、引き抜き装置10によ
る引っ張り具合によっても十分加えることが可能である
が、例えば、入り口側のロールプレス1の回転と、出口
側のテンションロール8の回転とを異なる回転速度と
し、出口側のロール8を速く回転させることにより、ク
ロス等にはより十分なテンションが加えられる。
【0021】図2に示されるような各形状のうち、製造
できるハニカム状(c)のものは、そのものでも製品で
あるが、さらに、最終光源で硬化させる前に、他のプレ
スロールで製造された波状、平状の板等と組み合わせ
て、より多層構造を有する成形体(d)にしても良い。
但し、このような多層構造からなる繊維強化プラスチッ
ク成形体を得る場合には、図3の第1段目では、波状等
をしっかり固定する必要があるため、第2段目に至る前
に、光源2a等で十分に硬化させておく必要がある。
【0022】本発明のエネルギー線硬化型連続成形装置
では、加圧機構およびエネルギー線照射光源のそれぞれ
が硬化に際し重要な役割を有しているとともに、両者の
配置等が硬化条件にも大きな影響を与える。以下、加圧
機構およびエネルギー線照射光源について説明する。成
形体として厚い板状のFRPやCFRPを造りたい場合
には、プレスにベルトロールを用いる。ベルトロールと
は、図1に示されるように、キャタピラー状(楕円状)
ロールであって、このベルトは走行方向に間隔をおいて
凹凸のない平らのもの、あるいは凹凸のある歯状のもの
を適宜用いることができる。
【0023】ベルトロールタイプのプレスが好ましく用
いられるのは、複数枚のクロス等に一定の圧力を加えた
いことの他、走行方向に一定の距離を稼ぎたいことから
使用される。すなわち、複数枚のクロス(布)等を1つ
にするような場合には、板圧と密着度を上げる必要があ
るが、一瞬圧力を加えるだけでは密着度は上がらず、圧
力を加えるためには、ある程度の距離が必要である。よ
って、成形体に厚みを持たせたいような場合には、ベル
トロールが好適に用いられる。図1のようなベルトロー
ルプレス1を用いた加圧機構では、1つ目のロールプレ
ス1aで圧力(第一の加圧)をかけた状態を作り、2つ
目のロールプレス1bとの間にはテンションがかけられ
ているので、その間ではロールプレスを離れてもクロス
等が解放されてしまうことはなく、圧力がかけられたの
と同じ状態が維持される。その第一の加圧であるロール
プレス1aと、第二の加圧であるのロールプレス1bと
の間で、エネルギー線(UV光等)を照射することによ
って、圧力が加えられた状態で、樹脂組成物を含んだク
ロス等を硬化させることができる。
【0024】一般的に、光硬化の際には、テンションを
かけておくのが好ましいが、硬化の際には樹脂が膨張し
始めるので、温度も上昇する。したがって、硬化後もあ
る程度の圧力を加えることが好ましく、その点からも、
ロールプレス1a,1b間で硬化させるのが好ましい。
また、プレス間でエネルギー線を照射できない場合に
は、ロール等で一旦圧力をかけた後に、エネルギー線
(UV光等)を照射することが必要である。これは、樹
脂槽4を通ったクロス等は、樹脂5を必要以上に含有し
ており、それを硬化させて密な成形体を造るには、樹脂
が少ない状態にした後に硬化させなければならない。よ
って、エネルギー線照射前に、ロールプレスによって余
分な樹脂を排除し、樹脂を絞ることが必要となる。逆
に、エネルギー線照射後に、ロールプレスを行っても余
分な樹脂を取り除くのは困難であり、本発明で目的とす
るような密な成形体を得ることは難しい。
【0025】これに対して、ロールによる加圧機構の後
に照射する場合には、ロール後にクロス等の解放はあっ
ても、既に余分な樹脂が取り除かれているので、テンシ
ョンはなくても、含有する樹脂自体の密着力によって、
複数のクロス等も接着しており、照射までにその形状は
維持できる。例えば、ベルトプレスである程度の距離で
圧力を加えれば、仮に、瞬時に圧力から解放されてしま
っても、しばらくの間、複数のクロス等はほぼ完全に接
着している。
【0026】一方、成形体として薄い板状のFRPやC
FRPを一枚造りたい場合には、上記ベルトロールプレ
スを用いる必要は無く、その場合は、図4のような単に
2つの円形ロール6の間を通過するようなものであって
もよく、コスト的に有利である。そして、この形態で
は、ロール面7(例えば波状等)をメッシュ状等の光が
透過するような状態にしておけば、円形ロール6の内側
からエネルギー線(UV光等)を照射することもでき
る。上記ような場合には、図4に例示するようにエネル
ギー線照射光源(例えばUV光源)は、円形ロール6の
中央部分に設置することができる。これによれば、円形
ロール6で圧力をかけた状態で、そのままUV照射して
硬化させることができる。但し、成形体が厚い板状にな
る等、圧力を負荷する必要性が高い場合には、ベルトロ
ールプレスを用いるのが好ましく、上記円形ロール6を
用いる場合は、余分の樹脂を除去してクロス等を硬化さ
せるのに有効に用いられる。
【0027】本発明のエネルギー線硬化型連続成形装置
としては、種々の応用形態が考えられるが、例えば図5
に示すような大型のFRP成形体製造装置にも、好適に
利用でき、これらの装置に用いることで成形時間やライ
ンの長さ等を短縮できる。このような態様においても、
先ず、前工程としてクロス等への樹脂組成物の含浸工程
の後、硬化処理工程(付形工程)で温度および圧力を調
整して、樹脂組成物を含む複数のクロス等に形状を付与
して、硬化させる。次いで、後硬化処理工程で温度を調
整し、熱の歪みを解放して取り除くために、ポストキュ
アーする。この際、成形したとき以上の熱を加えること
が好ましい。最後に、切断工程を経て、得られた成形体
を検査する。図5のように、実際のラインはかなり大き
なものであったが、その理由の1つとして、樹脂を硬化
させるには、温度を急激には上げられないので、徐々に
温度を上昇させていたからである。これらの大型設備に
本発明の装置機構を用いれば、設備が小型化されて、費
用と場所を最小限に留めることができる。
【0028】実施の形態(その2) 本発明のエネルギー線硬化型連続成形装置は、樹脂組成
物を含浸させる樹脂槽(前工程)と、絞り作用および密
着作用がある加圧機構と、エネルギー線(例えば、U
V、可視光)照射光源と、を装置である。ここで、本発
明では、上記実施の形態(その1)のような構成が好ま
しい一例であるが、上記前工程および加圧工程には、強
度に優れた繊維材料が密なFRP成形体を得るという本
発明の目的の範囲内で、幾つかの他の機構も適用でき
る。
【0029】具体的には、例えばエネルギー線の照射前
の樹脂槽または加圧機構のいずれかの部分に、予熱機構
を設け、予熱温度が硬化開始近傍にまで達していれば、
硬化・成形に有利であり、好ましい態様の1つである。
予熱機構を使用する場合には、樹脂槽を含む前工程では
例えば送りのガイド部分等、加圧機構では例えばベルト
ロールやその他のロール部分等に、予めある程度、予備
加熱しておくことが好ましい。例えば、ベルトロールを
用いる場合には、予めベルトロールをヒーター9で加熱
しておくことができるが、このように硬化前に、予熱レ
ベルの温調を行うことにより、効率的に成形が可能であ
る。成形過程における予熱は、ロール等を予熱しておい
ても良いし、樹脂組成物やクロス等自体を予熱しておい
ても良い。例えば、樹脂含浸槽に予熱機構を設けて、予
め一定温度に温度調節した樹脂組成物を、マトリクス樹
脂として含浸させることも有効である。
【0030】本発明で用いられる樹脂系は、連鎖反応型
なので、熱を加えると、樹脂組成物自体が発熱して、徐
々に硬化していく傾向にある。最初に、エネルギー線を
照射すると、エネルギー照射量(ジュール)は積算され
るので、そこは反応(硬化)して、樹脂の温度は上昇し
ていく。そして、一定の温度を超えると、熱硬化(パタ
ーン)樹脂自体の反応になるので、硬化速度が変化する
のである。すなわち、第一に、予熱をしておくというこ
とは、一定の温度に達っして熱硬化するまでの時間を短
縮できる利点がある。硬化が始まる前(熱反応する前)
の時間を短くできるので、硬化反応を迅速に開始でき
る。また、第二に、成形の周囲の温度が上昇していれ
ば、樹脂組成物が硬化して、樹脂自体がエネルギーを自
己発生して熱を発する際に、すぐに、周囲をさらなる一
定の温度にまで熱することができ、硬化時間そのものが
極端に短くなる。そして、硬化が始まった後(熱硬化反
応開始後)の時間も短くでき、硬化反応を迅速に進行さ
せられる。
【0031】予熱温度としては、下記実施の形態(その
3)の樹脂組成物では、しきい値が約100℃(80〜
120℃)程度なので、これより低い温度である必要が
ある。但し、この温度に近い範囲では、摩擦等によって
も、ある程度の熱がでるために、装置内で硬化が開始し
てしまうおそれがあり、これらを回避するには、通常約
60℃程度の予熱が好ましい。
【0032】実施の形態(その3) 本発明の繊維強化プラスチック成形体は、繊維材料に、
光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有する樹脂組成
物を配合して光硬化させ、板状または波板状の単層また
は多層構造を形成させたことを特徴とする。本発明の成
形体の組成比は、特に限定されるものではないが、強化
繊維含有率が高いほど高強度かつ高弾性の成形体が得ら
れるため、通常、強化繊維40体積%以上、可能であれ
ば60体積%以上の割合で含まれることが好ましい。例
えば、炭素繊維材料60体積%に対して、樹脂組成物4
0%の割合において、エネルギー線照射により硬化して
成形体となる。これに対し、樹脂組成物が20体積%未
満では、樹脂がもつ特有の連鎖反応が発生しにくい、樹
脂含有量が繊維細密充填時以下となりボイド等を含むよ
うになる等により、迅速かつ確実な硬化が困難となり良
好な成形体を得難くなるため好ましくない。上述したよ
うに、上記組成比の範囲内においては、繊維の組成比を
多くした場合、得られる成形体は強度が極めて高くな
り、一方、樹脂を多く配合した場合、軟らかくなる。こ
こでは先ず、本発明の成形体に含まれる樹脂組成物につ
いて説明する。
【0033】本発明で用いられる樹脂組成物(連鎖硬化
樹脂)には、カチオン系光重合開始剤系および光重合性
樹脂が含まれる。ここで、光重合性樹脂はオリゴマーと
も表現されるが、特に、カチオン系光重合性ポリマー又
は光重合性エポキシポリマーの適用が好ましい。この種
の光重合性ポリマーの具体例としては、脂環式エポキ
シ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオ
レフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル
アクリレート、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
また、上記光重合性樹脂には、カチオン系光重合性モノ
マーや光重合性エポキシモノマーが含まれていてもよ
く、そのような光重合性モノマーの具体例としてはエポ
キシモノマー、アクリルモノマー、ビニルエーテル、環
状エ一テル等が挙げられる。そして、上記具体例の中で
も光重合性樹脂としては、光重合性脂環式エポキシポリ
マーや光重合性脂環式エポキシモノマーを含有すること
が好ましく、光重合性脂環式ポリマーとしては、特に脂
環式エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
トが好ましい。
【0034】また、上記光重合開始剤系には、少なくと
も2成分からなる光重合開始剤が用いられ、光重合開始
剤としては、カチオン系光・熱重合開始剤又はカチオン
系光重合開始剤が含まれる。そして、具体的には、カチ
オン系光重合開始剤としてアリール系スルホニウム塩タ
イプ(トリアリールスルホニウム塩等の光開始剤)の少な
くとも一種と、カチオン系光・熱重合開始剤としてスル
ホニウム塩の少なくとも一種と、を含む少なくとも2成
分からなる光重合開始剤系が好適に用いられる。
【0035】本発明における樹脂組成物の好ましい混合
比は、光重合性樹脂(光重合性のオリゴマーやモノマ
ー)100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光
重合開始剤系(反応触媒系)成分が0.5〜6.0重量部、より
好ましくは1.5〜3.5重量部で、且つ、光重合開始剤系成
分を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比
が1〜4、より好ましくは1.3〜3.5である。少なくとも2
成分からなる光重合開始剤の割合が0.5重量部未満で
は、その光重合開始の効果が殆どなく、全体に対する量
が少ないためそのものが機能しにくい。一方、6.0重量
部を超えても光硬化機能そのものは変わらず、コストの
面等からも6.0重量部以下が好ましい。また、カチオン
系光・熱重合開始剤/カチオン系光重合開始剤の重量比
が1より小さいと、硬化初期の発熱が得られにくく、本
発明の特徴である硬化機能が発揮しにくいため樹脂表面
のみの硬化となりので好ましくない。一方、この重量比
が4を超えると硬化特性、特にその発熱特性が異常に高
まるため急激な発熱硬化により樹脂が発泡するという問
題が生じて好ましくない。
【0036】樹脂組成物の混合パターンとしては、本発
明の範囲内であれば特に限定されることなく用いられる
が、具体的には、以下のような硬化性樹脂混合物が好ま
しい態様として挙げられる(〜)。これらは、いず
れも本発明の好ましい実施の形態であり、容易かつ迅速
に硬化するという特性を有しており、本発明で用いられ
る樹脂組成物の基本形である。
【0037】セロキサイド2021P(ダイセル化学工業
(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチ
ル−3,4一エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)10
0重量部に対し、サンエイドSI-80L(三新化学(株)製:カ
チオン系光・熱重合開始剤)1.75重量部、DAICAT11(ダイ
セル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール
系スルホニウム塩)0.75重量部を混合したもの、 セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式
エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチル−3,4一エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート)50重量部に対
し、エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製:ビスフ
ェノールA型エポキシ)50重量部、サンエイドSI-80L(三
新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.75重量
部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重
合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を混合
したもの、
【0038】セロキサイド2021P(ダイセル化学工業
(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)10
0重量部に対し、サンエイドSI-80L(三新化学(株)製:カ
チオン系光・熱重合開始剤)1.50重量部、DAICAT11(ダイ
セル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール
系スルホニウム塩)0.50重量部、4,4'−ビス[ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスル
フィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート0.50重
量部、2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート0.50重量部を混合したもの、な
どが好適な組成物に挙げられる。
【0039】上記の樹脂組成物に硬化可能な範囲で添加
することのできる添加剤としては、エネルギー線遮蔽性
物質〔例えば無機フィラー、金属粉等の遮断性物質〕、
及び各種フィラー、有機成分、光増感剤、反応性希釈
剤、先鋭感剤等慣用される添加剤を一種以上添加するこ
とができる。
【0040】上述した組成からなる本発明の成形体は、
上記樹脂組成物を含有しているので、熱または光によっ
て硬化し、あるいは熱および光の両方によっても硬化す
る。硬化に際しては、連鎖反応型であり、外部からのエ
ネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別の
エネルギーによって硬化が進行する。したがって、エネ
ルギー線の照射の仕方によって、硬化の仕方の変化して
くるが、従来の熱硬化型の組成物に比較すると格段に速
く硬化が進行する。また、エネルギー線照射の際に熱を
与えれば(例えば120℃程度)、さらに容易に硬化を
制御することができる。
【0041】硬化条件として、具体的には、光源、時間
等が変化する。樹脂組成物に対し、エネルギー線を照射
する際には、硬化時の加熱条件を適宜最適な条件に変更
できる。また、硬化前に、樹脂組成物を予備加熱してお
き、その後、エネルギー線を照射して成形することも可
能である。予備加熱した場合には、より短時間(通常の
約1/2〜2/3)で硬化可能となる利点がある。エネルギー
線として、紫外光(UV)を用いて照射を実施の際、例
えば以下のような必要条件を満たすことにより、UV照
射による硬化ができる。 硬化条件: ランプ種類:メタルハライドランプ、 ランプ強度:12
0W/cm ランプ長:250mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・
室温・大気圧 照射距離:20cm、 照射時間:5分間[5分間で硬
化完了]
【0042】本発明の成形体においては、上記樹脂組成
物が、繊維材料自体または繊維材料からなる少なくとも
2以上の形状を有する多層構造に配合されて、エネルギ
ー線照射によって硬化されたものである。単層構造の成
形体としては、上記実施の形態(その1)の成形装置に
よって製造される板状または波板状のものが挙げられ
る。
【0043】多層構造の成形体としては幾つかの種類が
あり、例えば平坦な板状体および凹凸のある波状体を構
成要素として複数形状から構成される多層構造や、マッ
ト材およびクロス材を構成要素として材料自体が異なっ
て構成される多層構造の場合などがある。ここで、マッ
ト材を大きく中心に設置して、その周囲(外層)をクロ
ス材で覆うような態様は、コスト的にも有利であり、好
ましい態様の一例である。また、図2(d)のような多
層構造の場合には、最外層に化粧した板状体等を配置す
ることにより、良好な外観の成形体が得られ、そのよう
な場合にはコーティング層を有することとなる。そし
て、本発明の成形体は、密に繊維材料が充填されるの
で、極めて優れた強度等の物性を有し、また、上記成形
装置を用いることにより連続成形等も可能なので、コス
ト的にも有利である。
【0044】
【発明の効果】本発明は、FRP板及ぴCFRP板マト
リクス樹脂に、エネルギー線により樹脂組成物中のエネ
ルギー線遮蔽物質の有無に関わらず硬化可能で板厚の厚
いものでも硬化可能な樹脂組成物は熱硬化樹脂を使用
し、エネルギー線により硬化させることで、従来のよう
な加熱工程および加熱炉が不用となり、以下のような問
題点も解決する。 加熱工程が不用で且つ短時間(数分レベル)で硬化可能
であり、連続成形の利点を最大にいかせ、FRP板およ
びCFRP板の成形体の生産性が著しく向上する。 エネルギー線照射(UVランプ等)設備が小型であ
り、費用と場所を最小限に留めることができる。 エネルギー効率が良く、ランニングコストが安い。 エネルギー線硬化のため含浸状態の保持が容易で溶媒
を使用しない。等の優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る連続成形装置の好ましい
実施の形態を表す模式図である。
【図2】図2は、本発明の装置により得られるFRP成
形体の好ましい形態の例を模式的に表す図であり、
(a)平板,(b)波板,(c)ハニカム形状,(d)
複合形状(多層構造の一例)の場合を表す。
【図3】図3は、ハニカム形状からなるFRP板状成形
体を製造する場合におけるエネルギー線照射型連続成形
装置の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の連続成形装置において使用で
きる円形ロールを用いた加圧機構を表す模式図である。
【図5】図5は、FRP板状体の大型連続成形装置の一
例を表す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ベルトロールプレス 2 UV光源 3 供給ロール 4 樹脂槽 5 樹脂 6 円形ロール 7 ロール面 8 テンションロール 9 ヒーター 10 引き抜き装置 11 製品引き抜き搬送装置 12 煙突
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:08 105:22 B29L 7:00 31:60 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B BA01 BA02 BA10A BA10B DD12A DD12B DG04A DG04B DG06A DG06B DG11A DG11B DH02A DH02B EJ081 EJ191 EJ521 EJ82A EJ82B EJ821 EK01 EK03 JB14A JB14B JL02 4F203 AA39 AA44 AB04 AD16 AG02 AG04 DA03 DB02 DC07 DC08 DE16 DF01 DF02 4F204 AA39 AA44 AB04 AD16 AG02 AG04 FA06 FA11 FA18 FB02 FF01 FQ40 FW34

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料に光重合性樹脂および光重合開
    始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸
    させる樹脂槽と、繊維材料を絞り相互に密着させる加圧
    機構と、エネルギー線照射光源と、を備えたことを特徴
    とするエネルギー線照射型連続成形装置。
  2. 【請求項2】 上記加圧機構が、ベルトタイプからなる
    機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおい
    て凸凹があることを特徴とする請求項1記載のエネルギ
    ー線照射型連続成形装置。
  3. 【請求項3】 上記加圧機構が、ベルトタイプからなる
    機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおい
    て凸凹がなく平坦であることを特徴とする請求項1記載
    のエネルギー線照射型連続成形装置。
  4. 【請求項4】 上記加圧機構が、円状のロールタイプか
    らなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹があ
    ることを特徴とする請求項1記載のエネルギー線照射型
    連続成形装置。
  5. 【請求項5】 上記加圧機構が、円状のロールタイプか
    らなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹がな
    く平坦であることを特徴とする請求項1記載のエネルギ
    ー線照射型連続成形装置。
  6. 【請求項6】 上記エネルギー線照射光源が、加圧機構
    による第一の加圧と第二の加圧との間でエネルギー線を
    照射するように設けられていることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載のエネルギー線照射型連続成形
    装置。
  7. 【請求項7】 上記エネルギー線照射光源が、加圧機構
    による加圧と同時にエネルギー線を照射するように設け
    られていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のエネルギー線照射型連続成形装置。
  8. 【請求項8】 上記エネルギー線照射光源が、加圧機構
    による加圧後にエネルギー線を照射するように設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のエネルギー線照射型連続成形装置。
  9. 【請求項9】 樹脂組成物への光の照射前に、樹脂槽ま
    たは加圧機構のいずれかの部分に、予熱機構を設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエネル
    ギー線照射型連続成形装置。
  10. 【請求項10】 繊維材料に、光重合性樹脂および光重
    合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を
    含浸して光硬化させ、板状または波板状の単層構造を形
    成させたことを特徴とする繊維強化プラスチック板状成
    形体。
  11. 【請求項11】 少なくとも2以上の形状を有する繊維
    材料に、光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有する
    エネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸して光硬化させ、
    板状または波板状の多層構造を形成させたことを特徴と
    する繊維強化プラスチック板状成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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