JP4295742B2 - 繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法 Download PDF

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本発明は、繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法に関する。
FRPとは、連続繊維からなる繊維強化型プラスチックであり、硬さはセラミック並で、金属並の強度があり、重さは金属材料の約1/8程度である。弾性率は鉄の約3〜4倍程度と優れる。このようなFRPあるいはCFRP(炭素繊維強化型プラスチック)においては、その断面積中にどれだけ繊維を密に詰めることができるかが、従来からの重要な研究課題であった。一般に、FRPを構成する樹脂と繊維とでは、その強度において大きな差があり、繊維の強度が圧倒的に大きい。よって、樹脂の性能が向上したとしても、強度やその他の性能については、繊維自体の性能が製品に影響するので、繊維をどれだけ密に含有できるかによって、その性能が決定されることになる。すなわち、繊維の本数がそのFRPの強度となるのである。したがって、単純に繊維の割合が強度を決定するので、繊維だけでできれば強度には優れるが、板状等の成形体の形状にはならないので、相互の繊維を接着させる意味からも樹脂が必要である。そして、FRPに用いる繊維の織り方、撚り方によっても、いろいろな種類があり、例えばクロス(布)では幅8m位のものを用いることも可能であり、仮設用の板等に利用できる。
このようなFRPについては、従来からFRP板及びCFRP板の連続成形方法や装置が存在していたが、マトリクス樹脂には熱硬化樹脂を使用し、硬化には加熱炉を用いて熱硬化させていた。しかしながら、このような従来の方法では、マトリクス樹脂には熱硬化樹脂を使用しているため、硬化には加熱工程及び加熱炉が必要不可欠であり、以下のような問題点があった。
加熱工程に時間がかかり、材料費や加工費が高価であり、連続成形をしても利点を生かしきれない。
一般に、設備(加熱炉)が大型で費用及び場所を必要とする。
エネルギー効率が悪く、ランニングコストが高い。
熱硬化型マトリクス樹脂のため、加熱時の粘度変化により含浸状態の保持が困難であり、残留溶媒でボイドの発生等の問題が生じてしまう。
すなわち、FRPの製造では材料費や加工費が高くなってしまっていた。例えば、材料費だけでも、高価なものでは1m2で3〜6万円ぐらいの費用がかかる。さらにその作製、加工費には、材料費の約10倍程度かかる場合もある。そして、FRPでは、高密度に繊維を充填した高性能な成形体を造るほど、たとえ板状等の単純な形状の製品であったとしても、材料の約8倍程度の加工費がかかってしまう。低密度の加工費の安い製品でも、約5割程度は加工費として必要である。このことから、加工費が少なくて済むような成形体を開発することが待望されており、それによれば製品も安く提供できる。
FRPにおいて加工費が高いのは、その加工に以下のような作業や設備が必要とされるからである。FRPの加工作業では、繊維と樹脂とに完全な形状を付与して、圧力を相当に加えた状態で、そのままの状態がスッポリ入る炉に入れて、炉の温度を約10分に一度上昇する程度に、ゆっくり温調していかなければならない。つまり、瀬戸物を良く焼くときのような煩雑な作業の繰り返しが必要である。ここで、急激に温度を上昇させてしまうと、繊維が密に詰まらずに、得られるFRP成形体が粗密な製品になってしまう。したがって、高密度のFRPを製造するには、徐々に温度上昇させていくような、慎重な温度制御が必要になっていた。
また、大きな形状の成形体を作製するような場合、例えば大きな飛行機の翼部分をFRP材料で作製する場合であれば、その翼部分が完全に入るような、大きな炉の設備が必要になる。このような場合には、炉の中の温度に分布があると、翼(製品)の強度が場所によって不均一になってしまう。したがって、成形体を均一に硬化させるには、温度分布が一定になるような特別な炉の設備を用いなければならなかった。
一方、加工費に抑えて、コストダウンを図る目的からは、連続的に製造することができる設備が有効である。連続的にパネルを成形する方法は、従来から知られており、先ず硬化させる硬化性樹脂組成物を調合する。次いで、先の樹脂組成物をマット(厚みのある不織布、単繊維を混ぜ合わせたもの)、あるいはクロス(織物)等に含浸させた後必要に応じて積層し板状とする。クロスは強度に優れるが、一般には加工費かかる。マットは、通常、接着されているだけで繊維が織られていない為、繊維が抜ける場合等があるために強度がクロスには及ばないが、加工費は安い。
他方、近年、UV硬化樹脂に代表されるエネルギー線硬化樹脂は様々な分野・用途に使用されているが、かかる樹脂は一定量以上のエネルギー線が照射された部位のみを硬化する。そして、UVに代表されるエネルギー線は、樹脂を透過する過程で減衰するので樹脂の深部まで到達し難いか、あるいはエネルギー線と同等の波長を吸収する物質等によって減衰や吸収が大きい等の特性を有する。従って、光硬化樹脂は、エネルギー線の到達する表層数μm〜mmのみしか硬化せず、深部は未硬化のため厚肉材への適用が困難か又は不可能という問題、また、エネルギー線の透過障害となるフィラー等を含有する樹脂の場合、容易に硬化阻害が発生し硬化不能に陥るという問題等を有していた。これらのことから、利用範囲もフォトレジスト、コーティング、塗料、接着剤、ワニス等の分野に限定されていた。かかる問題点の解決策の代表的な例としては、高UV硬化性樹脂(三菱レイヨン株式会社、活性エネルギー線硬化性組成物、特開平8−283388号公報:特許文献1)やUV・加熱併用硬化型樹脂(旭電化工業株式会社:オプトマーKSシリーズ、日立化成工業株式会社:ラデキュア、東洋紡績:UE樹脂、特公昭61−38023号公報等)等がある。
しかしながら、高UV硬化性樹脂は、フィラー等によりエネルギー線がブロックされた場合、硬化不能に陥るという問題点は依然として残っていた。また、UV照射後加熱するUV・加熱併用型樹脂は、エネルギー線による硬化能力は従来の光硬化樹脂レベルであり、厚肉硬化やフィラー含有硬化の問題点は何等解決されておらず、かかる問題点には光硬化後(表層のみ)に行う加熱による熱硬化で対応しており、かかる問題点を解決できていないのが現状であった。仮に、上述のエネルギー線遮蔽性物質を含有したりエネルギー線の減衰、吸収が大きい厚肉の樹脂を迅速に硬化出来る技術が確立できた場合、従来利用分野だけでなく、かかる光硬化樹脂の問題点によりこれまで適用不可能だった様々な他分野への適用が可能であるが、その1つとして熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂が大部分を占めるFRP、特にCFRP用マトリクス樹脂が挙げられる。FRP特にCFRPを成形する場合の問題点としては、温度制御が複雑で硬化に長時間を要するため加工コストが高いこと、大型FRPを硬化させる際には大型の加熱炉を必要とすること、常温下で短時間に硬化可能な樹脂の場合は成形に長時間を要する大型FRPに使用できないこと、樹脂粘度の温度変化により樹脂含浸状態が変化し、成形が困難であること、残留溶剤により樹脂硬化時にボイドが発生し成形晶の品質が低下すること等がある。
最近、かかる問題点の解決策としてマトリクス樹脂への光硬化樹脂の利用が注目されている。かかるマトリクス樹脂硬化方法の代表的な例としては、特にロックタイトコーポレイションのUV硬化と加熱硬化を併用したフィラメントワインディング成形法(ロックタイトコーポレイション、繊維/樹脂組成物及びその調製法、特表平7−507836号公報:特許文献2)を挙げることができる。しかしながら、かかる組成物を用いたFRPの成形法は、樹脂を含浸した未硬化のFRPにUVを照射して表面を硬化並びに内部を極度に増粘(ゲル化)させ、形状並びに含浸状態の保持をある程度可能とさせた後、加熱により完全に硬化させるものである。従って、従来の勲可塑性あるいは熱硬化性樹脂による製造方法と比較して樹脂粘度の温度変化が極めて微小で且つ含浸後のハンドリングが容易であるが、完全硬化には加熱硬化過程が必要であるため、加熱硬化に要する光熱費や作業時間等による加工コストの問題や硬化完了に長時間を要する問題、更に大型FRPの成形には大型の加熱炉が必要な点などは未解決である。
特開平8−283388号公報 特表平7−507836号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、FRP板の製造において、繊維を密に含有して優れた強度等の特性を有する成形体を製造できるとともに、加工費等の費用が少なくて済み、短時間に容易に成形体を製造できるようにすることについて鋭意検討した。その結果、本発明者らは、適切な重合開始剤を含むエネルギー線硬化型樹脂組成物を、繊維材料に含浸させて硬化させ、かかる問題点が解決されることを見い出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法は、樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、ここで、上記加圧機構による第1の加圧と第2の加圧との間において該繊維材料にテンションをかけ、上記第1の加圧と第2の加圧との間で、該繊維材料に圧力が加えられた状態で、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法は、別の形態で、樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、該加圧機構による繊維材料の加圧と同時に、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする。
またさらに、本発明に係る繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法は、さらに別の形態で、樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、該加圧機構による繊維材料の加圧の後に、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする。
上記加圧機構として、ベルトタイプからなる機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおいて凸凹がある加圧機構を用いることができる。
また、上記加圧機構として、ベルトタイプからなる機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおいて凸凹がなく平坦である加圧機構を用いることもできる。
さらに、上記加圧機構として、円状のロールタイプからなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹がある加圧機構を用いることもできる。
またさらに、上記加圧機構として、円状のロールタイプからなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹がなく平坦である加圧機構を用いることもできる。
そして、樹脂組成物への光の照射前に、上記樹脂槽または上記加圧機構のいずれかの部分に、予熱機構により予熱を行うこともできる。
本発明によれば、繊維材料もしくは少なくとも2以上の形状を有する繊維材料に、光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸して光硬化させ、板状または波板状の単層もしくは多層構造を形成させた繊維強化プラスチック板状成形体を得ることができる。
本発明によれば、樹脂組成物中のエネルギー線を遮蔽する遮蔽物質(エネルギー線遮蔽物質)の有無に関わらず、板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物をFRP特にCFRPのマトリクス樹脂として用いることで、強化繊維の種類や板厚に関係なくFRP又はCFRPのエネルギー線硬化を可能にし、この特徴を生かして連続成形を可能にして、従来技術にないFRP板及びCFRP板の連続成形性、易成形性、短時閥成形、生産性向上、低加工コスト化、低設備費、低ランニングコスト化等を可能にする。
本発明によれば、FRP板の製造において、繊維を密に含有して優れた強度等の特性を有する成形体を製造できるとともに、加工費等の費用が少なくて済み、短時間に容易に成形体を製造できるようにした繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法が提供される。
以下に、本発明に係る繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
本発明によれば、成形時間が著しく短縮され、コスト的にも安く、優れた強度等を有するFRP板・CFRP板が得られる。また、工場の装置が小型化(コンパクト化)でき、ランニングコストも安い。そして、本発明の好ましい実施の形態によれば、波板,平板あるいはハニカム形状の板等が任意の選択により成形できる(図2参照)。以下、本発明の繊維強化プラスチック成型体の製造方法について説明する。
実施の形態(その1)
図1に、本発明で用いる成形装置の好ましい実施の形態を模式的に示す。図1では、供給ロール(ボビン)3から、クロス,マットまたはテープ等の連続繊維材料を引き取り、該繊維材料を樹脂5で満たされた樹脂槽4中に通す。なお、樹脂槽4に含浸させる方法の他、樹脂5を上側もしくは下側から噴き付ける方法等も採用できる。これらの工程を経た複数枚のクロス等の繊維材料を、プレス手前でロールにより重ね合わせて、厚さを調整して一緒にする。この複数枚のクロス等の繊維材料を、加圧機構及びエネルギー線(UV光,可視光等)照射光源に通して、硬化させる。そして、必要に応じて、連続的に硬化工程を経ることも可能である。
複数枚のクロス等を重ねる場合、供給ロール3や樹脂槽4は必要なだけ直列あるいは並列に並べることもできる。但し、糸についても通すことが可能であるが、その場合には、糸を樹脂で固めて板状にするよりはむしろ、繊維材料の補強材として、成形体の強度を各方向について増加させるために用いる。
得られる成形体が、図2(a)のような平板材を製造する際には、図1のような配置そのままで良い。図2(b)のような波板材を製造する場合には、ベルトロールプレス1の部分を、凸凹状(歯状)のものに置き換えて用いれば良い。また、図2(c)のようなハニカム接合板を製造する場合には、先ず波状板を製造し、次いで上下から平板になる布材及び樹脂組成物を加えて一緒にロールプレス1を通す。このように、波板材の上下に布状のものを通して、上下からプレスして成形すれば、ハニカム形状が成形される(図3参照)。この際、第2段目のロールプレス1で押しつけられても、第1段目のロールプレス1で波状が強固にできあがっているので、波状が歪むことはない。
図3において、成形体の引き抜きは、引き抜き装置10によって行われる。ここで、加圧の際においてもクロス等にはテンションがかけられている。加工するクロス等へのテンションは、引き抜き装置10による引っ張り具合によっても十分加えることが可能であるが、例えば、入り口側のロールプレス1の回転と、出口側のテンションロール8の回転とを異なる回転速度とし、出口側のロール8を速く回転させることにより、クロス等にはより十分なテンションが加えられる。
図2に示されるような各形状のうち、製造できるハニカム状(c)のものは、そのものでも製品であるが、さらに、最終光源で硬化させる前に、他のプレスロールで製造された波状、平状の板等と組み合わせて、より多層構造を有する成形体(d)にしても良い。但し、このような多層構造からなる繊維強化プラスチック成形体を得る場合には、図3の第1段目では、波状等をしっかり固定する必要があるため、第2段目に至る前に、光源2a等で十分に硬化させておく必要がある。
本発明で使用されるエネルギー線硬化型連続成形装置では、加圧機構及びエネルギー線照射光源のそれぞれが硬化に際し重要な役割を有しているとともに、両者の配置等が硬化条件にも大きな影響を与える。以下、加圧機構及びエネルギー線照射光源について説明する。成形体として厚い板状のFRPやCFRPを造りたい場合には、プレスにベルトロールを用いる。ベルトロールとは、図1に示されるように、キャタピラー状(楕円状)ロールであって、このベルトは走行方向に間隔をおいて凹凸のない平らのもの、あるいは凹凸のある歯状のものを適宜用いることができる。
ベルトロールタイプのプレスが好ましく用いられるのは、複数枚のクロス等に一定の圧力を加えたいことの他、走行方向に一定の距離を稼ぎたいことから使用される。すなわち、複数枚のクロス(布)等を1つにするような場合には、板圧と密着度を上げる必要があるが、一瞬圧力を加えるだけでは密着度は上がらず、圧力を加えるためには、ある程度の距離が必要である。よって、成形体に厚みを持たせたいような場合には、ベルトロールが好適に用いられる。図1のようなベルトロールプレス1を用いた加圧機構では、1つ目のロールプレス1aで圧力(第一の加圧)をかけた状態を作り、2つ目のロールプレス1bとの間にはテンションがかけられているので、その間ではロールプレスを離れてもクロス等が解放されてしまうことはなく、圧力がかけられたのと同じ状態が維持される。その第一の加圧であるロールプレス1aと、第二の加圧であるのロールプレス1bとの間で、エネルギー線(UV光等)を照射することによって、圧力が加えられた状態で、樹脂組成物を含んだクロス等を硬化させることができる。
一般的に、光硬化の際には、テンションをかけておくのが好ましいが、硬化の際には樹脂が膨張し始めるので、温度も上昇する。したがって、硬化後もある程度の圧力を加えることが好ましく、その点からも、ロールプレス1a,1b間で硬化させるのが好ましい。また、プレス間でエネルギー線を照射できない場合には、ロール等で一旦圧力をかけた後に、エネルギー線(UV光等)を照射することが必要である。これは、樹脂槽4を通ったクロス等は、樹脂5を必要以上に含有しており、それを硬化させて密な成形体を造るには、樹脂が少ない状態にした後に硬化させなければならない。よって、エネルギー線照射前に、ロールプレスによって余分な樹脂を排除し、樹脂を絞ることが必要となる。逆に、エネルギー線照射後に、ロールプレスを行っても余分な樹脂を取り除くのは困難であり、本発明で目的とするような密な成形体を得ることは難しい。
これに対して、ロールによる加圧機構の後に照射する場合には、ロール後にクロス等の解放はあっても、既に余分な樹脂が取り除かれているので、テンションはなくても、含有する樹脂自体の密着力によって、複数のクロス等も接着しており、照射までにその形状は維持できる。例えば、ベルトプレスである程度の距離で圧力を加えれば、仮に、瞬時に圧力から解放されてしまっても、しばらくの間、複数のクロス等はほぼ完全に接着している。
一方、成形体として薄い板状のFRPやCFRPを一枚造りたい場合には、上記ベルトロールプレスを用いる必要は無く、その場合は、図4のような単に2つの円形ロール6の間を通過するようなものであってもよく、コスト的に有利である。そして、この形態では、ロール面7(例えば波状等)をメッシュ状等の光が透過するような状態にしておけば、円形ロール6の内側からエネルギー線(UV光等)を照射することもできる。上記のような場合には、図4に例示するようにエネルギー線照射光源(例えばUV光源)は、円形ロール6の中央部分に設置することができる。これによれば、円形ロール6で圧力をかけた状態で、そのままUV照射して硬化させることができる。但し、成形体が厚い板状になる等、圧力を負荷する必要性が高い場合には、ベルトロールプレスを用いるのが好ましく、上記円形ロール6を用いる場合は、余分の樹脂を除去してクロス等を硬化させるのに有効に用いられる。
本発明で用いられるエネルギー線硬化型連続成形装置としては、種々の応用形態が考えられるが、例えば図5に示すような大型のFRP成形体製造装置にも、好適に利用でき、これらの装置に用いることで成形時間やラインの長さ等を短縮できる。このような態様においても、先ず、前工程としてクロス等への樹脂組成物の含浸工程の後、硬化処理工程(付形工程)で温度及び圧力を調整して、樹脂組成物を含む複数のクロス等に形状を付与して、硬化させる。次いで、後硬化処理工程で温度を調整し、熱の歪みを解放して取り除くために、ポストキュアーする。この際、成形したとき以上の熱を加えることが好ましい。最後に、切断工程を経て、得られた成形体を検査する。図5のように、実際のラインはかなり大きなものであったが、その理由の1つとして、樹脂を硬化させるには、温度を急激には上げられないので、徐々に温度を上昇させていたからである。これらの大型設備に本発明の装置機構を用いれば、設備が小型化されて、費用と場所を最小限に留めることができる。
実施の形態(その2)
本発明で用いられるエネルギー線硬化型連続成形装置は、樹脂組成物を含浸させる樹脂槽(前工程)と、絞り作用及び密着作用がある加圧機構と、エネルギー線(例えば、UV、可視光)照射光源と、を装置である。ここで、本発明では、上記実施の形態(その1)のような構成が好ましい一例であるが、上記前工程及び加圧工程には、強度に優れた繊維材料が密なFRP成形体を得るという本発明の目的の範囲内で、幾つかの他の機構も適用できる。
具体的には、例えばエネルギー線の照射前の樹脂槽または加圧機構のいずれかの部分に、予熱機構を設け、予熱温度が硬化開始近傍にまで達していれば、硬化・成形に有利であり、好ましい態様の1つである。予熱機構を使用する場合には、樹脂槽を含む前工程では例えば送りのガイド部分等、加圧機構では例えばベルトロールやその他のロール部分等に、予めある程度、予備加熱しておくことが好ましい。例えば、ベルトロールを用いる場合には、予めベルトロールをヒーター9で加熱しておくことができるが、このように硬化前に、予熱レベルの温調を行うことにより、効率的に成形が可能である。成形過程における予熱は、ロール等を予熱しておいても良いし、樹脂組成物やクロス等自体を予熱しておいても良い。例えば、樹脂含浸槽に予熱機構を設けて、予め一定温度に温度調節した樹脂組成物を、マトリクス樹脂として含浸させることも有効である。
本発明で用いられる樹脂系は、連鎖反応型なので、熱を加えると、樹脂組成物自体が発熱して、徐々に硬化していく傾向にある。最初に、エネルギー線を照射すると、エネルギー照射量(ジュール)は積算されるので、そこは反応(硬化)して、樹脂の温度は上昇していく。そして、一定の温度を超えると、熱硬化(パターン)樹脂自体の反応になるので、硬化速度が変化するのである。すなわち、第一に、予熱をしておくということは、一定の温度に達して熱硬化するまでの時間を短縮できる利点がある。硬化が始まる前(熱反応する前)の時間を短くできるので、硬化反応を迅速に開始できる。また、第二に、成形の周囲の温度が上昇していれば、樹脂組成物が硬化して、樹脂自体がエネルギーを自己発生して熱を発する際に、すぐに、周囲をさらなる一定の温度にまで熱することができ、硬化時間そのものが極端に短くなる。そして、硬化が始まった後(熱硬化反応開始後)の時間も短くでき、硬化反応を迅速に進行させられる。
予熱温度としては、下記実施の形態(その3)の樹脂組成物では、しきい値が約100℃(80〜120℃)程度なので、これより低い温度である必要がある。但し、この温度に近い範囲では、摩擦等によっても、ある程度の熱がでるために、装置内で硬化が開始してしまうおそれがあり、これらを回避するには、通常約60℃程度の予熱が好ましい。
実施の形態(その3)
本発明で得られる繊維強化プラスチック成形体は、繊維材料に、光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有する樹脂組成物を配合して光硬化させ、板状または波板状の単層または多層構造を形成させたことを特徴とする。本発明の成形体の組成比は、特に限定されるものではないが、強化繊維含有率が高いほど高強度かつ高弾性の成形体が得られるため、通常、強化繊維40体積%以上、可能であれば60体積%以上の割合で含まれることが好ましい。例えば、炭素繊維材料60体積%に対して、樹脂組成物40%の割合において、エネルギー線照射により硬化して成形体となる。これに対し、樹脂組成物が20体積%未満では、樹脂がもつ特有の連鎖反応が発生しにくい、樹脂含有量が繊維細密充填時以下となりボイド等を含むようになる等により、迅速かつ確実な硬化が困難となり良好な成形体を得難くなるため好ましくない。上述したように、上記組成比の範囲内においては、繊維の組成比を多くした場合、得られる成形体は強度が極めて高くなり、一方、樹脂を多く配合した場合、軟らかくなる。ここでは先ず、本発明で得られる成形体に含まれる樹脂組成物について説明する。
本発明で用いられる樹脂組成物(連鎖硬化樹脂)には、カチオン系光重合開始剤系及び光重合性樹脂が含まれる。ここで、光重合性樹脂はオリゴマーとも表現されるが、特に、カチオン系光重合性ポリマー又は光重合性エポキシポリマーの適用が好ましい。この種の光重合性ポリマーの具体例としては、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。また、上記光重合性樹脂には、カチオン系光重合性モノマーや光重合性エポキシモノマーが含まれていてもよく、そのような光重合性モノマーの具体例としてはエポキシモノマー、アクリルモノマー、ビニルエーテル、環状エ一テル等が挙げられる。そして、上記具体例の中でも光重合性樹脂としては、光重合性脂環式エポキシポリマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを含有することが好ましく、光重合性脂環式ポリマーとしては、特に脂環式エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
また、上記光重合開始剤系には、少なくとも2成分からなる光重合開始剤が用いられ、光重合開始剤としては、カチオン系光・熱重合開始剤又はカチオン系光重合開始剤が含まれる。そして、具体的には、カチオン系光重合開始剤としてアリール系スルホニウム塩タイプ(トリアリールスルホニウム塩等の光開始剤)の少なくとも一種と、カチオン系光・熱重合開始剤としてスルホニウム塩の少なくとも一種と、を含む少なくとも2成分からなる光重合開始剤系が好適に用いられる。
本発明における樹脂組成物の好ましい混合比は、光重合性樹脂(光重合性のオリゴマーやモノマー)100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系(反応触媒系)成分が0.5〜6.0重量部、より好ましくは1.5〜3.5重量部で、且つ、光重合開始剤系成分を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4、より好ましくは1.3〜3.5である。少なくとも2成分からなる光重合開始剤の割合が0.5重量部未満では、その光重合開始の効果が殆どなく、全体に対する量が少ないためそのものが機能しにくい。一方、6.0重量部を超えても光硬化機能そのものは変わらず、コストの面等からも6.0重量部以下が好ましい。また、カチオン系光・熱重合開始剤/カチオン系光重合開始剤の重量比が1より小さいと、硬化初期の発熱が得られにくく、本発明の利用するである硬化機能が発揮しにくいため樹脂表面のみの硬化となりので好ましくない。一方、この重量比が4を超えると硬化特性、特にその発熱特性が異常に高まるため急激な発熱硬化により樹脂が発泡するという問題が生じて好ましくない。
樹脂組成物の混合パターンとしては、本発明の範囲内であれば特に限定されることなく用いられるが、具体的には、以下のような硬化性樹脂混合物が好ましい態様として挙げられる。これらは、いずれも本発明の好ましい実施の形態であり、容易かつ迅速に硬化するという特性を有しており、本発明で用いられる樹脂組成物の基本形である。
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチル−3,4一エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI−80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を混合したもの、
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチル−3,4一エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)50重量部に対し、エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製:ビスフェノールA型エポキシ)50重量部、サンエイドSI−80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を混合したもの、
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI−80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.50重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.50重量部、4,4'−ビス[ジ(β−
ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート0.50重量部、2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート0.50重量部を混合したもの、などが好適な組成物に挙げられる。
上記の樹脂組成物に硬化可能な範囲で添加することのできる添加剤としては、エネルギー線遮蔽性物質〔例えば無機フィラー、金属粉等の遮断性物質〕、及び各種フィラー、有機成分、光増感剤、反応性希釈剤、先鋭感剤等慣用される添加剤を一種以上添加することができる。
上述した組成から得られる本発明による成形体は、上記樹脂組成物を含有しているので、熱または光によって硬化し、あるいは熱及び光の両方によっても硬化する。硬化に際しては、連鎖反応型であり、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する。したがって、エネルギー線の照射の仕方によって、硬化の仕方の変化してくるが、従来の熱硬化型の組成物に比較すると格段に速く硬化が進行する。また、エネルギー線照射の際に熱を与えれば(例えば120℃程度)、さらに容易に硬化を制御することができる。
硬化条件として、具体的には、光源、時間等が変化する。樹脂組成物に対し、エネルギー線を照射する際には、硬化時の加熱条件を適宜最適な条件に変更できる。また、硬化前に、樹脂組成物を予備加熱しておき、その後、エネルギー線を照射して成形することも可能である。予備加熱した場合には、より短時間(通常の約1/2〜2/3)で硬化可能となる利点がある。エネルギー線として、紫外光(UV)を用いて照射を実施の際、例えば以下のような必要条件を満たすことにより、UV照射による硬化ができる。硬化条件:ランプ種類:メタルハライドランプ、 ランプ強度:120W/cmランプ長:250mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧照射距離:20cm、 照射時間:5分間[5分間で硬化完了]
本発明で得られる成形体は、上記樹脂組成物が、繊維材料自体または繊維材料からなる少なくとも2以上の形状を有する多層構造に配合されて、エネルギー線照射によって硬化されたものである。単層構造の成形体としては、上記実施の形態(その1)の成形装置によって製造される板状または波板状のものが挙げられる。
多層構造の成形体としては幾つかの種類があり、例えば平坦な板状体及び凹凸のある波状体を構成要素として複数形状から構成される多層構造や、マット材及びクロス材を構成要素として材料自体が異なって構成される多層構造の場合などがある。ここで、マット材を大きく中心に設置して、その周囲(外層)をクロス材で覆うような態様は、コスト的にも有利であり、好ましい態様の一例である。また、図2(d)のような多層構造の場合には、最外層に化粧した板状体等を配置することにより、良好な外観の成形体が得られ、そのような場合にはコーティング層を有することとなる。そして、本発明の成形体は、密に繊維材料が充填されるので、極めて優れた強度等の物性を有し、また、上記成形装置を用いることにより連続成形等も可能なので、コスト的にも有利である。
本発明では、FRP板及びCFRP板マトリクス樹脂に、エネルギー線により樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず硬化可能で板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物は熱硬化樹脂を使用し、エネルギー線により硬化させることで、従来のような加熱工程及び加熱炉が不用となり、以下のような問題点も解決する。
加熱工程が不用で且つ短時間(数分レベル)で硬化可能であり、連続成形の利点を最大にいかせ、FRP板及びCFRP板の成形体の生産性が著しく向上する。 エネルギー線照射(UVランプ等)設備が小型であり、費用と場所を最小限に留めることができる。 エネルギー効率が良く、ランニングコストが安い。 エネルギー線硬化のため含浸状態の保持が容易で溶媒を使用しない等の優れた利点を有する。
図1は、本発明で採用される連続成形装置の好ましい実施の形態を表す模式図である。 図2は、本発明で採用される装置により得られるFRP成形体の好ましい形態の例を模式的に表す図であり、(a)平板,(b)波板,(c)ハニカム形状,(d)複合形状(多層構造の一例)の場合を表す。 図3は、ハニカム形状からなるFRP板状成形体を製造する場合におけるエネルギー線照射型連続成形装置の構成の一例を示す図である。 図4は、本発明で採用される連続成形装置において使用できる円形ロールを用いた加圧機構を表す模式図である。 図5は、FRP板状体の大型連続成形装置の一例を表す概略構成図である。
符号の説明
1 ベルトロールプレス
2 UV光源
3 供給ロール
4 樹脂槽
5 樹脂
6 円形ロール
7 ロール面
8 テンションロール
9 ヒーター
10 引き抜き装置
11 製品引き抜き搬送装置
12 煙突

Claims (8)

  1. 樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、ここで、上記加圧機構による第1の加圧と第2の加圧との間において該繊維材料にテンションをかけ、上記第1の加圧と第2の加圧との間で、該繊維材料に圧力が加えられた状態で、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  2. 樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、該加圧機構による繊維材料の加圧と同時に、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  3. 樹脂槽で繊維材料に光重合性樹脂及び光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させ、ここで、該エネルギー線硬化型樹脂組成物が、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する連鎖反応型であり、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた光重合性樹脂100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系成分を0.5〜6重量部含み、該光重合開始剤系成分を構成するカチオン系光・熱重合開始剤系成分と、カチオン系光重合開始剤との重量比が、カチオン系光・熱重合開始剤系成分/カチオン系光重合開始剤として、1〜4であり、次いで、加圧機構によりエネルギー線硬化型樹脂組成物を含浸させた該繊維材料を絞り相互に密着させ、該加圧機構による繊維材料の加圧の後に、エネルギー線照射光源によってエネルギー線を照射し、光重合性樹脂を硬化させるようにしたことを特徴とする繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  4. 上記加圧機構として、ベルトタイプからなる機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおいて凸凹がある加圧機構を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  5. 上記加圧機構として、ベルトタイプからなる機構であるとともに、該ベルトが走行方向に間隔をおいて凸凹がなく平坦である加圧機構を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  6. 上記加圧機構として、円状のロールタイプからなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹がある加圧機構を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  7. 上記加圧機構として、円状のロールタイプからなる機構であるとともに、該ロールの表面に凸凹がなく平坦である加圧機構を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
  8. 樹脂組成物への光の照射前に、上記樹脂槽または上記加圧機構のいずれかの部分に、予熱機構により予熱を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法。
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