JP3359066B2 - 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製棒状物の製造方法

Info

Publication number
JP3359066B2
JP3359066B2 JP32194592A JP32194592A JP3359066B2 JP 3359066 B2 JP3359066 B2 JP 3359066B2 JP 32194592 A JP32194592 A JP 32194592A JP 32194592 A JP32194592 A JP 32194592A JP 3359066 B2 JP3359066 B2 JP 3359066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
reinforcing fiber
fiber
light
uncured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32194592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06166110A (ja
Inventor
隆久 高田
繁宏 松野
章夫 小野寺
知史 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube-Nitto Kasei Co Ltd
Original Assignee
Ube-Nitto Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube-Nitto Kasei Co Ltd filed Critical Ube-Nitto Kasei Co Ltd
Priority to JP32194592A priority Critical patent/JP3359066B2/ja
Publication of JPH06166110A publication Critical patent/JPH06166110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3359066B2 publication Critical patent/JP3359066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート主筋や剪断
補強筋などに使用可能な繊維強化樹脂製棒状物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】繊維強
化樹脂製棒状物を連続して製造する一般的な方法とし
て、長繊維状の補強繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させ、
余分な樹脂を絞ってから所定の断面形状の加熱した金型
に導入して硬化した棒状物を連続的に引き抜く方法があ
る。この方法の問題点は形状の固まった棒状物を安定し
て連続的に引き抜く速度に限度があり生産性が上がらな
いということである。又生産速度を上げるため、ダイス
金型内で所定の断面形状に整えた後に、ダイス外で加熱
硬化する方法をとると、所定の断面形状を保つことが困
難である。
【0003】そこで長繊維状の補強繊維束に樹脂を含浸
後、所定断面形状のダイスを通過させた直後に表面を直
ちに硬化させ形状変形を防ぐ方法として、光硬化性樹脂
を光透過性補強繊維に含浸させ、、ダイス成形直後に紫
外線を照射して表面を硬化させ、更に引き続き紫外線照
射を続け、必要に応じて加熱して中心部まで硬化させる
方法が提案されている(特開昭56−146722公
報)。しかしこの方法においては、使用出来る補強繊維
がガラス繊維等の光透過性繊維に限られ、又樹脂が比較
的に高価な光硬化性樹脂に限られる欠点がある。
【0004】本発明の目的は、(i)補強繊維として光
透過性繊維に限定することなく、光不透過性繊維を必要
に応じて使用できる、(ii)樹脂として光硬化性樹脂の
使用量を抑え、一般的に使用されており要求性能と価格
の両面から選択できる種類の多い熱硬化性樹脂を主とし
て使用することができる、(iii)断面形状などの形状精
度に優れている、(iv)生産性に優れているなどの利点
を有する繊維強化樹脂製棒状物の製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の目的を達
成するための具体的な手段について説明する。
【0006】本発明の目的を達成する本発明の繊維強化
樹脂製棒状物の製造方法は、 (1)光透過性及び/又は光不透過性の長繊維状の補強
繊維束、又は織布や不織布状の補強繊維帯状物、又は補
強繊維束と補強繊維帯状物を組み合わせたもの、の複数
本を用意し、これら複数本を熱硬化性樹脂に含浸させた
後、過剰の樹脂を絞りながら複数本を逐次合体させるこ
とにより、所定の断面形状を有する単一の未硬化芯部を
形成する工程; (2)光透過性の長繊維状の補強繊維束、又は織布や不
織布状の補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯
状物を組み合わせたもの、の複数本を用意し、これら複
数本を光硬化性樹脂に含浸させた後、過剰の樹脂を絞り
ながら複数本を逐次合体させることにより、前記単一の
未硬化芯部を被覆し得る複数の片を形成し、次いでこの
複数の片によって前記未硬化芯部の周囲を覆うことによ
り、未硬化表面層を形成し、未硬化芯部と未硬化表面層
とを一体化して結合した積層物を得る工程;及び (3)光を照射して光硬化性樹脂を硬化させて光硬化樹
脂からなる表面層を形成し、次いで形成された光硬化樹
脂からなる表面層によって前記積層物の形態を保持しつ
つ、未硬化芯部中の熱硬化性樹脂を熱硬化させて熱硬化
樹脂からなる芯部を形成する工程を含むことを特徴とす
る。
【0007】なお本明細書において、「熱硬化性樹脂」
とは熱硬化前の樹脂を意味し、「熱硬化樹脂」とは熱硬
化後の樹脂を意味するものとする。同様に「光硬化性樹
脂」とは光硬化前の樹脂を意味し、「光硬化樹脂」とは
光硬化後の樹脂を意味するものとする。
【0008】先ず本発明の方法により得られる繊維強化
樹脂製棒状物について説明する。維強化樹脂製棒状物
(以下本発明製品ということがある)は芯部と、この芯
部の周囲に形成された表面層とからなる。
【0009】本発明製品において、芯部は光透過性補強
繊維及び/又は光不透過性補強繊維により強化された熱
硬化樹脂からなる。すなわち本発明製品において、芯部
は熱硬化性樹脂を用いて形成されるので、光硬化性樹脂
を用いた場合とは異なり、補強材として光透過性補強繊
維及び光不透過性補強繊維のいずれか一方又は両方を用
いることができる。ここに光透過性補強繊維としては、
ガラス繊維、セラミックス繊維、ビニロン繊維などが挙
げられ、光不透過性補強繊維としては、アラミド繊維、
炭素繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリアリレート繊
維などが挙げられる。
【0010】これらの光透過性補強繊維及び/又は光不
透過性補強繊維は、芯部におけるマトリックス樹脂であ
る熱硬化樹脂中に配置されて熱硬化性樹脂を強化してお
り、特に本発明製品の長手方向に向けて配置されて、熱
硬化樹脂を一方向に強化しているのが好ましい。
【0011】マトリックス樹脂である熱硬化樹脂を得る
ための熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエ
ステル(エポキシ(メタ)アクリレート)、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂等
の重合性モノマー、プレポリマー、ポリマー又はこれら
の混合物に熱硬化触媒を添加したものを用いることがで
きる。ここに「(メタ)アクリレート」はアクリレート
とメタクリレートの両者を意味する。熱硬化触媒として
は、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂に対してはジシアン
ジアミドや酸無水物などを、その他のものに対してはケ
トンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、アルキ
ルパーエステル、パーカーボネート、ハイドロパーオキ
サイド、パーオキシケタールなどの過酸化物などを用い
ることができる。
【0012】本発明製品において芯部は、上記のように
補強繊維と熱硬化樹脂とによって構成されるが、両者の
割合は、補強繊維が50〜65vol%、熱硬化樹脂が
50〜35vol%となるようにするのが好ましい。そ
の理由は補強繊維が50vol%未満で、熱硬化樹脂が
50vol%を超えると、補強効果が不足するため、繊
維強化樹脂製棒状物の所定形状保持と寸法精度維持が困
難となる。又繊維強化樹脂製棒状物の強度、弾性率が低
くなる。一方、補強繊維が65vol%を超え、熱硬化
樹脂が35vol%未満であると、補強繊維への樹脂含
浸量が不足するため、絞りダイスから引き抜くとき抵抗
が大きく作業性が悪い。又引き抜き後の繊維強化樹脂棒
状物が賦形した寸法より膨脹し、所定の形状維持が困難
となる。
【0013】本発明製品においては、上で詳述した芯部
の周囲に表面層が形成されている。この表面層は光透過
性補強繊維により強化された光硬化樹脂からなる。ここ
に光透過性補強繊維としてはガラス繊維、セラミックス
繊維、ビニロン繊維などが挙げられる。
【0014】この光透過性補強繊維は、表面層における
マトリックス樹脂である光硬化樹脂中に配置されて光硬
化樹脂を強化しており、特に本発明製品の長手方向に向
けて配置されて、光硬化樹脂を一方向に強化しているの
が好ましい。
【0015】マトリックス樹脂である光硬化樹脂を得る
ための光硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられ
る。 (a)エポキシ樹脂、ビニルエステル(エポキシ(メ
タ)アクリレート)、ウレタン(メタ)アクリレート、
ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ジアリルフタ
レート樹脂などのプレポリマー、ポリマー、あるいはこ
れらの混合物、および/または(b)単官能または2官
能エポキシモノマー、(メタ)アクリレート系のモノマ
ー(ヒドロキシプロピルアクリレート(HDPA)、ト
リメチルプロパントリアクリレート(TMPTA)、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)な
ど)、ビニルモノマー(スチレン、ジビニルベンゼン、
酢酸ビニル、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドンな
ど)などの重合性モノマーあるいはこれらの混合物。
【0016】上記光硬化性樹脂とともに光硬化開始剤が
通常用いられる。すなわち、エポキシ樹脂系の光硬化性
樹脂の場合にはジアゾニウム化合物などの公知の光カチ
オン重合開始剤を用いることができ、その他の光硬化性
樹脂の場合にはベンゾイン化合物、チオキサントンなど
の公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
【0017】表面層における補強繊維と光硬化樹脂との
割合は前者が55〜65vol%、後者が45〜35v
ol%とするのが好ましい。その理由は補強繊維が55
vol%未満で、硬化樹脂が45vol%を超える
と、補強効果が不足するため、繊維強化樹脂製棒状物の
所定形状保持と寸法精度維持が困難となる。又繊維強化
樹脂製棒状物の強度、弾性率が低くなる。一方、補強繊
維が65vol%を超え、硬化樹脂が35vol%未
満であると、補強繊維への樹脂含浸量が不足するため、
絞りダイスから引き抜くとき抵抗が大きく作業性が悪
い。又引き抜き後の繊維強化樹脂棒状物が賦形した寸法
より膨脹し、所定の形状維持が困難となる。
【0018】本発明製品(繊維強化樹脂製棒状物)にお
ける断面形状としては、それぞれの用途に応じて、正方
形(角形)、円形、矩形、楕円形、三角形、L字形、H
字形、U字形、コの字形などの任意の断面形状とするこ
とができる。
【0019】上記芯部と、この芯部の周囲に形成された
表面層とからなる本発明製品(繊維強化樹脂製棒状物)
は、種々の方法で得ることができるが、下記工程からな
る本発明の方法により得るのが好ましい。 (1)光透過性及び/又は光不透過性の長繊維状の補強
繊維束、又は織布や不織布状の補強繊維帯状物、又は補
強繊維束と補強繊維帯状物を組み合わせたもの、の複数
本を用意し、これら複数本を熱硬化性樹脂に含浸させた
後、過剰の樹脂を絞りながら複数本を逐次合体させるこ
とにより、所定の断面形状を有する単一の未硬化芯部を
形成する工程; (2)光透過性の長繊維状の補強繊維束、又は織布や不
織布状の補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯
状物を組み合わせたもの、の複数本を用意し、これら複
数本を光硬化性樹脂に含浸させた後、過剰の樹脂を絞り
ながら複数本を逐次合体させることにより、前記単一の
未硬化芯部を被覆し得る複数の片を形成し、次いでこの
複数の片によって前記未硬化芯部の周囲を覆うことによ
り、未硬化表面層を形成し、未硬化芯部と未硬化表面層
とを一体化して結合した積層物を得る工程;及び (3)光を照射して光硬化性樹脂を硬化させて光硬化樹
脂からなる表面層を形成し、次いで形成された光硬化樹
脂からなる表面層によって前記積層物の形態を保持しつ
つ、未硬化芯部中の熱硬化性樹脂を熱硬化させて熱硬化
樹脂からなる芯部を形成する工程。
【0020】以下、本発明の繊維強化樹脂製棒状物の製
造方法について工程順に説明する。工程(1) この工程は補強繊維への熱硬化性樹脂の含浸、成形工程
である。この工程においては、先ず光透過性及び/又は
光不透過性の長繊維状の補強繊維を所望本数集束した補
強繊維束、又は織布(クロス)や不織布(マット)を用
いた補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯状物
を組み合わせたもの、の複数本を用意する。用いられる
光透過性補強繊維及び光不透過性補強繊維としては前述
したものが挙げられる。
【0021】この工程(1)においては、次に補強繊維
束、又は補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯
状物を組み合わせたもの、の複数本を熱硬化性樹脂に含
浸させる。用いられる熱硬化性樹脂としては、前述した
ものが挙げられる。含浸法としては種々の方法が挙げら
れるが、浸漬法が特に好ましい。補強繊維と熱硬化性樹
脂との割合は、上述のように前者が50〜65vol
%、後者が50〜35vol%であるのが好ましい。
【0022】この工程においては、次いで過剰の樹脂を
絞りながら複数本の熱硬化性樹脂補強繊維束、又は帯状
物、又は繊維束と帯状物を組み合わせたものを逐次合体
させることにより、所定の断面形状を有する単一の未硬
化芯部を形成する。この過剰の樹脂を絞りながらの所定
断面形状の単一未硬化芯部の形成(これを以下「絞り成
形」ということがある)は絞りノズル、絞りダイス、絞
りガイド、ローラーなどを所望数用いて行なわれる。
【0023】上記未硬化芯部の断面形状は、本発明製品
の断面形状によって決定され、前述のように、例えば正
方形(角形)、円形、矩形、楕円形、三角形、L字形、
H字形、U字形、コの字形などの形状とすることができ
る。
【0024】工程(2) この工程は補強繊維への光硬化性樹脂の含浸、成形工程
である。この工程においては、先ず光透過性の長繊維状
の補強繊維を所望本数集束した補強繊維束、又は織布
(クロス)や不織布(マット)を用いた補強繊維帯状
物、又は補強繊維束と補強繊維帯状物を組み合わせたも
の、の複数本用意する。用いられる光透過性補強繊維と
しては前述したものが挙げられる。
【0025】この工程(2)においては、次に補強繊維
束、又は補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強線帯状
物を組み合わせたもの、の複数本を光硬化性樹脂に含浸
させる。用いられる光硬化性樹脂としては、前述したも
のが挙げられる。含浸法としては、種々の方法が挙げら
れるが、浸漬法が特に好ましい。補強繊維と光硬化性樹
脂との割合は、上述のように前者が55〜65vol
%、後者が45〜35vol%とするのが好ましい。
【0026】この工程(2)においては、次いで過剰の
樹脂を絞りながら複数本の光硬化性樹脂含浸繊維束、又
は帯状物、又は繊維束と帯状物を組み合わせたものを逐
次合体させることにより、前記工程(1)で得られた単
一の未硬化芯部を被覆し得る複数の片を形成する。この
過剰の樹脂を絞りながらの複数の光硬化性樹脂含浸補強
繊維片の形成(絞り成形)は絞りノズル、絞りダイス、
絞りガイド、ローラーなどを所望数用いて行なわれる。
【0027】この工程(2)においては、前記絞り成形
により得られた複数の光硬化性樹脂含浸補強繊維片を、
前記工程(1)で得られ、同時に搬送されてくる未硬化
芯部の周囲を覆うように配置して未硬化表面層を形成
し、未硬化芯部と未硬化表層とを一体化して結合した積
層物を得る。この際未硬化芯部と未硬化表面層の界面は
密着し、両者の未硬化樹脂は相互に拡散混和して両者は
境目なく一体化する。
【0028】工程(3) この工程は、前記積層物の光硬化、熱硬化を順次行な
い、最終製品である繊維強化樹脂製棒状物を得る工程で
ある。この工程(3)においては、先ず、未硬化表面層
中の光硬化性樹脂を光硬化して光硬化樹脂からなる表面
層を形成する。光硬化は、光硬化性樹脂の種類に応じて
キセノンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プなどを光源とした紫外線照射装置などの高エネルギー
線照射装置を用いて行なうのが好ましい。この光硬化に
より光硬化樹脂からなる表面層が形成され、この表面層
によって積層物の形態が保持される。次に積層物の形態
を保持しつつ未硬化芯部中の熱硬化性樹脂を熱硬化させ
て熱硬化樹脂からなる芯部を形成する。熱硬化は、積層
物を所定の加熱槽中で、熱硬化性樹脂の種類に応じて所
定の温度で所定の時間加熱することにより行われる。
【0029】このようにして光透過性補強繊維及び/又
は光不透過性補強繊維により強化された熱硬化樹脂から
なる芯部と、光透過性補強繊維により強化された光硬化
樹脂からなる表面層とを有し、前記の芯部とその周囲に
形成された表面層とが結合して一体化した繊維強化樹脂
製棒状物が得られる。
【0030】
【作用】長繊維補強繊維束に未硬化液状の熱硬化性樹脂
及び光硬化性樹脂がそれぞれ含浸した状態で所定形状の
絞り部を通過させて、芯部及び表面層をそれぞれ形成さ
せ合体させて積層物とし、絞り部通過直後に表面に紫外
線を照射すると表面層に含まれる光硬化性樹脂が先ず反
応して表面層が硬化する。表面層の補強繊維は光を透過
するので表面層の内部まで紫外線などの光線が浸透して
短時間に固化するので絞り部通過直後の積層物の形状が
保持される。この時芯部に含まれる熱硬化性樹脂は未だ
反応していないので芯部は未だ硬化していない。引き続
いて積層物を加熱することにより、芯部に含まれいる熱
硬化性樹脂が反応して芯部が固化する。この時芯部は初
め反応熱により膨脹し、反応後には収縮するが、表面層
の補強繊維含有率を例えば55−65vol%と比較的
に多くし、表面層を充分硬化させることにより所期の形
状を維持することができる。この方法によれば樹脂が未
硬化の状態で引き抜かれるので引き抜き抵抗は比較的小
さい。従って製造速度を上げるためには紫外線照射エネ
ルギー及び加熱温度を上げて反応時間を短縮し、又反応
時間を確保するためには紫外線照射槽及び加熱槽の長さ
を確保すればよい。又芯部と表面層とは未硬化の状態で
絞りダイスを通して一体化され両者の界面は密着し未硬
化樹脂は相互に拡散混和して両者は境目なく一体化す
る。その後に両者はおのおの硬化されて両者の界面は強
固に結合する。
【0031】
【実施例】芯部の長繊維状補強繊維束として光不透過性
であるアラミド繊維(デュポン社製:ケブラー49)の
ロービング(2840de)を40本用意し、図1に示す
ようにスタンド1から引き出して繊維ガイド2を介し
て、熱硬化触媒を含む熱硬化性樹脂を満たした樹脂含浸
槽3に通してアラミド繊維束に熱硬化性樹脂を含浸し
た。熱硬化性樹脂としてビニルエステル樹脂(三井東圧
化学製:エスターH−2000HV)100部にアルキ
ルパーエステル系過酸化物触媒(化薬アクゾ製:カヤブ
チルB)を3部添加して用いた。次に一連の絞りノズル
及び絞りダイス8を通過させてアラミド繊維含有率が5
4.4vol%になるまで樹脂を絞りかつ断面形状が4
mm角の正方形になるように成形した。絞りノズル及び絞
りダイスは一番目がφ2.4mm×32ホール、二番目が
4mm角×4ホールとし、三番目から四番目、五番目、六
番目、七番目までは1ホールとして5.5mm角、5.0
mm角、4.7mm角、4.2mm角、4mm角の順に絞った。
【0032】表面層の長繊維状補強繊維束としては光透
過性のガラス繊維(日電ガラス製:ER575F−18
5)のロービング(575Tex)を24本用意し、ス
タンド4,5から引き出して繊維ガイド6,7を介し
て、光硬化開始剤を含む光硬化性樹脂を満たした含浸槽
9に通してガラス繊維束に光硬化性樹脂を含浸した。光
硬化性樹脂としてビニルエステル樹脂(三井東圧化学
製:エスターH−2000HV)48部に架橋成分とし
てトリプロピレングリコールジメタクリレート(新中村
化学製:NKエステル3G)12部、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート(日本化薬製:TMPTA)2
0部とN−ビニルピロリドン(東亜合成製:NVP)2
0部を加え、更に光硬化開始剤としてイルガキュア65
1(チバガイギー製)3部を添加して用いた。次に一連
の絞りノズル及び絞りダイス10を通過させてガラス繊
維含有率60vol%になるまで樹脂を絞り、かつ4mm
角芯部の上下左右に積層する4片を形成した。断面形状
は上下の2片が5.3mm×0.5mmの矩形、左右の2片
が0.5mm×3.8mmの矩形とした。絞りノズル及び絞
りダイスは一番目がφ1.6mm×48ホール、二番目が
上下左右と四隅の8片として断面形状は上下の2片が6
mm×0.8mm、左右の2片が0.8mm×10mm、四隅の
4片が4mm×0.8mmとした。絞りノズル三番目も8片
として上下2片が3.6mm×0.6mm、左右2片が0.
6mm×6mm、四隅4片が2.4mm×0.6mmとした。絞
りダイス四番目は上下左右の4片として断面形状は上下
の2片が8mm×0.6mm、左右の2片が0.6mm×6mm
とした。五番目の4片は上下が7mm×0.5mm、左右が
0.5mm×5mmとした。六番目の4片は上下が6mm×
0.5mm、左右が0.5mm×4.5mmとした。七番目の
4片は上下が5.3mm×0.5mm、左右が0.5mm×
3.8mmとした。
【0033】最後に芯部の上下左右四面に表面層の4片
を積層するために5mm角のダイス二個に芯部と表面層を
合わせて連続して通過させた。この後積層物を直ちに紫
外線照射装置11(オーク社製:QR4000、ランプ
長;600mm、槽長;750mm)中に温度80℃として
1m/分の速度で通して表面層の光硬化性樹脂を硬化さ
せ、引き続き槽内温度220℃の熱風硬化槽13(内径
40mm、長さ2000mm)に通して中心部の熱硬化性樹
脂を硬化させた。得られた5mm角の積層物をキャタピラ
型引取り機で引き取り、長尺物を連続的に3m長に切断
した。
【0034】角棒状物の表面形状は良好であり、外径寸
法測定結果は最小5.04mmから最大5.26mm(n=
10)の範囲となり寸法精度は良好であった。単位重量
は38g/mであり、アセトン抽出法により測定した硬
化度は96%(常温、24hrs 抽出残)であった。又直
径500mmの半円に曲げ、80℃で48hrs 放置して挫
屈折れは発生しなかった。次に引張速度5mm/分で行な
った引張試験の結果は次の通りであった。 破断強力:2.45ton,破断伸度:4.4%, 引張弾性
率:6880kg/mm2
【0035】(比較例)光不透過性の長繊維状補強繊維
束としてアラミド繊維を用いて、これに光及び熱硬化開
始剤をそれぞれ添加した光及び熱硬化性樹脂を含浸さ
せ、絞り成形してから紫外線照射装置と熱風硬化槽を通
過させて樹脂硬化させ、4mm角棒状物を作成した。
【0036】アラミド繊維(デュポン社製:ケブラー4
9)のロービング(2840de)を40本用意し、図1
に示すようにスタンド1から引き出して繊維ガイド2を
介して、光及び熱硬化触媒をそれぞれ含む光及び熱硬化
性樹脂を満たした樹脂含浸槽3に通してアラミド繊維束
に両樹脂を含浸した。光及び熱硬化性樹脂としてはビニ
ルエステル樹脂(三井東圧化学製:エスターH−200
0HV)48部に架橋成分としてトリプロピレングリコ
ールジメタクリレート(新中村化学製:NKエステル3
G)12部、トリメチロールプロパントリアクリレート
(日本化薬製:TMPTA)20部及びN−ビニルピロ
リドン(東亜合成製:NVP)20部を加え、更に光硬
化開始剤としてイルガキュア651(チバガイギー製)
3部、熱硬化剤として過酸化物触媒(化薬アクゾ製:カ
ヤブチルB)を添加した。次に一連の絞りノズル8を通
過させてアラミド繊維含有率が54.5vol%になる
まで樹脂を絞り、かつ断面形状が4mm角の正方形になる
ように成形した。絞りノズルは一番目がφ2.4mm×3
2ホール、二番目が4mm角×4ホールとし、三番目から
六番目までは1ホールとして5.5mm角、4.7mm角、
4.2mm角、4mm角の順に絞った。
【0037】積層物を直ちに紫外線照射装置11(オー
ク社製:QR4000、ランプ長;600mm、槽長;7
50mm)中に温度80℃として1m/分の速度で通して
表面の光硬化性樹脂を硬化させ、引き続き槽内温度25
0℃の熱風硬化槽13(内径40mm、長さ2000mm)
に通して中心まで熱硬化性樹脂を硬化させた。得られた
4mm角の積層物をキャタピラ型引取り機で引き取り、長
尺物を連続的に3m長に切断した。
【0038】角棒状物の表面形状は実施例のものに比べ
て劣り、外径寸法測定結果は最小4.34mmから最大
4.77mm(n=10)の範囲となり実施例のものに比
べて寸法精度が劣っていた。単位重量は21g/mであ
り、硬化度は95%であった。又直径750mmの半円に
曲げたところ挫屈折れが発生した。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、(i)補強繊維として
光透過性繊維に限定することなく、光不透過性繊維を必
要に応じて使用できる、(ii)樹脂として光硬化性樹脂
の使用量を抑え、一般的に使用されており要求性能と価
格の両面から選択できる種類の多い熱硬化性樹脂を主と
して使用することができる、(iii)断面形状などの形状
精度に優れている、(iv)生産性に優れているなどの利
点を有する一方向繊維強化樹脂製棒状物の製造方法が提
供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一方向繊維強化樹脂製棒状物の製造
工程図である。
【符号の説明】
1…スタンド、2…繊維ガイド、3…樹脂含浸槽、4…
スタンド、5…スタンド、6…繊維ガイド、7…繊維ガ
イド、8…絞りノズル、9…樹脂含浸槽、10…絞りノ
ズル、11…紫外線照射装置、12…ガイド、13…熱
風硬化槽、14…引取り機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04C 5/07 B29L 31:10 B29L 31:10 B29C 67/14 L (72)発明者 下村 知史 岐阜県岐阜市薮田西2丁目1番1号 宇 部日東化成株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−108132(JP,A) 特開 昭61−274036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/00 - 70/88 D01D 5/30 D01F 8/04 E04C 2/00 E04C 2/10 E04C 5/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)光透過性及び/又は光不透過性の
    長繊維状の補強繊維束、又は織布や不織布状の補強繊維
    帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯状物を組み合わせ
    たもの、の複数本を用意し、これら複数本を熱硬化性樹
    脂に含浸させた後、過剰の樹脂を絞りながら複数本を逐
    次合体させることにより、所定の断面形状を有する単一
    の未硬化芯部を形成する工程; (2)光透過性の長繊維状の補強繊維束、又は織布や不
    織布状の補強繊維帯状物、又は補強繊維束と補強繊維帯
    状物を組み合わせたもの、の複数本を用意し、これら複
    数本を光硬化性樹脂に含浸させた後、過剰の樹脂を絞り
    ながら複数本を逐次合体させることにより、前記単一の
    未硬化芯部を被覆し得る複数の片を形成し、次いでこの
    複数の片によって前記未硬化芯部の周囲を覆うことによ
    り、未硬化表面層を形成し、未硬化芯部と未硬化表面層
    とを一体化して結合した積層物を得る工程;及び (3)光を照射して光硬化性樹脂を硬化させて光硬化樹
    脂からなる表面層を形成し、次いで形成された光硬化樹
    脂からなる表面層によって前記積層物の形態を保持しつ
    つ、未硬化芯部中の熱硬化性樹脂を熱硬化させて熱硬化
    樹脂からなる芯部を形成する工程を含むことを特徴とす
    る繊維強化樹脂製棒状物の製造方法。
JP32194592A 1992-12-01 1992-12-01 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法 Expired - Fee Related JP3359066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32194592A JP3359066B2 (ja) 1992-12-01 1992-12-01 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32194592A JP3359066B2 (ja) 1992-12-01 1992-12-01 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06166110A JPH06166110A (ja) 1994-06-14
JP3359066B2 true JP3359066B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=18138185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32194592A Expired - Fee Related JP3359066B2 (ja) 1992-12-01 1992-12-01 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3359066B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018189794A1 (ja) * 2017-04-10 2018-10-18 日産自動車株式会社 複合材料の成形方法
CN114571753A (zh) * 2021-11-30 2022-06-03 江苏德晴新材股份有限公司 一种纤维增强复合材料拉挤工艺

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1238205A (en) * 1985-04-26 1988-06-21 Cerminco Inc. Structural rod for reinforcing concrete material
JP3058897B2 (ja) * 1990-08-29 2000-07-04 宇部日東化成株式会社 繊維強化硬化性樹脂製細線条物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06166110A (ja) 1994-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4969717B2 (ja) 強い応力を受ける複合部品の製造方法
KR100205504B1 (ko) 예비성형체의 제조 방법
CN1041762C (zh) 用于木制构件的并排纤维加强板及其制造方法
US4725453A (en) Method of production of a reinforced optical fiber
KR930016454A (ko) 성형 수지 및 이로부터 제조한 자외선(uv)-투명금형
JP3359066B2 (ja) 繊維強化樹脂製棒状物の製造方法
CA2073682C (en) Process of forming fiber reinforced molded plastic articles and preforms therefor using a photosetting binder
JP3058897B2 (ja) 繊維強化硬化性樹脂製細線条物の製造方法
JP3126442B2 (ja) 繊維強化樹脂製細線状物の製造方法
JP3327984B2 (ja) 繊維強化樹脂製異形棒状物の製造方法
JP2000210963A (ja) エネルギ―線照射型連続成形装置および繊維強化プラスチック板状成形体
JPS62773B2 (ja)
JP2004131985A (ja) 補強用プリプレグシート及びコンクリート構造物の補強方法
JP2000272021A (ja) Frp細線条体の製造用金型およびfrp細線条体の製造方法
JP2996481B2 (ja) 光ファイバ担持用繊維強化硬化性樹脂製スペーサの製造方法
JPH0749450Y2 (ja) 光ファイバー用テンションメンバー
JP3333233B2 (ja) 車両フレーム用外板
JP4295742B2 (ja) 繊維強化プラスチック板状成形体の連続成形方法
JPH05457A (ja) 繊維強化樹脂成形品の製造方法
JP2849418B2 (ja) 光ファイバテープ心線補強用テンションメンバー及びその製造方法
JP2554708B2 (ja) 長尺複合成形体の製造方法
JPS61195827A (ja) 繊維強化プラスチツクスプリング成形方法
JPS6335332A (ja) 金属材料の外面に繊維強化樹脂成形層を有する複合成形品の引き抜き成形方法及び成形型
JP2508256Y2 (ja) 補強された光ファイバテ―プ心線
JPH04243949A (ja) 強化無機ボードの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020912

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees