JP2000208113A - 円筒形電池の封口構造 - Google Patents

円筒形電池の封口構造

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JP2000208113A
JP2000208113A JP782099A JP782099A JP2000208113A JP 2000208113 A JP2000208113 A JP 2000208113A JP 782099 A JP782099 A JP 782099A JP 782099 A JP782099 A JP 782099A JP 2000208113 A JP2000208113 A JP 2000208113A
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勝博 山下
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清英 筒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のガスケット形状をあまり変化させるこ
となく、かしめ工程初期時に生じるしわと端子板の装着
不良を防止し、優れた耐漏液性を長時間にわたって保持
する封口構造を提供する。 【解決手段】 電池ケース1の開口端縁部1aと、端子
板3の周縁部3aとの間で圧縮される合成樹脂製の封口
ガスケット2の外周立上り部2bは、その外周面がほぼ
ストレートな円筒面である。この外周立上り部2bの上
端縁部分の内径がこれより下方の部分に比べて大きく形
成され、薄肉部2dとなっている。前記外周立上り部2
bの薄肉部2dのすぐ下の内周部分に環状凸部2eが形
成され、そのすぐ下の内周部分が環状凹部2fとなって
いる。前記端子板3の周縁部3aが前記ガスケット2の
環状凹部2fにはまり込んでいる。前記電池ケース1の
開口端縁部1aの内周面に前記ガスケット2の薄肉部2
dが密接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、円筒形電池の封
口構造に関し、とくに、その耐漏液性を高めるための封
口ガスケット形状の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に円筒形電池では、封口ガスケット
を介して電池ケースの開口端縁部に端子板をかしめ付け
固定して形成される封口構造によって、電池内部を気密
に封止している。とくにマンガン電池に代わって普及し
てきたアルカリ電池においては、その電解液に非常に強
い浸透性をもつ苛性カリ水溶液を用いるため、前述した
封口構造の耐漏液性は非常に重要である。そのアルカリ
電池の封口構造として一般的なものを図3に示す。
【0003】この封口構造は、発電要素を収納した金属
製の有底円筒形電池ケース1と、この電池ケース1の開
口端縁部1aの内面に合成樹脂製の封口ガスケット2を
介してはめ込まれた金属製の端子板3(アルカリ電池で
は負極端子に相当する)とをかしめ加工することにより
密封状態に形成されている。この封口構造では、封口ガ
スケット2を圧縮することによって生じる反発弾性力を
利用して密封性を実現している。そのため、漏液の原因
になる箇所に封口ガスケット2の反発弾性力を集中させ
てやることにより、優れた耐漏液性が長時間持続する電
池が提供できる。
【0004】従来、封口ガスケットの形状に工夫を施す
ことによって反発弾性力を特定箇所に集中させることが
行われている(特開平3−283257号公報参照)。
図4にその封口ガスケット2の概略的な斜視図および断
面図を示した。先ほど示した図3と合わせてこの封口ガ
スケット2について説明する。封口ガスケット2は、集
電棒4が貫通する穴を中心に有するボス部2aと、前記
電池ケース1の開口端縁部1aと前記端子板3の周縁部
3aとの間で圧縮される外周立上り部2bと、この外周
立上り部2bと前記ボス部2aとを連結する連結部2c
とからなる。前記ガスケット2の外周立上り部2bの内
周面はほぼストレートな円筒面である。この外周立上り
部2bの上端縁部分の外径がこれより下方の部分に比べ
て小さく形成され、薄肉部2dとなっている。外周立上
り部2bの前記薄肉部2dのすぐ下の外周部分に環状凸
部2eが形成されている。
【0005】つぎに、前記ガスケット2を用いた封口構
造の形成過程を、図5を用いて順を追って説明する。所
定のステーションで電池ケース1に発電要素が順次充填
され、その電池ケース1が搬送治具によって封口ステー
ションに送られてくる。この封口ステーションでは、ま
ず前記ガスケット2が端子板3および集電子4などとと
もに電池ケース1内に挿入される。挿入後のようすを図
5のに示す。この段階では、前記電池ケース1の開口
端縁部1aの内周面と前記ガスケット2の薄肉部2dの
外周面との間に隙間があり、ガスケット2と端子板3は
ともにその位置がしっかりと固定されてない。
【0006】この後、ローラ・スピニング・ツールによ
り電池ケース1の開口端縁部1aを前記ガスケット2の
外周立上り部2bとともに内周側に絞り込むかしめ加工
(カール加工)と、この開口端縁部1aを絞りダイスを
用いて全体的に縮径する縮径絞り加工が行われて、封口
作業が完了する。かしめ加工および縮径絞り加工が完了
した後のようすを図5のに示す。電池ケース1の開口
端縁部1aの外周側から内周側に向かう縮径力によりガ
スケット2に強力な圧縮反発力が生じており、ガスケッ
ト2および端子板3をほぼ水平方向に圧接固定してい
る。また、前記外周立上り部2bに突設された環状凸部
2eが端子板3の周縁部3aの上端面に強力に圧接する
ことによりガスケット2および端子板3をほぼ上下方向
に圧接固定している。このとき、電池ケース1の開口端
縁部1aの所定位置に設けられた環状屈曲部1bが、前
記ガスケット2が下方に脱落するのを防止している。外
周立上り部2bの上端縁部を薄肉にしたことにより、内
周方向への折り曲げが容易に行える。よってこの薄肉部
2dは封口ガスケット2に上方から加わる超過圧力によ
るガスケット2の脱落の防止と、端子板3に不均一な圧
力が加わり不適切な位置で端子板3が固定されるのを防
ぐ役割を果たし、非常に重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような従来
の封口構造では、ガスケット2の薄肉部2dが外周を小
さくすることによって形成されているため、電池ケース
1にガスケット2・端子板3・集電子4を挿入した段階
において、電池ケース1の開口端縁部1aの内周面とガ
スケット2の薄肉部2dとの間に隙間が存在する。その
ため、かしめ工程における内支えがなく前記電池ケース
1の開口端縁部1aにしわができ、これが漏液原因とな
る。かしめ工程が完了した後の電池の封口部のようすを
図6に示す。
【0008】また、外周立上り部2bの薄肉部2dのす
ぐ下の外周部分に突設された環状凸部2eは、縮径絞り
工程において初めて端子板3の圧接固定に寄与するた
め、その前工程において端子板3が斜めに挿入された場
合は、これが漏液経路を形成する原因となる。
【0009】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、従来のガスケット形状をあ
まり変化させることなく、かしめ工程初期時に生じるし
わと端子板の装着不良を防止し、優れた耐漏液性を長時
間にわたって保持する封口構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めのこの発明は、つぎの要件(1)〜(4)により特定
されるものである。 (1)発電要素を収納した金属製の有底円筒形電池ケー
スと、この電池ケースの開口端縁部の内面に合成樹脂製
の封口ガスケットを介してはめ込まれた金属製の端子板
とをかしめ加工することにより密封状態に形成される円
筒形電池の封口構造である。 (2)前記ガスケットは、集電棒が貫通する穴を中心に
有するボス部と、前記電池ケースの開口端縁部と前記端
子板の周縁部との間で圧縮される外周立上り部と、この
外周立上り部と前記ボス部とを連結する連結部とからな
る。 (3)前記ガスケットの外周立上り部の外周面はほぼス
トレートな円筒面である。この外周立上り部の上端縁部
分の内径がこれより下方の部分に比べて大きく形成さ
れ、薄肉部となっている。外周立上り部の前記薄肉部の
すぐ下の内周部分に環状凸部が形成され、そのすぐ下の
内周部分が環状凹部となっている。 (4)前記端子板の周縁部が前記ガスケットの環状凹部
にはまり込んでいる。前記電池ケースの開口端縁部分の
内周面に前記ガスケットの薄肉部が密接している。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の封口構造の実施形態
は、従来技術で示した図4ないし図5の構成と基本的に
同じである。従来技術と異なるのは、ガスケット2の外
周立上り部2bの形状である。よって、従来技術と重複
する事項の説明は省略し、この発明の特徴点を抽出して
図1ないし図2を用いて説明する。
【0012】図1は、この発明の封口ガスケット2の形
状を示す概略的な斜視図および断面図である。ガスケッ
ト2の外周立上り部2bの外周面はほぼストレートな円
筒面である。この外周立上り部2bの上端縁部分の内径
がこれより下方の部分に比べて大きく形成され、薄肉部
2dとなっている。外周立上り部2bの前記薄肉部2d
のすぐ下の内周部分に環状凸部2eが形成され、そのす
ぐ下の内周部分が環状凹部2fとなっている。なお前記
ガスケット2のボス部2aおよび連結部2cの形状は、
図1に示した形状に限らない。
【0013】図2のは、前記封口ガスケット2を端子
板3および集電子4とともに電池ケース1に挿入した後
のようすを示した概略的な断面図である。前記端子板3
の周縁部3aが前記ガスケットの環状凹部2fにはまり
込んでいる。かしめ工程及び縮径絞り工程に至る前段階
で既に端子板3の位置が固定されており、ここが従来技
術と大きく異なる。これによって、端子板3が斜めに装
填されて漏液経路を形成することを防止できる。
【0014】また、電池ケース1の開口端縁部1aの内
周面に前記ガスケット2の薄肉部2dの外周面が密接し
ている。これによって、かしめ工程において電池ケース
1の開口端縁部1aを内周側に絞り込む際、このガスケ
ット2の薄肉部2dが内側からの支えとなり、図6に示
したようなしわが生じなくなる。
【0015】図2のは、封口作業が完了した後のよう
すを示した概略的な断面図である。従来技術の図5の
に比べても明らかなように、電池ケース1の開口端縁部
1aの内周面と前記ガスケット2の薄肉部2dの外周面
との間に隙間がなく、密封性が非常に良好である。この
封口構造の耐漏液性能を調べるために実施した漏液試験
の結果をつぎに示す。
【0016】
【実施例】図1ないし図2に示したこの発明の封口構造
を有する円筒形電池(以下、本発明例と略す)と、図4
ないし図6に示した従来の形態の封口構造を有する円筒
形電池(以下、従来例と略す)との耐漏液性能を比較し
た。なお、この漏液試験に使用した円筒形電池は一般的
なアルカリ電池であり、それぞれの電池の仕様、構造は
ガスケットの形状を除いては同じにした。試験方法は、
前記本発明例および従来例の電池を周囲温度60℃、相
対湿度90%の状態で放置して、10日・20日・30
日・40日経過後にそれぞれの電池の封口部にクレゾー
ルレッドなどの試薬を塗布し、色の変化を目視にて観察
し、アルカリ溶液が電池外部に漏洩しているどうか確認
するものである。下の表に本発明例および従来例の電池
それぞれ40個について実施した漏液試験の結果を示
す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】表から明らかなように、この発明の封口
構造を適用した電池は、従来のものに比べて耐漏液性に
優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の封口ガスケットの概略的な斜視図お
よび断面図である。
【図2】この発明の封口ガスケット・端子板・集電体の
挿入後および開口部封口後のようすを示す要部断面図で
ある。
【図3】アルカリ電池の封口構造の概略を示す断面図で
ある。
【図4】従来例の封口ガスケットの概略的な斜視図およ
び断面図である。
【図5】従来例の封口ガスケット・端子板・集電体の挿
入後および開口部封口後のようすを示す要部断面図であ
る。
【図6】従来例の開口部封口後に生じたしわのようすを
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電池ケース 1a 開口端縁部 1b 環状屈曲部 2 封口ガスケット 2a ボス部 2b 外周立上り部 2c 連結部 2d 薄肉部 2e 環状凸部 2f 環状凹部 3 端子板 3a 周縁部 4 集電子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 勝博 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 筒井 清英 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 太田 廣彦 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA17 CC06 DD15 FF03 GG02 HH02 JJ04 5H024 AA03 AA14 CC02 CC14 DD04 FF36 HH15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの事項(1)〜(4)によって特定
    される発明。 (1)発電要素を収納した金属製の有底円筒形電池ケー
    スと、この電池ケースの開口端縁部の内面に合成樹脂製
    の封口ガスケットを介してはめ込まれた金属製の端子板
    とをかしめ加工することにより密封状態に形成される円
    筒形電池の封口構造である。 (2)前記ガスケットは、集電棒が貫通する穴を中心に
    有するボス部と、前記電池ケースの開口端縁部と前記端
    子板の周縁部との間で圧縮される外周立上り部と、この
    外周立上り部と前記ボス部とを連結する連結部とからな
    る。 (3)前記ガスケットの外周立上り部の外周面はほぼス
    トレートな円筒面である。この外周立上り部の上端縁部
    分の内径がこれより下方の部分に比べて大きく形成さ
    れ、薄肉部となっている。外周立上り部の前記薄肉部の
    すぐ下の内周部分に環状凸部が形成され、そのすぐ下の
    内周部分が環状凹部となっている。 (4)前記端子板の周縁部が前記ガスケットの環状凹部
    にはまり込んでいる。前記電池ケースの開口端縁部分の
    内周面に前記ガスケットの薄肉部が密接している。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030034428A (ko) * 2001-10-23 2003-05-09 삼성에스디아이 주식회사 캡 조립체 및, 그것을 구비한 원통형 이차전지
JP2006221988A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Fdk Energy Co Ltd 円筒形密閉電池用ガスケットと電池および製造方法
JP2010218909A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Hitachi Maxell Ltd 扁平形電池用のガスケット及びこれを用いた扁平形電池
CN111602281A (zh) * 2018-03-23 2020-08-28 重庆金康新能源汽车有限公司 用于电动车辆电池组的电池电芯
EP4178014A4 (en) * 2021-09-15 2024-06-19 Contemporary Amperex Technology Co., Limited BATTERY CELL, BATTERY, ELECTRICAL DEVICE AND METHOD AND DEVICE FOR PRODUCING A BATTERY CELL

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