JP7187205B2 - 円筒型電池 - Google Patents

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Description

本発明は、有底円筒状の電池缶の開口端が、ガスケットを介して円盤状の封口体によって封口されてなる円筒型電池に関する。
上記の円筒型電池の代表例として、ボビン型リチウム一次電池が挙げられる。ボビン型リチウム一次電池は、リチウム金属又はリチウム合金を負極活物質として用い、エネルギー密度が高く、高容量である、という特徴を有する。そのため、例えば定置型のガスメーターや水道メーターなど、長期にわたって無保守で電力の供給が必要な機器の電源として、広く利用されている。
===ボビン型リチウム一次電池の構造===
<基本的な構造>
図1に、一般的なCR17335型のボビン型リチウム一次電池1の構造を示した。図1は、円筒軸100の延長方向を上下(縦)方向としたときの、ボビン型リチウム一次電池1の縦断面を示している。
ボビン型リチウム一次電池1は、二酸化マンガンなどの正極活物質が黒鉛などの導電助剤とともに中空円筒状に成形されてなる正極合剤3、板状のリチウム金属やリチウム合金が丸められてなる円筒状の負極リチウム4、上方が開口する有底円筒状のセパレーター5、及び電解液を発電要素とし、この発電要素が有底円筒状の電池缶2内に収納されているインサイドアウト構造を有する。電池缶2は金属製で、正極集電体と電池ケースとを兼ねている。電池缶2の底部には、凸状の正極端子部21がプレス加工によって形成されている。図1に示したボビン型リチウム一次電池1では、開口端近傍の周囲に絞り加工によるビーディング部22が形成されており、電池缶2の開口部は、周知のクリンプ封口方式によって密封されている。
<封口構造>
電池缶2の開口部は、封口体7によって封止されている。封口体7は、ともに金属製の負極端子板71と封口板72とから構成されている。負極端子板71の形状は、電池缶2の開口端を上方とすると、上方を底とした皿状で、皿の縁にはフランジが形成されている。封口板72は円板状で、負極端子板71の下方に積層されている。負極端子板71と封口板72とは、いずれも周縁が上方に開口するU字型の縦断面を有し、封口体7として積層されている状態で、互いの周縁部分が係合するように形成されている。そして、封口体7の外周縁部と、電池缶2の内面23の開口端近傍の領域との間には、樹脂製のガスケット6が介在している。
図1に示したボビン型リチウム一次電池1用のガスケット6は、ポリプロピレンやポリフェニレンサルファイトなどの絶縁性の樹脂からなる一体成形品で、正極と負極とを絶縁しつつ、電池缶2の開口部を密封する機能を備えている。これにより、電池缶2内が密閉されている。図2A、図2Bに、ボビン型リチウム一次電池1用のガスケット6を示した。図2Aは、電池缶2内に組み込まれる前の当初のガスケット6を上方から見たときの平面図である。図2Bは、図2Aに示したガスケット6の縦断面図である。図2A、図2Bに示したように、当初のガスケット6の形状は、上方が開口する円形カップ状で、円形の底部61の外周縁辺65を周回するように側壁部63が形成されてなる。底部61の中央には、当該底部61の上面と下面とを連絡し、負極リード43を挿通する円形の挿通孔62が形成されている。また、ガスケット6には、挿通孔62とは別の複数の小さな孔164が、当該挿通孔62と同心円上に形成されている。この孔164は、以下に説明するように、ボビン型リチウム一次電池1の製造過程でガスケット6を電池缶2内に挿入する際に、電池缶2内の空気を電池缶外へ放出する機能を担っている。
===ボビン型リチウム一次電池の製造手順===
次に、図1に示したボビン型リチウム一次電池1の製造手順を説明する。なお、ボビン型リチウム一次電池1を構成する各種部品や部材の上下方向については、電池缶2外にある場合であっても、電池缶2に組み込まれた状態を基準に説明する。
まず、中空円筒状の正極合剤3を電池缶2内に圧入し、次に、正極合剤3の内側に、セパレーター5を、開口部が上方となるように配置する。さらに、有底円筒状のセパレーター5の内側に、負極リチウム4を挿入する。円筒状の負極リチウム4の内面には、金属薄板で形成された負極集電体41が、あらかじめ取り付けられている。負極集電体41は、負極リチウム4の内面に取り付けられる平板状の領域(以下、集電領域42とも言う)と、集電領域42の上端側に接続され、上方に延長する帯状のリード部43とからなる。
負極集電体41が取り付けられた状態の円筒状の負極リチウム4を電池缶2内に挿入したら、ガスケット6を電池缶2内に挿入する。このとき、電池缶2内の空気が、挿通孔62、及び上述した挿通孔62とは別の孔164から排出され、ガスケット6が電池缶2内に容易に挿入できるようになっている。そして、ガスケット6を、電池缶2の内方に環状に突出するビーディング部22の上面を座として電池缶2の開口端側に配置する。
その後、ガスケット6の底部61の中央に設けられた挿通孔62にリード部43を挿通させ、当該リード部43の先端側を封口板72の下面に溶接する。そして電解液を注入したのち、封口体7をカップ状のガスケット6内に圧入し、当該ガスケット6の底部61の上面と密着させる。その後、電池缶2のビーディング部22より上方の領域に対してカール絞り加工を施すと、電池缶2の開口端が縮径しつつ、内方にかしめられる。その結果、ガスケット6は、圧縮変形しつつ、封口体7の外周縁部と電池缶2の内面23とによって狭持される。
なお、以下の特許文献1に、ボビン型リチウム一次電池の構造や機能などが記載されている。また、以下の非特許文献1には、製品として実際に販売されているボビン型リチウム一次電池の仕様が記載されている。
特許第4264180号公報
FDK株式会社、"高容量円筒型リチウム一次電池"、[online]、[平成30年6月1日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/battery/lithium/lithium_cylindrical.html>
図1に示したボビン型リチウム一次電池1と同等の構造を有する円筒型電池では、正極合剤3の上端面とガスケット6の下面との間の空間81が閉塞されている。そのため、円筒型電池1の製造工程において、工程時間を短縮するために、ガスケット6を電池缶2内に短時間で挿入すると、挿通孔62や上記の孔164が形成されていても、上記の空間81の内圧が上昇し、電解液がガスケットと電池缶との間隙から外部に漏出する場合がある。このとき、電池缶2内から挿通孔62や上記の孔164を通って漏れ出した電解液については、カップ状のガスケット6の内側に溜まった後、同じ孔(62、164)を介して再度電池缶2内に戻ることができる。しかし、一部の電解液については、ガスケット6と電池缶2との間隙から外部に漏出する場合がある。
円筒型電池の製造工程において、電解液が電池缶2の外部に漏出すると、電池缶2内の電解液が不足するため、すべての発電要素を効率よく使い切ることができなくなる。その結果、円筒型電池の製品寿命が、設計寿命よりも短くなる、という問題が生じる。また、電池缶2の外部に漏出した電解液によって、電池缶2の外表面が汚染されるという問題も生じる。
そこで本発明は、製造工程において、電池缶内の局所的な圧力の上昇によって電解液が電池缶外へ漏出することを抑制できる円筒型電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の円筒型電池は、下方を底とした有底円筒状の電池缶の開口端が、ガスケットを介して円盤状の封口体によって封口されてなる円筒型電池であって、
前記ガスケットは、中央に第1の開口部を有する円形の底部の外周縁辺から上方に側壁部が立設されてなり、
前記側壁部は、前記底部の外周縁辺を内周として、前記封口体の外周縁部と前記電池缶の内面との間に介在し、
前記ガスケットは、前記底部の外周縁辺を含む領域に、前記ガスケットの外面と内面とを連絡する第2の開口部が形成され、
前記底部における前記第2の開口部の開口率が15%以上30%以下である、
ことを特徴とする。
前記第2の開口部は、前記底部の外周縁辺から前記底部の中心又は前記底部の外周縁辺から前記側壁部の上端側に向かって延長するように形成されていてもよい。
前記第2の開口部は、3~6箇所に等角度間隔で形成されていることとしてもよい。
前記電池缶の開口は、負極端子板を含む前記封口体によって封止されており、
前記電池缶の内部には、中空筒状の正極合剤と、当該正極合剤の内方にセパレーターを介して配置されている筒状の負極リチウムとが電解液とともに収納されているインサイドアウト構造を有する、
ことを特徴とする円筒型電池とすることもできる。
本発明によれば、製造工程における、電池缶内の局所的な圧力の上昇によって電解液が電池缶外へ漏出することを抑制できる円筒型電池が提供される。
一般的な円筒型電池1の構造の一例を示す図である。 円筒型電池1用のガスケット6の平面図である。 円筒型電池1用のガスケット6の縦断面図である。 本発明の第1の実施例に係るガスケット6aの平面図である。 本発明の第1の実施例に係るガスケット6aの縦断面図である。 本発明の第2の実施例に係るガスケット6bの平面図である。 本発明の第2の実施例に係るガスケット6bの縦断面図である。 本発明の第3の実施例に係るガスケット6cの平面図である。 本発明の第3の実施例に係るガスケット6cの縦断面図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ以下で説明する。なお、説明に用いた以下の図面においては、同一又は類似の部分に同一の符号を付すことによって、重複する説明を省略することがある。また、図面によっては、説明の際に不要な符号を省略することがある。
===実施例===
<円筒型電池の構成>
本発明の実施例に係る円筒型電池の基本的な構造や構成は、図1に示した一般的なボビン型リチウム一次電池1と同様である。しかし、実施例に係る円筒型電池(以下、円筒型電池1とも言う)は、図2A及び図2Bに示したガスケット6とは異なる構造のガスケットを備えている。概略的には、図2A及び図2Bに示したガスケット6の底部61及び側壁部63のうち、正極合剤3の上端面と対面する領域に、挿通孔62と異なる第2の開口部が形成されている。
===第1の実施例===
図3A及び図3Bに、本発明の第1の実施例に係る円筒型電池1が備えるガスケット6a(以下、第1の実施例のガスケット6aとも言う)の外観を示した。図3Aは、ガスケット6aを上方から見たときの平面図であり、図3Bは、図3Aのa-a断面における縦断面図である。図3A、図3Bに示したように、ガスケット6aには、挿通孔62とは異なる第2の開口部(以下、放出孔64とも言う)が、底部61の外周縁辺65を含む領域に形成されている。
図3A及び図3Bに示したガスケット6aでは、底部61の外周縁辺65から底部61の中心と側壁部63の上端との両方に向かって延長するように、等角度間隔で六つの放出孔64が形成されている。そして、各放出孔64がガスケット6aの外面と内面とを連絡している。そのため、ガスケット6aを電池缶2内に挿入する工程(以下、ガスケット挿入工程とも言う)において、ガスケット6aの下面と正極合剤(図1、符号3)の上端面との間で圧縮された空気が、放出孔64を介してガスケット6aの内面側に導かれる。それによって、正極合剤3の上端面とガスケット6aの底部61との間の狭小な空間(図1、符号81)の内圧の上昇が抑制され、電解液がガスケット6aと電池缶2との間隙から外部に漏出し難くなる。
また、電解液が、ガスケット6aと電池缶2との間隙又は放出孔64からガスケット6aの内面側に流入しても、その電解液は、放出孔64や挿通孔62を経由して再び電池缶2内に戻る。その結果、円筒型電池1のガスケット挿入工程において、電解液の電池缶2外への漏出が抑制される。
===第2、第3の実施例===
放出孔64の開口形状は、上記第1の実施例に限らない。そこで、以下に、本発明の第2及び第3の実施例に係る円筒型電池1として、放出孔64の開口形状が異なるガスケットを備えた円筒型電池1を挙げる。図4Aと図4Bとに第2の実施例に係る円筒型電池1が備えるガスケット(以下、第2の実施例のガスケット6bとも言う)を示した。また、図5Aと図5Bとに第3の実施例に係る円筒型電池1が備えるガスケット(以下、第3の実施例のガスケット6cとも言う)を示した。図4A及び図5Aは、それぞれ、第2及び第3の実施例のガスケット(6b、6c)を上方から見たときの平面図であり、図4B及び図5Bは、それぞれ、図4Aのb-b断面、及び図5Aのc-c断面における縦断面図である。
図4A及び図4Bに示した第2の実施例のガスケット6bでは、六つの放出孔64が、ガスケット6bの底部61の外周縁辺65からガスケット6bの底部61の中心に向かって延長するように形成されている。また、六つの放出孔64は、底部61の中心に対して等角度間隔で形成されている。一方、図5A及び図5Bに示した第3の実施例のガスケット6cでは、六つの放出孔64が、ガスケット6bの底部61の外周縁辺65から側壁部63の上方に向かって延長するように形成されている。また、六つの放出孔64は、円筒状の側壁部63の周囲に等角度間隔で形成されている。
===性能評価===
次に、本発明の実施例に係る円筒型電池1における電解液の漏出抑制効果を評価するために、第1、第2、及び第3の実施例のガスケット(6a、6b、6c)のそれぞれについて、開口率が異なる7種類のガスケット(6a、6b、6c)を作製し、それらのガスケット(6a、6b、6c)を用いてCR17335型のボビン型リチウム一次電池をサンプルとして組み立てた。また、同じ種類のサンプルに対して5個の個体を用意した。具体的には、ガスケット(6a~6c)の底部61や側壁部63に一つ当たり5%の開口率の放出孔64を形成することで開口率を調整した。複数個の放出孔64を設ける場合には、放出孔64を等角度間隔で形成した。そして、全個体に対し、ガスケット挿入工程の前後でサンプルの重量を測定することで電解液の漏出抑制効果の有無や度合いを評価した。なお、ガスケット挿入工程に際し、電池の外方に電解液が付着した場合には、電解液を拭き取り、その上で、ガスケット挿入工程後の電池の重量を測定した。
以下の表1に各サンプルに対する評価試験の結果を示した。
Figure 0007187205000001
表1において、開口率は、底部61や側壁部63の全領域の面積に対する放出孔64の開口面積の割合であり、例えば、実施例3のサンプル15~21であれば、底部61の上面あるいは下面の面積と、挿通孔62の開口面積と、放出孔64の開口面積とを合計した面積を100%としたときの放出孔64の開口面積の割合である。実施例1については、放出孔64が、底部61と側壁部63の双方で同じ開口率となるように形成されている。すなわち、実施例1のガスケット6aを備えたサンプル1~7と実施例2、3のガスケット(6b、6c)を備えたサンプル8~21は、開口率が同じでも、放出孔64の開口面積は異なっている。
重量変化率は、ガスケット挿入工程前のサンプルの重量を100%としたときのガスケット挿入工程後のサンプル重量の割合であり、サンプルごとに用意した5個の個体の平均値が示されている。
表1に示したように、ガスケット(6a、6b、6c)の種類が第1、第2、及び第3の実施例のいずれについても、開口率が10%以下であるサンプル1、2、8、9、15、16では、ガスケット挿入工程の前後で電池重量が3%以上低減しており、電解液の漏出抑制効果を十分に得ることができなかった。これは、放出孔64の開口率が少なく、ガスケット挿入工程において正極合剤3の上面側にて圧縮された空気が放出孔64を介して十分に電池缶2の外方に放出できなかったためと思われる。
一方、ガスケット(6a、6b、6c)の種類が第1、第2、及び第3の実施例のいずれについても、開口率が15~30%のサンプル3~6、10~13、17~20については、ガスケット挿入工程の前後で電池重量変化率が2%未満であった。とくに、開口率が30%のサンプル6、13、20、及び第3の実施例のガスケット6cを備えて開口率が25%のサンプル19については、すべての個体で電池重量変化率が100%であり、ガスケット挿入工程の前後で電池重量の変化が確認されなかった。これは、放出孔64の開口面積が十分に大きく、ガスケット挿入工程において正極合剤3の上面側で空気が圧縮される前に放出孔64を介して電池缶2の外方に開放されるとともに、ガスケット(6a、6b、6c)の内面側に漏出した電解液が、放出孔64を介して再び電池缶2内に戻ったためと考えられる。
なお、開口率が35%のサンプル7、14、21では、ガスケット挿入工程時にガスケット(6a、6b、6c)が破損し、電池缶2を密閉状態で封口することができなかった。これは、開口率が過大になったために、ガスケット(6a、6b、6c)の底部61又は側壁部63の強度が不足したためと考えることができる。
次に、電解液の漏出抑制効果が顕著に確認された開口率が15%~30%のサンプル3~6、10~13、17~20について、電池重量変化率の平均値を実施例ごとに求めてみた。また、実施例に対する比較例として、図2A、図2Bに示したガスケット(以下、比較例のガスケット6とも言う)を用いた従来の円筒型電池1もサンプルとして5個作製した。なお、比較例のガスケット6については、挿通孔62と同心円上に形成された孔164の開口率を一つ当たり5%とし、その孔164を六つ形成したガスケット6を用意した。そして、これらのガスケット6を用いて、開口率が30%のサンプルを作製した。
以下の表2に、実施例及び比較例の電池重量変化率の平均値の比較結果を示した。
Figure 0007187205000002
表2に示したように、第1及び第3の実施例に対応するサンプル3~5、17~20の場合、電池重量変化率の平均値が、第2の実施例に対応するサンプル10~23と比較して若干少なかったものの、開口率が15%以上であれば、98.5%以上の電池重量変化率を確保できることが分かった。そして、開口率が30%であれば、ガスケット挿入工程に際して確実に電解液の漏出を防止できることが分かった。一方、比較例のガスケットを用いたサンプルでは、開口率が30%であるにも拘らず、元の電池重量に対して3%の電解液が漏出した。したがって、放出孔64は、ガスケット(6a、6b、6c)の底部61の外周縁辺65を含む領域に形成されていることが必要となる。
===その他の実施例===
上記サンプルでは、ガスケット(6a、6b、6c)に複数個の放出孔64を形成する場合、放出孔64を等角度間隔で設けていた。それによって、ガスケット(6a、6b、6c)の下面と正極合剤3との間隙81にある空気を外方に均一に逃がすことができる。また、放出孔64の数は、表1や表2に示したサンプルに対する評価試験結果から、三つ~六つ程度が望ましい。
もちろん、放出孔64の数が一つであっても、あるいは複数の放出孔64が等角度間隔で形成されていなくても、電池缶2を封口する際に破損しない程度の強度を確保しつつ開口率を大きくすれば、ガスケット挿入工程時に電解液が漏出することを抑制することができる。また、第2の実施例のガスケット6bでは、底部61にのみ放出孔64が形成されていたが、当該放出孔64は、側壁部63の外方まで延長するように形成されていてもよい。
上記第1~第3の実施例に係る円筒型電池1は、ボビン型リチウム一次電池であったが、本発明の実施例に係る円筒型電池1は、電解液を発電要素の一つとし、インサイドアウト構造を有する円筒型電池1であれば、リチウム一次電池に限定されない。
本発明の実施例として上げた円筒型電池1では、電池缶2の開口部がクリンプ封口方式によって封口されていたが、本発明の実施例に係る円筒型電池1は、電池缶2がレーザー封口方式によって封口されているものでもよい。
1 ボビン型リチウム一次電池(円筒型電池)、2 電池缶、21 正極端子部、22 ビーディング部、3 正極合剤、4 負極リチウム、41 負極集電体、42 集電領域、43 リード部、5 セパレーター、6,6a,6b,6c ガスケット、61 底部、62 挿通孔(第1の開口部)、63 側壁部、64 放出孔(第2の開口部)、65 底部の外周縁辺、7 封口体、71 負極端子板、72 封口板、81 狭小空間(間隙)、100 円筒軸、164 孔

Claims (4)

  1. 下方を底とした有底円筒状の電池缶の開口端が、ガスケットを介して円盤状の封口体によって封口されてなる円筒型電池であって、
    前記ガスケットは、中央に第1の開口部を有する円形の底部の外周縁辺から上方に側壁部が立設されてなり、
    前記側壁部は、前記底部の外周縁辺を内周として、前記封口体の外周縁部と前記電池缶の内面との間に介在し、
    前記ガスケットは、前記底部の外周縁辺を含む領域に、前記ガスケットの外面と内面とを連絡する第2の開口部が形成され、
    前記底部における前記第2の開口部の開口率が15%以上30%以下である、
    ことを特徴とする円筒型電池。
  2. 請求項1に記載の円筒型電池であって、
    前記第2の開口部は、前記底部の外周縁辺から前記底部の中心又は前記底部の外周縁辺から前記側壁部の上端側に向かって延長するように形成されていることを特徴とする円筒型電池。
  3. 請求項1又は2に記載の円筒型電池であって、前記第2の開口部は、3~6箇所に等角度間隔で形成されていることを特徴とする円筒型電池。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の円筒型電池であって、
    前記電池缶の開口は、負極端子板を含む前記封口体によって封止されており、
    前記電池缶の内部には、中空筒状の正極合剤と、当該正極合剤の内方にセパレーターを介して配置されている筒状の負極リチウムとが電解液とともに収納されているインサイドアウト構造を有する、
    ことを特徴とする円筒型電池。
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