JP2017142976A - 円筒形電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池缶の開口に封口体をガスケットを介して嵌着する際のかしめ強度を高い精度で調整しなくても、漏液とガスケットの破断の双方を確実に防止できる円筒形電池を提供する。【解決手段】下方を底部とした有底円筒状の電池缶の開口が内方にかしめられて、当該開口に略円盤状の封口体が樹脂製のガスケット6aを介して嵌着されている円筒形電池であって、前記ガスケットは、底部61中央に開口62を有するとともに、底部の周縁68に上方に立設する側壁部63が一体形成された円形カップ状で、当該側壁部が前記封口体の縁端と前記電池缶の内面との間に介在し、前記ガスケットの底部には、前記開口の周縁62oを基端81として前記底部の周縁方向に延長する切込部80が形成されている。【選択図】 図5

Description

本発明は有底円筒状の電池缶の開口が内方にかしめられて、当該開口に略円盤状の封口体がガスケットを介して嵌着されている円筒形電池に関する。
本発明が対象とする円筒形電池の従来例としてボビン形(以下、インサイドアウト型とも言う)リチウム一次電池を挙げる。図1は従来例に係る円筒形電池の構造を示しており、この図では、円筒軸100の延長方向を上下(縦)方向としたときの円筒形電池1の縦断面を示している。例示した円筒形電池1は、有底円筒状の電池缶2、二酸化マンガン等の正極活物質を黒鉛等の導電助剤とともに中空円筒状に成形してなる正極合剤3、円筒状の金属リチウムやリチウム合金からなる負極リチウム4、円筒カップ状のセパレーター5、ガスケット6、封口体7などによって構成されている。
電池缶2は、金属製で、電池ケースと正極集電体を兼ねており、その外底面には凸状の正極端子部21がプレス加工により形成されている。また開口部近傍の周囲には絞り加工によるビーディング部22が形成されている。円筒形電池1は、この電池缶2内に正極合剤3、セパレーター5、および負極リチウム4が電解液とともに収納されているとともに、電池缶2の開口端側に略円盤状の封口体7がガスケット6を介して嵌着されたものである。封口体7は、負極端子板71と封口板72とから構成されており、負極端子板71は金属製で、電池缶2の開口を上方とすると、上方を底とした皿状で、皿の縁にはフランジが形成されている。封口板72は、金属製の円板で負極端子板71の下方に積層されている。そしてポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイトなど樹脂の一体成形品からなるガスケット6が封口板72と負極端子板71の周縁と電池缶2における開口側の内面との間に介在している。
この図1に示した円筒形電池1の組み立て手順としては、まず、電池缶2内に中空円筒状の正極合剤3を圧入するともに、その正極合剤3の内側に上方が開口する有底円筒状に成形されたセパレーター5を配置し、そのセパレーター5の内側に負極リチウム4を挿入する。負極リチウム4は、板状の金属リチウムやリチウム合金を円筒状に丸めたものであって、その円筒状の負極リチウムの4の内面には金属薄板で形成された負極集電体40があらかじめ取り付けられている。負極集電体40は、例えば、負極リチウム4の内面に取り付けられる平板状の領域41の上端側に帯状に上方に延長する負極リード41が一体的に形成されたものである。
次に電池缶2の内方に環状に突出するビーディング部22を座として、ガスケット6を電池缶2の開口端側に装着する。すなわちガスケット6の底部61の下面周縁をビーディング部22の上面に当接させた状態で当該ガスケット6を電池缶2内に挿入する。ガスケット6は、底部61の中央に開口62を有し、この開口62に上述した負極リード42を挿通させるとともに、当該負極リード42の先端43側を封口板72の下面に溶接する。そして電解液を注入した後、封口体7をカップ状のガスケット6内に圧入しつつ、当該ガスケット6の底部61の上面に封口体7を載置する。なお負極端子板71と封口板72は、ともに周縁が上方に開口するU字型に屈曲されており、封口体7として積層されている状態では互いの周縁部分が係合するように形成されている。そして電池缶2のビーディング部22より上方の領域を縮径しつつ開口端を内方にかしめるカール絞り加工を行い、ガスケット6を封口体7の周縁と電池缶2の内面とによって圧縮させた状態で狭持させる。それによって電池缶2の開口が密封される。
なお円筒形電池が図1に示したインサイドアウト型リチウム一次電池である場合、組立後に周知の予備放電を実施することから、当該インサイドアウト型リチウム一次電池用のガスケットは、正極と負極を絶縁しつつ電池缶開口を密封するという機能に加え、予備放電時に発生するガスを電池缶内の各所に分散させる機能も備えている。図2にインサイドアウト型リチウム一次電池用のガスケット6の構造を示した。ここでは電池缶10内に組み込まれる前の初期状態にあるガスケット6を示しており、図2(A)は当該ガスケット6の縦断面図であり、図2(B)はガスケット6を上方から見た時の平面図である。図2(A)に示したように、初期状態にあるガスケット6の形状は上方に開口する円形カップ状で、円形の底部61の周縁に上方に立設しながら周回する側壁部63が一体的に形成されている。また上述したように、底部61の中央には当該底部61の上面61uと下面62dを連絡して負極リードが挿通される開口62が形成されている。さらに図2(B)に示したように、底部61には負極リードが挿通される開口62とは別に、上下方向に貫通する小径の孔64が形成されており、この孔64が上記の予備放電時のガスを分散させる機能(以下、ガス分散機能)を担っている。
図1および図3を参照しながらこの孔(以下、通気孔64とも言う)によるガス分散機能について説明すると、通気孔64は、ガスケット6が円筒形電池1に組み込まれた状態で正極合剤3の上端面31と対面する領域(図1、符号65)に形成されており、リチウム一次電池の製造工程における予備放電に際して正極側に発生するガスがこの通気口を介して電池缶2内の各所に分散される。具体的には、セパレーター5の上端51がガスケット6の底部61の下面に当接する場合、通気孔がないと、予備充電時に正極側に発生したガスが正極合剤3の上端面31とガスケット6の底部61との間の狭小な空間23に充満することになる。そこでガスケット6の底部61において正極合剤3の上端面31に対面する領域65に通気孔を設けることで、正極合剤3の上端面31側の空間23に充満したガスを、封口板72の下面とガスケット6の底部61との間の空間24、およびその空間24とガスケット6の底部中央の開口62を介して連絡している円筒状の負極リチウム4の内方の空間25にも分散させ、電池缶2内において局所的に内圧が上昇するのを防止している。もちろん通気孔は、予備放電時に限らず、ハイレート放電時における発電反応に伴って発生するガスについても電池缶2内の各所に分散させることもできる。電池缶が破裂するような大量のガスが発生した際には、封口板72がその内圧によって上方に膨らむことで負極端子板71に形成された切り刃73の先端がその封口板72に当接して封口板72を破断する。それによって電池缶内のガスが大気中に放出される。
なおインサイドアウト型のリチウム一次電池の構造などについては以下の特許文献1に記載されている。また以下の非特許文献1には実際に製品として販売されているインサイドアウト型リチウム一次電池の仕様などが記載されている。
特開2001−273911号公報
FDK株式会社、"高容量円筒形リチウム一次電池"、[online]、[平成28年1月19日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/battery/lithium/lithium_cylindrical.html>
インサイドアウト型のリチウム一次電池などでは、ガスケットの底部中央にリードタブを挿通させるための開口が形成されており、そのガスケットが電池缶の開口端側に形成されたビーディング部を座にして電池缶内に装着されている。そして電池缶の開口端がかしめられることで封口体がガスケットを介して電池缶を封口している。なおこのような電池缶の封口方式はクランプ封口方式などとも呼ばれている。図3にクランプ封口方式による円筒形電池の封口構造をより詳しく示した。当該図3は図1における円101内を拡大した図であり、封口体7が電池缶2に嵌着されている状態を示している。図3に示したように、ガスケット6の側壁部63は、封口体7の周縁領域74と電池缶10の内面26との間に挟持されている。また電池缶2の開口端26側は内方に向けて屈曲しており、ガスケット6における側壁部63の縁端66側もその電池缶2の開口端26側の屈曲形状に沿って屈曲している。
ところでクランプ封口方式よって封口された円筒形電池では、電池缶開口をガスケットを介して封口体で封止する際の条件を高い精度で調整する必要がある。とくに封口に際して電池缶開口をかしめるときの強度が重要となる。かしめ強度が弱ければ、電池缶の内面とガスケットの側壁部63の外面との密着度が低下して漏液などの問題が発生し、強すぎればガスケットにおいて封口体と電池缶内面とによって狭持される側壁部63の一部が破断してしまう。例えば図3にて破線の楕円で示した2カ所の領域67では、ガスケット6の側壁部63が、封口体7の周縁領域74において最も鋭利な負極端子板71や封口板72の先端部分(75、76)と電池缶2の内面26との間に狭持されるため、この領域67でガスケット6が破断する場合が多い。そしてガスケット6の側壁部63の一部が破断すれば、封口板7と電池缶内面26とが接触して短絡する。製品として出荷する前の検査で短絡が発覚すれば不良品として処分することもできるが、破断の度合いが軽度である場合には、出荷前の検査では良品であっても、出荷後の振動などによって破断箇所が広がって短絡が顕在化し、深刻な品質問題に発展することも懸念される。
そこで本発明は、電池缶の開口に封口体をガスケットを介して嵌着する際のかしめ強度を高い精度で調整しなくても、漏液とガスケットの破断の双方を確実に防止できる円筒形電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、下方を底部とした有底円筒状の電池缶の開口が内方にかしめられて、当該開口に略円盤状の封口体が樹脂製のガスケットを介して嵌着されている円筒形電池であって、
前記ガスケットは、底部中央に開口を有するとともに、底部の周縁に上方に立設する側壁部が一体形成された円形カップ状で、当該側壁部が前記封口体の縁端と前記電池缶の内面との間に介在し、
前記ガスケットの底部には、前記開口の周縁を基端として前記底部の周縁方向に延長する切込部が形成されている、
ことを特徴とする円筒形電池としている。
前記切込部は、前記ガスケットの底部中央に対して放射状となるように複数箇所に形成されていてもよい。好適には前記切込部が等角度間隔で3箇所以上に形成されている円筒形電池とすることである。さらに上記円筒形電池が、前記電池缶内に、二酸化マンガンを正極活物質としてリング状に形成された正極合剤と、当該正極合剤の内側に、リチウム金属またはリチウム合金を負極活物質とした負極がセパレーターを介して配置されてなる場合では、前記切込部の先端が前記正極合剤の上端面に対面する領域まで延長して形成されていることを特徴とする円筒形電池とすればより好ましい。
本発明に係る円筒形電池によれば、漏液とガスケットの破断の双方を確実に防止できる。それによって信頼性の高い円筒形電池を提供することができる。また歩留まりの向上によってより安価に提供することもできる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
従来の円筒形電池の一例であるボビン形(インサイドアウト型)リチウム電池の構造を示す図である。 上記従来の円筒形電池に採用されているガスケットの構造を示す図である。 上記従来の円筒形電池における封口構造を示す拡大図である。 上記従来の円筒形電池におけるガスケットの破断メカニズムを説明するための図である。 本発明の実施例に係る円筒形電池を構成するガスケットを示す図である。 上記実施例に係る円筒形電池におけるガスケットの破断防止作用を説明するための図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===本発明に想到する過程===
上述したように、クリンプ封口方式による封口構造を備えた従来の円筒形電池では、電池缶の開口をかしめて密封する際、そのかしめ強度が大き過ぎるとガスケットの主に側壁部の所定の位置が破断する。そのため従来の円筒形電池では、封口時のかしめ強度を、漏液が発生せず、かつガスケットが破断しないように調整することが必要であった。そこで本発明者は、漏液に関してはガスケットが破断しなければ、かしめ強度を大きくすればよいことから、従前より大きなかしめ強度で封口しても破断しないようなガスケットの構造が存在すれば、封口時のかしめ強度を厳密に制御する必要がなく、製造コストも削減できると考えた。そして破断しにくいガスケットの構造について検討する過程で、従来の円筒形電池においてガスケットが破断するメカニズムについての知見を得た。本発明はそのメカニズムについての知見に基づいて鋭意研究を重ねた結果なされたものである。
以下では、まず本発明者が本発明に想到する過程で知見した従来の円筒形電池1におけるガスケット6の破断メカニズムについて説明し、その上で、本発明の本実施例に係る円筒形電池のガスケットの構造と、その構造によるガスケットの破断防止作用について説明する。
===ガスケットの破断メカニズム===
図4に従来の円筒形電池1におけるガスケットの破断メカニズムを説明するための図を示した。なお図4は図1における円101内を拡大した図に対応している。図4に示したように、封口時に電池缶2の開口端が内方にカール加工されるのに伴って、ガスケット6の側壁部63には縁端66方向に引き延ばされるように応力(図中、実線白抜き矢印F1)が加わる。そのため側壁部62の基端68に連続する底部61には、放射外方向に引き延ばされるように応力(図中、太線矢印F2)が加わる。すなわち円盤状の底部61を拡径させて底部61の表面積を増加させようとする応力F2が加わる。しかし底部61は自身の形状を維持しようとするため、その応力F2が吸収されず、電池缶2の開口をかしめていく過程で側壁部63が図中破線白抜き矢印D1で示したように、基端68が固定された状態で縁端66に向かって引き延ばされることになる。そして封口時のかしめ強度が強すぎれば、ガスケット6の側壁部63において、負極端子板71や封口板72の先端(75、76)と電池缶2の内面26とに狭持されて最も圧力が大きくなる領域67で破断が生じる。したがって電池缶2の開口を封口する際にガスケット6の底部61に掛かる拡径方向の応力F2を何らかの方法で吸収させることができれば、ガスケット6の破断を防止することができると考えられる。
===実施例===
本発明の実施例に係る円筒形電池の基本的な構造や構成は、図1に示したボビン形リチウム電池と同様である。しかし本実施例に係るボビン形リチウム電池では、上述した従来の円筒形電池におけるガスケットの破断メカニズムを前提として、電池缶の封口時に底部に掛かる拡径方向の応力を吸収させる構造を有するガスケットを備えている。図5に本発明の実施例に係る円筒形電池が備えるガスケット6aを示した。ここでは電池缶内に組み込まれる前のガスケット6aを上方から見たときの平面図を示した。図5に示したようにガスケット6aの構造が図2に示した従来のものとは異なっており、ガスケット6aには、円盤状の底部61の中央に形成された開口62の周縁62oを基端81として底部61の外周、すなわち側壁部63の基端68に向かって延長する切込部80が形成されている。この例における切込部80は、基端81となる開口62の周縁62oを底辺とするとともに先端82を頂点とした鋭角三角形状で、円盤状の底部61の中心oに対して等角度間隔で8カ所に形成されている。
図6に本実施例のガスケット6aによる電池缶封口時の破断防止作用を説明するための図を示した。なおこの図6も図1における円101内を拡大した図に対応している。本実施例のガスケット6aでは、電池缶2の封口時に側壁部63の縁端66側に掛かる応力F1に伴って底部61に拡径方向の応力F2が加わると、切込部(図5、符号80)の幅(図5、符号w)が広がる。すなわち切込部80の面積が広がり、底部61の表面積が実質的に大きくなる。それによって底部61に掛かる拡径方向の応力F2が吸収される。すなわち側壁部63は、電池缶2の開口をかしめていく過程で発生する縁端66側に向かう応力F1によって底部61の周縁側が側壁部63の基端68から縁端66側へ繰り出され(図中、破線白抜き矢印D2)、その結果としてガスケット6aの破断が防止される。また切込部80が等角度間隔で複数箇所に形成されていることで、円盤状の底部61に掛かる拡径方向の応力F2が底部61に均一に分散され、強大なかしめ強度にも耐えてより確実に破断を防止できるようになっている。なおこの例では、切込部67の先端68が図1に示したインサイドアウト型リチウム電池1における正極合剤3の上端面31に対面する領域65まで延長しており、この切込部67が通気孔としても機能するようになっている。
===ガスケットの破断防止性能===
従来の円筒形電池では、電池缶の開口をかしめて封口する際、そのかしめ強度はガスケットが破断しない上限値を厳密に調整する必要があった。言い換えれば、ガスケットが破断しない限り、かしめ強度が大きいほど漏液を確実に防止することができる。そこで本実施例の円筒形電池におけるガスケットの破断防止性能を確認するために、まず、封口時におけるカシメ強度を変えて従来の円筒形電池を作製した。ここでは上記非特許文献1に「CR2/3 8L」として記載されているリチウム一次電池を封口時のカシメ強度のみを変えて製造し、ガスケットが破断し易い条件(以下、ガスケット破断条件)を求めた。その上で図5に示した底部61に切込部80が形成されたガスケット6aを用いて上記ガスケット破断条件で電池缶の開口を封口して本実施例の円筒形電池を作製し、その本実施例の円筒形電池におけるガスケットの破断の有無を確認した。
具体的には上記「CR2/3 8L」と同じ構成や構造を採用しつつ、封口時のカシメ強度を変えた円筒形電池(以下、比較例とも言う)を10個一組として、各組毎に封口時のカシメ強度を変えて従来例に係る円筒形電池を作製した。なお全ての組でかしめ強度を上記「CR2/3 8L」よりも大きくした。また作製後の比較例に係る円筒形電池を分解してガスケットの破断状態を目視によって調べ、各組の10個の個体の内破断が生じている個体数を数えた。そして一組中の10個の個体の内8個の個体において破断が確認された組におけるカシメ強度をガスケット破断条件とした。
次に実施例に係る円筒形電池として、図5に示した切込部80が形成されたガスケット6aを用いつつ他の構成や構造が上記「CR2/3 8L」と同じ10個の実施例に係る円筒形電池を上記ガスケット破断条件によって作製した。そして10個の実施例に係る円筒形電池に対してガスケットの破断状態を調べたところ破断が発生した個体が一つもなかった。したがって本発明の実施例に係る円筒形電池では、封口時に漏液が発生しない強度で電池缶開口をかしめさえすれば、かしめ強度の上限については厳密に制御しなくても確実にガスケットの破断を防止でき、漏液はもちろん、出荷後の短絡の発生も確実に防止することができる。すなわち本実施例の円筒形電池では、製造コストが削減でき、歩留まりも向上し、結果として信頼性の高い円筒形電池をより安価に提供することが可能となる。
===その他の実施例===
切込部の形状は三角形状に限らず、例えば、基端から先端まで同じ幅のスリット状など、適宜な形状とすることができる。また切込部の先端位置については、必ずしもガスケット圧縮部近傍にまで延長させる必要はない。なお封口時に円盤状のガスケットの底部に掛かる拡径方向の応力をより均一に分散させるためには、切込部を等角度間隔で3カ所以上に放射状に形成することが望ましいが、基端が拡幅する切込部が一つ以上形成されていれば、上記拡径方向の応力を逃がすことができ、少なくとも従来のガスケットでは破断してしまう強度よりも高い強度でかしめても破断が生じることがないことは容易に予想される。もちろん本発明は、リチウム一次電池に限らず、発電方式の種別、あるいは一次電池と二次電池の種別を問わず、クリンプ方式の封口構造を備えるとともに底部中央に開口を有するガスケットを備えたあらゆる円筒形電池に適用可能である。
1 円筒形電池(ボビン形(インサイドアウト型)リチウム電池)、2 電池缶、
3 正極合剤、4 負極リチウム、5 セパレーター、6,6a ガスケット、
7 封口体、21 正極端子部、22 ビーディング部、26 電池缶の内面、
31 正極合剤の上端面、41 負極集電体、42 負極リード、
61 ガスケット底部、62 ガスケットの底部開口、63 ガスケットの側壁部、
64 ガスケットの通気孔、66 ガスケット壁部の縁端、
68 ガスケット壁部の基端、71 負極端子板、72 封口板、80 切込部、
81 切込部の基端、82 切込部の先端

Claims (4)

  1. 下方を底部とした有底円筒状の電池缶の開口が内方にかしめられて、当該開口に略円盤状の封口体が樹脂製のガスケットを介して嵌着されている円筒形電池であって、
    前記ガスケットは、底部中央に開口を有するとともに、底部の周縁に上方に立設する側壁部が一体形成された円形カップ状で、当該側壁部が前記封口体の縁端と前記電池缶の内面との間に介在し、
    前記ガスケットの底部には、前記開口の周縁を基端として前記底部の周縁方向に延長する切込部が形成されている、
    ことを特徴とする円筒形電池。
  2. 請求項1において、前記切込部は、前記ガスケットの底部中央に対して放射状となるように複数箇所に形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  3. 請求項2において、前記切込部は、等角度間隔で3箇所以上に形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記電池缶内に、二酸化マンガンを正極活物質としてリング状に形成された正極合剤と、当該正極合剤の内側に、リチウム金属またはリチウム合金を負極活物質とした負極がセパレーターを介して配置されてなり、
    前記切込部の先端は前記正極合剤の上端面に対面する領域まで延長して形成されている、
    ことを特徴とする円筒形電池。
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