JP2000207784A - 可逆性感熱記録シ―ト及びそれを用いた表示記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録シ―ト及びそれを用いた表示記録媒体

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JP2000207784A JP504199A JP504199A JP2000207784A JP 2000207784 A JP2000207784 A JP 2000207784A JP 504199 A JP504199 A JP 504199A JP 504199 A JP504199 A JP 504199A JP 2000207784 A JP2000207784 A JP 2000207784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可逆性感熱記録層の下側に形成されている絵
柄、OVDなどが可視できるようにした可逆性感熱記録
シート及びそれを用いた表示記録媒体である。 【解決手段】透明支持体上に少なくとも反射層、有機低
分子を樹脂母材中に分散した透明/白濁タイプの可逆性
感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートにおいて、該
反射層の少なくとも一部を不連続に設けたことにより、
可逆性感熱記録層を透明化した場合において可逆性感熱
記録シートを介して、景色や絵柄の視認が可能であるこ
とを特徴とする可逆性感熱記録シート、およびこの可逆
性感熱記録シートをカード媒体の少なくともその一部の
上側に一体化して設けたことを特徴とする表示記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、会員カード、ID
カード、クレジットカード、キャッシュカード、ICカ
ード、プリペイドカード等に用いる可逆性感熱記録シー
ト及びそれを用いた表示記録媒体に関わり、磁気デー
タ、電子データによる情報記録とその可視情報を併せ持
つカードのより高範囲な活用を可能にする可逆性感熱記
録シート及びそれを用いた表示記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、会員カード、IDカード、ク
レジットカード、キャッシュカード、ICカード、プリ
ペイドカード等の情報記録は、カードの一部に磁気記録
可能な磁気テープ、磁気記録層、あるいはICチップを
設けることにより、デジタル或いは、アナログ信号によ
る記録が行われている。ところで、これらカードは情報
記録内容を表示、或いは確認する場合においては、専用
の読み取り装置で記録情報の読み込み処理を行なう必要
があり、一般のユーザーが確認する事は困難である。そ
こで、こうした情報記録内容の簡易的な表示への要求が
高まりつつある。近年、この要求を満足させるため、不
可逆、及び可逆性の表示媒体の開発がなされている。と
くに可逆性の表示記録体は、ポイントカードなどへ適用
する場合、表示情報の継続的な更新が可能であり、プリ
ペイドカードのみならず、キャッシュカード及びクレジ
ットカードへの対応が可能である。
【0003】可逆性の表示記録体としては、例えば特開
昭54−119377、特開昭55−154198、特
開平5−85045等の公報に示されているように、樹
脂バインダー中に有機低分子を分散させ、透明/白濁の
コントラストにより表示を行なう高分子/低分子タイプ
の可逆性表示技術が開発されている。高分子/低分子タ
イプの可逆性表示体は、プラスチックシート/着色(反
射)層/記録(高分子/低分子)層/保護層から構成さ
れており、熱刺激による記録層の透明/白濁を表示原理
とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高分子/低分子による
可逆性感熱記録体は、もともと白濁時の隠ぺい性が弱
く、白濁時のコントラストを上げるために、着色層をAl
などの蒸着による反射層に置き換える等の改良が行なわ
れてきた。このような可逆性感熱記録体を、クレジット
カードやキャッシュカード、ポイントカード、プリペイ
ドカードなどのカード媒体と組み合わせる場合、当然の
ことながらカード基材上に設けられた印刷やホログラム
などの絵柄、特殊インキやホログラムによる偽造防止の
為の絵柄を隠してしまう。これは、カードのデザイン上
大きな制約となるばかりか、カード発行元が定める偽造
防止規定を満たす為の大きな障害となっている。本発明
はかかる従来の問題点に鑑みなされたもので、可逆性感
熱記録層の下側に形成されているエガラ、OVDなどが
可視できるようにした可逆性感熱記録シート及びそれを
用いた表示記録媒体である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1の発明においては、透明支持体上
に少なくとも反射層、有機低分子を樹脂母材中に分散し
た透明/白濁タイプの可逆性感熱記録層を設けた可逆性
感熱記録シートにおいて、該反射層の少なくとも一部を
不連続に設けたことにより、可逆性感熱記録層を透明化
した場合において可逆性感熱記録シートを介して、景色
や絵柄の視認が可能であることを特徴とする可逆性感熱
記録シートとしたものである。
【0006】また、請求項2の発明においては、請求項
1に記載の可逆性感熱記録シートを、着色インキ、蛍光
インキ、赤外線発色インキ、紫外線発色インキから選ば
れる少なくとも1種類のインキを用い絵柄を設けたカー
ド媒体の少なくともその一部の上側に一体化して設けた
ことを特徴とする表示記録媒体としたものである。
【0007】更にまた、請求項1の発明においては、請
求項1に記載の可逆性感熱記録シートを、ホログラムや
回折格子のなどのようなOVDによる絵柄を設けたカー
ド媒体の少なくともその一部の上側に一体化して設けた
ことを特徴とする表示記録媒体としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づき詳細に説明する。図1は、本発明の可逆性感熱記
録シートの断面図であり、本発明の基本的構成である。
すなわち、図1に示すように、透明プラスチックシート
からなる支持体1に、Al等の無機物の部分蒸着加工も
しくは鏡面インキ等の高反射性のインキの塗布により、
部分的なパターン状もしくは極小エリアを非連続に分布
させた状態として高反射領域を設けた反射層2を設け
る。さらに該反射層2の上層に、必要により接着アンカ
ー層3を印刷法またはコーティング法により設けた後、
樹脂母材と樹脂母材中に分散された有機低分子とを主成
分とした記録層4を印刷法またはコーティング法により
設ける。加えて記録層4の上層に保護層5を印刷法また
は、コーティング法により設けたものが、基本構成であ
る。
【0009】図2は、本発明の可逆性感熱記録シートを
一体化させたカード媒体の断面図であり、本発明の構成
の一例である。すなわち、図2に示すように、透明プラ
スチックシートからなる支持体1に、Al等の無機物の
部分蒸着加工もしくは鏡面インキ等の高反射性のインキ
の塗布により、部分的なパターン状もしくは極小エリア
を非連続に分布させた状態として高反射領域を設けた反
射層2を設ける。さらに該反射層2の上層に、必要によ
り接着アンカー層3を印刷法またはコーティング法によ
り設けた後、樹脂母材と樹脂母材中に分散された有機低
分子とを主成分とした記録層4を印刷法またはコーティ
ング法により設ける。加えて記録総4の上層に保護層5
を印刷法または、コーティング法により設けることによ
り可逆性感熱記録シートを得る。この可逆性感熱記録シ
ートを、少なくとも印刷層8を設けた基材7上に、熱ラ
ミネート法等の方法により一体化させたものを基本構成
とする。
【0010】図3は、本発明の可逆性感熱記録シートを
一体化させたカード媒体の断面図で、本発明の構成の一
例である。すなわち、図3に示すように、透明プラスチ
ックシートからなる支持体1に、Al等の無機物の部分
蒸着加工もしくは鏡面インキ等の高反射性のインキの塗
布により、部分的なパターン状もしくは極小エリアを非
連続に分布させた状態として高反射領域を設けた反射層
2を設ける。さらに該反射層2の上層に、必要により接
着アンカー層3を印刷法またはコーティング法により設
けた後、樹脂母材と樹脂母材中に分散された有機低分子
とを主成分とした記録層4を印刷法またはコーティング
法により設ける。加えて記録層4の上層に保護層5を印
刷法または、コーティング法により設け可逆性感熱記録
シートを得る。さらに該可逆性感熱記録シートの裏面に
接着層6を印刷法またはコーティング法により設けた
後、ホログラムなどのOVDを用いた絵柄を設けたカー
ド媒体に一体化させたものを基本構成とする。
【0011】OVDとしては微細な凹凸パターンを有す
るレリーフ型ホログラムや、感光性樹脂などの記録材を
用いて体積方向に干渉縞を記録するリップマンホログラ
ムなどの体積型ホログラム、微小なエリアに複数種類の
単純な回折格子を配置して画素とし、画像を表現するグ
レーティングイメージ、ピクセルグラムといった回折画
像が含まれる。
【0012】図4は、可逆性感熱記録シート表面及び、
絵柄を設けたカード基材上の一部分に一体化させた場合
の様子を説明するものである。蒸着層を設けた可逆性感
熱記録シートであるが、記録層を透明化する事によりカ
ード基材表面に設けた絵柄に重ねた場合においても、絵
柄を認識する事ができる。図1、2及び3に示した可逆
性感熱記録シートの支持体1は、機械的に強靭で柔軟性
や可とう性を有する厚さの比較的薄いポリエチレン、ポ
リプロピレン、その他の透明性を有する高分子材料から
なる厚さ10〜100μmのプラスチック製フィルム等
が用いられる。好ましくはコーティングや印刷時の搬送
製や加工性を考慮し25〜50μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムが用いられる。
【0013】図1、2及び3に示した反射層2は記録層
4に記録された透明/白濁のコントラストを向上させる
層であり、支持体1上に部分的なパターン状もしくは極
小エリアを非連続に分布させた状態に高反射領域を設け
ることにより得る。この高反射領域は、支持体1上にA
l等の無機物の部分蒸着加工もしくは鏡面インキ等の高
反射性のインキを印刷法やコーティング法を用いて塗布
することにより実現される。
【0014】蒸着により部分的な高反射領域を形成する
方法としては、支持体1上にパターンを形成したマスク
を重ねて蒸着後マスクを除去する方法、水溶性もしくは
有機溶剤に容易に溶解可能な樹脂を一定のパターンで支
持体1に印刷法またはコーティング法で塗布後、蒸着加
工を行ないさらに適切な溶媒による樹脂の除去や粘着フ
ィルムのラミネート−剥離工程による余剰蒸着部の除去
を行なう方法、また支持体1上に蒸着加工を行なった
後、蒸着面にエッチングレジストを印刷法及びコーティ
ング法により、または感光性レジストを露光などの方法
により一定パターンで形成し、エッチング工程及びエッ
チングレジストの剥離工程を経て蒸着パターンを得る方
法等のいわゆる既知の部分蒸着加工を用いる事ができ
る。
【0015】これら支持体1上の反射層2を部分蒸着法
を用いて設ける場合、その蒸着工程には真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、ラミネート
法などを用いる事ができ、例えばAl、Cr、Sn、N
i、Cu等を反射が十分に得られる程度に厚さ0.03
〜0.1μmの高反射部として設ける事ができる。さら
にこれら薄膜の形成材料としては、ここに示した以外の
材料を単体もしくは複合的に用いる事により色調を調整
することができる。これら支持体1上の反射層2を鏡面
インキなどの印刷法により設ける場合、印刷方法として
は、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、オ
フセット印刷法などの印刷方式を用い、0.1〜20μ
mの厚さで高反射部を設ける事ができる。
【0016】また、これら反射層の高反射部は、網点や
格子などのパターン状に加工されることが加工上及び均
一な可視性の確保の点から好ましい。これらパターンは
シートの透視性が得られるように、一つのドットが直径
0.02〜0.5mm程度の範囲で構成され、支持体1
の露出部分に対する高反射部の面積が20〜80%程
度、好ましくは50%に近い割合で設ける。これらパタ
ーンの割合が高ければ白濁時の隠ぺい性が高いが下層の
絵柄の可視性が劣ってしまう。
【0017】図1、2及び3に示した接着アンカー層3
は、反射層2と記録層4の接着性を高める場合におい
て、必要に応じて印刷法及びコーティングにより、0.
5μm〜20μm程度の厚さで設ける事ができる。材料
としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、セルロースアセテート系樹脂、ニトロセル
ロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、など
の一般的な樹脂もしくはそれらの混合体を必要に応じて
硬化させて用いることができる。
【0018】図1、2及び3に示した記録層4は、樹脂
母材のマトリックス中に分散された有機低分子物質の結
晶状態の変化によって白濁、透明化が可逆的に変化する
もので、印刷法、またはコーティング法等により可逆性
感熱記録層を膜厚4〜2μmに設けることができる。可
逆性感熱記録層中に分散される有機低分子物質としては
脂肪酸若しくは脂肪酸誘導体または、脂環式有機酸が挙
げられ、さらに詳しくは、飽和若しくは不飽和のもの或
いはジカルボン酸、または、これらのエステル、アミド
等を含むものである。前記飽和脂肪酸の具体例として
は、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチル酸、ヘプタデカン酸、ステアリン
酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げら
れ、また、不飽和脂肪酸の具体例としては、オレイン
酸、エライジン酸、リノール酸、ソルビン酸、ステアロ
ール酸等が挙げられる。尚、脂肪酸若しくは脂肪酸誘導
体又は脂環式有機酸はこれらのものに限定されるもので
はなく、且これらの内の一種類または二種類以上を混合
させて適用することも可能である。
【0019】また、用いられる樹脂母材としては、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セ
ルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、
塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂の単独、混合或いは共重合物が
用いられる。一方、可逆性感熱記録部の透明化温度範囲
を制御するため、必要に応じて樹脂の可塑剤、高沸点溶
剤などを樹脂母材に対し、0.1〜20%重量部添加す
ることができる。
【0020】図1、2及び3に示した保護層5は、感熱
記録層以下を保護する役割を果たす物であり、印刷法、
コーティング法等により、膜厚0.2〜20μmに設け
ることができる。使用される樹脂としては、例えば、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂−酢
酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミ
ド系樹脂等の公知の熱可塑性樹脂、紫外線又は電子線硬
化樹脂を単独或いは、混合して用いられる。更に、耐性
の向上、スティッキング防止のために、樹脂を架橋する
硬化剤、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シ
リコンワックス等のワックス類、或いは炭酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の
体質顔料、シリコーン油脂等の油脂類を透明性を損なわ
ない範囲で添加することができる。また、サーマルヘッ
ドで印字消去した際、熱の伝導性を制御するため、中空
フィラー、ビーズ等を透明性を損なわない範囲で添加す
ることができる。
【0021】図1、2及び3に示す接着層6は、可逆性
感熱記録シートをカード基材7に接着させるため軟化点
150℃以下の高分子材料を印刷法又はコーティング法
により膜厚0.5〜20μmに塗布し設けられる。高分
子材料としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が単独或いは
混合して用いられる。好ましくはポリウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂が用いられる。図2、3に示すカー
ド基材7は、図1に示された可逆性感熱表示シートを貼
りあわせる対象として用いるものであり、材質として
は、白色、有色或いは透明なポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂等の材料が使用
できる。厚みとしては印刷適性を考慮し、50μm〜2
mmの範囲から選択される。これら好ましくはさらに基
材をセンターコアとオーバーシートにより構成し、厚さ
を100μm前後としたシートが用いられる。
【0022】図2に示した印刷層8は、通常の着色イン
キ、蛍光インキ、赤外線発色インキ、紫外線発色インキ
等の単体もしくはこれらを混合して用い、従来公知のグ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等
の印刷方式や、あらかじめ用意された絵柄転写シートを
用いて設けることができる。図3に示した剥離保護層9
は、ホログラム絵柄をカート゛表面に転写する為に別途用
意されたプラスチック基材上に塗工し、以下に記載のホ
ログラム形成層及び反射性薄膜、接着層を塗り重ねた
後、基材とこれらホログラム絵柄を容易に分離させる為
に設けられる。また、転写後はホログラム画像形成層を
保護する役目も同時に持たせる事ができる。この剥離保
護層としては、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム系樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂などに、オイルシリコン、
脂肪族アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものが使用
可能であり、印刷法及びコーティング法により厚さ約
0.5〜2.0μmに設けることができる。
【0023】図3に示したホログラム形成層10は、エ
ンボス成型性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい
再生画像が得られ、剥離保護層9及び反射性薄膜層11
との接着性が良好である樹脂であり、印刷法及びコーテ
ィング法により厚さ約0.3〜1.0μmに設ける事が
できる。また、回折構造形成面はこのような組成のホロ
グラム形成層に対し、版面温度が165℃のプレス成形
を行なう事により形成されている。ホログラム形成層は
ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエス
テル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレートなどの熱硬化性樹脂ある
いはこれらの混合物、さらにはラジカル重合不飽和基を
有する熱成型性材料などが使用可能であり、また、上記
以外のものでも回折構造を形成可能な安定性を有する材
料であれば使用可能である。
【0024】図3に示した反射性薄膜層11は光線を反
射する層であり、反射性薄膜層11を形成する方法とし
ては、真空蒸着法の他、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等の成膜手段が適応可能であり、膜厚とし
ては10〜150nmの範囲にある事が好ましい。ま
た、蒸着には他に金属反射性を有する物質が使用可能
で、例えばAu、Ag、Cuなどの金属が考えられる。
また、反射性薄膜層として、反射性と透過性を併せ持つ
高屈折率透明材料を使用する事も可能である。高屈折率
透明材料としては、Sb2 3 、Fe2 3 、TiO
2 、CdS、CeO2、ZnS、PbCl、CdO、S
23 、WO3 、SiO、Si2 3 、In 23
PbO、Ta23 、ZnO、ZrO2 、Cd23
Al23 などが使用可能である。
【0025】図3に示した接着層12は、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アクリル系樹
脂など、樹脂又は塗工時に用いる溶媒が反射性薄膜層を
変質させたり、侵すものでなければ、通常接着剤として
用いられるもので良く、とくに限定されるものではな
い。膜厚は、グラビア法など既存の方法により、約0.
1〜20μm程度に設けられる。
【0026】
【実施例】<実施例1>A4大の厚さ25μmの透明P
ETシートに、ポリスチレン系樹脂溶液を、グラビア印
刷により塗工してパターン(網点濃度50%)を膜厚約
1μmで設けた。さらに、加工面に真空蒸着法を用い膜
厚60nmになるようにAl蒸着を行なった。蒸着加工
後、トルエン溶液を用いてあらかじめPETに設けたポ
リスチレン系樹脂を溶解し、同時にパターンを構成する
Al以外のAlを除去した。この網点状のAl蒸着PE
Tシート面に、可逆性感熱記録材料を含む記録層をグラ
ビア法を用いて、乾燥温度130℃、塗布厚9μmで設
けた。さらに、これら上層に保護層をグラビア法を用い
て、塗布厚6μmで設け、可逆性感熱記録シートを得
た。以下に製造に使用した各塗料の組成を示す。
【0027】{可逆性感熱記録シート} (網点加工用) ポリスチレン系樹脂 ‥‥20重量部 トルエン ‥‥80重量部 (感熱記録) ステアリン酸 ‥‥7重量部 セバシン酸 ‥‥2重量部 塩酢ビ共重合樹脂 ‥‥6重量部 テトラヒドロフラン ‥‥30重量部 トルエン ‥‥10重量部 (保護層) アクリル系樹脂 ‥‥50重量部 硬化剤 ‥‥3重量部 テフロンフィラー ‥‥1.5重量部 炭酸カルシウム ‥‥1.5重量部 トルエン ‥‥100重量部 メチルエチルケトン ‥‥100重量部
【0028】得られた可逆性感熱記録シートはサーマル
ヘッド(京セラ製薄膜ヘッド、8dot/mm、100
0Ω)を用いて、印加エネルギー0.3mJ/dotで
印字が可能であった。さらに約90℃の熱板(ホットス
タンプ:セラミック製、面積1.0×2.5cm)を1
kgf/cm2 で1秒間押し当てることにより印字デー
タの消去が可能であった。この消去した場合の透明状態
においては、媒体の透視性が確認された。
【0029】<実施例2>実施例1記載の可逆性感熱記
録シートをカード基材と一体化させる為、裏面にさらに
接着層を設け、幅12mmの形状にスリットした。前も
って、印刷絵柄を設けたカード表面に上記可逆性感熱記
録シートを重ね、ロール温度120℃、搬送速度50m
m/秒の条件で熱ロール法によって一体化し可逆性感熱
記録シートが一体に形成されたカード媒体を得た。以下
に製造に使用した各塗料の組成を示す。
【0030】{可逆性感熱記録シート} (網点加工) ポリスチレン系樹脂 ‥‥20重量部 トルエン ‥‥80重量部 (感熱記録) ステアリン酸 7重量部 セバシン酸 ‥‥2重量部 塩酢ビ共重合体樹脂 ‥‥6重量部 テトラヒドロフラン ‥‥30重量部 トルエン ‥‥10重量部 (保護層) アクリル系樹脂 ‥‥50重量部 硬化剤 ‥‥3重量部 テフロンフィラー ‥‥1.5重量部 炭酸カルシウム ‥‥1.5重量部 トルエン ‥‥100重量部 メチルエチルケトン ‥‥100重量部 (接着層) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ‥‥30重量部 ポリエステル樹脂 ‥‥20重量部 メチルエチルケトン ‥‥50重量部 トルエン ‥‥50重量部
【0031】得られたカード媒体の可逆性感熱記録部分
はサーマルヘッド(京セラ製薄膜ヘッド、8dot/m
m、1000Ω)を用いて、印加エネルギー0.3mJ
/dotで印字が可能であった。さらに約90℃の熱板
(ホットスタンプ:セラミック製、面積1.0×2.5
cm)を1kgf/cm2 で1秒間押し当てることによ
り印字データの消去が可能であった。この消去した場合
の透明状態において、下層の印刷絵柄を十分に認識する
事が可能であり、さらに白濁化を行なった場合、十分に
印刷絵柄を隠蔽し、白濁状の印字画像をコントラスト良
く表示する事ができた。
【0032】<実施例3>実施例1記載の可逆性感熱記
録シートをカード基材と一体化させる為、裏面にさらに
接着層を設け、幅12mmの形状にスリットした。前も
って、印刷絵柄を設けたカード表面にホログラム絵柄を
転写し、その上から上記可逆性感熱記録シートを重ね、
ロール温度120℃、搬送速度50mm/秒の条件で熱
ロール法によって一体化しカード媒体を得た。以下に製
造に使用した各塗料の組成を示す。
【0033】{可逆性感熱記録シート} (網点加工用) ポリスチレン系樹脂 ‥‥20重量部 トルエン ‥‥80重量部 (感熱記録) ステアリン酸 7重量部 セバシン酸 ‥‥2重量部 塩酢ビ共重合体樹脂 ‥‥6重量部 テトラヒドロフラン ‥‥30重量部 トルエン ‥‥10重量部 (保護層) アクリル系樹脂 ‥‥50重量部 硬化剤 ‥‥3重量部 テフロンフィラー ‥‥1.5重量部 炭酸カルシウム ‥‥1.5重量部 トルエン ‥‥100重量部 メチルエチルケトン ‥‥100重量部 (接着層) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ‥‥30重量部 ポリエステル樹脂 ‥‥20重量部 メチルエチルケトン ‥‥50重量部 トルエン ‥‥50重量部
【0034】{ホログラム表示} (ホログラム形成層) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ‥‥25重量部 ウレタン樹脂 ‥‥10重量部 メチルエチルケトン ‥‥70重量部 トルエン ‥‥30重量部 (剥離保護層) アクリル樹脂 ‥‥30重量部 ポリエステル樹脂 ‥‥5重量部 トルエン ‥‥40重量部 メチルエチルケトン ‥‥40重量部 メチルイソブチルケトン ‥‥20重量部
【0035】得られたカード媒体の可逆性感熱記録部分
はサーマルヘッド(京セラ製薄膜ヘッド、8dot/m
m、1000Ω)を用いて、印加エネルギー0.3mJ
/dotで印字が可能であった。さらに約90℃の熱板
(ホットスタンプ:セラミック製、面積1.0×2.5
cm)を1kgf/cm2 で1秒間押し当てることによ
り印字データの消去が可能であった。この消去した場合
の透明状態において、下層のホログラム画像を十分に認
識する事が可能であり、さらに白濁化を行なった場合、
十分にホログラム画像を隠蔽し、白濁状の印字画像をコ
ントラスト良く表示する事ができた。
【0036】
【発明の効果】透明/白濁タイプの可逆性感熱記録シー
トに、網点または格子などのパターン状に微細な高反射
領域を配置した反射層を設ける事により、該可逆性感熱
記録シートを、あらかじめカード支持体に設けられた印
刷絵柄やホログラムなどのOVD絵柄上に一体化した場
合においても、これら絵柄の視認が可能となった。これ
により、可逆性感熱記録技術のカード媒体への応用範囲
を広げるとともに、カードデザイン上の制約を低減する
事ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における可逆性感熱記録シー
トの断面図である。
【図2】本発明の一実施例における可逆性感熱記録シー
トを一体化させたカード媒体の断面図である。
【図3】本発明の一実施例における可逆性感熱記録シー
トを一体化させたカード媒体の断面図である。
【図4】本発明の一実施例における可逆性感熱記録シー
トを一体化させたカード媒体の絵柄及び透明化した可逆
性感熱記録シートを介した絵柄の見える様子の模式図で
ある。
【符号の説明】
1‥‥‥支持体 2‥‥‥反射層 3‥‥‥接着アンカー層 4‥‥‥記録層 5‥‥‥保護層 6‥‥‥接着層 7‥‥‥カード基材 8‥‥‥印刷層 9‥‥‥剥離保護層 10‥‥‥ホログラム形成層 11‥‥‥反射性薄膜層 12‥‥‥接着層 21‥‥‥リライトシート 22‥‥‥高反射領域 23‥‥‥透明領域 24‥‥‥白濁による文字

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明支持体上に少なくとも反射層、有機低
    分子を樹脂母材中に分散した透明/白濁タイプの可逆性
    感熱記録層を設けた可逆性感熱記録シートにおいて、該
    反射層の少なくとも一部を不連続に設けたことにより、
    可逆性感熱記録層を透明化した場合において可逆性感熱
    記録シートを介して、景色や絵柄の視認が可能であるこ
    とを特徴とする可逆性感熱記録シート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の可逆性感熱記録シート
    を、着色インキ、蛍光インキ、赤外線発色インキ、紫外
    線発色インキから選ばれる少なくとも1種類のインキを
    用い絵柄を設けたカード媒体の少なくともその一部の上
    側に一体化して設けたことを特徴とする表示記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の可逆性感熱記録シート
    を、ホログラムや回折格子のなどのようなOVDによる
    絵柄を設けたカード媒体の少なくともその一部の上側に
    一体化して設けたことを特徴とする表示記録媒体。
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