JP2000204997A - 車両のエンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
なわずに、エンジンを良好に始動させることができる車
両のエンジン始動装置を提供する。 【解決手段】 ハイブリッド車の場合、モータによる定
常走行中にエンジンの始動要求が成立したとき(ステッ
プS10)、エンジン始動装置はアクセルペダルの踏み
込み量に基づいて燃料噴射及び点火を開始するべき始動
回転数NeAを決定する(ステップS14)。アクセル
踏み込み量が小さいとき、始動回転数NeAは高く設定
されるので、滑らかにエンジンが始動される。一方、ア
クセル踏み込み量が大きいときは始動回転数NeAが低
く設定されるので、素早い始動性が得られる。
Description
要に応じてそのエンジンを始動させるための、特にハイ
ブリッド車等の運転者のキー操作とは別にエンジンを始
動する車両のエンジン始動装置に関する。
は例えば、特開平6−233411号公報に開示された
ハイブリッド車両の制御装置が挙げられる。この公知の
制御装置はエンジンを始動させるにあたり、クランキン
グによるエンジン回転数が所定値まで上昇した時点から
燃料供給を開始させるとともに、その点火時期を制御す
るものとしている。
置によれば、常に所定のクランキング回転数でエンジン
が始動される。しかしながら、エンジンの始動時には通
常、その吸気マニホールド内が大気圧に近い状態にある
ため、スロットルバルブが開かれていないにも拘わら
ず、クランキング初期には充てん効率が極端に高い。こ
の状態で燃料供給及び点火が行われると、始動時の回転
域であってもエンジンにスロットル全開相当の過大な爆
発トルクを発生させてしまう。このようなエンジン始動
時の過大な爆発トルクの発生は、エンジンの振動を大き
く車体に伝達させ、運転者に不所望なショック感を与え
る虞がある。
ランキング回転数が所定値に上昇するまでの間、エンジ
ンは始動されない。このため、例えば電気モータのみの
駆動による走行時、運転者がアクセルペダルの踏み込み
により速やかな加速を要求しており、それ故、直ちにエ
ンジンの駆動力が必要とされる状況にあっても、クラン
キング回転数の立ち上げを待つ間は、その分だけエンジ
ンの始動が遅れるため、車両の動力性能としてのアクセ
ルレスポンスを悪化させる。
ので、その目的とするところは、エンジン始動時の過大
なトルクの発生を抑える一方、速やかなエンジンの始動
要求に応え、エンジンの良好な始動を可能とする車両の
エンジン始動装置を提供することにある。
始動装置(請求項1)は、検出された運転者による要求
駆動力の大きさに基づいて燃料供給及び点火を開始させ
るべき始動回転数を可変するものとしている。上述した
装置によるエンジンの始動時、クランキングの開始によ
りエンジン回転数が次第に上昇していくとき、燃料供給
及び点火が開始となるクランキング開始からの経過時間
は始動回転数の高低に応じて異なる。この場合、始動回
転数が高いほど燃料供給及び点火が開始されるクランキ
ング開始からの経過時間はより長くなり、逆に、始動回
転数が低いほど短くなる。
手段は、検出された要求駆動力が小さいときはその分、
始動回転数を高く設定し、一方、要求駆動力が大きいと
きは始動回転数を低く設定することができる。すなわ
ち、運転者による要求駆動力が小さい場合、クランキン
グ回転数を高い始動回転数まで引き上げることにより吸
気マニホールド内に充分な負圧を発生させて、上述した
過大な爆発トルクの発生を抑える。これに対し、要求駆
動力が大きい場合、クランキング開始後、速やかに燃料
供給及び点火を開始させて、エンジンの始動要求に対す
る応答性を高める。
ジン始動装置を装備した一実施例としてハイブリッド車
の駆動系の構成が概略的に示されている。図示のように
ハイブリッド車は駆動源としてエンジン2及び電動モー
タ4を備え、それぞれの出力軸6,8は互いに伝達クラ
ッチ10を介して断接可能となっている。この伝達クラ
ッチ10は、アクチュエータ12によりその断接を操作
されることができ、アクチュエータ12には例えば、図
示しない油圧駆動回路が接続されている。なお、油圧駆
動回路を用いたアクチュエータ12の駆動制御は、電子
制御ユニット(ECU)14により行われる。
6を介して変速機18に接続されている。変速機18は
例えば、ベルト式無段変速機を内蔵し、その変速プーリ
比制御はECU14により行われている。更に、変速機
18の出力軸36は発進クラッチ38を介してデファレ
ンシャルギヤ40に接続されている。発進クラッチ38
はアクチュエータ42によりその断接を操作され、出力
軸36から駆動輪Wへのトルク伝達量を調整することが
できる。なお、アクチュエータ42の駆動制御もまたE
CU14により行われている。
ば、筒内噴射型ガソリンエンジンが適用されており、そ
の燃料噴射弁44及び点火栓46もまた、ECU14に
よりそれぞれ作動を制御されている。また、電気モータ
4は図示しないバッテリから電力の供給を受けて出力ト
ルクを発生させる一方、その発電による電力をバッテリ
に充電可能であり、これらの間の電力送受制御もまたE
CU14により行われる。
(回転数検出手段)により検出可能であり、この回転数
センサ48から出力されるセンサ信号はECU14に供
給される。また、運転者によるアクセルペダル50の踏
み込み量はアクセルポジションセンサ52(要求駆動力
検出手段)により検出され、その検出信号はECU14
に供給される。
に、図1のハイブリッド車は伝達クラッチ10の接続を
断たれると、エンジン2を停止した状態で電気モータ4
のみの駆動により定常走行が可能である。本実施例のエ
ンジン始動装置は例えば、上述の定常走行時、つまり、
エンジン2の運転が停止されている状態で、必要に応じ
てエンジン2の始動を行うことができる。具体的には、
ECU14は予め用意されたエンジン始動用プログラ
ム、つまり、エンジン始動制御ルーチンを有しており、
実施例のエンジン始動装置はECU14が実行するエン
ジン始動制御ルーチンにおいて機能することができる。
チンのフローチャートが示されており、以下、このフロ
ーチャートに沿ってエンジン始動装置の作動を詳細に説
明する。ステップS10では、エンジン2の始動要求の
有無が判別される。この判別は例えば、ECU14内の
判別回路(特に図示せず)にて行うことができ、判別回
路では運転者による加速要求やバッテリ充電状態、ま
た、エアコンなどの電装機器の使用による電力消費等の
情報から、所定の判別条件に基づいてエンジン2を始動
するべきか否かが判別される。この判別回路にてエンジ
ン2の始動要求があるものとして判別されないうちは、
次のステップS12が実行されることはない。
御ルーチンの実行に伴うモータ出力Tm、エンジン回転
数Ne、燃料噴射量等の時間的な変化を並列的に表した
タイムチャートが示されている。同図に示されるよう
に、ある時刻t0においてハイブリッド車が車速V0にて
定常走行を行っているとき、電気モータ4の出力は所定
値Tm0に保持され、エンジン2は停止された状態にあ
る(Ne=0)。
ペダル50を大きく踏み込むと、そのセンサ信号APS
がECU14に入力される。上述した判別回路ではこの
センサ信号APSに基づいて、運転者から加速要求がな
されており、それ故、モータ出力を補うべくエンジン2
を始動させる必要があるとの判別が成立する。この場
合、ステップS10の判別結果が真(Yes)となり、
ステップS12以降が実行され、制御ルーチンの進行に
伴いエンジン始動装置が具体的に機能する。
ランキングが実行される。具体的には、ECU14はア
クチュエータ12を駆動して伝達クラッチ10を接続さ
せるとともに、走行トルクに加えてクランキングに必要
なトルクを発生させるべく、電気モータ4の出力を増加
させる。この結果、図3中に実線で示されるように、時
刻t2からモータ出力が大きく立ち上がるとともに、エ
ンジン回転数もまた次第に上昇する(クランキング手
段)。
踏み込み量に基づいて燃料噴射及び点火を開始させるべ
きエンジン回転数、つまり、始動回転数NeAが決定さ
れる。具体的には、ECU14はアクセルポジション信
号APSに基づいて予め用意されたマップから始動回転
数NeAを決定する。図4を参照すると、上述したマッ
プの一例が示されている。図4から明らかなように、こ
のマップの特性上、アクセル踏み込み量が小さいほど、
そのときの始動回転数NeAの設定値が高く、逆に、踏
み込み量が大きいほどその設定値は低い。具体的には、
アクセル踏み込み量が最小値AP1であるとき、その始
動回転数は最高値Ne1(例えば1200rpm)に設定されて
おり、アクセル踏み込み量の増大に伴って始動回転数は
最小値Ne2(例えば400rpm)まで次第に減少する。な
お、アクセル踏み込み量が所定値AP2を超える領域は
不感帯であり、この領域では始動回転数は常に最低値N
e2に設定される。
換えが可能であり、実際のエンジン2における始動時の
トルク特性や電気モータ4の出力特性、エンジン振動に
合わせてマッチングされたり学習されることが望まし
い。この場合、時刻t1において運転者がアクセルペダ
ル50を大きく踏み込んだ場合、始動回転数は例えば最
低値Ne2に決定される。
いて燃料噴射及び点火が既に開始されているか否かが判
別され、その結果が偽(No)である場合、次のステッ
プS18が実行される。ステップS18では、エンジン
回転数Neが所定の始動回転数NeAに達したか否かが
判別される。従って、クランキングによる回転数が所定
の始動回転数NeAに立ち上げられるまでの間は、ステ
ップS18での判別結果は偽であり、上述したステップ
S10〜S16までの手順が繰り返し実行される。
Ne2に達すると、次にステップS20が実行される。
この場合、ECU14は燃料噴射弁44及び点火栓46
への通電を開始するので、図3中に実線で示されるよう
に時刻t3から燃料噴射が開始されるとともに、点火も
また開始される(開始手段)。ステップS20が実行さ
れた後は、次回のルーチンからステップS16での判別
結果は真であるため、ステップS18,S20が実行さ
れることはない。また、ステップS14は単に実行され
るだけである。なお、始動回転数NeAが決定された後
は、このステップS14を迂回するルーチンを構成して
もよい。
14はエンジン始動制御ルーチンを終了し、この後、エ
ンジン2及び電気モータ4の協働により所望の要求トル
クが出力される。そして、この出力トルクが図1の駆動
系を介して駆動輪Wに伝達される結果、駆動輪Wから運
転者による要求駆動力が発揮されて図3中に実線で示さ
れるように車速が増加していく。
アクセルペダル50の踏み込みの他にバッテリ充電状態
や電装機器の使用による電力消費等の情報からもエンジ
ン2の始動要求が成立する場合があり、以下には、運転
者によるアクセルペダル50の踏み込み、つまり、素早
い加速要求がない場合におけるエンジン始動装置の作動
を説明する。
り、より多くの電力供給を行う必要が生じた場合は、上
述した判別回路においてエンジン2の始動要求があると
の判別が成立する。いま、時刻t1にエンジン2の始動
要求があると判別されたとき、上述した手順と同様に時
刻t2からクランキングが実行される(ステップS1
2)。この場合、モータ出力Tm(図3中1点鎖線)の
立ち上げは、上述した加速要求の場合(実線)に比べて
車速を増大する必要がないため緩やかに行うことができ
る。
クセル踏み込み量、例えば最小値AP1に基づいて、図
4のマップから最高値Ne1に決定される(ステップS
14)。この場合、クランキング開始(時刻t2)から
エンジン回転数が始動回転数Ne1に立ち上げられるま
で(時刻t4)の間、燃料供給及び点火は開始されず、
単にクランキングのみが行われる。
時刻t4に燃料供給が開始されるとともに点火が開始さ
れて、エンジン2の始動が完了する。この後、電気モー
タ4はその出力を停止し(Tm=0)、エンジン2の駆
動により発電機として働く。なお、ハイブリッド車はエ
ンジン2の駆動により、引き続き車速V0に維持され
る。
者により素早い加速要求がなされた状況にあっては、そ
のアクセルペダルの踏み込み量に応じてクランキング開
始初期から燃料噴射及び点火が開始されるので、エンジ
ン2の始動要求に対する応答性が向上する。この結果、
ハイブリッド車は速やかなエンジン2及び電気モータ4
による加速を行うことができ、良好なアクセルレスポン
スが得られる。
エンジン2を始動させる場合は、クランキング回転数を
高いレベルにまで引き上げて、吸気マニホールド内に充
分な負圧を発生させてから燃料噴射及び点火を開始させ
るので、過大な爆発トルクの発生が抑えられ、運転者に
ショック感を与えることがない。更に好ましくは、この
場合の始動回転数Ne1は、エンジン2が車体マウント
上で共振する回転数を充分に超える領域に設定されてい
る。この結果、ハイブリッド車の静粛性や乗り心地の向
上に大きく寄与する。
施例の制約を受けることなく、種々に変形して実施可能
であり、エンジン始動装置が装備されるべきハイブリッ
ド車の形式やエンジン2及び電気モータ4の仕様、ま
た、駆動系の構成等は種々に変更可能である。また、上
述した制御ルーチンのステップS14では、単にアクセ
ル踏み込み量から始動回転数NeAを決定しているが、
例えばアクセル踏み込み量の変化率を求め、この変化率
の大小に基づいて始動回転数を決定するようにしてもよ
い。この場合、アクセルペダル50の踏み込み初期から
その変化率が大きい場合は、運転者により素早い加速要
求がなされているものと認められるので、その踏み込み
初期の時点から始動回転数をなるべく低い値に設定する
ことができる。
中のエンジン始動制御について説明しているが、加減速
走行中、或いは停車中であっても同様にこの制御を実行
可能であることはいうまでもない。更に、上述の実施例
においては、本発明のエンジン始動装置をハイブリッド
車に適用した場合について説明したが、本発明はこれに
限られるものではなく、車両停止時にエンジンを自動的
に停止・始動するような運転者のキー操作とは別にエン
ジンを始動する車両であれば、本発明を適用することが
できる。
ンジン始動装置(請求項1)によれば、エンジンの始動
ショックを抑えたり、その始動に要する時間を短縮する
ことで、車両の乗り心地や動力性能を大きく向上するこ
とができる。
ブリッド車の駆動系の構成を示した概略図である。
ある。
ムチャートである。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 運転者の停止・始動操作とは別にエンジ
ンを停止・始動する車両において、 運転者による要求駆動力を検出する要求駆動力検出手段
と、 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 前記エンジンのクランキングを行うクランキング手段
と、 前記エンジンのクランキングが所定の始動回転数に達し
たとき、燃料供給及び点火を開始させる開始手段と、 前記クランキング手段及び前記開始手段の作動を制御す
る制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記検出された要求駆動力の大きさに
基づいて前記始動回転数を可変することを特徴とする車
両のエンジン始動装置。
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