JP2000204354A - サンドブラスト用研磨材組成物及び前記サンドブラスト用研磨材組成物を用いたサンドブラスト方法、前記サンドブラスト法による低融点ガラスのパタ―ニング方法並びに前記低融点ガラスのパタ―ニング方法における低融点ガラスのリサイクル方法。 - Google Patents

サンドブラスト用研磨材組成物及び前記サンドブラスト用研磨材組成物を用いたサンドブラスト方法、前記サンドブラスト法による低融点ガラスのパタ―ニング方法並びに前記低融点ガラスのパタ―ニング方法における低融点ガラスのリサイクル方法。

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JP2000204354A
JP2000204354A JP11294478A JP29447899A JP2000204354A JP 2000204354 A JP2000204354 A JP 2000204354A JP 11294478 A JP11294478 A JP 11294478A JP 29447899 A JP29447899 A JP 29447899A JP 2000204354 A JP2000204354 A JP 2000204354A
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sandblasting
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melting glass
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Keiji Mase
恵二 間瀬
Shinji Kanda
真治 神田
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Fuji Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】公害発生のおそれのある有機溶剤及び廃水処理
の必要な界面活性剤等を使用せずに水溶性、帯電防止特
性を有し、空気噴射あるいは水洗による除去の可能な研
磨材及びサンドブラスト方法を提供する。 【解決手段】サンドブラスト用研磨材組成物として、分
子中にキシロース又はグルコース又はそれらの異性体を
含む10糖類以下の糖類もしくは2糖類以下の糖アルコ
ールから成ることを特徴とし、この組成物を用いて加工
し、被処理成品に付着した前記研磨材を空気の噴射及び
/又は水洗浄または燃焼により除去することを特徴とす
るサンドブラスト方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止又は帯電
防止特性を有すると共にサンドブラスト加工後に、被処
理成品を水洗した後、無害に廃棄可能な研磨材に関す
る。より詳しくは、サンドブラスト加工における加工後
の被処理成品表面に、そしてサンドブラスト装置の研削
加工などを行う密閉室であるキャビネット内壁あるい
は、研磨材の回収タンク内、その他のバルブ、配管内に
静電気もしくはそれ自体の含水性により付着する傾向に
ある主として研磨材その他研削による屑の除去を、空気
噴射や水洗により容易且つ完全に行うことのできる非帯
電性の又は非帯電性であると共に水溶性もしくは親水性
の研磨材組成物およびこの研磨材組成物を用いたサンド
ブラスト方法に関する。
【0002】さらに、本願発明は、前記サンドブラスト
法による低融点ガラスのパターニング方法並びに前記低
融点ガラスのパターニング方法における低融点ガラスの
リサイクル方法に関し、詳しくは、塗布乾燥した低融点
ガラスペースト上にレジストにてパターニング後、本願
研磨剤組成物の結晶水を有するブドウ糖を研磨材として
サンドブラスト加工にて低融点ガラスを切削することに
より低融点ガラスのパターン形成を行う低融点ガラスの
パターニング方法及び後者について詳しくは、プラズマ
ディスプレイパネルの隔壁や電極形成等で使用される低
融点ガラスをサンドブラストにてパターン加工する際
に、従来廃棄されていた低融点ガラスを分離、回収し、
再利用する方法に関する。
【0003】なお、ここで研磨材とは、あらゆる研削、
研掃、もしくは表面清浄に用いられる細粒、微粉を含む
遊離粉粒体を総称し、サンドブラストとは、前記研磨材
と気体との固気2相流を噴射する手段の総称である。
【0004】
【従来の技術】近年、環境汚染の問題がクローズアップ
されてきており、有機溶剤及び廃水処理の必要な界面活
性剤等の使用が規制されるようになってきた。そのた
め、従来有機溶剤を用いてきたレジスト剥離及びワック
ス等の洗浄、また有機溶剤及び界面活性剤を使用した基
板等のクリーニングに水溶性の研磨材を用いて洗浄及び
レジスト剥離を行う要望が高くなっている。また、従来
のサンドブラスト加工で行われた、プラスチック等のバ
リ取りについても水溶性の研磨材を用いて水洗で完全に
研磨材を除去できるような研磨材の要望が高くなってき
た。
【0005】また、電気製品等のリサイクルでの塗膜剥
離や汚れの除去でもサンドブラストは使用されている
が、従来から、レジストの剥離及びワックス等の洗浄等
の加工用に用いられるサンドブラスト用の水溶性の研磨
材としては重炭酸ナトリウム及び硝酸ナトリウム等の塩
が一般的に使用されている。
【0006】また、従来薬品によるエッチング等で行わ
れていたパターン彫刻加工でも薬品を使用しないサンド
ブラストで行う要望が多くなってきた。
【0007】また、従来から、プラズマディスプレイパ
ネルの隔壁形成等に使用される低融点ガラスのパターニ
ング方法としてガラス基板上に低融点ガラスペーストを
スクリーン印刷又はコーターにて塗布乾燥後、低融点ガ
ラス上にサンドブラスト用の感光性レジストにセパター
ンを形成させ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、アルミ
ナ等の無機粉末を研磨材としてサンドブラスト装置を使
用してレジスト以外の部分を切削後、レジストを剥離し
て低融点ガラスを焼成して低融点ガラスのパターンを形
成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の水溶性の塩から
成る研磨材を使用するときには湿度を50%以下に下げ、
被研磨剤が固まりにくくする必要がある。しがしなが
ら、湿度を下げると加工中に研磨材にさらに静電気が発
生、帯電しやすくなり、サンドブラスト装置内の研磨材
タンクあるいはキャビネット内壁、被処理成品等に研磨
材が強固に付着し、また、上記静電気で基板などの場合
電子部品ないし回路そのものにスパークによって電気抵
抗が変化したり、素子に損傷を与えることになる。ま
た、被処理成品等に静電気により付着した研磨材等は、
エアブローにより一端飛散したとしても静電気によりキ
ャビネット内壁或いは被処理成品等に再び付着して除去
が極めて困難となる。
【0009】また、プラスチック部品にサンドブラスト
加工を行った場合に静電気によるスパークでプラスチッ
ク板に穴があくという不具合が生じることがあった。
【0010】また、特に湿度の低い冬期には加工中に静
電気が多く発生して、研磨材が静電気に吸い寄せられ基
板上に研磨材を保持しようとするため研磨材の上を研磨
材がたたく現象が起きて加工レートが落ちるという現象
がある。
【0011】また湿度を上げると静電気は起きにくくな
るが水溶性又は親水性の研磨材は固まりやすくなる。そ
のため、従来の水溶性以外の研磨材では静電気を抑える
ため静電除去液を圧縮空気に混ぜて噴射するということ
も行われていたが、静電除去液は通常、界面活性剤で被
処理成品に付着してシミが出来る可能性があり、また、
研磨材自体も相互に静電除去液で凝固、固化しやすくな
る。
【0012】また、上述したサンドブラストで隔壁を形
成する加工する方法では低融点ガラスをガラス基板全面
に塗布してサンドブラストで削り取り、削り取られた低
融点ガラスは廃棄される。そのため現状では高価な低融
点ガラスペーストを廃棄することとなる。プラズマディ
スプレイパネルの高精細リブとしての隔壁形成では塗布
された低融点ガラスのおよそ75%が捨てられ、プラズマ
ディスプレイパネルとして利用されるのは25%である。
低融点ガラス中には有害な鉛ガラスが混入しているため
環境汚染の見地からも簡単には廃棄できない。そのため
廃棄されたダスト中に含まれる低融点ガラスをリサイク
ルする必要があるが、従来の炭酸カルシウム、ガラスビ
ーズ、アルミナ等の研磨材を使用して研削された低融点
ガラスは、研削加工時破砕した研削材と混合してしまい
分別、回収が困難であった。そのため簡単に研磨材と低
融点ガラスを簡単に分離し、切削された低融点ガラスを
回収し、低融点ガラスを再利用できる研磨材の開発が望
まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、非帯電性及び/又は水溶性の研磨材とし
て、分子中にキシロース又はグルコース又はガラクトー
ス等の異性体を含む単糖類、マルトースなどの2糖類か
ら10糖類すなわち10糖類以下の糖類もしくはパラチ
ニット、マルチット等2糖類以下の糖アルコールから成
ることを特徴とする。
【0014】また、前記サンドブラスト用研磨材組成物
は、イオン結合を除く配位結合による有機結合であって
結晶水を含有する有機化合物から成るものを含む。
【0015】上記本願の安全性の高い水溶性又は親水性
の粉体を得るべく下記例示の粉体と、従来のサンドブラ
スト加工で使用されている研磨材を被処理成品としての
基板に噴射して5秒後の静電気を測定した。
【0016】被処理成品はナイロン、硬質塩化ビニル樹
脂、ガラス板で行い、下記の加工条件でテストを行っ
た。
【0017】加工条件 ノズル距離:200ミリ 圧縮空気圧力:2kg/cm2
噴射時間:5秒 ノズル口径:7ミリ サクション式ノズル使用
【0018】表1中で比較すると分子中にキシロース又
はグルコース又はそれらの異性体を含む10糖類以下の
糖類もしくは2糖類以下の糖アルコールはナイロン、塩
化ビニル、ガラスすべてにおいて最も静電気の発生が少
ないことがわかる。同じグルコースを含んでいる澱粉で
は静電気の発生が多くなっている。
【0019】
【表1】
【0020】上記表中、10糖類以下の糖で分子中にキ
シロース又はグルコース又はそれらの異性体(ガラクト
ース等)を含むものとして、ブドウ糖、乳糖(ラクトー
ス)、蔗糖(シュークロス)、麦芽糖(マルトース)、
パラチノース、キシロース、フラクトオリゴ糖、サイク
ロデキストリンが最も静電気の発生が少ないものとして
抽出された。パラチニット及びマルチットは糖アルコー
ルである。
【0021】表1で重炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウム
は水溶性の無機塩、クエン酸ナトリウムは有機塩に属
す。ヒドロキシセルロースとメトローズは水溶性セルロ
ースである。
【0022】一方、グリシンはアミノ酸、スタビロー
ス、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉は澱粉に分類され、デ
キストリンは水溶性の澱粉、ポリアクリル酸ナトリウム
とポリビニルピロリドンは水溶性高分子である。
【0023】又、分子中にキシロース又はグルコース又
はそれらの異性体を含む10糖類以下の糖類もしくは2
糖類以下の糖アルコールで、イオン結合を除く配位結合
による有機結合であって結晶水を含有する有機化合物か
ら成るものとしては、ブドウ糖、サイクロデキストリ
ン、乳糖(ラクトース)がある。
【0024】本願発明では、サンドブラスト加工中の静
電気の発生が非常に少ないため静電気による前出弊害は
発生しない。また使用する研磨材は糖類で水溶性のため
加工後付着した研磨材を水洗で洗い落とすことができ、
排水も完全に無害である。サンドブラスト装置にて水溶
性研磨材を用いてレジストの除去、クリーニング、バリ
取り等の加工を行い、加工後水洗にて付着した研磨材を
完全に除去し、加工工程において、ダストコレクターに
補集された前記研磨材を水に溶かして、濾過し、低融点
ガラスのみ分離、回収するようにした。
【0025】通常は、水に溶けるパウダーは空気中の水
分を吸収して凝固しやすく扱いが難しいが、上記組成物
のうち、とくに、結晶水を含有したブドウ糖が1年間空
気中に放置しても凝固しないことがわかった。また、前
述のように、サンドブラスト加工中の静電気の発生も非
常に少なく静電気により隔壁が加工しにくくなる現象も
おきなかった。
【0026】また、これらの糖は炭素、水素、酸素から
できており焼却後の灰分は2%以下で通常0.01%と非常に
少ないため付着した研磨材を焼却処分することもでき
る。
【0027】表1のアランダム+ブドウ糖は比率として
アランダムとブドウ糖を3:1の比率で混合したもの
で、静電気の発生がアランダム単独に比して約1/3に
抑えられた。
【0028】このように、本願研磨剤組成物から成る研
磨剤を他の研磨材に混合することにより静電気の発生が
抑えることができると共に、重曹など固化しがちな材料
の固化を有効に防ぐこともできる。
【0029】また、本願サンドブラスト用研磨剤組成物
は、アルミナ、SiC、ガラスビーズ、ナイロン等、他の
サンドブラスト用研磨材に本願研磨材組成物から成る研
磨材を3%以上混合する事もできる。
【0030】さらに、本願サンドブラスト方法は、本願
研磨材組成物を研磨材として被処理成品に対してサンド
ブラスト後、被処理成品に付着した研磨材を空気の噴射
及び/又は水洗浄または燃焼により除去することを特徴
とする。また、従来の研磨材を使用してサンドブラスト
加工後、本願研磨材組成物から成る研磨材を高圧圧縮空
気にて吹きつけ静電気で付着した従来の研磨材、埃等を
本願研磨材組成物から成る研磨材と置換して、この研磨
材を水洗浄又は燃焼させ除去することことができる。
【0031】また、前記被処理製品が基板のときは、基
板に載置した湿式エッチング又はドライフィルム用のレ
ジストに対してサンドブラスト後、切削したレジスト及
び研磨材を空気の噴射及び/又は水洗浄により除去する
サンドブラスト方法であり、プラスチック、金属製品、
セラミック、ガラス、シリコンウェハー、シリコン等の
被処理成品に付着したワックス、塗膜、汚れをサンドブ
ラスト加工により取り除き、その後同様に空気の噴射又
は水洗浄により研削屑、研磨材を除去することができ
る。
【0032】さらに、請求項1記載の研磨材組成物から
成る好ましくは、粒径40μ以下のブドウ糖で成る研磨材
を用いて低融点ガラスに対してサンドブラスト加工して
パターニングした後、低融点ガラスに付着した前記研磨
材を空気の噴射及び/又は水洗浄または燃焼により除去
してプラズマディスプレイパネルを形成することができ
る。
【0033】そして、低融点ガラスに対してサンドブラ
スト加工後、被処理成品に付着した前記研磨材を空気の
噴射及び/又は水洗浄または燃焼により除去し、研磨剤
と切削された低融点ガラスの混合物を水洗、濾過して前
記低融点ガラスを回収する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明においては、前出の実験に
もとづき、分子中にキシロース又はグルコース又はそれ
らの異性体を含む10糖類以下の糖類をサンドブラスト
用の研磨材として用いる。
【0035】また、分子中にキシロース又はグルコース
又はそれらの異性体を含む10糖類以下の糖類で、イオ
ン結合を除く配位結合による有機結合であって結晶水を
含有する有機化合物をサンドブラスト用の研磨材として
用いることができる。
【0036】本願研磨材組成物から成る研磨材(以下、
「本願研磨材」という。)を使用した加工方法について
説明する。
【0037】本工程の概略について説明すると、レジス
ト剥離及びバリ取り等の加工時間の要するものは、図1
に示すように、噴射後の本願もしくは他の研磨材を回収
して循環使用する噴射機構と当該加工処理としては、1
回の噴射に用いるいわば使い捨ての噴射機構の2系統の
噴射機構を使用する。
【0038】回収循環のみで使用すると、本願研磨材の
場合であっても、研磨剤に異物が混入し、残存する可能
性があり、使い捨てのみでは、研磨材の使用量が増加す
ることによる。
【0039】まず、本願研磨材を使い捨て用研磨材タン
ク34’に投入する。また循環用研磨材タンク34に研
磨材を投入するために加工室51から研磨材を投入する
と排風機54を有するダストコレクター53の負圧によ
りサイクロンに研磨材が送り込まれ、研磨材タンク34
に入る。
【0040】1.図1:2段階加工
【0041】1-1.第1段階 噴射切り替え器13によりノズル12は、循環用研磨材
ホース30を介して循環用研磨材定量供給装置20を経
て循環用研磨材タンク34に連通しており、循環用研磨
材タンク34から循循環用研磨材33がノズル12へ送
られノズルチップ14から噴射されて、被処理成品たる
基板25を加工する。噴射後の研磨材33は、ダストコ
レクター53の負圧で負圧下の導管52を通過してサイ
クロン39に入り研磨材タンク34に溜まる。
【0042】1-2.第2段階 噴射切り替え器13を切り替えて、第1段階におけるノ
ズル12と循環用研磨材タンク34との連通を遮断し、
ノズル12を使い捨て用の研磨材定量供給装置20’を
介して使い捨て用研磨材タンク34’に連通し、この使
い捨て用研磨材タンク34’内の本願水溶性研磨材3
3’がノズルチップ14から噴射され、自動回転テーブ
ル26上の被処理成品たる基板25をクリーニング・加
工する。噴射後の研磨材33’は導管52を経てサイク
ロン39から研磨材タンク34に入り次の第1段階処理
用に循環して使用される。
【0043】第1段階で、研磨材33を非水溶性(ある
いは水溶性の場合でも良い)の研磨材を用いて加工処理
した場合に、第2段階のクリーニング、加工を循環使用
していない本願の研磨材で処理し、噴射された本願研磨
材を循環せずに図示せざる別のサイクロン39に捕集す
るか直接ダストコレクター53に集めて廃棄するように
してもよい。
【0044】第1段階の研磨材33は本願研磨材で無く
ても良く、通常使用されているガラスビーズ、アランダ
ム等の研磨材でも良い。糖類(水溶性)でない場合は処
理後第2段階において静電気除去又はクリーニングのた
め糖類(水溶性)の新品の研磨材で加工する。 2.図2:1段階加工
【0045】基板のクリーニングにおいて剥離するレジ
スト等が非常に薄く短時間で加工できるような場合に研
磨材を循環させずに使い捨てで加工処理する。
【0046】ノズル12は、使い捨て用の研磨材定量供
給装置20’を介して使い捨て用研磨材タンク34’に
連通している。ノズルチップ14から噴射され、被処理
成品たる基板25をクリーニング・加工する。
【0047】この使い捨て用研磨材タンク34’内の本
願水溶性研磨材33’がノズル12に送られノズルチッ
プ14から噴射され、加工される。
【0048】噴射された研磨材はダストコレクター53
の負圧でサイクロン39に入り研磨材タンク34に溜ま
る。この研磨材は廃棄される。この場合サイクロン39
を用いないで直接ダストコレクターに研磨材を送りダス
トコレクター53に研磨材を溜めて廃棄することもでき
る。
【0049】本願研磨材を加工に単独で使用するだけで
なく、従来サンドブラストに使用されている研磨材に本
願研磨材を混合して処理することにより、従来の研磨剤
における静電気の発生を抑制することができる。特にプ
ラスチックに加工をする場合静電気によりプラスチック
に穴があくという問題を解決することができる。本願で
は、それ自体研磨剤であり、従来の静電除去液のように
研磨材を固めて不具合がでることもない。
【0050】一般のサンドブラストによる微細彫刻加工
後の基板に付着した静電気を除去し、付着した研磨材と
切削屑を除去するのにも本願研磨材を使用することがで
きる。アランダム、カーボランダム、ガラスビーズ等の
従来の研磨剤で加工しても静電気で研磨材等が付着して
超音波洗浄でもなかなか除去することができない。特に
加工パターンが細かくなればなるほど隙間に入った研磨
材の除去が難しい。この場合本願研磨材を使用すること
により静電気の発生が少ないため簡単に初期加工に用い
た研磨材を除去することが出来る。
【0051】また最後に本願研磨材を除去するには水溶
性のため水で洗い落とすか炭水化物であるため焼成時な
どに焼却することもできる。
【0052】実施例1 シリコンウェハーにドライフィルムでパターニング後エ
ッチング加工を行った基板のドライフィルム剥離を行
う。
【0053】加工条件 加工基板:サイズ・3インチシリコンウェハー ドライフィルム:日本合成化学製厚み20μm 加工ノズル:(株)不二製作所製ハイパーノズル1本 研磨材:ブドウ糖 ノズル内圧:0.8kg/cm2(直圧式) ノズル距離:30mm ノズル移動幅:120mm 循環式研磨材噴射量:200g/min 使い捨て部研磨材噴射量:100g/min
【0054】以上の条件にて加工を行う。循環式で3分
加工を行い、研磨材使い捨てで20秒加工を行う。その
後水洗を10秒行う。
【0055】加工結果 完全にレジストは剥離され、シリコンウェハーのダメー
ジもなく基板上に汚れは全く見られなかった。加工中に
静電気のスパークは見られなかった。
【0056】同様の試験を重炭酸ナトリウムで行った。
循環式では研磨材タンクから研磨材が落ちてこなくなり
加工処理ができなかったため、回収せずに3分20秒加
工する。
【0057】水洗を1分間行ったが研磨材の残りと思わ
れる染みが残っていた。また加工中に静電気による放電
が発生した。
【0058】実施例2 ガラス基板に付着したワックスの除去を行った。
【0059】加工条件 加工基板:100mm×100mm硼珪酸ガラス基板にワックスの
付着したもの 加工ノズル:φ9mm通常のサクションノズル1本 研磨材:果糖 加工圧力:3kg/cm2(重力式) ノズル距離:8mm ノズル移動幅:120mm 加工時間:30秒 研磨材噴射量:100g/min
【0060】以上の条件で加工後水洗を10秒行った。
【0061】加工結果 ガラス基板のダメージ無くワックス等の汚れは完全に除
去された。加工中に静電気の発生は全く見られなかっ
た。
【0062】実施例3 リードフレームのプラスチック
のバリ取りを行う
【0063】加工条件 加工ノズル:φ9mm通常のサクションノズル6本 研磨材:グラニュー糖(蔗糖) 加工圧力:5kg/cm2(重力式) ノズル距離:60mm ノズル移動幅:30mm ワーク移動スピード:500mm/min
【0064】研磨剤は全て回収循環して用い加工後シャ
ワーで水洗する。
【0065】加工結果 加工中の静電気によるスパークはなく基板のダメージも
無く研磨材の残りは全くなかった。
【0066】実施例4 プラズマディスプレイの隔壁形成後の研磨材の除去
【0067】図3に示すクリーニングユニット70を使
用してサンドブラスト加工後の被処理成品25に対して
底面を開口したハウジング75内の矩形噴射ノズル72
から本願研磨材を少量噴射してそのまま図示せざる集塵
機の負圧で、前記噴射ノズル72の対称位置に所定間隙
を介して平行に鋭角に立設した研磨材吸い込み板73か
ら、前記被処理成品25上に付着した他の研磨材や研削
屑及び噴射した本願研磨材を吸い込み、回収口65を介
して集塵機に吸い込ませることにより、基板のクリーニ
ングを行う。
【0068】尚、同図において、73は圧縮気体及び研
磨剤63の供給管。
【0069】本実施例として、低融点ガラスをガラス基
板上に180μm塗布後サンドブラスト用ドライフィルムか
ら成るレジストマスクを使用してピッチ220μmのパター
ニングを行いドライフィルム以外の部分の低融点ガラス
を従来の研磨剤を直圧式ブラスト機を用いてノズル1本
あたり200g/minの噴射させて削り、プラズマディスプレ
イの隔壁を形成後、本願研磨材(マルトース)を図3の
クリーニングユニット70で1分あたり30g噴射させ基
板に付着した従来の研磨剤を除去し、本願研磨剤(マル
トース)と置換させた。上記の条件で加工後ドライフィ
ルムをアルカリ剥離して水洗後乾燥させ、550℃で低融
点ガラスを焼成した。
【0070】上記の条件で加工後、上記ドライフィルム
をアルカリ剥離して水洗後乾燥させ、550℃で低融点
ガラスを焼成した。
【0071】加工条件 加工基板:42インチのガラス基板に低融点ガラス18
0μm塗布 循環部加工ノズル:(株)不二製作所製ハイパーノズル
8本使用 クリーニングユニット(株)不二製作所製ハイパーノズ
ル1本使用 従来の研磨材:S4−600(不二製作所製) 本願研磨材:マルトース ノズル内圧:0.7kg/cm2 ノズル距離:30mm ノズル移動幅:700mm 循環部噴射量:200g/min 使い捨て部噴射量:20g/min コンベアースピード:200mm/min
【0072】加工結果 完全に断面長方形の隔壁が形成され、加工後の研磨材の
残りは全く見受けられなかった。表面に付着したマルト
ースは水洗で除去され、一部裏面等に付着して水洗で落
ちなかったものは焼成時に完全に消滅した。またサンド
ブラスト装置から出てきた基板の静電気を測定したがほ
とんど0kvであった。
【0073】実施例5 樹脂の表面加工 銅基板上にエポキシ樹脂が0.2ミリ厚で塗布してある基
板の表面全面梨地加工
【0074】加工条件 機材 300×300mmの銅板にエポキシ樹脂を0.2 mm厚で塗
布したもの 使用研磨材 カーボランダム#600(Sic):結晶水含有ブドウ糖=3:
1の比で混合したもの。 加工圧力 4kg/cm2 加工時間 3 min ノズル距離 80 mm
【0075】加工結果 カーボランダム単独で加工したときは静電気のため約3
0ヶほどエポキシ樹脂に約0.1ミリの穴があいたが、
今回この組成の研磨材では静電気による穴の発生は見ら
れなかった。
【0076】実施例6 図4に示す工程により、プラズマディスプレイの隔壁形
成を行う。
【0077】ロールコーター42にて低融点ガラスペー
スト15を塗布後、乾燥して膜厚180μmmの低融点ガラ
ス層13を形成する。次に耐サンドブラスト性感光性ド
ライフィルムから成るサンドブラスト用ドライフィルム
18を低融点ガラス層13上にラミネートしてガラスマ
スク8を乗せ紫外線にて露光して隔壁となる部分のみ露
光されるようにする。
【0078】さらに、現像液32にて未露光部分を洗い
出しドライフィルム18によるパターンを形成する。
【0079】図5に示すサンドブラスト装置を使用して
ブドウ糖をノズル12から噴射して加工を行う。ガラス
基板25は、加工室23内において、図中左方から右方
にコンベアーローラ27上を低速で搬送され、ノズル1
2は紙面前後方向に高速で往復移動し、ノズル12から
研磨材としてブドウ糖33を噴射して加工を行う。噴射
された研磨材33はサイクロン39に入り研磨材定量供
給装置20に送られて、再びノズル12から噴射され
る。
【0080】以上のように、サンドブラストで低融点ガ
ラス17を加工後、基板を水酸化ナトリウムの0.2%溶液
に入れドライフィルムを剥離する。
【0081】使用ドライフィルム:BF-603(東京応化工業
製) 低融点ガラスペースト:G3-2141(奥野製薬製) サンドブラスト装量:SC-5ADNH-404P(不二製作所製) 他は、実施例4と同一条件
【0082】ついで、エアーブロー室24内で、エアー
ブローノズル28によりアフターブローを行った後、図
示せざるシャワーで水洗し、ダストコレクター53へ回
収された破砕された研磨剤を含む切削され粒径約3〜5
μmの低融点ガラスと共に、研磨剤を沈殿濾過方法など
により分離しフィルタにより回収し適宜乾燥する。
【0083】ここでは、遠心分離器により、分離回収し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工時間が長い場合の加工法
【図2】加工時間が短い場合の加工法
【図3】クリーニングユニット
【図4】プラズマディスプレイ用の隔壁形成の工程図
【図5】本願発明に用いるサンドブラスト装置の概略図
【符号の説明】
8 ガラスマスク 12、72 サンドブラスト用ノズル 13 噴射切り替え器 14 ノズルチップ 15 低融点ガラスペースト 17 乾燥した低融点ガラス 18 耐サンドブラスト性感光性ドライフィルム 19 集塵機 20 循環用研磨材定量供給装置 20’使い捨て用研磨材定量供給装置 22 加工室ホッパー 23 加工室 24 エアーブロー室 25 (加工)基板 26 自動回転テーブル 27 コンベアー回一ラー 28 エアーフローノズル 29 ノズル駆動部 30 循環用研磨材ホース 30’使い捨て用研磨材ホース 31 圧縮空気ホース 32 現像液 33 循環用研磨材(ブドウ糖) 33’新品研磨材 34 循環用研磨材タンク 34’使い捨て用研磨材タンク 39 サイクロン 42 ロールコーター 50 ブラスト加工装置 51 キャビネット 52 導管 53 ダストコレクター 54 排風機 63 高圧圧縮空気+本願研磨材 70 クリーニングユニット 71 本願研磨材供給管 72 本願研磨材噴射ノズル 73 研磨材吸い込み板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 サンドブラスト用研磨材組成物及び前記サンドブラスト用研磨材組成物を用いたサンドブラスト 方法、前記サンドブラスト法による低融点ガラスのパタ―ニング方法並びに前記低融点ガラスの パタ―ニング方法における低融点ガラスのリサイクル方法。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中にキシロース又はグルコース又はそ
    れらの異性体を含む10糖類以下の糖類もしくは2糖類
    以下の糖アルコールから成ることを特徴とするサンドブ
    ラスト用研磨材組成物。
  2. 【請求項2】イオン結合を除く配位結合による有機結合
    であって結晶水を含有する有機化合物から成る請求項1
    記載のサンドブラスト用研磨材組成物。
  3. 【請求項3】前記研磨材組成物は、粒径20μ以上である
    請求項1記載の研磨材組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の前記研磨材組成物を他のサ
    ンドブラスト用研磨材に3%以上混合して成るサンドブ
    ラスト用研磨材組成物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の研磨材組成物から成る研磨
    材を用いて被処理成品に対してサンドブラスト加工後、
    被処理成品に付着した前記研磨材を空気の噴射及び/又
    は水洗浄または燃焼により除去することを特徴とするサ
    ンドブラスト方法。
  6. 【請求項6】他のサンドブラスト用研磨材を使用してサ
    ンドブラスト加工後、前記研磨剤組成物から成る研磨材
    を高圧圧縮空気にて吹きつけ静電気で付着した研磨材、
    埃等を除去又は前記研磨剤組成物から成る研磨材と置換
    して、この研磨材を水洗浄又は燃焼させ除去することを
    特徴とする請求項5記載のサンドブラスト方法。
  7. 【請求項7】前記前処理製品が基板であって、前記基板
    に載置した湿式エッチング又はドライフィルム用のレジ
    ストに対してサンドブラスト後、切削したレジスト及び
    研磨材を空気の噴射及び/又は水洗浄により除去する請
    求項5記載のサンドブラスト方法。
  8. 【請求項8】被処理成品に付着した、ワックス、塗膜、
    汚れをサンドブラスト加工により取り除き、その後空気
    の噴射又は水洗浄により研削屑、研磨材を除去する請求
    項5又は6記載のサンドブラスト方法。
  9. 【請求項9】被処理成品がプラスチック又は金属製品で
    あって、サンドブラストによりバリ取り加工後、空気の
    噴射及び/又は水洗浄により研磨屑、研磨材を除去する
    請求項5又は6記載のサンドブラスト方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載の研磨材組成物から成る研
    磨材を用いて低融点ガラスである被処理成品に対してサ
    ンドブラスト加工後、被処理成品に付着した前記研磨材
    を空気の噴射及び/又は水洗浄または燃焼により除去す
    ることを特徴とする請求項5記載のサンドブラスト方法
    における低融点ガラスのパターニング方法。
  11. 【請求項11】前記研磨材組成物は、粒径40μ以下のブ
    ドウ糖である請求項9記載の低融点ガラスのパターニン
    グ方法。
  12. 【請求項12】低融点ガラスである被処理成品に対して
    サンドブラスト加工後、被処理成品に付着した前記研磨
    材を空気の噴射及び/又は水洗浄または燃焼により除去
    し、研磨剤と切削された低融点ガラスの混合物を水洗、
    濾過して前記低融点ガラスを回収することを特徴とする
    請求項9記載の低融点ガラスのパターニング方法におけ
    る低融点ガラスのリサイクル方法。
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