JP2000203781A - エスカレ―タの設置構造 - Google Patents

エスカレ―タの設置構造

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JP2000203781A
JP2000203781A JP11008350A JP835099A JP2000203781A JP 2000203781 A JP2000203781 A JP 2000203781A JP 11008350 A JP11008350 A JP 11008350A JP 835099 A JP835099 A JP 835099A JP 2000203781 A JP2000203781 A JP 2000203781A
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JP
Japan
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escalator
riser
horizontal portion
floor
stairs
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JP11008350A
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Yutaka Ogawa
豊 小川
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Nippon Fillestar Co Ltd
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Nippon Fillestar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置工事の費用および期間を削減し、段差を
設けることなく既設の階段にエスカレータを設置するエ
スカレータの設置構造を提供する。 【解決手段】 エスカレータ1は傾斜部5と傾斜部5の
上端部に連なる上部水平部6と傾斜部9の下端部に水平
に連なる下部水平部7とから構成され、既設の階段4の
上層フロア3には上部水平部6が嵌め込まれる凹所11
が形成され、下層フロア2には下部水平部7が嵌め込ま
れる凹所13が形成され、上部水平部6の上乗降面16
と上層フロア3の床面10とが略同一面となり、下部水
平部7の下乗降面15と下層フロア2の床面12とが略
同一面を成すようにエスカレータ1が階段4に設置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設の階段にエス
カレータを設置するときのエスカレータの設置構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】駅などに設けられる既設のコンクリート
製の階段にエスカレータを設置する場合には設置する階
段、および階段に連なる上層フロアおよび下層フロアを
大きく削る必要がある。
【0003】エスカレータは、階段に設置される傾斜部
と、上層および下層フロアに設置される上部水平部およ
び下部水平部を有し、無端状に連結される複数の踏板が
上部水平部から下部水平部にわたって循環駆動する。た
とえば上りエスカレータの場合、使用者を搬送する上循
環領域において各踏板は水平に配置された状態で傾斜部
に沿って上昇し、上部水平部において反転し、下循環領
域においては裏返った状態で踏板は傾動部に沿って下降
し、下部水平部において踏板が再び反転して上循環領域
に移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のエス
カレータの設置構造では、設置する階段および階段に連
なる上層および下層フロアを削る必要があるので、設置
工事の費用が高くなり、工事期間も長くなってしまう。
【0005】また従来のエスカレータは上部水平部およ
び下部水平部で踏板が反転する機構となっているので、
反転するのに充分な大きさの上部および下部水平部を有
し、これらを床下に収納できるように、上層フロアおよ
び下層フロアを大きく掘削する必要がある。またこれに
よって設置できる階段が制限されることにもなる。
【0006】階段を削るのでなく、薄形のエスカレータ
を下層フロアから上層フロアにわたって階段上に載置し
て設置する構造も考えられるが、この場合には上層フロ
アおよび下層フロアの床面上にそれぞれ上部水平部およ
び下部水平部が載置されて段差が形成されることになる
ので、使用者はエスカレータに乗り降りする毎に段差を
乗り降りしなければならない。
【0007】本発明の目的は、床面上に段差を形成せ
ず、また大掛かりな工事を行うことなくエスカレータを
既設の階段に容易に設置することができるエスカレータ
の設置構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、設置状態において傾斜して配置される傾斜部と、傾
斜部の上端部から水平に連なり、人が乗り降りする上乗
降面を有する上部水平部と、傾斜部の下端部から水平に
連なり、下乗降面を有する下部水平部とを備えるエスカ
レータを、下層フロアから上層フロアにわたって設けら
れる既設の階段に設置するエスカレータの設置構造にお
いて、上層および下層フロアにそれぞれ凹所が形成さ
れ、エスカレータの傾斜部を階段上に載置し、上部およ
び下部乗降部がそれぞれ上層および下層フロアの各凹所
に嵌め込まれ、上および下乗降面がそれぞれ上層および
下層フロアの床面に略同一面を成すように配置されるこ
とを特徴とするエスカレータの設置構造である。
【0009】本発明に従えば、エスカレータを設置する
階段の上層フロアおよび下層フロアのみに凹所を形成
し、各凹所にエスカレータの上部水平部および下部水平
部をそれぞれ嵌め込み、傾斜部は階段上に載置してエス
カレータを階段に設置するので、コンクリート製の階段
を削り取る必要がなく、設置工事が容易となり、従来の
エスカレータの設置構造に比べて設置工事の費用が低減
し、工事期間も短縮することができる。
【0010】また、上部および下部水平部の各乗降面が
床面に略同一に配置されるので、エスカレータに乗り込
むときに段差に乗り上がる必要もない。
【0011】請求項2記載の本発明の前記エスカレータ
は、上部水平部から下部水平部にわたって無端状に連結
されて循環駆動する複数の踏板を有し、この踏板は、使
用者を乗載する乗載面が常に上方に臨んで循環すること
を特徴とする。
【0012】本発明に従えば、エスカレータの踏板は常
に乗載面を上方に臨んだ状態で循環するので、上部水平
部および下部水平部内で踏板が反転することなく上循環
領域から下循環領域に移行するので、上部水平部および
下部水平部を薄形に構成することができる。これによっ
て、上部および下部水平部を嵌め込む凹所の深さが小さ
くてすみ、設置工事がさらに容易となり、工事費用およ
び工事期間を削減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるエスカレータの設置構造を示す簡略化した縦断面図
であり、図2は図1の切断面線II−IIから見た断面
図である。エスカレータ1は駅などの既設の階段4に設
置される。階段4は下層フロア2から上層フロア3にわ
たって設けられ、コンクリート製である。
【0014】エスカレータ1は設置状態において傾斜し
て配置される傾斜部5と、傾斜部5の上端部から水平に
連なる上部水平部6と、傾斜部5の下端部から水平に連
なる下部水平部7とを有する。上部水平部6が設けられ
る上層フロア3には階段4に連なって凹所11が形成さ
れ、同様に下部水平部7が設けられる下層フロア2には
階段4に連なって凹所13が形成され、エスカレータ1
は傾斜部5が複数のブラケット29を介して階段4上に
載置された状態で上部水平部6が上層フロア3の凹所1
1に嵌まり込み、下部水平部7が下層フロア2の凹所1
3に嵌まり込んで設置され、これによって使用者が乗り
降りする上部水平部6の乗降面16は上層フロア3の床
面10と略同一面を成すように配置され、同様に使用者
が乗り降りする下部水平部7の下乗降面15は下層フロ
ア2の床面12と略同一面を成すように配置される。し
たがって、使用者はエスカレータ1に乗り降りするとき
に段差を乗り降りする必要がなく、容易にエスカレータ
1に乗り降りすることができる。また、傾斜部5は階段
4に載置されるだけであり、従来のエスカレータの設置
構造のように階段4を削り取る必要がなく、設置工事の
費用および工事期間を大幅に削減することができる。
【0015】下部水平部7、傾斜部5および上部水平部
6はフレーム41によって一体に組付けられる。図2に
示されるように下部水平部7のフレーム41がブラケッ
ト46を介して凹所13の底面26にコンクリートボル
トなどによって固定され、同様に上部水平部6のフレー
ム41がブラケット46を介して上層フロア3の凹所1
1の底面にコンクリートボルトなどによって固定されて
エスカレータ1は固定される。また、上部水平部6およ
び下部水平部7のフレーム41を凹所11および凹所1
3の底面にコンクリートボルトによって固定する構造に
限らず、たとえば本発明の実施の他の形態として、たと
えばエスカレータ1を建物の階段に設置する場合、凹所
11,13を形成したときに露出する駆体の鉄骨に上部
水平部6および下部水平部7のフレーム41を溶接また
はボルトおよびナットによって固定するように構成して
もよい。
【0016】次にエスカレータ1の内部構造について説
明する。上部水平部6には水平な幅方向(図1の紙面に
対して垂直方向)に間隔をあける一対の上スプロケット
ホイール34が回転自在に設けられ、同様に下部水平部
7には幅方向に間隔をあける一対の下スプロケットホイ
ール35が回転自在に設けられる。これらの各上および
下スプロケットホイール34,35間にわたってそれぞ
れローラチェーンなどの無端状の一対のチェーン36が
巻掛けられ、一対のチェーン36間にチェーン36に沿
って複数の踏板37が配置され、それぞれチェーン36
に連結される。
【0017】各踏板37の下層フロア2側の一端部には
ライザ38の基端部が幅方向に平行な角変位軸線まわり
に角変位自在にそれぞれ連結される。各踏板37は、上
層フロア3側の他端部が前記幅方向に平行な角変位軸線
まわりに角変位自在にチェーン36に連結される。
【0018】上部水平部6にはモータなどの回転駆動源
39が設けられ、回転駆動源39の回転駆動力は、中間
軸47に伝達され、この中間軸47の両端部に固定され
る歯車が、各上スプロケットホイール34に固定される
歯車に噛合して上スプロケットホイール34に伝達され
る。
【0019】本実施形態ではエスカレータ1は、上り用
エスカレータとして用いられ、回転駆動源39は、チェ
ーン36の上張架領域である上循環領域S1で下層フロ
ア2から上層フロア3に向かう方向に各踏板37が循環
駆動するようにチェーン36を走行駆動させる。以下、
上循環領域S1での踏板37の走行方向を上走行方向A
とし、下張架領域である下循環領域S2での踏板37の
走行方向を下走行方向Bとする。
【0020】上スプロケットホイール34には中間軸4
7を介してそれぞれ回転駆動力が伝達されるので、一対
の上スプロケットホイール34間にわたって回転軸が設
けられず、この上スプロケットホイール34間を踏板3
7およびライザ38が通過するが、下スプロケットホイ
ール35は同軸の回転軸40を備え、ライザ38は、後
述するようにこの回転軸40を避けるために退避位置に
折畳まれた状態で上方に移行する。
【0021】下部水平部7には下乗降面15を有する下
プレート44が設けられ、上部水平部6にも同様に上乗
降面16を有する上プレート43が設けられ、循環駆動
する踏板37は下層フロア2側で下プレート44の下で
水平に走行し、下プレート44から露出し、階段33に
沿って上昇し、上層フロア3に沿って水平に走行して上
プレート43の下に進入する。このようにチェーン36
の上循環領域S1のうち、下プレート44から上プレー
ト43までの踏板37が外部に露出する領域が搬送領域
S5として規定される。各踏板37はこの搬送領域S5
で使用者を乗載する乗載面48が水平となるように保持
され、また各ライザ38は搬送領域S5では下方に垂下
して後続して隣接する踏板37との上下方向の隙間を塞
ぐ突出位置に配置される。
【0022】また上スプロケットホイール34に巻掛け
られるチェーン36の巻回領域が下方移行領域S3とし
て規定され、この下方移行領域S3において各踏板37
は上循環領域S1から下循環領域S2へ乗載面48を上
方に臨んだ状態で移行する。同様に下スプロケットホイ
ール35のチェーン巻回領域が上方移行領域S4として
規定され、各踏板37は上方移行領域S4において乗載
面48を上方に臨んだ状態で下循環領域S2から上循環
領域S1に移行する。
【0023】フレーム41の上には幅方向に間隔をあけ
て循環駆動する無端状の一対の手摺45が、回転駆動源
39から駆動力が伝達され、チェーン36と等速度で走
行駆動し、下層フロア2から下プレート44に乗込んだ
使用者は手摺45を把持して踏板37の乗載面48上に
乗ることによって上層フロア3まで搬送される。
【0024】図3は上層フロア3側から見たエスカレー
タ1の踏板37近傍を示す横断面図であり、図4は踏板
37およびライザ38の側面図である。踏板37および
ライザ38はそれぞれ櫛歯状のプレートから成り、搬送
領域S5においてライザ38と、このライザ38に隣接
する踏板37の先端部とは各櫛歯が噛合った状態にあ
る。
【0025】踏板37の他端部(前端部)には、幅方向
に延びるチェーン連結軸58が設けられ、このチェーン
連結軸58の両端部は踏板37から外方に突出し、チェ
ーン36および前案内ローラ59が連結される。
【0026】フレーム41の側壁42には、上張架領域
S1に沿って踏板上ガイドレール60が設けられ、下張
架領域S2に沿って踏板下ガイドレール69が設けら
れ、踏板37が上張架領域S1に沿って走行するときに
前案内ローラ59は踏板上ガイドレール60に沿って案
内され、同様に踏板37が下張架領域S2に沿って走行
するときには、前案内ローラ59は踏板下ガイドレール
69に沿って案内される。
【0027】踏板37の一端部(後端部)近傍には幅方
向に延びる角変位軸64が角変位自在に設けられ、この
角変位軸64にライザ38の基端部が固定される。ライ
ザ38の遊端部には、幅方向に平行な回転軸線を有する
一対の案内ローラ55が幅方向両端部に設けられ、この
案内ローラ55に隣接して案内ローラ55よりも小径の
小ローラ61が前記案内ローラ55よりも幅方向内方に
それぞれ設けられる。
【0028】踏板37の一端部には下方に垂下する係止
端部63が形成され、ライザ38が突出位置にあると
き、ライザ38の上端面62が前記係止端部63に当接
して支持され、自然状態でライザ38は垂下して突出位
置に配置されることになる。
【0029】フレーム41には、前記踏板上ガイドレー
ル60に上下方向に間隔をあけてライザ上ガイドレール
56が設けられ、同様に踏板下ガイドレール69の下方
には、踏板下ガイドレール69に隣接してライザ下ガイ
ドレール57が設けられる。踏板37が搬送領域S5を
走行駆動する際、案内ローラ55がライザ上ガイドレー
ル56に沿って案内されてライザ38は突出位置に配置
された状態にある。また、下張架領域S2を踏板37が
走行駆動する際、ライザ38は案内ローラ55がライザ
下ガイドレール57に案内されることによって、退避位
置に配置された状態で走行駆動することになる。このよ
うに上張架領域S1の少なくとも搬送領域S5では、ラ
イザ38は突出位置に配置された状態にあり、下張架領
域S2ではライザ38は退避位置に配置された状態で走
行駆動するので、上張架領域S1と下張架領域S2との
間隔を小さくし、エスカレータ1の薄形化が図られる。
【0030】またライザ38が突出位置に配置された状
態で搬送領域S5を走行するとき、ライザ上ガイドレー
ル56に平行に設けられる小ローラ案内レール50に小
ローラ61は下方から当接する。これによって搬送領域
S5を走行中に、ライザ38が退避位置側に角変位する
といったことが防がれ、踏板37の乗載面48を安定し
て水平に保つことができる。
【0031】再び図1を参照して上部水平部6での下方
移行領域S3での動作、および下部水平部7での上方移
行領域S4での動作について説明する。上部水平部6内
には回転案内手段75が設けられる。回転案内手段75
は上部水平部6内で幅方向両側に設けられ、それぞれ回
転駆動源39から動力が伝達されて水平な回転軸線まわ
りに図1の紙面において時計まわりに回転駆動する。上
部水平部6内で上走行方向Aに走行する踏板37は、折
畳み手段(図示せず)によってライザ38が踏板37に
平行となるように角変位して折畳まれ、引続き前記回転
案内手段75にライザ38の遊端部が支持され、踏板3
7の他端部が上スプロケットホイール34によって上張
架領域S1から下張架領域S2に移行するときにライザ
38の遊端部が回転案内手段75に支持されて折畳まれ
た状態で上張架領域S1から下張架領域S2のライザ下
ガイドレール57まで案内される。このようにライザ3
8が折畳まれた状態で上張架領域S1から下張架領域S
2へ移行するので、上部水平部6をきわめて薄形に構成
することができる。
【0032】また前記ライザ折畳み手段は、たとえば踏
板37の他端部とライザ38の遊端部とを連結するリン
ク機構と、上部水平部6に設けられ、上部水平部6内で
踏板37が上走行方向Aに走行するときに前記リンク機
構に当接してライザ38を折畳む構成であってもよく、
または上部水平部6内に設けられ、上部水平部6内に進
入してきたライザ38に対して遊端部を上方に跳ね上げ
て折畳む構成であってもよく、さらにチェーン支持軸5
8に固定される歯車と、この歯車に噛合する扇形歯車
と、上部水平部6に設けられ、上部水平部6内で上走行
方向Aに走行する踏板37に対し、前記扇形歯車の傾斜
する側面に当接してライザ38を折畳む構成であっても
よい。
【0033】下部水平部7にはライザ38を折畳んだ状
態で下循環領域S2から上循環領域S1まで案内するラ
イザ案内手段95が設けられる。
【0034】ライザ案内手段95は、下循環領域S2で
ライザ38の案内ローラ55を案内するライザ下ガイド
レール57の下端部に連なり、下走行方向B下流側に向
かうにつれて上方に傾斜する傾斜レール90と、折畳ま
れた状態のライザ38に下方から当接して支持する支持
ローラ94と、支持ローラ94と下スプロケットホイー
ル35の回転軸40との間に介在され、ライザ38が折
畳まれた状態で案内ローラ55が乗上げる乗上げ部材9
1と、回転軸40の上方に配置され案内ローラ55を水
平に案内する水平部材96と、乗上げ部材91と水平部
材96との間に介在され、開閉自在に設けられる開閉ガ
イド97と、水平部96に連なり、下プレート44の下
方で水平方向に延びる水平ガイドレール92とを含んで
構成される。傾斜レール90は、幅方向に間隔をあけて
一対設けられ、ライザ38の幅方向両端部に設けられる
案内ローラ55をそれぞれ案内し、下走行方向B下流側
に踏板37が移行するときに案内ローラ55を下走行方
向B下流側になるにつれて上方に案内する。このとき、
傾斜レール90の間には支持ローラ94が回転自在に設
けられ、上方移行領域S4に沿って踏板37が下走行方
向B下流側に移行するときに支持ローラ94がライザ3
8に下方から当接して支持する。したがって、案内ロー
ラ55が乗上げ部材91と傾斜レール90との間を通過
して踏板37が最も下走行方向B下流端まで移行したと
きライザ38は支持ローラ94に下方から支持された状
態にあるので、案内ローラ55は傾斜レール90から浮
上がり、ライザ38は折畳まれた状態で踏板37および
ライザ38が上走行方向A下流側に向かうにつれて上方
となるように傾斜した状態で支持されることになる。こ
の状態で踏板37の走行方向が下走行方向Bから上走行
方向Aに切換わり、踏板37が上走行方向Aに向けて走
行し始めると、傾斜レール90から浮上がった案内ロー
ラ55が乗上げ部材91上に乗上げることになる。
【0035】乗上げ部材91の上面である案内面は上走
行方向A下流側になるにつれて上方に向かうように傾斜
して設けられ、この案内面の上端から折畳み水平部材9
2との間にわたって開閉ガイド97が設けられる。開閉
ガイド97は、乗上げ部材91側一端部が乗上げ部材9
1に角変位自在に支持され、踏板37のチェーン連結軸
58の移動経路をまたいで他端部が水平部材96上に係
止される。したがって、上方移行領域S4に沿って踏板
37が上方に移行するとき、チェーン連結軸58は開閉
ガイド97を押上げて開いて移行する。その後、開閉ガ
イド97が閉じ、ライザ37に設けられる案内ローラ5
5が乗上げ部材91の案内面、開閉ガイド97および水
平部材96に沿って案内される。このようにして、ライ
ザ38が折畳まれた状態で踏板37は下循環領域S2か
ら上循環領域S1に移行する。
【0036】水平部材96に連なる水平ガイドレール9
2は上走行方向A下流側の前端部が下方に傾斜している
ので、上循環領域S1の上走行方向A上流側端部でライ
ザ38が折畳まれた状態で走行し、水平ガイドレール9
2の前端部に達したときライザ38は自重によって垂下
し、突出位置に角変位することになる。
【0037】このようにしてライザ38は折畳まれた状
態で下循環領域S2から上循環領域S1に移行し、下ス
プロケットホィール35の回転軸40を超えた後、下方
に垂下して突出位置に配置される。このようにして下部
水平部7も薄形に構成することができる。
【0038】このようにエスカレータ1は上部水平部6
および下部水平部7で踏板37が反転することなく常に
乗載面48を上方に臨んだ状態で循環するので、エスカ
レータ1を薄形に構成することができる。たとえば上部
および下部水平部6,7の高さ(図2参照)Hを50c
m以下とすることができ、本実施形態では40cm程度
となる。これによって上層フロア3および下層フロア2
に形成する各凹所11,13の深さを小さくでき設置工
事がより容易となる。
【0039】また下循環領域S2ではライザ38が折畳
まれた状態で移行するので、傾斜部5の構成も従来のエ
スカレータに比べて格段に薄形に構成することができ、
傾斜部を階段4上に載置したとしても天井空間が狭くな
るといったことが防がれる。
【0040】本実施形態では上部水平部6を嵌め込める
凹所11および下部水平部7を嵌め込む凹所13はそれ
ぞれ階段4に連なるように形成し、傾斜部5の傾斜角度
を階段4の傾斜角度を等しくして傾斜部5と階段4とが
平行となるように構成したが、本発明の実施の他の形態
として、階段4の傾斜よりもエスカレータ1の傾斜を緩
やかに構成する場合には、下部水平部7を嵌め込める凹
所13を階段4から離反した位置の下層フロア2に形成
し、階段4から傾斜部5を浮かせてエスカレータ1を階
段4に設置するように構成してもよい。
【0041】また本実施形態ではエスカレータ1は上り
用エスカレータとして説明したが、本発明の実施の他の
形態として下り用エスカレータとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、上層フ
ロアおよび下層フロアに形成した凹所に上部水平部およ
び下部水平部を嵌め込み、階段上には傾斜部を配置して
エスカレータを既設の階段に設置するので、設置工事の
費用および工事期間を削減することができる。また、上
部水平部および下部水平部の上乗降面および下乗降面は
それぞれ上層および下層フロアの床面に略同一面を成す
ように配置されるので、エスカレータに乗り降りする際
に段差を乗り降りする必要がない。
【0043】請求項2記載の本発明によれば、エスカレ
ータの踏板は乗載面を常に上方に臨んで循環するように
構成されるので、上部水平部および下部水平部をきわめ
て薄形に構成することができ、これによって上部および
下部水平部を嵌め込める各凹所の切削する深さも小さく
でき、これによって工事費用および工事期間をさらに削
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるエスカレータの設
置構造を示す縦断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図であ
る。
【図3】踏板37近傍を示すエスカレータ1の横断面図
である。
【図4】踏板37およびライザ38を示す側面図であ
る。
【符号の説明】 1 エスカレータ 2 下層フロア 3 上層フロア 4 階段 6 上部水平部 7 下部水平部 10,12 床面 11,13 凹所 15 下乗降面 16 上乗降面 37 踏板 38 ライザ 48 乗載面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設置状態において傾斜して配置される傾
    斜部と、傾斜部の上端部から水平に連なり、人が乗り降
    りする上乗降面を有する上部水平部と、傾斜部の下端部
    から水平に連なり、下乗降面を有する下部水平部とを備
    えるエスカレータを、下層フロアから上層フロアにわた
    って設けられる既設の階段に設置するエスカレータの設
    置構造において、 上層および下層フロアにそれぞれ凹所が形成され、 エスカレータの傾斜部を階段上に載置し、上部および下
    部乗降部がそれぞれ上層および下層フロアの各凹所に嵌
    め込まれ、上および下乗降面がそれぞれ上層および下層
    フロアの床面に略同一面を成すように配置されることを
    特徴とするエスカレータの設置構造。
  2. 【請求項2】 前記エスカレータは、上部水平部から下
    部水平部にわたって無端状に連結されて循環駆動する複
    数の踏板を有し、この踏板は、使用者を乗載する乗載面
    が常に上方に臨んで循環することを特徴とする請求項1
    記載のエスカレータの設置構造。
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