JP3793717B2 - 乗客コンベア装置 - Google Patents

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博康 小川
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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B23/00Component parts of escalators or moving walkways
    • B66B23/02Driving gear
    • B66B23/026Driving gear with a drive or carrying sprocket wheel located at end portions

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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレーターや電動道路等の乗客コンベア装置に係り、特に、非常停止装置の設置を改善した好適な乗客コンベア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗客コンベア装置において、複数の踏段を連結した無端状の踏段チェーンを駆動するために、駆動機械装置のスプロケットと駆動スプロケットとに動力伝達チェーンを巻掛け、この動力伝達チェーンが切断したとき踏段の暴走を防止するために非常停止装置を設けている(特開2001−261275)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は、非常停止装置の小型化への配慮がなされていなかった。即ち、動力伝達チェーンが切断したとき駆動スプロケットを拘束するフックが、主枠を構成する一方側の側枠から離れた位置にあるので、フックを側枠に支持する支持軸の長さが長くなり、その結果、軸径を大きくしなければ大きなモーメントに耐えることができず、かつ支持軸の側枠への固定も頑丈にしなければならず、非常停止装置を大型化する問題があった。
【0004】
また、上記従来の技術によれば、乗客コンベア装置の幅寸法の低減が要求された場合についての配慮がなされておらず、それ以上の幅方向の低減は事実上困難であった。
【0005】
本発明の目的は、非常停止装置を大型化することなく、同時に幅寸法の低減を行い得る乗客コンベア装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、駆動機械装置からの動力伝達チェーンを巻掛けて回転し複数の踏段を駆動するための駆動スプロケットを、その歯部が主枠を構成する一方の側枠と互いの鉛直投影が重なるように配置すると共に、前記動力伝達チェーンが切断したときに前記駆動スプロケットの回転を拘束するスプロケット拘束手段を、前記駆動スプロケットの歯部に対向する位置に設置したのである。
【0007】
このように、駆動スプロケットの歯部を、主枠を構成する一方の側枠と互いの鉛直投影が重なるように配置したので、本来、駆動スプロケットの歯部と側枠との間に設けていた隙間がなくなり、その分、側枠を駆動スプロケット側に寄せることができ、その結果、幅寸法をさらに低減できるのである。
【0008】
また、側枠と鉛直投影が重なる駆動スプロケットの歯部に対向する位置にスプロケット拘束手段を設置したので、スプロケット拘束手段を短い支持軸等の支持部材で側枠に固定することができ、その結果、駆動スプロケット拘束時にスプロケット拘束手段が受けるモーメントを小さくでき、その結果、スプロケット拘束手段を含む非常停止装置を小型化することができるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明による第1の実施の形態を図1〜図4について説明する。一般にエスカレーター1は、建築物の上階2と下階3に跨って設置された主枠4をベースに構成されている。主枠4は、図2に示すように、左右一対の側枠5A,5Bと、これら左右の側枠5A,5Bを連結する底板6や横桁7から構成され、さらに前記側枠5A,5Bは、エスカレーターの長手方向に延在する上弦材8と、下弦材9と、これら上弦材8と下弦材9とを連結する縦部材10とから構成されている。
【0010】
上記構成の主枠4の上階2側には上部機械室となる上部水平部11が形成され、下階3側には下部機械室となる下部水平部12が形成され、上部水平部11と下部水平部12とは傾斜部13によって連結されている。一般的に、上部水平部11と下部水平部12とは、その上部を夫々乗客が乗り降りするための乗降床11F,12Fで塞がれている。
【0011】
このように構成された主枠4の上部水平部11と下部水平部12の乗降床11F,12F下には、夫々一対の主スプロケット14と従スプロケット15とが軸支されている。一対の主スプロケット14は、駆動軸16に固定され、この駆動軸16は端部を軸受17によって回転自在に保持されている。この軸受17は前記側枠5A,5Bの縦部材10に固定され、その鉛直投影は側枠5A,5Bの幅h(図2)内にある。
【0012】
前記主スプロケット14と従スプロケット15には無端状の踏段チェーン18が巻掛けられている。この踏段チェーン18に複数の踏段19が連結される。これら踏段19は、前記主枠4内に敷設されたガイドレール上を走行する前輪20と後輪21を備えている。そして、前記前輪20を支持し前記踏段19の幅方向両端から突出させた前輪軸22を前記踏段チェーン18に連結することで、踏段19と踏段チェーン18とを連結しているのである。
【0013】
また、前記側枠5A,5Bには、夫々欄干23が立設されており、この欄干23の周縁には移動手摺24が案内されている。この移動手摺24は、欄干23の内部に設置された手摺駆動装置25によって駆動される。この手摺駆動装置25は、前記主スプロケット14の一方側の反踏段19側に設けられた手摺駆動スプロケット26に巻掛けた手摺動力チェーン27を、前記左右の側枠5A,5Bに軸支された中間軸28の第1アイドラスプロケット29に巻掛け、さらに、中間軸28の両端側に設けた二つの第2アイドラスプロケット30に巻掛けた手摺駆動チェーン31を前記手摺駆動装置25の駆動ローラに設けたスプロケットに巻掛けて動力を得ている。ここで、前記手摺駆動スプロケット26は、前記主スプロケット14の外周から軸方向に突出した前輪20と干渉しないように、前記主スプロケット14の半径よりも小径をなしている。
【0014】
一方、前記駆動軸16の一端側で、前記手摺駆動スプロケット26とは踏段19を挟んで反対側の前記主スプロケット14の反踏段19側には駆動スプロケット32が固定されている。この駆動スプロケット32は皿状に形成され、駆動軸16への固定部は前記主スプロケット14寄りにあり、外周部に形成された歯部は、前記主枠4の側枠5Aの幅h内に臨ませて平面から見て側枠5Aとが重なるように、云い代えれば、駆動スプロケット32の歯部と側枠5Aとは互いの鉛直投影が重なるように配置されている。このため、駆動スプロケット32の歯部と前記軸受17と前記主枠4の側枠5Aの3者も、互いの鉛直投影が互いに重なり、前記側枠5Aの幅h内に位置することになる。
【0015】
そして、前記駆動スプロケット32の歯部には動力伝達チェーン33が巻掛けられ、この動力伝達チェーン33は前記踏段19の往復通路の外側に設置された駆動機械装置34のスプロケット35に巻掛けられている。駆動機械装置34は電動機36と減速機37と制動機38等からなるが、減速機37は必ずしも必要とするものではない。
【0016】
上記のように構成したので、本来なら駆動スプロケット32の歯部が、軸受17と一方の主スプロケット14との間に位置していたことにより必要としていたスペース及び主枠4や欄干23の設置バランスを考慮して反駆動スプロケット32側にも必要としていた同等のスペースを不要とすることができ、その結果、主枠4の全幅Wfを縮小することができ、エスカレーター1の設置幅寸法Woを狭めることができる。
【0017】
加えて、駆動軸16の両端部側に夫々二つの手摺駆動スプロケットを設けて左右の手摺駆動装置25を駆動していたのを、一つの手摺駆動スプロケット26から中間軸28を介して駆動するようにしたので、手摺駆動スプロケット26が一つになった分、駆動軸16を短縮することができ、その結果、主枠4の全幅Wfを縮小することができ、エスカレーター1の設置幅寸法Woを狭めることができる。
【0018】
さらに、上記構成のエスカレーター1には、非常停止装置40が設けられている。この非常停止装置40は、前記駆動スプロケット32と駆動機械装置34のスプロケット35間に巻掛けられた動力伝達チェーン33上に接し、前記側枠5Aに揺動自由に軸支された摺動シュー41と、前記動力伝達チェーン33が切断されたときに前記駆動スプロケット32の回転を拘束し、前記側枠5Aに揺動自由に軸支されたフック42とを備えている。前記摺動シュー41は、前記動力伝達チェーン33が切断されたときに、自重あるいはばね等のその他の手段によって、図3に示すように、矢印a方向に回動する。この摺動シュー41の回動によって前記動力伝達チェーン33の切断を検出し、前記フック42を回動させるチェーン切断検出手段となる。一方、前記フック42は、前記摺動シュー41の回動に連動、あるいは前記摺動シュー41の回動に伴う電気的信号を受けて、図3に示すように、矢印b方向(図4の2点鎖線)に回動して前記駆動スプロケット32の歯部と係合し、前記駆動スプロケット32の回転を拘束するスプロケット拘束手段となる。
【0019】
前記摺動シュー41は、前記側枠5Aの幅h内に臨ませた駆動スプロケット32の歯部に巻掛けた動力伝達チェーン33上を摺動させているので、当然、前記摺動シュー41は前記側枠5Aの幅h内に位置する。その結果、前記摺動シュー41を前記側枠5Aに支持する軸の長さを短くすることができ、付随して軸径も小さくすることができる。
【0020】
また、前記フック42は、図4に示すように、駆動スプロケット32の歯部に対向した位置に、支持軸43と固定座44によって設置されるので、前記フック42も当然前記側枠5Aの幅h内に位置することになり、その結果、前記フック42を前記側枠5Aに支持する支持軸43の長さを短くすることができると共に、固定座44を小さくすることができ、そのため駆動スプロケット32の拘束時に発生するモーメントも小さくなり、付随して支持軸43の軸径を小さくすることができる。
【0021】
このように、前記摺動シュー41とフック42とを前記側枠5Aの幅h内に設置できることから、これらを支持する軸の長さや径及び固定座44を小さくでき、その結果、非常停止装置40全体を小型化することができる。
【0022】
上記のような幅狭のエスカレーター1を建築物の狭域の場所、例えば駅舎の既設階段等に設置する場合、通常、図2に示すように、階段45の一方の壁46側に寄せてエスカレーター1を設置し、エスカレーター1の反壁46側の欄干23を階段45とエスカレーター1との仕切壁としている。このように設置幅寸法Woのエスカレーター1を階段45に設置した場合、階段45の歩行者に利用される幅寸法は狭くなるが、エスカレーター1の設置幅寸法Woは、上述のように狭幅となっているので、階段45の利用幅寸法の減幅を必要最小限にすることができる。
【0023】
上記第1の実施の形態においては、駆動スプロケット32を皿状に形成し、その歯部を側枠5Aの幅h内に位置させたものであるが、皿状の成形が容易でない場合には、駆動軸16端に駆動スプロケット32を固定し、両側の軸受17を駆動軸16の中間寄りに位置させて横桁7に支持させることにより単一面の駆動スプロケットを得ることができる。このように、駆動スプロケットが単一面に形成されることにより、駆動スプロケット全体を側枠5A内に配置することができる。さらに、上記第1の実施の形態においては、駆動スプロケット32の外周の歯部にスプロケット拘束手段としてのフック42を係合させて前記駆動スプロケット32の回転を拘束しているが、駆動スプロケット32の代わりに、この駆動スプロケット32と同軸の制動体を前記側枠5A内に位置させ、この制動体に前記フック42を対向させるようにしてもよい。このとき、前記制動体はスプロケットの歯や凹凸さらには穴のような係合部を有する円盤であってもよく、また、単なる円盤であってもよい。制動体を単なる円盤とする場合には、対向するフック42の変わりに、ブレーキパッド等で円盤の回転を拘束するようにしてもよい。
【0024】
上記実施の形態は、乗客コンベア装置としてエスカレーターを説明したが、エスカレーターに限らず、踏板間に段差が生じない電動道路にも適用することができる。この場合、各請求項の踏段を踏板と読替えることが必要である。さらに、狭域の場所の一例として駅舎の既設階段について説明したが、駅舎用既設階段に限らず、一般の建築物及び平坦通路に省スペース乗客コンベア装置として使用することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、非常停止装置を大型化することなく、同時に幅寸法の低減を行い得る乗客コンベア装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示すエスカレーターの概略側面図。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断拡大図。
【図3】図1のエスカレーターの上階付近の内部を示す側面図。
【図4】図2の側枠と駆動スプロケットの歯部との関係を示す拡大平面図。
【図5】図3の主枠内の平面図。
【符号の説明】
1…エスカレーター、4…主枠、5A,5B…側枠、14…主スプロケット、16…駆動軸、17…軸受、18…踏段チェーン、19…踏段、25…手摺駆動装置、26…手摺駆動スプロケット、28…中間軸、32…駆動スプロケット、33…動力伝達チェーン、34…駆動機械装置、40…非常停止装置、41…摺動シュー、42…フック。

Claims (6)

  1. 複数の踏段を連結した無端状の踏段チェーンを駆動する駆動スプロケットと、この駆動スプロケットに動力伝達チェーンを介して回転力を伝達する駆動機械装置と、前記動力伝達チェーンの切断を検出するチェーン切断検出手段と、このチェーン切断検出手段の動作により前記駆動スプロケットの回転を拘束するスプロケット拘束手段と、これらを支持し左右に側枠を有する主枠とを備えた乗客コンベア装置において、前記駆動スプロケットの歯部と前記側枠とを互いの鉛直投影が重なるように配置し、かつ前記スプロケット拘束手段を前記駆動スプロケットの歯部に対向する位置に設置したことを特徴とする乗客コンベア装置。
  2. 複数の踏段を連結した無端状の踏段チェーンと、この踏段チェーンを両乗降口の乗降床下近傍で巻掛ける主スプロケットと従スプロケットと、前記主スプロケットが固定された駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、この駆動スプロケットに動力伝達チェーンを介して回転力を伝達する駆動機械装置と、この動力伝達チェーンの切断を検出するチェーン切断検出手段と、このチェーン切断検出手段の動作により前記駆動スプロケットの回転を拘束するスプロケット拘束手段と、これらを支持し左右に側枠を有する主枠とを備えた乗客コンベア装置において、前記駆動スプロケットの歯部と前記スプロケット拘束手段と前記側枠とを互いの鉛直投影が重なるように配置したことを特徴とする乗客コンベア装置。
  3. 前記スプロケット拘束手段は、前記側枠に軸支されるフックであり、前記チェーン切断検出手段は、前記動力伝達チェーン上を摺動し前記側枠に軸支される摺動シューであることを特徴とする請求項1又は2記載の乗客コンベア装置。
  4. 前記駆動スプロケットは皿状に形成され、その中心側は前記側枠の鉛直投影外の前記踏段寄りに位置していることを特徴とする請求項1,2又は3記載の乗客コンベア装置。
  5. 複数の踏段を連結した無端状の踏段チェーンと、この踏段チェーンを両乗降口の乗降床下近傍で巻掛ける主スプロケットと従スプロケットと、前記主スプロケットが固定された駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、この駆動スプロケットに動力伝達チェーンを介して回転力を伝達する駆動機械装置と、この動力伝達チェーンの切断を検出するチェーン切断検出手段と、このチェーン切断検出手段の動作により前記駆動スプロケットの回転を拘束するスプロケット拘束手段と、これらを支持し左右に側枠を有する主枠とを備えた乗客コンベア装置において、前記駆動軸を支持する軸受と、前記駆動スプロケットの歯部と、前記スプロケット拘束手段と、前記側枠とを互いの鉛直投影が重なるように配置したことを特徴とする乗客コンベア装置。
  6. 複数の踏段を連結した無端状の踏段チェーンを駆動する駆動スプロケットと、この駆動スプロケットに動力伝達チェーンを介して回転力を伝達する駆動機械装置と、前記動力伝達チェーンの切断を検出するチェーン切断検出手段と、このチェーン切断検出手段の動作により前記駆動スプロケットの回転を拘束するスプロケット拘束手段と、これらを支持し左右に側枠を有する主枠とを備えた乗客コンベア装置において、前記駆動スプロケットと同軸に制動体を設け、この制動体の外周部と前記側枠とを互いの鉛直投影が重なるように配置し、かつ前記スプロケット拘束手段を前記制動体の外周部に対向する位置に設置したことを特徴とする乗客コンベア装置。
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