JP2000203036A - インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置 - Google Patents

インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置

Info

Publication number
JP2000203036A
JP2000203036A JP1086399A JP1086399A JP2000203036A JP 2000203036 A JP2000203036 A JP 2000203036A JP 1086399 A JP1086399 A JP 1086399A JP 1086399 A JP1086399 A JP 1086399A JP 2000203036 A JP2000203036 A JP 2000203036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezo actuator
flow path
path plate
piezo
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1086399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2984679B1 (ja
Inventor
Hiroshi Sato
拓 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Niigata Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd filed Critical Niigata Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Priority to JP1086399A priority Critical patent/JP2984679B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2984679B1 publication Critical patent/JP2984679B1/ja
Publication of JP2000203036A publication Critical patent/JP2000203036A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ピエゾアクチュエータの各々の高
さのバラツキを吸収した状態で複数個のピエゾアクチュ
エータを一括して同時に流路板と接合できるインクジェ
ットヘッド製造方法及びその製造装置を提供することを
課題とする。 【解決手段】 流路板にピエゾアクチュエータとの位置
関係を定める位置決め手段を有し、インクを吐出させる
ための複数個のピエゾアクチュエータが流路板上に配設
されているインクジェットプリンタ用のインクジェット
ヘッドの製造装置であって、ピエゾアクチュエータを位
置決め固定するステージとベース基体の間にピエゾアク
チュエータの高さを調整する高さ調整手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド製造技術に係り、特にピエゾアクチュエータの各々
の高さのバラツキを吸収した状態で複数個のピエゾアク
チュエータを一括して同時に流路板と接合できるインク
ジェットヘッド製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式に適用さ
れるインクジェット記録ヘッドは、一般的に微細なイン
ク吐出口(オリフィス)、インク流路及びこのインク流
路の一部に設けられるインク吐出圧発生部を備えてい
る。このようなインクジェットヘッドにおける製造で
は、電鋳技術あるいはプレス技術により板材を加工後、
接着剤による接合技術を用いて積層することで流路板を
作製して、その後、インクを吐出する駆動力を伝達する
ために流路板に形成されたダイヤフラム部にピエゾアク
チュエータを接着剤を用いた接合技術により接合してい
る。この流路板にピエゾアクチュエータを接合する工程
では、1枚の流路板に複数個のピエゾアクチュエータを
接合する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、接合部材であるピエゾアクチュエータには各々
に高さのバラツキがあるため、ピエゾアクチュエータを
流路板に1個ずつ接合していた。このため、複数個のピ
エゾアクチュエータを流路板に接合する製造工程はイン
クジェットヘッド製造工程内の製造時間を大きく占め、
量産化、高効率化、低価格化などの妨げとなっている。
そこで、複数個のピエゾアクチュエータを流路板に接合
する製造工程の工程数の削減、時間短縮は大きな問題点
となっている。
【0004】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、インクジェットヘ
ッド製造工程内の量産化、高効率化の妨げとなっている
複数個のピエゾアクチュエータを流路板に接合する工程
において、ピエゾアクチュエータの各々の高さのバラツ
キを吸収した状態で複数個のピエゾアクチュエータを一
括して同時に流路板と接合できるようすることにより、
工程数を削減し製造時間の短縮を図るインクジェットヘ
ッド製造方法、及びその製造装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の要旨は、インクを吐出させるための複数個のピエゾア
クチュエータがピエゾアクチュエータの圧力を用いてノ
ズルにインクを導くための流路板上に配設されているイ
ンクジェットプリンタのインクジェットヘッドの製造方
法であって、前記ピエゾアクチュエータとの位置関係を
定める位置決め手段を用いて、前記ピエゾアクチュエー
タの圧力を用いてノズルにインクを導くための前記流路
板に前記複数個のピエゾアクチュエータを接着する際
に、前記流路板との接着面に熱硬化型接着剤を転写した
前記複数個のピエゾアクチュエータを、吸着固定手段の
所望の位置に搭載して真空吸着固定するピエゾアクチュ
エータ固定工程と、前記位置決め手段を用いて前記ピエ
ゾアクチュエータに対して所望の前記位置関係に前記流
路板を固定する流路板固定工程と、前記ピエゾアクチュ
エータに転写された前記熱硬化型着剤を、所望の圧力で
前記流路板と当該ピエゾアクチュエータ間に加圧した状
態で所望の温度で加熱硬化して当該ピエゾアクチュエー
タと当該流路板とを接着する接着工程とを有することを
特徴とするインクジェットヘッドの製造方法に存する。
また本発明の請求項2に記載の要旨は、流路板にピエゾ
アクチュエータとの位置関係を定める位置決め手段を有
し、インクを吐出させるための複数個のピエゾアクチュ
エータが流路板上に配設されているインクジェットプリ
ンタ用のインクジェットヘッド製造装置であって、前記
ピエゾアクチュエータを位置決め固定するステージとベ
ース基板の間に前記ピエゾアクチュエータの高さを調整
する高さ調整手段を有することを特徴とするインクジェ
ットヘッド製造装置に存する。また本発明の請求項3に
記載の要旨は、流路板にピエゾアクチュエータとの位置
関係を定める位置決め手段を有し、インクを吐出させる
ための複数個のピエゾアクチュエータが流路板上に配設
されているインクジェットプリンタ用のインクジェット
ヘッド製造装置であって、前記流路板との位置関係を決
めて前記複数のピエゾアクチュエータを固定して流路板
に接着するためのベース基板と、前記ベース基板上に配
設され、当該ベース基板上における前記ピエゾアクチュ
エータの位置を決めるピエゾアクチュエータ位置決め手
段と、前記ベース基板上に配設され、前記流路板と前記
ピエゾアクチュエータとの位置関係を定める流路板位置
決め手段と、前記ベース基板上に配設され、前記ピエゾ
アクチュエータを真空吸着固定するための真空吸着溝を
有する吸着固定手段と、前記ピエゾアクチュエータの高
さを調整する高さ調整手段と、前記流路板との位置関係
を決めて前記複数のピエゾアクチュエータを固定した状
態で、前記ベース基板との間で流路板とピエゾアクチュ
エータとを加圧加熱する加熱手段とを有することを特徴
とするインクジェットヘッド製造装置に存する。また本
発明の請求項4に記載の要旨は、前記高さ調整手段がシ
リコンゴムを主構成材料とする弾性シートであることを
特徴とする請求項2または3に記載のインクジェットヘ
ッド製造装置に存する。また本発明の請求項5に記載の
要旨は、前記弾性シートの膜厚が、0.6乃至1.2m
mであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェ
ットヘッド製造装置に存する。また本発明の請求項6に
記載の要旨は、前記高さ調整手段が、前記ピエゾアクチ
ュエータの高さを調整するための複数個の圧縮ばねを有
することを特徴とする請求項4または5に記載のインク
ジェットヘッド製造装置に存する。また本発明の請求項
7に記載の要旨は、前記高さ調整手段が、前記ピエゾア
クチュエータの高さを調整するための複数個のスプリン
グプランジャーを有することを特徴とする請求項4乃至
6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド製造装
置に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。
【0007】(第1実施形態)インクジェットヘッド
は、微細なインク吐出口(オリフィス)、インク流路及
びこのインク流路の一部に設けられるインク吐出圧発生
部を備えている。本実施形態は、インクをオリフィスに
導くための流路が形成された流路板2と吐出圧を発生さ
せるためのピエゾアクチュエータ1を接着するためのイ
ンクジェットヘッド製造装置である。図1は本発明にか
かる製造装置の第1実施形態を説明するための装置斜視
図であり、図2は図1の製造装置のA−A矢視図であ
り、図3はピエゾアクチュエータ1と流路板2を位置決
めした状態で搭載して加熱手段8を下降させた加圧状態
を説明するための、図1の製造装置のB−B線に沿った
断面図である。図1を参照すると、ピエゾアクチュエー
タ1と位置決め手段2Aを有する流路板2を接合するた
めのインクジェットヘッド製造装置は、ピエゾアクチュ
エータ1を真空吸着固定するための真空吸着溝を有する
吸着固定手段3と、真空吸着固定された際のピエゾアク
チュエータ1の高さのバラツキを吸収する高さ調整手段
4を有する。以下、本実施形態では高さ調整手段4にシ
リコンゴムを主構成材料とする弾性シート(以下、シリ
コンゴムシート4)を用いた場合について説明する。
【0008】吸着固定手段3とシリコンゴムシート(高
さ調整手段)4はベース基板5上に配置される。ベース
基板5上には、ピエゾアクチュエータ1を位置決めする
ピエゾアクチュエータ位置決め手段6(本実施形態で
は、ピエゾアクチュエータ位置決め手段6として、所望
の位置に固定したピエゾアクチュエータ位置決めピン6
を用いて具体例としている)と、流路板2を位置決めす
る流路板位置決め手段7(本実施形態では、流路板位置
決め手段7として、所望の位置に固定した流路板位置決
めピン7を用いて具体例としている)があり、各々の部
品の位置決めを行う。またベース基板5の下には、図示
されていないヒータを配置し、ベース基板5、シリコン
ゴムシート(高さ調整手段)4、吸着固定手段3(本実
施形態では、具体的にステージ3とする)を通してピエ
ゾアクチュエータ1を加熱する。また図示されていない
駆動部を用いて図示されていないヒータを内蔵した加熱
手段8(本実施形態では、具体的に加熱ブロック8とす
る)を上下させることで、ピエゾアクチュエータ1に対
して位置関係を定めた状態で流路板2を加圧、加熱して
接着固定する。
【0009】次に、インクジェットヘッド製造装置各部
の詳細について説明する。ベース基板5には、ステージ
(吸着固定手段)3がシリコンゴムシート(高さ調整手
段)4を介して配設され、またピエゾアクチュエータ位
置決めピン(ピエゾアクチュエータ位置決め手段)6、
流路板位置決めピン(流路板位置決め手段)7が配設さ
れている。ベース基板5は各部品の位置関係を定めると
もに、ピエゾアクチュエータ1と流路板を加圧加熱によ
って接着する際の加熱ブロック(加熱手段)8による圧
力を受けている。
【0010】高さ調整手段4(弾性シート)は、加圧時
に変形してピエゾアクチュエータ1の高さ調整を可能と
する弾性を有し、加熱によって変質することなく繰り返
し使用可能である。従って、前記条件を満たす材質なら
ば弾性シートとして適用可能である。好適には、シリコ
ンゴムを主構成材料としているシリコンゴムシート(高
さ調整手段)4が挙げられる。このような弾性シートを
用いることによって、ベース基板5上に配設された複数
のピエゾアクチュエータ1を流路板2に歪みなく押圧す
ることができ、一度に加熱して接着固定できる。なお、
弾性シートの形状は、本実施形態に図示した形状に限ら
れるものではなく、ステージ(吸着固定手段)3とベー
ス基板5との間に設置されて、加圧時に変形してピエゾ
アクチュエータ1の高さ調整を可能とする形状であれば
良い。具体的には、ベース基板表面全体を覆う形状やス
テージ(吸着固定手段)3の一部に敷かれる形状でも構
わない。
【0011】シリコンを主構成材料とする弾性シート4
(シリコンゴムシート4)の厚さは、加圧時に変形して
ピエゾアクチュエータ1の高さ調整を可能とする膜厚に
基づいて決定されている。具体的には0.6乃至1.2
mm程度の厚さであって、好適には0.9mmが好まし
い。これは、薄くなるとシリコンゴムシート(高さ調整
手段)4の縮み代がなくなり、ピエゾアクチュエータ1
の高さのバラツキを十分に吸収しきれず、また厚くなる
とシリコンゴムシート(高さ調整手段)4のベース基板
5に対して平行(ベース面内)方向の剛性が不足し、ピ
エゾアクチュエータ1と流路板2の位置ズレの要因とな
るためである。また同様の理由により、シリコンゴムシ
ート(高さ調整手段)4の硬度はJIS A基準で85
程度が好適である。
【0012】ベース基板5とシリコンゴムシート(高さ
調整手段)4、シリコンゴムシート(高さ調整手段)4
とステージ(吸着固定手段)3は、接着剤を、転写技術
の応用で転写後に接合される。接着剤の材質としては、
具体的にはエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤など一
般的な接着剤を用いることが可能であるが、耐熱性及び
耐久性に優れるシリコン系接着剤が好ましい。ピエゾア
クチュエータ1と流路板2を接合するために、熱硬化性
接着剤を用いており、140〜160℃程度の加熱を行
う。このため耐熱性が必要である。またピエゾアクチュ
エータ1と流路板2を接合する度に、シリコンゴムシー
ト(高さ調整手段)4は圧縮と解放が繰り返されるた
め、シリコンゴムシート(高さ調整手段)4と各部材の
接合部にもある程度の弾性が必要となるからである。
【0013】ピエゾアクチュエータ位置決め手段6と流
路板位置決め手段7は、それぞれベース基板5に対する
ピエゾアクチュエータ1の位置関係、及びベース基板5
に対する流路板2の位置関係を定め、ピエゾアクチュエ
ータ1と流路板2を所望の位置関係に設置している。従
って、加熱によって変形しない材質が好ましく、具体的
には鉄、ステンレス、真鍮等の耐熱性及び耐久性に優れ
る金属が挙げられる。また、形状は本実施形態では円柱
状のピンとしているが、これに限られるものではない。
【0014】インクジェットヘッドの部材である流路板
2は位置決め手段2Aを有している。この位置決め手段
2Aと製造装置のベース基板5上に配設された流路板位
置決め手段7とによって、ベース基板5上の所望の位置
に配設された複数個のピエゾアクチュエータ1と流路板
との位置関係を一度に決定できる。前述した弾性シート
(シリコンゴムシート(高さ調整手段)4)を用いる製
造装置と併用して用いることによって、ベース基板5上
に配設された複数個のピエゾアクチュエータ1と流路板
との位置関係を決定した状態で、複数のピエゾアクチュ
エータ1を流路板2に一度に加熱して接着固定できる。
【0015】次に、本発明のインクジェットヘッド製造
方法及び製造装置の動作について、図を参照して説明す
る。本発明のインクジェットヘッド製造方法は、インク
を導くための流路板2に複数個のピエゾアクチュエータ
1を接着する際に、流路板2との接着面に熱硬化型接着
剤を転写した複数個のピエゾアクチュエータ1をステー
ジ(吸着固定手段)3の所望の位置に搭載して真空吸着
固定するピエゾアクチュエータ固定工程と、流路板位置
決め手段7を用いて前記ピエゾアクチュエータ1に対し
て所望の位置関係に流路板2を固定する流路板固定工程
と、ピエゾアクチュエータ1に転写された熱硬化型着剤
を所望の圧力で流路板2とピエゾアクチュエータ1との
間に加圧した状態で所望の温度で加熱硬化してピエゾア
クチュエータ1と流路板2とを接着する接着工程とから
構成されている。
【0016】実際の動作の具体例として、5個のピエゾ
アクチュエータ1が流路板2に接合される場合について
説明する。
【0017】予め熱硬化型接着剤を5乃至10μm程度
の膜厚で転写した5個のピエゾアクチュエータ1を、ピ
エゾアクチュエータ位置決めピン(ピエゾアクチュエー
タ位置決め手段)6に突き当てることでステージ(吸着
固定手段)3上の所望の位置に位置決めした状態で搭載
し、真空吸着固定する(ピエゾアクチュエータ固定工
程)。次に、流路板2の位置決め手段2A(本実施形態
では、位置決め穴2Aとした)をベース基板5上の流路
板位置決めピン(流路板位置決め手段)7に通すこと
で、5個のピエゾアクチュエータ1に対して所望の位置
関係に流路板2の位置決めを行う(流路板固定工程)。
次に、加熱ブロック(加熱手段)8を下降させて流路板
2上から加圧して、流路板2とピエゾアクチュエータ1
間に所望の圧力がかけられた状態で加熱する。この時、
ステージ(吸着固定手段)3下のシリコンゴムシート
(高さ調整手段)4が各々ピエゾアクチュエータ1の高
さのバラツキに合わせて撓むことで、接合面の高さを一
定に調整している。この状態で、ピエゾアクチュエータ
1と流路板2を接合する接着剤が硬化するまで加圧と加
熱を保持する(接着工程)。
【0018】加熱温度は接着部における熱硬化型接着剤
が硬化するのに十分な温度が必要であり、一般的な熱硬
化型接着剤の硬化温度である125℃程度までの加熱が
必要とされる。ピエゾアクチュエータ1、流路板2、ス
テージ(吸着固定手段)3、シリコンゴムシート(高さ
調整手段)4、ベース基板5、ピエゾアクチュエータ位
置決めピン(ピエゾアクチュエータ位置決め手段)6、
流路板位置決めピン(流路板位置決め手段)7、加熱ブ
ロック(加熱手段)8等による放熱を考慮し、マージン
として5℃を確保するため、ピエゾアクチュエータ1と
流路板2の接合面の本実施形態における加熱温度は、好
適には130℃程度である。この加熱適正温度は装置サ
イズ、装置構成、装置素材によって変動し、この温度に
限定されるものではない。
【0019】また加熱時間は、ピエゾアクチュエータ
1、流路板2、ステージ(吸着固定手段)3等各部材の
熱容量を考慮して、昇温2分程度、保持1分程度、ヒー
タへの通電を遮断した状態で強制空冷することで、除冷
5分程度とする。なお、この加熱適正時間は装置サイ
ズ、装置構成、装置素材によって変動し、この時間に限
定されるものではない。また、本実施形態ではピエゾア
クチュエータ1を5個としたが、この個数に限られるも
のではない。インクジェットヘッドのノズル数の増加に
よるピエゾアクチュエータ1の接合個数の増加に対して
も、ステージ(吸着固定手段)3の個数をN個に拡張す
ることで対応が可能である。
【0020】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、ステージ(吸着固定手段)3下のシリコンゴムシー
ト(高さ調整手段)4が、ピエゾアクチュエータ1の各
々の高さのバラツキを吸収し、複数個のピエゾアクチュ
エータ1を一括して同時に流路板2と接合することが可
能となる。その結果、従来個々にピエゾアクチュエータ
1を流路板2に固定していた場合に比べて、大幅に製造
時間の短縮が可能となり、インクジェットヘッドの量産
にも対応できるといった効果を奏する。また、ステージ
(吸着固定手段)3下の弾性シート(シリコンゴムシー
ト(高さ調整手段)4)が撓み、ピエゾアクチュエータ
1と流路板2の接合面の平面が各々ならいながら加圧さ
れ密着することで、接着剤層が均一化され接合強度、密
着性が向上する。その結果、接合状態が向上して、使用
耐久性に優れ、かつ製造の歩留まりが向上するといった
効果を奏する。
【0021】(第2実施形態)次に、本発明の他の実施
例について、図面を参照して詳細に説明する。図4は本
発明にかかる製造装置の第2実施形態を説明するための
装置断面図である。なお、第1実施形態において既に記
述したものと同一の部分については、同一符号を付し、
重複した説明は省略する。図4を参照すると、ベース基
板5に掘り込み9を設け、シリコンゴムシート(高さ調
整手段)4とステージ(吸着固定手段)3を挿入する。
ベース基板5とシリコンゴムシート(高さ調整手段)
4、シリコンゴムシート(高さ調整手段)4とステージ
(吸着固定手段)3との間は接着固定されていない。ス
テージ(吸着固定手段)3と掘り込み9の関係ははめあ
いとして位置ズレを規制している。このような構造とす
ることより第1実施形態と同等の効果を得ることができ
る。さらに加えて、加熱等によってシリコンゴムシート
(高さ調整手段)4に劣化が生じた場合、それぞれの部
材間を接着した場合に比べて、簡単に交換ができるとい
った効果を奏する。
【0022】(第3実施形態)次に、本発明の他の実施
例について、図面を参照して詳細に説明する。図5は本
発明にかかる製造装置の第3実施形態を説明するための
装置断面図である。なお、第1,第2実施形態において
既に記述したものと同一の部分については、同一符号を
付し、重複した説明は省略する。図5を参照すると、ベ
ース基板5のステージ(吸着固定手段)3上面に掘り込
み10を設け、その中にシリコンゴムシート(高さ調整
手段)4を設置する。シリコンゴムシート(高さ調整手
段)4とステージ(吸着固定手段)3は固定しない。シ
リコンゴムシート(高さ調整手段)4にはピエゾアクチ
ュエータ1と吸着用の穴11が設けられ、ステージ(吸
着固定手段)3とピエゾアクチュエータ1をシリコンゴ
ムシート(高さ調整手段)4を介した状態でも真空吸着
で固定可能としている。このような構造とすることより
第1実施形態と同等の効果を得ることができる。さらに
加えて、加熱等によってシリコンゴムシート(高さ調整
手段)4に劣化が生じた場合、それぞれの部材間を接着
した場合に比べて、簡単に交換ができるといった効果も
奏する。
【0023】(第4実施形態)次に、本発明の他の実施
例について、図面を参照して詳細に説明する。図6は本
発明にかかる製造装置の第4実施形態を説明するための
装置断面図である。なお、第1乃至第3実施形態におい
て既に記述したものと同一の部分については、同一符号
を付し、重複した説明は省略する。図6を参照すると、
第5実施形態では、高さ調節手段を第1実施形態のシリ
コンゴムシート(高さ調整手段)4に代えて、圧縮バネ
12をベース基板5とステージ(吸着固定手段)3の間
に複数本配設する。圧縮バネ12の本数は、ピエゾアク
チュエータ1を流路板2に均一に押さえるために1つの
ピエゾアクチュエータ1当たり8本程度用いることが望
ましいが、この本数に限定されず、部材構造とサイズに
よって適正な個数に変更される。この圧縮バネ12でス
テージ(吸着固定手段)3を支える。ステージ(吸着固
定手段)3の裏には、圧縮バネ12先端がそれぞれ入る
穴13を形成する。また、ベース基板5上には、圧縮バ
ネ12を固定するための突起14を形成する。接合面の
傾きに合わせて圧縮バネ12が伸び縮みすることでステ
ージ(吸着固定手段)3が傾き、ピエゾアクチュエータ
1の高さのバラツキを吸収することで、ピエゾアクチュ
エータ1が接合面の傾きにならうことができる。このよ
うな構造とすることより第1実施形態と同等の効果を得
ることができる。
【0024】(第5実施形態)次に、本発明の他の実施
例について、図面を参照して詳細に説明する。図7は本
発明にかかる製造装置の第5実施形態を説明するための
装置断面図である。なお、第1乃至第4実施形態におい
て既に記述したものと同一の部分については、同一符号
を付し、重複した説明は省略する。図7を参照すると、
第5実施形態では、高さ調節手段を第1実施形態のシリ
コンゴムシート(高さ調整手段)4に代えて、スプリン
グプランジャー15をベース基板5に複数本配設する。
スプリングプランジャー15の本数は、ピエゾアクチュ
エータ1を流路板2に均一に押さえるために1つのピエ
ゾアクチュエータ1当たり60本程度用いることが望ま
しいが、この本数に限定されず、部材構造やサイズによ
って適正な個数に変更される。このスプリングプランジ
ャー15でステージ(吸着固定手段)3を支える。ステ
ージ(吸着固定手段)3の裏には、スプリングプランジ
ャー15の先端がそれぞれ入るディンプル状の穴16を
形成する。ステージ(吸着固定手段)3とスプリングプ
ランジャー15の先端は、固定しない。接合面の傾きに
合わせてステージ(吸着固定手段)3が傾き、それに合
わせてスプリングプランジャー15が伸び縮みすること
で、ピエゾアクチュエータ1の高さのバラツキを吸収
し、ピエゾアクチュエータ1が接合面の傾きにならうこ
とができる。スプリングプランジャー15のストローク
は、フルストローク4mm程度のものを使用するが、必
要荷重を確保するためと接合時の位置ズレを避けるため
に、ストローク量1.5mm程度が好ましい。適正スト
ローク量はこれに限定されず、部材構造やサイズ、加熱
ブロック(加熱手段)8の押し付け圧力等の要因によっ
て変更される。このような構造とすることより第1実施
形態と同等の効果を得ることができる。
【0025】なお、本発明が上記各実施形態に限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は
適宜変更され得ることは明らかである。また上記構成部
材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、
本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にするこ
とができる。また、各図において、同一構成要素には同
一符号を付している。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ステージ下のシリコンゴムシートが、ピエゾアクチ
ュエータの各々の高さのバラツキを吸収し、複数個のピ
エゾアクチュエータを一括して同時に流路板と接合可能
となる。その結果、従来個々にピエゾアクチュエータを
流路板に固定していた場合に比べて、工数を削減して大
幅に製造時間の短縮が可能となり、インクジェットヘッ
ドの量産にも対応できるといった効果を奏する。また、
ステージ下の弾性シート(シリコンゴムシート)が撓
み、ピエゾアクチュエータと流路板の接合面の平面が各
々ならいながら加圧され密着することで、接着剤層が均
一化され接合強度、密着性が向上する。その結果、接合
状態が向上して、使用耐久性に優れ、かつ製造の歩留ま
りが向上するといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェットヘッド製造装置
の第1実施形態を説明するための装置斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッド製造装置のA−A
矢視図である。
【図3】ピエゾアクチュエータと流路板を位置決め搭載
して加熱ブロックを下降させた加圧状態を説明するため
の、図1のインクジェットヘッド製造装置のB−B線に
沿った断面図である。
【図4】本発明にかかるインクジェットヘッド製造装置
の第2実施形態を説明するための装置断面図である。
【図5】本発明にかかるインクジェットヘッド製造装置
の第3実施形態を説明するための装置断面図である。
【図6】本発明にかかるインクジェットヘッド製造装置
の第4実施形態を説明するための装置断面図である。
【図7】本発明にかかるインクジェットヘッド製造装置
の第5実施形態を説明するための装置断面図である。
【符号の説明】
1…ピエゾアクチュエータ 2…流路板 2A…位置決め手段(位置決め穴) 3…吸着固定手段(ステージ) 4…高さ調整手段(弾性シート、シリコンゴムシート) 5…ベース基板 6…ピエゾアクチュエータ位置決め手段(ピエゾアクチ
ュエータ位置決めピン) 7…流路板位置決め手段(流路板位置決めピン) 8…加熱手段(加熱ブロック) 9…掘り込み 10…掘り込み 11…吸着用の穴 12…圧縮バネ 13…穴 14…突起 15…スプリングプランジャー 16…穴

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させるための複数個のピエ
    ゾアクチュエータがピエゾアクチュエータの圧力を用い
    てノズルにインクを導くための流路板上に配設されてい
    るインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの製
    造方法であって、 前記ピエゾアクチュエータとの位置関係を定める位置決
    め手段を用いて、前記ピエゾアクチュエータの圧力を用
    いてノズルにインクを導くための前記流路板に前記複数
    個のピエゾアクチュエータを接着する際に、 前記流路板との接着面に熱硬化型接着剤を転写した前記
    複数個のピエゾアクチュエータを、吸着固定手段の所望
    の位置に搭載して真空吸着固定するピエゾアクチュエー
    タ固定工程と、 前記位置決め手段を用いて前記ピエゾアクチュエータに
    対して所望の前記位置関係に前記流路板を固定する流路
    板固定工程と、 前記ピエゾアクチュエータに転写された前記熱硬化型着
    剤を、所望の圧力で前記流路板と当該ピエゾアクチュエ
    ータ間に加圧した状態で所望の温度で加熱硬化して当該
    ピエゾアクチュエータと当該流路板とを接着する接着工
    程とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 流路板にピエゾアクチュエータとの位置
    関係を定める位置決め手段を有し、インクを吐出させる
    ための複数個のピエゾアクチュエータが流路板上に配設
    されているインクジェットプリンタ用のインクジェット
    ヘッド製造装置であって、 前記ピエゾアクチュエータを位置決め固定するステージ
    とベース基板の間に前記ピエゾアクチュエータの高さを
    調整する高さ調整手段を有することを特徴とするインク
    ジェットヘッド製造装置。
  3. 【請求項3】 流路板にピエゾアクチュエータとの位置
    関係を定める位置決め手段を有し、インクを吐出させる
    ための複数個のピエゾアクチュエータが流路板上に配設
    されているインクジェットプリンタ用のインクジェット
    ヘッド製造装置であって、 前記流路板との位置関係を決めて前記複数のピエゾアク
    チュエータを固定して流路板に接着するためのベース基
    板と、 前記ベース基板上に配設され、当該ベース基板上におけ
    る前記ピエゾアクチュエータの位置を決めるピエゾアク
    チュエータ位置決め手段と、 前記ベース基板上に配設され、前記流路板と前記ピエゾ
    アクチュエータとの位置関係を定める流路板位置決め手
    段と、 前記ベース基板上に配設され、前記ピエゾアクチュエー
    タを真空吸着固定するための真空吸着溝を有する吸着固
    定手段と、 前記ピエゾアクチュエータの高さを調整する高さ調整手
    段と、 前記流路板との位置関係を決めて前記複数のピエゾアク
    チュエータを固定した状態で、前記ベース基板との間で
    流路板とピエゾアクチュエータとを加圧加熱する加熱手
    段とを有することを特徴とするインクジェットヘッド製
    造装置。
  4. 【請求項4】 前記高さ調整手段がシリコンゴムを主構
    成材料とする弾性シートであることを特徴とする請求項
    2または3に記載のインクジェットヘッド製造装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性シートの膜厚が、0.6乃至
    1.2mmであることを特徴とする請求項4に記載のイ
    ンクジェットヘッド製造装置。
  6. 【請求項6】 前記高さ調整手段が、前記ピエゾアクチ
    ュエータの高さを調整するための複数個の圧縮ばねを有
    することを特徴とする請求項4または5に記載のインク
    ジェットヘッド製造装置。
  7. 【請求項7】 前記高さ調整手段が、前記ピエゾアクチ
    ュエータの高さを調整するための複数個のスプリングプ
    ランジャーを有することを特徴とする請求項4乃至6の
    いずれか一項に記載のインクジェットヘッド製造装置。
JP1086399A 1999-01-19 1999-01-19 インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置 Expired - Fee Related JP2984679B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1086399A JP2984679B1 (ja) 1999-01-19 1999-01-19 インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1086399A JP2984679B1 (ja) 1999-01-19 1999-01-19 インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2984679B1 JP2984679B1 (ja) 1999-11-29
JP2000203036A true JP2000203036A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11762204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1086399A Expired - Fee Related JP2984679B1 (ja) 1999-01-19 1999-01-19 インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2984679B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009217249A (ja) * 2008-02-15 2009-09-24 Univ Of Tokyo 可変焦点レンズ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009217249A (ja) * 2008-02-15 2009-09-24 Univ Of Tokyo 可変焦点レンズ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2984679B1 (ja) 1999-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9802410B2 (en) Ink jet print head
JP2833875B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法、及びその製造機
JP7335085B2 (ja) 転写基板ならびにこれを用いた実装方法および画像表示装置の製造方法
JP2984679B1 (ja) インクジェットヘッド製造方法及びその製造装置
KR100730562B1 (ko) 액정패널 제조장치
JP2004253509A (ja) 撮像素子モジュール及びその製造方法
JP5760726B2 (ja) 部品接合装置及び液滴吐出ヘッド製造装置及び部品接合方法
JP2008093902A (ja) 薄膜振動板の転写方法およびそれを用いたインクジェット記録装置
JP2018176580A (ja) 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JP7195829B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置の製造方法
US8814317B2 (en) Liquid ejection head and method of manufacturing the same
JP3501118B2 (ja) インクジェットヘッド製造装置およびインクジェットヘッド製造方法
JP4337336B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びその製造方法
US5976303A (en) Method of attaching nozzle plate to ink jet actuator
JP2000141667A (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JPH08267764A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP3292442B2 (ja) ノズルプレートの接着方法
JP2002086352A (ja) 接着装置、および研磨治具
JPH05229117A (ja) インクジェット式印字ヘッドとその製造方法
JP2004306562A (ja) パターン形成装置およびその製造方法
JP2003127356A (ja) インクジェットヘッド
JPH05338159A (ja) インクジェット式印字ヘッド及びその製造方法
JPH09239994A (ja) ノズルプレートの接着方法
JP2022013623A (ja) 液体吐出ヘッドとその製造方法
US9321266B1 (en) Jet stack to reservoir moat merge with an adhesive joint

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees