JP2022013623A - 液体吐出ヘッドとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止材の高さを抑えた液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。【解決手段】液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面の側に設けられる電極パッド7を備える液体吐出ヘッド用基板1と、前記電極パッド7に接続される電気接続部材6と、前記電気接続部材6を介して前記電極パッド7と電気接続される電気配線基板2と、前記電気接続部材6と前記電極パッド7との電気接続部を封止する封止材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、液体を吐出する方向と反対の方向へ向かって電気接続部材6が撓むように、前記電気接続部材を変形させることにより、封止材の高さを抑えた液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッドとその製造方法に関するものである。
液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドは、液体を吐出するためのエネルギーを液体に付与する素子および外部との電気接続のための電極パッドを有する液体吐出ヘッド用基板と、液体吐出ヘッド用基板に電気信号を伝達する電気配線基板と、を有する。液体吐出ヘッド用基板の電極パッドと電気配線基板とは、電気接続部材を介して電気的に接続されている。この電気接続部材と電極パッドとの電気接続部は、液体との接触を防ぐために、封止材で覆われて絶縁保護されている。特許文献1には、電気接続部材が上向き(液体を吐出する方向)へ向かって湾曲した形状であるような構成が記載されている。
特開2016-78289号公報
電気接続部を封止材で保護するためには、封止材の上面が十分な高さとなるように電気接続部を封止材で覆うことが求められる。また、封止材と記録媒体との接触を防ぐためには、封止材の表面から記録媒体までの間隔が十分に空くように、液体吐出ヘッドを液体吐出装置本体に配置することが求められる。そのため、液体を吐出する方向における封止材の高さが高いと、液体吐出ヘッド用基板の吐出口面から記録媒体までの距離が長くなってしまう。これにより、吐出された液滴の着弾精度が低下し、画質の品位を損なう恐れが生じる。
そこで、本発明は、封止材の高さを抑えた液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面と、前記吐出口面の側に設けられる電極パッドと、を備える液体吐出ヘッド用基板と、前記電極パッドに接続される電気接続部材と、前記電気接続部材を介して前記電極パッドと電気接続される電気配線基板と、前記電気接続部材を封止する封止材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、液体を吐出する方向と反対の方向へ向かって前記電気接続部材が撓むように、前記電気接続部材を変形させることを特徴とする。
本発明によると、封止材の高さを抑えた液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
第1の実施形態の液体吐出ヘッドを示す図。 第1の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。 第1の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。 比較例の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。 第1の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。 第2の実施形態の液体吐出ヘッドを示す図。 第2の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。 第3の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を示す図。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を適用可能な第1の実施形態を説明する。
図1(a)に、本発明を適用可能な液体吐出ヘッド100の斜視図を示す。液体吐出ヘッド100は、液体吐出ヘッド用基板1と、電気配線基板2と、液体吐出ヘッド用基板1を支持する支持部材3と、封止材4とを有する。この液体吐出ヘッド100を上方から見た図を、図1(b)に示す。また、図1(b)のA-A´における液体吐出ヘッド100の断面図を、図1(c)に示す。なお、図1(b)および(c)は、液体吐出ヘッド100の封止材4が設けられている領域を拡大したものである。
液体吐出ヘッド用基板1は、液体を吐出する吐出口8が形成された吐出口面8aを有する。また、吐出口8の下方には、液体を吐出するためのエネルギーを液体に付与する素子(不図示)が設けられている。この素子は、液体吐出ヘッド用基板1に設けられた配線等によって、液体吐出ヘッド用基板1の端縁に設けられた外部との電気接続のための電極パッド7と電気的に接続されている。
電気配線基板2からは電気接続部材6が伸びており、電気接続部材6は電極パッド7と接続(接触、すなわち接合)している。これにより、素子は電極パッド7を介して電気配線基板2と電気的に接続される。本実施形態では、電気接続部材6はフライングリードであり、電気接続部材6や電極パッド7およびその周辺部分は電気接続部15として、液体との接触を防ぐために封止材4によって覆われ、絶縁保護されている。電気配線基板2から電気接続部材6を介して液体吐出ヘッド用基板1の素子に電気が送られる。素子は発熱抵抗体や圧電体で形成されており、素子を駆動させることで、流路内の液体が吐出口8から吐出される。吐出された液体は紙等の記録媒体に着弾し、記録媒体に文字や画像が記録される。
液体吐出ヘッド用基板1および電気配線基板2は支持部材3の上に接着材を介して接合されている。
次に、液体吐出ヘッド100の製造方法について説明する。図2は液体吐出ヘッド100の製造方法を説明するための図であり、電気接続部材6を含む位置における液体吐出ヘッド100の断面を示している。
まず、液体吐出ヘッド用基板1と支持部材3とを用意する。液体吐出ヘッド用基板1は、シリコンで形成された基板や、例えば樹脂で形成され、吐出口8が形成された吐出口面8aを有する吐出形成部材を備える。ここでは基板のみを図示している。支持部材3は例えば樹脂で形成される。樹脂としては、例えば変性ポリフェニレンエーテルが挙げられる。液体吐出ヘッド用基板1は接着材等を介して支持部材3の上に固定されている。
次に、図2(a)に示すように、電気配線基板2と支持部材3とを接着材(不図示)を介して接合する。図3は、図2(a)の点線Aで囲われた領域を拡大して示す図である。本実施形態では、電気接続部材6として、電気配線基板2に設けられたインナーリードを用いる。支持部材3の表面に接着材を塗布し、加熱された圧着ブロック9の吸着面9b(保持面)で電気配線基板2を吸着保持し、液体吐出ヘッド用基板1の電極パッド7と電気接続部材6とを位置合わせする。位置合わせ後に圧着ブロック9により電気配線基板2を介して支持部材3を押圧し、熱と荷重により電気配線基板2と支持部材3とを接着固定する。この際、電気接続部材6は圧着ブロック9に設けられた突起9aによって押されることで、電気接続部材6に下向き(液体吐出方向と反対の方向)へ向かって湾曲する癖付けが行われる。なお、突起9aは、圧着ブロック9の電気配線基板2を吸着する吸着面9bよりも下向きに突出している。
なお、電気接続部材6の癖付けのタイミングは電気配線基板2と支持部材3との接合の際に限らず、少なくとも後述の封止材4を塗布する前に癖付けを行えばよい。電気接続部材6に対して不要に負荷がかかることを抑制することができるため、電気接続部材6と電極パッド7とを接続する前に電気接続部材6の癖付けを行うことが好ましい。また、製造負荷を抑えることができるため、本実施形態のように電気配線基板2と支持部材3との接合の際に用いる圧着ブロック9の突起9aで電気接続部材6の癖付けを行うことがより好ましい。また、電気接続部材6の数が多い場合などは電気接続部材6の癖付けにばらつきが生じる恐れがあるため、電気配線基板2と支持部材3との接合とは別のタイミングで電気接続部材6に癖付けを行ってもよい。また、電気接続部材6と電極パッド7とを位置合わせする際に、電気接続部材6とは別にアライメントマークを設けてこのアライメントマークを用いて電極パッド7と位置合わせを行ってもよい。その上で、電気接続部材6への癖付けを電気配線基板2と支持部材3との接合の前に行ってもよい。
次に、電気接続部材6と電極パッド7とを接続する。本実施形態では、図2(b)に示すように、ボンディングツール11により熱と超音波とを併用するシングルボンディング方式で電気接続部材6と電極パッド7とを接続する。なお、電気接続部材6は電気配線基板2の配線から延伸するインナーリードに限定されず別のワイヤーを用いてもよい。また、接続方式も上記のボンディング方式に限定されるものではなく、例えば荷重と熱により複数の電気接続部材6と複数の電極パッド7とを一括で接続するギャングボンディング方式を用いてもよい。
電気接続部材6と電極パッド7との接続は、支持部材3を加熱して支持部材3が膨張した状態で行うことが好ましい。支持部材3が熱で膨張すると、常温時に比べて液体吐出ヘッド用基板1と電気配線基板2との間の距離が広がった状態となる。電極パッド7を接続した後、加熱は行われなくなり、支持部材3の温度は低下する。支持部材3の温度が低下すると、図2(c)に示すように支持部材3は収縮し、液体吐出ヘッド用基板1と電気配線基板2との間の距離は狭くなる。これにより、電気接続部材6は図2(b)の状態よりも弛みを持つことになる。図2(b)では電気接続部材6は圧着ブロック9の突起9aによる癖付けで下方向に湾曲した部分を有しているが、図2(c)では電気接続部材6の延在方向における中央部が湾曲状に下方向の弛みを持つ形状となり、より下向きの撓みが大きくなる。これは、電気接続部材6の両側が電気配線基板2と電極パッド7とで固定されており、その状態で支持部材3が収縮するためである。その弛み形状は、電気配線基板2の圧着時に癖をつけたことで、下方向に向かってより湾曲することになる。
なお、支持部材3の加熱は、電気接続部材6と電極パッド7とを接続させる最中に行ってもよいし、支持部材3を先に加熱しておいて、加熱を停止し、その余熱で支持部材3を膨張させておいた状態で、電気接続部材6と電極パッド7とを接続させてもよい。すなわち、電気接続部材6と電極パッド7とを接続させる際に支持部材3が膨張していればよい。
次に、電気接続部材6を封止材4(図1)で封止する封止工程を行う。なお、図2では封止材4を図示していない。封止工程では、不図示のニードル等を用いて電気接続部材6を含むその周辺部に封止材4を塗布し、電気接続部材6を封止材4で覆う。この際、電気接続部材6は下方向に撓んでいるため、電気接続部材6を覆う封止材4の吐出口面8aからの高さを低くすることができる。
なお、封止材4は、熱硬化型の封止材が挙げられる。この場合、封止材4を加熱して硬化させる硬化工程を行う。硬化工程によって、封止材4とともに支持部材3も加熱され、図2(d)に示すように支持部材3は膨張する。ここで、上述のように図2(a)の状態で電気接続部材6に対して下方向への癖付けが行われており、その状態で支持部材3を膨張させ、電気接続部材6をパッドに接続している。そのため、その後支持部材3が収縮した後に再度膨張しても、電気接続部材6は弛みの分だけ余裕があり、電気接続部材6は下向きに湾曲する。封止材4の硬化後も図1(c)に示すように、電気接続部材6の延在方向における中央部では下向きの湾曲形状が維持される。なお、支持部材3の膨張量を抑えるために、封止材4を硬化する際、電気接続部材6と電極パッド7とを接続する際に支持部材3を加熱する温度よりも低い温度となるように加熱することが好ましい。
また、電気接続部材6が下向きの湾曲形状であると、液体吐出ヘッド用基板1のエッジ部分に電気接続部材6が接触する恐れがある。そのため、図1(c)に示すように、予め液体吐出ヘッド用基板1に絶縁性の樹脂材料で凸形状部12を設け、電気接続部材6が液体吐出ヘッド用基板1に接触することを抑制することが好ましい。
図4は、本実施形態の比較例の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための図である。図4(a)に示すように、圧着ブロック90で電気配線基板20と支持部材30とを接合する。本比較例では、圧着ブロック90には本実施形態のような突起が設けられておらず、電気接続部材60に対して癖付けを行っていない。次に、図4(b)に示すように、支持部材30が加熱されて膨張した状態で電気接続部材60と電極パッド70とをボンディングツール110を用いて接続する。図4(c)に示すように、支持部材30の温度が低下すると支持部材30は収縮し、液体吐出ヘッド用基板10と支持部材30との間の距離が狭くなり、電気接続部材60は上向きに湾曲した形状となる。この状態で封止材40を塗布し、その後、図4(d)に示すように、封止材40を硬化するために封止材40を加熱した。この加熱により再度支持部材30が膨張した。本比較例では、支持部材30が膨張した状態で電気接続部材60と電極パッド70とを接続することで電気接続部材60が弛みを持ち、加熱膨張による電気接続部材60の電極パッド70からの剥離を抑えることができる。しかし、本比較例では、封止材40を硬化した後の電気接続部材60を含むその周辺を示す断面図である図4(e)のように、電気接続部材60の延在方向における中央部が上向きに湾曲した形状となっている。そのため、この電気接続部材60を被覆するための封止材40の吐出口面80aからの高さが高くなってしまう。
一方で、上述の本実施形態によると、電気接続部材6が下向きに癖付けされているため、これを被覆する封止材4の、液体吐出ヘッド用基板1の吐出口面8aからの高さを低くすることが可能となる。また、電極パッド7から電気接続部材6が剥離する恐れを抑制することができる。
なお、電気配線基板2と支持部材3との接着材として、熱のみで硬化する接着材を用いた場合、圧着ブロックで加熱しながら電気配線基板2と支持部材3とを接合する際に、接着材の粘度が下がって広がり、電気接続部材6の部分に接着材が広がる恐れがある。そこで、熱硬化型の接着材を用いる場合には、図5に示すように、圧着ブロック19を先端部分が分離した構成とすることが好ましい。そして、電気接続部材6に癖付けを行うための突起19aは断熱性の高い樹脂材料で設け、電気配線基板2を吸着する吸着部19bは熱伝導性の高い金属材料で設けることが好ましい。また、伝熱を抑制するため、突起部19aと吸着部19bとの間には隙間を設けることが好ましい。これにより、電気接続部材6に接着材が広がることを抑えつつ、電気接続部材6を下向きに弛んだ形状とすることができる。
(第2の実施形態)
本発明を適用可能な第2の実施形態について説明する。
図6(a)に、本発明を適用可能な液体吐出ヘッド1000の斜視図を示す。液体吐出ヘッド1000は、液体吐出ヘッド用基板1003と、電気配線基板1001と、液体吐出ヘッド用基板1003を支持する支持部材1010と、封止材1004とを有する。支持部材1010には、液体吐出装置に取り付けるときに基準となるY基準1005とZ基準1006とX基準(不図示)が設けられており、液体吐出ヘッド用基板1003が基準から所定の位置に来るように作られている。
この液体吐出ヘッド1000を真下から見た図を、図6(b)に示す。また、図6(b)のA-A´における液体吐出ヘッド1000の断面図を、図6(c)に示す。なお、図6(b)および(c)は、液体吐出ヘッド1000の封止材1004が設けられている電気接続部1110を拡大したものである。
液体吐出ヘッド1000の支持部材1010はモールド部材で形成され、記録に関わる液体の保持部材(不図示)を中に収容している。液体はフィルターを介して内部の流路を経由し、インク供給口を通して液体吐出ヘッド用基板1003に供給される。
液体吐出ヘッド用基板1003は、液体を吐出する吐出口1103がパターニングされたノズル部材1104を有する。吐出口1103はそれぞれがノズルに連通し、各ノズルは共通液室に連通する。共通液室はシリコン基板1106に設けられたインク導入路に連通し、インク導入路は支持部材1010のインク供給口に接続される。また、吐出口1103が連通するノズルには、シリコン基板1106にパターニングされた、液体を吐出するためのエネルギーを液体に付与する素子(不図示)が設けられている。この素子は、液体吐出ヘッド用基板1003に設けられた配線等によって、液体吐出ヘッド用基板1003の端縁に設けられた外部との電気接続のための多数の電極パッド1105の一部と電気的に接続されている。
電気配線基板1001からは電気接続部材1102が伸びており、電気接続部材1102は電極パッド1105と接合されている。これにより、素子は電極パッド1105を介して電気配線基板1001と電気的に接続される。本実施形態では、電気接続部材1102はフライングリードであり、電気接続部材1102や電極パッド1105およびその周辺部分は電気接続部1110として、液体との接触を防ぐために封止材1004によって覆われ、絶縁保護されている。電気配線基板1001から電気接続部材1102を介して液体吐出ヘッド用基板1003の素子に信号が送られる。素子は発熱抵抗体や圧電体で形成されており、素子を駆動させることでノズル内の液体が吐出口1103から吐出される。吐出された液体は紙等の記録媒体に着弾し、記録媒体に文字や画像が記録される。
液体吐出ヘッド用基板1003および電気配線基板1001は支持部材1010の上に接着材を介して接合されている。
次に、図7を元に液体吐出ヘッド1000の製造方法について説明する。
本実施形態では、電気配線基板1001と支持部材1010とを接合する前に電気接続部材1102を変形させる。まず、本実施形態の変形工程では、図7(a)に示すように、電気接続部材としてのインナーリード1102を有する電気配線基板1001を用意する。そして、電気接続部材1102を、吸引・保持する面(第3面)1120と、電気接続部材1102を押し付けて当接することになる面(第4面)1130と、を有する変形治工具(第1治工具)1140にセットする。
次に、図7(b)に示すように、インナーリード1102を、例えばエラストマで構成された変形ブロック1150で第4面1130に押し付け、吐出方向とは反対の方向に屈曲させ、屈曲部1250を生じさせる。図7(b)ではインナーリード1102は角度を持って変形しているように模式的に描いているが、実際には曲率を持って変形している。
次の接合工程(接続)では、図7(c)に示すように、接合治具1160を用意する。接合治具1160は、液体吐出ヘッド用基板1003を吸引・保持する面(第6面)1170と、電気配線基板1001を吸引・保持する面(第7面)1180と、を有する。図7(d)に示すように、第6面1170と第7面1180の段差Hは、変形治工具1140の第3面1120と第4面1130の段差A(図7(b))と液体吐出ヘッド用基板1003の厚さBとの和よりも大きくする。図には示していないが、接合治具1160には、固定された液体吐出ヘッド用基板1003の電極パッド1105に対してインナーリード1102を位置合わせできるよう、位置調整機構が付いている。このようにして位置合わせしたのち、単結晶ダイヤモンドのツール11(図2(b)参照)でギャングボンディングを行い、図7(d)に示すようにインナーリード1102と電極パッド1105とを接合する。
このようにしてリードとパッドとが接合された液体吐出ヘッド用基板1003と電気配線基板1001とを含むユニット1190は、図7(e)のような形状であり、オートハンドなどでハンドリングできる状態になる。
次の取付け工程では、図7(f)に示すように、支持部材1010の第1面1220に液体吐出ヘッド用基板1003を固定するための接着剤1200と、第2面に電気配線基板1001を固定するための接着剤1210と、を塗布する。そして、ユニット1190の液体吐出ヘッド用基板1003を、Y基準1005とZ基準1006とX基準から所定の公差に入るように精密に位置決めして、接着剤1200を介して押圧し、第1面1220に固定する。接着剤1200としては、熱硬化型の接着剤をUV仮止めで補助して固定しても良いし、遅延硬化型の接着剤を用いてUV照射してから液体吐出ヘッド用基板1003を接合して仮止めしても良い。遅延硬化型の接着剤の場合はこのまま所定時間放置するか、加熱機構を持ったフィンガなどを接触させて加熱すれば硬化が促進し、液体吐出ヘッド用基板1003を固定、あるいは仮固定することができる。
次に図7(g)に示すように、接着剤1210を介して電気配線基板1001を押圧して固定する。接着剤としては熱硬化型の接着剤を用いても良いし、遅延硬化型の接着剤を用いても良い。遅延硬化型の接着剤の場合はこの後、放置または加熱機構を持ったツールで押し付けることにより硬化が促進し、電気配線基板1001を固定あるいは仮固定することができる。支持部材1010の第1面1220と第2面1230の段差H´は、接合治工具1160の第6面1170と第7面1180の段差Hよりも小さくする。このことにより、撓み部1240を生じさせることができる。このような構成と工程を採用すれば、インナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向(図の上方向)に突出することを抑制することができる。また、この後の加熱工程による支持部材1010の伸びに耐えうる、伸びしろとなりうる屈曲部1250と撓み部1240を生じさせることができる。
この後、封止工程にて電気接続部にニードルにて熱硬化型の封止材を塗布する。インナーリード1102の密度が高い場合にはインナーリード下に封止材がいきわたりにくい場合があるので、インナーリード1102下の封止に低粘度の封止材を、インナーリード1102上には形状制御のしやすい高粘度の封止材を用いるなどしても良い。
次の硬化工程では、封止材塗布された液体吐出ヘッド1000をバッチ炉あるいは連続炉で所定の加熱温度・時間でキュアすることにより封止材1004が硬化し、図1に示すような液体吐出ヘッド1000が完成する。封止材1004の高さは、インナーリード1102が電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出していないため低く抑えることができる。
近年、記録速度のさらなる向上が求められており、これを実現するために吐出口数のアップ、すなわち吐出口配列方向の液体吐出ヘッド用基板の長さのアップが求められている。製造工程では電気接続部を封止するために熱硬化性封止材が用いられている。液体吐出ヘッド用基板が長くなると熱硬化させる際の異種材料の線膨張係数差により電気接続部の信頼性が低下し、製造時の歩留まり低下、物流・使用環境での信頼性低下が生じる恐れがある。しかし、本実施形態では、伸びしろとなる屈曲部1250と撓み部1240とがあるために熱キュアによる支持部材1010の伸びにも耐え、歩留まりの低下を防ぐことが可能となる。
(第3の実施形態)
さらに、本発明を実施可能な第3の実施形態について説明する。本実施形態では変形工程において、上述の実施形態と異なる変形治工具を用いる。具体的には、図8(a)に示すように、変形治工具(第2治工具)1310は、電気接続部材1102を押し付けて当接することになる第5面1300を有する。また、変形治工具1310は、第5面1300に対して液体の吐出方向とは逆方向に設けられた電気接続部材1102を押し付けて当接することになる第4面1130を有する。さらに、変形治工具1310は、第4面と第5面をつなぐ傾斜部1320を有する。ここに電気接続部材としてのインナーリード1102を有する電気配線基板1001をセットする。そして、インナーリード1102をエラストマでできた変形ブロック1150で第4面1130、傾斜部1320、第5面1300に押し付け、吐出方向とは反対の方向に3つの屈曲部1250を形成するように変形させる。ここで、変形ブロック1150の変形治工具1310を押圧する押圧面は、変形治工具1310の表面形状に合わせた形状となっている。図ではインナーリード1102は屈曲部1250において角度を持って変形しているように模式的に描いているが、実際には曲率を持って変形している。
後の工程は図8(c)~(f)に示すように、先の実施形態と同じである。
最終的には、これも先の実施形態と同じように、液体吐出ヘッド用基板1003を支持部材1010の第1面1220に固定した後、電気配線基板1001を第2面1230に固定する。この場合も、支持部材1010の第1面1220と第2面1230の段差H´は、接合治工具1160の第6面1170と第7面1180の段差H(図8(d))よりも小さくする。このことにより、図8(g)に示すようにインナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向に突出することを抑制することができる。また、この後の加熱工程による支持部材1010の伸びに耐えうる複数の屈曲部1250(伸びしろ)を持たせることができる。
この後、先の実施形態と同様に封止工程と硬化工程を経て、液体吐出ヘッド1000が完成する。封止材1004の高さは、インナーリード1102が電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出していないため低く抑えることができる。さらに、複数の屈曲部125(伸びしろ)があるためにキュアによる支持部材1010の伸びにも耐え、歩留まりの低下を防ぐことが可能となる。
(実施例1)
上述の第1の実施形態を適用した実施例について説明する。
液体を吐出するための吐出口8が形成された吐出口面8aや外部から電気接続するための電極パッド7が設けられた液体吐出ヘッド用基板1と、電気接続部材6としてのインナーリードが設けられた電気配線基板2を用意した。インナーリードは、25μm厚みの銅箔をベースにニッケル、金のメッキ処理を施したものを採用し、支持部材3は、線膨張係数が70ppmの樹脂材を採用した。
そして、液体吐出ヘッド用基板1をプレート状の支持部材3に接着材を介して固定した。次に、支持部材3に熱と紫外線併用の接着材を塗布し、この接着材に紫外線を照射し、接着材の硬化反応を開始させた。次に、電気配線基板2を加熱された圧着ブロック9の吸着面9bで吸着し、液体吐出ヘッド用基板1の電極パッド7の上にインナーリードを位置合わせした。位置決め後は圧着ブロック9を支持部材3の真上から下降させ、電気配線基板2と接着材とを介して支持部材3を押圧することで接着材を潰すとともに、熱を伝えることで接着材を硬化し、電気配線基板2と支持部材3とを固定した。
圧着ブロック9にはインナーリードに撓み方向を制御する突起9aが設けられたものを採用し、電気配線基板2を支持部材3へ接合するとともに、インナーリードに対して下向きに湾曲する癖付けを行った。突起9aは、圧着ブロック9と一体で設けられた構成であり、電気配線基板2を介して支持部材3を押圧した状態で電気配線基板2との支持部材3の接着面よりも下方向に突出していた。本実施例では、吸着面9bからの突起9aの突出高さが0.2mmであった。支持部材3の接着面と液体吐出ヘッド用基板1の電極パッド7の上面を直線上で結んだ場合、部品公差を考慮しても十分にインナーリードが確実に下向きに弛む湾曲になる癖をつけることができた。インナーリードにはU字形状のような癖がつけられた。
その後、液体吐出ヘッド用基板1の電極パッド7とインナーリードとを接続(接合)した。本実施例では、熱と超音波を併用し、1つのパッドごとに接続を行うシングルポイントボンディング方式を採用し、電極パッド7とインナーリードとを接続した。支持部材3の裏面(液体吐出ヘッド用基板1や電気配線基板2が接合される面の反対側の面)に加熱ブロックを当接し、支持部材3を加熱した。液体吐出ヘッド用基板の温度が125℃まで加熱されるように支持部材3の加熱温度を設定し、インナーリードの接続を行った。これにより、支持部材3が熱で膨張した状態、すなわち液体吐出ヘッド用基板1と電気配線基板2との間の溝の距離が大きく開いた状態でインナーリードの接続を行った。接続した直後はインナーリードが伸びきっていたが、その後は常温(25℃)まで冷却し、支持部材3が収縮した状態となった。インナーリードは支持部材の熱収縮に伴う湾曲する弛みをもった形状になった。本実施例では、インナーリードを下方向へ湾曲するような癖付けを行ったため、インナーリードは下方向へ弛んだ形状となった。
次に、液体吐出ヘッド用基板1と電気配線基板2との間に形成された溝部を、液状の封止材(不図示)で満たした。この封止材は、インナーリードの下側を絶縁性物質で隙間なく満たす目的で用いられるため、電気絶縁性に富んでおり、硬化可能な低粘度の液状樹脂を採用した。硬化可能な液状の封止材の具体例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。また、その硬化方法としては、硬化剤を混合する2液混合硬化、加熱による熱硬化、紫外線照射によるUV硬化等が挙げられる。本実施例においては、封止材として粘度10Pa・sの熱硬化型エポキシ樹脂を用い、ディスペンサーにより封止材を溝部に満たした。低粘度の封止材のメニスカス力により、インナーリードの下部は低粘度の封止材で満たされた。
次に、インナーリード上および電極パッド7の上に封止材4を塗布した。この封止材4には、インナーリードおよび電極パッド7を外力から保護するとともに、インク等の液体が接触することによりインナーリードや電極パッドが腐食することを防ぐ機能が求められる。よって封止材4としては、上述の封止材と同様、電気絶縁性に富んでいて、硬化可能であることが求められるとともに、硬化するまでその形状を保持できるよう、高粘度であることが求められる。本実施例においては、封止材4として粘度200Pa・sの熱硬化型エポキシ樹脂を用いた。端部に配置されるインナーリードの外側から、インナーリードの延びる方向と直交する方向にディスペンサーニードルを片方向走査し、封止材4を塗布し、インナーリード、電極パッド7およびそれらの周辺を封止材4で覆った。
インナーリードの絶縁に求められる封止材4の被覆量(インナーリードの上面からの封止材4の高さ)は0.1mmであった。そこで、本実施例では、ディスペンサーニードルの内径は約1mm、ディスペンス圧力は0.2~0.3MPaとし、インナーリードからディスペンスニードルまで0.1~0.12mmの距離をあけた状態で封止材4を塗布した。この塗布においてインナーリードが変形したり、倒れたりすることが無きようディスペンス条件を設定した。
次に、封止材4を完全硬化させる目的で熱硬化炉に入れた。本実施例では、各々の部品が熱膨張した際にインナーリードに加わる破断応力を緩和する目的で、ループ状に弛みを持たせた形状で封止材を硬化した。本実施例の場合、熱硬化温度は100℃に設定し、シングルポイントボンディングの温度である125℃を越さないように設定した。
熱硬化時に各々の部材が熱膨張し、インナーリードに破断応力をかける力が働くが、ボンディング温度>熱硬化温度の関係から、インナーリードの弛みが応力を吸収することでインナーリードの破断を回避できた。また、インナーリードが下向きに撓んだ形状となったので、封止材4を必要な被覆量となるように塗布しつつもその高さを抑えることができ、吐出口面から記録媒体までの距離を短くすることができた。
(実施例2)
次に、第2の実施形態を適用した実施例について説明する。
電気接続部材としてのインナーリード1102が設けられた電気配線基板1001を用意した。インナーリード1102は、25μm厚みの銅箔をベースにニッケル、金のメッキ処理を施したものを採用した。本実施例では、インナーリード長さは1.0mmとした。
これを変形治工具(第1治工具)1140にセットした。変形治工具1140の第3面1120と第4面1130の段差Aは0.3mmとした。第4面はインナーリードが当接する面であり、鏡面仕上げにすることが好ましい。また、摩耗性を向上するために硬質クロムメッキ処理をしても良い。
この状態を保持したまま、インナーリード1102の先端0.50mmを変形ブロック1150で第4面に押し付け、数秒保持してから解放した。変形ブロック1150はエラストマであることが好ましいが、本実施例においては耐摩耗性のある硬質ニトリルゴムを用いた。
このようにして吐出方向に対して下方向に変形させたインナーリード1102を有する電気配線基板1001と、液体を吐出するための吐出口1103と外部から電気接続するための電極パッド1105が設けられた液体吐出ヘッド用基板1003と、を用意した。
液体吐出ヘッド用基板1003の厚さBは0.8mmであり、電極パッド1105は5μm厚の金メッキがパターニングされたものを用いた。液体吐出ヘッド基板1003を接合治工具1160の第6面1170に吸着・固定した。次に、電気配線基板1001を第7面1180に吸着・固定した。本実施例においては第6面1170と第7面1180の段差Hは1.2mmに設定しており、H(1.2mm)>A(0.30mm)+B(0.8mm)を満足する。電極パッド1105に対してインナーリード1102の位置合わせを行った後、単結晶ダイヤモンドチップが付いたギャングボンディングツールでボンディングを行った。本実施例におけるボンディング条件は、ツール温度470℃、荷重120g/padとした。このような条件で接合したインナーリード1102と電極パッド1105は良好なAu-Au接合を実現できた。
このように形成したユニット1190は、電気配線基板1001を吸着ツールで吸着、あるいは液体吐出ヘッド用基板1003を吸着することにより、容易にハンドリングできた。
支持部材1010はガラスフィラー入りノリル(登録商標)樹脂の射出成型で形成した。液体吐出ヘッド用基板1003を固定するための接着剤1200、電気配線基板1001を固定するための接着剤1210を塗布する前に、プラズマによる活性化処理を行ったが、活性化処理であればプラズマ処理に限るものではない。接着剤1200、および接着剤1210には、遅延硬化型の接着剤を用いた。接着剤を塗布した後、UV光を照射することにより接着剤はゲル化した。この状態で、液体吐出ヘッド用基板1003にパターニングされたアライメントマークの位置を画像処理で認識しつつ、液体吐出ヘッド用基板1003をオートハンドのツールで吸着して所定の位置に移動させた。接着剤1200に対して液体吐出ヘッド用基板1003を上から降ろすことにより押圧して潰し、オートハンドツールに付いている加熱機構により加熱した。これによって熱が液体吐出ヘッド用基板1003を通して接着剤1200に伝わり、仮硬化して液体吐出ヘッド用基板1003を第1面に仮固定することができた。
次に、電気配線基板1001も同様に加熱ブロックを上から降ろして接着剤1210を押圧して潰すことにより、電気配線基板1001の第2面への仮固定が完了した。この際、第1面と第2面との段差H´(1.1mm)は、接合治工具1160の第6面と第7面との段差H(1.2mm)よりも小さくした。本実施例では、インナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出ることなく、しかもこの後の熱工程による支持部材1010の伸びに耐えうる伸びしろとなる撓み部1240と屈曲部1250を持たせることができた。
電気接続部1110の保護には、封止材1004には1液硬化型のエポキシ樹脂を用いたが、電気絶縁性と湿気バリア性に優れた封止材であればこれに限るものではない。本実施例においてはインナーリード1102の下と上で封止材の粘度を分けて使用した。まず、粘度10Pa・sの封止材でインナーリード1102上から細めのニードルで塗布した。そうすると粘度が低い封止材はインナーリード1102の隙間から下に回り込んだ。次に粘度200Pa・sの封止材でインナーリード1102上を太めのニードルで塗布した。インナーリードの絶縁に求められる封止材1004の被覆量(インナーリード1102の上面からの封止材高さ)は0.1mmとした。そこで、本実施例では、ディスペンサーニードルの内径約1mm、ディスペンス圧力は0.2~0.3MPaとし、インナーリードからディスペンスニードルまで0.1~0.12mmの距離をあけた状態で塗布した。この塗布においてインナーリードが変形したり、倒れたりすることが無きようディスペンス条件を設定した。粘度が高い封止材は流れだしたりはせず、塗布した形を保った。この2種類の封止材は共に1液硬化型のエポキシ樹脂であるため境目は相溶し、電気接続部1110を隙間なく封止することができた。
次に、封止材1004および先の工程で仮硬化させた接着剤1200および接着剤1210を完全硬化させる目的で、熱硬化炉に入れた。本実施例では、硬化温度は100℃に設定した。
熱硬化時に各々の部材が熱膨張し、インナーリード1102に破断応力をかける力が作用するが、撓み部1240と屈曲部1250が応力を吸収することでインナーリード1102の破断を回避できた。また、インナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出ることがないため、封止材1004を必要な被覆量となるように塗布しつつもその高さを抑えることができ、吐出口面から記録媒体までの距離を短くすることができた。
(実施例3)
次に、第3の実施形態を適用した実施例について説明する。
本実施例で用いる電気配線基板1001は、基本構成は先の実施例で述べたものと同じであるが、インナーリード1102の長さを1.5mmのものを用いた。これを変形治工具(第2治工具)1310にセットした。変形治工具1310において、第4面1130と第5面1300の段差、第5面1300と第3面1120の段差はいずれも0.22mm、第4面1130と第5面1300のなす傾斜(傾斜部1320の第4面1130に対する傾斜角)は55°とした。先の実施例と同様、インナーリードが当接する面は、鏡面仕上げまたは硬質クロムメッキ処理が好ましい。
この状態を保持したまま、インナーリード1102の先端1.2mmを変形ブロック1150で押し付け、数秒保持してから解放した。変形ブロック1150はエラストマであることが好ましいが、本実施例においては耐摩耗性のある硬質ニトリルゴムを用いた。変形ブロック1150は、変形治工具にならって変形し、インナーリード1102も同じ形に変形することになる。変形治工具1310の第4面と第3面の段差Aは0.44mmとした。
次の接合工程は実施例2と同じであるが、第6面1170と第7面1180の段差Hは1.34mmに設定しており、H(1.34mm)>A(0.44mm)+B(0.8mm)を満足した。
次の取り付け工程も基本的には先の実施例と同じである。第1面と第2面との段差H´(1.1mm)は、接合治工具1160の第6面と第7面との段差H(1.34mm)よりも小さくした。このため、インナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出ることなく、しかもこの後の熱工程による支持部材1010の伸びに耐えうる屈曲部1250(伸びしろ)を持たせることができた。
封止工程ならびに熱硬化工程も先の実施例と条件等は同じであり、熱硬化時に各々の部材が熱膨張し、インナーリード1102に破断応力をかける力が作用するが、屈曲部1250が応力を吸収することでインナーリード1102の破断を回避できた。また、インナーリード1102は電気配線基板1001よりも吐出方向に飛び出ることがないため、封止材1004を必要な被覆量となるように塗布しつつもその高さを抑えることができ、吐出口面から記録媒体までの距離を短くすることができた。
以上、実施例2と実施例3では、それぞれ屈曲部が1つと3つの例を述べたが、本発明は屈曲部の数を限定するものではない。
1 液体吐出ヘッド用基板
2 電気配線基板
4 封止材
6 電気接続部材
7 電極パッド
8 吐出口
8a 吐出口面

Claims (16)

  1. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面と、前記吐出口面の側に設けられる電極パッドと、を備える液体吐出ヘッド用基板と、
    前記電極パッドに接続される電気接続部材と、
    前記電気接続部材を介して前記電極パッドと電気接続される電気配線基板と、
    前記電気接続部材と前記電極パッドとの電気接続部を封止する封止材と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
    液体を吐出する方向と反対の方向へ向かって前記電気接続部材が撓むように、前記電気接続部材を変形させることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記電気配線基板と支持部材とを接合することを含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記支持部材を加熱して前記支持部材が膨張した状態で前記電気接続部材と前記電極パッドとを接続することを含む、請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記電気配線基板と前記支持部材とを圧着手段により圧着して接合し、
    前記圧着手段により前記電気配線基板と前記支持部材とを圧着するとともに前記電気接続部材を変形させる、請求項2または請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記圧着手段は、前記電気配線基板を保持する保持面と、前記保持面よりも前記反対の方向へ向かって突出する突起と、を備え、前記突起で前記電気接続部材を押して変形させる、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記保持面と前記突起とが一体の部材で構成されている、請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記保持面と前記突起とが別の部材で構成されている、請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記電気接続部材を変形させた後に、前記電気接続部材と前記電極パッドとを接続する、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記電気接続部材が前記反対の方向へ向かって撓んだ状態で前記封止材を塗布し、前記封止材を硬化することを含む、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記電気接続部材を変形させた後に、前記液体吐出ヘッド用基板と前記電気配線基板とを支持部材に接合する、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記液体吐出ヘッド用基板と前記支持部材の第1面とを接合した後に、前記第1面に接合された前記液体吐出ヘッド用基板の前記吐出口面よりも突出した位置に設けられた前記支持部材の第2面と、前記電気配線基板とを接合する、請求項10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記電気接続部材を備える前記電気配線基板を保持する第3面と、前記第3面に対して高さの異なる第4面と、を有する第1変形手段と、第2変形手段と、を用い、前記第3面で前記電気配線基板を保持した状態で、前記第4面と前記第2変形手段とで前記電気接続部材を挟んで前記電気接続部材を変形させる、請求項11に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記第1変形手段は、前記吐出する方向における前記第3面と前記第4面との間に第5面を有し、前記第4面および前記第5面と前記第2変形手段とで前記電気接続部材を挟んで前記電気接続部材を変形させる、請求項12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記支持部材に前記液体吐出ヘッド用基板と前記電気配線基板とを接合する前に、前記液体吐出ヘッド用基板を保持する第6面と、前記吐出する方向において前記第6面よりも高くに位置し、前記電気配線基板を保持する第7面と、を有する保持手段で前記液体吐出ヘッド用基板と前記電気配線基板とを保持した状態で、前記電極パッドと前記電気接続部材とを接続し、
    前記保持手段の前記第6面と前記第7面との間の段差は、前記液体吐出ヘッド用基板の厚みと、前記第1変形手段の前記第3面と前記第4面との間の段差と、の和よりも大きい、請求項12または請求項13に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  15. 前記支持部材の前記第1面と前記第2面との間の段差は、前記保持手段の前記第6面と前記第7面との間の段差よりも小さい、請求項14に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  16. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面と、前記吐出口面の側に設けられる電極パッドと、を備える液体吐出ヘッド用基板と、
    前記電極パッドに接続される電気接続部材と、
    前記電気接続部材を介して前記電極パッドと電気接続される電気配線基板と、
    前記電気接続部材と前記電極パッドとの電気接続部を封止する封止材と、
    を有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記電気接続部材は、延在方向における中央部が液体を吐出する方向と反対の方向へ向かって湾曲する形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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