JP2000200617A - 燃料電池複合発電プラントシステム - Google Patents

燃料電池複合発電プラントシステム

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JP2000200617A
JP2000200617A JP11002507A JP250799A JP2000200617A JP 2000200617 A JP2000200617 A JP 2000200617A JP 11002507 A JP11002507 A JP 11002507A JP 250799 A JP250799 A JP 250799A JP 2000200617 A JP2000200617 A JP 2000200617A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高発電効率で、かつ高信頼性の固体電解質燃
料電池複合発電プラントシステムを提供しようとするも
のである。 【解決手段】 固体電解質燃料電池複合発電プラントシ
ステムは、燃料供給ラインを通して燃料が供給され、か
つ酸素供給ラインを通して酸素が供給される固体電解質
燃料電池と、前記燃料電池の燃料側排気の保有熱で発生
させた蒸気を前記燃料供給ラインに供給するための燃料
側蒸気供給手段と、前記燃料電池の燃料側排気および酸
化剤側排気が供給され、高温蒸気を発生するため燃焼器
と、前記燃焼器で発生した高温蒸気により駆動される蒸
気タービンとを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質燃料電
池複合発電プラントシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃焼タービンを有する複合発
電プラントシステムとしては、従来より図5に示すラン
キンサイクル方式および図6に示すトッピング再生サイ
クル方式のものが知られている。
【0003】図5に示すランキンサイクル方式の複合発
電プラントシステムにおいて、高温蒸気タービン1は超
高温タービン2出口の蒸気を加熱源とする第1熱交換器
3で発生した高圧蒸気および高温タービン4出口の蒸気
を加熱源とする第2熱交換器5で発生した高圧蒸気によ
り駆動される。前記高温蒸気タービン1出口の蒸気は、
第1水素・酸素燃焼器6に導入され、ここで別途供給さ
れた水素および酸素と共に燃焼することにより発生する
超高温蒸気を利用して前記超高温タービン2を駆動す
る。前記超高温タービン2出口の蒸気は、前記第1熱交
換器3で熱交換された後に第2水素・酸素燃焼器7に導
入され、ここで別途供給された水素および酸素と共に燃
焼することにより発生する高温蒸気を利用して前記高温
タービン4を駆動する。前記高温タービン4出口の蒸気
は、前記第2熱交換器5で冷却された後、低温タービン
8に供給される。発電機9は、前記各タービン1,2,
4,8により発電される。
【0004】前記低温タービン8出口の蒸気は、復水器
10に供給され、ここで凝縮されて水になる。この復水
のうち、前記第1,第2の水素・酸素燃焼器6,7で発
生した水に相当する復水は復水ポンプ11により系外に
排出されて回収され、負荷に応じた量の復水は給水とし
て給水ポンプ12により圧縮した状態で前記第1,第2
の熱交換器3,5に供給される。
【0005】一方、図6に示すトッピング再生サイクル
方式の複合発電プラントシステムにおいて、高温蒸気タ
ービン21は高温タービン22出口の蒸気を加熱源とす
る第1〜第3の熱交換器23〜25を経由して熱交換さ
れた高圧蒸気により駆動される。この高温蒸気タービン
21出口の蒸気は、超高温タービン26に供給される。
【0006】前記各熱交換器23〜25およびこのうち
の第3熱交換器25と並列的に配置され、後述する高圧
圧縮機からの蒸気と熱交換する第4熱交換器27を経由
した前記高温タービン22出口の蒸気は、低圧圧縮機2
8を通して高圧圧縮機29に供給されて昇圧され、前記
第4熱交換器27を経由して水素・酸素燃焼器30に導
入され、ここで別途供給された水素および酸素と共に燃
焼することにより発生する高温蒸気を利用して前記超高
温タービン26、およびこの後段に配置された前記高温
タービン22を駆動する。
【0007】前記第2熱交換器24を経由後の前記高温
タービン22出口の蒸気は、低圧タービン31に供給さ
れる。発電機32は、前記各タービン22,26,31
により発電される。
【0008】前記低温タービン31出口の蒸気は、直接
及び第5,第6の熱交換器33,34を経由して復水器
35に供給され、ここで凝縮されて水になる。この復水
のうち、前記水素・酸素燃焼器30で発生した水に相当
する復水は復水ポンプ36により系外に排出されて回収
される。また、前記復水のうち、負荷に応じた量の復水
の一部は第1給水ポンプ37により前記高圧圧縮機29
に供給される。残りの復水は前記第5、第6の熱交換器
33,34で熱交換された後、脱気器38で脱気され、
第2給水ポンプ39により前記第1〜第3の熱交換器2
3〜25で熱交換されて前述したように高温蒸気タービ
ン21に送られる。なお、前記脱気器38には前記低温
タービン31の出口蒸気が導入される。
【0009】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、前述し
た従来の複合発電プラントシステムは次のような問題が
あった。
【0010】(1)2方式のいずれの複合発電プラント
システムも高級、高価な水素を燃料として使用するた
め、高い発電効率を達成することが不可欠であるが、1
700℃級の高温タービンを適用してもなお効率が61
%程度と低い。
【0011】(2)2方式のいずれの複合発電プラント
システムに用いられる水素燃焼タービンは、高効率にす
るには高温にする必要があるが、1500℃以上の高温
タービンの開発の目処がたっていないのが実状であり、
その開発には膨大な費用と時間を要する。
【0012】(3)ランキンサイクル方式の複合発電プ
ラントシステムでは、超高圧(数百kgf/cm2)を
必要とし、高圧タービンの実現性が低い。
【0013】(4)トッピング再生方式の複合発電プラ
ントシステムは、前述した図3に示すように高温熱交換
器を多数必要とし、設備が複雑になると共に、高価格に
なる。
【0014】本発明は、高発電効率で、かつ高信頼性の
固体電解質燃料電池複合発電プラントシステムを提供し
ようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる固体電解
質燃料電池複合発電プラントシステムは、燃料供給ライ
ンを通して燃料が供給され、かつ酸素供給ラインを通し
て酸素が供給される固体電解質燃料電池と、前記燃料電
池の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸気を前記燃料供
給ラインに供給するための燃料側蒸気供給手段と、前記
燃料電池の燃料側排気および酸化剤側排気が供給され、
高温蒸気を発生させるための燃焼器と、前記燃焼器で発
生した高温蒸気により駆動される蒸気タービンとを具備
したことを特徴とするものである。
【0016】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、前記燃料電池に供給され
る水素および酸素は、化学等量であることが好ましい。
【0017】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、さらに前記タービン下流
側に高真空度までタービン駆動蒸気を膨脹させるための
復水器を設置することを許容する。
【0018】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、前記燃料が水素以外の炭
素を含むガス燃料である場合、前記燃料供給ラインに改
質装置を設置して、この改質装置で改質製造された水素
および水蒸気を前記燃料電池に供給し、かつ前記改質装
置前後の前記燃料供給ラインに前記燃料側蒸気供給手段
から蒸気を供給することを許容する。
【0019】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、前記燃料が水素以外の炭
素を含むガス燃料である場合、前記燃料電池の内部に改
質装置を設置し、前記燃焼器上流側に前記燃料電池の燃
料側排気中の炭酸ガスを分離するための炭酸ガス分離装
置を設置することを許容する。
【0020】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、前記燃料が水素以外の炭
素を含むガス燃料である場合、前記燃料電池の内部に改
質装置を設置し、前記蒸気タービンの下流側に前記燃料
電池の燃料側排気中の水蒸気と炭酸ガスを凝縮分離する
ための炭酸ガス分離装置を設置することを許容する。
【0021】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムにおいて、さらに前記酸素供給ライ
ンに低温蒸気を供給する酸素側蒸気供給手段を設けるこ
とを許容する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる固体電解質
燃料電池複合発電プラントシステムを図1を参照して詳
細に説明する。
【0023】図示しない水素燃料タンクからの水素は、
燃料供給ライン51を通して固体電解質燃料電池(SO
FC)52に供給される。この固体電解質燃料電池52
は、発電膜53と、この発電膜53で区画された燃料室
54および酸素室55とを備えた構造を有する。前記発
電膜53は、燃料極、固体電解質膜および酸素極により
構成され、直交流変換器(インバータ)56を通して定
格交流電圧として系統57に出力される。
【0024】前記燃料電池52の燃料室53は、燃料側
排気ライン58を通して燃焼器59に連結されている。
前記燃料供給ライン51の燃料を加熱するための燃料加
熱用熱交換器60は、前記燃料供給ライン51および燃
料側排気ライン58に跨って介装されている。蒸発器6
1は、前記熱交換器60下流側の前記燃料側排気ライン
58に介装されている。
【0025】酸素(例えば空気)が導入される圧縮機6
2は、酸素供給ライン63を通して前記燃料電池52の
酸素室55に供給される。前記燃料電池53の酸素室5
5は、酸素側排気ライン64を通して前記燃焼器59に
連結されている。前記酸素供給ライン63には、窒素分
離器65が介装されている。前記酸素供給ライン63の
酸素を加熱するための酸素加熱用交換器66は、前記酸
素供給ライン63および酸素側排気ライン64に跨って
介装されている。
【0026】前記燃焼器59で発生した蒸気は、蒸気タ
ービン67に供給され、このタービン67により発電機
68が発電される。前記蒸気タービン67は、配管69
を通して復水器70に連結されている。前記配管69に
は、給水加熱器71が介装されている。前記復水器70
は、給水ライン72を通して前記給水加熱器71に連結
されている。前記復水器70の復水のうち、前記燃焼器
59で発生した水に相当する復水は回収ライン73を通
して系外に回収され、残りの復水(前記燃料電池の温度
調整に必要な量の復水)は前記給水ライン72に介装さ
れた給水ポンプ74により前記給水加熱器71に供給さ
れる。前記給水加熱器71から延出され、前記給水ライ
ン72と連通する蒸気ライン75は、前記蒸発器61を
経由して前記燃料供給ライン51に連結される。
【0027】次に、前述した図1に示す固体電解質燃料
電池複合発電プラントシステムの動作を説明する。
【0028】まず、図示しない水素燃料タンクから水素
を燃料供給ライン51を通して固体電解質燃料電池52
の燃料室54に供給する。同時に、圧縮機62で圧縮さ
れた空気を酸素供給ライン63を通して窒素分離器65
に送り、ここで窒素を分離することにより得られた酸素
を前記燃料電池52の酸素室55に供給する。この時、
前記水素および酸素は化学等量になるように前記燃料電
池52に供給する。このような水素および酸素の供給に
より、前記燃料室54および酸素室55の間に配置され
た発電膜53により電池反応がなされ、前記発電膜53
に接続されたインバータ56から交流電圧として系統5
7に出力される。
【0029】前記燃料電池52の燃料室54出口の排気
(排燃料;蒸気を含む)は、燃料加熱用熱交換器60お
よび蒸発器61が介装された燃料側排気ライン58を通
して燃焼室59に供給される。このように排燃料が前記
燃料加熱用熱交換器60を通過する過程で前記燃料供給
ライン51を通過する水素は熱交換されて加熱される。
また、排燃料は前記燃料加熱用熱交換器60を通過する
過程で燃料供給ライン51の水素と熱交換されて冷却さ
れ、さらに前記蒸発器61を通過する過程で蒸気ライン
75の低温蒸気と熱交換されて冷却される。このため、
前記燃料室54出口の排燃料に比べて低温化された排燃
料を前記燃焼器59に供給することが可能になる。
【0030】一方、前記燃料電池52の酸素室55出口
の排気(排酸素;蒸気を含む)は、酸素加熱用熱交換器
66が介装された酸素側排気ライン64を通して燃焼室
59に供給される。このように排酸素が前記酸素加熱用
熱交換器66を通過する過程で前記酸素供給ライン63
を通過する酸素は熱交換されて加熱される。また、排酸
素は前記酸素加熱用熱交換器66を通過する過程で前記
酸素供給ライン63の酸素と熱交換されて冷却される。
【0031】前記燃焼器59での燃焼により発生した蒸
気を蒸気タービン67に供給することにより発電機68
が発電される。
【0032】前記蒸気タービン67の出口蒸気は、給水
加熱器71が介装された配管69を通過する過程で凝縮
され、復水として復水器70に溜められる。この復水器
70内の復水のうち、前記燃焼器59で発生した水に相
当する復水は回収ライン73を通して系外に回収され、
負荷に応じた量の復水は給水として給水ポンプ74によ
り圧縮した状態で給水管72を通して前記給水加熱器7
1に供給され、ここで前記タービン67の出口蒸気と熱
交換されて加熱され、低温蒸気を発生する。低温蒸気
は、蒸気ライン75を通して前記蒸発器61を通過する
過程で前述した排燃料と熱交換されて加熱され、さらに
この蒸気は前記燃料供給ライン51に供給される。
【0033】前述したように蒸気ライン75から蒸気を
燃料供給ライン51に供給すると共に、燃料加熱用熱交
換器60で燃料供給ライン51を通る水素を加熱して蒸
気を含む所定温度に加熱された水素を前記燃料電池52
の燃料室55に供給し、かつ酸素加熱用熱交換器69で
酸素供給ライン63を通る酸素を加熱して所定温度に加
熱された酸素を前記燃料電池52の酸素室55に供給す
ることによって、既に述べた燃料電池52での電池反応
が円滑になされ、前記発電膜53に接続されたインバー
タ56から交流電圧として系統57に効率よく出力でき
るとともに、燃料電池52の出口温度の過度な上昇を防
止して燃料電池52を適切な温度(900〜1000
℃)に維持することが可能になる。
【0034】なお、前記蒸気ライン75を前記酸素供給
ライン63の前記酸素加熱用熱交換器66の入口部分に
連結して、この酸素供給ライン63にも水蒸気を供給す
ることによって、前記燃料電池52の出口温度の過度な
上昇をより効果的に防止することが可能になる。
【0035】また、燃料側排気ライン58に燃料供給ラ
イン51の水素と熱交換する燃料加熱用熱交換器60お
よび蒸気ライン75の低温蒸気で熱交換する蒸発器61
をそれぞれ設けて、前記燃料電池52の燃料室54の出
口排燃料に比べて低温化された排燃料を燃焼器59に供
給し、かつ酸素側排気ライン68に酸素供給ラインの酸
素と熱交換する酸素加熱用交換器66を設けて、前記燃
料電池52の酸素室55の出口排酸素に比べて低温化さ
れた排酸素を燃焼器59に供給することにより、この燃
焼器59の燃焼により発生した蒸気を前記燃焼器59下
流側の蒸気タービン67の許容温度以下に抑えることが
できる。その結果、発電機68を効率よく発電すること
が可能になる。
【0036】したがって、図1に示す構成によれば固体
電解質燃料電池52と燃焼器59の複合化、および前記
燃料電池52の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸気の
燃料供給ライン51への供給によって、前記燃料電池5
2を適切な温度(900〜1000℃)に維持しつつで
効率的な発電を行なうことができ、かつ前記燃料電池5
2の未利用水素、残存酸素および水蒸気(燃料電池52
での発生分および冷却用)を燃焼器59に導入してこの
後段の蒸気タービン67の許容温度を超えない温度に蒸
気を発生して発電機68の効率発電を行なうことかでき
るため、超高効率化を達成した固体電解質燃料電池複合
発電プラントシステムを提供することができる。
【0037】次に、燃料として水素以外の炭素を含むガ
ス燃料を用いて発電を行なう固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムの例を図2を参照して詳細に説明す
る。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付して
説明を省略する。
【0038】この固体電解質燃料電池複合発電プラント
システムは、改質装置76が燃料供給ライン51および
燃料排気側ライン58に跨って介装され、かつ蒸気ライ
ン75およびこれから分岐した蒸気分岐ライン77が前
記改質装置76前段および後段の前記燃料供給ライン5
1に連結されている。
【0039】このような図2に示す構成によれば、燃料
供給ライン51および燃料排気側ライン58に跨って配
置された改質装置76に水素以外の炭素を含むガス燃料
(例えばCO,CH4,C26,C38等)を燃料供給
ライン51を通して供給する際、固体電解質燃料電池5
2の燃料室54出口の排燃料を前記改質装置76に供給
して加熱するとともに、蒸気ライン75から前記改質装
置76前段の前記燃料供給ラインに蒸気を供給すること
によって、前記改質装置76でH,COに改質さ
れ、COが分離された水素を燃料加熱用熱交換器60
で加熱した後、固体電解質燃料電池52の燃料室54に
供給できる。この時、蒸気を蒸気分岐ライン77を通し
て前記改質装置76後段の前記燃料供給ライン51に供
給することにより燃料電池52の出口温度の過度な上昇
を防止して燃料電池52を適切な温度(900〜100
0℃)に維持することが可能になる。
【0040】したがって、図2に示す固体電解質燃料電
池複合発電プラントシステムによれば固体電解質燃料電
池52と燃焼器59の複合化、燃料供給ライン51およ
び燃料排気側ライン58への改質装置76の配置、およ
び前記燃料電池52の燃料側排気の保有熱で発生させた
蒸気の燃料供給ライン51への供給によって、水素以外
の例えばメタンのような炭素を含むガス燃料を前記燃料
電池52の燃料として利用でき、かつ前記燃料電池52
を適切な温度(900〜1000℃)に維持しつつ効率
的な発電を行なうことができると共に、前記燃料電池5
2の未利用水素、残存酸素および水蒸気(燃料電池52
での発生分、改質用および冷却用)を燃焼器59に導入
してこの後段の蒸気タービン67の許容温度を超えない
温度に蒸気を発生して発電機68の効率発電を行なうこ
とかできるため、超高効率化を達成することができる。
【0041】次に、燃料として水素以外の炭素を含むガ
ス燃料を用いて発電を行なう別の固体電解質燃料電池複
合発電プラントシステムの例を図3を参照して詳細に説
明する。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付
して説明を省略する。
【0042】この固体電解質燃料電池複合発電プラント
システムは、改質装置76が固体電解質燃料電池52の
燃料室54に配置されいる。蒸発器61後段の燃料排気
側ライン58には、炭酸ガス分離装置78が介装されて
いる。
【0043】また、蒸気ライン75から分岐した蒸気分
岐ライン77は酸素排気側ライン64に連結されてい
る。蒸気流量を制御する制御弁79は、前記蒸気分岐ラ
イン77に介装されている。
【0044】さらに、排酸素再循環機構80は前述した
図1の酸素加熱用熱交換器66の代わりに設けられる。
この排酸素再循環機構80は、燃料電池52の酸素室5
5出口の排酸素(前記蒸気分岐ライン75から蒸気が既
に供給されている)を窒素分離装置65と燃料電池52
の間の酸素供給ライン63に供給するための酸素側分岐
ライン81と、この酸素側分岐ライン81に前記酸素側
排気ライン64側から順次介装された制御弁82および
昇圧ファン83とから構成されている。なお、前記制御
弁82は前記酸素供給ライン63を通して前記燃料電池
52に供給される酸素を所定温度に制御するように蒸気
を含む排酸素の再循環量を調節する機能を有する。
【0045】給水ライン72には、制御弁84が介装さ
れている。
【0046】次に、燃料として水素以外の炭素を含むガ
ス燃料を用いて発電を行なうさらに別の固体電解質燃料
電池複合発電プラントシステムの例を図4を参照して詳
細に説明する。なお、前述した図1と同様な部材は同符
号を付して説明を省略する。
【0047】この固体電解質燃料電池複合発電プラント
システムは、改質装置76が固体電解質燃料電池52の
燃料室54に配置されいる。
【0048】前述した図3に示す炭酸ガス分離装置78
に代えて復水器70に配管85を通して炭酸ガス排出ポ
ンプ(炭酸ガス分離装置)86を設けている。
【0049】また、蒸気ライン75から分岐した蒸気分
岐ライン77は酸素排気側ライン64に連結されてい
る。蒸気流量を制御する制御弁79は、前記蒸気分岐ラ
イン77に介装されている。
【0050】さらに、排酸素再循環機構80は前述した
図1の酸素加熱用熱交換器の代わりに設けられる。この
排酸素再循環機構80は、燃料電池52の酸素室55出
口の排酸素(前記蒸気分岐ライン75から蒸気が既に供
給されている)を窒素分離装置65と燃料電池52の間
の酸素供給ライン63に供給するための酸素側分岐ライ
ン81と、この酸素側分岐ライン81に前記酸素側排気
ライン64側から順次介装された制御弁82および昇圧
ファン83とから構成されている。なお、前記制御弁8
2は前記酸素供給ライン63を通して前記燃料電池52
に供給される酸素を所定温度に制御するように蒸気を含
む排酸素の再循環量を調節する機能を有する。
【0051】給水ライン72には、制御弁84が介装さ
れている。
【0052】このような図3および図4に示す構成によ
れば、水素以外の炭素を含むガス燃料(例えばCO,C
4,C26,C38等)を燃料加熱用熱交換器60が
介装された燃料供給ライン51を通して固体電解質燃料
電池52の燃焼室54に供給する際、前記燃料電池52
の燃料室54に改質装置76を配置し蒸気ライン75か
ら前記燃料供給ライン51に蒸気を供給することによっ
て、前記ガス燃料が前記燃焼室54内の改質装置76で
,COに改質され、燃料としてのHが前記燃料
室54に供給される。同時に、排酸素再循環機構80か
ら蒸気を含む排酸素酸素を酸素供給ライン63に供給し
て所定温度に加熱された酸素を前記燃料電池52の酸素
室55に供給する。このように燃料電池52の燃料室5
4、酸素室55に水素と酸素をそれぞれ供給することに
よって、前記燃料電池52での電池反応が円滑になさ
れ、前記発電膜53に接続されたインバータ56から交
流電圧として系統57に効率よく出力できる。
【0053】また、前記燃料室54に配置された改質装
置76の改質反応(吸熱反応)を利用して前記燃料電池
52そのものを冷却するとともに、前記酸素室55に供
給される酸素に排酸素再循環機構80から蒸気を再循環
させることによって、前記燃料電池52の出口温度の過
度な上昇を防止して燃料電池52を適切な温度(900
〜1000℃)に維持することが可能になる。
【0054】さらに、燃料側排気ライン58に燃料供給
ライン51の水素と熱交換する燃料加熱用熱交換器60
および蒸気ライン75の低温蒸気で熱交換する蒸発器6
1をそれぞれ設けて、前記燃料電池52の燃料室54の
出口排燃料に比べて低温化された排燃料を燃焼器59に
供給し、かつ酸素側排気ライン68に蒸気分岐ライン7
7を通して酸素供給ライン64に蒸気を供給して前記燃
料電池52の酸素室55の出口排酸素に比べて低温化さ
れた排酸素を燃焼器59に供給することにより、この燃
焼器59の燃焼により発生した蒸気を前記燃焼器59下
流側の蒸気タービン67の許容温度以下に抑えることが
できる。その結果、発電機68を効率よく発電すること
が可能になる。
【0055】なお、図3に示す固体電解質燃料電池複合
発電プラントシステムにおいては前記改質装置76で水
素と共に発生した二酸化炭素は燃料電池52出口から燃
料側排気ライン58を通して炭酸ガス分離装置78に送
られ、ここで炭酸ガスが系外に排気される。
【0056】一方、図4に示す固体電解質燃料電池複合
発電プラントシステムにおいては前記改質装置76で水
素と共に発生した二酸化炭素は、燃料電池52出口から
燃料側排気ライン58、燃焼器59,給水加熱器71を
通して復水器70に送られ、この復水器70から配管を
通して炭酸ガス排出ポンプ86により系外に排気され
る。
【0057】したがって、図3または図4に示す固体電
解質燃料電池複合発電プラントシステムによれば固体電
解質燃料電池52と燃焼器59の複合化、前記燃料電池
52の燃料室54への改質装置76の配置、および前記
燃料電池52の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸気の
燃料供給ライン51への供給によって、水素以外の例え
ばメタンのような炭素を含むガス燃料を前記燃料電池5
2の燃料として利用でき、かつ前記燃料電池52を適切
な温度(900〜1000℃)に維持しつつ効率的な発
電を行なうことができると共に、前記燃料電池52の未
利用水素、残存酸素および水蒸気(燃料電池52での発
生分、改質用および冷却用)を燃焼器59に導入してこ
の後段の蒸気タービン67の許容温度を超えない温度に
蒸気を発生して発電機68の効率発電を行なうことかで
きるため、超高効率化を達成することができる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、固
体電解質燃料電池とその排気燃焼による発生蒸気により
駆動する蒸気タービンとの複合化、および前記燃料電池
の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸気を燃料供給ライ
ンに供給することによって、効率的な発電を行なうこと
が可能で、プラント総合熱効率を向上でき、さらに燃料
電池の過度な温度上昇の防止および蒸気タービンの許容
温度以上の加熱防止により信頼性が向上された固体電解
質燃料電池複合発電プラントシステムを提供できる。
【0059】また、燃料供給ラインに改質装置を配置
し、前記燃料電池の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸
気を前記改質装置に供給することにより水素以外の炭素
を含むガス燃料から改質された水素を前記燃料電池の燃
料として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる固体電解質燃料電池複合発電プ
ラントシステムを示す概略図。
【図2】本発明に係わる他の固体電解質燃料電池複合発
電プラントシステムを示す概略図。
【図3】本発明に係わるさらに他の固体電解質燃料電池
複合発電プラントシステムを示す概略図。
【図4】本発明に係わるさらに他の固体電解質燃料電池
複合発電プラントシステムを示す概略図。
【図5】従来のランキンサイクル方式の複合発電プラン
トシステムを示す概略図。
【図6】トッピング再生サイクル方式の複合発電プラン
トシステムを示す概略図。
【符号の説明】
51…燃料供給ライン、 52…固体電解質燃料電池、 58…燃料排気側ライン、 59…燃焼器、 60…燃料加熱用熱交換器、 61…蒸発器、 63…酸素供給ライン、 64…酸素排気側ライン、 66…酸素加熱用熱交換器、 67…蒸気タービン、 68…発電機、 70…復水タンク、 71…給水加熱器、 75…蒸気ライン、 76…改質装置、 77…蒸気分岐ライン、 78…炭酸ガス分離装置、 80…排酸素再循環機構、 86…炭酸ガス排出ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高塚 汎 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 花田 剛 東京都中央区銀座六丁目15番1号 電源開 発株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01 BA02 BC06 BC11 BC19 DD00 DD02 MM01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給ラインを通して燃料が供給さ
    れ、かつ酸素供給ラインを通して酸素が供給される固体
    電解質燃料電池と、 前記燃料電池の燃料側排気の保有熱で発生させた蒸気を
    前記燃料供給ラインに供給するための燃料側蒸気供給手
    段と、 前記燃料電池の燃料側排気および酸化剤側排気が供給さ
    れ、高温蒸気を発生させるための燃焼器と、 前記燃焼器で発生した高温蒸気により駆動される蒸気タ
    ービンとを具備したことを特徴とする燃料電池複合発電
    プラントシステム。
  2. 【請求項2】 前記燃料電池に供給される水素および酸
    素は、化学等量であり、前記タービン下流側に高真空度
    までタービン駆動蒸気を膨脹させるための復水器を設置
    したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池複合発電
    プラントシステム。
  3. 【請求項3】 前記燃料が水素以外の炭素を含むガス燃
    料である場合、前記燃料供給ラインに改質装置を設置し
    て、この改質装置で改質製造された水素および水蒸気を
    前記燃料電池に供給し、かつ前記改質装置前後の前記燃
    料供給ラインに前記燃料側蒸気供給手段から蒸気を供給
    することを特徴とする請求項1記載の燃料電池複合発電
    プラントシステム。
  4. 【請求項4】 前記燃料が水素以外の炭素を含むガス燃
    料である場合、前記燃料電池の内部に改質装置を設置
    し、前記燃焼器上流側に前記燃料電池の燃料側排気中の
    炭酸ガスを分離するための炭酸ガス分離装置を設置した
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池複合発電プラ
    ントシステム。
  5. 【請求項5】 前記燃料が水素以外の炭素を含むガス燃
    料である場合、前記燃料電池の内部に改質装置を設置
    し、前記蒸気タービンの下流側に前記燃料電池の燃料側
    排気中の水蒸気と炭酸ガスを凝縮分離するための炭酸ガ
    ス分離装置を設置したことを特徴とする請求項1記載の
    燃料電池複合発電プラントシステム。
  6. 【請求項6】 さらに前記酸素供給ラインに低温蒸気を
    供給する酸素側蒸気供給手段を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の燃料電池複合発電プラントシステム。
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