JP3287502B2 - 燃料電池による発電方法 - Google Patents

燃料電池による発電方法

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JP3287502B2 JP21943693A JP21943693A JP3287502B2 JP 3287502 B2 JP3287502 B2 JP 3287502B2 JP 21943693 A JP21943693 A JP 21943693A JP 21943693 A JP21943693 A JP 21943693A JP 3287502 B2 JP3287502 B2 JP 3287502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池発電システムか
ら発生する低温熱の回収システムに関し、特に、燃料電
池の発電効率を改善する低温熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料極(アノード)の触媒作用により水
素を水素イオンとし、空気極(カソード)の触媒作用に
より空気中の酸素を酸素イオンとして電池化学反応によ
り両極間に直流電力を得るようにした各種燃料電池が開
発されている。そして、この燃料電池を利用した発電シ
ステムとして、電気と熱を同時に効率良く取り出せるコ
ージェネレーションシステムが知られている。図4にこ
のコージェネレーションシステムの例を示す。
【0003】燃料である天然ガスは、水添脱硫器(図示
せず)でその中に添加されている硫黄分を含む付臭剤が
除去され、蒸気配管32から供給される水蒸気と混合さ
れた後、改質器33内での触媒作用により次の反応式の
ように水素等に変換される。 CH4+H2O=CO+3H2 (改質反応)CO+H2O=CO2+H2 (変成反応) CH4+2H2O=CO2+4H2 (全体の反応) 次いで、水素リッチとなった改質ガスは一酸化炭素(C
O)変成器35で改質ガス中に含まれるCO濃度を1.
75%以下にした後、水蒸気凝縮器36で余剰の水分が
除去された後、燃料電池37の燃料極(アノード)38
に供給される。
【0004】一方、空気は第一段空気圧縮機39、第二
段空気圧縮機40により加圧され、燃料電池37の空気
極(カソード)41に供給される。燃料電池37本体内
では、燃料極38の水素と空気極41の酸素が電解質4
2を介して次式の電気化学反応をして、直流電気が発生
する。 H2=2H++2e- (アノード) 1/2O2+2H++2e-=H2O (カソード) 2+1/2O2=H2O (全体の反応) この直流電気は直交変換装置43で交流に変換されて電
力負荷装置で利用される。
【0005】燃料極38の未反応水素(排燃料ガス)
は、改質器33の加熱用の燃料として使用される。ま
た、この改質器33での未反応水素の燃焼には空気極4
1からの排空気が酸素源として使用される。この燃料電
池37での発電で発生する熱は、電池冷却板44を介し
て配管45から循環供給される冷却水で冷却される。そ
して、この冷却水で取り除かれた熱は熱回収装置46で
回収される。また、空気極41から排出する排空気中の
水蒸気を水蒸気凝縮器47で凝縮する際の熱、CO変成
器35から排出するガス中の余剰水分を水蒸気凝縮器3
6で冷却して得られる熱をそれぞれの流路に設けられた
熱回収装置49、50で回収して、冷暖房や給湯等に使
用する。なお、前記各々の水蒸気凝縮器36、47で生
成した凝縮水は水処理装置(図示せず)で純度を高めて
燃料電池用の冷却板44用の冷却水として利用する。ま
た、前記燃料電池37の冷却に使用された水は蒸気分離
器52で蒸気を分離した後、再度燃料電池37の冷却水
としてポンプ53により循環使用され、分離蒸気は天然
ガスの改質用の水として蒸気配管32に供給されて利用
される。改質器33で発生した排ガスは燃焼機51で加
熱された後、第一段膨張タービン54の回転軸、第二段
膨張タービン55の回転軸の回転エネルギーとして、第
二段空気圧縮機40および第一段空気圧縮機39に回収
された後に大気中に放出される。また、熱回収装置4
6、49、50の冷却水に回収された熱は冷水塔57で
補給水により冷却されて、再使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記燃料電池37を用
いる発電システムにおいて、系内で発生する熱は熱回収
装置46、49、50で回収されていた。すなわち、燃
料電池37の冷却用の循環冷却水の熱は熱回収装置46
で回収し、燃料電池37の空気極41からの排空気の余
剰水分の凝縮熱は熱回収装置49で回収し、燃料極38
に供給する前の改質ガス中の余剰水分の凝縮熱は熱回収
装置50で回収していた。この熱回収装置46、49、
50を含めた燃料電池発電システムにおけるエネルギー
の需給を概念的に示すと、図5のように書くことができ
る。すなわち、燃料電池発電システムを燃料電池部1と
この燃料電池部1の熱回収および加圧空気供給部2に分
けて考えると、燃料電池用燃料FG1と空気圧縮機3
9、40により加圧された空気AIR1が燃料電池部1
に供給され、燃料電池部1からは電気エネルギーE1
取り出される。また、熱回収および加圧空気供給部2に
燃料電池部1からは空気の加圧に用いる膨張タービン5
4、55の熱エネルギーを補う排燃料FG2と熱回収装
置49、50、46で回収されるそれぞれの排熱Q1
2、Q3(排熱Q1、Q2と排熱Q3とは排熱温度レベル
が異なるので、それぞれ別の熱回収系とする。)と改質
器燃焼排ガスの熱および圧力のエネルギーをもつEXH
1が放出される。一方、熱回収および加圧空気供給部2
から燃料電池部1には空気圧縮機39、40で加圧され
た空気AIR1が供給される。
【0007】また、熱回収および加圧空気供給部2には
燃料電池部1の空気極41に供給される空気AIR2
熱回収装置46、49、50により集熱された冷却水の
冷却用に導入された補給水Wと熱回収装置46、49、
50の冷却水等の循環用の動力ポンプ(図示せず)等の
補助動力E2(図4には図示せず)とが供給される。ま
た、熱回収および加圧空気供給部2からは排ガスEXH
2が大気中に排出される。上記、図5のエネルギーの需
給系では燃料電池部1から熱回収および加圧空気供給部
2に排出される排熱Q1、Q2、Q3と排燃料FG2の温度
は低いので、熱の回収率は良くなかった。そこで、本発
明の目的は燃料電池部から熱回収および加圧空気供給部
へ回収される熱回収効率を向上させて、最終的には燃料
電池発電システムのエネルギー効率を向上させることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、炭化水素系燃料と
水蒸気を用いて改質器33で水素を生成させて燃料電池
37の燃料極38に供給し、空気圧縮機3、4で加圧し
た空気を燃料電池37の空気極41に供給し、改質器3
3で発生した排ガスを炭化水素系燃料とともに燃焼器
6、7でそれぞれ加熱した後に膨張タービン9、10で
膨張させてそれぞれ前記空気圧縮機3、4の駆動に用い
る燃料電池37の電解質を介して燃料極38と空気極4
1との間で電気化学反応させる燃料電池による発電方法
であって、空気極41から排出する排空気中の水蒸気を
凝縮する際の熱Qと改質器33で得られた水素リッチ
なガス中の余剰水分を冷却して得られる熱Qをそれぞ
れ回収するための熱交換器17、18及び膨張タービン
9、10からの比較的高温の排気ガスを冷却した後の比
較的低温の排気ガスの熱を回収するための熱交換器21
にそれぞれ加圧空気と加圧水を供給し、それぞれの熱交
換器17、18、21内で加圧空気を加温させ、得られ
た加圧、加温空気に水を噴霧して、前記熱Q、Q
水の顕熱及び潜熱として回収して、水と水蒸気と加圧空
気が共存する状態にある水と水蒸気と加圧空気の混合流
体を生成し、上記熱交換器17、18、21で得られた
混合流体中の気体成分(水蒸気と空気)を水から分離し
て加圧気体を得て、該加圧気体のみを前記膨張タービン
10からの前記比較的高温の排気ガスと熱交換器29で
熱交換させ、前記膨張タービン10に供給することを特
徴とする燃料電池による発電方法である。また、空気圧
縮機3、4から得られる加圧空気の熱を回収する熱交換
器19、20にそれぞれ加圧空気と加圧水を供給して、
熱交換器19、20で得られた混合流体を熱交換器1
7、18、21で得られた混合流体と合流させると、空
気圧縮機3、4から得られる加圧空気の熱を有効に回収
することができる。空気圧縮機3、4から空気極41に
供給する加圧空気の一部を分岐させて熱交換器17、1
8、21にそれぞれ空気流路12、13、16から供給
する構成にしても良い。また、水と水蒸気と加圧空気の
混合流体から得られた気体成分に加える熱エネルギーの
一部として燃料電池本体の冷却用の冷却水45から分離
回収された排蒸気を用いるこもできる。本発明の燃料
電池による発電方法は図2に基づいて説明する。燃料電
池37の空気極41から排出する排空気中の水蒸気を水
蒸気凝縮器47で凝縮する際の熱Qと改質器33で得
られた水素リッチであるCO変成器35でCOを除いた
後のガス中の余剰水分を水蒸気凝縮器36で冷却して得
られる熱Q らそれぞれ熱を回収するための熱交換器
17、18に空気極41に供給する加圧空気の一部を分
岐させた空気流路12、13からそれぞれ加圧空気を供
給して加圧空気を加温させる。また膨張タービン10か
らの排気ガスを熱交換器29で冷却した後の比較的低温
の排ガス熱を熱交換するための交換器21に空気極41
に供給する加圧空気の一部を分岐させて空気流路16か
ら供給して加温させる。得られた加圧、加温空気に、ポ
ンプ26で加圧された加圧水を流路23から熱交換器1
7、18の前流側の空気流路12、13内及び熱交換器
21の前流側の空気流路16内に噴霧する。熱交換器1
7、18内及び熱交換器21内では噴霧水により水の分
圧が下がり、水が気化するので当該分圧下での水の沸点
以下の温度で、しかも水と水蒸気と加圧空気が共存する
状態を作り出す。こうして約100℃の低温熱である熱
と熱Q及び膨張タービン10からの比較的低温の
排ガス熱を水の気化のために利用することで、前記低温
熱を水の顕熱及び潜熱として回収する。このとき、空気
圧縮機3、4から得られる加圧空気の熱を回収する熱交
換器19、20をそれぞれ設け、該熱交換器19、20
にそれぞれ加圧空気と加圧水を供給して、熱交換器1
9、20で得られた混合流体を熱交換器17、18、2
1で得られた混合流体と合流させると、空気圧縮機3、
4から得られる加圧空気の熱も有効に回収することがで
きる。また、熱交換器17〜21で得られた混合流体中
の気体成分(水蒸気と空気)を分離器25で水から分離
して加圧気体成分を得て、該加圧気体成分のみを前記膨
張タービン10からの前記比較的高温の排気ガスと熱交
換器29で熱交換させてかなりの高温(実施例では54
5℃)に加熱して高エネルギー化し、膨張タービン10
の動力源とする。
【0009】
【作用】従来は燃料電池から発生する約100℃程度の
低温熱からの熱回収は熱交換効率が悪いため、効率的に
行うことはできなかった。しかし、本発明においては、
燃料電池の空気極用に供給する加圧空気の一部を分岐さ
せ、この分岐させた加圧空気と燃料電池からの低温排熱
と熱交換して加温させる。得られた加圧、加温空気に水
を噴霧して水の分圧を下げて水を気化させ、当該分圧下
での水の沸点以下の温度で、しかも水と水蒸気が共存す
る状態を作り出す。こうして、前記燃料電池からの低温
熱を水の気化のために利用することで、前記低温熱を水
の顕熱として回収するだけでなく、水の蒸発潜熱として
も回収する。
【0010】また、こうして水を気化させることで加圧
流体(水蒸気と空気からなる流体)の体積を膨張させ、
膨張タービンに利用できる加圧流体を得ることができ
る。しかも、この加圧流体に、さらに熱エネルギーを加
えて高温ガスとし、膨張タービンの作動効率を上げるこ
とで現実的に利用できるシステムとなる。このとき、前
記体積が膨張した流体に供給する熱として、燃料電池の
冷却用循環水から分離した蒸気または循環する冷却水の
排熱を加えることで、燃料電池部から発生する低温熱を
全て有効に回収して利用することができ、燃料電池発電
システムに低温熱回収システムを加えることにより、発
電効率はさらに向上する。
【0011】本発明を図5の従来技術の概念図に対比し
て燃料電池部1と熱回収および加圧空気供給部2の間の
エネルギーの収支を図式化すると図1のような概念図が
得られる。この図1は図5の従来技術の概念図の熱回収
および加圧空気供給部2に燃料FG3と交流発電エネル
ギーE3を追加したものに相当する。しかも、従来技術
に比較して、熱交換器を新設し、空気圧縮機と膨張ター
ビンの容量を大きくしただけであり、その操作性、メイ
ンテナンス等における負担の増加はほとんどない。こう
して本発明によれば、従来はクーリングタワー等を経由
して大気中に放出していた低温の熱を水の顕熱と潜熱と
して回収するだけでなく、水が水蒸気となることにより
膨張した体積を膨張タービンの回転エネルギーとして利
用することで、燃料電池部1から発生する低温熱を効率
的に回収することができる。また、膨張タービンの作動
効率があがると、その余剰回転エネルギーで交流発電エ
ネルギーE3を取り出すことにも利用することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好ましい形態を、図面を参照
して詳細に説明する。本実施例の燃料電池発電システム
における低温熱回収システムの概要を図2に示す。図2
に示す燃料電池部1の構成は従来技術のそれと同一であ
るので、図4と同一機能を有する装置は同一番号を付し
てその説明は省略する。燃料電池部1と該燃料電池部1
に供給する空気の二段の空気圧縮機(第一段空気圧縮機
3、第二段空気圧縮機4)と燃料電池部1からの排ガス
を利用する二段の燃焼器6、7と二段の膨張タービン
(第一段膨張タービン9、第二段膨張タービン10)、
一段目の空気圧縮機3で圧縮された加圧空気を複数の加
圧空気流路12、13、14、15、16に分けて、そ
れぞれの流路12〜16において加圧空気の熱交換をす
る熱交換器17〜21、前記各熱交換器17〜21の直
前の各加圧空気流路12〜16に向けてそれぞれ開口し
た噴霧ノズル(図示せず)を持つ加圧ポンプ26により
加圧された水供給路23(図2には加圧空気流路12〜
16と同一流路で示す。)、熱交換器17〜21から排
出する水と水蒸気と空気との各混合流体を合流させて該
混合流体から水分を分離するための気液分離器25、該
気液分離器25から分離された水を前記加圧水供給路2
3にポンプ26を経由して供給する水供給路27、また
気液分離器25から分離された気体成分を熱交換器29
を経由して燃焼用酸素源とする燃焼器7と該燃焼器7で
得られた気体を用いる第二段目の膨張タービン10と、
該膨張タービン10からの排ガスを熱交換する二段の熱
交換器29、21等とからなる。
【0013】本実施例の特徴は、従来の燃料電池発電シ
ステムに空気圧縮機3、4で圧縮された加圧空気を燃料
電池部1に供給する系統の他に、この加圧空気を分岐さ
せて、これに水を噴霧する系統(加圧空気供給流路12
〜16、熱交換器17〜21、加圧水供給路23等)を
追加したことと燃料電池部1の冷却板44用の冷却水か
らの排蒸気熱Q3を膨張タービン9供給用気体の加熱用
に用いる燃焼器6の熱源の一部として用いることであ
る。このQ3を加えることによる回収される軸エネルギ
ーの回収効率は非常に大きい。
【0014】以下、図2の低温熱回収システムに対応さ
せたエネルギー収支等を基準に書き直した図3を参考に
しながら順を追って詳細に説明する。まず、288K
(15℃)の空気は一段目の空気圧縮機3に導入され、
これに227×104kcal/hrの動力を加えて1
54℃、3.36気圧の加圧空気を得る。この加圧空気
の次段での圧縮を効果的に行うために、熱交換器20で
噴霧水で冷却された空気と水と水蒸気の混合流体で12
0℃に冷却して、この加圧空気の一部をさらに二段目の
空気圧縮機4において59×104kcal/hrの動
力を加えて8.6気圧に加圧する。得られた加圧空気を
熱交換器19で190℃に冷却して燃料電池部1の空気
極に導く。
【0015】燃料電池部1では、空気極と燃料極(図示
せず)間の電気化学的反応で電気エネルギーを発生し、
電池作動に必要な補機や直流−交流変換ロスを差し引い
て、430×104kcal/hrの電気エネルギーが
交流送電される。なお、燃料電池部1の改質器33に改
質用原料および加熱燃料を合わせて供給されるエネルギ
ーは1019×104kcal/hrである。燃料電池
部1からは9×104kcal/hrの熱エネルギーを
持った排燃料FG2と170℃、8.0気圧の76kg
・mol/hrの流量の排蒸気Q3と389℃、8.0
気圧の排ガスEXH1が排出する。また、燃料電池部1
からは熱交換器17、18で合計137×104kca
l/hrの排熱Q1+Q2が排出される。従来は、この1
37×104kcal/hrの燃料電池部1から排出さ
れる排熱Q1+Q2は約100℃程度の低温の低温熱であ
るため、図4に示す従来の熱回収装置46、49、50
等で熱回収してシャワー、湯沸器等に使用するか、単
に、クーリングタワー等により大気中に放熱されていた
ものである。
【0016】本実施例は以下に述べる部分に特徴があ
る。すなわち、一段目の空気圧縮機3で3.36気圧に
圧縮され、熱交換された空気の一部である2371kg
・mol/hrの加圧空気が分岐した加圧空気供給流路
12〜16に供給され、各々の空気供給流路12〜16
の熱交換器17〜21の直前の流路12〜16におい
て、加圧水が供給路23から571kg・mol/hr
の流量で供給され、各々の熱交換器17〜21から噴霧
される。ここで、熱交換器17〜21が複数に分かれて
いる理由は互いに異なる流体(加圧度合の異なる加圧空
気、水蒸気と加圧空気の混合流体、膨張タービン排出ガ
ス)の流路から熱を回収するためであり、しかも、それ
ぞれの熱交換器17〜21内では水と水蒸気が共存する
状態に圧力が保てるように設計されている。なお、この
低温熱回収システムおよび燃料電池部1内での運転条件
の変化その他の外乱により、前記熱交換器17〜21内
での水と水蒸気が共存する状態に圧力が保てなくなるこ
ともあるので、この加圧空気供給流路12〜16には図
示していないが、流量コントロールバルブを設けること
もできる。
【0017】図3に示す各々の熱交換器17〜21で
は、前記混合流体は各熱交換器17〜21内に表示した
符号と同一符号を用いて表した流体流路中の流体とそれ
ぞれ熱交換される。すなわち、第二段目の空気圧縮機4
の出口の加圧空気の熱は熱交換器19で回収され、第一
段目の空気圧縮機3の出口の加圧空気の熱は熱交換器2
0で回収され、熱交換器21では第二段目の膨張タービ
ン10から排出し、熱交換器29で冷却された排出ガス
の熱が回収され、空気と水蒸気と水分の混合流体が得ら
れる。各々の混合流体は合流して、100℃の空気と水
蒸気と水の混合流体が得られる。この流体中の気体成分
(空気と水蒸気)と水は気液分離器25で分離される。
そして、該気体混合流体のみは熱交換器29で第二段目
の膨張タービン10からの高温の排気と熱交換して54
5℃のガスとなる。また、燃料電池部1からの9×10
kcal/hrの熱エネルギーを持つ排燃料FG2と
164×10kcal/hrの熱エネルギーを持つ補
助熱源からの熱量を補給して燃焼器6に補給し燃焼させ
て、第一段目の膨張タービン9で膨張させて93×10
kcal/hrの動力が取り出され、その一部はこの
膨張タービン9と軸で連動している空気圧縮機3、4の
回転エネルギーとして利用される。また、この膨張ター
ビン9からの排気は前記熱交換器29から排出した前記
545℃のガスと混合され、燃焼器7で補助熱源から得
られる961×10kcal/hrsの熱エネルギー
の補給で926℃のガスが得られる。このガスは第二段
目の膨張タービン10で利用されて752×10kc
al/hrの動力として取り出され、その一部は、空気
圧縮機3、4の回転エネルギーとして利用される。さら
に、余剰の回転エネルギーは交流発電機11を作動さ
せ、559×10kcal/hrのエネルギーを取り
出すことができる。
【0018】膨張タービン9、10が二基設けられる理
由は 燃料電池部1からの気体と熱回収された気体混合
流体の二つの互いに異なる圧力レベルの気体を膨張させ
るためであり、また、燃焼器6、7が二基設けられる理
由もそれぞれの膨張タービン9、10を効率的に作動さ
せるために、それぞれのエネルギーレベルに合致したタ
ービン導入気体を高温化させておく必要があるからであ
る。第二段目の膨張タービン10から排出する625℃
の排気ガスは熱交換器29で280℃、熱交換器20で
150℃と順次低温化されて、大気中に放出される。
【0019】上記した低温回収システムにおいて、追加
供給した熱エネルギー(FG3)は補助燃料により燃焼
器6、7に供給したエネルギーは FG3=(164+961)×104kcal/hr =1125×104kcal/hr であり、余分に回収された動力エネルギー(PW)は膨
張タービン9、10出力と空気圧縮機3、4での消費動
力の差のエネルギーは PW={(752+93)−(59+227)}×104kcal/hr =559×104kcal/hr である。したがって、本実施例の燃料電池発電システム
の低温熱回収システムによれば、エネルギー回収効率η
TNは ηTN=PW/FG=0.497 である。
【0020】また、本システムの全体のエネルギー効率
ηTOTALは ηTOTAL=(430+559)/(1019+961+164) =0.461 である。このように、本実施例ではエネルギーを追加し
て供給しても余分に動力を回収しているため、これらの
追加した系によるエネルギー回収効率が高いだけでな
く、本実施例の低温熱回収系を備えていない燃料電池部
1におけるエネルギー効率ηFCは ηFC=430/1019 =0.422 に比較しても全体の熱回収効率(ηTOTAL)は向上して
いる。
【0021】しかも、本実施例で従来の常圧型燃料電池
の場合には燃料極に供給する空気の圧縮機は中間段での
空気の抜き出しはないが、本実施例では二段の空気圧縮
機3、4を用いて、燃料極に供給する空気の温度と圧力
を確保し、一段目の空気圧縮機3から得られる比較的低
圧の空気を用いて水の混合冷媒系で、水の分圧を低く保
って、水の気化を確保し、燃料電池部1からの排熱
1、Q2を有効に利用するものである。従って、高圧型
燃料電池を用いる発電システムに本実施例を適用する場
合に新規に空気圧縮機を設ける必要がなく、コスト的に
有利である。しかも、従来技術に比較して、補助燃焼器
7と熱交換器19〜21、29を新設し、空気圧縮機
3、4と膨張タービン9、10の容量を大きくしただけ
であり、その操作性、メインテナンス等における負担は
ほとんどない。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来はクーリングタワ
ー等を経由して大気中に放出していた低温の熱を水の顕
熱と潜熱として回収するだけでなく、水が水蒸気となる
ことにより膨張した体積を膨張タービンの回転エネルギ
ーとして利用することで、燃料電池から発生する低温熱
を効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料電池発電システムにおける低温
回収システムのエネルギー収支を説明する図である。
【図2】 本発明の一実施例の燃料電池発電システムに
おける低温回収システムを示す図である。
【図3】 図2の燃料電池発電システムに対応させて低
温回収システムのエネルギー収支等を説明する図であ
る。
【図4】 従来の低温回収システムを含めた燃料電池発
電システムのエネルギー収支を説明する図である。
【図5】 従来の燃料電池発電システムにおける低温回
収システムの概念を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料電池部、2…熱回収および加圧空気供給部、
3、4…空気圧縮機、6、7…燃焼器、9、10…膨張
タービン、11…交流発電機、12〜16…加圧空気供
給流路、17〜21、29…熱交換器、23…加圧水供
給路、25…気液分離器、26…ポンプ、27…水供給
路、33…改質器、37…燃料電池、38…燃料極(ア
ノード)、41…空気極(カソード)、42…電解質、
43…直交変換装置、44…電池冷却板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系燃料と水蒸気を用いて改質器
    33で水素を生成させて燃料電池37の燃料極38に供
    給し、空気圧縮機3、4で加圧した空気を燃料電池37
    の空気極41に供給し、改質器33で発生した排ガスを
    炭化水素系燃料とともに燃焼器6、7でそれぞれ加熱し
    た後に膨張タービン9、10で膨張させてそれぞれ前記
    空気圧縮機3、4の駆動に用いる燃料電池37の電解質
    を介して燃料極38と空気極41との間で電気化学反応
    させる燃料電池による発電方法であって、 空気極41から排出する排空気中の水蒸気を凝縮する際
    の熱Qと改質器33で得られた水素リッチなガス中の
    余剰水分を冷却して得られる熱Qをそれぞれ回収する
    ための熱交換器17、18及び膨張タービン9、10か
    らの比較的高温の排気ガスを冷却した後の比較的低温の
    排気ガスの熱を回収するための熱交換器21にそれぞれ
    加圧空気と加圧水を供給し、それぞれの熱交換器17、
    18、21内で加圧空気を加温させ、得られた加圧、加
    温空気に水を噴霧して、前記熱Q、Qを水の顕熱及
    び潜熱として回収して、水と水蒸気と加圧空気が共存す
    る状態にある水と水蒸気と加圧空気の混合流体を生成
    し、 上記熱交換器17、18、21で得られた混合流体中の
    気体成分(水蒸気と空気)を水から分離して加圧気体を
    得て、該加圧気体のみを前記膨張タービン10からの前
    記比較的高温の排気ガスと熱交換器29で熱交換させ、
    前記膨張タービン10に供給することを特徴とする燃料
    電池による発電方法。
  2. 【請求項2】 空気圧縮機3、4から得られる加圧空気
    の熱を回収する熱交換器19、20にそれぞれ加圧空気
    と加圧水を供給して、熱交換器19、20で得られた混
    合流体を熱交換器17、18、21で得られた混合流体
    と合流させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池
    による発電方法。
  3. 【請求項3】 空気圧縮機3、4から空気極41に供給
    する加圧空気の一部を分岐させて熱交換器17、18、
    21にそれぞれ空気流路12、13、16から供給す
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池による発電方
    法。
  4. 【請求項4】 水と水蒸気と加圧空気の混合流体から得
    られた気体成分に加える熱エネルギーの一部として燃料
    電池本体の冷却用の冷却水45から分離回収された排蒸
    気を用いることを特徴とする請求項1または2記載の燃
    料電池による発電方法。
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