JP2000198835A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラ―ト・メチル置換ε―カプロラクトン変性物含有組成物の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラ―ト・メチル置換ε―カプロラクトン変性物含有組成物の製造方法

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JP2000198835A
JP2000198835A JP73599A JP73599A JP2000198835A JP 2000198835 A JP2000198835 A JP 2000198835A JP 73599 A JP73599 A JP 73599A JP 73599 A JP73599 A JP 73599A JP 2000198835 A JP2000198835 A JP 2000198835A
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methyl
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meth
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Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 残留反応物、残留副生物及び残留触媒の量が
少量であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・
メチル置換ε−カプロラクトン変性物含有組成物及びそ
れらの製造方法を提供する。 【解決手段】 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
ト1モルに対して、メチル置換ε−カプロラクトンを1
〜12モル比で、200ppmよりも少ない触媒、及び1
000ppmよりも少ないヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリラートの重合抑制剤の存在下に、酸素濃度を4〜8
%に調整した雰囲気中で、100〜140℃で反応させ
て、反応性単量体(a)、メチル置換ε−カプロラクト
ン(b)の残留量0〜10重量%、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリラート(c)の残留量0〜20重量%か
らなることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリラート・メチル置換ε−カプロラクトン変性物含有
組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリラートにメチル置換ε−カプロラクト
ンを反応させて得られたヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリラート・メチル置換ε−カプロラクトン変性物含有
組成物の製造方法に関する。この組成物は、他のエチレ
ン性不飽和単量体と反応させて、種々の慣用の橋かけ
剤、及びその他の通常用いられる配合成分の添合によ
り、高品質の工業用仕上剤(塗料)となし得る、硬化性
オリゴマー及び重合体を製造することができる。
【0002】
【従来の技術】このような硬化性オリゴマー及び重合体
の原料としては、米国特許第3,655,631号明細
書に、カプロラクトンとヒドロキシエチル(メタ)アク
リラートとの反応生成物が記載されている。その例1に
は、ε−カプロラクトンと、開始剤としてのヒドロキシ
エチルアクリラートとを、触媒として0.1重量%のp
−トルエンスルホン酸の存在下で、重合させることが記
載されている。この反応は45℃の温度で4時間行われ
る。この触媒として、トリクロロ酢酸以外の、ハロゲン
置換脂肪族カルボン酸、アルカンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、及び低級アルキル置換ベンゼンスルホン
酸、及び低級アルキル置換ベンゼンスルホン酸よりなる
群より選ばれる有機酸触媒が記載されている。前記の例
1において、生成物は、約960の分子量を有する、固
体の不飽和ポリエステルとして記載されている。前記の
例8には、0.1重合%のp−トルエンスルホン酸触媒
を用いて、ヒドロキシエチルメタクリラートとε−カプ
ロラクトンとを重合させることが記載されている。この
ポリエステル生成物は、437の分子量を有する粘稠な
液体であり、これらの例1及び例8では、重合は完了す
る旨述べられている。前記特許の方法で製造されるポリ
エステルは、比較的大量の残留酸触媒を有する(約10
00ppm)。ポリエステル生成物中に、このような強酸
触媒が存在することは、生成物の劣化を招く恐れがあ
る。また、触媒の存在は、ポリエステル生成物及びある
種の橋かけ剤を含むオリゴマーから製造される被覆系の
保存性(貯蔵寿命)及びポットライフ(potlife)を縮
めることになる。さらに、このような強い残留酸を含む
ポリエステル生成物を使用すると、或る種の被覆用途に
よっては、有害となる高度に着色された副生物を生じる
恐れもある。
【0003】米国特許第4,188,472号明細書に
は、ラクトンと、エステル含有アクリロイル、又はα−
置換アクリロイル基、及び1個又は2個のヒドロキシル
基を含有する化合物とを反応させ、次いで、この生成物
とイソシアナートとを反応させることが記載されてい
る。特に、例I〜例IIIでは、130℃(例I)又は1
20℃(例II及び例III)に加熱したε−カプロラクト
ンに、ヒドロキシエチルアクリラートを加えて反応を行
っている。大量の触媒、例えば、テトラプロピルチタネ
ート(TPTチタナートと略称。)(例Iでは2,00
0ppm以上使用)、又はオクタン酸第一スズとジブチル
スズジラウレートの混合物(例II及び例IIIで1,50
0ppm以上)が、反応混合物に加え反応が行われてい
る。さらに、これらの反応では、大量の抑制剤、すなわ
ち5,000ppm以上を使用する。この反応は、130
℃の温度で6時間(例I)、及び120℃の温度で8時
間(例II及び例III)にわたって行なわれている。これ
らの例の反応生成物は、ヒドロキシル価162(例
I)、318(例II)及び122(例III)を有するこ
とが記載されている。また、例IIでは、反応は完了する
旨述べられている。しかし、大量の触媒及び抑制剤を使
用すると、得られたラクトン変性樹脂は、大量の触媒及
び抑制剤を含むために、ラクトン変性樹脂を、引き続き
重合又は共重合反応及び/又は橋かけ反応等に用いる
際、反応に有害な効果をもたらす恐れがある。
【0004】欧州特許出願第0044393A2号公報
(発明の名称:ヒドロキシル基を有し、かつε−カプロラ
クトンで変性した(メタ)アクリレート樹脂の製法)に
は、(メタ)アクリル酸と、2〜4炭素原子を有するア
ルカンジオールとのモノエステルの少なくとも1種とε
−カプロラクトンとを、モル比1.5:1〜1:3で反
応させることが記載されている。この反応は、有機スズ
化合物の存在下に、60〜130℃の温度で行なってい
る。特に例Iでは、2−ヒドロキシエチルアクリラート
及びジブチルスズオキシドを120℃に加熱し、ε−カ
プロラクトンを2時間にわたって加えて、2−ヒドロキ
シエチルアクリラート・ε−カプロラクトン付加物が製
造されている。この混合物を120℃で2時間以上加熱
する。この例がくり返され、そして反応生成物は、25
重量%以上の未反応2−ヒドロキシエチルアクリラート
を含むことが示されている。
【0005】また、特開平6−107595号には、他
のエチレン性不飽和単量体との重合反応において、共単
量体として使用することのできる、ラクトンから誘導し
た反応性単量体を含む組成物であって、残留反応物、残
留副生物、及び残留触媒の量が少量である前記組成物の
製造方法が提供されている。具体的には、アクリル酸又
はメタクリル酸と、直鎖上で2個の炭素原子を有するア
ルカンジオールとのモノエステルと、ε−カプロラクト
ンから誘導した反応性単量体を含む組成物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する目的は、他の単量体との重合反応において、共単量
体とし有効に使用することのできる、メチル置換ε−カ
プロラクトンから誘導した反応性単量体を含む組成物を
製造することであって、その単量体が、非結晶性組成物
であり、20℃において液状なものである。また、残留
反応物、残留副生物及び残留触媒の量が少量である前記
組成物の製造方法を提供することにある。この様に、反
応性単量体が非結晶性組成物であり、20℃において液
状であり、また、残留反応物、残留副生物、及び残留触
媒の量が少量であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
ラート・メチル置換ε−カプロラクトン変性物含有組成
物の製造方法については、今まで全く知られていなかっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題につき鋭意検討した結果、メチル置換ε−カプロラ
クトンから誘導した反応性単量体を含む組成物の製造方
法を開発することにより、上記問題点が解決できること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリラート1モルに対して、メチル置換ε−
カプロラクトンを1〜12モル比で、200ppmよりも
少ない触媒、及び1000ppmよりも少ないヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリラートの重合抑制剤の存在下
に、酸素濃度を4〜8%に調整した雰囲気中で、100
〜140℃で反応させて、下記一般式(1)で示される
反応性単量体(a)、メチル置換ε−カプロラクトン
(b)の残留量0〜10重量%、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリラート(c)の残留量0〜20重量%
(但し、a、b及び/又はcの合計は100重量%であ
り、bとcとの合計は0ではない)からなることを特徴
とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・メチ
ル置換ε−カプロラクトン変性物含有組成物の製造方法
を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法は、メチル置換ε−カ
プロラクトンとヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
トを反応させることより成る。なお、本発明では、特に
断りない限り、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
トは、ヒドロキシアルキルアクリラート及び/又はヒド
ロキシアルキルメタクリラートを意味する。本発明に用
いられるメチル置換ε−カプロラクトンは下記一般式
(2)で特徴づけられる。
【0011】
【化3】
【0012】このようなメチル置換ε−カプロラクトン
としては、例えば、4−メチル−ε−カプロラクトン、
3−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメ
チル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−
ε−カプロラクトンからなる群から選ばれた1種または
2種以上の混合物等が挙げられる。この中で、好ましい
メチル置換ε−カプロラクトンは、4−メチル−ε−カ
プロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトンおよび
それらの混合物である。
【0013】本発明で用いられるヒドロキシアルキル
(メタ)アクリラートは、炭素数が1〜12のアルキル
基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートで
あり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリラー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリラート、3−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリラート等のモノヒドロキシアルキル
(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシ−3−クロロプ
ロピル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシ−3−ク
ロロプロピル(メタ)アクリラート等の塩素置換のモノ
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート等のジヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリラート、又はこれらの混合
物が挙げられる。この中で、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリラートが好ましい。
【0014】本発明方法は、約0.1〜200ppm、好
ましくは100ppm以下の触媒の存在下に、メチル置換
ε−カプロラクトンとヒドロキシアルキル(メタ)アク
リラートとを反応させることによって行う。触媒量が、
200ppmを超えると、ラクトン変性樹脂を引き続き重
合又は共重合反応及び/又は橋かけ反応に用いる際、反
応に有害な効果をもたらすなど好ましくない。また、
0.1ppm未満では、上記の反応が著しく遅くなり、ま
たは、未反応が増加するなど不都合を生じる。本発明で
用い得る触媒は、1種又は2種以上の有機金属化合物、
及びその他の金属化合物、例えば、塩化第一錫、塩化第
二スズ又は塩化第二鉄、及びその他のルイス酸並びにプ
ロトン酸が含まれる。好ましい触媒には、塩化第一錫、
オクタン酸第一スズ、ジブチルスズジラウラート、及び
その他のスズ化合物;チタン酸テトライソプロピル及び
チタン酸ブチルのようなチタナート等が含まれる。触媒
を選択することにより、ラクトンの重合体部分の分子量
分布を広くすることも狭くすることもできる。用途によ
っては、リビング重合触媒を使用することにより、例え
ば分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量M
n)を1〜3程度に調整することもできる。
【0015】この反応は、約100〜140℃、好まし
くは約110〜約130℃の温度で行なう。反応は大気
圧下で行なうが、より高圧又はより低圧を用いてもよ
い。反応温度が、140℃を越えると、残存するアクリ
ロイル基が重合し、100℃未満では、反応が遅くな
り、好ましくない。この反応は、酸素濃度を4〜8%に
調整した雰囲気下に行なって、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリラートの重合を抑制させる。酸素濃度が、8
%を越えると、静電気等により発火の危険性があり、4
%未満では、残存するアクリロイル基が重合し易くな
る。この反応は、約2〜約30時間、好ましくは約3〜
約20時間行なう。
【0016】この反応は、適当な重合抑制剤の存在下に
行なって、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートの
二重結合の重合を阻止する。これらの抑制剤には、ヒド
ロキノンのモノメチルエーテル、ベンゾキノン、フェノ
チアジン、メチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチ
ルキノン、ヒドロキノン、及び当業界で公知のその他の
通常のフリーラジカル(遊離基)抑制剤が含まれる。使
用する重合抑制剤の量は、10〜1,000ppm、好ま
しくは10〜800ppm、最も好ましくは10〜600p
pmである。重合抑制剤の量が、1,000ppmを越える
と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・ラクト
ン変性物を使用して重合を行う際に反応に支障を来す。
また、10ppm未満では、アクリロイル基の重合が抑
制できない。
【0017】好ましい具体例では、本発明の方法は、窒
素のような不活性ガスで、メチル置換ε−カプロラクト
ンをスパージ(分散)しつつ、メチル置換ε−カプロラ
クトンを反応器に加え、これを反応温度(約100℃〜
140℃)に加熱することによって行なう。このメチル
置換ε−カプロラクトンは、反応器に加えるのに先立っ
て、例えばモレキュラーシーブのような慣用の乾燥剤を
用いて乾燥してもよい。反応温度に達した際、又はその
直後に、不活性ガスのスパージを、酸素濃度を4〜8%
に調整した不活性ガス(以後、酸素濃度を4〜8%に調
整した不活性ガスを雰囲気ガスという)に変える。種々
の別法を用いてもよい。例えば、系を酸素濃度4〜8%
の雰囲気ガスで、約5〜10分の間スパージし、その後
スパージを中断し、次いで、反応全体にわたって反応器
の蒸気空間をフラッシュするためにだけ、このガス混合
物を使用してもよい。或は、この不活性ガスのスパージ
を停止し、そして反応全体にわたって、雰囲気ガスを用
いて系をフラッシュする。あるいは、系を通して、雰囲
気ガスをスパージし、他方、反応時間の間、さらに不活
性ガスを用いて、蒸気空間をフラッシュしてもよい。所
望によりこれらの別法の組合せを用いてもよい。
【0018】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート
は、触媒及び重合抑制剤と混合し、この混合物を加熱し
たラクトンに加える。別法では、加熱に先立って重合抑
制剤をメチル置換ε−カプロラクトンに加えてもよい。
また、加熱しておいたヒドロキシアルキル(メタ)アク
リラートに、メチル置換ε−カプロラクトンを加える
か、又はすべての反応剤を、最初に反応器に加え、そし
て反応を行なってもよい。メチル置換ε−カプロラクト
ン、ヒドロキシアルキル(メタ)クリラート、触媒及び
重合抑制剤を加える方式において、種々の変法を用いる
ことができる。最終的反応混合物は、反応温度で約2〜
約30時間保つ。
【0019】この反応混合物を回収し、精製せずにその
まま、他のエチレン性不飽和単量体との共単量体として
使用することができる。所望により、この反応混合物
は、真空ストリッピングのような慣用の方法で精製する
ことができる。また、例えば、活性水素又は、重合可能
なエチレン性不飽和基を含まない適当な溶媒の存在下
に、本方法を行なってもよい。これらの溶媒には、ケト
ン、エステル、エーテル、芳香族及び脂肪族炭化水素
等、又はこれらの混合物が含まれる。好ましい溶媒には
セロソルブアセタートのようなエステル類がある。
【0020】好ましくは、本明細書記載の方法に従っ
て、ヒドロキシアルキル(メタ)クリラート1モルに対
し、メチル置換ε−カプロラクトン1〜12モルの割合
で反応させる。ラクトンの使用量が、12モルを越える
と、1分子当たりのアクリロイル基濃度が低くなり好ま
しくない。また、1モル未満では、特性が発現されず好
ましくない。ラクトンの重合部分は、単独重合体でも、
共重合体でもよく、共重合体部分は、ブロック共重合体
でも、ランダム共重合体でもよい。得られたこれらの反
応組成物は全て液体である。
【0021】最も好ましい組成物は、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)クリラート1モルに対し、メチル置換ε−カ
プロラクトン1〜5モルの割合で反応させることによっ
て製造する。これらの反応混合物は、一般式(1)で示
される反応性単量体(a)、0〜5重量%のメチル置換
ε−カプロラクトン(b)、10重量%以下のヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリラート(c)(但し、a、b
及び/又はcの合計は100重量%であり、bとcとの
合計は0ではない)を含有する。上記組成物はその他
に、(d)触媒1〜200重量ppm、好ましくは、約
10〜100重量ppm、(e)(メタ)アクリラート
重合抑制剤10〜1000重量ppm、好ましくは40
0〜600ppm、(f)ジアクリラート副生物0〜2
重量%、好ましくは0.1〜1重量%、(g)ミカエル
付加、アクリル重合、エステル交換又はその他の副反応
から得られる副生物10重量%以下、好ましくは0.1
〜5重量%を含んでいてもよい。
【0022】反応性単量体(a)の含有量は、90重量
%未満では、製品応用時の特性が発現されない。ラクト
ンの含有量は、10重量%を越えると、未反応ラクトン
が製品応用時に残留物となって好ましくない。ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリラートの含有量は、20重量
%を越えると、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
ト・メチル置換ε−カプロラクトン変性物の特性が見い
だせなくなる。
【0023】本発明によるヒドロキシアルキル(メタ)
アクリラート・メチル置換ε−カプロラクトン変性物含
有組成物は、触媒、重合抑制剤の使用量が少ないので、
反応マスをそのまま組成物として、引き続き重合又は共
重合反応及び/又は橋かけ反応等に使用することが可能
である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 500mlのガラス製フラスコに、撹拌機、温度計、冷
却器、及び窒素導入及び排出管を取付けた反応器を用い
た。4−メチル−ε−カプロラクトンを、モレキュラー
シーブと約30分間接触させて乾燥した。次いで、25
6g(2.0モル)の乾燥4−メチル−ε−カプロラク
トンを反応器に導入し、140℃に加熱し、この間窒素
を用いてこの系をスパージした。温度が140℃に達し
たとき、スパージのための窒素を酸素濃度7%の雰囲気
ガスに切替えた。そして、116g(1.0モル)のヒ
ドロキシエチルアクリラート、0.0186g(50pp
m)のオクタン酸第一スズ、及び0.186g(500pp
m)のヒドロキノンモノエチルエーテルの混合物を、1
0分間にわたって加えた。この反応混合物を140℃で
6時間保ち、室温(約25℃)に冷却し、残留生成物を
ヒドロキシエチルアクリラート・4−メチル−ε−カプ
ロラクトン変性物含有組成物として回収した。この生成
物は、147.8のヒドロキシル価、2.62の酸価、及
び90センチポアズ(25℃)のブルックフィールド粘
度を有していた。
【0025】実施例2 実施例1に記載したようにスパージした5リットルの反
応器として用いた。仕込み量3,072g(24.0モ
ル)の4−メチル−ε−カプロラクトンを反応器に導入
して、140℃に加熱し、この間窒素でスパージした。
温度が140℃に達したとき、窒素のスパージを、酸素
濃度7%の雰囲気ガスのスパージに切換えて、約5分間
保ち、次いで酸素濃度7%の雰囲気ガスのフラッシュに
切換えて反応時間の間続けた。次いで、1,392g
(12.0モル)のヒドロキシエチルアクリラート、
0.2232g(50ppm)のオクタン酸第一スズ、及び
2.232g(500ppm)のヒドロキノンモノメチル
エーテルの混合物を25分間にわたって加えた。この反
応混合物を、140℃で5時間保ち、室温(約25℃)
に冷却し、そして残留生成物をヒドロキシエチルアクリ
ラート・4−メチル−ε−カプロラクトン変性物含有組
成物としてとして回収した。この残留生成物は、14
8.3のヒドロキシル価、2.71の酸価、及び88セ
ンチポアズ(25℃)のブルックフィールド粘度を有し
ていた。残留生成物をC−13核磁気共鳴で分析した結
果、最終生成物は、一般式(1)におけるnの平均値
2.6の反応性単量体92重量%、残留ヒドロキシエチ
ルアクリラート7.7重量%、4−メチル−ε−カプロ
ラクトン0重量%を含有することが示された。また、残
留生成物は、その他の副生物として(f)ジアクリラー
ト副生物0.5重量%、(g)ミカエル付加、アクリル
重合、エステル交換又はその他の副反応から得られる副
生物0.2重量%、及び重合抑制剤500ppm、触媒2
00ppmを含有していた。
【0026】実施例3 実施例1に記載したように取付けた500mlのガラス
製反応器を用いた。仕込量256g(2.0モル)の4
−メチル−ε−カプロラクトンを反応器に導入して、1
40℃に加熱し、この間窒素でスパージした。温度が1
40℃に達したとき、窒素のスパージを、酸素濃度7%
の雰囲気ガスのスパージに切換え、そして130g
(1.0モル)のヒドロキシエチルメタクリラート、
0.0193g(50ppm)のオクタン酸第一スズ、及
び0.193g(500ppm)のヒドロキノンモノメチル
エーテルの混合物を5〜6分間にわたって加えた。この
反応混合物を140℃で6時間保ち、室温(約25℃)
に冷却し、残留生成物をヒドロキシエチルメタクリラー
ト・4−メチル−ε−カプロラクトン変性物含有組成物
として貯蔵した。この生成物は141.2のヒドロキシ
ル価を有していた。
【0027】実施例4〜8 実施例1に記載したものと同じガラス製反応器を用い
た。使用した成分を表1に示す。メチル置換ε−カプロ
ラクトンを反応器に導入して、140℃に加熱し、この
間、窒素でスパージした。温度が140℃に達したと
き、窒素のスパージを、酸素濃度7%の雰囲気ガスのス
パージに切換え、そして他の3成分の混合物をカプロラ
クトンに加えた。この混合物を供給する時間及び140
℃の反応温度で保つ時間を表2に示す。この反応時間を
経過した後、生成物を室温(約25℃)に冷却し、残留
生成物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・メ
チル置換ε−カプロラクトン変性物含有組成物として貯
蔵した。この残留生成物の分析値を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明から得られた反応混合物は、非結
晶性組成物であり、20℃において液状で、残留反応
物、残留副生物、及び残留触媒の量が少量である。本発
明により得られた反応性単量体を含む組成物は、他の単
量体との重合反応における共単量体として有用な反応性
単量体を含む組成物を製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA10 BA11 BA32 BA37 BA94 BB60 BC10 BC31 BE30 BN10 KA03 4H039 CA66 CH70 4J029 AA02 AB01 AB04 AC01 AE17 EG09 FA11 JA061 JB113 JB131 JB171 JB193 JC751 JF321 JF371

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
    ト1モルに対して、メチル置換ε−カプロラクトンを1
    〜12モル比で、200ppmよりも少ない触媒、及び1
    000ppmよりも少ないヒドロキシアルキル(メタ)ア
    クリラートの重合抑制剤の存在下に、酸素濃度を4〜8
    %に調整した雰囲気中で、100〜140℃で反応させ
    て、下記一般式(1)で示される反応性単量体(a)、
    メチル置換ε−カプロラクトン(b)の残留量0〜10
    重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート
    (c)の残留量0〜20重量%(但し、a、b及び/又
    はcの合計は100重量%であり、bとcとの合計は0
    ではない)からなることを特徴とするヒドロキシアルキ
    ル(メタ)アクリラート・メチル置換ε−カプロラクト
    ン変性物含有組成物の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 メチル置換ε−カプロラクトンが、3−
    メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロ
    ラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクト
    ン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン又は
    これらの混合物である請求項1に記載のヒドロキシアル
    キル(メタ)アクリラート・メチル置換ε−カプロラク
    トン変性物含有組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 メチル置換ε−カプロラクトン1〜99
    重量%に対してε−カプロラクトンを99〜1重量%混
    合することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記
    載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・メチル
    置換ε−カプロラクトン変性物含有組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラー
    トが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリラートである請
    求項1〜3のいずれかに記載のヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリラート・メチル置換ε−カプロラクトン変性
    物含有組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒が、塩化第一スズ、オクタン酸第一
    スズ、ジブチルスズジラウレート、チタン酸テトライソ
    プロピル、チタン酸ブチルまたはそれらの混合物である
    請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラ
    ート・メチル置換ε−カプロラクトン変性物含有組成物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合抑制剤が、ヒドロキノン、ヒドロキ
    ノンモノメチルエーテル、メチルヒドロキノン、ベンゾ
    キノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、フェノ
    チアジンまたはそれらの混合物である請求項1に記載の
    ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート・メチル置換
    ε−カプロラクトン変性物含有組成物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011506517A (ja) * 2007-12-19 2011-03-03 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (メタ)アクリレートの製造方法
CN102587140A (zh) * 2012-02-13 2012-07-18 远纺工业(上海)有限公司 一种聚酯织物抗钩丝整理剂和方法

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