JP2000198777A - ベンゾオキサゾ―ル誘導体およびその製造法 - Google Patents
ベンゾオキサゾ―ル誘導体およびその製造法Info
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Abstract
こと、およびそのようなベンゾオキサゾール誘導体の工
業的な製造法を提供することを目的とする。 【解決手段】 下記の式(1) 【化1】 (R1, R2は低級アルキル基、R3, R4はH、ハロゲン、低
級アルキル基、またはアルコキシ基)で示されるベンゾ
オキサゾール誘導体である。この化合物は、ベンゾビス
オキサゾール類を、酸性物質を含む溶媒中で部分加水分
解反応させることにより製造される。
Description
るベンゾオキサゾール誘導体に関するものである。ま
た、そのベンゾオキサゾール誘導体を工業的に有利に製
造する方法に関するものである。
nn. Chem., 527 <1937> 71, 79, 80」には、下記の式
(2')
チルアミノ−ベンゼンから合成する方法が開示されてい
る。ただしこの反応は、たとえば320℃という高温で
行われるため、工業的製法としては改良の余地がある。
1,5−ジアセトキシ−2,4−ビス−アセチルアミノ
−ベンゼンの取得法としては、合成の難しい4,6−ジ
アミノレゾルシンのアセチル化を経たり、あるいはジニ
トロレゾルシンまたはジハロジニトロベンゼンを経由す
る還元的アセチル化により得たりする方法が考えられる
が、前者の場合は原料源の点で、後者の場合は爆発のお
それのあるニトロ体や、環境汚染のおそれのあるハロゲ
ン化合物を取り扱う点で、いずれも工業的には問題があ
る。
ンゾビスオキサゾール類を、下記の式(4')
反応させることにより得る方法を見い出し、特願平9−
248237号として特許出願している。
ンをアシル化することによりジアシル化物を得、そのジ
アシル化物からフリース転位反応により4,6−ジアシ
ルレゾルシンを得、その4,6−ジアシルレゾルシンを
オキシム化することにより取得できるので、原料源、工
程のシンプル化、副生成物の少なさ、収率などの点で好
ましく、工業的製法として有利である。
8237号の方法により、ベンゾビスオキサゾール類を
工業的に有利に得ることができる。
ビスオキサゾール類から誘導される化合物につき検討す
る中で、後述の式(1) で示されるベンゾオキサゾール誘
導体を見い出した。このベンゾオキサゾール誘導体は、
CASのRegistryFileおよびBeilsteineFileでの構造検
索で、式(1) のR1がCH3 、R2がCH3 、R3およびR4がHの
ものについても、また式(1) のR1がアルキル基、R2がア
ルキル基、R3およびR4が金属以外の構造であるものにつ
いても、いずれもヒットするものがなかったことから、
新規化合物と信じられる。
規なベンゾオキサゾール誘導体を提供すること、および
そのようなベンゾオキサゾール誘導体の工業的な製造法
を提供することを目的とするものである。
ール誘導体は、下記の式(1)
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるものであ
る。
法は、下記の式(2)
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるベンゾビス
オキサゾール類を部分加水分解反応させることにより、
下記の式(1)
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるベンゾオキ
サゾール誘導体を得ることを特徴とするものである。
誘導体は、原料である式(2) のベンゾビスオキサゾール
類を部分加水分解反応させることにより得られる。この
ときの部分加水分解反応は、典型的には酸性物質を含む
溶媒中で行われるが、酢酸のように酸性物質自体が溶媒
を兼ねていてもよい。なお式(1), (2)中の低級アルキル
基としては、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基)があげられ
る。
れる。有機溶剤の例は、エーテル、ケトン、アルコー
ル、有機酸など任意であるが、有機溶剤を用いるとき
は、酸性条件下で安定でかつ基質(原料である式(2) の
化合物)と水とをある程度溶解するものであることが望
ましい。また有機溶剤を用いるときは、水を基質に対し
て1モル比以上併用することが望ましい。
どの無機酸や、p−トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸、
シュウ酸などの有機酸が用いられる。
うな弱酸でかつそれ自体が溶媒を兼ねている場合を除い
ては、0.01〜20重量%程度、殊に 0.1〜10重量%程
度とするのが適当である。酸性物質の濃度が余りに低す
ぎるときは加水分解反応が円滑に進まず、一方酸性物質
の濃度が余りに高すぎるときは、目的物がさらに加水分
解され、目的物の収率が低くなる。
0℃とすることが好ましい。特に酸性物質として無機酸
やp−トルエンスルホン酸のような強い酸を用いるとき
は、0〜70℃、殊に5〜50℃とすることが好まし
く、通常は室温近辺の温度条件が採用される。反応温度
が余りに低すぎるときは反応が充分に進まず、一方反応
温度が余りに高すぎるときは、目的物がさらに加水分解
され、目的物の収率が低くなる。
選ぶことが多い。
ゾビスオキサゾール類の片方のオキサゾール環のみを選
択的に開環させるものである。従って、反応条件が強く
なりすぎないように留意しなければならない。もし反応
条件が強くなりすぎると、双方のオキサゾール環が開環
して4,6−ジアシルアミノレゾルシン類が生成し、さ
らに反応条件が強くなると、4,6−ジアミノレゾルシ
ン類にまで加水分解されることになるからである。
種類や濃度、溶媒の種類、反応温度、反応時間によって
反応の進行度が異なるので、予め予備的実験を行って最
適の反応条件を探索しておく。反応の進行の度合は、薄
層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーな
どの分析手段によって確認することができるので、この
ような分析手段を使って、式(2) のベンゾビスオキサゾ
ール類の片方のオキサゾール環のみが選択的に開環する
反応条件を見い出すようにする。
和した後、生成した式(1) のベンゾオキサゾール誘導体
をろ別するかあるいは抽出して単離する。中和すること
なく単離した場合は、触媒として使用した酸性物質との
塩の形となることがあるので、通常は別個中和処理を行
うことが必要となる。
溶剤−水混合溶剤などで再結晶して、未反応の原料や、
副生物である有機溶剤に難溶性の4,6−ジアシルアミ
ノレゾルシン類を除去し、高純度のものとする。
ゾビスオキサゾール類は、任意の方法で得たものを用い
ることができるが、先に紹介した本出願人の出願にかか
る特願平9−248237号で見い出した方法により得
ることが望ましい。すなわち、R3, R4がHである場合を
例にとると、レゾルシンをアシル化することによりジア
シル化物を得、そのジアシル化物からフリース転位反応
により4,6−ジアシルレゾルシンを得、その4,6−
ジアシルレゾルシンをオキシム化してジオキシム類を
得、そのジオキシム類を転位環化反応させてジアルキル
ベンゾビスオキサゾール類を得るのである。
ベンゾオキサゾール誘導体は、ポリマー原料や、医薬
品、農薬、化成品等の原料または中間体として有用であ
る。
る。
類の合成〉ポリリン酸 823.2g を90℃に加熱した後、
先の式(4')で示されかつRがメチル基であるジオキシム
(つまり1,1’−(4,6−ジヒドロキシ−1,3−
フェニレン)ビス−エタノンジオキシム) 235.2gを9
0〜110℃で徐々に添加し、さらに95〜100℃に
て3時間反応させた。反応終了後、冷却してから、12.9
5重量%濃度の水酸化ナトリウムの冷水溶液5451g
に反応液をゆっくりと投入した。析出した結晶をろ別
し、水で洗浄し、乾燥した。得られた粗製の2,6−ジ
メチルベンゾ[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサ
ゾールの収率は97.42%であった。
2−d;5,4−d’]ビスオキサゾールを水−アセト
ン混合溶剤に溶解した後、活性炭処理し、得られた溶液
を濃縮して、冷却したところ、針状結晶が析出した。こ
の結晶をろ別し、水で洗浄し、乾燥した。これにより、
淡黄色針状結晶の2,6−ジメチルベンゾ[1,2−
d;5,4−d’]ビスオキサゾールが得られた。再結
晶の収率は81.1%であった。
ルベンゾ[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサゾー
ル10g(53.14mmol) との混合物を室温で1時間20分
撹拌することにより反応させた。反応終了後、炭酸水素
ナトリウム水溶液で中和した。析出した結晶をろ過し、
水洗、乾燥して、粗結晶を得た。この粗結晶を水/メタ
ノールの混合溶媒に加熱溶解した後、不溶物を熱ろ過し
て除去し、さらに活性炭処理を行った。ついで濃縮した
後、冷却して析出した結晶をろ過、乾燥し、結晶 7.8g
を得た。得られた結晶の特性値は後に示した通りであ
り、この結晶は下記の式(1a)で示すベンゾオキサゾール
誘導体、すなわち、5−アセトアミノ−6−ヒドロキシ
−2−メチルベンゾオキサゾールであることが確認され
た。収率は、出発物質(原料)である2,6−ジメチル
ベンゾ[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサゾール
基準で71%であった。なお、1H-NMR、13C-NMR 、IRお
よびMSのチャートを、それぞれ図1〜4として添付し
た。
H3), 2.51 (3H, s, CH 3), 7.06 (1H, s, Aromatic-H),
8.00 (1H, s, Aromatic -H), 9.19 (1H, s, OHor NH),
10.09 (1H, s, OH or NH) ・13C-NMR (100MHz, d6-DMSO, δppm) 14.18, 23.92,
97.04, 112.09, 124.15, 133.13, 146.40, 147.20, 16
2.44, 168.95 ・IR (KBr, cm-1) 3350, 3650〜2000, 1630, 1575, 15
40, 1442, 1380, 1282
ビスオキサゾール5g(26.57mmol) をテトラヒドロフラ
ン37mlと水0.95gとの混合溶媒に溶解し、62.5%硫酸
4.19gとテトラヒドロフラン13mlとの混合物を滴下し
た後、室温で2時間撹拌することにより反応させた。反
応終了後、結晶をろ過し、アセトンで洗浄した。得られ
た結晶を乾燥させた後、その結晶を炭酸水素ナトリウム
水溶液に懸濁し、中和、ろ過、乾燥し、粗結晶4.36gを
得た。この粗結晶を水/メタノールの混合溶媒に加熱溶
解した後、不溶物を熱ろ過して除去した。ついで濃縮し
た後、冷却して、析出した結晶をろ過、乾燥し、結晶3.
87gを得た。得られた結晶は上記の式(1a)のベンゾオキ
サゾール誘導体であることが確認された。収率は、2,
6−ジメチルベンゾ[1,2−d;5,4−d’]ビス
オキサゾール基準で71%であった。
ビスオキサゾール2g(10.63mmol) を水20mlに懸濁さ
せ、p−トルエンスルホン酸一水和物0.48g(2.52mmol)
を加えて、室温で6時間撹拌することにより反応させ
た。反応終了後、反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液で
中和した。その後、ろ過、乾燥し、粗結晶2.08gを得
た。この粗結晶を水/メタノールの混合溶媒に加熱溶解
した後、不溶物を熱ろ過して除去した。ついで濃縮した
後、冷却して、析出した結晶をろ過、乾燥し、結晶1.11
gを得た。得られた結晶は上記の式(1a)のベンゾオキサ
ゾール誘導体であることが確認された。収率は、2,6
−ジメチルベンゾ[1,2−d;5,4−d’]ビスオ
キサゾール基準で51%であった。
ビスオキサゾール2g(10.63mmol) を酢酸10mlと水0.
95gに溶解させ、12.5時間加熱還流することにより反応
させた。反応終了後、酢酸と水とを減圧留去した。残渣
を水/メタノールの混合溶媒に加熱溶解した後、不溶物
を熱ろ過して除去した。ついで濃縮した後、冷却して、
析出した結晶をろ過、乾燥し、結晶 0.5gを得た。得ら
れた結晶は上記の式(1a)のベンゾオキサゾール誘導体で
あることが確認された。収率は、2,6−ジメチルベン
ゾ[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサゾール基準
で23%であった。
[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサゾール2g(1
0.63mmol) の混合物を室温で15時間撹拌することによ
り反応させた。反応終了後、反応液を炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で中和した。析出した結晶をろ過し、水洗、乾
燥し、粗結晶を得た。この粗結晶を水/メタノールの混
合溶媒に加熱溶解した後、不溶物を熱ろ過して除去し
た。ついで濃縮した後、冷却して、析出した結晶をろ
過、乾燥し、結晶1.34gを得た。得られた結晶は上記の
式(1a)のベンゾオキサゾール誘導体であることが確認さ
れた。収率は、2,6−ジメチルベンゾ[1,2−d;
5,4−d’]ビスオキサゾール基準で61%であっ
た。
[1,2−d;5,4−d’]ビスオキサゾール2g(1
0.63mmol) の混合物を室温で31.5時間撹拌することによ
り反応させた。反応終了後、反応液を炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で中和した。析出した結晶をろ過し、水洗、乾
燥し、粗結晶を得た。この粗結晶を水/メタノールの混
合溶媒に加熱溶解した後、不溶物を熱ろ過して除去し
た。ついで濃縮した後、冷却して、析出した結晶をろ
過、乾燥し、結晶0.99gを得た。得られた結晶は上記の
式(1a)のベンゾオキサゾール誘導体であることが確認さ
れた。収率は、2,6−ジメチルベンゾ[1,2−d;
5,4−d’]ビスオキサゾール基準で45%であっ
た。
応条件と結果を次の表1にまとめて示す。表1中、「DM
BBO 」は2,6−ジメチルベンゾ[1,2−d;5,4
−d’]ビスオキサゾール、「AHMBO 」は式(1a)のベン
ゾオキサゾール誘導体(5−アセトアミノ−6−ヒドロ
キシ−2−メチルベンゾオキサゾール)、「p-TS」はp
−トルエンスルホン酸、「THF 」はテトラヒドロフラン
である。
(1) のベンゾオキサゾール誘導体を工業的に有利に製造
することができる。このベンゾオキサゾール誘導体は、
ポリマー原料や、医薬品、農薬、化成品等の原料または
中間体として利用することができる。
MRチャートである。
NMR チャートである。
ャートである。
ャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】下記の式(1) 【化1】 (R1およびR2は低級アルキル基、R3およびR4は水素、ハ
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるベンゾオキ
サゾール誘導体。 - 【請求項2】下記の式(2) 【化2】 (R1およびR2は低級アルキル基、R3およびR4は水素、ハ
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるベンゾビス
オキサゾール類を部分加水分解反応させることにより、
下記の式(1) 【化3】 (R1およびR2は低級アルキル基、R3およびR4は水素、ハ
ロゲン、低級アルキル基、または OR5(R5は低級アルキ
ル基)で表されるアルコキシ基)で示されるベンゾオキ
サゾール誘導体を得ることを特徴とするベンゾオキサゾ
ール誘導体の製造法。 - 【請求項3】式(2) の化合物から式(1) の化合物への部
分加水分解反応を、酸性物質を含む溶媒中で行うことを
特徴とする請求項2記載の製造法。
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