JP2000198738A - 神経再生用材料 - Google Patents

神経再生用材料

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JP2000198738A JP11227107A JP22710799A JP2000198738A JP 2000198738 A JP2000198738 A JP 2000198738A JP 11227107 A JP11227107 A JP 11227107A JP 22710799 A JP22710799 A JP 22710799A JP 2000198738 A JP2000198738 A JP 2000198738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性、生体適合性に優れ、且つ工業的に生
産性よく製造できる神経細胞の増殖および神経組織の再
生に有用な材の提供。 【解決手段】 カルボキシル基を有する多糖類及び/又
はその塩を、下記の一般式(I): R1HN−(CH2n−NHR2 (I) [式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は
式;−COCH(NH2)−(CH24−NH2で表され
る基を示し、nは2〜18の整数を示す。]で表される
化合物および/またはその塩よりなる架橋性試薬で共有
結合架橋して得た架橋多糖類からなる神経再生用材料、
並びに前記神経再生用材料を生体吸収性の材料からなる
チューブに充填してなる神経再生材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、神経再生用材料お
よびそれを用いてなる神経再生材に関する。より詳細に
は、本発明は、カルボキシル基を有する多糖類および/
またはその塩を特定のアミン系化合物および/またはそ
の塩からなる架橋性試薬を用いて共有結合架橋して得ら
れる架橋多糖類からなる神経再生用材料および該神経再
生用材料を生体吸収性のチューブに充填してなる神経再
生材に関する。本発明の神経再生用材料および神経再生
材は、強い神経細胞増殖促進作用、神経軸索伸長作用を
有し、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによる中枢
神経や末梢神経系の疾患、脊椎疾患、頭部外傷、卒中な
どの脳血管疾患のような外傷性疾患などの治療に有効で
あり、良好な神経再生作用、前記疾患の回復や改善効果
を有し、安全性および生体適合性に優れ、しかも工業的
に生産性良く製造することができる。
【0002】
【従来の技術】交通事故や労働災害などの各種の事故に
よって生じた末梢神経損傷の治療は、外科領域、特に整
形外科領域で大きな位置を占めている。近年、切断した
神経を繋ぐ外科手術の技術は顕微手術の導入によって著
しい進歩を遂げてきた。しかし、神経の欠損部が何かで
補わなければならないほど大きい場合に、その治療は外
科医にとって難問となっている。臨床的に現在行われて
いる方法は腓腹神経を用いる自家神経移植である。自家
神経は最も理想的な神経再生用材料であるが、患者の負
担や手術の複雑化などによって、その採取には制限があ
る。しかも、腓腹神経の切除は実生活にそれほど大きな
障害にならない場合が多いとはいえ、腓腹神経の切除に
よって足首から足の甲にかけての小指側の感覚神経が消
失するため患者の生活の質が低下し、できれば自家神経
移植を避けるのが好ましい。このような状況下に、自家
神経に代わる移植材料の開発が切望され、種々の研究が
なされている。例えば、神経以外の組織を用いる自家移
植として自家血管移植や自家筋膜移植などが行われてい
るが、患者の生体組織を使用するという点ではやはり患
者の負担を解消できず、しかも手術時の複雑さの点でも
自家神経移植の場合と大差がない。
【0003】一方、多糖類をグルタルアルデヒドやグリ
オキザールのような多価アルデヒドで処理してヘミアセ
タール結合またはアセタール結合させた架橋多糖類およ
び該架橋多糖類よりなる神経再生用基材が提案されてい
る(特開平8−333402号公報)。しかしながら、
多価アルデヒドで架橋した前記架橋多糖類は、そのヘミ
アセタール結合またはアセタール結合が加水分解し易
く、長期安定性および耐熱水性に劣るため、高温下で湿
熱滅菌処理(例えば121℃で20分間)すると分解す
るという欠点を有する。しかも、長期間にわたる体内留
置により、架橋多糖類中のヘミアセタール結合またはア
セタール結合が加水分解されて多価アルデヒドが溶出
し、強い細胞毒性を示す。
【0004】また、神経再生材として、ポリグリコール
酸(PGA)のメッシュ状チューブにコラーゲンを塗布
して付着させたものが知られている[J.Artif.Org
ans,27,490−494(1998)]。しかしな
がら、この神経再生材は、充分な神経再生効果を示さな
い。しかも生体由来の材料を用いていることから感染の
危険性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な神経細胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を有
し、損傷、欠損などの生じた神経細胞および神経組織を
増殖、修復して神経を再生することができ、しかも感染
の恐れがなく、生体に対する安全性及び適合性に優れ、
且つ工業的に容易に且つ生産性よく製造することのでき
る神経再生用材料および神経再生材を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基を
有する多糖類および/またはその塩を特定のアミン系化
合物および/またはその塩からなる架橋性試薬を用いて
共有結合架橋して得られる架橋多糖類が、他の神経再生
用物質を該架橋多糖類に固定化したり別途併用しなくて
も、該架橋多糖類単独で良好な神経細胞増殖促進作用お
よび神経軸索伸長作用を示し、神経細胞や神経組織の損
傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾患の治
療、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のよう
な外傷性疾患などの治療に有効であること、且つ安全性
および生体適合性に優れ、神経再生用材料として有用で
あること、しかも工業的に容易に且つ生産性よく製造で
きることを見出した。さらに、本発明者らは、カルボキ
シル基を有する多糖類および/またはその塩を特定のア
ミン系化合物および/またはその塩からなる架橋性試薬
を用いて共有結合架橋してなる前記架橋多糖類を生体吸
収性材料からなるチューブに充填したものは、神経組織
修復のための外科手術などに用いる神経再生材として優
れた作用を示すことを見出した。
【0007】そして、本発明者らは、カルボキシル基を
有する多糖類および/またはその塩を特定のアミン系化
合物および/またはその塩からなる架橋性試薬で架橋し
た前記架橋多糖類が、末梢神経障害、末梢ニューロパシ
ーおよび局在化ニューロパシーなどの末梢神経系の疾
患、アルツハイマー症、パーキンソン症、ハンチントン
症、筋萎縮性側索硬化症、シャイ−ドレーガー(Shy
−Drager)症候群などの中枢神経疾患を包含する
神経疾患用の神経再生用材料として有効であること、ま
た脊椎疾患、頭部外傷や卒中などの脳血管疾患のような
外傷性疾患に対しても有効であること、さらに該架橋多
糖類を生体吸収性のチューブに充填すると神経組織修復
用の外科手術などで有効に用い得る神経再生材が得られ
ることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明
を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(1) カルボキシ
ル基を有する多糖類および/またはその塩を、下記の一
般式(I);
【0009】
【化2】 R1HN−(CH2n−NHR2 (I) [式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
は式;−COCH(NH2)−(CH24−NH2で表さ
れる基を示し、nは2〜18の整数を示す。]で表され
る化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種の架
橋性試薬で共有結合架橋して得られる架橋多糖類からな
ることを特徴とする神経再生用材料である。
【0010】そして、本発明は、(2) カルボキシル
基を有する多糖類および/またはその塩が、アルギン
酸、ヒアルロン酸および/またはそれらの塩である上記
(1)の神経再生用材料を好ましい態様として包含し;
(3) 架橋性試薬が、上記の一般式(I)で表される
化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩である上記
(1)または(2)の神経再生用材料を好ましい態様と
して包含し、(4) 上記の一般式(I)で表される化
合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩が、ジアミノエ
タンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、ジアミノヘ
キサンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N,N’
−ジ(リジル)−ジアミノエタンの4N−ヒドロキシコ
ハク酸イミド塩およびN−(リジル)−ジアミノヘキサ
ンの3N−ヒドロキシコハク酸イミド塩からなる群から
選ばれる少なくとも1種である上記(3)の神経再生用
材料を好ましい態様として包含する。
【0011】さらに、本発明は、(5) 上記(1)〜
(4)のいずれかの神経再生用材料を、生体吸収性の材
料からなるチューブに充填してなることを特徴とする神
経再生材である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の神経再生用材料は、カルボキシル基を有
する多糖類および/またはその塩を、上記の一般式
(I)で表される化合物[以下「アミン系化合物
(I)」という]およびその塩から選ばれる少なくとも
1種の架橋性試薬で共有結合架橋した架橋多糖類からな
っている。ここで、本発明でいう「神経再生用材料」と
は、神経細胞または神経組織の損傷、欠損などを含む、
中枢神経および/または末梢神経系の疾患、脊椎疾患、
頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患に
対して用いる、治癒、接着、補強および/または再生用
の材料の総称である。
【0013】本発明の神経再生用材料を構成する架橋多
糖類の製造に用いられるカルボキシル基を有する多糖類
および/またはその塩は、分子内にカルボキシル基を有
し且つ生体に対して安全な多糖類および/またはその塩
であればいずれでもよい。本発明で好ましく用いられる
多糖類および/またはその塩の具体例としては、アルギ
ン酸、ヒアルロン酸、ペクチン、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシメチルデキストラン、それらの塩な
どを挙げることができ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。生体に対する安全性が高い点か
ら、カルボキシル基を有する多糖類および/またはその
塩としては、アルギン酸、ヒアルロン酸および/または
それらの塩がより好ましく用いられ、これらの多糖類の
水溶性塩が更に好ましく用いられる。カルボキシル基を
有する多糖類の水溶性塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、ナト
リウム塩がより好ましく用いられる。
【0014】カルボキシル基を有する多糖類の水溶性塩
としては、得られる神経再生用材料の強度の点から、濃
度1重量%の水溶液にしたときに、該水溶液の20℃で
の粘度が100センチポイズ(cp)以上であるものが
好ましく用いられ、300cp以上であるものがより好
ましく用いられる。但し、カルボキシル基を有する多糖
類の水溶性塩の水溶液の粘度が高すぎるものでは、水へ
の溶解に時間を要し、共有結合架橋多糖類の製造時の操
作性が悪くなるので、濃度1重量%の水溶液としたとき
に該水溶液の20℃での粘度が1200cp以下のもの
を使用することが好ましい。1重量%水溶液の20℃で
の粘度が前記した100〜1200cpの範囲になるよ
うなカルボキシル基を有する多糖類またはその水溶性塩
は、一般に約10万〜1000万程度の分子量を有して
いる場合が多い。
【0015】本発明の神経再生用材料を構成する架橋多
糖類の製造に用いる、アミン系化合物(I)および/ま
たはその塩からなる架橋性試薬としては、上記した一般
式(I)で表される化合物に包含されるアミン系化合物
および/またはその塩であればいずれでもよい。アミン
系化合物(I)および/またはその塩の具体例として
は、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘ
プタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノ
デカン、ジアミノドデカン、ジアミノオクタデカンなど
のジアミノアルカン類および/またはそれらの塩、N−
(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−ジ(リジル)
−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサ
ン、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノヘキサンなどの
モノまたはジ(リジル)ジアミノアルカン類および/ま
たはそれらの塩などを挙げることができ、これらのジア
ミンおよびその塩の1種または2種以上を用いることが
できる。
【0016】そのうちでも、アミン系化合物(I)およ
び/またはその塩としては、上記の一般式(I)におい
てnが2〜8である化合物および/またはその塩が好ま
しく用いられる。架橋性試薬がアミン系化合物(I)の
塩からなる場合は、塩を形成する成分としては、N−ヒ
ドロキシコハク酸イミドが好ましく用いられる。アミン
系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試
薬としては、特にジアミノエタンの2N−ヒドロキシコ
ハク酸イミド塩、ジアミノヘキサンの2N−ヒドロキシ
コハク酸イミド塩、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノ
エタンの4N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N−(リ
ジル)−ジアミノヘキサンの3N−ヒドロキシコハク酸
イミド塩などが、安全性、生体適合性などが一層高く、
且つ該架橋性試薬で共有結合架橋して得られる架橋多糖
類の神経再生作用が一層良好であることから好ましく用
いられる。
【0017】カルボキシル基を有する多糖類および/ま
たはその塩をアミン系化合物(I)および/またはその
塩からなる架橋性試薬で共有結合架橋した多糖類は、一
般にゲル状を呈する(かかる点から共有結合架橋した多
糖類を「架橋多糖類ゲル」ということがある)。架橋性
試薬によるカルボキシル基を有する多糖類および/また
はその塩の共有結合架橋率(カルボキシル基を有する多
糖類および/またはその塩に対する架橋性試薬の反応
率)は、カルボキシル基を有する多糖類および/または
その塩に対する架橋性試薬の使用モル比で制御すること
ができる。架橋性試薬のモル比を低くすると、柔軟で含
水率の高い共有結合架橋した架橋多糖類ゲルが得られ、
架橋性試薬のモル比を高くすると強固で含水率の低い共
有結合架橋した架橋多糖類ゲルが得られる。
【0018】共有結合架橋率は所望により適宜選択され
るが、共有結合架橋率が低すぎると架橋多糖類ゲルの強
度が低くなり、共有結合架橋率が高すぎると架橋性試薬
が未反応のまま架橋多糖類ゲル中に残る可能性があるこ
とから、架橋率としては、カルボキシル基を有する多糖
類および/またはその塩が有するカルボキシル基の内1
〜50モル%のカルボキシル基が架橋性試薬と反応して
いることが好ましく、10〜40モル%のカルボキシル
基が架橋性試薬と反応していることがより好ましい。
【0019】カルボキシル基を有する多糖類および/ま
たはその塩とアミン系化合物(I)および/またはその
塩からなる架橋性試薬との共有結合架橋反応は、水溶性
カルボジイミドなどの脱水縮合剤を用いて行うことがで
きる。
【0020】アミン系化合物(I)および/またはその
塩からなる架橋性試薬によるカルボキシル基を有する多
糖類および/またはその塩の共有結合架橋反応は、一般
にカルボキシル基を有する多糖類および/またはその塩
を水に溶解して濃度が0.1〜2重量%および粘度(2
0℃)が上述の100〜1200cp程度の水溶液を調
製し、これに化合物(I)および/またはその塩からな
る架橋性試薬と脱水縮合剤を上記した所定の共有結合架
橋率を得る量で均一に混合し、4〜50℃の温度で1〜
100時間反応させることが望ましい。
【0021】上記により得られる架橋多糖類ゲルは、そ
れ自体で実用的な強度と安定性を示すが、必要に応じ
て、アミン系化合物(I)および/またはその塩による
共有結合架橋と共にイオン結合架橋、疎水結合架橋など
の他の架橋を施してもよい。
【0022】本発明の神経再生用材料を構成するカルボ
キシル基を有する多糖類および/またはその塩をアミン
系化合物(I)および/またはその塩で共有結合架橋し
て得られる上記架橋多糖類は、それ自体で良好な神経細
胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を示し、しかも
含水率が高く、多糖類であることから免疫原性が低く、
安全性に優れ、生体との親和性および適合性に優れてお
り、工業的に容易に且つ生産性よく製造することができ
る。その上、該架橋多糖類の製造に用いられるアミン系
化合物(I)および/またはその塩よりなる架橋性試薬
は、生体内に残存した場合でも吸収と排泄が容易に行わ
れて安全性が高い。そのため、該架橋多糖類からなる本
発明の神経再生用材料は、他の神経再生用物質を固定化
したり併用することなく、それ自体で、神経細胞や神経
組織の損傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾
患の治療、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患
のような外傷性疾患などの治療に有効に用いることがで
き、しかも低コストである。
【0023】本発明の神経再生用材料を構成する架橋多
糖類は、水で膨潤した状態(含水ゲル)であっても、水
で膨潤する前の乾燥した状態(含水性ゲル)であって
も、または水で完全には膨潤していないが水を多少含ん
だ状態であってもよい。
【0024】本発明の神経再生用材料では、必要に応じ
て、含水率のコントロール、粘着性の付与などの目的
で、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウ
ムイオンなどの金属イオン類、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコ
ールなどの多価アルコール類、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸などの高分子化合物などの薬理学的に許
容される添加剤を、神経再生用材料を構成する架橋多糖
類中に含有または付着させておくことができる。
【0025】前記架橋多糖類からなる本発明の神経再生
用材料の形態は特に制限されず、例えば、スポンジ状、
フィルム状、シート状、マット状、不織布状、織布状、
編布状、網状、繊維状、ペレット状、小塊状、大塊状、
粉末状、粒子状、管状、線状などの任意の形態にしてお
くことができる。
【0026】さらに、本発明の神経再生用材料を生体吸
収性の材料からなるチューブに充填した神経再生材は、
神経組織の再生などを行うための外科手術などにおいて
良好な操作性で便利に使用することができる。本発明の
神経再生材を形成するためのチューブとしては、生体吸
収性であって且つ生理学的に許容され得る材料から形成
されたチューブであればいずれも使用できる。前記チュ
ーブの形成に用い得る材料の具体例としては、アルギン
酸、架橋アルギン酸、キチン、キトサン、ヒアルロン
酸、架橋ヒアルロン酸、セルロース、デンプン、架橋デ
ンプンおよびこれらの誘導体などの多糖類;ゼラチン、
架橋ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブリン、ア
ルブミンなどの蛋白質;ポリアスパラギン酸、ポリグル
タミン酸、ポリリジンなどのポリペプチド;ポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、グリコール酸/乳酸共重合体、グリ
コール酸/カーボネート共重合体、ポリジオキサノン、
シアノアクリレート系重合体などの合成高分子材料;水
酸アパタイト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウムな
どの無機材料などを挙げることができる。そのうちで
も、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸/乳酸
共重合体などの合成高分子材料からなるチューブが、安
定性、柔軟性、透明性、耐熱性、耐湿熱性、強度などの
点で優れていることから、好ましく用いられる。
【0027】神経再生用材料を充填するチューブは両方
の端部が開口していることが好ましい。また、チューブ
の形態は特に制限されず、例えば、生体吸収性で且つ生
理的に許容し得る上記した物質からなる不織布、織布、
編布、フェルト、網体、フィルム、シート、マット、ス
ポンジなどを用いて管状に形成したもの、生体吸収性で
且つ生理的に許容し得る上記した物質を中空紡糸または
管状押出成形などによって直接多孔質または非多孔質の
管状に形成したもの等を挙げることができる。チューブ
の内径、厚さ、長さなどは特に制限されず、神経再生用
材料を充填してなるチューブからなる神経再生材の用
途、神経再生用材料が用いられる患部の状態、外科手術
の方法などに応じて種々調節することができる。チュー
ブの内径としては、通常0.5〜20mmの範囲内であ
り、外科手術などにおける使用のしやすさなどの点か
ら、1〜10mmの範囲内であるのが好ましく、2〜5
mmの範囲内であるのがより好ましい。チューブの厚さ
としては、0.1〜1mmの範囲内であるのが好まし
く、0.1〜0.5mmの範囲内であるのがより好まし
い。
【0028】
【実施例】以下に実施例などによって本発明について具
体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定される
ものではない。
【0029】《実施例1》 (1)共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲルからなる神
経再生用材料の製造: (i) 2.3g(20mmol)のN−ヒドロキシコ
ハク酸イミド(株式会社ペプチド研究所製)を酢酸エチ
ル150mlに溶解し、この溶液に、酢酸エチル10m
lに溶解した0.6g(10mmol)のエチレンジア
ミン(和光純薬株式会社製)を撹拌しながら室温下に滴
下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌を続けた。析出
した結晶を濾取し、減圧下に乾燥してエチレンジアミン
2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩2.9g(収率10
0%)を得た。 (ii) アルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)
の1重量%水溶液(粘度500〜600cp)の550
ml(カルボキシル基;275mmol)に、上記の
(i)で得られたエチレンジアミン2N−ヒドロキシコ
ハク酸イミド塩2.42g(8.5mmol)と、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(株式会社ペプチド研究所製)17.6g
(92mmol)を添加して溶解し、それにより得られ
た溶液をテフロン被覆アルミ製トレイ(15cm×25
cm)に流延し、室温下に静置した。約51時間後に含
水ゲルが得られた。 (iii) 上記(ii)で得られた含水ゲルを、カルシウ
ムイオンとナトリウムイオンの濃度が細胞間質液におけ
るのと同じ濃度(カルシウムイオン5meq、ナトリウ
ムイオン143meq)になるようにして塩化カルシウ
ムと塩化ナトリウムを溶解した水溶液で十分に洗浄した
後、純水で十分に洗浄し、次いで凍結乾燥して、スポン
ジ状の共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲルよりなる神
経再生用材料約5gを得た。
【0030】(2)神経再生材の製造:上記(1)で得
られたスポンジ状の神経再生用材料(共有結合架橋した
アルギン酸架橋ゲル)の0.1gおよび蒸留水4mlを
試験管に入れ、37℃の恒温水槽中で12時間振盪して
ゲル化させた。得られたゲルを注射器に吸い取り、十分
な長さのポリグリコール酸製チューブ(内径約4mm、
厚さ約0.3mm)中に注射器で充填し、凍結乾燥して
神経再生材を製造した。前記の全ての操作は滅菌条件下
で行った。
【0031】《比較例1》 [グルタルアルデヒドで架橋したヒアルロン酸架橋ゲル
からなる神経再生用材料および神経再生材の製造] (1) ヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社
製「ヒアルロン酸HA−QSS」)0.06gを蒸留水
20mlに溶解させ、さらに0.2N塩酸1mlを加え
て酸濃度0.02Nのヒアルロン酸水溶液を調製し、次
いでこれにグルタルアルデヒド水溶液をグルタルアルデ
ヒド濃度が0.2モルとなるように加え、よく撹拌した
後、テフロン被覆アルミ製トレイ(15cm×25c
m)に流延し、40℃で10時間静置して架橋体を得
た。この架橋体を、カルシウムイオンとナトリウムイオ
ンの濃度が細胞間質液におけるのと同じ濃度(カルシウ
ムイオン5meq、ナトリウムイオン143meq)に
なるようにして塩化カルシウムと塩化ナトリウムを溶解
した水溶液で十分に洗浄した後、純水で十分に洗浄し、
次いで凍結乾燥して、グルタルアルデヒドで架橋したス
ポンジ状のヒアルロン酸ゲルよりなる神経再生用材料約
0.05gを得た。 (2) 上記(1)で得られたスポンジ状の神経再生用
材料(グルタルアルデヒドで架橋したヒアルロン酸ゲ
ル)を用いて、実施例1の(2)と同じ方法により、ヒ
アルロン酸ゲルをポリグリコール酸製チューブに充填
し、凍結乾燥して、神経再生材を製造した。
【0032】《比較例2》 [コラーゲンヒドロゲルを充填した神経再生用材の製
造]コラーゲンのヒドロゲル(Collaborative Biomed
ical Products 社製「Matrigel R」)を神経再生用材
料として用いて、実施例1の(2)と同じ方法により、
コラーゲンをポリグリコール酸製チューブに充填し、凍
結乾燥して、神経再生材を製造した。
【0033】《試験例1》 (1)末梢神経再生手術:外科手術前に手術室内で、実
施例1、比較例1および比較例2で得られた神経再生材
(神経再生用材料充填チューブ)の両端の余分な管を除
去し、必要な長さに調整した。各試験区ごとにそれぞれ
5匹の猫を準備し(試験区1〜3)、各々の猫にケタラ
ール2mlを筋肉注射し、全身麻酔を施した後、メスで
座骨部を切開して座骨神経の軸索を露出させ、定規で正
確に測定して45mmの座骨神経を切除した。座骨神経
を切除した部分に、長さ50mmの神経再生材を挿入
し、その両端を10−0ナイロン糸を用いて座骨神経に
縫合固定した。次いで、筋肉を数箇所および表皮を数箇
所縫合し、神経再生材の埋植および創の閉鎖を行った。
【0034】(2)末梢神経再生の評価:上記(1)の
手術後13週目で、筋電図計(Nicolet Biomedical
Instruments社製「The Nicolet Viking」)を使用
して、体性感覚誘発電位(SEP)および誘発筋電図
(EMG)を記録した。その際に、SEPは神経再生部
位よりも末梢の腓骨神経に電気刺激を加えて、それによ
り生じた誘発電位を大脳皮質で記録した。また、EMG
は大脳皮質運動野に磁気刺激を加えて、神経再生部位よ
りも末梢の下腿の筋肉の筋電図を記録した。さらに、2
0週目に光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて組織の形
態学的評価を行った。
【0035】(3)末梢神経再生の評価結果: (i) 実施例1で得られた神経再生材を埋植した試験
区1と比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区
2では、手術後13週目にすでにSEPおよびEMGが
記録され、神経の再生が行われていた。そのうちでも、
実施例1の神経再生材を埋植した試験区1では、SEP
およびEMG共に、その潜時は短く且つ電位が高くて、
神経の再生が良好であった。 (ii) 一方、比較例2で得られた神経再生材を埋植し
た試験区3では、手術後13週目にSEPおよびEMG
が記録されず、神経の再生が円滑に行われていなかっ
た。
【0036】(iii) 20週目の標本では、実施例1
で得られた神経再生材を埋植した試験区1または比較例
1で得られた神経再生材を埋植した試験区2では、神経
再生材を埋植した部分で有髄軸索が数多く観察された。
そのうちでも、実施例1で得られた神経再生材を埋植し
た試験区1では、より多くの有髄軸索が観察された。
(iv) 一方、20週目の標本において、比較例2で得
られた神経再生材を埋植した試験区3では、神経再生材
を埋植した部分で有髄軸索がほとんど観察されず、軸索
の伸長を妨げる多くの繊維芽細胞を認めた。 (v) さらに、実施例1で得られた神経再生材および
比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1と2
の場合には、神経再生材の埋植部位よりも遠位部でもシ
ュワン細胞を伴う太い有髄軸索、無髄軸索が観察され、
種々の段階の再生軸索が混在していた。そのうちでも、
実施例1の神経再生材を埋植した試験区1では、より太
い有髄軸索が数多く観察された。一方、比較例1で得ら
れた神経再生材を埋植した試験区2では、細い無髄軸索
が少数観察され、有髄軸索は殆ど観察されなかった。
【0037】(vi) また、実施例1で得られた神経再
生材を埋植した試験区1および比較例2で得られた神経
再生材を埋植した試験区3では、神経再生材を埋植した
部分でマクロファージおよび好中球が殆ど観察されず、
異物反応が殆ど生じていなかったのに対して、比較例1
で得られた神経再生材を埋植した試験区2では神経再生
材を埋植した部分でマクロファージおよび好中球が多数
観察され、慢性炎症などの異物反応が生じていた。 (vii) 上記(i)〜(vi)の結果から、実施例1で
得られた神経再生用材料およびそれを生体適合性チュー
ブに充填してなる神経再生材は、軸索伸長作用に優れ、
優れた神経再生作用と高い生体適合性を兼ね備えている
ことがわかる。
【0038】《試験例2》 (1)中枢神経再生手術: (i) 外科手術前に、手術室内で、実施例1の(1)
で得られた神経再生用材料(チューブ充填前の凍結乾燥
したスポンジ状の共有結合架橋アルギン酸ゲル)、比較
例1の(1)で得られた神経再生用材料(チューブ充填
前の凍結乾燥したスポンジ状のヒアルロン酸ゲル)およ
び比較例2の神経再生用材料(チューブ充填前のコラー
ゲンのヒドロゲル)を必要な大きさに切断した。また、
各試験区(試験区4〜6)ごとにそれぞれ10匹ずつの
生後10日の幼若ラットを準備した。 (ii) 各々のラットに、エーテル麻酔後、顕微鏡下で
胸椎のラミネクトミーを行い、脊髄を露出させた。鋭利
なメスを用いて、第8〜10胸椎レベルで脊髄に2mm
のギャップを作成し、試験区4のラットには上記した実
施例1の神経再生用材料を、試験区5のラットには上記
した比較例1の神経再生用材料を、および試験区6のラ
ットには上記した比較例2の神経再生用材料をそれぞれ
充填(埋植)した後、骨を元に戻し、筋肉を数箇所およ
び皮膚を数箇所縫合して手術を終了した。
【0039】(2)中枢神経再生の評価:上記(1)の
手術後9週目で、筋電図計(Nicolet Biomedical In
struments社製「The Nicolet Viking」)を使用し
て、体性運動誘発電位(MEP)および体性感覚誘発電
位(SEP)を記録した。その際に、MEPは大脳皮質
運動野に電気刺激を加えて、それにより生じた誘発電位
を末梢の腓腹筋で記録した。また、SEPは下肢に電気
刺激を加えて、それにより生じた誘発電位をpostcrucia
te sensory cortex で記録した。さらに、12週目に光
学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて組織の形態学的評価
を行った。
【0040】(3)中枢神経再生の評価結果: (i) 実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区4
と比較例1の神経再生用材料を埋植した試験区5では、
いずれも手術後9週目にすでにMEPおよびSEPが記
録され、神経の再生が行われていた。そのうちでも、実
施例1の神経再生用材料を埋植した試験区では、MEP
およびSEP共に、その潜時は短く且つ電位が高くて、
より正常に近い評価が得られた。 (ii) 一方、比較例2の神経再生用材料を埋植した試
験区6では、手術後9週目にMEPおよびSEPは記録
されず、神経の再生が円滑に行われていなかった。
【0041】(iii) 12週目の標本では、実施例1
の神経再生用材料を埋植した試験区4および比較例1の
神経再生用材料を埋植した試験区5では、神経再生用材
料を埋植した部分で有髄軸索が数多く観察された。その
うちでも、実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区
4では、より多くの有髄軸索が観察され、軸索はシュワ
ン様細胞と1対1の関係を持ち、厚いミエリン髄鞘を持
っていた。 (iv) 一方、12週目の標本において、比較例2の神
経再生用材料を埋植した試験区6では、神経再生用材料
を埋植した部分で有髄軸索は殆ど観察されず、軸索の伸
長を妨げる多数の線維状の瘢痕組織を認めた。
【0042】(v) また、実施例1の神経再生用材料
を埋植した試験区4および比較例2の神経再生用材料を
埋植した試験区6では、神経再生用材料を埋植した部分
でマクロファージ、好中球が殆ど観察されず、異物反応
が殆ど生じていなかったのに対して、比較例1の神経再
生用材料を埋植した試験区5では、神経再生用材料を埋
植した部分でマクロファージおよび好中球が多数観察さ
れ、慢性炎症などの異物反応が生じていた。 (vi) 上記の結果から、実施例1の神経再生用材料
(共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲル)は、軸索伸長
作用に優れ、優れた神経再生作用と高い生体適合性を兼
ね備えていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】カルボキシル基を有する多糖類および/
またはその塩をアミン系化合物(I)および/またはそ
の塩からなる架橋性試薬で共有結合架橋してなる架橋多
糖類からなる本発明の神経再生用材料、並びに前記神経
再生用材料を生体吸収性チューブに充填してなる本発明
の神経再生材は、神経細胞増殖促進作用および神経軸索
伸長作用を示し、安全性、生体適合性などの点でも優れ
ているため、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによ
る中枢神経や末梢神経系の疾患の治療、脊椎疾患、頭部
外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患などの
治療に有効に用いることができる。さらに、本発明の神
経再生用材料および神経再生材は、感染症の発生する恐
れがなく、生体に対する安全性および適合性に優れ、し
かも工業的に容易に且つ生産性よく製造することができ
る。また、本発明の神経再生用材料を生体吸収性材料か
らなるチューブに充填した本発明の神経再生材は、取り
扱い性に優れ、神経組織修復のための外科手術などで便
利に操作性良く使用することができる。
フロントページの続き (71)出願人 598156376 谷原 正夫 奈良県生駒市高山町8916−5 奈良先端科 学技術大学院大学物質創成科学研究科内 (72)発明者 西村 善彦 京都府京都市左京区聖護院川原町54 京都 大学大学院医学研究科内 (72)発明者 鈴木 義久 京都府京都市左京区聖護院川原町54 京都 大学大学院医学研究科内 (72)発明者 谷原 正夫 奈良県生駒市高山町8916−5 奈良先端科 学技術大学院大学物質創成科学研究科内 (72)発明者 橋本 正 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有する多糖類および/
    またはその塩を、下記の一般式(I); 【化1】 R1HN−(CH2n−NHR2 (I) [式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
    は式;−COCH(NH2)−(CH24−NH2で表さ
    れる基を示し、nは2〜18の整数を示す。]で表され
    る化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種の架
    橋性試薬で共有結合架橋してなる架橋多糖類からなるこ
    とを特徴とする神経再生用材料。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有する多糖類および/
    またはその塩が、アルギン酸、ヒアルロン酸および/ま
    たはそれらの塩である請求項1記載の神経再生用材料。
  3. 【請求項3】 架橋性試薬が、上記の一般式(I)で表
    される化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩である
    請求項1または2記載の神経再生用材料。
  4. 【請求項4】 上記の一般式(I)で表される化合物の
    N−ヒドロキシコハク酸イミド塩が、ジアミノエタンの
    2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、ジアミノヘキサン
    の2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N,N’−ジ
    (リジル)−ジアミノエタンの4N−ヒドロキシコハク
    酸イミド塩およびN−(リジル)−ジアミノヘキサンの
    3N−ヒドロキシコハク酸イミド塩からなる群から選ば
    れる少なくとも1種である請求項3記載の神経再生用材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の神
    経再生用材料を、生体吸収性の材料からなるチューブに
    充填してなることを特徴とする神経再生材。
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