JP4531887B2 - 神経再生用材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経再生用材料およびそれを用いてなる神経再生材に関する。より詳細には、本発明は、アルギン酸および/またはその塩を特定のアミン系化合物および/またはその塩からなる架橋性試薬を用いて共有結合架橋して得られる、スポンジ状の架橋アルギン酸からなる神経再生用材料および該神経再生用材料を生体吸収性のチューブに充填してなる神経再生材に関する。本発明の神経再生用材料および神経再生材は、強い神経細胞増殖促進作用、神経軸索伸長作用を有し、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾患、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患などの治療に有効であり、良好な神経再生作用、前記疾患の回復や改善効果を有し、安全性および生体適合性に優れ、しかも工業的に生産性良く製造することができる。
【0002】
【従来の技術】
交通事故や労働災害などの各種の事故によって生じた末梢神経損傷の治療は、外科領域、特に整形外科領域で大きな位置を占めている。近年、切断した神経を繋ぐ外科手術の技術は顕微手術の導入によって著しい進歩を遂げてきた。しかし、神経の欠損部が何かで補わなければならないほど大きい場合に、その治療は外科医にとって難問となっている。臨床的に現在行われている方法は腓腹神経を用いる自家神経移植である。自家神経は最も理想的な神経再生用材料であるが、患者の負担や手術の複雑化などによって、その採取には制限がある。しかも、腓腹神経の切除は実生活にそれほど大きな障害にならない場合が多いとはいえ、腓腹神経の切除によって足首から足の甲にかけての小指側の感覚神経が消失するため患者の生活の質が低下し、できれば自家神経移植を避けるのが好ましい。
このような状況下に、自家神経に代わる移植材料の開発が切望され、種々の研究がなされている。例えば、神経以外の組織を用いる自家移植として自家血管移植や自家筋膜移植などが行われているが、患者の生体組織を使用するという点ではやはり患者の負担を解消できず、しかも手術時の複雑さの点でも自家神経移植の場合と大差がない。
【0003】
一方、多糖類をグルタルアルデヒドやグリオキザールのような多価アルデヒドで処理してヘミアセタール結合またはアセタール結合させた架橋多糖類および該架橋多糖類よりなる神経再生用基材が提案されている(特開平8−333402号公報)。しかしながら、多価アルデヒドで架橋した前記架橋多糖類は、そのヘミアセタール結合またはアセタール結合が加水分解し易く、長期安定性および耐熱水性に劣るため、高温下で湿熱滅菌処理(例えば121℃で20分間)すると分解するという欠点を有する。しかも、長期間にわたる体内留置により、架橋多糖類中のヘミアセタール結合またはアセタール結合が加水分解されて多価アルデヒドが溶出し、強い細胞毒性を示す。
【0004】
また、神経再生材として、ポリグリコール酸(PGA)のメッシュ状チューブにコラーゲンを塗布して付着させたものが知られている[J.Artif.Organs,27,490−494(1998)]。しかしながら、この神経再生材は、充分な神経再生効果を示さない。しかも生体由来の材料を用いていることから感染の危険性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な神経細胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を有し、損傷、欠損などの生じた神経細胞および神経組織を増殖、修復して神経を再生することができ、しかも感染の恐れがなく、生体に対する安全性及び適合性に優れ、且つ工業的に容易に且つ生産性よく製造することのできる神経再生用材料および神経再生材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基を有する多糖類および/またはその塩、そのうちでもアルギン酸および/またはその塩を特定のアミン系化合物および/またはその塩からなる架橋性試薬を用いて共有結合架橋して得られる架橋多糖類が、他の神経再生用物質を該架橋多糖類に固定化したり別途併用しなくても、該架橋多糖類単独で良好な神経細胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を示し、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾患の治療、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患などの治療に有効であること、且つ安全性および生体適合性に優れ、神経再生用材料として有用であること、しかも工業的に容易に且つ生産性よく製造できることを見出した。
さらに、本発明者らは、カルボキシル基を有する多糖類および/またはその塩、そのうちでもアルギン酸および/またはその塩を特定のアミン系化合物および/またはその塩からなる架橋性試薬を用いて共有結合架橋してなる前記架橋多糖類を生体吸収性材料からなるチューブに充填したものは、神経組織修復のための外科手術などに用いる神経再生材として優れた作用を示すことを見出した。
【0007】
そして、本発明者らは、カルボキシル基を有する多糖類および/またはその塩、そのうちでもアルギン酸および/またはその塩を特定のアミン系化合物および/またはその塩からなる架橋性試薬で架橋した前記架橋多糖類が、末梢神経障害、末梢ニューロパシーおよび局在化ニューロパシーなどの末梢神経系の疾患、アルツハイマー症、パーキンソン症、ハンチントン症、筋萎縮性側索硬化症、シャイ−ドレーガー(Shy−Drager)症候群などの中枢神経疾患を包含する神経疾患用の神経再生用材料として有効であること、また脊椎疾患、頭部外傷や卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患に対しても有効であること、さらに該架橋多糖類を生体吸収性のチューブに充填すると神経組織修復用の外科手術などで有効に用い得る神経再生材が得られることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1) アルギン酸および/またはその塩を、下記の一般式(I);
【0009】
[化2]
R1HN−(CH2)n−NHR2 (I)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子または式;−COCH(NH2)−(CH2)4−NH2で表される基を示し、nは2〜18の整数を示す。]
で表される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種の架橋性試薬で共有結合架橋した、スポンジ状の架橋アルギン酸からなることを特徴とする神経再生用材料である。
【0010】
そして、本発明は、
(2) 架橋性試薬が、上記の一般式(I)で表される化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩である上記(1)の神経再生用材料を好ましい態様として包含し、
(3) 上記の一般式(I)で表される化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩が、ジアミノエタンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、ジアミノヘキサンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノエタンの4N−ヒドロキシコハク酸イミド塩およびN−(リジル)−ジアミノヘキサンの3N−ヒドロキシコハク酸イミド塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(2)の神経再生用材料を好ましい態様として包含する。
【0011】
さらに、本発明は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの神経再生用材料を、生体吸収性の材料からなるチューブに充填してなることを特徴とする神経再生材である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の神経再生用材料は、アルギン酸および/またはその塩を、上記の一般式(I)で表される化合物[以下「アミン系化合物(I)」という]およびその塩から選ばれる少なくとも1種の架橋性試薬で共有結合架橋した、スポンジ状の架橋アルギン酸からなっている。
ここで、本発明でいう「神経再生用材料」とは、神経細胞または神経組織の損傷、欠損などを含む、中枢神経および/または末梢神経系の疾患、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患に対して用いる、治癒、接着、補強および/または再生用の材料の総称である。
【0013】
本発明の神経再生用材料を構成する架橋アルギン酸および/またはその塩は、分子内にカルボキシル基を有し且つ生体に対して安全性が高い。アルギン酸の塩としては、水溶性塩が好ましく用いられる。アルギン酸の水溶性塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、ナトリウム塩がより好ましく用いられる。
【0014】
アルギン酸の水溶性塩としては、得られる神経再生用材料の強度の点から、濃度1重量%の水溶液にしたときに、該水溶液の20℃での粘度が100センチポイズ(cp)以上であるものが好ましく用いられ、300cp以上であるものがより好ましく用いられる。
但し、アルギン酸の水溶性塩の水溶液の粘度が高すぎるものでは、水への溶解に時間を要し、共有結合架橋アルギン酸の製造時の操作性が悪くなるので、濃度1重量%の水溶液としたときに該水溶液の20℃での粘度が1200cp以下のものを使用することが好ましい。1重量%水溶液の20℃での粘度が前記した100〜1200cpの範囲になるようなアルギン酸またはその水溶性塩は、一般に約10万〜1000万程度の分子量を有している場合が多い。
【0015】
本発明の神経再生用材料を構成する架橋アルギン酸の製造に用いる、アミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬としては、上記した一般式(I)で表される化合物に包含されるアミン系化合物および/またはその塩であればいずれでもよい。アミン系化合物(I)および/またはその塩の具体例としては、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノオクタデカンなどのジアミノアルカン類および/またはそれらの塩、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノヘキサンなどのモノまたはジ(リジル)ジアミノアルカン類および/またはそれらの塩などを挙げることができ、これらのジアミンおよびその塩の1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
そのうちでも、アミン系化合物(I)および/またはその塩としては、上記の一般式(I)においてnが2〜8である化合物および/またはその塩が好ましく用いられる。架橋性試薬がアミン系化合物(I)の塩からなる場合は、塩を形成する成分としては、N−ヒドロキシコハク酸イミドが好ましく用いられる。
アミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬としては、特にジアミノエタンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、ジアミノヘキサンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノエタンの4N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N−(リジル)−ジアミノヘキサンの3N−ヒドロキシコハク酸イミド塩などが、安全性、生体適合性などが一層高く、且つ該架橋性試薬で共有結合架橋して得られる架橋アルギン酸の神経再生作用が一層良好であることから好ましく用いられる。
【0017】
アルギン酸および/またはその塩をアミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬で共有結合架橋したアルギン酸は、一般にゲル状を呈する(かかる点から共有結合架橋したアルギン酸および/またはその塩を「架橋アルギン酸ゲル」ということがある)。
架橋性試薬によるアルギン酸および/またはその塩の共有結合架橋率(アルギン酸および/またはその塩に対する架橋性試薬の反応率)は、アルギン酸および/またはその塩に対する架橋性試薬の使用モル比で制御することができる。架橋性試薬のモル比を低くすると、柔軟で含水率の高い共有結合架橋した架橋アルギン酸ゲルが得られ、架橋性試薬のモル比を高くすると強固で含水率の低い共有結合架橋した架橋アルギン酸ゲルが得られる。
【0018】
共有結合架橋率は所望により適宜選択されるが、共有結合架橋率が低すぎると架橋アルギン酸ゲルの強度が低くなり、共有結合架橋率が高すぎると架橋性試薬が未反応のまま架橋アルギン酸ゲル中に残る可能性があることから、架橋率としては、アルギン酸および/またはその塩が有するカルボキシル基の内1〜50モル%のカルボキシル基が架橋性試薬と反応していることが好ましく、10〜40モル%のカルボキシル基が架橋性試薬と反応していることがより好ましい。
【0019】
アルギン酸および/またはその塩とアミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬との共有結合架橋反応は、水溶性カルボジイミドなどの脱水縮合剤を用いて行うことができる。
【0020】
アミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬によるアルギン酸および/またはその塩の共有結合架橋反応は、一般にアルギン酸および/またはその塩を水に溶解して濃度が0.1〜2重量%および粘度(20℃)が上述の100〜1200cp程度の水溶液を調製し、これに化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬と脱水縮合剤を上記した所定の共有結合架橋率を得る量で均一に混合し、4〜50℃の温度で1〜100時間反応させることが望ましい。
【0021】
上記により得られる架橋アルギン酸ゲルは、それ自体で実用的な強度と安定性を示すが、必要に応じて、アミン系化合物(I)および/またはその塩による共有結合架橋と共にイオン結合架橋、疎水結合架橋などの他の架橋を施してもよい。
【0022】
本発明の神経再生用材料を構成するアルギン酸および/またはその塩をアミン系化合物(I)および/またはその塩で共有結合架橋して得られる上記架橋アルギン酸は、それ自体で良好な神経細胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を示し、しかも含水率が高く、多糖類であることから免疫原性が低く、安全性に優れ、生体との親和性および適合性に優れており、工業的に容易に且つ生産性よく製造することができる。その上、該架橋アルギン酸の製造に用いられるアミン系化合物(I)および/またはその塩よりなる架橋性試薬は、生体内に残存した場合でも吸収と排泄が容易に行われて安全性が高い。そのため、該架橋アルギン酸からなる本発明の神経再生用材料は、他の神経再生用物質を固定化したり併用することなく、それ自体で、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾患の治療、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患などの治療に有効に用いることができ、しかも低コストである。
【0023】
本発明の神経再生用材料を構成する架橋アルギン酸は、水で膨潤した状態(含水ゲル)であっても、水で膨潤する前の乾燥した状態(含水性ゲル)であっても、または水で完全には膨潤していないが水を多少含んだ状態であってもよい。
【0024】
本発明の神経再生用材料では、必要に応じて、含水率のコントロール、粘着性の付与などの目的で、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの金属イオン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などの高分子化合物などの薬理学的に許容される添加剤を、神経再生用材料を構成する架橋アルギン酸中に含有または付着させておくことができる。
【0025】
前記架橋アルギン酸からなる神経再生用材料の形態としては、例えば、スポンジ状、フィルム状、シート状、マット状、不織布状、織布状、編布状、網状、繊維状、ペレット状、小塊状、大塊状、粉末状、粒子状、管状、線状などの形態を挙げることができるが、本発明ではスポンジ状の形態にした架橋アルギン酸を神経再生材料として用いる。
【0026】
さらに、本発明の神経再生用材料を生体吸収性の材料からなるチューブに充填した神経再生材は、神経組織の再生などを行うための外科手術などにおいて良好な操作性で便利に使用することができる。本発明の神経再生材を形成するためのチューブとしては、生体吸収性であって且つ生理学的に許容され得る材料から形成されたチューブであればいずれも使用できる。
前記チューブの形成に用い得る材料の具体例としては、アルギン酸、架橋アルギン酸、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、セルロース、デンプン、架橋デンプンおよびこれらの誘導体などの多糖類;ゼラチン、架橋ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブリン、アルブミンなどの蛋白質;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジンなどのポリペプチド;ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸/乳酸共重合体、グリコール酸/カーボネート共重合体、ポリジオキサノン、シアノアクリレート系重合体などの合成高分子材料;水酸アパタイト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウムなどの無機材料などを挙げることができる。そのうちでも、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸/乳酸共重合体などの合成高分子材料からなるチューブが、安定性、柔軟性、透明性、耐熱性、耐湿熱性、強度などの点で優れていることから、好ましく用いられる。
【0027】
神経再生用材料を充填するチューブは両方の端部が開口していることが好ましい。また、チューブの形態は特に制限されず、例えば、生体吸収性で且つ生理的に許容し得る上記した物質からなる不織布、織布、編布、フェルト、網体、フィルム、シート、マット、スポンジなどを用いて管状に形成したもの、生体吸収性で且つ生理的に許容し得る上記した物質を中空紡糸または管状押出成形などによって直接多孔質または非多孔質の管状に形成したもの等を挙げることができる。
チューブの内径、厚さ、長さなどは特に制限されず、神経再生用材料を充填してなるチューブからなる神経再生材の用途、神経再生用材料が用いられる患部の状態、外科手術の方法などに応じて種々調節することができる。チューブの内径としては、通常0.5〜20mmの範囲内であり、外科手術などにおける使用のしやすさなどの点から、1〜10mmの範囲内であるのが好ましく、2〜5mmの範囲内であるのがより好ましい。チューブの厚さとしては、0.1〜1mmの範囲内であるのが好ましく、0.1〜0.5mmの範囲内であるのがより好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に実施例などによって本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものではない。
【0029】
《実施例1》
(1)共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲルからなる神経再生用材料の製造:
(i) 2.3g(20mmol)のN−ヒドロキシコハク酸イミド(株式会社ペプチド研究所製)を酢酸エチル150mlに溶解し、この溶液に、酢酸エチル10mlに溶解した0.6g(10mmol)のエチレンジアミン(和光純薬株式会社製)を撹拌しながら室温下に滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌を続けた。析出した結晶を濾取し、減圧下に乾燥してエチレンジアミン2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩2.9g(収率100%)を得た。
(ii) アルギン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)の1重量%水溶液(粘度500〜600cp)の550ml(カルボキシル基;275mmol)に、上記の(i)で得られたエチレンジアミン2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩2.42g(8.5mmol)と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(株式会社ペプチド研究所製)17.6g(92mmol)を添加して溶解し、それにより得られた溶液をテフロン被覆アルミ製トレイ(15cm×25cm)に流延し、室温下に静置した。約51時間後に含水ゲルが得られた。
(iii) 上記(ii)で得られた含水ゲルを、カルシウムイオンとナトリウムイオンの濃度が細胞間質液におけるのと同じ濃度(カルシウムイオン5meq、ナトリウムイオン143meq)になるようにして塩化カルシウムと塩化ナトリウムを溶解した水溶液で十分に洗浄した後、純水で十分に洗浄し、次いで凍結乾燥して、スポンジ状の共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲルよりなる神経再生用材料約5gを得た。
【0030】
(2)神経再生材の製造:
上記(1)で得られたスポンジ状の神経再生用材料(共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲル)の0.1gおよび蒸留水4mlを試験管に入れ、37℃の恒温水槽中で12時間振盪してゲル化させた。得られたゲルを注射器に吸い取り、十分な長さのポリグリコール酸製チューブ(内径約4mm、厚さ約0.3mm)中に注射器で充填し、凍結乾燥して神経再生材を製造した。前記の全ての操作は滅菌条件下で行った。
【0031】
《比較例1》
[グルタルアルデヒドで架橋したヒアルロン酸架橋ゲルからなる神経再生用材料および神経再生材の製造]
(1) ヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社製「ヒアルロン酸HA−QSS」)0.06gを蒸留水20mlに溶解させ、さらに0.2N塩酸1mlを加えて酸濃度0.02Nのヒアルロン酸水溶液を調製し、次いでこれにグルタルアルデヒド水溶液をグルタルアルデヒド濃度が0.2モルとなるように加え、よく撹拌した後、テフロン被覆アルミ製トレイ(15cm×25cm)に流延し、40℃で10時間静置して架橋体を得た。この架橋体を、カルシウムイオンとナトリウムイオンの濃度が細胞間質液におけるのと同じ濃度(カルシウムイオン5meq、ナトリウムイオン143meq)になるようにして塩化カルシウムと塩化ナトリウムを溶解した水溶液で十分に洗浄した後、純水で十分に洗浄し、次いで凍結乾燥して、グルタルアルデヒドで架橋したスポンジ状のヒアルロン酸ゲルよりなる神経再生用材料約0.05gを得た。
(2) 上記(1)で得られたスポンジ状の神経再生用材料(グルタルアルデヒドで架橋したヒアルロン酸ゲル)を用いて、実施例1の(2)と同じ方法により、ヒアルロン酸ゲルをポリグリコール酸製チューブに充填し、凍結乾燥して、神経再生材を製造した。
【0032】
《比較例2》
[コラーゲンヒドロゲルを充填した神経再生用材の製造]
コラーゲンのヒドロゲル(Collaborative Biomedical Products 社製「Matrigel R」)を神経再生用材料として用いて、実施例1の(2)と同じ方法により、コラーゲンをポリグリコール酸製チューブに充填し、凍結乾燥して、神経再生材を製造した。
【0033】
《試験例1》
(1)末梢神経再生手術:
外科手術前に手術室内で、実施例1、比較例1および比較例2で得られた神経再生材(神経再生用材料充填チューブ)の両端の余分な管を除去し、必要な長さに調整した。各試験区ごとにそれぞれ5匹の猫を準備し(試験区1〜3)、各々の猫にケタラール2mlを筋肉注射し、全身麻酔を施した後、メスで座骨部を切開して座骨神経の軸索を露出させ、定規で正確に測定して45mmの座骨神経を切除した。座骨神経を切除した部分に、長さ50mmの神経再生材を挿入し、その両端を10−0ナイロン糸を用いて座骨神経に縫合固定した。次いで、筋肉を数箇所および表皮を数箇所縫合し、神経再生材の埋植および創の閉鎖を行った。
【0034】
(2)末梢神経再生の評価:
上記(1)の手術後13週目で、筋電図計(Nicolet Biomedical Instruments社製「The Nicolet Viking」)を使用して、体性感覚誘発電位(SEP)および誘発筋電図(EMG)を記録した。
その際に、SEPは神経再生部位よりも末梢の腓骨神経に電気刺激を加えて、それにより生じた誘発電位を大脳皮質で記録した。また、EMGは大脳皮質運動野に磁気刺激を加えて、神経再生部位よりも末梢の下腿の筋肉の筋電図を記録した。
さらに、20週目に光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて組織の形態学的評価を行った。
【0035】
(3)末梢神経再生の評価結果:
(i) 実施例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1と比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区2では、手術後13週目にすでにSEPおよびEMGが記録され、神経の再生が行われていた。そのうちでも、実施例1の神経再生材を埋植した試験区1では、SEPおよびEMG共に、その潜時は短く且つ電位が高くて、神経の再生が良好であった。
(ii) 一方、比較例2で得られた神経再生材を埋植した試験区3では、手術後13週目にSEPおよびEMGが記録されず、神経の再生が円滑に行われていなかった。
【0036】
(iii) 20週目の標本では、実施例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1または比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区2では、神経再生材を埋植した部分で有髄軸索が数多く観察された。そのうちでも、実施例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1では、より多くの有髄軸索が観察された。
(iv) 一方、20週目の標本において、比較例2で得られた神経再生材を埋植した試験区3では、神経再生材を埋植した部分で有髄軸索がほとんど観察されず、軸索の伸長を妨げる多くの繊維芽細胞を認めた。
(v) さらに、実施例1で得られた神経再生材および比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1と2の場合には、神経再生材の埋植部位よりも遠位部でもシュワン細胞を伴う太い有髄軸索、無髄軸索が観察され、種々の段階の再生軸索が混在していた。そのうちでも、実施例1の神経再生材を埋植した試験区1では、より太い有髄軸索が数多く観察された。
一方、比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区2では、細い無髄軸索が少数観察され、有髄軸索は殆ど観察されなかった。
【0037】
(vi) また、実施例1で得られた神経再生材を埋植した試験区1および比較例2で得られた神経再生材を埋植した試験区3では、神経再生材を埋植した部分でマクロファージおよび好中球が殆ど観察されず、異物反応が殆ど生じていなかったのに対して、比較例1で得られた神経再生材を埋植した試験区2では神経再生材を埋植した部分でマクロファージおよび好中球が多数観察され、慢性炎症などの異物反応が生じていた。
(vii) 上記(i)〜(vi)の結果から、実施例1で得られた神経再生用材料およびそれを生体適合性チューブに充填してなる神経再生材は、軸索伸長作用に優れ、優れた神経再生作用と高い生体適合性を兼ね備えていることがわかる。
【0038】
《試験例2》
(1)中枢神経再生手術:
(i) 外科手術前に、手術室内で、実施例1の(1)で得られた神経再生用材料(チューブ充填前の凍結乾燥したスポンジ状の共有結合架橋アルギン酸ゲル)、比較例1の(1)で得られた神経再生用材料(チューブ充填前の凍結乾燥したスポンジ状のヒアルロン酸ゲル)および比較例2の神経再生用材料(チューブ充填前のコラーゲンのヒドロゲル)を必要な大きさに切断した。
また、各試験区(試験区4〜6)ごとにそれぞれ10匹ずつの生後10日の幼若ラットを準備した。
(ii) 各々のラットに、エーテル麻酔後、顕微鏡下で胸椎のラミネクトミーを行い、脊髄を露出させた。鋭利なメスを用いて、第8〜10胸椎レベルで脊髄に2mmのギャップを作成し、試験区4のラットには上記した実施例1の神経再生用材料を、試験区5のラットには上記した比較例1の神経再生用材料を、および試験区6のラットには上記した比較例2の神経再生用材料をそれぞれ充填(埋植)した後、骨を元に戻し、筋肉を数箇所および皮膚を数箇所縫合して手術を終了した。
【0039】
(2)中枢神経再生の評価:
上記(1)の手術後9週目で、筋電図計(Nicolet Biomedical Instruments社製「The Nicolet Viking」)を使用して、体性運動誘発電位(MEP)および体性感覚誘発電位(SEP)を記録した。
その際に、MEPは大脳皮質運動野に電気刺激を加えて、それにより生じた誘発電位を末梢の腓腹筋で記録した。また、SEPは下肢に電気刺激を加えて、それにより生じた誘発電位をpostcruciate sensory cortex で記録した。
さらに、12週目に光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて組織の形態学的評価を行った。
【0040】
(3)中枢神経再生の評価結果:
(i) 実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区4と比較例1の神経再生用材料を埋植した試験区5では、いずれも手術後9週目にすでにMEPおよびSEPが記録され、神経の再生が行われていた。そのうちでも、実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区では、MEPおよびSEP共に、その潜時は短く且つ電位が高くて、より正常に近い評価が得られた。
(ii) 一方、比較例2の神経再生用材料を埋植した試験区6では、手術後9週目にMEPおよびSEPは記録されず、神経の再生が円滑に行われていなかった。
【0041】
(iii) 12週目の標本では、実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区4および比較例1の神経再生用材料を埋植した試験区5では、神経再生用材料を埋植した部分で有髄軸索が数多く観察された。そのうちでも、実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区4では、より多くの有髄軸索が観察され、軸索はシュワン様細胞と1対1の関係を持ち、厚いミエリン髄鞘を持っていた。
(iv) 一方、12週目の標本において、比較例2の神経再生用材料を埋植した試験区6では、神経再生用材料を埋植した部分で有髄軸索は殆ど観察されず、軸索の伸長を妨げる多数の線維状の瘢痕組織を認めた。
【0042】
(v) また、実施例1の神経再生用材料を埋植した試験区4および比較例2の神経再生用材料を埋植した試験区6では、神経再生用材料を埋植した部分でマクロファージ、好中球が殆ど観察されず、異物反応が殆ど生じていなかったのに対して、比較例1の神経再生用材料を埋植した試験区5では、神経再生用材料を埋植した部分でマクロファージおよび好中球が多数観察され、慢性炎症などの異物反応が生じていた。
(vi) 上記の結果から、実施例1の神経再生用材料(共有結合架橋したアルギン酸架橋ゲル)は、軸索伸長作用に優れ、優れた神経再生作用と高い生体適合性を兼ね備えていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
アルギン酸および/またはその塩をアミン系化合物(I)および/またはその塩からなる架橋性試薬で共有結合架橋してなる架橋アルギン酸からなる本発明の神経再生用材料、並びに前記神経再生用材料を生体吸収性チューブに充填してなる本発明の神経再生材は、神経細胞増殖促進作用および神経軸索伸長作用を示し、安全性、生体適合性などの点でも優れているため、神経細胞や神経組織の損傷、欠損などによる中枢神経や末梢神経系の疾患の治療、脊椎疾患、頭部外傷、卒中などの脳血管疾患のような外傷性疾患などの治療に有効に用いることができる。
さらに、本発明の神経再生用材料および神経再生材は、感染症の発生する恐れがなく、生体に対する安全性および適合性に優れ、しかも工業的に容易に且つ生産性よく製造することができる。
また、本発明の神経再生用材料を生体吸収性材料からなるチューブに充填した本発明の神経再生材は、取り扱い性に優れ、神経組織修復のための外科手術などで便利に操作性良く使用することができる。
Claims (4)
- アルギン酸および/またはその塩を、下記の一般式(I);
[化1]
R1HN−(CH2)n−NHR2 (I)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子または式;−COCH(NH2)−(CH2)4−NH2で表される基を示し、nは2〜18の整数を示す。]
で表される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1種の架橋性試薬で共有結合架橋した、スポンジ状の架橋アルギン酸からなることを特徴とする神経再生用材料。 - 架橋性試薬が、上記の一般式(I)で表される化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩である請求項1記載の神経再生用材料。
- 上記の一般式(I)で表される化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミド塩が、ジアミノエタンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、ジアミノヘキサンの2N−ヒドロキシコハク酸イミド塩、N,N’−ジ(リジル)−ジアミノエタンの4N−ヒドロキシコハク酸イミド塩およびN−(リジル)−ジアミノヘキサンの3N−ヒドロキシコハク酸イミド塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の神経再生用材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の神経再生用材料を、生体吸収性の材料からなるチューブに充填してなることを特徴とする神経再生材。
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