JP2000198517A - 耐衝撃性に優れたコンベアベルトカバ―用ゴム組成物 - Google Patents
耐衝撃性に優れたコンベアベルトカバ―用ゴム組成物Info
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Abstract
耐衝撃性コンベアベルトカバー用ゴム組成物の提供。 【解決手段】少なくとも以下に記載の成分を含有する耐
衝撃性コンベアベルトカバー用ゴム組成物。 (A)天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムからなり、
天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとの混合比(重量
比)が50/50〜80/20であるゴム100重量部 (B)窒素吸着比表面積(N2 SA)が100m2 /g
以上、DBP吸油量(DBP)が100cm3 /100
g以上である超微粒子カーボンブラック45〜65重量
部 (C)シリカ5〜20重量部 (D)樹脂2〜7重量部
Description
コンベアベルトカバー用ゴム組成物に関する。
砕物を受けるラインや永久伸びが発生しないことが望ま
れるライン等で使用されるコンベアベルトとしては、耐
摩耗性に優れるカバーゴムで被覆されたコンベアベルト
等が使用されている。優れた耐摩耗性を有するコンベア
ベルトでは、高い耐摩耗性と、耐衝撃性を両立させるこ
とが難しく、コンベアベルト表面、すなわち、カバーゴ
ム表面に大きな傷がはいりやすく、外観が悪くなりやす
いという問題があった。そこで、上から落ちる粉砕物等
の衝撃によってカバーゴム表面に傷が入りにくく、カバ
ーゴム表面の外観が良好に保たれる等の高い耐衝撃性を
有するコンベアベルトの開発がのぞまれている。
耐衝撃性を有し、良好な耐屈曲性を有する耐衝撃性に優
れたコンベアベルトカバー用ゴム組成物を提供すること
である。
なくとも以下に記載の成分を含有する耐衝撃性に優れた
コンベアベルトカバー用ゴム組成物を提供する、 (A)天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムからなり、天然ゴムとスチレン−ブ タジエンゴムとの混合比(重量比)が50/50〜80/20であるゴム 100重量部、 (B)窒素吸着比表面積(N2 SA)が100m2 / g以上、DBP吸油量(D BP)が100cm3 /100g以上の超微粒子カーボンブラック 45〜65重量部、 (C)シリカ 5〜20重量部、および (D)樹脂 2〜7重量部。
組成物(以下、本発明の組成物と記す)に含まれるゴム
は、天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエンゴム(S
BR)からなり、NRとSBRの混合比(重量比)が所
定の値であるゴムである。NRは、シス−1,4ポリイ
ソプレンが頭尾結合する構造を有するポリマーであり、
本発明で用いられるNRとしては、一般に用いられるN
Rを使用することができる。SBRは、スチレンとブタ
ジエンとの共重合体であり、本発明で用いるSBRとし
ては、特にその組成は限定されないが、好ましくは、含
有スチレン量が15〜35重量%、より好ましくは20
〜30重量%である。この範囲であると、耐衝撃性、耐
摩耗性のバランスが良好となり好ましい。また、SBR
は、乳化重合SBR、溶液重合SBRがあるが、本発明
で用いるSBRとしては、いずれを用いても良い。SB
Rとしては、市販品を利用することができ、例えば、N
ipol 1502(日本ゼオン(株)製、スチレン含
量23.5重量%)等が挙げられる。
合比は、重量比で50/50〜80/20、好ましくは
60/40〜70/30である。NRとSBRの重量比
が80/20超であると、得られる本発明の組成物の耐
衝撃性が劣るので好ましくない。NRとSBRの重量比
が50/50未満であると、得られる本発明の組成物の
耐屈曲性が劣り、破断伸びが小さくクラックの成長が大
きいので好ましくない。
物の損失正接(tanδ)を用いることができる。ta
nδは、ゴム組成物の動的性質を表す複素弾性率の実数
部E’と虚数部E”との比、tanδ=E’/E”で表
され、この値が大きいほどゴム組成物の変形の間に熱と
して散逸されるエネルギー量が大きいことを意味し、従
って、耐衝撃性の尺度として用いることができる。ta
nδが大きいと耐衝撃性が大きい。すなわち、NRとS
BRの組成比が上述の範囲であると、得られる本発明の
組成物のtanδが高く、耐衝撃性に優れる。
は、窒素吸着比表面積(N2 SA)が100m2 /g以
上であり、DBP(ジブチルフタレート)吸油量(DB
P)が100cm3 /100g以上の微細な超微粒子カ
ーボンブラックである。なお、N2 SAは、ATMS
D3037−89により、DBPは、JISK−622
1により測定したものである。N2 SAは、カーボンブ
ラックの比表面積の尺度であり、DBPは、カーボンブ
ラック粒子間のストラクチャーの発達の程度を示す尺度
である。上述のパラメータを全て満たすカーボンブラッ
クは、補強作用に優れ、得られる本発明の組成物の加工
性が良好となる。N2 SAが上述の範囲外であると、得
られる本発明の組成物の耐衝撃性が十分でなく、DBP
が上述の範囲外であると、耐摩耗性、破断強度が低下し
好ましくはない。カーボンブラックの種類としては、好
ましくは平均粒径が20〜25μm以下の超微粒子カー
ボンブラック、例えば、ISAF級、SAF級のカーボ
ンブラックを用いる。粒径がISAF級より大きなカー
ボンブラック、例えば、HAF級等のカーボンブラック
では、得られる本発明の組成物の耐衝撃性が劣る(ta
nδが低い)ので好ましくない。N2 SAは、好ましく
は、100〜250m2 /gである。DBPは、好まし
くは、100〜170cm3 /100gである。
未加硫の上述のゴム100重量部に対し45〜65重量
部である。45重量部未満では、得られる本発明の組成
物の加硫物の耐衝撃性が劣り、表面硬度も十分ではな
い。65重量部超では、本発明の組成物の未加硫時の粘
度が高く混合加工性に劣り、加硫物の伸びも低下する。
配合量は好ましくは、50〜60重量部である。
O2 )は、一般にゴム組成物に用いられる等級のもので
あれば、結晶性シリカ、あるいは沈降性シリカ、高温処
理シリカ等の非晶質のシリカであっても良い。本発明に
用いるシリカとしては、市販品を利用してもよく、例え
ば、日本シリカ(株)製のニップシールAQ等が挙げら
れる。シリカの配合量は、上述のゴム100重量部に対
し、5〜20重量部である。5重量部未満であると、得
られる本発明の組成物の伸び、耐屈曲性、加硫物に鋭利
な物を落とした際にカット傷を受けやすいかを示す耐カ
ット性が低下し、20重量部超では、本発明の組成物の
未加硫時の粘度が高く混合加工性に劣る。好ましくは、
7〜15重量部である。
種石油系炭化水素樹脂、フェノール系樹脂、天然系樹
脂、ロジン系樹脂等を用いることができる。石油系樹脂
としては、ソルベントナフサ中に含まれているクマロ
ン、インデン、スチレン等を共重合させたクマロンプラ
スティック、石油類のスチームクラッキングにより、エ
チレン、プロピレン等を製造するエチレンプラントから
副生する分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノ
オレフィン類を単離せずに重合した樹脂、例えば、
C 5 、C9 およびこれらの共重合樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、キシレノール樹脂、クレゾ
ール樹脂、レゾルシノール樹脂等が挙げられる天然系樹
脂としては、セラック等の動物性天然樹脂、アラビアゴ
ム等の植物性天然ゴム樹脂、ダイマー類、東インド類、
コーパル類等の植物性天然樹脂、天然炭化水素樹脂、ア
ルカロイド、エレミ、マスチック、サンダラック、トラ
ガカントゴム、漆等が挙げられる。ロジン系樹脂として
は、アルキド樹脂と共重合させたロジン変性アルキド樹
脂等を挙げることができる。これらの樹脂としては、市
販品を利用することができ、例えば、東邦化学社製のハ
イレジンRS−9、RS−21、#90、#120、エ
クソン化学社製のエスコレッツ8180等が挙げられ
る。
に対し、2〜7重量部である。2重量部未満であると、
得られる本発明の組成物の伸びと、耐衝撃性が低く(t
anδが小さい)、また、耐カット性も低い。7重量部
超では、耐摩耗性と耐寒性が悪化する。好ましくは、3
〜6重量部である。
硫状態で、(1)温度125℃、L型ローターを用いた
ムーニースコーチ測定で、MIN(最小)トルク90以
下、好ましくは80以下、ML5upが15分以上であ
り;148℃、20〜60分、好ましくは、148℃3
0分の加硫条件で、(2)破断伸びEB が450%、好
ましくは500%以上であり、(3)硬さが、JIS
K6253に準拠して室温で測定して、65〜75であ
り、(4)5mm幅の試験片で、粘弾性スペクトロメー
タを用い、歪み10±2%、周波数20Hz、雰囲気2
0℃の条件で測定したtanδが、0.3以上、好まし
くは0.32以上であり、(5)室温、ストローク20
mm、屈曲数40万回で、クラックの成長が15mm以
下、好ましくは10mm以下;である物性を持ち、耐衝
撃性に優れ、周期的あるいは非周期的に繰り返し与えら
れる曲げ、引張等の動きに対する耐久性の高いコンベア
ベルトカバーが得られる。
え、硫黄、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスル
フェンアミド等の加硫促進剤、アロマオイル等の可塑
剤、老化防止剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で
配合することができる。
の特定組成比のゴムに、上述の特性を有するカーボンブ
ラック、シリカ、樹脂と、上述の通常の各種添加剤を加
え、バンバリーミキサー等で混練する。ついで、混練ロ
ール機等で加硫剤、加硫促進剤を混練し、ゴム組成物と
することができる。また、このゴム組成物から、コンベ
アベルトカバーを製造する方法としては、ゴム組成物を
カレンダーロール等を用いてシート状に成形し、140
〜160℃で、10〜60分間、加圧することにより加
硫ゴムシートとする方法が例示される。
アベルトカバー用ゴム組成物は、破断伸び、tanδが
大きく耐衝撃性に優れる。さらに耐屈曲性、耐カット性
が良好で、また、耐摩耗性、耐寒性も良好である。
ベアベルトカバー用ゴム組成物についてさらに詳細に説
明する。 (実施例1〜10、および比較例1〜6)表1に示す組
成で配合して得られたゴム組成物について、最低ムーニ
ー粘度(MINトルク)、ムーニースコーチタイム(M
L5up)を測定した。得られた未加硫のゴム組成物を
シート状に成形し、148℃、30分(耐カット性用の
試験片では40分)加熱加硫し、得られた加硫シートを
試験片とし、破断強度(T B )、破断伸び(EB )、硬
度(HS (JIS−A))、耐衝撃性(tanδとして
測定)、耐屈曲性、耐カット性を測定し評価した。
ーターを用い、測定温度125℃の測定条件で、ロータ
ーのシャフトにかかるトルクを測定しムーニー単位で記
録した(この値がムーニー粘度である)。粘度−時間曲
線を作り、この曲線における最低値を、最低ムーニー粘
度(MINトルク)とした。なお、最低ムーニー粘度
は、90ムーニー単位以下が好ましい。 (2)ムーニースコーチタイム(ML5up) (1)に記載の測定条件で、ローターを回転させ、最低
ムーニー粘度よりムーニー粘度が5ムーニー単位だけ上
昇するまでに経過した時間(分)を測定した。ムーニー
スコーチタイム(ML5up)は15分以上が好まし
い。
1に記載の方法に準拠して、破断強度(TB )、破断伸
び(EB )を測定した。なお、破断伸びは450%以上
が好ましい。硬度(HS )は、JIS K 6253に
記載の方法に準拠して測定した。硬度は、65以上が好
ましい。 <耐衝撃性> 伸張型粘弾性 東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメータを用いて、2
0℃の測定温度下で、10%伸張させ、振幅±2%の振
動を振動数20Hzで与え測定した。 <耐屈曲性> 屈曲変形におけるクラック成長 JIS K 6260に記載の方法に準拠してクラック
成長試験を行った。試験片の中央にあらかじめ傷をつ
け、室温にてストローク20mmで、毎分300±10
回、合計40万回屈曲させ、亀裂長さを測定し、クラッ
ク(亀裂)成長を耐屈曲性として評価した。 <耐カット性> ギロチンカット 50mm(縦)×100mm(横)×20mm(高さ)
の加硫ゴムサンプルを作製し、室温にて、サンプルの2
5cm上から、重量=5.4kgの鋭利な刃を自然落下
させ、生じた亀裂の深さ[mm]を測定した。結果を表
1に示す。
く耐衝撃性に優れ、耐屈曲性、耐カット性にも優れてお
り、破断強度、破断伸び等の破断特性も良好である。従
って、本発明のゴム組成物は、耐衝撃性コンベアベルト
のカバーゴムとして好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも以下に記載の成分を含有する耐
衝撃性に優れたコンベアベルトカバー用ゴム組成物、
(A)天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムからなり、
天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとの混合比(重量
比)が50/50〜80/20であるゴム100重量
部、(B)窒素吸着比表面積(N2 SA)が100m2
/ g以上、DBP吸油量(DBP)が100cm3 /1
00g以上である超微粒子カーボンブラック45〜65
重量部、(C)シリカ5〜20重量部、および(D)樹
脂2〜7重量部。
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