JP2009051942A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上性能や雪上性能といった低温での運動性能の向上効果に優れるタイヤトレッド用ゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、平均粒径40〜200nmの架橋されたゴム粒子であるポリマーゲルを10重量部以上50重量部以下、及び、植物の多孔質性炭化物(例えば、竹炭)からなる平均粒径10〜500μmの粉末を20重量部以上40重量部以下、含有するタイヤトレッド用ゴム組成物である。前記ポリマーゲルは、トルエン膨潤指数Qiが16未満であり、ガラス転移点が−90〜−25℃であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、及び、同ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関するものである。
氷雪路面では一般路面に比べて著しく摩擦係数が低下し滑りやすくなるので、スタッドレスタイヤやスノータイヤなどの冬用タイヤ(ウインタータイヤ)においては、材料面や設計面で様々な工夫がなされている。
材料面でいえば、例えば、ゴム組成物に対して、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体などの引っ掻き効果のある粒子を添加して、引っ掻き効果により氷上摩擦性能を向上させたり、あるいは、活性炭や竹炭などの吸水効果のある粉末を添加して、氷上路面の水膜を除去することで氷上摩擦力を高めたりするなど、の方策がある(下記特許文献1〜3参照)。
また、ゴム組成物に多量の可塑剤を添加するなどして、トレッドゴムの低温弾性率を低下させ、これにより接地面積を増大させることで、氷上制動性を改善するという方策も知られている。
一般に、冬用タイヤにおけるトレッドゴムの低温弾性率は、十分な接地面積を確保するために、低く設定されている。このような低温弾性率の低いゴムに、吸水効果のある植物の多孔質性炭化物からなる粉末を添加した場合、該粉末の補強効果により低温弾性率が高くなるため、従来は少量添加に限られており、そのため、吸水効果による氷上摩擦力の向上効果も限られていた。
ところで、従来、架橋されたゴム粒子であるポリマーゲル(ゴムゲル)を、タイヤのトレッドゴムに配合する技術が知られている(下記特許文献4〜9参照)。しかしながら、これらの従来技術において、ポリマーゲルは、タイヤのウェット性能や低燃費性を向上するために、カーボンブラックやシリカ等のフィラーを置換するものとして、又はゴム成分を置換するものとして配合されており、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤへの配合についても、またそれによる氷上性能や雪上性能といった低温での運動性能向上についても何ら示唆されていない。
特開平5−269884号公報 特開平11−269306号公報 特開2005−162865号公報 特許第3739198号公報 特許第3299343号公報 特開平10−204217号公報 特開2004−250706号公報 特表2004−504465号公報 特開2005−146053号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、氷上性能や雪上性能といった低温での運動性能の向上効果に優れるタイヤトレッド用ゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、植物の多孔質性炭化物からなる粉末を多量に配合するとともに、架橋されたゴム粒子であるポリマーゲルを併用することで、多孔質性炭化物粉末による吸水効果を最大限に発揮しつつ、接地面積も十分に確保することができ、従って、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、平均粒径40〜200nmの架橋されたゴム粒子であるポリマーゲルを10重量部以上50重量部以下、及び、植物の多孔質性炭化物からなる平均粒径10〜500μmの粉末を20重量部以上40重量部以下、含有するものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物からなるトレッドを備えるものである。
本発明によれば、植物の多孔質性炭化物からなる粉末を上記のように多量に配合することにより、吸水効果を向上することができる。一方で、該粉末を増量すると、その補強効果により、ゴム硬度が高くなって低温弾性率も上昇するが、本発明では、上記ポリマーゲルを併用したことで、一般物性を保持しつつ、低温弾性率を下げて接地面積を大きくすることができる。従って、本発明によれば、優れた吸水効果を発揮しつつ、接地面積を十分に確保することができ、氷上性能や雪上性能といった低温での運動性能に優れた向上効果が得られる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において用いられるゴム成分はジエン系ゴムであり、該ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなど、タイヤトレッド用ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。
上記ゴム成分として、好ましくは、天然ゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドを用いることであり、特に好ましくは、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とのブレンドゴムを用いることである。その場合、BRの比率が少なすぎるとゴム組成物の低温特性が得難くなり、逆に多くなりすぎると加工性の悪化や耐引き裂き抵抗性が低下する傾向になるので、NR/BRの比率は30/70〜80/20、更には40/60〜70/30程度であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、植物の多孔質性炭化物からなる粉末が配合される。植物の多孔質性炭化物は、木や竹などの植物を材料として炭化して得られる炭素を主成分となる固体生成物からなり、本発明ではこのような炭化物を粉砕して得られる粉末状のものが用いられる。該粉末は、ヨウ素吸着法(JIS K6217)による比表面積が150m/g以上であることが好ましく、より好ましくは250m/g以上である。この比表面積が大きいほど多孔質であって吸水速度が速いので、上限は特に限定されないが、通常は350m/g以下である。
該粉末の平均粒径は、10〜500μmであることが好ましく、従って、後述するポリマーゲルよりも粒径は大である。10μm未満であると、吸水、除水効果が不十分となり、逆に500μmを超えると、ゴム中への分散性や加工性の低下、ゴムの破壊特性の低下により耐摩耗性の悪化を来す。該粉末の平均粒径は10〜200μmであることがより好ましい。ここで、平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置にて測定される値である。
上記多孔性炭化物としては、竹を材料として炭化して得られる竹炭が特に好ましい。ここでいう竹は、孟宗竹、苦竹、淡竹、紋竹などの各種の竹のほか、千鳥笹、仙台笹などの笹も含む概念である。竹炭粉末は、その特有の多孔質性により優れた吸着性を発揮することから、氷路面に発生する水膜を効果的に吸水、除去し、路面との摩擦力を高め、タイヤの氷上性能を著しく向上させることができる。
竹炭の製法は、備長炭と同様に竹材を炭化するもので、例えば、特開平9−324180号公報に記載の竹炭の製造法のように、竹材を窯を用いて蒸し焼きにして炭化することにより得られる。得られた竹炭を公知の粉砕機(例えば、ボールミル)を用いて粉末状に粉砕し、例えばJIS Z8801に記載の標準ふるいによって所定の粒径にふるい分けした粒状体を用いることができる。竹炭粉末の形状は、特に限定されるものではなく、例えば略球状、略立方体状、略柱状や略繊維状などの各種形状のもの、またそれらの混合物を用いることができる。
植物の多孔質性炭化物からなる粉末は、上記ゴム成分100重量部に対して、20〜40重量部の範囲内で配合される。このように吸水性を持つ粉末を、従来に比べて多量に配合することにより、吸水効果を最大限に引き出すことができる。すなわち、該粉末の配合量が20重量部未満では、本発明の目的とする高い吸水効果は得られない。逆に、粉末の配合量が40重量部を超えると、加工性が低下したり、引張強度や引裂強度が低下してしまう。
本発明のゴム組成物には、上記多孔質性炭化物の粉末とともに、架橋されたゴム粒子であるポリマーゲル(ゴムゲル)が配合される。ポリマーゲルは、平均粒径(DIN 53 206によるDVN値)が40〜200nmのものが用いられる。
ポリマーゲルを併用することにより、硬度を保持し、また一般物性を保持しつつ、低温弾性率を下げることができる。すなわち、上記のように多孔質性炭化物粉末を増量すると、補強性アップにより硬度が高くなり、それに伴って低温弾性率も高くなるが、ポリマーゲルを併用したことで、一般物性を保持しつつ、低温弾性率を下げることができ、よって接地面積を大きくすることができる。従って、多孔質性炭化物粉末の配合による上記吸水効果の向上とポリマーゲルの併用による低温弾性率の低下との相乗効果により、吸水効果を最大限に発揮しつつ、接地面積も十分に確保でき、氷上性能を大幅に改良することができる。
ポリマーゲルは、ゴム分散液を架橋することにより得られるゲル化ゴム(ゴムゲル)である。該ゴム分散液としては、乳化重合により製造されるゴムラテックス、天然ゴムラテックスの他、溶液重合されたゴムを水中に乳化させて得られるゴム分散液などが挙げられ、また、架橋剤としては、有機ペルオキシド、有機アゾ化合物、硫黄系架橋剤など挙げられる。また、ゴム粒子の架橋は、ゴムの乳化重合中に、架橋作用を持つ多官能化合物との共重合によっても行うことができる。具体的には、特許第3739198号公報、特許第3299343号公報、特表2004−504465号公報、特表2004−506058号公報などに開示の方法を用いることができる。
ポリマーゲルを構成するゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴムが挙げられる。好ましくは、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム又は天然ゴム、又はこれらと他のジエン系ゴムのブレンドゴムであり、特に好ましくは、ブタジエンゴムを主成分とすることである。
該ポリマーゲルは、トルエン膨潤指数Qiが16未満であることが好ましく、より好ましくは1〜15、更に好ましくは3〜8である。トルエン膨潤指数Qiが16以上であると、架橋構造がタイトになり、低温弾性率の低下効果が得られない。また、該ポリマーゲルは、ゲル含量が94重量%以上であることが、ゴム製品の物性安定性の点から好ましい。
ここで、トルエン膨潤指数及びゲル含量は、ポリマーゲルをトルエンに膨潤させた後、乾燥させることにより測定される。すなわち、ポリマーゲル250mgを、トルエン25mL中で、24時間、振とう下に膨潤させ、20000rpmで遠心分離してから、濡れ質量を秤量し、次いで70℃で質量一定まで乾燥させてから、乾燥質量を秤量する。ゲル含量は、使用されたポリマーゲルに対する乾燥後のポリマーゲルの重量比率(%)である。また、トルエン膨潤指数は、Qi=(ゲルの濡れ質量)/(ゲルの乾燥質量)により求められる。
また、該ポリマーゲルは、ガラス転移点(Tg)が−90〜−25℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは−80〜−50℃である。このようなガラス転移点のものを用いることにより、低温弾性率を効果的に下げることができる。ここで、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して測定される。
該ポリマーゲルはC=C二重結合を含有するものであり、かつ、C=C二重結合に対する反応性を有する化合物で変性されたものが好ましく用いられる。すなわち、ジエン系ゴムをベースゴムとして架橋されたポリマーゲルを、C=C二重結合に対する反応性を有する変性剤を用いて変性してなるものが、好ましく用いられる。
C=C二重結合に対する反応性を有する化合物としては、OH(ヒドロキシル)基を有する化合物が特に好適である。具体的には、特表2004−506058号公報に記載されているように、ヒドロキシブチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。このようにポリマーゲルとして、OH基変性されたものを用いることにより、タイヤ性能をより向上させることができる。
C=C二重結合に対する反応性を有する化合物としては、また、メルカプト基、ジチオカーバミン酸塩、キサントゲナートのような、含硫黄反応性基によってポリマーゲルに化学的に結合し得る化合物も挙げられる。該変性は、例えば、特許第3739198号公報に開示の方法を用いて行うことができる。
該ポリマーゲルは、上記ゴム成分100重量部に対して、10〜50重量部の範囲内で配合される。より好ましくは20〜40重量部である。ポリマーゲルの配合量が少なすぎると、多孔質性炭化物粉末を多量に配合することによる低温弾性率の上昇を打ち消すことができない。ポリマーゲルの配合量が50重量部を超えると、引張強度や引裂強度が低下してしまう。
本発明のゴム組成物には、カーボンブラック及び/又は無機充填剤が配合されることが好ましい。上記無機充填剤としてはシリカが好ましく、その場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。ポリマーゲルとともに、これらの補強性充填剤を配合することにより、低温でのゴム硬度の上昇を抑える効果がより良く発揮され、タイヤ性能の改良効果が得られる。これら補強性充填剤の配合量は特に限定されないが、上記ゴム成分100重量部に対して10〜100重量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、氷雪路面に対して引っ掻き効果を持つ防滑材として、植物性粒状体を配合してもよい。植物性粒状体としては、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性の硬質粒状体が用いられる。具体的には、氷の硬さより硬い、換言すればモース硬度が2以上である胡桃(クルミ)、椿などの種子の殻、あるいは桃、梅などの果実の核を公知の方法で粉砕してなる粉砕品を用いることができる。
植物性粒状体は、引っ掻き効果を発揮するとともにトレッドからの脱落を防止するため、平均粒径が10〜1000μmのものが好ましく用いられ、より好ましくは100〜600μmである。ここで、植物性粒状体の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置にて測定される値である。
なお、植物性粒状体としては、ゴムとのなじみを良くして脱落を防ぐために、ゴム接着性改良剤で表面処理されたものを用いてもよく、また、表面処理されたものと表面処理されていないものとを混合して使用することもできる。ゴム接着性改良剤としては、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物とラテックスの混合物を主成分とするもの(RFL液)が挙げられる。
植物性粒状体を更に配合する場合の配合量については、特に限定されないが、ゴム成分100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記した成分の他に、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤトレッド用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
以上よりなる本発明のゴム組成物は、スタッドレスタイヤ、スノータイヤなどの冬用タイヤ(ウインタータイヤ)のトレッド部のためのゴム組成物として好適に用いられ、常法に従い加硫成形することにより、該トレッド部を形成することができる。そして、このゴム組成物からなるトレッド部であると、架橋されたポリマーゲルと多孔質性炭化物粉末とを併用したことで、十分な吸水効果と接地面積確保による相乗効果によって、氷上性能や雪上性能といった低温での運動性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3、
・ブタジエンゴム:宇部興産株式会社製「BR150B」、
・シリカ:株式会社トクヤマ製「トクシールUSG−SL」、
・シランカップリング剤:デグサ製「Si75」、
・オイル:JOMO製「プロセスNC140」。
・ポリマーゲル1:ラインケミー社製「マイクロモフMm30」(ブタジエンゴムをベースとするゴムゲル、平均粒径=130nm、トルエン膨潤指数Qi=5.9、ゲル含量=97重量%、Tg=−80℃、ヒドロキシブチルメタクリレートによる変性品)、
・ポリマーゲル2:ラインケミー社製「マイクロモフMm3B」(スチレンブタジエンゴムをベースするゴムゲル、平均粒径=60nm、トルエン膨潤指数Qi=5.9、ゲル含量=97重量%、Tg=−60℃、ヒドロキシブチルメタクリレートによる変性品)、
・多孔質性炭化物粉末:孟宗竹の竹炭(宮崎土晃(株)製「1号炭」)をハンマーミルで粉砕し、得られた粉砕物をJIS Z8801記載の標準ふるいにより分級した平均粒径50μmの竹炭粉末(ヨウ素吸着比表面積(JIS K6217)=315m/g)。平均粒径の測定は島津製作所製の粒度分布測定装置「SALD−2000A」による。
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100重量部に対して、ステアリン酸(花王製「ルナックS−25」)2重量部、亜鉛華(三井金属製「亜鉛華1種」)2重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)2重量部、ワックス(日本精鑞製「OZOACE0355」)2重量部、硫黄(鶴見化学工業製)2.1重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)1.5重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、ムーニー粘度、硬度、破断伸び、引張強度、引裂強度、低温弾性率を測定した。また、各ゴム組成物を用いてスタッドレスタイヤを作製して、氷上路面における制動性能(氷上制動性能)を評価した。タイヤサイズは185/65R14として、そのトレッドに各ゴム組成物を適用し、定法に従い加硫成形することにより製造した。各使用リムは14×5.5JJとした。各測定・評価方法は次の通りである。
・ムーニー粘度:混合後における各ゴム組成物の100℃でのムーニー粘度(ASTM D1646)を測定。数値が小さいほど、加工性に優れる。
・硬度:JIS K6253に準拠して、160℃×20分で加硫したサンプル(厚みが12mm以上のもの)について、−5℃での硬度を、タイプAデュロメータを用いて測定した。
・破断伸び、引張強度:JIS K6251に準拠した引張試験により測定(3号形ダンベル使用)。
・引裂強度:JIS K6252に準拠して測定(クレセント形試験片)。
・低温弾性率:東洋精機製スペクトロメーターを用いて、周波数10Hz、初期伸張10%、歪み振幅2%で、−5℃での貯蔵弾性率(E’)を測定した。比較例1を100とした指数で表示した。指数が小さいほど低温弾性率が低く、良好であることを示す。
・氷上制動性能:上記タイヤを2000ccのFF車に装着し、氷盤路(−5±3℃)上で40km/h走行からABS作動させて制動距離を測定し(n=10の平均値)、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、制動性能に優れることを示す。
Figure 2009051942
結果は表1に示すとおりであり、本発明に係る実施例であると、コントロールである比較例1に対して、氷上性能が大幅に改良されていた。また、多孔質性炭化物粉末のみを配合した比較例6では、低温弾性率も高くなっていたが、ポリマーゲルを併用した実施例では、一般物性を保持しつつ、低温弾性率を下げることができた。また、ポリマーゲルのみを配合した比較例3では、低温弾性率の低下により氷上制動性能の向上は認められたが、その効果は不十分であった。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッドに用いることができ、特に、スタッドレスタイヤ、スノータイヤなどの各種冬用タイヤに好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、平均粒径40〜200nmの架橋されたゴム粒子であるポリマーゲルを10重量部以上50重量部以下、及び、植物の多孔質性炭化物からなる平均粒径10〜500μmの粉末を20重量部以上40重量部以下、含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記ポリマーゲルは、トルエン膨潤指数Qiが16未満であり、ガラス転移点が−90〜−25℃であることを特徴とする請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ポリマーゲルはC=C二重結合を含有するものであり、かつ、C=C二重結合に対する反応性を有する化合物で変性されたものである請求項1又は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるトレッドを備えた空気入りタイヤ。
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