JPWO2018185976A1 - ゴム部材の耐衝撃性評価方法 - Google Patents

ゴム部材の耐衝撃性評価方法 Download PDF

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Abstract

損失正接tanδは、ゴム部材に所定周波数の振動を印加した際の応力から算出される貯蔵弾性率と損失弾性率との比である。ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いてゴム部材の耐衝撃性能を評価する際に、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を振動の最大速度と一致させることにより損失正接tanδの測定周波数を決定することにより、ゴム部材に実際にかかる衝撃に対応した損失正接tanδの値を用いて耐衝撃性能を評価することができ、耐衝撃性能評価の精度を向上させることができる。

Description

本発明は、ゴム部材の耐衝撃性能を評価する耐衝撃性評価方法に関する。
従来、コンベヤベルト等のゴム部材の性能評価指標として、切断時伸びEbや切断時引張強さTSbなどの機械的強度指標が用いられている。
例えばコンベヤベルトにおいては、搬送物品が積載される際に芯体を覆うカバーゴムに大きな衝撃を受けるため、カバーゴムの表層にカット傷が発生する場合がある。このカット傷を少なくするため、機械的強度(切断時伸びEbや切断時引張強さTSb)の大きなゴムが開発されている。
一般に、この種のゴム材料の評価方法としては、外周面に研磨布が巻付けられた円筒状部材にゴム材料から成る試験片を押付けるとともに、所定回数だけ円筒状部材を回転させ、試験片の磨耗量を測定するDIN磨耗試験が知られている。
また、例えばコンベヤベルト用ゴム材料の耐久性を評価する技術として、コンベヤベルト用ゴム材料から成る試験片に向かって所定時間だけ粒状物を噴射し、粒状物の噴射によって減少した試験片の重量に基づいてゴム材料の耐久性を評価する方法が提案されている(下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、試験片の表面に粒状物が衝突する際に試験片の表面に大きな衝撃力が加わり、その衝撃力が複数回に亘って加わることにより試験片の表面が磨耗する。即ち、試験片に実際のコンベヤベルトが磨耗する場合と同様の磨耗を発生させることができ、実際のコンベヤベルトの耐久性と整合させることができる。
特開2008−224510号公報
コンベヤベルト等、使用時に衝撃を受ける可能性のあるゴム部材では、耐摩耗性に加えて、耐衝撃性能を高めた製品の開発が望まれる。耐衝撃性能には、上記のような機械的強度の他、ゴムのエネルギー吸収性(粘性による変形損失)が影響するが、これらの定量的評価はほとんどなされておらず、改善の余地がある。
例えば、ゴム部材の粘弾性特性を示す指標である損失正接tanδは、測定の簡素化の観点から常温、数十Hzにおける値が用いられているが、ゴム部材の粘性は速度に依存するので、用途に応じた速度領域(周波数領域)の粘性特性を評価するべきである。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ゴム部材の耐衝撃性能を定量的に評価することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いて前記ゴム部材の耐衝撃性能を評価する耐衝撃性評価方法であって、前記ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度に基づいて、前記耐衝撃性能の評価に用いる前記損失正接tanδの測定条件を決定する、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、前記損失正接tanδは、前記ゴム部材に所定周波数の振動を印加した際の応力から算出される貯蔵弾性率と損失弾性率との比であり、前記ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を前記振動の最大速度と一致させることにより前記測定条件である前記所定周波数を決定する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、前記損失正接tanδと前記振動の周波数との関係を示す周波数特性カーブと、前記損失正接tanδと前記ゴム部材の温度との関係を示す温度カーブとは互いに変換可能であり、前記耐衝撃性能の評価に用いる前記損失正接tanδは、前記周波数特性カーブと前記温度カーブとの対応関係に基づいて前記所定周波数に対応する前記温度を算出し、当該温度の前記ゴム部材に振動を印加した際の応力を用いて算出する、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、前記ゴム部材がコンベヤベルトにおいてベルト芯体を被覆するカバーゴムである場合に、前記所定周波数を10kHzとする、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、前記所定周波数を10kHzとした前記損失正接tanδを用いて算出した前記耐衝撃性能評価指数が6000以上の場合に前記耐衝撃性能が高いと判断する、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、前記ゴム部材の前記切断時伸びEbと、前記切断時引張強さTSbと、前記損失正接tanδとを掛け合せた耐衝撃性能評価指数が大きいほど、当該ゴム部材の耐衝撃性能が高いと判断する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いてゴム部材の耐衝撃性能を評価する場合において、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度に基づいて、耐衝撃性能の評価に用いる損失正接tanδの測定条件を決定する。これにより、ゴム部材に実際にかかる衝撃に対応した損失正接tanδの値を用いて耐衝撃性能を評価することができ、耐衝撃性能評価の精度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を振動の最大速度と一致させることにより損失正接tanδの測定時周波数(所定周波数)を決定するので、衝撃の速度によって変化するゴム部材の粘性を反映して耐衝撃性能を評価することができる。
請求項3の発明によれば、損失正接tanδの測定を周波数別ではなく温度別に行う場合においても、ゴム部材の使用時に実際にかかる衝撃に対応した損失正接tanδの値を算出することができる。
請求項4の発明によれば、簡易かつ精度よくコンベアベルトのカバーゴムの耐衝撃性能を評価することができる。
請求項5の発明によれば、想定される使用環境下で十分な耐衝撃性能を有するコンベヤベルトを提供することができる。
請求項6の発明によれば、切断時伸びEb、切断時引張強さTSbおよび損失正接tanδを簡易な方法で一元化して比較することができ、ゴム部材の耐衝撃性能を明瞭に反映した評価指標を提供することができる。
実施の形態にかかる耐衝撃性評価方法の手順を示すフローチャートである。 衝撃の速度に基づく評価用周波数決定方法の説明図である。 衝撃の速度に基づく評価用周波数決定方法の説明図である。 損失正接tanδのマスターカーブを示すグラフである。 サンプルA〜Cの性能評価値および性能評価試験結果を示す表である。 所定期間使用後のコンベヤベルトカバーゴムの表面写真である。 サンプルA〜Cの耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる耐衝撃性評価方法の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態では、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いてゴム部材の耐衝撃性能を評価する。また、本実施の形態では、評価対象のゴム部材がコンベヤベルトの芯体を覆うカバーゴムであるものとする。
図1では便宜的に各ステップを順序付けしているが、各パラメータの測定順序等は入れ替えてもよい。
まず、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbとを測定する(ステップS10)。
切断時伸びEbおよび切断時引張強さTSbは、共に性能評価対象となるゴム部材の試験片を引っ張ることにより測定する。切断時伸びEbは、引っ張りにより試験片が切断した時の伸びであり、初期の標線間距離に対する比率(%)によって示す。切断時引張強さTSbは、引っ張りにより試験片が切断した時に記録される引張力を、試験片の初期断面積で除した値である。
これら切断時伸びEbおよび切断時引張強さTSbの詳細な測定手順は、JIS K6251:加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方に定められている。
つぎに、ゴム部材の損失正接tanδを測定する(ステップS12)。
損失正接tanδは、ゴム部材に所定周波数の振動を印加した際の応力から算出される貯蔵弾性率と損失弾性率との比、すなわち動的粘弾性測定における損失弾性率の貯蔵弾性率に対する割合であり、値が大きいほど粘性が高く、運動エネルギーを熱に変換する性能が高い。また、粘性が高いと衝撃点の見かけの硬さが増すので、応力を周囲に分散させる効果があり、落下物の食い込み量を小さくする。
よって、ゴム部材の損失正接tanδが高いほど、耐衝撃性能が高いと判断できる。
ゴム部材の損失正接tanδの測定は、一般に動的粘弾性測定機によって行う。
動的粘弾性測定機では、ゴム部材の試料は、測定ヘッドにクランプされ、荷重発生部からプローブを介して試料に応力が与えられる。この応力は、測定条件の一つとして設定された周波数による正弦波力として、試料の歪振幅が一定となるように与えられる。この正弦波力により生じた試料の変形量(ゆがみ)は、変位検出部により検出され、試料に与えた応力と検出したゆがみから、損失正接tanδ等の各種の粘弾性量が算出・出力される。
温度一定の場合、図4に示すような横軸に周波数、縦軸にtanδ(他、貯蔵弾性率および損失弾性率も出力可能)を示したマスターカーブが得られる。
図4では、3種類のゴム部材(サンプルA〜C)の損失正接tanδを示している。
サンプルAは自社開発による耐衝撃性ゴム実施例、サンプルBはJIS K6369に示されるゴム種H適合品(JIS−H適合品)、サンプルCはJIS K6369に示されるゴム種S適合品(JIS−S適合品)である。
それぞれのゴム部材の損失正接tanδは、全体として低周波帯から高周波帯にかけて大きくなるが、周波数特性についてはそれぞれ異なっている。
なお、コンベヤベルトのカバーゴム厚さは一般に5mmから25mmの場合が多く、本実施の形態では厚さ10mmの試料を用いた。また、温度条件は20℃とした。
また、実務的には、図4に示すような周波数軸を有するマスターカーブを得る場合に、振動の周波数を変化させて測定を行うのではなく、試料の温度を変化させて測定を行う。これは、損失正接tanδと振動の周波数との関係を示す周波数特性カーブと、損失正接tanδと測定を行う環境温度との関係を示す温度特性カーブとが互いに変換可能であるためである。
周波数特性カーブと温度特性カーブとの変換方法は従来技術であるため説明を省略するが、低温における損失正接tanδが高周波帯における損失正接tanδに、高温における損失正接tanδが低周波帯における損失正接tanδに、それぞれ対応する。
つづいて、耐衝撃性能の評価に用いる損失正接tanδの周波数(評価用周波数)を決定する(ステップS14)。
上述のように、ステップS12では、横軸に周波数を取った周波数特性カーブとして損失正接tanδが得られる。ステップS14では、このマスターカーブから耐衝撃性能の評価に用いる損失正接tanδを決定する。
具体的には、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を振動の最大速度と一致させることにより、耐衝撃性能の評価に用いる損失正接tanδの周波数である評価用周波数を決定する。
図2および図3を用いて、衝撃の速度に基づく評価用周波数の決定方法について説明する。
例えば、評価対象のゴム部材が、コンベヤベルトの芯体を覆うカバーゴムである場合、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃とは、搬送物品が積載される際に受ける際の衝撃となる。一般に、コンベヤベルトの搬送物品は、シュートなどによりコンベヤベルト表面(カバーゴム表面)より高い位置から落下させられ、コンベヤベルト上に積載される。
コンベヤベルト上に搬送物品が到達する際の落下速度Vfは、搬送物品の落下高さHによって決まる。すなわち、V=√2gH(g:重力加速度)となる。
図2は、搬送物品の落下高さHとコンベヤベルト到達時の落下速度Vfとの関係を示すグラフである。例えば、コンベヤベルトの搬送物品が鉱石などの場合、落下高さHは高いもので8m程度となる。この場合、コンベヤベルト到達時の落下速度Vfは12.5m/s程度になる。
また、落下高さHが比較的短く、例えば0.5m程度の場合は、コンベヤベルト到達時の落下速度Vfは3.1m/s程度になる。
つぎに、落下速度Vfを損失正接tanδの測定条件と結びつけるため、動的粘弾性測定における振動の最大速度を考える。
図3に示すように、正弦波において、振幅A、周波数f(角周波数ω=2πf)とすると、変位U = Asin(ωt)、速度V = Aωcos(ωt) となる。
最大速度Vxは、cos0°=1のときに得られ、
Vx = Aω = 2πAf となる。
この最大速度Vxと先に検討した落下速度Vfに置き換えると、
f=Vf/2πA となる。
正弦波の振幅Aを0.1mmとし、先に検討した落下速度Vf=3.1m/s(高さ0.5mからの落下)〜12.5m/s(高さ8mからの落下)を代入すると、正弦波の周波数fは4.9kHz(高さ0.5mからの落下)〜19.9kHz(高さ8mからの落下)が対応する。この領域を図4に示すtanδのグラフに対応させると、網掛け部(Logf=3.7〜4.3付近)のようになる。この領域では、サンプルAのtanδが最も高く、次いでサンプルC、サンプルBの順になっている。
落下物(搬送物品)がカバーゴムに当たった際にカバーゴムが傷つかないためには、落下物の食い込みが最大になる時点での機械的強度が高いことが要求される。このとき、落下物は落下方向に速度が0になった状態なので、機械的強度の指標は実験室で測定した切断時伸びEbおよび切断時引張強さTSbをそのまま使うのが合理的である。
これに対して、衝突初期のエネルギー吸収性は、落下物がカバーゴムに接触する初期速度に影響されることから、ゴム部材の粘性を表すtanδはゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を考慮して設定するのが合理的である。
例えば高さ0.5mから搬送物品が落下される環境で使用されるカバーゴムは4.9kHzを評価用周波数とし、高さ8mから搬送物品が落下される環境で使用されるカバーゴムは19.9kHzを評価用周波数とする。
ところで、ゴム部材の製造段階では、ゴム部材が実際に使用される環境を詳細に把握できず、評価用周波数を特定するのが困難な場合もある。そこで、上記のように評価対象となるゴム部材がコンベヤベルトの芯体を覆うカバーゴムである場合、評価用周波数の代表値として例えば10kHzを用いる。
これは、評価用周波数が10kHzより低いカバーゴム、すなわち使用環境下における衝撃速度が低いカバーゴムについては、耐衝撃性能の要求が低く、耐衝撃性能評価指数を用いた評価を行う必要性も低いためである。図4に示すように損失正接tanδは周波数が大きくなるほど値が大きくなるが、10kHzを耐衝撃性が要求されるカバーゴムの評価用周波数の代表値とすることによって、簡易かつ精度よく耐衝撃性能を評価することができる。
なお、図1のフローチャートでは損失正接tanδのマスターカーブ測定後に評価用周波数を決定したが、これに限らず、例えば評価用周波数を決定した後、ピンポイントで当該周波数の損失正接tanδを測定してもよい。
また、上記のように、温度特性カーブを周波数特性カーブに変換する場合、両カーブの対応関係に基づいて評価用周波数に対応する温度を算出し、当該温度のゴム部材に振動を印加した際の応力をピンポイントで測定して損失正接tanδを算出してもよい。
最後に、切断時伸びEb、切断時引張強さTSbおよび損失正接tanδを用いてゴム部材の耐衝撃性能を評価する(ステップS16)。
本実施の形態では、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを掛け合せた耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)が大きいほど、当該ゴム部材の耐衝撃性能が高いと判断する。
図5は、サンプルA〜Cの性能評価値および性能評価試験結果を示す表である。なお、図5に示す各値は同種のサンプルを複数用意して計測した値の平均値である。
図5においては、損失正接tanδの評価用周波数を10kHzとし、最も損失正接tanδが大きかったサンプルAの値を100とする相対値として示した。
切断時引張強さTSbはサンプルA,B,Cの順に22.3、28.2、20.9、切断時伸びEbは572、562、530、損失正接tanδの相対値は100、73、87であった。
これらの測定値から耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)の相対値は、サンプルA,B,Cの順に100、90、76となり、サンプルA,B,Cの順に耐衝撃性能が高いと判断できる。
また、上記のように、耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)の相対値を用いて複数のサンプルの耐衝撃性能を相対的に比較する他、耐衝撃性能評価指数の絶対値を用いてサンプルが所定の耐衝撃性能を満たしているかを判断するようにしてもよい。
具体的には、例えば評価対象となるゴム部材がコンベヤベルトの芯体を覆うカバーゴムである場合、評価用周波数=10kHzにおける損失正接tanδを用いて算出した耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)が例えば6000以上の場合に、耐衝撃性能が高い(所定の耐衝撃性能を満たしている)と評価する。
図5には、更にサンプルA,B,Cの切断エネルギー指数(Eb×TSb)、および耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)の絶対値を示している。また、図7は、サンプルA〜Cの耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)を示すグラフである。切断エネルギー指数(Eb×TSb)に対して、各周波数におけるtanδ(図4参照)を掛け合せたのが図7のグラフとなる。
図5に示すように、切断エネルギー指数(Eb×TSb)は、サンプルA,B,Cの順に12761、15848、11077であり、切断エネルギー指数(Eb×TSb)に10kHzにおける損失正接tanδを掛け合せた耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)は6543、5901、4944となる。
よって、上記基準に照らせば、サンプルAのみが耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)6000以上に適合する。
性能評価試験は、落下衝撃試験、DIN摩耗試験および所定期間使用後のコンベヤベルトカバーゴムの表面観察を行った。
落下衝撃試験は、試料表面に所定高さから針を落下させ、針のささった深さを測定した。その結果は、サンプルA,Bの順に17.2mm、19.9mm(サンプルCについては未実施)であり、サンプルAの方がサンプルBよりも落下衝撃に対する耐性が高いことが分かった。
また、DIN摩耗試験はJIS K6264−2に規定される方法で行い、その結果は、サンプルA,B,Cの順に122、117、167であった。これにより、DIN摩耗への耐性は、サンプルAおよびBが同程度に高く、サンプルCはサンプルAおよびBと比べて低いことが分かった。
サンプルA〜Cと同素材で形成されたコンベヤベルトカバーゴムの所定期間使用後の表面写真を図6に示す。サンプルAはカバーゴムの表面のカット傷が非常に少なかった。サンプルBのカット傷はサンプルAよりは多いものの比較的少なかった。これに対して、サンプルCは多くのカット傷が発生していた。
これらの結果から、切断時伸びEb、切断時引張強さTSbおよび損失正接tanδを用いた耐衝撃性能評価指数(Eb×TSb×tanδ)が実際のゴム部材の耐衝撃性能を精度よく反映していることが分かった。
以上説明したように、実施の形態にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いてゴム部材の耐衝撃性能を評価する場合において、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度に基づいて、耐衝撃性能の評価に用いる損失正接tanδの測定条件を決定する。これにより、ゴム部材に実際にかかる衝撃に対応した損失正接tanδの値を用いて耐衝撃性能を評価することができ、耐衝撃性能評価の精度を向上させることができる。
また、実施の形態にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を振動の最大速度と一致させることにより損失正接tanδの測定時周波数(所定周波数)を決定するので、衝撃の速度によって変化するゴム部材の粘性を反映して耐衝撃性能を評価することができる。
また、実施の形態にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、損失正接tanδの測定を周波数別ではなく温度別に行う場合においても、ゴム部材の使用時に実際にかかる衝撃に対応した損失正接tanδの値を算出することができる。
また、実施の形態にかかるゴム部材の耐衝撃性評価方法は、切断時伸びEb、切断時引張強さTSbおよび損失正接tanδを簡易な方法で一元化して比較することができ、ゴム部材の耐衝撃性能を明瞭に反映した評価指標を提供することができる。
また、このような評価指標により、耐衝撃性ゴム部材の開発方針を明確にすることができる。例えば低周波帯の損失正接tanδが高いことは走行抵抗上昇につながるので、低周波帯の損失正接tanδは抑えつつ、衝撃の速度に対応する高周波帯の損失正接tanδを向上させたゴム部材を開発するなど、選択的に耐カット性を高めたゴム部材の開発方針を立てる上で有利となる。

Claims (6)

  1. ゴム部材の切断時伸びEbと、切断時引張強さTSbと、損失正接tanδとを用いて前記ゴム部材の耐衝撃性能を評価する耐衝撃性評価方法であって、
    前記ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度に基づいて、前記耐衝撃性能の評価に用いる前記損失正接tanδの測定条件を決定する、
    ことを特徴とするゴム部材の耐衝撃性評価方法。
  2. 前記損失正接tanδは、前記ゴム部材に所定周波数の振動を印加した際の応力から算出される貯蔵弾性率と損失弾性率との比であり、前記ゴム部材の使用条件下で加わる衝撃の速度を前記振動の最大速度と一致させることにより前記測定条件である前記所定周波数を決定する、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴム部材の耐衝撃性評価方法。
  3. 前記損失正接tanδと前記振動の周波数との関係を示す周波数特性カーブと、前記損失正接tanδと前記ゴム部材の温度との関係を示す温度カーブとは互いに変換可能であり、
    前記耐衝撃性能の評価に用いる前記損失正接tanδは、前記周波数特性カーブと前記温度カーブとの対応関係に基づいて前記所定周波数に対応する前記温度を算出し、当該温度の前記ゴム部材に振動を印加した際の応力を用いて算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載のゴム部材の耐衝撃性評価方法。
  4. 前記ゴム部材がコンベヤベルトにおいてベルト芯体を被覆するカバーゴムである場合に、前記所定周波数を10kHzとする、
    ことを特徴とする請求項2または3記載のゴム部材の耐衝撃性評価方法。
  5. 前記所定周波数を10kHzとした前記損失正接tanδを用いて算出した前記耐衝撃性能評価指数が6000以上の場合に前記耐衝撃性能が高いと判断する、
    ことを特徴とする請求項4記載のゴム部材の耐衝撃性評価方法。
  6. 前記ゴム部材の前記切断時伸びEbと、前記切断時引張強さTSbと、前記損失正接tanδとを掛け合せた耐衝撃性能評価指数が大きいほど、当該ゴム部材の耐衝撃性能が高いと判断する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のゴム部材の耐衝撃性評価方法。
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