JP2000198417A - 乗員拘束保護システムにおけるモニタシステム - Google Patents

乗員拘束保護システムにおけるモニタシステム

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JP2000198417A
JP2000198417A JP11128867A JP12886799A JP2000198417A JP 2000198417 A JP2000198417 A JP 2000198417A JP 11128867 A JP11128867 A JP 11128867A JP 12886799 A JP12886799 A JP 12886799A JP 2000198417 A JP2000198417 A JP 2000198417A
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seat belt
motor
reel
rotation
belt
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Hitoshi Fujita
藤田仁
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Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員拘束保護システムの状態確認、テストおよ
び設定を短時間でどこででも簡単に行うようにする。 【解決手段】MSBシステム100は、シートベルトリ
トラクタ101と、このシートベルトリトラクタ101
を駆動する駆動装置102と、シートベルトリトラクタ
101や駆動装置102の状態を検出するセンサ103
と、このセンサ103の検出信号および外部入力に基づ
いて駆動装置102を制御する制御装置104と、制御
装置104の制御内容およびセンサ103の検出内容を
格納するメモリ105とからなっている。モニタシステ
ム106は例えば簡単に持ち運び可能な携帯用パソコン
で構成され、通信ライン107によりMSBシステム1
00の制御装置104に接続されて、MSBシステム1
00の状態をモニタするシステムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
装備されている乗員拘束保護システム(AdvancedSafety
Belt System:以下、ASBシステムともいう)の技術
分野に属し、特に、ASBシステムの状態確認、テスト
および設定を行うための乗員拘束保護システムにおける
モニタシステム(以下、ASBモニタシステムともい
う)の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術分野】従来から自動車等の車両に装備され
ているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減
速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで
乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出し
を阻止して、乗員を保護している。
【0003】このようなシートベルト装置においては、
シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタが設け
られている。このシートベルトリトラクタは、シートベ
ルトを巻き取るリールを常時巻取り方向に付勢するうず
巻きばね等の付勢力付与手段を備えており、この付勢力
付与手段の付勢力により、シートベルトは非装着時には
リールに巻き取られているが、装着時には付勢力付与手
段の付勢力に抗して引き出されて、乗員に装着される。
そして、シートベルトリトラクタは、前述のような緊急
時にロック手段が作動してリールの引出し方向の回転を
阻止することにより、シートベルトの引出しが阻止され
る。これにより、緊急時にシートベルトは乗員を確実に
拘束し、保護するようになる。
【0004】ところで、このような従来からのシートベ
ルト装置においては、シートベルト装着時には付勢力付
与手段の付勢力によるほぼ一定のベルトテンションがシ
ートベルトに加えられているため、シートベルトリトラ
クタは自車と自車周囲の物体との間の状況に関係なくほ
ぼ同じ態様で作動するようになっている。しかしなが
ら、従来のシートベルト装置は前述のように緊急時に乗
員を確実に拘束し保護することができるが、前述のよう
な緊急時以外のときに乗員に対してより快適に制御され
ているとは言えない。しかも、緊急時に乗員を堅固に拘
束して更に一層確実に保護するようにすることが望まし
い。
【0005】そこで、自車と物体との間の状況を加味し
てDCモータでシートベルトリトラクタを制御し、ベル
トテンションを調節することにより、乗員の拘束保護を
より一層効率よくかつ乗員に対してより一層快適に行う
ようにしたASMシステムが、特開平9−132113
号公報において提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この公開公
報のASBシステムにおいては、このASBシステムの
製品としての出荷時やメンテナンス時に、現在設定され
ているASBシステムのモード、現在設定されているモ
ータの駆動回転数および現在設定されているベルト格納
位置等の現在設定されているASBシステムの状態を確
認して、テストあるいは設定変更を行う必要がある。
【0007】しかしながら、このようなテストあるいは
設定変更を行うにあたっては、従来は、ASBシステム
を搭載した車両を、いちいち、テスト装置のある場所に
移動して、ASBシステムの状態を確認し、テストある
いは設定変更を行わなければならなかった。しかも、各
設定値の変更をソフト上で行われるともに、テスト装置
のある場所では直接各設定値の変更を行うことができな
いため、設定値を変更するにあたっては、ソフトそのも
のを変更しなければならなかった。このため、従来、出
荷時やメンテナンス時におけるASBシステムの状態確
認、テストおよび設定は実施場所が制限されているばか
りでなく、手間と時間がかかり、これらを短時間で簡単
に行うことができないという問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、乗員拘束保護システムの
状態確認、テストおよび設定を短時間でどこででも簡単
に行うことのできる乗員拘束保護システムにおけるモニ
タシステムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、シートベルトを巻き取るシー
トベルトリトラクタと、このシートベルトリトラクタを
駆動する駆動装置と、これらのシートベルトリトラクタ
や駆動装置の状態を検出するセンサと、このセンサの検
出信号および外部入力に基づいて前記駆動装置を制御す
る制御装置と、この制御装置の制御内容および前記セン
サの検出内容を格納するメモリとからなる乗員拘束保護
システムにおいて、前記制御装置に通信ラインを介して
着脱可能に接続されて乗員拘束保護システムの状態をモ
ニタすることを特徴としている。
【0010】また、請求項2の発明は、乗員拘束保護シ
ステムをモニタする内容が、前記センサの情報および前
記乗員拘束保護システムの制御状態の少なくとも1つの
監視、前記メモリに格納されたデータの読み出しおよび
変更のすくなくとも1つであることを特徴としている。
【0011】更に、請求項3の発明は、シートベルトを
巻き取るリールと、作動時にリールのベルト引出し方向
の回転を阻止するロック手段と、ロック手段を必要時に
作動させるロック作動機構と、車両の減速度を検知する
減速度検知手段と、前記リールの回転量を検出して電気
信号に変換するリール回転量検出手段と、リールをシー
トベルトの巻取り方向に付勢するスプリング手段と、ス
プリング手段のばね力を制御するとともに、リールを回
転駆動するモータと、必要時にモータの回転をリールに
伝達するクラッチ機構と、モータの回転量を検出して電
気信号に変換するモータ回転量検出手段と、自車の前方
の状態および前記シートベルトの装着状況等の自車の状
況に応じて前記モータを制御する中央処理装置(CP
U)とからなるシートベルトリトラクタを少なくとも備
え、前記CPUは前記シートベルトが最大限巻き取られ
たときの前記リール回転量検出手段の検出リール回転量
がシートベルト格納位置として設定されて書き込まれる
とともに、前記モータの駆動回転数が書き込まれるメモ
リを有し、更に、前記CPUが前記リール回転検出手段
によって検出された前記リールの回転量と前記モータ回
転量検出手段によって検出された前記モータの回転量と
に基づいて自車の運転状況に応じて前記シートベルトの
ベルトテンションを制御するようになっている乗員拘束
保護システムに用いられ、前記CPUに通信ケーブルを
介して接続可能でかつ携帯可能なパーソナルコンピュー
タからなるモニタシステムであって、乗員拘束保護シス
テムの状態を表示する画面を有し、前記画面に、前記リ
ール回転量検出手段によって検出されるリール回転量を
表示するリール回転量表示部と、前記モータ回転量検出
手段によって検出されるモータ回転量を表示するモータ
回転量表示部と、前記シートベルト格納位置を表示する
ベルト格納位置表示部と、前記CPUのメモリに書き込
まれている前記シートベルト格納位置を前記ベルト格納
位置表示部に表示するための第1リード用ソフトキー
と、前記CPUのメモリに前記シートベルト格納位置を
書き込むための第1ライト用ソフトキーと、前記スプリ
ング手段のばね力を表示するばね力表示部と、前記モー
タ駆動回転数を表示するモータ駆動回転数表示部と、前
記CPUのメモリに書き込まれている前記モータ駆動回
転数を前記モータ駆動回転数表示部に表示するための第
2リード用ソフトキーと、前記CPUのメモリに前記モ
ータ駆動回転数を書き込むための第2ライト用ソフトキ
ーとが設けられていることを特徴としている。
【0012】更に、請求項4の発明は、更に前記乗員拘
束保護システムが、前記自車の状況に応じて所定数のモ
ードが設定されているとともに、これらのモード毎に前
記ベルトテンションが設定されており、前記画面に、前
記モードのうち、現在設定されているモードを表示する
モード表示部が設けられており、更に、前記CPUが前
記乗員拘束保護システムで設定される前記モードに対応
して前記ベルトテンションの制御を正しく行うかどうか
をテストするために、モードに対応したテスト信号を前
記CPUに送出するためのテスト用ソフトキーが設けら
れていることを特徴としている。
【0013】
【作用】このように構成された本発明に係る乗員拘束保
護システムにおけるモニタシステムにおいては、ASB
システムの出荷時やメンテナンス時にこのASBシステ
ムの各設定項目の確認、設定およびテスト等を行う場
合、モニタシステムを通信ラインにより、対象とするA
SBシステムの制御装置に接続する。すると、ASBシ
ステムの各設定項目がモニタシステムの画面上の各表示
部に表示されるので、これらの設定項目を確認できる。
また、CPUのコントロール基板のメモリに書き込まれ
ている設定値を変更する場合は、モニタシステムの画面
上のソフトキーを操作することにより、メモリ内の設定
値が簡単に変更されるようになる。更に、モニタシステ
ムの画面上のテスト用ソフトキーを操作してテスト信号
をCPUに入力することにより、各モードのテストが簡
単に行われるようになる。
【0014】このように、本発明のモニタシステムで
は、ASBシステムの出荷時やメンテナンス時あるいは
その他の必要なときにはいつでも、このASBモニタシ
ステムを用いることにより、ASBシステムの各設定項
目の確認、設定、テストがどこででも短時間で簡単に行
われるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の乗員拘束保護シ
ステムにおけるモニタシステムの実施の形態の一例を模
式的に示す図である。この例におけるASBシステムお
よびそのモニタシステムは、それぞれ次のように構成さ
れている。
【0016】図1に示すASBシステムは電動式シート
ベルトシステム(以下、MSBシステムともいう)10
0であり、このMSBシステム100は大きく分けて、
シートベルトリトラクタ101と、このシートベルトリ
トラクタ101を駆動する駆動装置102と、シートベ
ルトリトラクタ101や駆動装置102の状態を検出す
るセンサ103と、このセンサ103の検出信号および
外部入力に基づいて駆動装置102を制御する制御装置
104と、制御装置104の制御内容およびセンサ10
3の検出内容を格納するメモリ105とからなってい
る。
【0017】シートベルトリトラクタ101は、例えば
前述の公開公報に記載されているリトラクタと同種の構
造のものであり、スプリング手段によってリールがシー
トベルトを巻き取る方向に常時付勢されるようになって
いるとともに、駆動装置102によってシートベルトが
軽く引き出せるようにベルト引出しの補助や、車両衝突
等の緊急時に乗員を強制的に拘束する機能を有するもの
である。また、駆動装置102は前述のDCモータや、
その他ACモータ、あるいは超音波モータ等からなって
いて、前述のスプリング手段のばね力を調整したり、リ
ールを直接ベルト巻取り方向に回転させるものである。
【0018】更に、センサ103は、シートベルトの引
出し状態等のシートベルトリトラクタ101の状態や、
モータの回転量やモータの故障あるいは発熱等の駆動装
置の状態を検出するものである。これらのセンサ103
としては、バックルスイッチ、ボリュームセンサ、ベル
トの引出し状態等の検出のためのエンコーダ、あるいは
モータの発熱等を検出するためのサーミスタ等がある。
【0019】更に、制御装置104は、駆動装置10
2、センサ103、メモリ104、およびチンターフェ
ース部(外部I/O)を介して車内外部装置に接続され
ており、センサ103からの検出情報および外部I/O
を介して入力される車内外部装置からの外部入力情報に
基づいて、駆動装置102を制御することで、ベルト張
力を調節するとともに、駆動装置102の故障や発熱等
の信号を外部I/Oを介して車内外部装置に出力するよ
うになっている。車内外部装置として、車速センサ、前
方車両等の車両周囲の障害物の検出センサ、衝突セン
サ、車両減速度センサ、あるいはワーニングランプ等が
あり、車速センサ、前方車両等の車両周囲の障害物の検
出センサ、衝突センサ、あるいは車両減速度センサから
の検出情報に基づく例えば緊急信号等がこの制御装置1
04に入力されるとともに、制御装置104はベルトに
巻き取り張力を発生させ、乗員を拘束保護する。
【0020】メモリ105は、制御装置102がシート
ベルトリトラクタ101の駆動装置102をコントロー
ルするのに必要なデータであって、予め設定されたデー
タや変更されたデータ、あるいは外部I/Oを通して入
力されてくる緊急情報入力信号の履歴などのデータを格
納する不揮発性メモリである。このメモリ105として
は、E2PROMなどがある。
【0021】一方、モニタシステム106は例えば簡単
に持ち運び可能な携帯用パソコンで構成され、後述する
通信ライン107によりMSBシステム100の制御装
置104に接続されて、MSBシステム100の状態を
モニタするシステムである。そして、このモニタシステ
ム106により、センサ情報やMSBシステム100の
制御状態を監視したり、メモリ105に格納されたデー
タの読み出しあるいはデータの変更を行うようになって
いる。
【0022】更に、通信ライン107はMSBシステム
100の制御装置104とモニタシステム106との間
で相互に情報をやり取りするためのデータ通信ラインで
あり、データ通信方法としては、RS232ーC、CA
N、USB、IEE1394等による通信方法あるいは
独自の通信方法が考えられる。
【0023】そして、このモニタシステム106によ
り、MSBシステム100の工場組立時の各種初期デー
タの設定、出荷時の検査、MSBシステム100の車両
取付時の各種データの設定およびMSBシステム100
の動作チェック、カーディーラーや修理工場でのMSB
システム100の動作チェック、設定データの読み取り
および変更、あるいは動作履歴の読み取り等が行われる
ようになっている。
【0024】次に、このようなASBシステムおよびA
SBモニタシステムの具体的な一例について説明する。
図2は、本発明のASBモニタシステムが適用されるA
SMシステムのMSBシステムに採用されるシートベル
トリトラクタを示す分解斜視図、図3ないし図8は、図
2を部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図、図9
はこの例のシートベルトリトラクタの組立状態の縦断面
図である。
【0025】図2に示すように、この例のMSBシステ
ムに用いられるシートベルトリトラクタ1は、大きく分
けてフレーム2と、シートベルト3を巻き取るリール4
と、フレーム2の一側に配設され、作動時にリール4の
ベルト引出し方向αの回転を阻止するロック手段5と、
このロック手段5を必要時に作動させるロック作動機構
6と、衝突等の大減速度時にロック手段5の作動により
シートベルト引出が阻止されたとき、シートベルトの荷
重を制限するフォースリミッタ機構(以下、EA機構と
もいう)7と、車両減速度を検知する減速度検知手段8
と、リール4のベルト巻取り初期設定位置からの回転量
を検出して電気信号に変換するリール回転量検出手段9
と、回転トルクを後述するクラッチ機構11を介してリ
ール4に付与するとともに、回転トルクを後述するスプ
リング手段13に付与する超音波モータ10と、超音波
モータ10の回転トルクを、スプリング手段13を介さ
ずにリール4の方へ伝達するクラッチ機構11と、この
クラッチ機構11を介して伝達される超音波モータ10
の回転トルクを減速してリール4に伝達する減速機構1
2と、リール4をシートベルト3の巻取り方向βに付勢
するスプリング手段13と、超音波モータ10の回転軸
のモータ回転初期設定位置からの回転量を検出して電気
信号に変換するモータ回転量検出手段14と、超音波モ
ータ10を駆動するためのドライバユニット15とから
なっている。
【0026】図3に示すように、フレーム2は平行な一
対の側壁16,17とこれらの側壁16,17を連結する
背板18とからなっている。このフレーム2内の両側壁
16,17間には、シートベルト3を巻き取るためのリ
ール4が配設されている。一方の側壁16には円形の大
孔16aが穿設されているとともに、この大孔16aの
周縁に、所定数(図示例では6個)の小孔16bが周方
向に等間隔に穿設されている。また、他方の側壁17に
も、円形の大孔17aが大孔16aと同心に穿設されて
いるとともに、この側壁17の内側に、内周面に所定数
のラチェット歯状の内歯19aを有する円形の大孔が穿
設された内歯形成部材19が、これらの内歯19aを大
孔17aと同心にして固定されている。更に、側壁17
には、減速度検知手段8を取り付ける取付孔17bが穿
設されている。
【0027】リール4は、シートベルト3を巻き取るシ
ートベルト巻取部4aと、このシートベルト巻取部4a
の両端のフランジ部4b,4cとからなり、その中央に
軸方向に貫通する貫通孔4dが穿設されている。その場
合、貫通孔4dは、図示しないが側壁16側の端部が後
述するキャリヤ54(図2および図3に図示)の断面正
6角形の軸部54cが嵌合可能で、かつリール4とキャ
リヤ54と後述するトーションバー27とが一体回転可
能になる断面正6角形状の孔に形成され、また側壁17
側の端部が後述するストッパ28(図2および図4に図
示)が嵌合可能でかつリール4とストッパ28とが一体
回転可能になる断面形状の孔に形成されている。
【0028】図4に示すように、ロック手段5はロッキ
ングベース20とパウル21とを備えている。ロッキン
グベース20は、ディスク部20aとねじ軸部20bと
からなり、その中心に軸方向に貫通する貫通孔20cが
穿設されている。この貫通孔20cのディスク部20a
に対応する部分は、断面正6角形状孔20c′とされて
いる。また、ディスク部20aには、パウル21を回転
可能に支持するための孔20dが穿設されていると共
に、この孔20dと同心円の円弧状の荷重被伝達部20
eが形成されている。この荷重被伝達部20eはパウル
21からの荷重を受けるようになっている。更に、ディ
スク部20aの外周面の荷重被伝達部20eと反対側の
部分には、所定範囲にわたってギザギザの刻み歯20f
が形成されており、この刻み歯20fは内歯19aに係
合可能となっている。更に、ディスク部20aには、後
述の図5に示すパウルスプリング26の一端を支持する
スプリング支持部20gが設けられている。
【0029】一方、パウル21は回転基端に穿設された
孔21aを有しており、この孔21aとロッキングベー
ス20の孔20dとに図示しないピン等の固定具を嵌合
させることにより、パウル21がロッキングベース20
に回転可能に取り付けられている。また、パウル21の
先端には、内歯形成部材19の内歯19aに係合可能な
係止爪21bが形成されていると共に、突出軸からなる
カムフォロワ21cが設けられている。更に、パウル2
1bには、円弧状の荷重伝達部21dが形成されてお
り、この荷重伝達部21dは、係止爪21bが内歯19
aに係合したとき、パウル21bに作用する反力をロッ
キングベース20の荷重被伝達部20eに伝達させるよ
うになっている。すなわち、パウル21bの反力をロッ
キングベース20で支持するようになっている。
【0030】図5に示すように、ロック作動機構6は、
ロックギヤ22と、フライホイール23と、ロックギヤ
22とフライホイール23との間に縮設されるフライホ
イールスプリング24と、フレーム2の側壁17の着脱
可能に固定されるリテーナ25と、ロッキングベース2
0とロックギヤ22との間に縮設されるパウルスプリン
グ26とを備えている。
【0031】ロックギヤ22は、ディスク部22aと、
このディスク部22aの外周に形成され、その外周面に
形成された所定数のラチェット歯状の外歯22bを有す
る環状歯部材22cとからなっている。ディスク部22
aの中心には、筒状のボス22dが形成されていると共
に、このボス22dの近傍にフライホイール23を回転
可能に支持する支持軸22eが突設されている。更に、
ディスク部22aの外周側には、フライホイール23の
回転を所定範囲に規制する第1および第2ストッパ22
f,22gが設けられていると共に、ディスク部22a
を貫通するカム孔22hが穿設されている。このカム孔
22hには、パウル21のカムフォロワ21cが嵌合さ
れるようになっており、したがってロックギヤ22がロ
ッキングベース20に対して相対回転したとき、カムフ
ォロワ21cがカム孔22hにガイドされることによ
り、パウル21が回転するようになっている。更に、デ
ィスク部22aにはパウルスプリング26の一端を支持
するスプリング支持部22iが設けられている。
【0032】フライホイール23は、ロックギヤ22の
支持軸22eに回転可能に嵌合される支持孔23aが穿
設されていると共に、先端に係止爪23bが形成された
係止部23cが設けられている。そして、フライホイー
ル23が支持孔23aに回転可能に支持されたとき、こ
の係止部23cは第1および第2ストッパ22f,22
gの間に位置するようになっている。したがって、フラ
イホイール23の回転は、第1および第2ストッパ22
f,22gの間に規制され、係止部23cが第1ストッ
パ22fに当接しているときは係止爪23bが内側に引
っ込んだ状態になり、また係止部23cが第2ストッパ
22gに当接しているときは係止爪23bが外側に突出
した状態になる。更に、フライホイール23には、フラ
イホイールスプリング24の一端を支持するスプリング
支持部23dが設けられている。
【0033】フライホイールスプリング24は、その一
端がフライホイール23のスプリング支持部23dに支
持され、またその他端がロックギヤ22の図示しないス
プリング支持部に支持されて、フライホイール23をロ
ックギヤ22に対してベルト引出し方向αに常時付勢し
ている。したがって、フライホイール23の非作動時
は、係止部23cが第1ストッパ22fに当接してい
る。
【0034】リテーナ25は、ディスク部25aと、こ
のディスク部25aの外周にフレーム2側に突出して形
成され、側壁17に着脱可能に固定される第1環状フラ
ンジ部25b(図9に図示)と、ディスク部25aの外
周にフレーム2側と反対側に突出して形成された第2環
状フランジ部25cとからなっている。
【0035】ディスク部25aの中心には貫通孔25d
が穿設されている。また、図9に示すようにディスク部
25aのフレーム2側の面には、内周面にラチェット歯
状の内歯25eを有する環状歯部材25fが貫通孔25
dと同心に突設されている。この環状歯部材25fは、
リトラクタ1が組み立てられたとき、ロックギヤ22の
環状歯部材22cと第1および第2ストッパ22f,2
2gとの間に進入可能な大きさに設定されている。その
場合、フライホイール23の係止爪23cも環状歯部材
22cの内側に位置しており、ロックギヤ22に対して
フライホイール23が回転し、係止部23cが第2スト
ッパ22gに当接した位置では、この係止爪23cが内
歯25eに係止するようになっている。
【0036】パウルスプリング26は、その一端がロッ
クギヤ22のスプリング支持部22iに支持され、また
その他端がロッキングベース20のスプリング支持部2
0gに支持されて、ロックギヤ22をロッキングベース
20に対してベルト引出し方向αに常時付勢している。
したがって、ロックギヤ22の非作動時は、パウル21
のカムフォロワ21cがカム孔22hの最内側位置22
1に位置し、この状態で、ロックギヤ22はパウルス
プリング26によるそれ以上の回転を阻止されている。
【0037】EA機構7は、トーションバー27と、ロ
ッキングベース20のねじ軸部20bに螺合される筒状
のストッパ28とを備えている。トーションバー27は
トーションバー部27aと、このトーションバー部27
aの一端側のロックギヤ22側端部に設けられ、ロッキ
ングベース20の断面正6角形状孔20c′にこのロッ
キングベース20と相対回転不能に嵌合する断面正6角
形状の第1トルク伝達部27bと、この第1トルク伝達
部27bの端に設けられたフランジ部27cと、トーシ
ョンバー部27aの他端に設けられ、後述するキャリヤ
に嵌合する断面正6角形状の第2トルク伝達部27d
と、この第2トルク伝達部27dから同心状に突出し、
先端にスプライン溝27eが形成された第1軸部27f
と、フランジ部27cから同心状に突出し、スプライン
溝27gが形成された第2軸部27hとからなってい
る。
【0038】筒状のストッパ28は内周に雌ねじ28a
が形成されているとともに、外周にリール4の回転トル
クが伝達される一対の回転トルク伝達部28b,28c
がそれぞれ設けられている。そして、これらの回転トル
ク伝達部28b,28cにより、ストッパ28はリール
4と一体に回転するようになっていると共に、リール4
に対して軸方向に相対的に移動可能となっている。した
がって、ストッパ28がロッキングベース20に対して
ベルト引出し方向αに回転するような回転差が生じる、
換言すればリール4がロッキングベース20に対してベ
ルト引出し方向αに回転するような回転差が生じると、
ストッパ28は軸方向に移動してロッキングベース20
のディスク部20aに当接するようになっている。更
に、ストッパ28がロッキングベース20に当接する
と、ストッパ28は軸方向移動が停止し、ロッキングベ
ース20と一体回転するようになる。
【0039】したがって、ストッパ28とロッキングベ
ース20との間に回転差が生じている間は、トーション
バー部27aがねじられるので、EA機構7は車両衝突
時のベルト荷重を制限するEA機能を発揮するようにな
り、ストッパ28がロッキングベース20に当接する
と、EA機能が終了する。
【0040】図4に示すように、減速度検知手段8は、
側壁17に取り付けられるハウジング29と、このハウ
ジング29に取り付けられるセンサケース30と、この
センサケース30に搭載される慣性質量31と、この慣
性質量31により作動されるアクチュエータ32とを備
えている。
【0041】ハウジング29は、フレーム2の側壁17
の取付孔17bに嵌合された取り付けられる嵌合取付部
29aと、センサケース30を支持する一対の支持腕部
29b,29cとからなっている。また、センサケース
30は、支持腕部29b,29cの溝に係合して支持さ
れる一対の被支持部30a,30bと、慣性質量31が
搭載される質量搭載部30cと、アクチュエータ32を
回転可能に支持する一対の支持腕部30d,30eとか
らなっている。
【0042】慣性質量31は、脚部31aと、この脚部
31aの上の質量部31bと、アクチュエータ32を作
動する作動部31cとからなっている。そして、慣性質
量31は質量搭載部30cに搭載されて、通常時は図示
のように直立しているが、車両に所定減速度以上の減速
度が作用したとき傾動して、作動部31cがアクチュエ
ータ32を回転するようになっている。
【0043】更に、アクチュエータ32は、センサケー
ス30の一対の支持腕部30d,30eの孔に回転可能
に嵌合支持される回転軸部32aと、慣性質量31の作
動部31cによって押圧される被押圧部32bと、回転
軸部32aと反対側に設けられ、ロックギヤ22の外歯
22bに係止可能な係止爪32cとからなっている。そ
して、このアクチュエータ31は、慣性質量31が直立
状態のときは最下位置にあって、係止爪32cが外歯2
2bに係合しない非係合位置となり、慣性質量31が傾
動したときは上方へ回転して、係止爪32cが外歯22
bに係合する係合位置となるようにされている。
【0044】図5に示すように、リール回転検出手段9
は、トーションバー27の回転によって回転させられる
回転取出しギヤ33と、リテーナ25のディスク部25
aに取り付けられ(図10に図示)、回転取出しギヤ3
3の回転を歯車減速機構34で減速してトーションバー
27の回転、つまりリール4の回転量を絶対値で検出
し、これを電気信号に変換するリール回転ボリューム検
出計35と、リテーナ25の第2環状フランジ部25c
に着脱可能に取り付けられて、リール回転ボリューム検
出計35を覆うボリュームカバー36とを備えている。
【0045】回転取出しギヤ33はその中心に穿設され
た断面正5角形の貫通孔33aを有しており、この貫通
孔33aがピン37の断面正5角形の軸部37aに嵌合
されて、このピンと一体に回転するようになっている。
また、図9に示すようにピン37の軸部37aと反対側
は、トーションバー27の第2軸部27hのスプライン
溝27gにスプライン嵌合されて、このトーションバー
27と一体に回転するようになっている。したがって、
トーションバー27の回転つまりリール4の回転は、ピ
ン37、回転取出しギヤ33、減速歯車機構34を介し
てリール回転ボリューム検出計35で検出されるように
なる。その場合、減速歯車機構34により、シートベル
ト3の全巻取りから全引出しまでのリール4の回転が、
リール回転ボリューム検出計35の抵抗体(不図示)で
270゜の回転に減速されるようになっている。そし
て、このリール回転ボリューム検出計35はシートベル
ト3の絶対位置を検出するようになっている。
【0046】リール回転ボリューム検出計35は、スプ
リングが弛められる方向すなわちばね力が減少する方向
に対して、そのボリューム値BVが最大値MAXから最
小値MINの方へ変わるように組み付けられている。更
に、シートベルト3が最大限引き出された状態でのリー
ル回転ボリューム検出計35のボリューム値BVをMA
Xに設定したときに、シートベルト3がリール4に最大
限巻き取られたときのリール回転ボリューム検出計35
のボリューム値BVがシートベルト3格納位置の設定値
HMとして設定されている。このように、リール回転ボ
リューム検出計35をボリュームタイプとすることによ
り、電源をオフにしてもシートベルト3の絶対位置の情
報を消えないようにして、回転検出計を安価で信頼性の
あるものにしている。
【0047】図6および図7に示すように、超音波モー
タ10は、円環状のステータ38と、このステータ38
に対向して配設される円環状のロータ39と、モータ回
転軸40と、ラバーシート41と、ディスクスプリング
42と、ボールベアリング43と、貫通孔44aを有す
るモータケース44とを備えている。
【0048】図6に示すように、ステータ38は、円周
方向に所定数に区分され、かつ隣り合う区分の分極方向
が交互に厚み方向に逆方向となるように分極された円環
状の圧電セラミック38aを、櫛歯を有する円環状の弾
性体38bに貼り付けられて構成されている。このステ
ータ38は、弾性体38bの櫛歯面がロータ39に対向
するようにして配置されている。
【0049】ロータ39は、環状のディスク部39a
と、このディスク部39aの外周縁に形成された環状の
フランジ部39bとから構成されている。ディスク部3
9aの内周面には、4個の係止突起39cが周方向に等
間隔に配置されて径方向に突設されている。
【0050】モータ回転軸40は、軸部40aと、この
軸部40aの一端に設けられたディスク状のフランジ部
40bとからなっている。軸部40aの他端にはスプラ
イン溝40cが形成されている。また、フランジ部40
bの軸部40a側の面には、ロータ39の係止突起39
cが嵌合可能な4個の係止溝40dが形成されている。
これらの係止溝40dに係止突起39cが嵌合すること
により、ロータ39とモータ回転軸40とが周方向に互
いに係合し、一体に回転するようになっている。更に、
フランジ部40bの軸部40a側と反対側の面には、ク
ラッチ機構11の後述するパウル46 ,47が配置され
る凹部40eが設けられていると共に、この凹部40e
内にパウル支持軸40fが設けられている。図6では、
凹部40eとパウル支持軸40fとが1組しか記載され
ていないが、これら凹部40eとパウル支持軸40fと
は、フランジ部40bの中心に関して対称な位置にも設
けられている。なお、これらの凹部40eおよびパウル
支持軸40fは、後述するクラッチ機構11を構成する
ものである。更に、軸部40aとフランジ部40bとを
軸方向に貫通する貫通孔40gが穿設されている。
【0051】図7に示すように、ラバーシート41およ
びディスクスプリング42はともに円環ディスク状に形
成されており、ディスクスプリング42はラバーシート
41を介してロータ39を加圧している。これにより、
ロータ39とディスクスプリング42とはこれらの間に
介在されるラバーシート41の摩擦で一体回転するよう
になっていると共に、ディスクスプリング42の加圧力
で、ステータ38とロータ39との間に、ロータ39が
回転するための摩擦力が得られるようになっている。
【0052】ボールベアリング43は、ディスクスプリ
ング42をスラスト方向に支持すると共に、モータケー
ス44の貫通孔44aに嵌合固定されて、モータ回転軸
40の軸部40aを回転可能に支持するようになってい
る。また、このモータケース44は、4個のねじ45に
よりフレームの側壁16に固定されるようになってい
る。
【0053】図6に示すように、クラッチ機構11は、
メインパウル46と、サブパウル47と、慣性プレート
48と、慣性スプリング49とを備えているとともに、
図3に示すようにクラッチギヤ50を備えていて、超音
波モータ10の所定角加速度より小さい角加速度での始
動時には作動しなく、超音波モータ10の所定角加速度
以上の大きな角加速度での始動時には作動する角加速度
クラッチからなっている。
【0054】メインパウル46は、一端側に穿設され、
モータ回転軸40のフランジ部40bのパウル支持軸4
0fに回転可能に嵌合される回転軸孔46aと、この回
転軸孔46aの反対側の端に設けられた係止爪46b
と、回転軸孔46aと係止爪46bの間に突設されたピ
ンからなるカムフォロワ46cとからなっている。サブ
パウル47は、メインパウル46とまったく同じに形成
されており、同様に回転軸孔47aと、係止爪47b
と、カムフォロワ47cとからなっている。
【0055】慣性プレート48は環状のディスクからな
り、一対のカム孔48a,48bが中心点に関して対称
に穿設されている。これらのカム孔48a,48bに
は、それぞれメインパウル46のカムフォロワ46cお
よびサブパウル47のカムフォロワ47cが嵌合される
ようになっている。また、慣性スプリング49の一端を
支持するスプリング支持部48cが設けられている。
【0056】慣性スプリング49は、環状ばね部49a
と、この環状ばね部49aからそれぞれ延びた一対の支
持部49b,49cとからなっている。この慣性スプリ
ング49は、一方の支持部49bがモータ回転軸40の
フランジ部40bに設けられた図示しないスプリング支
持部に支持されると共に、他方の支持部49cが慣性プ
レート48のスプリング支持部48cに支持されるよう
になっている。そして、慣性スプリング49は、超音波
モータ10の所定角加速度より小さい角加速度での通常
のスローな始動時には撓まないで、モータ回転軸40と
慣性プレート48との間に回転差を生じさせなくこれら
を一体回転させ、超音波モータ10の所定角加速度以上
の角加速度での急激な回転時には撓んでモータ回転軸4
0と慣性プレート48との間に回転差を生じさせるよう
になっている。
【0057】図3および図9に示すように、クラッチギ
ヤ50は、環状のディスク部50aと、ディスク部50
aの外周縁に突設され、内周面に内歯50bを有する環
状歯部材50cと、ディスク部50aの内周縁に突設さ
れ、外周面に外歯50dを有するサンギヤ50eと、ト
ーションバー27の第1軸部27fにベアリング51
(図6に図示)を介して相対回転可能に嵌合される貫通
孔50fとからなっている。なお、サンギヤ50eは後
述する減速機構12を構成するものである。そして、環
状のステータ38、環状のロータ39、筒状のモータ回
転軸40、各パウル46,47、環状の慣性プレート4
8、慣性スプリング49、および環状のクラッチギヤ5
0を組み立てた状態では、図9に示すようにモータ回転
軸40がロータ39を貫通すると共にクラッチギヤ50
がステータ38を貫通し、更にステータ38とロータ3
9とをの間に、各パウル46,47、環状の慣性プレー
ト48、慣性スプリング49およびクラッチギヤ50の
環状歯部材50cが効率よくコンパクトにレイアウトさ
れるようになる。すなわち、超音波モータ10はクラッ
チ機構11を内蔵した形で組み立てられてフレーム2の
左側壁16にコンパクトに取り付けられるようになる。
【0058】更に、この組立状態において、超音波モー
タ10が所定角加速度より小さい角加速度のスロースタ
ートで回転してモータ回転軸40と慣性プレート48と
に回転差が生じないときは、各パウル46,47は非係
合位置にあり、それらの係止爪46b,47bがクラッ
チギヤ50の内歯50bに係合しないようになってい
る。すなわち、このときは、クラッチ機構11は作動し
なく遮断されたままであるので、超音波モータ10の回
転トルクはクラッチギヤ50に伝達されない。
【0059】更に、超音波モータ10が所定角加速度以
上の大きな角加速度の急激なスタートで回転してモータ
回転軸40と慣性プレート48とに回転差が生じたとき
は、各パウル46,47のカムフォロワ46c,47cが
それぞれ慣性プレート48のカム孔48a,48bにガ
イドされるので、各パウル46,47は作動して係合位
置となり、それらの係止爪46b,47bがクラッチギ
ヤ50の内歯50bに係合するようになっている。すな
わち、このときは、クラッチ機構11は作動して接続さ
れ、超音波モータ10の回転トルクがクラッチギヤ50
に伝達されるようになる。
【0060】図3に示すように、減速機構12は、円環
状のリング部材52に設けられたインターナルギヤ52
aと、サンギヤ50eに噛合する4個のプラネタリギヤ
53と、これらのプラネタリギヤ53を回転可能に支持
するキャリヤ54とからなり、サンギヤ50e入力でキ
ャリヤ54出力の遊星歯車減速機構から構成されてい
る。
【0061】リング部材52は、4個のプラネタリギヤ
53がそれぞれ噛合する内歯からなるインターナルギヤ
52aを備えたリング部52bと、このリング部52b
の側面に設けられ、フレーム2の側壁16の小孔16b
のうち、3個の小孔16bに嵌合されて、このリング部
材52を側壁16に取り付けるための3個の取付ピン5
2cとを備えている。リング部52bの取付ピン52c
と反対側の側面には、図9に示すようにステータ38が
固定されており、これにより、リング部材52はステー
タ38の回転止めを行うと共に、側壁16とステータ3
8との間にスラスト方向の空間を形成している。
【0062】キャリヤ54は、環状のディスク部54a
と、4個のプラネタリギヤ53をそれぞれ回転可能に支
持する4個の支持軸54b(図9に図示)と、断面正6
角形の筒状の軸部54cとからなっている。軸部54c
はリール4における貫通孔4dの側壁16側端部の断面
正6角形状孔に嵌合されてリール4とキャリヤ54とが
一体回転するようになっていると共に、この軸部54c
の内側に断面正6角形状の第2トルク伝達部27dが嵌
合されてトーションバー27とキャリヤ54とが一体回
転するようになっている。このとき、図9に示すように
Eリング55によりディスク部54aが第2トルク伝達
部27dとの間に挟持されて、キャリヤ54の軸方向の
抜け止めがされるようになっている。
【0063】図8に示すように、スプリング手段13
は、スプリングケース56と、第1スパイラルスプリン
グ57と、第2スパイラルスプリング58と、環状のジ
ョイントブッシュ59と、モータ回転軸40のスプライ
ン溝40cに相対回転不能にスプライン嵌合されるブッ
シュシャフト60と、モータケース44の外側に固定さ
れるハウジング61とを備えている。
【0064】スプリングケース56は、中心部に配置さ
れ、内周縁にスプライン溝56aが形成された貫通孔を
有するディスク部56bと、このディスク部56bの貫
通孔と同心に配置された円環状の周壁板56cと、ディ
スク部56bと周壁板56cとを接続する6本のスポー
ク56dとからなっている。このディスク部56bのス
プライン溝56aにモータ回転軸40の軸部40aのス
プライン溝40cがスプライン嵌合して、モータ回転軸
40とスプリングケース56とが一体回転するようにな
っている。また、周壁板56cにはフック部56eが設
けられており、このフック部56eに、第1スパイラル
スプリング57の外端係止部57aが係止されるように
なっている。第1スパイラルスプリング57のばね定数
は第2スパイラルスプリング58のばね定数より大きく
設定されていて、第1スパイラルスプリング57が高ト
ルクのばねで、第2スパイラルスプリング58が低トル
クのばねとなっている。
【0065】ジョイントブッシュ59は環状に形成され
ており、このジョイントブッシュ59には、第1および
第2フック部59a,59bが設けられている。第1フ
ック部59aには、第1スパイラルスプリング57の内
端係止部57bが係止されるとともに、第2フック部5
9bには、第2スパイラルスプリング58の外端係止部
58aが係止されるようになっている。
【0066】ブッシュシャフト60は筒状に形成されて
おり、その内周面にはスプライン溝60aが形成されて
いると共に、その外周側には一対のフック部60b,6
0cが設けられている。スプライン溝60aはトーショ
ンバー27の第1軸部27fのスプライン溝27eにス
プライン嵌合されて、第1軸部27fとブッシュシャフ
ト60とが一体回転するようになっている。また、フッ
ク部60b,60cの一方に、第2スパイラルスプリン
グ58の内端係止部58bが係止されるようになってい
る。
【0067】このようにして、これらの第1および第2
スパイラルスプリング57,58はジョイントブッシュ
59を介して直列に接続され、ともにリール4をベルト
巻取り方向βに常時付勢するように設けられている。そ
して、リール4からシートベルト3が引き出されるとき
には、まずばね定数の小さい第2スパイラルスプリング
58が巻き締められ、その後ばね定数の大きい第1スパ
イラルスプリング59が巻き締められるようになる。
【0068】ハウジング61は、筒状部61aと、この
筒状部61aに設けられたフランジ部61bとからなっ
ている。筒状部61a内に、スプリングケース56、第
1および第2スパイラルスプリング57,58、ジョイ
ントブッシュ59、およびブッシュシャフト60が収容
されるようにして、フランジ部61bがモータケース4
4の外側に取付固定されるようになっている。
【0069】図7に示すように、モータ回転量検出手段
14は、歯車減速機構62と、ボリュームタイプのモー
タ回転ボリューム検出計63とを備えている。歯車減速
機構62の回転取出しギヤ62aは、その外歯がモータ
回転軸40の軸部40dのスプライン溝40cに噛合し
てモータ回転軸40の回転を取り出すようになってい
る。そして、モータ回転軸40の回転が歯車減速機構6
2により減速されて、モータ回転軸40の回転量の絶対
値がモータ回転ボリューム検出計63で検出されるよう
になる。このモータ回転ボリューム検出計63は、スプ
リングが巻き締められる方向に対して、ボリューム値S
VがMAXからMINの方へ変わるように、組み付けら
れている。
【0070】更に、図9に示すように、超音波モータ1
0を駆動するためのドライバユニット15にはマイクロ
コンピュータ等からなる中央処理装置(以下、CPUと
もいう)64が接続されている。このCPU64には、
リール回転ボリューム検出計35およびモータ回転検出
計63も接続されていると共に、更に、車両前方にある
物体を検出してその物体検出信号をCPU64に送出す
る前方物体検出センサ65、シートベルトの装着時にバ
ックルとトングとの連結を検知してその検知信号をCP
U64に送出するバックルスイッチ67、自車の走行速
度を検知してその検知信号をCPU64に送出する車速
センサ68がそれぞれ接続されている。
【0071】そして、CPU64は、これらの各検出
計、検出センサ、スイッチ等からの出力信号に基づいて
超音波モータ10を駆動制御し、シートベルト3のベル
トテンションを制御するようになっている。その場合、
シートベルト3のベルトテンションは、リール回転量検
出手段9におけるリール回転ボリューム検出計35から
のリール回転量を示すボリューム値とモータ回転量検出
手段14におけるモータ回転ボリューム検出計63から
のモータ回転軸の回転量を示すボリューム値とに基づい
て、CPU64が算出するようになっている。
【0072】シートベルト3のベルトテンション制御の
ために、この例のASBシステムでは、次のモードが設
定されている。すなわち、通常運転時で乗員がシートベ
ルト3からの負荷を軽く感じる程度のベルト装着状態に
するとともに、通常運転時の物取り等のための乗員の移
動を可能にする比較的小さな値のベルトテンションが設
定されるコンフォートモードと、車両の運転中、接近し
てくる前方の検出物体に対して、回避の余裕がなく、乗
員の回避動作が不能であるときに、乗員を堅固に拘束す
る大きな値のベルトテンションが設定されるプリテンモ
ードと、車両の運転中、接近してくる前方の検出物体に
対して、ただちに乗員の回避動作が必要なときで、乗員
が体感でこの回避動作の必要を知ることができるように
警告を行うために、コンフォートモードの場合より大き
いがプリテンモードの場合より小さい値のベルトテンシ
ョンが設定される警告モードと、車両の運転中、接近し
てくる前方の検出物体に対して乗員の回避動作に充分余
裕があるときに、コンフォートモードの場合より少し大
きいが警告モードの場合より小さい値のベルトテンショ
ンが設定されるグレイモードと、車両シートにシートベ
ルト3によってチャイルドシートを堅固に固定するため
に、プリテンモードと同等かそれ以上の大きな値のベル
トテンションが設定されるCRSモードと、プリテン、
警告およびグレイの各モード状態からコンフォートモー
ドに復帰するまでの復帰待機モードと、プリテン、警告
およびCRSの各モードで接続作動したクラッチを解除
するためのクラッチ解除モードとが設定されている。
【0073】そして、CPU64は、リール回転ボリュ
ーム検出計35のボリューム値BVとモータ回転ボリュ
ーム検出計63のボリューム値SVとに基づいて、ベル
トテンションを設定されたモードに対応する値に制御す
るようになっている。また、スプリング手段13のばね
力は、リール回転ボリューム検出計35のボリューム値
BVとモータ回転ボリューム検出計63のボリューム値
SVとが、BV−SV≦一定値(>0)であるとき、
「弱」と定義されているとともに、BV−SV>一定値
であるとき、「強」と定義されている。
【0074】ところで、このようなASBシステムの状
態の確認、テストおよび設定変更を行うための、この例
におけるモニタシステム70は、図10に示すように簡
単に持ち運び可能な携帯用パソコンで構成されている。
このモニタシステム70は、通信ケーブル71によりC
PU64内のASBコントロール基板64aに接続可能
となっている。
【0075】モニタシステム70は図11に示す画面を
有しており、この画面にはリール回転ボリューム検出計
35のベルトボリューム値をアナログで表すベルトボリ
ュームアナログ表示部70aと、このベルトボリューム
値をデジタルで表すベルトボリュームデジタル表示部7
0bと、モータ回転ボリューム検出計63のモータボリ
ューム値をアナログで表すモータボリュームアナログ表
示部70cと、このモータボリューム値をデジタルで表
すモータボリュームデジタル表示部70dと、車種に応
じて設定された、シートベルト3を完全に巻き取ったリ
ールシャフト4の回転位置であるベルト格納位置をアナ
ログで表すベルト格納位置アナログ表示部70eと、こ
のベルト格納位置をデジタルで表すベルト格納位置デジ
タル表示部70fと、ベルト格納位置のデジタル値をコ
ントロール基板64aのメモリ64bに書き込むための
ライト用ソフトボタン70gと、コントロール基板64
aのメモリ64bに書き込まれているベルト格納位置の
データを読み取り、ベルト格納位置アナログ表示部70
eおよびデジタル表示部70fにそれぞれ表示するため
のリード用ソフトボタン70hとが設けられている。
【0076】ベルト格納位置は車種によって異なるた
め、車種に応じて変更されるようになっている。このベ
ルト格納位置の書込または変更は、次のようにして行わ
れる。通信ケーブルで画面上のライト用ソフトボタン7
0gにタッチするか、ライト用ソフトボタン70gを押
すかあるいはライト用ソフトボタン70gにカーソルを
位置させてクリックするかしてライト用ソフトボタン7
0gを操作すると、ベルト格納位置デジタル表示部70
fが入力可能となり、この状態で、例えば図示しないテ
ンキー等により、このASBシステムが搭載される車種
に応じたベルト格納位置のデジタル値をベルト格納位置
デジタル表示部70fに入力する。すると、入力した値
がベルト格納位置デジタル表示部70fに新しくあるい
は改められて表示されるとともに、入力した値に対応し
たアナログ値がベルト格納位置アナログ表示部70eに
表示される。そして、再びライト用ソフトボタン70g
を同様に操作すると、入力した値がCPU64のASB
コントロール基板64aのメモリ64bに新たに書き込
まれるかまたは改められて書き換えられる。このように
して、ベルト格納位置の書込または変更が行われる。
【0077】また、メモリ64bに現在書き込まれてい
るベルト格納位置のデータを確認する場合は、リ−ド用
ソフトボタン70hを前述と同様に操作すると、メモリ
64bのベルト格納位置のデータがベルト格納位置アナ
ログ表示部70eおよびベルト格納位置デジタル表示部
70fとに表示され、確認可能となる。
【0078】そして、ベルトボリュームアナログ表示部
70aの表示位置およびモータボリュームアナログ表示
部70cの表示位置が、ともにベルト格納位置アナログ
表示部70eの表示位置に図11の上下方向で一致した
ときに、リトラクタ1において、シートベルト3が完全
に巻き取られた状態となっている。また、このときは、
ベルトボリュームデジタル表示部70bの表示デジタル
値およびモータボリュームデジタル表示部70dの表示
デジタル値が、ともにベルト格納位置デジタル表示部7
0fの表示デジタル値に一致するようになっている。
【0079】更に、モニタシステム70の画面には、現
在CPU64cで制御されている現在のスプリング手段
13のばね力を表示するばね力表示部70iが設けられ
ているとともに、ASBシステムが現在設定されている
モード状態を表示するモード表示部70jが設けられて
いる。ばね力表示部70iは、スプリング手段13の前
述のばね力の強弱を表示するものである(図示例では、
「弱」が表示されていて、ばね力が弱に設定されている
ことが確認できる)。
【0080】また、モード表示部70jは、ASBシス
テムに設定されている前述のモードを表示するものであ
り、コンフォートモードを表示するコンフォート表示部
70k、プリテンションモードを表示するプリテン表示
部70m、警告モードを表示する警告表示部70n、グ
レイモードを表示するグレイ表示部70o、CRSモー
ドを表示するCRS表示部70p、復帰待機モードを表
示する復帰待機表示部70q、およびクラッチ解除モー
ドを表示するクラッチ解除表示部70rからなってい
る。現在、ASBシステムが設定されているモードに対
応した表示部が点灯するようになっている(図示例で
は、コンフォート表示部70kが表示されていて、AS
Bシステムがコンフォートモードに設定されていること
が確認できる)。
【0081】更に、モニタシステム70の画面には、A
SBシステムの各モードのテストを行うために各テスト
信号を送信するスイッチ部70sが設けられている。こ
のスイッチ部70sは、テスト用のプリテンション信号
をASBのCPU64に送信するスイッチ(SW[P
T])70t、テスト用の警告信号をASBのCPU6
4に送信するスイッチ(SW[CA])70u、テスト
用のグレイ信号をASBのCPU64に送信するスイッ
チ(SW[GR])70v、およびテスト用のコンフォ
ート信号をASBのCPU64に送信するスイッチ(S
W[SA])70wからなっている。これらのスイッチ
は、前述のリードおよびライト用ソフトキー70g,7
0hと同様にソフトキーで構成され、前述と同様に操作
される。
【0082】更に、モニタシステム70の画面には、現
在ASBコントロール基板64aのメモリ64bに書き
込まれている超音波モータ10の駆動開始周波数を表示
する駆動開始周波数表示部70x、駆動開始周波数をメ
モリ64bに書き込むためのライト用ソフトボタン70
y、のメモリ64bに書き込まれている駆動開始周波数
を読み取って駆動開始周波数表示部70xに表示するた
めのリード用ソフトボタン70zとが設けられている。
この駆動開始周波数は、各ASBに用いられる超音波モ
ータ10によって異なるので、ライト用ソフトボタン7
0yによって、駆動開始周波数をメモリ64bに書込設
定可能になっている。なお、駆動開始周波数は後述する
超音波モータ10の定常駆動時の駆動周波数(共振周波
数)より高い周波数に設定されている。ライト用ソフト
ボタン70yによる書込操作およびリード用ソフトボタ
ン70zによる表示操作は、それぞれ前述のライトおよ
びリード用ソフトボタン70g,70hの各操作と同じ
である。
【0083】更に、モニタシステム70の画面には、現
在ASBコントロール基板64aのメモリ64bに書き
込まれている超音波モータ10の定常駆動時の駆動周波
数(共振周波数)を表示する駆動周波数表示部70α、
駆動周波数をメモリ64bに書き込むためのライト用ソ
フトボタン70β、メモリ64bに書き込まれている駆
動周波数を読み取って駆動周波数表示部70αに表示す
るためのリード用ソフトボタン70γとが設けられてい
る。この駆動周波数は、各ASBに用いられる超音波モ
ータ10によって異なるので、ライト用ソフトボタン7
0βによって、駆動周波数をメモリ64bに書込設定可
能になっている。ライト用ソフトボタン70βによる書
込操作およびリード用ソフトボタン70γによる表示操
作は、それぞれ前述のライトおよびリード用ソフトボタ
ン70g,70hの各操作と同じである。
【0084】このように構成されたモニタシステム70
においては、ASBシステムの出荷時やメンテナンス時
にこのASBシステムの各設定項目の確認、設定および
テスト等を行う場合、モニタシステム70を通信ケーブ
ル71により、対象とするASBシステムのCPU64
のコントロール基板64aに接続する。すると、現在の
リール回転ボリューム検出計35のボリューム値BVお
よびモータ回転ボリューム検出計63のボリューム値S
Vの各アナログ値とデジタル値とが、それぞれベルトボ
リュームアナログ表示部70a、ベルトボリュームデジ
タル表示部70b;モータボリュームアナログ表示部7
0c、モータボリュームデジタル表示部70dにそれぞ
れ表示される。
【0085】また、このASBシステムのベルト格納位
置が、現在どのように設定されているかを確認するため
に、リード用ソフトキー70hを操作すると、メモリ6
4bに格納されているベルト格納位置がベルト格納位置
アナログ表示部70e、ベルト格納位置デジタル表示部
70fに表示される。ベルト格納位置を設定変更する必
要がある場合は、前述のようにライト用ソフトキー70
gを操作して、新しいベルト格納位置の値を入力する
と、各表示部70e,70fに表示されるとともに、メ
モリ64bに改められて書き込まれる。
【0086】更に、前述のスプリング手段13のばね力
の「強」、「弱」のうち、現在設定されているばね力が
ばね力表示部70iに表示される(図示例では、
「弱」)。このばね力の強弱は、前述のようにベルトボ
リューム値BVとモータボリューム値SVとに基づいて
設定される。
【0087】更に、モード表示部70jにおいては、C
PU64によって現在設定されているモードに対応する
表示部が点灯される(図示例では、「コンフォート表示
部」)。また、各表示部の表示のテストは次のようにし
て行われる。例えば、プリテン表示部70mのテストを
行う場合は、SW[PT]70tのソフトキーを操作す
ると、CPU64にテスト用のプリテン信号が送信され
る。CPU64のプリテン制御が正しく行われることが
確認できると、CPU64は点灯している表示部を消灯
するとともに、新たにプリテン表示部70mを点灯表示
する。同様にして、SW[CA]70u、SW[GR]
70vおよびSW[SA]70wの各ソフトキーを操作
することにより、警告モード、グレイモードおよびコン
フォートモードのテストが行われ、テスト結果が正常で
あれば各表示部が点灯表示される。
【0088】更に、超音波モータ10の駆動開始周波数
が、現在どのように設定されているかを確認するため
に、リード用ソフトキー70zを操作すると、メモリ6
4bに格納されている駆動開始周波数が駆動開始周波数
表示部70xに表示される。駆動開始周波数を設定変更
する必要がある場合は、前述と同様にライト用ソフトキ
ー70yを操作して、新しい駆動開始周波数の値を入力
すると、表示部70xに表示されるとともに、メモリ6
4bに改められて書き込まれる。
【0089】更に、超音波モータ10の駆動周波数が、
現在どのように設定されているかを確認するために、リ
ード用ソフトキー70γを操作すると、メモリ64bに
格納されている駆動周波数が駆動周波数表示部70αに
表示される。駆動周波数を設定変更する必要がある場合
は、前述と同様にライト用ソフトキー70βを操作し
て、新しい駆動周波数の値を入力すると、表示部70α
に表示されるとともに、メモリ64bに改められて書き
込まれる。
【0090】このように、この例のASBモニタシステ
ム70によれば、ASBシステムの出荷時やメンテナン
ス時あるいはその他の必要なときにはいつでも、このA
SBモニタシステム70を用いることにより、ASBシ
ステムの各設定項目の確認、設定、テストを、どこでで
も短時間で簡単に行うことができる。
【0091】なお、ASBシステムの誤確認、誤設定、
誤テストあるいはいたずらを防止するために、各ASB
システムのCPU64毎に暗証番号を規定して、そのC
PU64にアクセスするためにこの暗証番号を用いるよ
うにすることもできる。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のASBシステムにおけるモニタシステムによれば、A
SBシステムの出荷時やメンテナンス時あるいはその他
の必要なときにはいつでも、このASBモニタシステム
を用いることにより、ASBシステムの各設定項目の確
認、設定、テストをどこででも短時間で簡単に行うこと
ができるようになる。特に、ASBシステムの各設定項
目の設定値の変更はソフト(ROM)を変更することな
く、簡単にかつ安価にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の乗員拘束保護システムにおけるモニ
タシステムの実施の形態の一例を模式的に示す図であ
る。
【図2】 本発明のASBモニタシステムが用いられる
乗員拘束保護システムのなかのシートベルトリトラクタ
を示す分解斜視図である。
【図3】 図2に示すシートベルトリトラクタの一部を
部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図である。
【図4】 図2に示すシートベルトリトラクタの更に他
の一部を部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図で
ある。
【図5】 図2に示すシートベルトリトラクタの更に他
の一部を部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図で
ある。
【図6】 図2に示すシートベルトリトラクタの更に他
の一部を部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図で
ある。
【図7】 図2に示すシートベルトリトラクタの更に他
の一部を部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図で
ある。
【図8】 図2に示すシートベルトリトラクタの残部を
部分的に拡大して示す、部分拡大分解斜視図である。
【図9】 図2に示す例のシートベルトリトラクタの組
立状態の縦断面図である。
【図10】 本発明のASBモニタシステムを用いてA
SBシステムの各設定項目を確認、設定およびテストを
行うことを説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例のASBモニタシ
ステムのモニター画面を示す図である。
【符号の説明】
100…電動式シートベルトシステム(MSBシステ
ム)、101…シートベルトリトラクタ、102…駆動
装置、103…センサ、104…制御装置、105…メ
モリ、106…モニタシステム、107…通信ライン、
1…シートベルトリトラクタ、3…シートベルト、4…
リール、9…リール回転検出手段、10…超音波モー
タ、11…クラッチ機構、13…スプリング手段、14
…モータ回転量検出手段、35…リール回転ボリューム
検出計、58…第1スパイラルスプリング、59…第2
スパイラルスプリング、63…モータ回転ボリューム検
出計、70…ASBモニタシステム、71…通信ケーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトを巻き取るシートベルトリ
    トラクタと、このシートベルトリトラクタを駆動する駆
    動装置と、これらのシートベルトリトラクタや駆動装置
    の状態を検出するセンサと、このセンサの検出信号およ
    び外部入力に基づいて前記駆動装置を制御する制御装置
    と、この制御装置の制御内容および前記センサの検出内
    容を格納するメモリとからなる乗員拘束保護システムに
    おいて、 前記制御装置に通信ラインを介して着脱可能に接続され
    て乗員拘束保護システムの状態をモニタすることを特徴
    とする乗員拘束保護システムにおけるモニタシステム。
  2. 【請求項2】 乗員拘束保護システムをモニタする内容
    は、前記センサの情報および前記乗員拘束保護システム
    の制御状態の少なくとも1つの監視、前記メモリに格納
    されたデータの読み出しおよび変更のすくなくとも1つ
    であることを特徴とする請求項1記載の乗員拘束保護シ
    ステムにおけるモニタシステム。
  3. 【請求項3】 シートベルトを巻き取るリールと、作動
    時にリールのベルト引出し方向の回転を阻止するロック
    手段と、ロック手段を必要時に作動させるロック作動機
    構と、車両の減速度を検知する減速度検知手段と、前記
    リールの回転量を検出して電気信号に変換するリール回
    転量検出手段と、リールをシートベルトの巻取り方向に
    付勢するスプリング手段と、スプリング手段のばね力を
    制御するとともに、リールを回転駆動するモータと、必
    要時にモータの回転をリールに伝達するクラッチ機構
    と、モータの回転量を検出して電気信号に変換するモー
    タ回転量検出手段と、自車の前方の状態および前記シー
    トベルトの装着状況等の自車の状況に応じて前記モータ
    を制御する中央処理装置(CPU)とからなるシートベ
    ルトリトラクタを少なくとも備え、前記CPUは前記シ
    ートベルトが最大限巻き取られたときの前記リール回転
    量検出手段の検出リール回転量がシートベルト格納位置
    として設定されて書き込まれるとともに、前記モータの
    駆動回転数が書き込まれるメモリを有し、更に、前記C
    PUが前記リール回転検出手段によって検出された前記
    リールの回転量と前記モータ回転量検出手段によって検
    出された前記モータの回転量とに基づいて自車の運転状
    況に応じて前記シートベルトのベルトテンションを制御
    するようになっている乗員拘束保護システムに用いら
    れ、前記CPUに通信ケーブルを介して接続可能でかつ
    携帯可能なパーソナルコンピュータからなるモニタシス
    テムであって、 乗員拘束保護システムの状態を表示する画面を有し、 前記画面に、前記リール回転量検出手段によって検出さ
    れるリール回転量を表示するリール回転量表示部と、前
    記モータ回転量検出手段によって検出されるモータ回転
    量を表示するモータ回転量表示部と、前記シートベルト
    格納位置を表示するベルト格納位置表示部と、前記CP
    Uのメモリに書き込まれている前記シートベルト格納位
    置を前記ベルト格納位置表示部に表示するための第1リ
    ード用ソフトキーと、前記CPUのメモリに前記シート
    ベルト格納位置を書き込むための第1ライト用ソフトキ
    ーと、前記スプリング手段のばね力を表示するばね力表
    示部と、前記モータ駆動回転数を表示するモータ駆動回
    転数表示部と、前記CPUのメモリに書き込まれている
    前記モータ駆動回転数を前記モータ駆動回転数表示部に
    表示するための第2リード用ソフトキーと、前記CPU
    のメモリに前記モータ駆動回転数を書き込むための第2
    ライト用ソフトキーとが設けられていることを特徴とす
    る乗員拘束保護システムにおけるモニタシステム。
  4. 【請求項4】 更に前記乗員拘束保護システムは、前記
    自車の状況に応じて所定数のモードが設定されていると
    ともに、これらのモード毎に前記ベルトテンションが設
    定されており、 前記画面に、前記モードのうち、現在設定されているモ
    ードを表示するモード表示部が設けられており、更に、
    前記CPUが前記乗員拘束保護システムで設定される前
    記モードに対応して前記ベルトテンションの制御を正し
    く行うかどうかをテストするために、モードに対応した
    テスト信号を前記CPUに送出するためのテスト用ソフ
    トキーが設けられていることを特徴とする請求項3記載
    の乗員拘束保護システムにおけるモニタシステム。
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