JP2000198277A - 受容シ―ト - Google Patents
受容シ―トInfo
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- JP2000198277A JP2000198277A JP11000994A JP99499A JP2000198277A JP 2000198277 A JP2000198277 A JP 2000198277A JP 11000994 A JP11000994 A JP 11000994A JP 99499 A JP99499 A JP 99499A JP 2000198277 A JP2000198277 A JP 2000198277A
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Abstract
トを提供すること。 【解決手段】受容層/白色積層ポリエステルフィルム/
紙製基材の順に積層されて成る受容シートであって、該
白色積層ポリエステルフィルムが、白色ポリエステル層
(B)の少なくとも片面に白色ポリエステル層(A)が
積層された構成から成り、かつ該白色ポリエステル層
(A)側に前記受容層が形成され、該層(A)、(B)
は、ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂が含有せしめ
られて成るボイド含有層であって、そのボイド含有率お
よびボイド数が下記式(1)〜(4)を満足することを
特徴とする白色積層ポリエステルフィルム。 (1)VB =5〜50(%) (2)0.1≦VA /VB ≦0.9 (3)nB =8×103 〜3×105 個/mm2 (4)0.1≦nA /nB ≦0.9 (VA、VBは、各々白色ポリエステル層(A)、(B)
のボイド含有率を表し、nA 、nB は、各々白色ポリエ
ステル層(A)、(B)のボイド数を表す。)
Description
るものである。詳しくは、印字性、耐折れじわ性、給紙
性などに優れ、各種印刷記録、特に感熱転写記録に好適
な受容シートに関する。
つとして、ノンインパクト、操作、保守が容易、低コス
ト、小型化が可能等の特徴を持つ感熱転写記録が注目さ
れている。
インキ層を有する転写シート(インキリボン)と受容シ
ートを重ね合わせ、インキリボン側からのサーマルヘッ
ドの加熱に応じて、溶融または昇華して移行する色材含
有成分または色材を、受容シート上に微細な網点(ドッ
ト)状に転写して印字するものである。
して、従来より、紙、あるいはフィルムを支持体とし、
支持体表面に受容層を設けたものが使用されている。支
持体である紙としては、普通紙、上質紙、コート紙、ア
ート紙などが主に用いられ、フィルムとしては、ポリエ
ステルもしくはポリオレフィンを主体とした層中に、非
相溶の熱可塑性樹脂、発泡剤の添加、あるいは無機系微
粒子の大量添加によって内部に微細な気泡(ボイド)を
含有せしめた白色フィルムが適用されている。
ルムは、耐熱性、強度、剛性などの点で優れたものであ
る。紙あるいは該白色フィルムが用いられているのは、
いずれも内部に空隙部分を有しているため、感熱転写記
録方式による印字の際、サーマルヘッドの加熱に対する
断熱効果により印字部分に効率よく熱が伝わること、あ
るいはクッション性の発現によりサーマルヘッドと印字
面との密着性が高いこと等が挙げられる。
画像を得るため、サーマルヘッドの微細化や、加熱のた
めの印加エネルギーを微妙にコントロールするなどの改
良が進められている。このような装置面での改良に対
し、受容シートについてもさまざまな提案がなされてお
り、特に支持体の改良が進められている。
なくとも、表層:実質的なボイド未含有層/内層:ボイ
ド含有層とした積層構成を有する白色積層フィルム」、
「ボイド未含有フィルムと紙との積層体」等である。こ
のような支持体に受容層を設けた受容シートの具体例と
しては、特開昭62−87390号公報、特開平5−6
4988号公報、特開平5−246153号公報、特開
平3−211089号公報等に開示されている発明があ
る。
れた装置に上述のような受容シートを用いた場合、依然
として、次のような問題があった。
層とした白色積層フィルム」、「ボイド未含有フィルム
と紙との積層体」では、表面が高平滑なためサーマルヘ
ッドとの密着性は向上するものの、加熱に対する断熱効
果を満たすだけのボイドが表層に存在しないため、印加
エネルギー不足となって印字性が低下するなどの問題が
ある。さらには、取扱い時の折曲げにより表面にしわが
入りやすいという「折れじわ」や、連続給紙時の「紙詰
まり」などの問題もあった。
感熱転写記録方式による印字性に特に優れ、また耐折れ
じわ性、給紙性にも優れた受容シートを提供することを
目的とするものである。
明の受容シートは、受容層/白色積層ポリエステルフィ
ルム/紙製基材の順に積層されて成る受容シートであっ
て、該白色積層ポリエステルフィルムが、白色ポリエス
テル層(B)の少なくとも片面に白色ポリエステル層
(A)が積層された構成から成り、かつ該白色ポリエス
テル層(A)側に前記受容層が形成され、該層(A)、
(B)は、ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂が含有
せしめられて成るボイド含有層であって、そのボイド含
有率およびボイド数が下記式(1)〜(4)を満足する
ことを特徴とする受容シート。
(A)、(B)のボイド含有率を表し、nA 、nB は、
各々白色ポリエステル層(A)、(B)のボイド数を表
す。)
ての特徴は、受容層/白色積層ポリエステルフィルム/
紙製基材の順に積層されて成り、該白色積層ポリエステ
ルフィルムが、白色ポリエステル層(B)の少なくとも
片面に白色ポリエステル層(A)が積層された構成から
成り、かつ該白色ポリエステル層(A)側に受容層が形
成されたことである。
積層ポリエステルフィルム、紙製基材、および受容層に
ついて各々説明する。
て〕本発明において白色積層ポリエステルフィルムの主
たる構成成分であるポリエステルとは、ジオールとジカ
ルボン酸とから縮重合によって得られるポリマーであ
る。ジカルボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等で代表されるものであって、ジオール
とは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル等で代表されるものである。このようなポリエステル
の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチ
レンナフタレート)等を使用することができる。
ポリエステルであってもコポリエステルであってもよ
く、共重合成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコー
ル等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成
分を用いることができる。
応じて本発明の効果が損なわれない量で適宜な添加剤、
例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、耐
侯安定剤、有機の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、帯電
防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合
されていてもよい。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートが耐水性、耐久性、耐薬品性等の点で優れている
ため好ましいものである。
リエステルフィルムは、白色ポリエステル層(B)の少
なくとも片面に白色ポリエステル層(A)が積層された
構成から成り、かつ該層(A)、(B)は、ポリエステ
ルと非相溶の熱可塑性樹脂が含有せしめられて成るボイ
ド含有層であって、そのボイド含有率およびボイド数が
下記式(1)〜(4)を満足することが必要である。
(A)、(B)のボイド含有率を表し、nA 、nB は、
各々白色ポリエステル層(A)、(B)のボイド数を表
すものである。
フィルムを構成する白色ポリエステル層(B)のボイド
含有率は、5〜50%であって、好ましくは10〜45
%、更には15〜40%が最も好ましい。ボイド含有率
が5%より小さい場合、白色性(白色度)や隠蔽性(透
過方式での光学濃度、すなわち透過濃度)に劣る他、受
容シートとしてのクッション性が低下するためサーマル
ヘッドとの密着性が低下、あるいはサーマルヘッドの加
熱に対する断熱効果が不足することにより印字性が低下
する傾向があり好ましくない。一方、ボイド含有率が5
0%より大きい場合には、フィルム強度が低下するた
め、該白色積層ポリエステルフィルムの製膜中に破れや
すくなったり、サーマルヘッドとの接触時に表面が変形
しやすく、印字ドットがつぶれた形状となる等の問題が
ある。
ル層(B)のボイド数は8×103〜3×105 個/m
m2 であって、好ましくは、1×104 〜2×105 個
/mm2 、更には2×104 〜1×105 個/mm2 が
最も好ましい。
い場合、前述のボイド含有率を満たしていても個々のボ
イドが非常に大きなものであって、白色度、透過濃度が
不十分で白色フィルムとしての「白さ」に劣るため、印
字画像の鮮明性が低下する傾向がある。また、フィルム
面のクッション性や断熱効果が不均一であるため高速印
字、高精細印字ではドットの周囲の一部が欠けていた
り、時には印字画像に「抜け」や「ムラ」が発生し、印
字性にも劣ることがある。一方、ボイド数が3×105
個/mm2 より多い場合には、フィルム強度が低下する
ため製膜中に破れやすくなったり、あるいはサーマルヘ
ッドとの接触時に表面が変形し、印字ドットがつぶれや
すくなる傾向がある。
テル層(B)に対する白色ポリエステル層(A)のボイ
ド含有率の比率(VA /VB )、およびボイド数の比率
(nA /nB )は0.1〜0.9であって、好ましくは
0.15〜0.8、更には0.2〜0.75が最も好ま
しい。該比率が0.1より小さい場合には、サーマルヘ
ッドの加熱に対する断熱効果が小さく印字性が低下する
他、耐折れじわ性に劣る傾向がある。また、該比率が
0.9より大きい場合、フィルム強度が低下し製膜中に
破れやすくなったり、あるいはサーマルヘッドとの接触
時に表面が変形し、印字ドットがつぶれた形状となって
印字性が低下する等の問題が起こりやすくなる。また積
層構成とした効果が小さく、結果として積層構成とした
分の製造コストが高くなることがある。
(A)、(B)は、ポリエステルからなる層中にポリエ
ステルと非相容の熱可塑性樹脂を含有せしめ、さらにフ
ィルム製膜時の延伸により層中に微細な気泡(ボイド)
を発生させ、このボイドによって光を散乱させることに
より白色不透明とし、かつクッション性をも付与せしめ
た層である。
的にはポリエステル中に含有せしめた該熱可塑性樹脂を
核として生成されたものであり、白色不透明化、クッシ
ョン性付与に寄与するものである。具体的には、ボイド
の断面積の平均値が好ましくは0.5〜25μm2 、よ
り好ましくは1〜20μm2 、更には2〜15μm2の
範囲内にあるものである。
可塑性樹脂」とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂で
あって、示差走査熱量計(DSC)等の方法での測定に
おいて、ポリエステルと該熱可塑性樹脂とを溶融した系
において、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以
降、Tgと省略する)以外に該熱可塑性樹脂に相当する
Tgが観察される樹脂である。
脂は、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸により
ポリエステルフィルム中に空隙部分、すなわちボイドを
形成せしめる効果が大きい。このような熱可塑性樹脂の
融点は、ポリエステルの融点よりも低温であり、かつ白
色積層ポリエステルフィルムを配向させるのに用いる温
度よりも高温であることが好ましい。かかる点から該熱
可塑性樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなオレフィン、
ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(メ
タ)アクリル酸などが好ましい。これらの熱可塑性樹脂
は単独重合体であっても共重合体であってもよい。これ
らの中でも臨界表面張力の小さなオレフィンが好まし
く、更にはポリプロピレン、ポリメチルペンテンが好ま
しい。特にポリメチルペンテンは、ポリエステルとの表
面張力差が大きく、かつ融点が高いため、延伸の際に微
細気泡を作りやすいので特に好ましい。
基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のあ
る官能基をもったオレフィン系の重合体及び共重合体、
ポリアルキレングリコール等を併用した場合、熱可塑性
樹脂の分散径が小さくなり、ひいては延伸により生成す
るボイドをより微細化でき製膜安定性が向上するととも
に、白色度、透過濃度、あるいは耐折れじわ性がさらに
優れたものとなるので好ましい。
(A)、(B)における、ポリエステルと非相溶の熱可
塑性樹脂の含有量WA 、WB は、特に限定されないが、
白色ポリエステル層(B)においては、1〜35重量%
が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、更には3
〜25重量%の範囲にあるものが最も好ましい。
WA は、白色ポリエステル層(B)の含有量WBに対す
る比率(WA /WB )として0.03〜0.8が好まし
く、0.05〜0.75がより好ましい。白色ポリエス
テル層(A)、(B)の含有量が上記範囲より少ない場
合にはクッション性や断熱効果が小さく、またフィルム
の白色度、透過濃度等の特性を向上させることが難しい
傾向がある。逆に、上記範囲より多い場合にはフィルム
表面の平滑性(光沢度)に劣り、感熱転写記録用の受容
シートとしての印字性が低下するだけでなく、延伸時に
フィルム破れ等の不都合を生じることがある。
積層ポリエステルフィルムは、白色ポリエステル層
(B)の少なくとも片面に白色ポリエステル層(A)を
積層した構成から成り、該白色ポリエステル層(A)側
に受容層が形成される必要がある。すなわち、白色ポリ
エステル層(A)、(B)の各層に微細なボイドを含有
せしめ、かつボイド含有率とボイド数を前述の式(1)
〜(4)を満たすものとすることにより、受容層が形成
される白色ポリエステル層(A)をより平滑性(光沢
度)に優れ、白色ポリエステル層(B)をよりクッショ
ン性の優れた層とし、かつ受容シート全体として、サー
マルヘッドの加熱に対する断熱効果に優れ、印字性、耐
折れじわ性など、必要な特性の全てを満足させることが
可能となるのである。
リエステルフィルムは、白色ポリエステル層(B)の少
なくとも片面に白色ポリエステル層(A)を積層した構
成から成るものであるが、白色ポリエステル層(B)の
両面に白色ポリエステル層(A)を積層し、3層積層構
成としたものは、フィルムの製膜安定性や受容シート作
製時における取扱性、紙製基材との積層適性などの点か
らより望ましいものである。
(A)の厚みtA が、白色積層ポリエステルフィルムの
全厚みtに対する比率(tA /t)として0.01〜
0.7であることが好ましく、より好ましくは0.02
〜0.6、更には0.03〜0.5が最も好ましい。
0.01より小さい場合には白色度、平滑性(光沢度)
が低下したり、フィルム強度の低下により製膜時に破れ
やすくなる傾向がある。また、0.7より大きい場合に
は、クッション性や断熱効果に劣り受容シートの印字性
が低下する傾向があるため好ましくない。
(B)の両面に白色ポリエステル層(A)を積層して3
層積層構成とした場合には、両側の積層厚みの合計をt
A とし、全厚みtに対する比率が前述の範囲内であるこ
とが好ましい。
成する白色積層ポリエステルフィルムの全厚みtは、特
に限定されないが、10〜200μm程度が好ましく、
20〜100μmの範囲内にあるものがより好ましい。
10μmより薄い場合には、紙製基材との積層時の取扱
性に劣るだけでなく、紙製基材の凹凸により受容シート
表面の平面性が低下し、ひいては印字性が低下すること
がある。一方、200μmより厚い場合には、印字後の
カールが発生しやすくなる傾向がある。
色性(白色度)、隠蔽性(透過濃度)等を向上させるた
め、白色積層ポリエステルフィルムを構成する白色ポリ
エステル層(A)、(B)のうち少なくとも一層に無機
系微粒子を添加することが好ましい。無機系微粒子とし
ては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、珪酸マグネシウム、珪酸カル
シウム、シリカ、タルク、クレー、カオリン、ホワイト
カーボン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫化亜
鉛、アルミナ、リン酸カルシウム、マイカ、セリサイ
ト、スメクタイトなどを用いることができる。これらは
単独でも2種以上を併用してもよい。
も、特に、白色度、透過濃度など総合的効果の点から、
酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムの適用がよ
り好ましく、特に酸化チタン系のものが最も好ましい。
また、該無機系微粒子は多孔質や中空多孔質等の形態で
あってもよく、さらには、本発明の効果が損なわれない
範囲内において、樹脂に対する分散性を良化せしめるた
めに、さらに表面処理が施されていてもよい。
は、0.05〜3μmが好ましく、0.07〜1μmの
範囲にあるものがより好ましい。平均粒子径が上記範囲
外では均一分散化が難しくなったり、フィルム表面の平
滑性の悪化により受容シート表面の平滑性が低下した
り、更にはこれらが原因となって白色度、光沢度が低下
したりする場合があるので好ましくない。また、無機系
微粒子の添加量は、特に限定されないが、1〜30重量
%が好ましく、より好ましくは3〜25重量%、さらに
は5〜20重量%の範囲にあるものが最も好ましい。添
加量が上記範囲より少ない場合には受容シートの白色
度、透過濃度等の特性を向上させることが難しく、逆に
上記範囲より多い場合には製膜中のフィルム破れや、後
加工の際に粉発生等の不都合を生じることがある。
合にも、非相溶の熱可塑性樹脂と同様にしてボイドが生
成され得る。しかし、このようなボイドは通常、該熱可
塑性樹脂によるものと比べて、小さいものであって白色
不透明化には寄与しても、クッション性付与にはあまり
寄与しないものである。ただし、平均粒子径の大きな無
機系微粒子、具体的には平均粒子径が0.5〜3μmの
ものを使用した場合には、クッション性付与にも寄与す
ることがある。よって、本発明では無機系微粒子により
生成されたボイドの断面積の平均値が前述の範囲内、す
なわち0.5〜25μm2 であるものはボイドとして数
え、0.5μm2 以下のものはボイドとして数えないも
のとする。
を表す白色度をより高く、青味を表す色調b値(色差L
abのb)をより小さくして、より鮮明で青味のある白
色性を与え、高級なイメージを持たせるために、白色積
層ポリエステルフィルムを構成する白色ポリエステル層
(A)、(B)のうち少なくとも一層に蛍光増白剤を含
有せしめることが望ましい。
中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫〜青色の可視
光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により
高分子物質の明度を低下させることなく白色度、青味指
数(色調b値)を助長させる化合物である。このような
蛍光増白剤としては、スチルベン誘導体、ジアミノスチ
ルベンジカルボン酸誘導体、チオフェン誘導体、クマリ
ン誘導体、ピラゾリン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル
誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビススチリルビフェニ
ル誘導体、さらにはこれらの複合誘導体であるビス(ベ
ンゾオキサゾリル)チオフェン誘導体、ビス(ベンゾオ
キサゾリル)スチルベン誘導体などの化合物が用いられ
る。具体的な商品名を挙げれば、“ユビテック”(チバ
ガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“T
BO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達
(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リュ
ーコプア”EGM(クライアントジャパン(株))等を
用いることができる。
く、単独、場合によっては2種以上の併用であってもよ
いが、本発明では、特に耐熱性に優れ、前述のポリエス
テルとの相溶性がよく均一分散できるとともに、着色が
少なく、樹脂に悪影響を及ぼさないものを選択すること
が望ましい。
増白剤の含有量は、0.005〜1重量%が好ましく、
0.01〜0.5重量%の範囲にあるものがより好まし
い。含有量が上記範囲より少ないと充分な増白効果を得
にくく、上記範囲を越えるものは均一分散性の低下や、
いわゆる「濃度消光」と呼ばれる増白効果の低下あるい
は着色による白色度の低下等を招き易いため好ましくな
い。
濃度などを向上させるためには、白色ポリエステル層
(A)、(B)のうち少なくとも一層に無機系微粒子お
よび/または蛍光増白剤が含有せしめられていることが
好ましいが、より白色度、色調b値を高めるためには少
なくとも一層に無機系微粒子と蛍光増白剤を併用添加す
ることが好ましい。さらに白色ポリエステル層(A)、
(B)の各層に無機系微粒子および蛍光増白剤を添加す
る場合には、蛍光増白剤の含有量を白色ポリエステル層
(b)よりも白色ポリエステル層(A)の方を多くした
ものが、効果の点で更に好ましい。
ル層(A)と白色ポリエステル層(B)の各層は同一の
ポリエステル組成物であっても、異なったポリエステル
組成物であってもよい。特に異なったポリエステル組成
物、例えば、白色ポリエステル層(B)がホモポリエス
テル、白色ポリエステル層(A)がコポリエステルから
なる場合、易接着性などの付帯特性が得られる点でより
好ましい。また、白色ポリエステル層(A)に用いられ
るポリエステルがポリエチレンナフタレートで白色ポリ
エステル層(B)に用いられるポリエステルがポリエチ
レンテレフタレートの場合、耐候性、剛性などの向上効
果が得られるため、より好ましい。
層(A)と白色ポリエステル層(B)を積層する方法と
しては溶融製膜中の共押出により複合化する方法、ある
いはそれぞれ別々に製膜した後、ラミネートする方法の
いずれでもよいが、コストなどの点で前者の方法がより
好ましい。
白色積層ポリエステルフィルムの白色ポリエステル層
(B)側、あるいは受容層が形成された側と反対面の白
色ポリエステル層(A)に紙製基材を積層する必要があ
るが、紙製基材としては、白色積層ポリエステルフィル
ムと比較して室内環境での弾性率が高く、かつ熱収縮率
などの熱的安定性に優れ、受容シート全体に優れたクッ
ション性やコシを与えることのできるものが好ましい。
て、多数枚を同時に印刷する際、紙詰まりなどが発生す
ることなく安定して連続給紙することができるなど、搬
送性、給紙性が向上する。上述の紙製基材とは天然パル
プ、すなわち、セルロース繊維を主体とした紙、もしく
は紙を主体とした積層体であって、具体例としては上質
紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、
樹脂含浸紙、グラシン紙、ポリエチレンなどのポリオレ
フィンを押出コートしたラミネート紙などが好ましく用
いられる。これらの中でもコート紙、キャストコート
紙、ラミネート紙は表面の平滑性に優れており、白色ポ
リエステルフィルムとの積層に適している点で、より好
ましいものである。
添加されていることが好ましく、このような填料として
は特に限定されないが、一例を挙げれば、前述の白色ポ
リエステル層(A)、(B)に添加される無機系微粒子
と同様の無機系填料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホ
ルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子などの有機系填料が
用いられ、更には古紙やブロークンなどに含まれる填料
を再生使用することも出来る。また上述の填料以外にも
本発明の効果を損なわない範囲内で、アニオン性、ノニ
オン性、カチオン性または両性の歩留向上剤、濾水性向
上剤、紙力増強剤、内添サイズ剤、染料、蛍光増白剤、
pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライム
コントロール剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて添加
することも可能である。
〜200μm程度が好ましく、20〜150μm程度が
より好ましい。10μmより薄い場合、白色積層ポリエ
ステルフィルムとの積層時の取扱性に劣るだけでなく、
紙としての風合いやコシが低下し、受容シートにクッシ
ョン性やコシを与える効果が小さくなる傾向があり、好
ましくない。一方、200μmより厚い場合には印字後
にカールが発生したり、受容シート全体が厚くなりすぎ
て搬送性、給紙性が低下する傾向があり好ましくない。
フィルムと紙製基材との積層方法としては特に限定され
ないが、接着剤層を介し、加熱および/または圧着して
貼合せるのが好ましく、具体的にはドライラミネート、
ウェットラミネート、エキストルージョンラミネート、
ノンソルベントラミネート、ECラミネート、ワックス
ラミネート、ヒートシール、サンドイッチラミネーショ
ンなどの方法を適宜採用することができる。接着剤成分
としては、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂など
を主体としたものが好ましい。これらは単独で用いても
よく、あるいは、2種以上を混合および/または共重合
したものを用いてもよく、必要に応じて架橋剤などの硬
化剤を添加してもよい。また、貼合せに際し該接着剤層
は白色積層ポリエステルフィルム側、紙製基材側のどち
ら側に設けてもよく、接着剤成分をフィルム状にしたも
のを両者の間に挟んで積層してもよいが、受容層を設け
た白色積層ポリエステルフィルムと貼合せて積層する場
合には、受容層保護の点から、受容層に影響を与えない
程度の温度条件下での積層方法を選択することが好まし
く、更には加熱を要しない積層方法を選ぶことがより好
ましい。
が、接着力、受容シートの平面性、クッション性、耐折
れじわ性などの点で白色積層ポリエステルフィルム、紙
製基材の厚みよりも薄く、かつ0.5〜20μm、さら
には0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。
また、紙製基材として表層がポリエチレンなどのポリオ
レフィンであるラミネート紙の場合、接着力を向上させ
るため、予め、紙製基材の表面にコロナ放電処理、プラ
ズマ処理を施しても、あるいは各種プライマーコート層
を設けてもよい。もちろん、該表面処理を白色積層ポリ
エステルフィルムの紙製基材との積層面に施してあって
もよい。
フィルムと紙製基材とを積層したときの厚みが、20〜
400μmが好ましく、より好ましくは30〜300μ
m、更には50〜200μmであることが好ましい。2
0μmより薄い場合、受容シートとしての風合いやコ
シ、取扱性が低下し好ましくない。一方、400μmよ
り厚い場合には印字後にカールが発生したり、受容シー
ト全体が厚くなりすぎて搬送性、給紙性が低下する傾向
があり好ましくない。
種印刷記録方式に応じて白色積層ポリエステルフィルム
の、白色ポリエステル層(A)側に形成される。該白色
積層ポリエステルフィルムが、白色ポリエステル層
(B)の両面に白色ポリエステル層(A)を積層し、3
層積層構成としたものである場合には、紙製基材の積層
された側と反対面の白色ポリエステル層(A)に形成さ
れる。
は、サーマルヘッドの加熱に応じて、溶融または昇華し
て移行する色材含有成分または色材を受容する機能を有
する層である。
しい受容層の例を述べる。
材と加熱時溶融性の熱可塑性樹脂を含有するインキ層よ
り、サーマルヘッドの加熱に応じて溶融インキを転着さ
せることにより印字するものである。このような記録方
式に適した受容層としては、溶融インキと親和、接着し
て定着させる特性を有する熱可塑性樹脂を含有せしめた
層、あるいは溶融インキを吸収して定着させる多孔質層
が好ましい。
可塑性樹脂としては、その表面自由エネルギーがインキ
と近似しており、かつサーマルヘッドの加熱により溶
融、もしくは軟化するものが好ましい。
粒子含有タイプ、気泡含有タイプ、相分離タイプに大別
される。微粒子含有タイプとは、無機系および/または
有機系微粒子を主成分とし、粒子間の間隙により多孔質
層を形成するもの、微粒子自身が多孔質構造であるも
の、もしくはその両方である。また、気泡含有タイプと
は、受容層形成塗液への発泡剤添加、塗液の機械的攪拌
などにより気泡を含有せしめるか、あるいは塗液をW/
OまたはO/Wエマルションとし、液内の水または溶剤
分散部分を乾燥後に気泡とする等の手段により多孔質層
としたものである。相分離タイプとは、相互に混和性の
低い、すなわち非相溶の熱可塑性樹脂を溶解せしめた受
容層形成塗液を塗布した後、凝固浴内で凝固させ多孔質
層としたものである。
である必要があり、更には独立孔、貫通孔を形成してい
ることが好ましい。
和、接着して定着させる熱可塑性樹脂を含有せしめたも
のが、受容層表面の平滑性に優れており、ドットを正確
に印字させる点で好ましく採用される。具体的には、該
熱可塑性樹脂の表面自由エネルギーが30〜40mN/
m、融点または軟化点が50〜120℃の範囲内にある
ものが好ましい。このような熱可塑性樹脂の一例として
は、ポリオレフィン、変性ポリオレフィンまたはワック
スなどが用いられ、特に変性ポリオレフィンが好まし
い。ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、エチ
レン−プロピレンに代表されるオレフィン類の重合体で
あり、変性ポリオレフィンとは該オレフィン類とウレタ
ン、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、ポリエス
テル、パラフィン、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレ
ン、ブタジエンなどとの2種以上の共重合体である。こ
れらの変性ポリオレフィンの中でも、ウレタン変性ポリ
エチレン、アクリル酸変性ポリエチレンが溶融インキと
の親和性、接着性の点で優れており、より好ましいもの
である。
れない範囲内で、各種の添加剤、例えば帯電防止剤、界
面活性剤、消泡剤、離型剤、有機系の易滑剤、架橋剤、
架橋反応触媒、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、
紫外線吸収剤、無機系および/または有機系の微粒子
(微粒子含有タイプの多孔質層以外)、pH調整剤、粘
度調節剤、顔料、染料、蛍光増白剤、充填剤、核剤、防
腐剤、香料などが配合されていてもよい。特に静電気発
生を抑制し、インキの転着性、すなわち印字性、さらに
給紙性などを向上させるため、帯電防止剤、受容層の均
一形成などのため界面活性剤を添加することが好まし
い。
系の色材を含有するインキ層より、サーマルヘッドの加
熱に応じて、染料が昇華して移行することにより印字す
るものである。このような記録方式に適した受容層とし
ては、該染料系の色材を受容して定着させる特性を持つ
染着性の熱可塑性樹脂を含有せしめた層が好ましい。
ピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、
ポリ(メタ)アクリル酸およびそのエステルなどのビニ
ル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリアミド、セルロースなどの熱可塑性樹脂を用
いることができる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用い
ても、2種以上を混合および/または共重合したものを
用いてもよく、これらの中でもポリエステル系、ビニル
系樹脂が好ましい。
ものと同様、本発明の効果が損なわれない範囲内で、各
種の添加剤を配合することができる。特にサーマルヘッ
ドの加熱時の熱融着防止のためシリコーンオイル、リン
酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、金属石鹸、ワッ
クス類などの離型剤、または有機系の易滑剤、染着性向
上などのためイソシアネート、エポキシ、オキサゾリン
などの架橋剤、さらには架橋反応触媒を添加することが
好ましい。
容層形成塗液を白色積層ポリエステルフィルムの白色ポ
リエステル層(A)側に塗布、乾燥して設ける方法が好
ましいが、塗布方法としては、例えばリバース(ロー
ル)コート、グラビアコート、ナイフコート、エアーナ
イフコート、ロールコート、ブレードコート、ビードコ
ート、回転スクリーンコート、スロットオリフィスコー
ト、ロッドコート、バーコート、ダイコート、スプレー
コート、カーテンコート、ダイスロットコート、チャン
プレックスコート、ブラシコート、ツーコート、メータ
リングブレード式のサイズプレスコート、ビルブレード
コート、ショートドウェルコート、ゲートロールコー
ト、グラビアリバースコート、エクストルージョンコー
ト、押出コートなどの方法を用いることができる。
ステルフィルムの製膜工程内で塗布する方法(インライ
ンコート)、製膜後のフィルム上に塗布、乾燥する方法
(オフラインコート)のいずれの方法であってもよく、
受容シートの作製に適した方法を採用すればよい。例え
ば、白色積層ポリエステルフィルム上に受容層を設けた
後、紙製基材を積層する場合には、インラインコート法
が好ましい。インラインコート法は、塗膜、すなわち、
受容層の均一性、薄膜塗布、さらには経済性などの点で
優れた方法である。また、白色積層ポリエステルフィル
ムと紙製基材を積層した後、受容層を設ける場合にはオ
フラインコート法を用いればよい。オフラインコート法
は、受容層の厚膜塗布、受容層と白色積層ポリエステル
フィルム、紙製基材の組合せの多種、多様性の点で優れ
ている。
を向上させるため、予め白色積層ポリエステルフィルム
表面にコロナ放電処理、プラズマ処理などを施しても、
あるいは各種プライマーコート層を設けてもよい。
溶剤系、両者混合系のいずれでもよいが、インラインコ
ート法により受容層を設ける場合には、取扱性や防爆な
どの安全性の点で水系または水を主体とした両者混合系
が好ましい。
融型感熱転写方式の多孔質層である場合には、0.5〜
30μmが好ましく、更には1〜25μmが好ましい。
また、これ以外のタイプの受容層の場合には、好ましく
は0.01〜10μm、より好ましくは0.02〜5μ
mである。受容層の厚みがこの範囲外である場合には、
インキの転着性、あるいは染着性が不良となったり、あ
るいは印字性に劣ったり、高コストとなって経済性が低
下することがあるため好ましくない。
いて、いくつかの例を説明するが、かかる例のみに限定
されるものではない。
造方法についてであるが、押出機(A)と押出機(B)
を有する複合製膜装置において、ポリエステルのチップ
およびポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂のマスター
チップを、非相溶の熱可塑性樹脂の含有量WB が1〜3
5重量%となるよう混合し、充分に真空乾燥した後に、
270〜300℃に加熱された押出機(B)に供給す
る。また、白色ポリエステル層(A)を積層するため、
ポリエステルのチップおよびポリエステルと非相溶の熱
可塑性樹脂のマスターチップを、非相溶の熱可塑性樹脂
の含有量WA が白色ポリエステル層(B)中の含有量W
B に対する比率(WA /WB )として0.03〜0.8
となるよう混合し、充分に真空乾燥したものを押出機
(A)に供給し、Tダイ複合口金内で押出機(A)のポ
リマーが押出機(B)のポリマーの表層(片面)あるい
は両表層(両面)にくるように積層してシート状に成形
し、溶融された積層シートを得る。
0〜60℃に冷却されたドラム上で静電気で密着冷却固
化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フ
ィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長
手方向(縦方向、すなわち、フィルムの進行方向)に2
〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
の両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜
140℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向に
横延伸する。
伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は
6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満
であると得られるフィルムの白色度、透過濃度が不十分
となり、逆に20倍を越えると延伸時に破れを生じやす
くなる傾向がある。
性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150
〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷
やして巻き取り、白色積層ポリエステルフィルムを作製
する。このとき白色ポリエステル層(A)の厚みtA が
白色積層ポリエステルフィルムの全厚みtに対する比率
(tA /t)として0.01〜0.7であることが好ま
しい。
テルフィルムに、紙製基材を接着して貼合せるのである
が、白色ポリエステル層(B)の片面に白色ポリエステ
ル層(A)を積層した場合には、白色ポリエステル層
(B)側に貼合せ、両面に白色ポリエステル層(A)を
積層した場合にはいずれかの面に貼合せる。
ポリエステルフィルムの、紙製基材を貼合せた側とは反
対面に、オフラインコート法により受容層形成塗液を塗
布、乾燥して受容層を形成することによって、本発明の
受容シートを得ることができる。
受容層を形成するものであって、インラインコート法に
よる場合には、白色積層ポリエステルフィルム製膜工程
内の縦延伸積層フィルムの白色ポリエステル層(A)側
に、必要に応じてコロナ放電処理、プラズマ処理などを
施した後、受容層形成塗液を塗布し、横延伸時にテンタ
ー内で乾燥させる。さらに、受容層を形成した白色積層
ポリエステルフィルムの、受容層形成側と反対面に、紙
製基材を貼合せることにより本発明の受容シートが得ら
れる。
ッション性、給紙性に優れるため、各種印刷記録に適し
ており、特にサーマルヘッドの加熱に対する断熱効果や
耐折れじわ性に優れることにより感熱転写記録用の受容
シートとして好適に用いられる。
次の評価方法、評価基準による。
を用い、受容シートの断面の白色ポリエステル層
(A)、(B)部分を各々500〜50,000倍に拡
大観察した断面写真から求めた。すなわち、計100個
以上のボイドが撮影されている断面写真のボイド部分を
マーキングして、そのボイド部分をハイビジョン画像解
析処理装置PIAS−IV((株)ピアス製)を用いて画
像処理を行い、白色ポリエステル層(A)、(B)の測
定視野内のボイド面積の総和およびボイド総数を算出
し、下記式よりボイド含有率、ボイド数を求めた。
の位置で計5回の測定を行い、その平均値として算出し
た。また、測定視野内のボイドについて2個以上の互い
に隣接したボイド同士が連結している場合には、一つの
ボイドとして計算した。
を用い、受容シートの断面の白色ポリエステル層(A)
または白色ポリエステル層(B)の部分を3,000〜
200,000倍に拡大観察した断面写真から求めた。
すなわち、断面写真の粒子部分をマーキングして、その
粒子部分をハイビジョン画像解析処理装置PIAS−IV
((株)ピアス製)を用いて画像処理を行い、測定視野
内の計100個の粒子を真円に換算したときの平均径を
算出し、無機系微粒子の平均粒子径とした。
2」(セイコー電子工業(株)製)を用い、インキリボ
ンとして専用のCH705(イエロー、マゼンタ、シア
ン セイコー・アイ・サプライ(株)製)を用いて、A
4サイズに切り出した本発明の受容シートに計8階調の
テストパターン印刷を行った。次に、印刷したテストパ
ターンの3色重ね打ち部分を、下記の方法により印字濃
度および印字ドットの形状について評価し、印字性を判
定した。
濃度)から求めた。すなわち、光学濃度計TR927
(マクベス社製)を用いて反射濃度を測定し、5回測定
した反射濃度の平均値から以下の4段階評価を行った。
○以上を良好と判定した。
1.4 △:0.08≦ODmin <0.1、0.8≦ODmax <
1.0 ×:ODmin <0.08、ODmax <0.8 ただし、ODmin 、ODmax は、各々最も低濃度、最も
高濃度の印字部分の反射濃度を表す。
顕微鏡を用いて100〜300倍に拡大して観察し、印
字ドットの形状について以下の4段階評価を行った。○
以上を良好と判定した。
状が円形であって極めて良好。
見られるものの良好。
れ」などの異常が見られる。
れ」などの異常が多数見られる。
ねて、上記(3)と同様にして連続印刷を行った。この
とき、紙詰まりなどの給紙エラーの発生回数により、給
紙性について以下の3段階評価を行った。○以上を良好
と判定した。
したものをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイ
ドピン(外径:4.5mm、8mm)に走行条件:速度
1m/分、出側張力50gで、受容層側が内側になるよ
うに巻き付けた後、受容シートを巻き戻して受容層側の
表面状態を目視で観察し、以下の3段階評価を行った。
○以上を良好と判定した。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
テレフタレート(以降、PETと省略する)チップにポ
リメチルペンテン(以降、PMPと省略する)を5重量
%(WA =5重量%)、さらに相溶化剤として分子量4
000のポリエチレングリコール(以降、PEGと省略
する)を1重量%添加した原料を180℃で3時間真空
乾燥した後、押出機(A)に供給し、常法により285
℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
量%(WB =15重量%)、さらに相溶化剤として分子
量4000のPEGを1重量%添加したものを180℃
で3時間真空乾燥した後に、押出機(B)に供給し、常
法により285℃で溶融してTダイ複合口金内で白色ポ
リエステル層(A)が白色ポリエステル層(B)の両表
層に積層されて成る積層溶融体シートを得た。
たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させ未延
伸積層フィルムとした。続いて、該未延伸積層フィルム
を常法に従い98℃に加熱されたロール群を用いて長手
方向に3.2倍延伸し、20℃のロール群で冷却した。
さらに該延伸積層フィルムをテンターに導き125℃に
加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.5倍延伸
した。その後テンター内で220℃の熱固定を行い均一
に徐冷後巻き取り、白色ポリエステル層(A)の厚みt
A が4μm、白色ポリエステル層(B)の厚みtB が3
2μmの構成とした、全厚みtが40μmの白色積層ポ
リエステルフィルムを得た。該白色積層ポリエステルフ
ィルムの原料組成、積層厚み、構成などについては表1
にまとめて示した。
により積層した。すなわち、紙製基材として厚み100
μmの上質紙を用い、上質紙の表面に接着剤層として厚
み3μmの、低Tgポリエステル系樹脂(Tg=4℃、
軟化点=114℃)層を設けた後、110℃にて白色積
層ポリエステルフィルムと均一に貼合せた。
ィルムの、紙製基材と貼合せた面と反対面の白色ポリエ
ステル層(A)にコロナ放電処理を行った後、下記の受
容層形成塗液を、乾燥後の厚みが0.1μmとなるよう
にバーコートにて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、
本発明の受容シートを得た。
水分散体(ウレタン変性比率=20重量%、アンモニア
水溶液中で加熱することにより乳化させ、水分散体とし
たもの) (B)帯電防止剤:リン酸系イオン性高分子水分散体
(予め水酸化カリウムで中和したアシッドホスホオキシ
(ポリオキシエチレングリコール)モノメタクリレート
(オキシエチレングリコールの繰り返し単位数n=5)
/ブチルアクリレート/アクリル酸を70/25/5
(重量%)の比率で乳化重合させたもの。分子量=約1
5万) (A)/(B)を固形分重量比50/50で混合し、水
で希釈して固形分濃度を3%とした。
2のとおりである。すなわち、印字性に優れると共に耐
折れじわ性にも優れるものであった。
1の押出機(A)に供給する原料のうちPMPの添加量
WA 、WB を表1に示したとおりに変更したこと以外は
実施例1と同一手法で受容シートを得た。
特性に優れるものであった。
示したとおり、実施例1の白色ポリエステル層(A)の
厚みtA を各々2μm(実施例4)、8μm(実施例
5)とし、全厚みtが40μmとなるよう積層したこと
以外は実施例1と同一手法で受容シートを得た。
おり各特性に優れ、特に印字性に優れるものであった。
示したとおり、実施例1の押出機(A)に供給する原料
に、更に平均粒子径0.3μmのアナターゼ型酸化チタ
ン微粒子を7重量%、蛍光増白剤“OB−1”(イース
トマン社製)を0.12重量%添加したこと以外は実施
例1と同一手法で受容シートを得た。
おり各特性に優れ、さらに白色性、隠蔽性の優れた、高
級感あふれる受容シートであった。
示したとおり、実施例1の押出機(A)、(B)に供給
する原料のうち、PMPの添加量WA 、WB を各々20
重量%、5重量%とした他は、実施例1と同一手法で受
容シートを得た。
おりであって、特に印字性に劣るものであった。
示したとおり、実施例1の押出機(A)に供給する原料
のうち、PMPの添加量WA を13重量%とした他は、
実施例1と同一手法で受容シートを得た。
おり、印字性に劣るものであった。
示したとおり、実施例1の押出機(B)に供給する原料
のうち、PMPの添加量WB を0.5重量%としたこと
以外は実施例1と同一手法で受容シートを得た。
おり、印字濃度以外の各特性に劣るものであった。
1の押出機(A)に供給する原料として、表1に示した
とおり、PETチップに平均粒子径0.3μmのアナタ
ーゼ型酸化チタン微粒子のみを14重量%添加したもの
を使用した他は、実施例1と同一手法で受容シートを得
た。
おりであって、ドット形状以外の各特性、特に耐折れじ
わ性に劣るものであった。
名:“ルミラー”T60 東レ(株)製)を用いたこと
以外は実施例1と同一手法で受容シートを得た。この受
容シートの特性は、表2に示したとおり各特性に劣るも
のであった。
示したとおり、実施例1の押出機(B)に供給する原料
のうち、PMPの添加量WB を40重量%としたこと以
外は実施例1と同一手法で製膜を行ったが、フィルム破
れが頻発して白色積層ポリエステルフィルムを採取でき
なかったため、受容シートを作製できなかった。
るだけでなく受容シートの実用特性である耐折れじわ性
にも優れるものである。
特性を有するので、特に感熱転写記録に供される受容シ
ートとして好適に用いられる。
Claims (5)
- 【請求項1】受容層/白色積層ポリエステルフィルム/
紙製基材の順に積層されて成る受容シートであって、該
白色積層ポリエステルフィルムが、白色ポリエステル層
(B)の少なくとも片面に白色ポリエステル層(A)が
積層された構成から成り、かつ該白色ポリエステル層
(A)側に前記受容層が形成され、該層(A)、(B)
は、ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂が含有せしめ
られて成るボイド含有層であり、そのボイド含有率およ
びボイド数が下記式(1)〜(4)を満足することを特
徴とする受容シート。 (1)VB =5〜50(%) (2)0.1≦VA /VB ≦0.9 (3)nB =8×103 〜3×105 個/mm2 (4)0.1≦nA /nB ≦0.9 (VA、VBは、各々白色ポリエステル層(A)、(B)
のボイド含有率を表し、nA 、nB は、各々白色ポリエ
ステル層(A)、(B)のボイド数を表す。) - 【請求項2】白色ポリエステル層(A)の厚みtA が、
白色積層ポリエステルフィルムの全厚みtに対する比率
(tA /t)として0.01〜0.7であることを特徴
とする請求項1に記載の白色積層ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項3】ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂が、
ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1または
請求項2に記載の白色積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】白色積層ポリエステルフィルムを構成する
白色ポリエステル層(A)、(B)のうち少なくとも一
層に無機系微粒子および/または蛍光増白剤を含有せし
めたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに
記載の受容シート。 - 【請求項5】白色積層ポリエステルフィルムが3層積層
構造であって、芯層部が白色ポリエステル層(B)、両
表層部が白色ポリエステル層(A)であることを特徴と
する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の受容シー
ト。
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---|---|---|---|
JP00099499A JP4000700B2 (ja) | 1999-01-06 | 1999-01-06 | 受容シート |
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JP00099499A JP4000700B2 (ja) | 1999-01-06 | 1999-01-06 | 受容シート |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000198277A true JP2000198277A (ja) | 2000-07-18 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP4000700B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004122375A (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-22 | Toray Ind Inc | 感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム |
JP2007144892A (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-14 | Fujifilm Corp | 熱転写記録システム |
-
1999
- 1999-01-06 JP JP00099499A patent/JP4000700B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004122375A (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-22 | Toray Ind Inc | 感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム |
JP2007144892A (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-14 | Fujifilm Corp | 熱転写記録システム |
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