JP2000198274A - 熱可逆記録媒体、ラベル、カ―ド、ディスク、ディスクカ―トリッジ及びテ―プカセットと画像処理方法 - Google Patents
熱可逆記録媒体、ラベル、カ―ド、ディスク、ディスクカ―トリッジ及びテ―プカセットと画像処理方法Info
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Abstract
な消去性を有し、高コントラスト画像が得られる熱可逆
記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体において、
経時透明化開始温度変化が5℃以下、及び/又は、透明
化温度幅変化率が90%以上であることを特徴とする熱
可逆記録媒体。この記録層は樹脂母材及びその樹脂母材
中に分散された有機低分子物質を主成分としているが、
該樹脂母材は特に、ヒドロキシル基を有する熱可塑性樹
脂を鎖式イソシアネート化合物と環式イソシアネート化
合物の混合物を用い架橋したものが望ましい。
Description
る可逆的な透明度変化を利用して、画像の形成および消
去を何度でも繰り返して行うことのできる熱可逆記録媒
体、ラベル、カード、ディスク、ディスクカートリッジ
及びテープカセットとそれらを用いた記録、消去の方法
に関する。
なったときにはその画像の消去ができ、温度に依存して
透明度が可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒
体が注目されている。その代表的なものとしては、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体などの樹脂母材中に高級脂
肪酸などの有機低分子物質を分散した熱可逆記録媒体が
知られている(特開昭55−154198号公報)。し
かし、これらの従来の熱可逆記録媒体は、透光・透明性
を示す温度範囲の幅が2〜4℃と狭い欠点があり、透光
・透明性や遮光・白濁性を利用して画像を形成する際の
温度制御に難があった。この点に考慮して、本発明者等
は特開平2−1363号公報および特開平3−2089
号公報に、高級脂肪酸と脂肪族ジカルボン酸を混合して
用いることにより、透明になる温度範囲を20℃前後ま
で広げ、画像を消去(透明化)することを容易にできる
ことを明らかにした。
に、消去用の特別な加熱手段を用いることなく一つのサ
ーマルヘッドで画像の形成と消去の両方を行うオーバー
ライト記録が望まれている。サーマルヘッドでの加熱の
ように加熱時間がミリ秒単位となる場合には、上記のよ
うな従来の熱可逆記録媒体は、白濁画像を形成した後、
室温より高い温度で長期間保存すると画像を消去(透明
化)しにくくなり充分なコントラストが得られないとい
う欠点があった。
ドでのミリ秒単位の加熱時間では、白濁画像を形成した
後、数十分以内に加熱し画像を消去する場合には、地肌
まで透明化可能であり、かつ一定の消去可能なエネルギ
ーの幅を有し画像を消去する際に周囲の環境温度などの
影響を受けて印加エネルギーが多少変動しても余裕を持
って消去可能であることを示している。ところが、白濁
画像を形成した後、長期間保存し印字直後と同様の条件
で画像を消去する場合には、地肌まで透明化できず、か
つ透明化できるエネルギーの幅が狭くなってしまうとい
う現象があった。
層中の樹脂母材の物性の変化が原因であると考えられ
る。高分子をガラス転移温度以上に加熱後急冷すると高
分子固有の安定な状態に戻ることができず、ガラス転移
温度より低い温度条件下で長時間かけて安定な状態に戻
っていくという現象が知られている。この現象は一般に
はエンタルピー緩和と呼ばれており、長時間かけて安定
な状態に戻る際の物性の変化としては、ガラス転移温度
の高温化や密度の増加などが挙げられている。この長期
間保存でのガラス転移温度の高温化が消去性の低下を引
き起こしていると考えられる。
の放射線硬化型樹脂を混合する方法(特開平8−724
16号公報)や、感熱層中に反応性ポリマーを含有させ
る方法(特開平10−100547号公報)などが提案
されている。これらは従来の熱可逆記録媒体と比べると
消去性が向上しているが、処理速度が早くなりサーマル
ヘッドの加熱時間が短くなると充分な消去性を得ること
ができず、ひいては充分なコントラストを得ることがで
きなかった。
樹脂母材と放射線硬化型樹脂を混合しているだけであ
り、樹脂母材の熱可塑性樹脂は架橋されていないため、
繰り返し耐久性が劣るという問題があった。また、特開
平10−100547号公報では紫外線照射によって架
橋する場合には、1部混合されている反応性ポリマーだ
けが架橋するためやはり繰り返し耐久性が劣り、電子線
照射によって架橋する場合には良好な繰り返し耐久性が
得られるものの、大掛かりで高価格の設備が必要になる
という欠点があった。
は、繰り返し耐久性を向上するために塩化ビニル−酢酸
ビニル−ビニルアルコール共重合体とイソシアネート化
合物を用い樹脂を架橋することが提案されているが、剛
直なイソシアネート化合物を用いているため耐久性は向
上するものの、消去性は画像形成直後も長期間保存後も
低下するという欠点があった。特開平6−32053号
公報には、樹脂母材としてガラス転移点が35℃以上の
ポリウレタンを用いることが提案されているが、消去性
経時変化が大きく、繰り返し耐久性が劣るという欠点が
あった。
ような現状に鑑み、処理速度が速くなりサーマルヘッド
での加熱時間が短くなっても充分な消去性を有し、高コ
ントラスト画像が得られる熱可逆記録媒体を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、高価な設備を導入する
ことなく良好な繰り返し耐久性が得られる熱可逆記録媒
体を提供することである。
に、支持体上に温度に依存して透明度が可逆的に変化す
る感熱層を設けた熱可逆記録媒体において、経時透明化
開始温度変化が5℃以下であることを特徴とする熱可逆
記録媒体が提供される。
下であることを特徴とする上記第一に記載の熱可逆記録
媒体が提供される。
が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体にお
いて、透明化温度幅変化率が90%以上であることを特
徴とする熱可逆記録媒体が提供される。
下であり、かつ透明化温度幅変化率が90%以上である
ことを特徴とする上記第一〜三のいずれかに記載の熱可
逆記録媒体が提供される。
材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に
依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可
逆記録媒体において、該樹脂母材として、ヒドロキシル
基を有する熱可塑性樹脂を鎖式イソシアネート化合物と
環式イソシアネート化合物の混合物を用い架橋して用い
ることを特徴とする熱可逆記録媒体が提供される。
ソシアネート基当たりの分子量が250以上であること
を特徴とする上記第五に記載の熱可逆記録媒体が提供さ
れる。
材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に
依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可
逆記録媒体において、該樹脂母材として、ポリカーボネ
ートをベースとしたウレタン樹脂を架橋して用いること
を特徴とする熱可逆記録媒体が提供される。
の低融点有機低分子物質と少なくとも1種の高融点の有
機低分子物質を混合し用いるものであって、用いられる
有機低分子物質の内、最も低い融点と最も高い融点の温
度差が30℃以上であることを特徴とする上記第五〜七
のいずれかに記載の熱可逆記録媒体が提供される。
40℃以上120℃以下であることを特徴とする上記第
五〜八のいずれかに記載の熱可逆記録媒体が提供され
る。
条件(i)(ii)(iii)を満足することを特徴とする
上記第一〜九のいずれかに記載の熱可逆記録媒体が提供
される。 (i)透明化上限温度が125℃以上 (ii)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
℃以下 (iii)透明化温度幅が30℃以上
結合、尿素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカ
ルボキシル基を有する融点130℃以上の直鎖炭化水素
含有化合物(A)の少なくとも一種と、該直鎖炭化水素
含有化合物(A)の融点より30℃以上低い融点の直鎖
炭化水素含有化合物(B)の少なくとも一種とを混合し
て用いることを特徴とする上記第五〜十のいずれかに記
載の熱可逆記録媒体が提供される。
体の感熱層と反対側の表面上に接着剤層もしくは粘着剤
層を設けてなることを特徴とする、ラベル用の上記第一
〜十一のいずれかに記載の熱可逆記録媒体が提供され
る。
ードであることを特徴とする上記第一〜十一のいずれか
に記載の熱可逆記録媒体が提供される。
ードであることを特徴とする上記第十二に記載の熱可逆
記録媒体が提供される。
C、光メモリから選ばれた少なくとも1種であることを
特徴とする上記第十三または第十四に記載の熱可逆記録
媒体が提供される。
i)を支持体とすることを特徴とする上記第一〜十一の
いずれかに記載の熱可逆記録媒体が提供される。 (i)記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカート
リッジ (ii)記憶情報が書換もしくは追記可能なディスク (iii)記憶情報が書換可能なテープカセット
を内蔵したカートリッジ上に、上記第十二に記載のラベ
ル用の熱可逆記録媒体を貼着したことを特徴とする可逆
表示付ディスクカートリッジが提供される。
能なディスク上に、上記第十二に記載のラベル用の熱可
逆記録媒体を貼着したことを特徴とする可逆表示付ディ
スクが提供される。
セット上に、上記第十二に記載のラベル用の熱可逆記録
媒体を貼着したことを特徴とする可逆表示付テープカセ
ットが提供される。
画像を形成することを特徴とする上記第一〜十九のいず
れかに記載の熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディス
クカートリッジ、ディスクまたはテープカセットが提供
される。
記載の熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディスクカー
トリッジ、ディスクまたはテープカセットを用い、加熱
により画像の記録と消去を行うことを特徴とする画像処
理方法が提供される。
および/または消去を行なうことを特徴とする上記第二
十一に記載の画像処理方法が提供される。
画像をオーバーライトし、該画像の消去と新しい画像の
記録を行うことを特徴とする上記第二十一または第二十
二に記載の画像処理方法が提供される。
を消去することを特徴とする、上記第二十二または第二
十三に記載の画像処理方法が提供される。
する。本発明の熱可逆記録媒体は、前記のごとき透明度
変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用するものであ
るが、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよ
うに推測される。
中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙間
なく密着しており、また粒子部内にも空隙はなく、片側
から入射した光は散乱されることなく反対側に透過する
ため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合には有
機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集
合した多結晶で構成され、結晶の界面もしくは粒子と樹
脂母材の界面に隙間ができ、片側から入射した光は空隙
と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
おける温度−透明度変化を判り易く説明するものであ
り、図2において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散さ
れた有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えば
T0以下の常温で白濁不透明状態にある。これを加熱し
ていくと温度T1から徐々に透明になり始め、温度T2〜
T3に加熱すると透明となり、この状態で再びT0以下の
常温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近
から樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれ、樹脂が例え
ば収縮し樹脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒
子内の空隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、
温度T2〜T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、
残った空隙を溶融した有機低分子物質が埋めることによ
り透明となり、種結晶が残ったまま冷却されることによ
り、比較的高温で結晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態
のため、結晶化にともなう粒子の体積変化に樹脂が追随
するため、空隙ができず透明状態が維持されるためと考
えられる。
透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
に、この温度を下げていくと、再び透明状態をとること
なく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T4以上
で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態とな
り、TOより少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が
結晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生す
るためであると思われる。ただし、図2に示した温度−
透明度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、材料
を変えることにより各状態の透明度等はその材料に応じ
て変化が生じることがある。
幅変化率について定義する。白濁化された記録媒体で温
度を変えて加熱し、透明になる温度を調べる。記録媒体
の加熱には熱傾斜試験機(東洋精機社製HG−100)
を用い、加熱時間を0.1秒とし、加熱時の圧力は約
9.8×104Paとし、加熱温度は、加熱しても白さ
が変化しない低温度から2℃の等温度間隔で透明化する
温度まで加熱する。次に透明化した温度の低温から2〜
5℃の等温度間隔で十分に白濁する温度まで加熱する。
この時熱ブロックヘの記録媒体の粘着を防ぐため、ポリ
イミドやポリアミドの薄い(10μm以下)フィルムを
上にのせてもよい。そのように加熱した後、常温に冷却
し、マクベスRD−914反射濃度計を用い、各温度で
加熱した部分の濃度を測定し、横軸を熱傾斜試験機の設
定温度、縦軸を反射濃度としたグラフを作成する。記録
媒体が透明な支持体を用いている場合には、光を吸収す
るシートか、Alなどの金属を蒸着した光を正反射する
シートを記録媒体の背面に敷いて濃度を測定する。グラ
フは各温度毎の濃度値をプロットした後、プロットした
隣接点同士を直線で結ぶことにより完成され、図13の
ようになる。
せた記録媒体の厚みや材質によっても影響を受ける。記
録媒体の厚みは300μm以下であれば厚みの影響は受
けず、ほぼ同じデータが得られるが、それ以上の厚みの
場合は、支持体側を削ったり、剥がしたりして厚みを3
00μm以下にするか、厚みの厚い分を換算すればよ
い。材質はポリマー主体ならば何でもよいが、金属など
の場合は換算することが必要である。
透明化終了温度を読み取り計算してゆく。最初にこのグ
ラフの中で最大濃度値を読み取る。次にy=0.7×最
大濃度値の線を引き、この線より高濃度のプロット点を
選択する。このプロット点の数は5〜20点が好まし
く、これが少ないと、この後の計算結果が不確かなもの
となる。プロット点の数が少ない場合には、前述の熱傾
斜試験機での加熱の温度間隔を狭くし、数を増やすこと
が必要である。選択されたプロット点のうち、濃度値の
大きいもの、濃度値の小さいものを各々同数だけ除外
し、残ったものの濃度値を平均したものを平均透明濃度
(Dtavd)とする。濃度値の大、小を除外する割合
は選択されたプロット点のうち、各々10〜30%、好
ましくは15〜25%である。このように濃度値が大き
いものと小さいものを除外することにより、記録媒体の
透明濃度の正確な値が算出できる。
次の数式(I)式により算出する。
て、目視で十分に白濁する温度まで温度を上げたときの
白濁濃度のうちもっとも白濁化した濃度で定義する。ま
た動的透明化下限濃度(Dtld)はこの濃度以上であ
れば目視でほぼ透明に見える濃度を表わす。
き、濃度温度曲線との交点の温度を求める。この交点の
うち、低温側を動的透明化開始温度(Ttsd)、高温
側を動的透明化終了温度(Tted)とする。透明化温
度幅(dTwd)は数式(II)により求められる。
たホットプレートに記録媒体を約10秒押し当て加熱し
た後、常温に戻るまで冷却し白濁化する。この白濁画像
を数十分以内に上記のように熱傾斜試験機を用いて求め
たTtsdが画像形成直後の動的透明化開始温度(Tt
sd)であり、dTwdが画像形成直後の動的透明化温
度幅(dTwd)になる。
と長期間保存後の動的透明化温度幅について説明する。
長期間保存後の記録媒体は、白濁化した記録媒体を35
℃の環境下に1週間保存した後、画像形成直後の記録媒
体で温度を変えて加熱し、透明になる温度を調べた時と
同様に熱傾斜試験機を用い同条件で低温度から等温度間
隔で温度を変えて十分に白濁する温度まで加熱する。そ
して画像形成直後の求めたグラフ上のy=Dtldの線
と、濃度温度曲線との交点の温度を求める。この交点の
うち、低温側を長期間保存後の動的透明化開始温度(T
tsd’)、高温側を長期間保存後の動的透明化終了温
度(Tted’)とする。長期間保存後の動的透明化温
度幅(dTwd’)は数式(III)により求められる。
動的透明化開始温度であり、dTwd’が長期間保存後
の動的透明化温度幅になる。
s)と透明化温度幅変化率(dTw)を次のように定義
する。
℃以下になることが必要であり、2℃以下がさらに好ま
しい。それ以上になるとサーマルヘッドなどの短時間加
熱の消去では画像が消えにくくなるという問題を生じ
る。また経時透明化開始温度変化(dTts)は−5℃
以上である事が好ましく、−2℃以上がさらに好まし
い。それ以下であると高温保存で画像が消えやすくなる
という問題を生じる。
上が必要であり、95%以上がさらに好ましい。それ以
下になるとサーマルヘッドなどの短時間加熱の消去では
画像が消えにくくなるという問題を生じる。また透明化
温度幅変化率(dTw)は120%以下が好ましく、1
15%以下がさらに好ましく、110%以下が特に好ま
しく、105%以下がより好ましい。それ以上になると
画像形成ためサーマルヘッドなどでのの印字感度が変わ
ってしまうという問題を生じる。
s)および透明化温度幅変化率(dTw)は感熱層中の
樹脂母材の物性変化を別の観点から捉えたものである。
「従来の技術」の項で述べたように長期間保存での消去
性の変化は樹脂のガラス転移温度の変化によるものと考
えられる。通常、ガラス転移温度はDSCやDMSなど
の機器を用いて測定されるが、支持体上に塗工した記録
媒体の状態では正確なデータを得るのが困難である。本
発明の熱可逆記録媒体では、図2で説明した温度−透明
度変化のグラフの中で白濁状態が透明化し始める温度T
1がガラス転移温度を示しているため、熱傾斜試験機で
加熱され定義される動的透明化開始温度(Ttsd)は
ガラス転移温度に対応しており、経時透明化開始温度変
化(dTts)はガラス転移温度の経時変化を捉えてい
ることになる。
から白濁状態に変化し始める温度(動的透明化終了温
度:Tted)は感熱層中の高融点長鎖低分子が溶融す
る温度を示しており、透明化温度幅は樹脂のガラス転移
温度から高融点長鎖低分子の融点までの幅を示してお
り、透明化温度幅変化率(dTw)はガラス転移温度か
ら高融点長鎖低分子の融点までの幅の変化を捉えている
ことになる。
Tts)や透明化温度幅変化率(dTw)を向上させた
熱可逆記録媒体を作成するポイントは、柔軟な分子構造
を樹脂母材中に組み入れることであり、より具体的に
は、樹脂と架橋剤の組み合わせおよび用いる樹脂がポイ
ントになる。すなわち、柔軟な構造を有する架橋剤と熱
可塑性樹脂の組み合わせもしくは柔軟な構造を組み込ん
だ樹脂によって達成される。樹脂母材中に柔軟な構造を
組み入れることによって長期間放置しても分子同士が凝
集しにくくなり、エンタルピー緩和が少なくなり、ガラ
ス転移温度の変化が低減し、経時変化が少なくなるもの
と考えられる。また、該樹脂として、架橋剤と反応する
官能基を有する樹脂を用いて該樹脂と架橋剤を反応させ
該樹脂を架橋することによって熱可逆記録媒体の繰り返
し耐久性を向上させることが可能になる。
によるものが一般的であるが、これらの中でも電子線は
設備が高価であるため熱や紫外線によるものが好まし
い。熱架橋の場合は、紫外線の場合より設備が安価であ
り比較的低い温度であっても1週間から1ヶ月程度の長
期間保存することによって架橋が進むものもあるため、
さらに好ましい。
ヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート
化合物の組み合わせと、アクリロイル基もしくはメタク
リロイル基を有する熱可塑性樹脂とアクリルもしくはメ
タクリル系モノマーの組み合わせなどがあるが、これら
に限定されるものではない。
ソシアネート化合物の組み合わせの場合には、イソシア
ネート化合物は鎖式イソシアネート化合物と環式イソシ
アネート化合物を混合して用いることが好ましい。鎖式
イソシアネート化合物のみを用いた場合には、架橋され
た樹脂は通常柔軟になり消去性は向上するが、感熱層が
柔らかすぎると繰り返し耐久性や画像耐熱性が低下する
という欠点がある。逆に、環式イソシアネート化合物の
みを用いた場合には、架橋された樹脂は剛直になり繰り
返し耐久性や画像耐熱性は向上するが、消去性が低下す
るという欠点がある。鎖式イソシアネート化合物と環式
イソシアネート化合物を混合して用いることにより、消
去性と耐久性、耐熱性を両立させることが可能になる。
ネート化合物の混合比(重量割合)は、90:10〜1
0:90であることが好ましく、90:10〜30:7
0がさらに好ましく、80:20〜30:70が特に好
ましい。鎖式イソシアネート化合物が多いほど消去率や
最大消去傾斜が向上しひいてはコントラストの向上が可
能になる。
ばトリオールなどの水酸基を有する鎖式化合物とヘキサ
メチレンジイソシアネートなどの脂肪族系のイソシアネ
ートを直接もしくは単数または複数のエチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイドを介して反応させたものであ
る。鎖式イソシアネート化合物の分子量は500以上が
好ましく、700以上がさらに好ましく、1000以上
が特に好ましく、また、5000以下が好ましく、40
00以下がさらに好ましく、3000以下が特に好まし
い。分子量が小さすぎると架橋された塗膜が柔軟な構造
をとりにくくなるため消去性が低下し、分子量が大きす
ぎると分子が動きにくくなるため架橋度が低下し耐久性
が低下する。1つのイソシアネート基当たりの分子量は
250以上が好ましく、300以上がさらに好ましく、
400以上が特に好ましく、また、2000以下が好ま
しく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が
特に好ましい。1つのイソシアネート基当たりの分子量
が小さすぎると架橋された塗膜が柔軟な格造をとりにく
くなるため消去性が低下し、分子量が大きすぎると分子
が動きにくくなるため架橋度が低下し耐久性が低下す
る。
は、下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。
環もしくはイソシアヌレート環を有するイソシアネート
化合物である。この中でもイソシアヌレート環を有する
タイプは、黄変がないため好適に用いられる。環式イソ
シアネート化合物も環状構造以外にアルキレン鎖などの
鎖状構造を有することが好ましい。環式イソシアネート
化合物の分子量は、100以上が好ましく、200以上
がさらに好ましく、300以上が特に好ましく、また、
1000未満が好ましく、700未満がさらに好まし
い。分子量が小さすぎると塗膜形成時の加熱によって蒸
発して塗膜が架橋できなくなり耐久性が低下する。分子
量が大きすぎると剛直な構造が形成できなくなり耐久性
が低下する。
は、下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。
ネート化合物の混合物は上記の材料を混合しても良い
し、混合された商品を用いても良い。混合物の商品とし
ては、例えば、日本ポリウレタン社製「コロネート 2
298−90T」([化1]の化合物と[化3]の化合
物との混合物:混合重量比7/3)などがあるが、これ
らに限定されるものではない。
キシル基を有する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、4
0℃以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、6
0℃以上が特に好ましく、また、120℃以下が好まし
く、100℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度が
低すぎると画像耐熱性が低下し、高すぎると消去性が低
下する。
としては、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート系、ポ
リウレタン系やそれらの共重合体が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。ヒドロキシル基を有する
熱可塑性樹脂の具体例としては、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−アクリレ
ート−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体などが
挙げられる。また、ヒドロキシル基に加えてスルホン酸
基などを有する塩化ビニル系樹脂なども使用可能であ
り、具体的な材料としては日本ゼオン社から商品化され
ているMR−110、MR−104、MR−112、M
R−113などが挙げられる。スルホン酸などの極性が
強い官能基を有する樹脂は、コントラストの向上が可能
であるため、特に好ましく用いられる。
ト化合物の混合重量比は、1以上が好ましく、3以上が
さらに好ましく、また、50以下が好ましく、40以下
がさらに好ましい。イソシアネート化合物が少なすぎる
と耐久性が劣り、多すぎると透明度が低下する。
してイソシアネート化合物のイソシアネート基は、0.
05当量以上が好ましく、0.1当量以上がさらに好ま
しく、0.2当量以上が特に好ましく、また、2当量以
下が好ましく、1当量以下がさらに好ましく、0.8当
量以下が特に好ましい。この当量が少なすぎると耐久性
が劣り、多すぎると透明度が低下する。
を有する熱可塑性樹脂とアクリルもしくはメタクリル系
モノマーの組み合わせの場合には、架橋させる方法とし
て2つの方法がある。一つは、有機過酸化物を混合して
加熱することによってラジカルを発生させて樹脂のアク
リロイル基もしくはメタクリロイル基とモノマーを反応
させ樹脂を架橋させる方法であり、もう一つは光重合開
始剤を混合して紫外線を照射することによってラジカル
を発生させて樹脂のアクリロイル基もしくはメタクリロ
イル基とモノマーを反応させ樹脂を架橋する方法であ
る。両者のうち、有機過酸化物を用いる方法は熱により
架橋が可能であり、前述のように高価な設備が不必要で
あるため、より好ましい。
リル系モノマーとしては、一般的に紫外線硬化や電子線
硬化用樹脂として用いられる官能性モノマーやオリゴマ
ーを用いることができるが、柔軟な構造を有するものが
好ましい。すなわち、脂肪族系が好ましく、芳香族系で
も鎖式構造を有するものが好ましく、また、3官能性以
上の多官能性モノマーより単官能性乃至2官能性のモノ
マーが好ましい。具体例としては以下のものが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
MA)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEM
A)、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル(HPM
A)、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMM
A)、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロラ
イド塩(DMCMA)、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル(DEMA)、メタクリル酸グリシジル(GM
A)、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFM
A)、メタクリル酸アリル(AMA)、ジメタクリル酸
エチレングリコール(EDMA)、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール(3EDMA)、ジメタクリル酸テ
トラエチレングリコール(4EDMA)、ジメタクリル
酸1,3−ブチレングリコール(BDMA)、ジメタク
リル酸1,6−ヘキサンジオール(HXMA)、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン(TMPMA)、メ
タクリル酸2−エトキシエチル(ETMA)、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエ
トキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシ
クロペンテニルオキシエチルアクリレート、N−ビニル
ピロリドン、酢酸ビニル、
オールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビス
フェノールA.EO付加物ジアクリレート、グリセリン
メタクリレートアクリレート、ネオペンチルグリコール
のプロピレンオキサイド2モル付加のジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコール(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリ
ン酸とネオペンチルグリコールのエステルのジアクリレ
ート、2,2−ビス(4−アグリロキシ・ジエトキジフ
ェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールアジペート
のジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε
−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキ
シメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレ
ート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、
トリシクロデカンジメチロールジアクリレートのε−カ
プロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグ
リシジルエーテルのジアクリレート、
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、グリセリンPO付加トリアクリレート、ト
リスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプ
ロパンのプロピレンオキサイド3モル付加物のトリアク
リレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ジ
ペンタエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエ
リスリトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレー
ト、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロール
プロピントリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエ
リスリトールのテトラアクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラアクリレート、プロピオン酸ジぺンタエ
リスリトールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(DPHA)、DPHAのε
−カプロラクトン付加物、
を有する熱可塑性樹脂100に対してアクリルもしくは
メタクリル系モノマーの混合重量比は、1以上が好まし
く、3以上がさらに好ましく、5以上が特に好ましく、
また、70以下が好ましく、50以下がさらに好まし
い。混合量が少なすぎると繰り返し耐久性が低下し、多
すぎると透明性が低下するという欠点がある。
ル基もしくはメタクリロイル基に対して、アクリルもし
くはメタクリル系モノマーのアクリロイル基もしくはメ
タクリロイル基は、0.02当量以上が好ましく、0.
05当量以上がさらに好ましく、また、2当量以下が好
ましく、1当量以下がさらに好ましく、0.8当量以下
が特に好ましい。この当量が少なすぎると繰り返し耐久
性が低下し、多すぎると透明性が低下するという欠点が
ある。
を有する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、40℃以上
が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上
が特に好ましく、また、120℃以下が好ましく、10
0℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度が低すぎる
と画像耐熱性が低下し、高すぎると消去性が低下する。
ル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル
系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系やそれらの共
重合体が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する
熱可塑性樹脂の具体例としては、前述のヒドロキシル基
を有する熱可塑性樹脂のヒドロキシル基にメタクリロイ
ル基もしくはアクリロイル基を有するイソシアネート化
合物のイソシアネート基を反応させたグラフト共重合体
などがある。ここで用いられるヒドロキシル基を有する
熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−アクリレート
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体などが挙げ
られる。また、ここで用いられるメタクリロイル基もし
くはアクリロイル基を有するイソシアネート化合物の例
としては、メタクロイルオキシエチルイソシアネートな
どが挙げられるが、これに限定されるものではい。
イド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、
ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが
用いられる。
用される材料の中から選択される。これらの光重合開始
剤は、単独で又は2種以上混合して使用される。添加量
としては架橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重
量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5重量
部である。さらに、芳香族系の第3級アミンや脂肪族ア
ミン系などの光重合促進剤を添加しても良い。これらの
光重合促進剤は単独で又は2種以上混合して使用され
る。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.
1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重
量部である。
だ樹脂の代表例としては、ポリカーボネートをベースと
したウレタン樹脂などがあるがこれらに限定されるもの
ではない。べースとなるポリカーボネートの具体例とし
ては、下記のものが挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。
れている商品としては、例えば、日本ポリウレタン社製
「ニッポラン3151」などがあるが、これらに限定さ
れるものではない。
記録媒体を作成するもう一つのポイントは、異なる融点
を有する有機低分子物質を混合して用いることである。
すなわち、融点の異なる有機低分子物質を複数用いるこ
とである。用いられる有機低分子物質の内、最も低い融
点と最も高い融点の温度差は30℃以上であることが好
ましく、40℃以上であることがさらに好ましく、50
℃以上であることが特に好ましく、60℃以上であるこ
とがより好ましい。この温度差が大きいほど消去性が向
上する。
条件を満足することが好ましい。 (1)透明化上限温度が125℃以上 (2)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
℃以下 (3)透明化温度幅が30℃以上
(Tsl)、透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差
(ΔTts)、透明化開始温度(Tta)、透明化温度幅
(ΔTw)は下記のとおリ決められる。まず、白濁化さ
れた熱可逆記録媒体を用意する。透明化された熱可逆記
録媒体や十分に白濁されていない熱可逆記録媒体を用い
るには、十分に加熱したホットプレートに媒体を押しあ
て加熱することによって、事前に熱可逆記録媒体を白濁
させる。加熱する時間は10秒〜30秒程度でよい。加
熱する温度が白濁化するために十分な温度であることを
確認するのは、その温度よりやや高い温度(例えば10
℃高い温度)で再度加熱してみればよい。白濁度が両者
で変わらなければ最初の加熱温度が白濁化するために十
分に高い温度であったことになる。やや高い温度で加熱
した方が白濁度が高くなっていれば、最初の温度ではま
だ温度が低かったことになり、加熱温度を上げて再度同
じことを繰リ返せばよい。
温度を変えて加熱し、透明になる温度を調べる。熱可逆
記録媒体の加熱には熱傾斜試験機(東洋精機社製HG−
100)を用いる。この熱傾斜試験機は5つの加熱ブロ
ックを持ち、各ブロックは個別に温度を設定でき、加熱
時間、圧力をコントロールすることも可能であり、設定
された条件で、一度に5つの異なる温度で熱可逆記録媒
体を加熱することができる。具体的には、加熱時間を1
秒とし、加熱時の圧力は約2.5kg/cm2とし、加
熱温度は、加熱しても白さが変化しない低温度から1〜
5℃の等温度間隔で十分に白濁する温度まで加熱する。
熱ブロックへの熱可逆記録媒体の粘着を防ぐため、ポリ
イミドやポリアミドの薄い(10μm以下)フィルムを
上にのせてもよい。そのように加熱した後、常温に冷却
し、マクベスRD−914反射濃度計を用い、各温度で
加熱した部分の濃度を測定し、図3のように横軸を熱傾
斜試験機の設定温度、縦軸を反射濃度としたグラフを作
成する。熱可逆記録媒体が透明な支持体を用いている場
合には、光を吸収するシートか、光を正反射するシート
を熱可逆記録媒体の背面に敷いて濃度を測定する。グラ
フは各温度毎の濃度値をプロットした後、プロットした
隣接点同士を直線で結ぶことにより完成される。作成さ
れたグラフは通常図3のように台形状となる。
せた記録媒体の厚みや材質によっても影響を受ける。熱
可塑記録媒体の厚みは300μm以下であれば厚みの影
響は受けず、ほぼ同じデータが得られるが、それ以上の
厚みの場合は、支持体側を削ったり、剥がしたりして厚
みを300μm以下にするか、厚みの厚い分を換算すれ
ばよい。材質はポリマー主体ならば何でもよいが、金属
などの場合は換算することが必要である。
白濁化下限温度等を読み取り計算してゆく。最初にこの
グラフの中で量大濃度値(Dmax)を読み取る。次にy
=0.7×Dmaxの線を引き、この線より高濃度のプロ
ット点を選択する。このプロット点の数は5〜20点が
好ましい。プロット点が少ないと、この後の計算結果が
不確かなものとなる。プロット点の数が少ない場合に
は、前述の熱傾斜試験機での加熱の温度間隔を狭くし、
数を増やすことが必要である。選択されたプロット点の
うち、濃度値の大きいもの、濃度値の小さいものを各々
同数だけ除外し、残ったものの濃度値を平均したものを
平均透明濃度(Dtav)とする。濃度値の大、小を除外
する割合は選択されたプロット点のうち、各々10〜3
0%、好ましくは15〜25%である。このように濃度
値が大きいものと小さいものを除外することにより、記
録媒体の透明濃度の正確な値が算出できる。
(VI)式により算出する。
て、隣接した3点のプロット点が濃度値0.3以内にな
ったとき、その3点の濃度の平均値から算出される。D
tmはこの濃度以上であれば目視でほぼ透明に見える濃度
を表わす。
濃度−温度曲線との交点の温度を求める。この交点のう
ち、低温側を透明化下限温度(Ttl)、高温側を透明化
上限温度(Ttu)とする。透明化温度幅(ΔTw)は数
式(VII)により求められる。
II)によって算出される。
度曲線の透明から白濁へと変化する部分との交点の温度
を白濁化下限温度(Tsl)とする。透明化上限温度と白
濁化下限温度の差(ΔTts)は数(IX)で求められる。
で求められる。
るようにy=Dtaとグラフの交点から求められる。
であることが好ましい。Ttuが高温になることにより、
画像耐久性を低下させることなく、透明化温度幅の拡大
が可能となる。透明化上限温度(Ttu)は130℃以上
が好ましく、135℃以上が更に好ましく、140℃以
上が特に好ましい。この温度が高くなるほど印字感度が
向上する。また、透明化上限温度(Ttu)は190℃以
下が好ましく、180℃以下が更に好ましく、170℃
以下が特に好ましい。この温度が低いほど印字感度が向
上する。
Tts)は20℃以下であることが好ましい。ΔTtsがこ
れより大きくなると、白濁になる温度が必要以上に高く
なるため、白濁画像を形成する際、非常に高いエネルギ
ーが必要となり、画像の記録と消去を繰り返すと媒体表
面に傷がついたり、画像の白濁度が低下してしまう。Δ
Ttsは15℃以下が好ましく、10℃以下が更に好まし
い。
あることが好ましい。90℃以下がさらに好ましく、8
5℃以下が特に好ましく、また、70℃以上が好まし
く、75℃以上が特に好ましい。この温度が低いと消去
性が向上し、高いと画像耐熱性が向上する。
ることが好ましい。ΔTwがこれより小さくなると消去
性が低下する。透明化温度幅(ΔTw)は40℃以上が
より好ましく、45℃以上がさらに好ましく、また、5
0℃以上が特に好ましい。この温度幅が広い方が消去性
が向上する。またΔTwは100℃以下が好ましく、9
0℃以下がさらに好ましく、80℃以下が特に好まし
い。特に透明化温度幅(ΔTw)がより広くなると消去
の際の処理速度が速くなっても均一な消去が可能になる
という利点がある。この場合のΔTwは60℃以上が好
ましく、70℃以上がさらに好ましい。
は、用いる低分子物質がポイントとなる。すなわち、融
点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合物(A)と、該
直鎖炭化水素含有化合物(A)の融点より30℃以上低
い融点の直鎖炭化水素含有化合物(B)を混合して用い
ることにより達成される。
35℃以上が好ましく、140℃以上が更に好ましく、
また、200℃以下が好ましく、190℃以下が更に好
ましく、170℃以下が特に好ましい。直鎖炭化水素含
有化合物(A)と直鎖炭化水素含有化合物(B)の融点
の差の下限は、30℃以上が好ましく、40℃以上が更
に好ましく、50℃以上が特に好ましく、融点差が大き
い方が消去性は向上する。融点差の上限は、100℃以
下が好ましく、90℃以下がさらに好ましく、80℃以
下が特に好ましい。融点差の上限が小さい方が印字感度
が向上する。
限は50℃以上が好ましく、60℃以上が更に好まし
く、70℃以上が特に好ましく、融点が高い方が耐熱性
が向上する。また、融点の上限は110℃未満が好まし
く、100℃未満が更に好ましく、90℃未満が特に好
ましい。この温度が低い方が消去性が向上する。
点より融点が10℃以上高く、かつ直鎖炭化水素含有化
合物(A)の融点より融点が10℃以上低い直鎖炭化水
素含有化合物(C)を混合してもよい。直鎖炭化水素含
有化合物(C)を混合することによりコントラストの向
上をはかることができる。直鎖炭化水素含有化合物
(C)の融点は80℃以上が好ましく、90℃以上が更
に好ましく、100℃以上が特に好ましく、また、15
0℃未満が好ましく、140℃未満が更に好ましく、1
30℃未満が特に好ましい。
(B)、(C)は、各々1種類でもよいし、複数用いて
もよい。これらは長鎖構造を有することが好ましく、長
鎖構造は炭素数4以上が好ましく、6以上が更に好まし
く、8以上が特に好ましい。炭素数が多いと繰り返し耐
久性が向上する。この長鎖構造は1つの分子中に1つで
もよいし、2つ以上の複数でもよい。また、前記の長鎖
構造の炭素数は、分子全体の合計で示している。つまり
炭素数6の長鎖構造を2か所有する分子は炭素数12の
長鎖構造を有すると定義する。
水素含有化合物(B)を混合したときの両者を合わせた
有機低分子物質全体に対する直鎖炭化水素含有化合物
(A)の比率は3%以上が好ましく、5%以上が更に好
ましく、10%以上が特に好ましく、この比率が大きい
方が消去性が向上する。また、50%未満が好ましく、
40%未満が更に好ましく、30%未満が特に好まし
い。この比率が小さい方が透明度が向上する。直鎖炭化
水素含有化合物(B)の比率は、30%以上が好まし
く、また、50%以上が更に好ましく、60%以上が特
に好ましい。この比率が小さい方が消去性が向上する。
また、95%未満が好ましく、90%未満がさらに好ま
しく、85%未満が特に好ましい。この比率が大きい方
が消去時の透明度が向上する。
(C)を混合したときの有機低分子物質全体に対する直
鎖炭化水素含有化合物(C)の比率は、3%以上が好ま
しく、5%以上が更に好ましく、10%以上が特に好ま
しく、この比率が大きい方が透明度が向上する。また、
50%未満が好ましく、40%未満が更に好ましく、3
0%未満が特に好ましい。この比率が小さい方が消去性
が向上する。
機低分子物質の少なくとも一部として、アミド結合、尿
素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキシ
ル基を有する融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化合
物(A)の少なくとも一種と該直鎖炭化水素含有化合物
(A)の融点より30℃以上低い融点の直鎖炭化水素含
有化合物(B)の少なくと一種を混合して用いることが
好ましい。アミド結合、尿素結合、スルホニル結合は同
種のものが一つ乃至は二つ以上あっても良いし、異種の
ものが一つ乃至は二つ以上あっても良く、分子の末端で
も中心部でも良い。また、カルボキシル基は一つでも二
つ以上でも良く、分子の末端でも側鎖に位置しても良
い。
合とカルボキシル基を有することが好ましい。アミド結
合とカルボキシル基の少なくとも一方が複数であること
が更に好ましく、アミド結合とカルボキシル基の両方が
複数であることが特に好ましい。アミド結合とカルボキ
シル基を有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式
の例を以下に挙げるが、これに限定されるものではな
い。
NH又はNHCOを表し、ただしXとYは同時に同じ構
造をとらない。) 2n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、
10以上が特に好ましい。
とカルボキシル基を有することが好ましい。また、直鎖
炭化水素含有化合物(A)はスルホニル結合とカルボキ
シル基を有することが好ましい。尿素結合とカルボキシ
ル基を有する直鎖炭化水素含有化合物(A)の一般式と
スルホニル結合とカルボキシル基を有する直鎖炭化水素
含有化合物(A)の一般式の例を以下に挙げるが、これ
に限定されるものではない。
NH又はSO2を表す。) n+mは6以上が好ましく、8以上が更に好ましく、1
0以上が特に好ましい。
上が好ましく、135℃以上が更に好ましく、140℃
以上が特に好ましく、この融点が高い方が消去性が向上
する。また、200℃以下が好ましく、180℃以下が
更に好ましく、170℃以下が特に好ましく、160℃
以下が最も好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上
する。また、一般式(2)の材料の融点は、135℃以
上が好ましく、140℃以上が更に好ましく、この融点
が高い方が消去性が向上する。また、190℃以下が好
ましく、170℃以下が更に好ましく、150℃以下が
特に好ましい。この融点が低い方が熱感度が向上する。
以下にそれぞれの材料の具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
記の融点の範囲にあり、長鎖構造を有するものならば何
でもよい。該長鎖構造の炭素数は8以上が好ましく、1
0以上が更に好ましく、12以上が特に好ましい。ま
た、50以下が好ましく、40以下が更に好ましく、3
0以下が特に好ましい。
は、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカ
ノール又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミ
ン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽
和モノ又はジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモ
ニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸又はそれらのエス
テル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チ
オカルボン酸又はそれらのエステル、アミン又はアンモ
ニウム塩:チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用さ
れる。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましく
は10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中
のアルコール基部分は飽和していてもよく、飽和してい
なくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。い
ずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫
黄及びハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−C
OOH、−CONH、−COOR、−NH、−NH2、
−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物
であることが好ましい。
族ジカルボン酸、脂肪酸エステル、高級アルキル基を有
するケトン、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪
酸エステル、脂肪酸モノアミド、次の一般式(3)で表
わされる物質、一般式(4)で表わされる物質が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
あり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧1
0であり、ZはNHCONH、SO2、CONH、又
は、NHCOを表す。)
あり、26≧n≧0、26≧m≧0、ただしn+m≧1
0である。)
らに限定されるものではない。即ち、脂肪族モノカルボ
ン酸の具体例としては、例えば、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジ
ン酸、べヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタ
ン酸、メリシン酸等が挙げられる。
えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカ
ン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタ
デカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエ
イコサン二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
ば、ラウリン酸オクタデシル、ラウリン酸ドコシル、ミ
リスチン酸ドコシル、パルミチン酸ドデシル、パルミチ
ン酸テトラデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミ
チン酸ヘキサデシル、パルミチン酸オクタデシル、パル
ミチン酸トリアコンチル、パルミチン酸オクタデシル、
パルミチン酸ドコシル、ステアリン酸ビニル、ステアリ
ン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン
酸ブチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸テトラデシル、ス
テアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ヘプタデシル、
ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ドコシル、ス
テアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリアコンチ
ル、ベへン駿ドデシル、ベヘン酸オタタデシル、ベヘン
酸ドコシル、リグノセリン酸トラコシル、メリシン酸ミ
リシル等が挙げられる。
しては、例えば、8−ペンタデカノン、9−ヘプタデカ
ノン、10−ノナデカノン、11−ヘンエイコサノン、
12−トリコサノン、14−ヘプタコサノン、16−ヘ
ントリアコンタノン、18−ペンタトリアコンタノン、
22−トリテトラコンタノン、2−ペンタデカノン、2
−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、2−オクタデ
カノン、2−ノナデカノン等が挙げられる。
ル、ジエステルのいずれでもよく、下記一般式(5)で
表わされるものである。
ルキル基を表わし、R、R'は同一であっても異なって
いてもよいが、同時に水素原子である場合を除く。nは
0〜40の整数を表わす) 上記一般式(5)で表わされる二塩基酸エステルにおい
て、R、R'のアルキル基の炭素数は1〜22が好まし
く、nは、1〜30が好ましく、2〜20が更に好まし
い。また融点は40℃以上が好ましい。
ル 等が挙げられる。
コールジ脂肪酸エステルとしては、下記の一般式(6)
で表わされるものが挙げられる。
しくは4〜22の整数である。mは2〜40、好ましく
は3〜30、更に好ましくは4〜22の整数である。) 具体的には以下のものが挙げられる。 1,3プロパンジオールジアルカン酸エステル 1,6ヘキサンジオールジアルカン酸エステル 1,10デカンジオールジアルカン酸エステル 1,18オクタデカンジオールジアルカン酸エステル
ば次の一般式(7)で示されるものが挙げられる。
は水素、炭素数1〜26の直鎖炭化水素鎖、またはメチ
ロール基てあり、R1、R2の少なくともどちらか一方が
炭素数10以上の直鎖炭化水素鎖である。)
ンアミド、ウンデカンアミド、ドデカンアミド、トリデ
カンアミド、テトラデカンアミド、ヘキサデカンアミ
ド、オクタデカンアミド、イコサンアミド、ドコサンア
ミド、トリコサンアミド、ヘキサコサンアミド、オクタ
コサンアミド等を挙げることができる。
表わされる物質の例としては次のものが挙げられる。
鎖炭化水素含有化合物(B)の他に、直鎖炭化水素含有
化合物(B)の融点より10℃以上高い融点であり、か
つ直鎖炭化水素含有化合物(A)より10℃以上低い融
点を持つ有機低分子物質を1種又は2種以上混合しても
よい。これらは前述の直鎖炭化水素含有化合物(B)の
例の中から適宜選択される。
1〜30μmが好ましく、2〜20μmが更に好まし
い。4〜15μmが特に好ましい。記録層が厚すぎると
層内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難
となる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下し、コ
ントラストが低くなる。なお、記録層中の脂肪酸の量を
増加させ、また、感熱層中の樹脂を架橋することによ
り、白濁度を増すことができる。
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しく、1:2〜1:5が特に好ましく、1:2〜1:4
がもっと好ましく、1:2.5〜1:4がそれ以上に好
ましい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物
質を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、
またこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
に保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保
護層(厚さ0.1〜5μm)材料としては、シリコーン
系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号
公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特開
昭63−317385号公報に記載)や紫外線硬化樹脂
又は電子線硬化樹脂(特開平02−566号公報に記
載)等が挙げられる。これらの中には、有機若しくは無
機のフィラーを含有することができる。
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1−133
781号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中
の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂が
使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和
ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミド等が挙げられる。中間層の厚さ
は0.1〜2μmくらいが好ましい。これ以下になる
と、保護効果が下がり、これ以上になると熱感度が低下
する。
熱層と情報記憶部の両方を同一のカードに設け、情報記
憶部に記憶された情報の一部を感熱層に表示することに
より、カード所有者等は特別な装置がなくてもカードを
見るだけで情報を確認することができ、利便性が向上す
る。情報記憶部は必要な情報を記憶できるものなら何で
もよいが、磁気記録、IC、非接触IC、光メモリが好
ましい。磁気記録層としては通常用いられる酸化鉄、バ
リウムフェライト等と塩ビ系やウレタン系或いはナイロ
ン系樹脂等を用い、支持体に塗工形成されるか、または
蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成
される。磁気記録部は支持体の感熱層の反対面に設けて
もよいし、支持体と感熱層の間、感熱層上の一部に設け
てもよい。また、表示に用いる可逆感熱材料をバーコー
ド、2次元コード等により記憶部に用いてもよい。これ
らの中では磁気記録、ICが更に好ましい。
熱層形成面の反対面に接着剤層または粘着剤層を設けて
熱可逆記録ラベルとすることができる。接着剤層または
粘着剤層の材料は一般的に使われているものが使用可能
である。具体例としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニ
ル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチ
ラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタク
リル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレ
ート系樹脂、シリコン系樹脂などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。接着剤層または粘着剤層
の材料はホットメルトタイプでも良い。剥離紙を用いて
も良いし、無剥離紙タイプでも良い。
ることにより、感熱層の塗布が困難な磁気ストライプ付
塩ビカードなどの厚手の基板の全面もしくは一部に貼る
ことができる。これにより磁気に記憶された情報の一部
を表示することができる等、この記録媒体の利便性が向
上する。このような接着剤層または粘着剤層を設けた熱
可逆記録ラベルは、前述の磁気付塩ビカードだけでな
く、ICカードや光カードなどの厚手カードにも適用で
きる。
ピーディスクやMDやDVD−RAMなどの記録情報が
書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上
の表示ラベルの替わりとして用いることができる。図4
に熱可逆記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に
貼った例を示す。さらに、CD−RWなどのディスクカ
ートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディス
クに熱可逆記録ラベルを貼ることもできる。それらの記
憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなど
の用途への応用が可能である。図5に熱可逆記録ラベル
をCD−RW上に貼った例を示す。CR−Rなどの追記
型ディスク上に熱可逆記録ラベルを貼って、CD−Rに
追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能で
ある。
憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)上に熱可
逆記録ラベルを形成した構成の例である。基本的な構成
は、案内溝を有する基体上に第一誘電体層、光情報記憶
層、第二誘電体層、反射放熱層、中間層が設けられ、基
体の裏面にハードコート層を有する。さらに中間層上に
熱可逆記録ラベルが貼付されている。誘電体層は必ずし
も記録層の両側に設ける必要はないが、基体がポリカー
ボネート樹脂のように耐熱性が低い材料の場合には第一
誘電体層を設けることが望ましい。
プカセットの表示ラベルとして用いても良い。厚手カー
ド、ディスクカートリッジやディスク上に熱可逆記録機
能を設ける方法としては上述の熱可逆記録ラベルを貼る
方法以外に、それらの上に感熱層を直接塗布する方法
や、あらかじめ別の支持体上に感熱層を形成しておき、
厚手カード、ディスクカートリッジやディスク上に感熱
層を転写する方法などがある。転写する場合には、感熱
層上にホットメルトタイプなどの接着層や粘着層を設け
ておいても良い。厚手カード、ディスク、ディスクカー
トリッジ、テープカセットなどのように剛直なものの上
に熱可逆記録ラベルを粘着したり、感熱層を設ける場合
には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ画像を均一
に形成するために弾力があり、クッションとなる層もし
くはシートを剛直な基体とラベルもしくは感熱層の間に
設けることが好ましい。
コードを設けたものである場合は、感熱層の背面に光を
正反射する層を設けることが好ましい。光を正反射する
層を設けることにより、白濁部の白濁度が向上し、ひい
てはコントラストが向上し、バーコードの読み取り精度
を向上させることができる。光を正反射する層はAlな
どの金属薄膜や金風蒸着層が好適に用いられる。
ーコードと人間が目視で認識する画像、文字、数字など
の両方を設けたものである場合には、反射率の異なる2
種以上の部位からなるものとすることが好ましい。すな
わち、書換可能なバーコードの背面には、上述の光を反
射する層を設け、人間が目視する部位の背面には光を吸
収する層、つまリ着色層を設けることが好ましい。とい
うのは、人間が目視する場合には、例えば白濁状態の画
像部と着色状態の非画像部とは光量差に加えて色調差が
あり、かつ、目視する角度によっては非画像部からの過
度の反射光によるグレアがなくなるので可逆的可視像を
目視し易くするが、一方、これを反射濃度計やバーコー
ド読取り装置のような装置で読み取る場合には、通常、
光を斜めから入射させ面に対し垂直方向にセンサーを置
き読み取ることになり、これは、とりもなおさず、着色
層により可視光の少なくとも一部が吸収されコントラス
トが低くなった結果を計測するに過ぎないためである。
ける着色層は、可視光に対する反射率の異なる2種以上
の部位からなり、かつ、その少なくとも一方の部位が可
視光を吸収する層であり、他の少なくとも一部が可視光
を反射する層からなるものとして、目視でも画像を認識
しやすく、かつ、装置による測定でも高コントラストが
得られるものすることができる。
されるように、支持体(11)上に、可逆性感熱記録層
(13)、保護層(14)を設けてなるフィルム、図8
bに示されるように、支持体(11)上に、アルミ反射
層(12)、可逆性感熱記録層(13)、保護層(1
4)を設けてなるフィルム、図8cに示されるように、
支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆性感
熱記録層(13)、保護層(14)を設け支持体(1
1)の裏面に磁気記録層(16)を設けてなるフィルム
を、図9に示されるように、印刷表示部(23)を有す
るカード(21)に加工した形であることができる。
に、支持体(11)上に、アルミ反射層(12)、可逆
性感熱記録層(13)、保護層(14)を設けてなるフ
ィルムをカード状に加工し、ICチップを納める窪み部
(23)を形成するとともにカード状に加工した形であ
ることができる。この例においては、カード状の熱可逆
記録媒体に書き換え記録部(24)がラベル加工される
とともに、熱可逆記録媒体の裏面側には所定筒所にIC
チップ埋め込み用窪み部(23)が形成されており、こ
の窪み部(23)に、図10bに示されるようなウェハ
(231)が組込まれて固定される。ウェハ(231)
は、ウェハ基板(232)上に集積回路(233)が設
けられると共に、この集積回路(233)に電気的に接
続されている複数の接触端子(234)がウェハ基板
(232)に設けられる。この接触端子(234)はウ
ェハ基板(232)の裏面側に露出しており、専用のプ
リンタ(リーダライタ)がこの接触端子(234)に電
気的に接触して所定の情報を読み出したり書き換えたり
できるように構成されている。この熱可逆記録カードの
機能例を図11を参照しつつ説明する。
概略の構成ブロック図であり、図11(b)はRAMの
記憶データの1例を示す構成ブロック図である。集積回
路(233)は、例えばLSIで構成されており、その
中には制御動作を所定の手順で実行することのできるC
PU(235)と、CPU(235)の動作プログラム
データを格納するROM(236)と、必要なデータの
書き込み及び読み出しができるRAM(237)を含
む。さらに集積回路(233)は、入力信号を受けてC
PU(235)に入力データを与えるとともにCPU
(235)からの出力信号を受けて外部に出力する入出
力インターフェース(238)と、図示していないが、
パワーオンリセット回路、クロック発生回路、パルス分
周回路(割込パルス発生回路)、アドレスデコーダ回路
とを含む。CPU(235)は、パルス分周回路から定
期的に与えられる割込パルスに応じて、割込制御ルーチ
ンの動作を実行することが可能となる。また、アドレス
デコード回路はCPU(235)からのアドレスデータ
をデコードし、ROM(236)、RAM(237)、
入出力インターフェース(238)にそれぞれ信号を与
える。入出力インターフェース(238)には、複数
(図中では8個)の接触端子(234)が接続されてお
り、前記の専用プリンタ(リーダライタ)からの所定デ
ータがこの接触端子(234)から入出力インターフェ
ース(238)を介してCPU(235)に入力され
る。CPU(235)は、入力信号に応答して、かつR
OM(236)内に格納されたプログラムデータに従っ
て、各動作を行い、かつ、所定のテータ、信号を入出力
インターフェース(238)を介してカードリーダライ
タに出力する。
(237)は複数の記憶領域(239a)〜(239
f)を含む。例えば領域(239a)にはカード番号が
記憶され、(239b)には例えばカード所有者の氏
名、住所、電話番号等のIDデータが記憶され、領域
(239c)には例えば所有者の使用しうる残存有価価
値又は有価物に相当する情報が記憶され、領域(239
d)(239e)(239f)及び(239g)には使
用済の有価価値又は有価物に相当する情報が記憶され
る。
の方法と装置について以下に述べる。画像の記録はサー
マルヘッド、レーザ等、熱可逆記録媒体を画像上に部分
的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の
消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートロ
ーラ、熱風等や、サーマルヘッド、レーザ等の画像消去
手段が用いられる。この中ではセラミックヒータが好ま
しく用いられる。セラミックヒータを用いることによ
り、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得ら
れ、コントラストのよい画像が得られる。セラミックヒ
ータの設定温度は110℃以上が好ましく、112℃以
上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
り、更に小型化が可能となり、また、消費電力を低減す
ることが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプ
の装置も可能となる。記録用と消去用を兼ねて一つのサ
ーマルヘッドとすれば、更に小型化が可能となる。一つ
のサーマルヘッドで記録と消去を行なう場合、一度前の
画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を記録し
てもよいし、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画
像を消去し、新しい画像を記録していくオーバーライト
方式も可能である。オーバーライト方式では記録と消去
を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップに
つながる。感熱層と情報記憶部を有するカードを用いる
場合、上記の装置には情報記憶部の記億を読み取る手段
と書き換える手段も含まれる。
具体例を示す。図12aは、本発明により面像の消去を
セラミックヒータで、画像の形成をサーマルヘッドでそ
れぞれ行う場合の装置の概略例を示す。図12aの熱可
逆性記録装置においては、最初、記録媒体の磁気記録層
に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取り、つぎにセラ
ミックヒータで可逆性感熱層に記録された画像を加熱消
去し、さらに、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとに
して、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、
可逆性感熱層に記録される。その後、磁気気記録層の情
報も新たな情報に書き替えられる。
おいては、感熱層の反対側に磁気記録層を設けた熱可逆
記録媒体(1)は往復の矢印で図示されている搬送路に
沿って搬送され、或いは搬送路に沿って装置内を逆方向
に搬送される。熱可逆記録媒体(1)は、磁気ヘッド
(34)と搬送ローラ(31)間で磁気記録層に磁気記
録或いは記録消去され、セラミックヒータ(38)と搬
送ローラ(40)間で像消去のため加熱処理され、サー
マルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間で像形成
され、その後、装置外に搬出される。先に説明したよう
に、セラミックヒータ(38)の設定温度は110℃以
上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃
以上が特に好ましい。ただし磁気記録の書きかえはセラ
ミックヒータによる画像消去の前であっても後であって
もよい。また、所望により、セラミックヒータ(38)
と搬送ローラ(40)間を通過後、又はサーマルヘッド
(53)及び搬送ローラ(47)間を通過後、搬送路を
逆方向に搬送され、セラミックヒータ(38)よる再度
の熱処理、サーマルヘッド(53)による再度の印字処
理を施すことができる。
出入口(30)から挿入された熱可逆記録媒体(1)は
一点破線で図示されている搬送路(50)に沿って進行
し、或いは搬送路(50)に沿って装置内を逆方向に進
行する。出入口(30)から挿入された熱可逆記録媒体
(1)は、搬送ローラ(31)及びガイドローラ(3
2)により記録装置内を搬送され、搬送路(50)の所
定位置に到達するとセンサ(33)により制御手段(3
4c)を介してその存在を認識され、磁気ヘッド(3
4)とプラテンローラ(35)間で磁気記録層に磁気記
録或いは記録消去され、ガイドローラ(36)及び搬送
ローラ(37)間を通過し、ガイドローラ(39)及び
搬送ローラ(40)間を通過し、センサ(43)によ
り、セラミックヒータ制御手段(38c)を介してその
存在を認識して作動するセラミックーヒータ(38)と
プラテンローラ(44)間で像消去のため加熱処理さ
れ、搬送ローラ(45)(46)(47)により搬送路
(50)内を搬送され、所定位置にてセンサ(51)に
より、サーマルヘッド制御手段(53c)を介してその
存在を認識して作動するサーマルヘッド(53)及びプ
ラテンローラ(52)間で像形成され、搬送路(56
a)から搬送ローラ(59)及びガイドローラ(60)
により出口(61)を経て装置外に搬出される。ここ
で、セラミックヒータ(38)の設定温度は、先に説明
したように、110℃以上が好ましく、112℃以上が
更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
a)を切り替えることにより搬送路(56b)に導き、
熱可逆記録媒体(1)の押圧により入力するリミットス
イッチ(57a)の作動により逆方向に動く搬送ベルト
(58)によって、熱可逆記録媒体(1)を再度、サー
マルヘッド(53)及びプラテンローラ(52)間で熱
処理した後、搬送路切換手段(55b)を切り替えるこ
とにより通じる搬送路(49b)、リミットスイッチ
(57b)、搬送ベルト(48)を介して順方向に搬送
し、搬送路(56a)から搬送ローラ(59)及びガイ
ドローラ(60)により出口(61)を経て装置外に搬
出することができる。さらに、このような分岐した搬送
路及び搬送切換手段は、セラミックヒータ(38)の両
側に設けることもでき、その場合にはセンサ(43a)
をプラテンローラ(44)と搬送ローラ(45)の間に
設けることが望ましい。
明する。なお、実施例中の「部」は重量部を表す。
原反(メモリディック、 DS−1711−1040:
188μm厚の透明PETフィルムに磁気記録層及びセ
ルフクリーニング層を塗工したもの)のPETフィルム
側に約400Å厚のAlを真空蒸着した光反射層を設け
た。その上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 10部 (電気化学工業社製、デンカビニール#1000P) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接
着層を設けた。
製、MR110)をテトラヒドロフランに溶解した固形
分15%溶液50部に対し、HOOC(CH2)5NHC
O(CH2)4CONH(CH2)5COOH 1.5部を加
え、ガラスビン中に直径約2mmのセラミックビーズを
入れてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用い約4
8時間分散した分散液Aを作成した。
Tフィルムの接着層上に塗布し加熱乾燥して約11μm
の感熱層を設けた。さらにこの感熱層を60℃環境下7
2時間にて硬化させた。
0W/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し硬化させ、約
3μm厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を
作成した。この後この熱可逆記録媒体をホットプレート
上で150℃10秒間加熱処理し、感熱層の白濁化をさ
せた後、恒温槽で90℃1分間加熱処理し、感熱層を透
明化して熱可逆記録媒体を作成した。
ム(ルミラー#125、125μm厚)上に約400Å
厚のAlを真空蒸着して光反射層を設けた。その上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 10部 (電気化学工業社製、デンカビニール#1000P) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接
着層を設けた。この接着層上に実施例1の感熱層を作成
し、実施例1と同様に硬化させ、またオーバーコート層
を作成し、実施例1と同様に加熱処理して白濁化、さら
に透明化して熱可逆記録媒体を作成した。この熱可逆記
録媒体の支持体の感熱層面の裏面に、約5μm厚のアク
リル系粘着剤層を設け、熱可逆記録ラベルを作成した。
このラベルをCD−RW上に貼り合わせて可逆表示機能
付きの光情報記録媒体を作製した。
い、CD−RWドライブ(リコー社製 MP6200
S)で記憶した情報の一部(年月日、時刻など)を、記
録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラミックヒー
ター)を有する記録装置を用いて、サーマルヘッドの記
録エネルギーをそれぞれの記録媒体の記録温度の変化に
合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化した。ま
た、該ドライブを用い、光情報記録媒体の記憶層の情報
を書き換え、記録装置により消去手段を用い、先の記録
を消去し新たにサーマルヘッドで、書き換えた情報を感
熱層に書き換え、表示記録した。さらに、この表示記録
の書き換えを50回繰り返したが、記録および消去は可
能であった。
をミニディスク(MD)ディスクカートリッジ上に貼り
付けた。MDに記憶された情報の一部(年月日、曲名な
ど)を、記録手段(サーマルヘッド)と消去手段(セラ
ミックヒーター)を有する記録装置を用いて、サーマル
ヘッドの記録エネルギーをそれぞれの媒体の記録温度の
変化に合わせて調整して感熱層へ表示記録し、可視化し
た。さらに、この表示記録の書き換えを50回繰り返し
たが、記録および消去は可能であった。
けた大日本インキ工業社製磁気原反の接着層上に、 ヘキサデカン二酸(東京化成社製、試薬) 1部 ステアリルベヘネート(SIGMA社製:試薬) 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイト社製、VMCH) 12部 1,9−ノナンジオールアクリレート 4部 光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.2部 光硬化性樹脂(東亜合成化学社製、S−2040) 26.7部 テトラヒドロフラン 140部 よりなる溶液を塗布、130℃で1分間乾燥し、80w
/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し、厚さ約11μm
の感熱層を形成した。この感熱層上に実施例1と同様に
オーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作成した。
けた大日本インキ工業社製磁気原反の接着層上に、 1,18−オクタデカンジカルボン酸ドデシル 2.4部 (ミヨシ油脂社製) エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 2.6部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 14.0部 (鐘淵化学工業社製、M2018、塩化ビニル80%、 酢酸ビニル20%、平均重合度:1800) 反応性ポリマー 2.4部 (新中村化学工業社製、NKポリマー B−3015H) 光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.1部 テトラヒドロフラン 108部 アミルアルコール 12部 よりなる溶液を塗布、130℃で1分間乾燥し、80W
/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射し、厚さ約11μm
の感熱層を形成した。この感熱層上に実施例1と同様に
オーバーコート層を設け、熱可逆記録媒体を作成した。
PETフイルム側に光反射層、接着層を積層した。次に
ウレタン系樹脂(日本ポリウレタン社製ニッポラン31
51、固形分35%)20部をテトラヒドラフラン2
6.7部で希釈した固形分15%溶液50部に対し、H
OOC(CH2)5NHCO(CH2)4CONH(CH2)5C
OOH 1.5部を加え、ガラスビン中に直径約2ミリ
のセラミックビーズを入れ、ペイントシェーカー(浅田
鉄工社製)を用い約48時間分散して分散液Cを作成し
た。さらに べヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 1.1部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.25部 ポリウレタン系樹脂 15.6部 (日本ポリウレタン社製、ニッポラン3151(固形分35%)) テトラヒドロフラン 17.1部 o−キシレン 4.43部 よりなる溶解液Dを作成した。そして 分散液C 2.2部 溶解液D 26.6部 イソシアネート化合物 0.25部 (日本ポリウレタン工業社製、コロネートHK) よりなる感熱層液を作成し、前記の該磁気層を有するP
ETフィルムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11
ミクロンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化
し、約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆
記録媒体を作成した。この後、この熱可逆性記録媒体を
実施例1と同様に加熱処理し、感熱層を白濁化させた
後、恒温槽で加熱処理して感熱層を透明化し、熱可逆記
録媒体を作成した。
PETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次に
実施例1と同様にして作成した分散液Aと べヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 1.1部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.25部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製、MR110) 2.81部 テトラヒドロフラン 18.6部 o−キシレン 4.0部 よりなる溶解液Eを作成して 分散液A 6.18部 溶解液E 20.4部 イソシアネート化合物 0.45部 (日本ポリウレタン工業社製、 コロネート2298−90T) よりなる感熱層液を前記の磁気層を有するPETフィル
ムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミクロンの
感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、その上に
約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録
媒体を作成した。この熱可逆性記録媒体をホットプレー
ト上で150℃10秒間加熱処理し、感熱層を白濁化さ
せた後、恒温槽で90℃1分間加熱処理し、感熱層を透
明化して熱可逆記録媒体を作成した。
PETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次に
実施例1と同様にして作成した分散液Aと ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 1.1部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.25部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製、MR110) 2.81部 テトラヒドロフラン 18.6部 o−キシレン 4.0部 よりなる溶解液Fを作成し、 分散液A 6.18部 溶解液F 20.4部 イソシアネート化合物 0.61部 (日本ポリウレタン工業社製、 コロネート2298−90T) よりなる感熱層液を前記の磁気層を有するPETフィル
ムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミクロンの
感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、その上に
約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録
媒体を作成した。この後、この熱可逆性記録媒体を実施
例1と同様に加熱処理し、感熱層を白濁化させた後、恒
温槽で加熱処理して感熱層を透明化し、熱可逆記録媒体
を作成した。
PETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次
に、 ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 0.8部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.8部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製、MR110) 4.2部 テトラヒドロフラン 25.7部 o−キシレン 4.5部 イソシアネート 0.66部 (日本ポリウレタン工業社製、 2298−90T) よりなる感熱層液を作成し、前記の磁気層を有するPE
Tフィルムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミ
クロンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、
その上に約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱
可逆記録媒体を作成した。
PETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次に
実施例1と同様にして作成した分散液Aと 12−トリコサノン(東京化成社製試薬) 0.82部 14−ヘプタコサノン(東京化成社製試薬) 0.28部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.25部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製、MR110) 2.81部 テトラヒドロフラン 18.6部 o−キシレン 4.0部 よりなる溶解液Gを作成し、 分散液A 6.18部 溶解液G 20.8部 イソシアネート化合物 (日本ポリウレタン工業社製、 コロネート2298−90T) 0.5部 よりなる感熱記録層液を前記の磁気層を有するPETフ
ィルムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミクロ
ンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、その
上に約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆
記録媒体を作成した。この後、この熱可逆性記録媒体を
実施例1と同様に加熱処理し、感熱層を白濁化させた
後、恒温槽で加熱処理して感熱層を透明化し、熱可逆記
録媒体を作成した。
PETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次に
実施例1と同様にして作成した分散液Aと ベヘン酸ベヘニル(SIGMA社製、試薬) 1.1部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.25部 塩化ビニル系共重合体 2.81部 (日本ゼオン社製、MR110) テトラヒドロフラン 18.6部 o−キシレン 4.0部 よりなる溶解液Hを作成し、 分散液A 6.18部 溶解液H 20.8部 イソシアネート化合物 0.5部 (日本ポリウレタン工業社製、 コロネート2298−90T) よりなる感熱層液を前記の磁気層を有するPETフィル
ムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミクロンの
感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、その上に
約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆記録
媒体を作成した。この後、この熱可逆性記録媒体を実施
例1と同様に加熱処理し、感熱層を白濁化させた後、恒
温槽で加熱処理して感熱層を透明化し、熱可逆記録媒体
を作成した。
のPETフィルム側に光反射層、接着層を積層した。次
に ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 0.8部 CH3(CH2)17S02(CH2)2COOH 0.8部 塩化ビニル共重合体(日本ゼオン社製、MR110) 4.2部 テトラヒドロフラン 25.7部 o−キシレン 4.5部 イソシアネート 0.66部 (日本ポリウレタン工業社製、 コロネート2298−90T) よりなる感熱層液を作成し、前記の磁気層を有するPE
Tフィルムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約11ミ
クロンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化し、
その上に約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱
可逆記録媒体を作成した。
反(メモリディックDS−1711−1040:188
ミクロン厚の透明PETフィルム上に磁気記録層および
セルフクリーニング層を塗工したもの)のPETフィル
ム側に実施例1と同様に光反射層、接着層を積層する。
その接着層上に ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 0.5部 エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 0.5部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 3.0部 (ユニオンカーバイト社製、VAGH) テトラヒドロフラン 15.0部 イソシアネート 0.5部 (日本ポリウレタン工業社製、コロネートL) よりなる感熱層液を作成し、前記の磁気記録層を有する
PETフィルムの接着層上に塗布し、加熱乾燥して約1
1ミクロンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱硬化
し、約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱可逆
記録媒体を作成した。
反(メモリディックDS−1711−1040:188
ミクロン厚の透明PETフィルム上に磁気記録層および
セルフクリーニング層を塗工したもの)のPETフィル
ム側に実施例1と同様に光反射層、接着層を積層する。
その接着層上に ベヘン酸(ミヨシ油脂社製、ベヘン酸95) 1.0部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 3.0部 (ユニオンカーバイト社製、VAGH) テトラヒドロフラン 15.0部 イソシアネート 0.5部 (日本ポリウレタン工業社製、コロネートL) よりなる感熱層液を作成し、前記の磁気記録層を有する
PETフィルムの接着層上に塗布し、加熱可逆乾燥して
約11ミクロンの感熱層を設け、実施例1と同様に加熱
硬化し、約3ミクロン厚のオーバーコート層を設け、熱
可逆記録媒体を作成した。
6、7、8、9、10、比較例1、2、3、4の各熱可
逆記録媒体について経時透明化開始温度変化、透明化温
度幅変化率について測定した。 (熱傾斜試験機での測定条件)十分に白濁する温度にま
で加熱し、白濁画像を形成した各記録媒体を用意し、熱
傾斜試験機で(東洋精機社製、HG−100)加熱時間
0.1s、圧力9.8×104Paに設定し、72℃か
ら165℃まで透明化の開始の部分では2℃おきに温度
幅を変え、透明化の終了部分では5℃おきに温度幅を変
えて加熱加圧を行った。そして各々の温度における濃度
をマクベス濃度計RD914にて測定した。次に十分に
白濁する温度にまで加熱し、白濁画像を形成した各記録
媒体を35℃環境下に1週間放置した後、前記と同じ方
法で熱傾斜試験機によって加熱加圧を行い、各々の温度
における濃度をマクベス濃度計RD914にて測定し、
経時透明化開始温度変化、透明化温度幅変化率を求め
た。
(実施例4)、図16(実施例5)、図17(実施例
6)、図18(実施例7)、図19(実施例8)、図2
0(実施例9)、図21(実施例10)、図22(比較
例1)、図23(比較例2)、図24(比較例3)に示
し、経時透明化開始温度変化、透明化温度幅変化率等の
算出詰果をまとめて表5に熱傾斜試験機による動的な透
明化の特性として示す。
明化温度幅を調べた。十分に白濁する温度にまで加熱
し、白濁画像を形成した各記録媒体を用意して熱傾斜試
験機(東洋精機社製、HG−100)で加熱時間1s、
圧力2.45×105Paに設定し、加熱しても白さが
変化しない定温度から1〜5℃の等温度間隔で十分に白
濁する温度まで加熱した。そして各々の温度における濃
度をマクベス濃度計RD914にて測定し透明化の特性
を求めた。上記実験から平均透明濃度や透明化下限濃
度、透明化下限温度、透明化上限温度、透明化温度幅を
算出した結果をまとめて表6に透明化の特性として示
す。
び比較例1、2、3、4の各熱記録媒体について八城電
気社製印字試験装置を用い、サーマルヘッドは松下電子
部品社製のEUX−ET8A9AS1端面型サーマルヘ
ッド(抵抗値:1152オーム)を用いてサーマルヘッ
ドを用いたときの消去性について調べた。
パルス幅2.0ms、ライン周期2.86ms、印字速
度43.10mm/s、副走査密度8dot/mmに設
定し、サーマルヘッドの幅4.7mmにかかるプラテン
ロールの力を2.94Nに設定した。次に透明状態の記
録媒体に0.176mj/dotから0.527mj/
dotまで電圧を変える事でエネルギーを変化させ、各
記録媒体の白濁飽和濃度になるエネルギーを決定した。
その結果を以下に示す。 実施例1、実施例4、実施例5、実施例6、実施例8、
実施例9、実施例10:0.414mj/dot 実施例7、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4:
0.339mj/dot 各記録媒体を上記エネルギーで印字し、白濁画像を形成
した後、上記同条件にて0.09mj/dotから0.
363mj/dotまで電圧を変えることでエネルギー
を変化させて白濁画像上へ印字、消去を行い、各エネル
ギーでの消去性を求めた。次に上記白濁飽和濃度になる
エネルギーで白濁画像を形成した各記録媒体を35℃環
境下に1週間放置した後、前記と同じ方法で白濁画像上
へ印字、消去を行い、各エネルギーでの消去性を求め
た。
和濃度になるエネルギーで白濁画像を形成した各記録媒
体に、より短い時間での消去性を求める目的でサーマル
ヘッド印字条件をパルス幅1.62ms、ライン周期
1.8ms、印字速度69.44mm/s、副走査密度
8dot/mmに設定し、サーマルヘッドの幅4.7m
mにかかるプラテンロールの力を2.94Nに設定し
て、0.084mj/dotから0.297mj/do
tまで電圧を変えることでエネルギーを変化させて白濁
画像上へ印字、消去を行い、各エネルギーでの消去性を
求めた。次に上記と同様に白濁飽和濃度になるエネルギ
ーで白濁画像を形成した各記録媒体を35℃環境下に1
週間放置した後、前記と同じ方法、条件で白濁画像上へ
印字、消去を行い、各エネルギーでの消去性を求めた。
明濃度と透明化下限濃度、経時透明化温度変化および測
定条件1でサーマルヘッド消去を行ったときの初期、経
時における最大消去濃度を表7に示す。
平均透明濃度と透明化下限濃度、経時透明化温度変化お
よび測定条件2でサーマルヘッド消去を行ったときの初
期、経時における最大消去濃度を表8に示す。
ルヘッドの消去性(測定条件1)は実施例においていず
れも初期、経時ともに最大消去濃度がDtmより高濃度
で透明化されている。一方、比較例では最大消去濃度は
Dtm以下になることがあり、消去性において不十分で
ある。さらに、サーマルヘッドの消去性(測定条件2)
では、実施例5のように経時透明化開始温度が−2.0
℃以上の実施例では最大消去濃度がDtmより高濃度で
はあるが、初期の最大消去濃度と経時の最大消去濃度の
差がほかの実施例に比べ、大きいことが分かる。
開始温度変化が5℃以下であることにより、処理速度が
早くなりサーマルヘッド消去のように加熱時間が短くて
も十分な消去が行える。さらにこの熱可逆記録媒体はラ
ベル、カードの形態として使用でき、またディスク、デ
ィスクカートリッジ、テープカセットなどに貼着して使
用することができる。
間の長短によって透明化できるエネルギーに幅が生じる
ことの説明図。
変化の関係を表わした図。
の関係を表わした図。
ッジ上に貼った図。
ラベルを形成した図。
った図。
三例の図。
加工したものの表面側の図、(b)はその裏面形の図。
ド状に加工した例の図、(b)は(a)のICチップ用
窪み部に埋め込まれるICチップの図。
図、(b)はRAMが複数の記憶領域を含むことを示す
図。
す図。
と反射濃度の関係を表した図。
度と反射濃度の関係を表した図。。
度と反射濃度の関係を表した図。。
度と反射濃度の関係を表した図。。
度と反射濃度の関係を表した図。。
度と反射濃度の関係を表した図。。
度と反射濃度の関係を表した図。
度と反射濃度の関係を表した図。
温度と反射濃度の関係を表した図。
度と反射濃度の関係を表した図。
度と反射濃度の関係を表した図。
度と反射濃度の関係を表した図。
Claims (24)
- 【請求項1】 支持体上に温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体において、
経時透明化開始温度変化が5℃以下であることを特徴と
する熱可逆記録媒体。 - 【請求項2】 経時透明化開始温度変化が2℃以下であ
ることを特徴とする請求項1に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項3】 支持体上に温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録媒体において、
透明化温度幅変化率が90%以上であることを特徴とす
る熱可逆記録媒体。 - 【請求項4】 経時透明化開始温度変化が5℃以下であ
り、かつ透明化温度幅変化率が90%以上であることを
特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1に記載の熱可
逆記録媒体。 - 【請求項5】 支持体上に樹脂母材および樹脂母材中に
分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存し
て透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録
媒体において、該樹脂母材として、ヒドロキシル基を有
する熱可塑性樹脂を鎖式イソシアネート化合物と環式イ
ソシアネート化合物の混合物を用い架橋して用いること
を特徴とする熱可逆記録媒体。 - 【請求項6】 鎖式イソシアネート化合物が、イソシア
ネート基当たりの分子量が250以上であることを特徴
とする請求項5に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項7】 支持体上に樹脂母材および樹脂母材中に
分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存し
て透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた熱可逆記録
媒体において、該樹脂母材として、ポリカーボネートを
ベースとしたウレタン樹脂を架橋して用いることを特徴
とする熱可逆記録媒体。 - 【請求項8】 有機低分子物質が少なくとも1種の低融
点有機低分子物質と少なくとも1種の高融点の有機低分
子物質を混合し用いるものであって、用いられる有機低
分子物質の内、最も低い融点と最も高い融点の温度差が
30℃以上であることを特徴とする請求項5乃至7のい
ずれか1に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項9】 該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40
℃以上かつ120℃以下であることを特徴とする請求項
5乃至8のいずれか1に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項10】 下記の三条件(i)(ii)(iii)を
満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1
に記載の熱可逆記録媒体。 (i)透明化上限温度が125℃以上 (ii)透明化上限温度と白濁化下限温度の温度差が20
℃以下 (iii)透明化温度幅が30℃以上 - 【請求項11】 有機低分子物質として、アミド結合、
尿素結合、スルホニル結合の少なくとも一つとカルボキ
シル基を有する融点130℃以上の直鎖炭化水素含有化
合物(A)の少なくとも一種と、該直鎖炭化水素含有化
合物(A)の融点より30℃以上低い融点の直鎖炭化水
素含有化合物(B)の少なくとも一種とを混合して用い
ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記
載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項12】 熱可逆記録媒体を構成する支持体の感
熱層と反対側の表面上に接着剤層もしくは粘着剤層を設
けてなることを特徴とする、ラベル用の請求項1乃至1
1のいずれか1に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項13】 支持体が情報記憶部を有するカードで
あることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に
記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項14】 支持体が情報記憶部を有するカードで
あることを特徴とする請求項12に記載の熱可逆記録媒
体。 - 【請求項15】 情報記憶部が磁気記録層、IC、光メ
モリから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項13または14に記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項16】 下記(i)(ii)または(iii)を支
持体とすることを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
か1に記載の熱可逆記録媒体。 (i)記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したカート
リッジ (ii)記憶情報が書換もしくは追記可能なディスク (iii)記憶情報が書換可能なテープカセット - 【請求項17】 記憶情報が書換可能なディスクを内蔵
したカートリッジ上に、請求項12に記載のラベル用の
熱可逆記録媒体を貼着したことを特徴とする可逆表示付
ディスクカートリッジ。 - 【請求項18】 記憶情報が書換もしくは追記可能なデ
ィスク上に、請求項12に記載のラベル用の熱可逆記録
媒体を貼着したことを特徴とする可逆表示付ディスク。 - 【請求項19】 記憶情報が書換可能なテープカセット
上に、請求項12に記載のラベル用の熱可逆記録媒体を
貼着したことを特徴とする可逆表示付テープカセット。 - 【請求項20】 少なくとも一部に印刷によって画像を
形成することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか
1に記載の熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディスク
カートリッジ、ディスクまたはテープカセット。 - 【請求項21】 請求項1乃至20のいずれか1に記載
の熱可逆記録媒体、ラベル、カード、ディスクカートリ
ッジ、ディスクまたはテープカセットを用い、加熱によ
り画像の記録と消去を行うことを特徴とする画像処理方
法。 - 【請求項22】 サーマルヘッドを用いて記録および/
または消去を行なうことを特徴とする請求項21に記載
の画像処理方法。 - 【請求項23】 サーマルヘッドを用い、記録画像をオ
ーバーライトし、該画像の消去と新しい画像の記録を行
うことを特徴とする請求項21または22に記載の画像
処理方法。 - 【請求項24】 セラミックヒータを用い画像を消去す
ることを特徴とする、請求項21または23に記載の画
像処理方法。
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