JP2000197496A - 光学活性なα―ヒドロキシラクトン類の製造方法 - Google Patents

光学活性なα―ヒドロキシラクトン類の製造方法

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JP2000197496A
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Miki Ikuta
ミキ 生田
Makoto Ueda
誠 上田
Takeshi Sakamoto
剛 阪本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性なα−ヒドロキシラクトン類を高収
率でかつ高い光学純度で製造する方法を提供する。 【解決手段】 ラセミ体のα−ヒドロキシラクトン類に
微生物及び/又はその処理物を作用させ、ラセミ体を光
学活性体に変換させることを特徴とする光学活性α−ヒ
ドロキシラクトン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物の菌体及び
/またはその処理物を利用してラセミ体のα−ヒドロキ
シラクトン類から光学活性なα−ヒドロキシラクトン類
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性なα−ヒドロキシラクトン類は、生理活性又は薬理活
性成分(医薬品、農薬など)の中間原料として有用な物
質である。この光学活性なα−ヒドロキシラクトン類の
化学的製造法においては、例えばα−ヒドロキシ−γ−
ブチロラクトンに関してはキニーネ、ブルシンを分割剤
とする光学分割法(J.Amer.Chem.Soc.,2675(1921))、ア
ルカロイドとのラセミ混合物より分別結晶により分割す
る方法(J.Amer.Chem.Soc.,1576(1948),J.Amer.Chem.So
c.,2497(1951))、光学活性なリンゴ酸を原料とする方法
(J.Org.Chem.,1040(1988)) 等が知られているがこれら
の方法では分割剤が高価であったり、工程が煩雑である
等の理由から光学活性α−ヒドロキシ−γ−ブチロラク
トンを簡便な方法で経済的に有利に製造することは困難
である。また生化学的手法により光学活性なα−ヒドロ
キシ−γ−ブチロラクトンを製造する方法としては、微
生物酵素によりラセミ体のうち(R)体のみを選択的に
加水分解する方法(特開平9−308497号公報)や
リパーゼにより選択的アシル化反応を行う方法(特開平
4−77456号公報、特開平3−228694号公
報)が知られているが、これらの反応では収率並びに光
学純度が低い等の欠点を有している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、経済的に優
れ、簡便な方法で光学活性なα−ヒドロキシラクトン類
を得るためα−ヒドロキシラクトン類を原料とし微生物
又はその処理物による製造方法に着目して、鋭意検討し
たところ、特定の微生物によりα−ヒドロキシラクトン
から光学活性α−ヒドロキシラクトンが効率良く生成す
ることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発
明の要旨は、ラセミ体のα−ヒドロキシラクトン類に微
生物及び/又はその処理物を作用させ、ラセミ体を光学
活性体に変換させることを特徴とする光学活性α−ヒド
ロキシラクトン類の製造方法に存し、このうち特に
(S)−α−ヒドロキシラクトン類を製造する方法に存
する。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、ラセミ体のα−
ヒドロキシラクトン類に微生物又はその処理物を作用さ
せることを特徴とする。本発明の方法におけるα−ヒド
ロキシラクトン類としては、特に限定されるモノではな
く、ラクトン環の炭素鎖に炭素数1〜3のアルキル基等
で1つ又は複数個置換されていても良いが、置換基が無
い方が好ましいα−ヒドロキシラクトン類として、好ま
しくは下記一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】で表される化合物であり、特に好ましくは
nが2の場合である。本発明における微生物としては、
ラセミ体のα−ヒドロキシラクトン類に作用し光学活性
なα−ヒドロキシラクトンを生成する能力を有する微生
物であれば、特に限定されないが、具体的には、メトシ
ュニコウィア属(Metschnikowia) 又はアンブロジオザイ
マ属(Ambrosiozyma)に属する微生物が例示できる。
【0007】上記微生物のうち、α−ヒドロキシラクト
ンから(S)−α−ヒドロキシラクトンを生成させる具
体的な微生物として、メトシュニコウィア属(Metschnik
owia) としては、メトシュニコウィア・ビカスピデータ
(Metschnikowia bicuspidata) IFO1408 、メトシュニコ
ウィア・プルチェリマ(Metschnikowia pulcherrima)IFO
0863、メトシュニコウィア・ロイカウフィ(Metschnikow
ia reukaufii)IFO1679、アンブロジオザイマ属(Ambrosi
ozyma)としては、アンブロジオザイマ■プラチポデイス
(Ambrosiozyma platypodis)IFO1471が例示できる。
【0008】また、上記の菌株はいずれも公知の菌株で
あり、それぞれ、(財)発酵研究所(IFO)、セント
ラルビューローフォーシュメルカルチャーズ(CB
S)、アメリカンタイプカルチャーコレクション(AT
CC)から容易に入手することができる。また、上記微
生物は、変異株、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換
え法などの遺伝学的手法により誘導される組換え株など
のいずれの株であってもよい。
【0009】本発明の製造方法においては、上記微生物
の1種あるいは2種以上が菌体及び/またはその処理物
として用いられる。具体的には、上記微生物を培養して
得られた菌体をそのまま、又は、培養して得られた菌体
を公知の手法で処理したもの、即ち、アセトン処理した
もの、凍結乾燥処理したもの、菌体を物理的または酵素
的に破砕したもの等の菌体処理物を用いることができ
る。また、これらの菌体または菌体処理物から、ラセミ
体α−ヒドロキシラクトンに作用し光学活性α−ヒドロ
キシラクトンに変換するする能力を有する酵素画分を粗
製物あるいは精製物として取り出して用いることも可能
である。さらには、このようにして得られた菌体、菌体
処理物、酵素画分等を通常の固定化技術を用いて、すな
わち、ポリアクリルアミド、カラギーナンゲル等の担体
に固定化したもの等を用いることも可能である。そこで
本明細書において、「菌体及び/またはその処理物」の
用語は、上述の菌体、菌体処理物、酵素画分、及びそれ
らの固定化物全てを含有する概念として用いられる。
【0010】次に、本発明の製造方法について具体的に
説明する。本発明においては、原料としてラセミ体のα
−ヒドロキシラクトン類を用い、これに上記微生物の菌
体及び/又はその処理物を作用させて、光学活性α−ヒ
ドロキシラクトン類を製造する。本発明の製造方法にお
いて微生物は、通常、培養して用いられるが、この培養
については定法通り行うことができる。本微生物の培養
の為に用いられる培地には、本微生物が資化しうる炭素
源、窒素源、及び無機イオン等が含まれる。炭素源とし
ては、グルコース、フルクトース、サッカロース等の炭
水化物、グリセロール、マンニトール、キシリトール、
リビトール等のポリアルコール類、有機酸その他が適宜
使用される。窒素源としては、NZアミン、トリプトー
ス、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス、大豆抽出物
などの有機窒素源、あるいは硫酸アンモニウム塩、硝酸
アンモニウム塩などの無機窒素源、その他などが適宜使
用される。無機イオンとしては、リン酸イオン、マグネ
シウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、モリブデン
イオンその他が必要に応じ適宜使用される。更に、イノ
シトール、パントテン酸、ニコチン酸アミドその他のビ
タミン類を必要に応じ添加することは有効である。酵素
の誘導剤として、ラクトン類が適宜使用される。培養
は、好気的条件下に、pH約3〜11、温度約4〜50
℃の適当な範囲に制御しつつ1〜100時間行う。
【0011】上記方法により培養し得られた菌体及び/
またはその処理物とラセミ体のα−ヒドロキシラクトン
とを接触させることにより、反応を行う。反応方式とし
ては、単離した上記菌体及び/またはその処理物にラセ
ミ体α−ヒドロキシラクトンを添加する方法、培地にラ
セミ体のα−ヒドロキシラクトンを添加し培養と反応を
同時に行う方法、又は、培養終了後、そのままラセミ体
のα−ヒドロキシラクトンを添加して更に反応を行う方
法等を適宜用いることができる。
【0012】反応は温度4〜70℃、好ましくは20〜
50℃の範囲で行い、pHは2〜11、好ましくは6〜
9のの範囲で行う。原料のα−ヒドロキシラクトン類の
濃度は0.0001〜80%、好ましくは0.01〜5
0%の範囲が望ましく、必要ならば反応の間、原料のα
−ヒドロキシラクトン類は追補添加される。上記方法に
より得られた光学活性なα−ヒドロキシラクトン類の採
取方法としては、微生物などの固形分を遠心分離、フィ
ルタープレス、限外濾過などの通常の分離装置によりを
除去した後に反応液を有機溶媒による抽出、晶析、カラ
ムクロマトグラフィー、濃縮、蒸留などの分離精製手段
に供することにより光学活性体を単離することができ、
分離精製手段は単独でまたは複数の手段を組み合わせて
利用できる。前記有機溶媒としては例えばブタノールな
どのアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン等の炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレンなどの
ハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸メチルなどの
エステル類;ケトン類;エーテル類;これらの混合溶媒
などが利用できる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。反応液中のα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン
の定量は高速液体クロマトグラフィー[カラム:Wak
osil−II 5C18、カラム温度:33℃、検出
波長:230nm、移動相:メタノール/水/トリフル
オロ酢酸=3/97/0.1、流速0.5ml/分)]
により行った。また、生成した光学活性なα−ヒドロキ
シ−γ−ブチロラクトンの光学純度はHPLC(カラ
ム:キラルパックAD、移動相:ヘキサン/イソプロピ
ルアルコール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.
1、カラム温度:25℃、検出波長:230nm、流
速:1.0ml/分により測定した。
【0014】実施例1
【表1】[菌体調製用培地] −酵母用− グルコース 2.0重量% 酵母エキス 0.3重量% 麦芽エキス 5重量% pH 5.6
【0015】上記の菌体調製用培地50mlを500m
l三角フラスコに入れて121℃、15分で滅菌した
後、表1に示す微生物をそれぞれ植菌し、30℃で1〜
2日間、振とう培養を行った。培養終了後、冷却し遠心
分離機で菌体を分離し生菌体を得た。ついで50ml三
角フラスコに2%重量%グルコース、0.5%重量%α
−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを含有する0.1M
りん酸カリウム緩衝溶液(pH7.0)10mlと上記
で調製した生菌体を入れて30℃で20時間、回転振と
う反応を行った。
【0016】反応終了後、遠心分離で除去し上清を適当
に希釈しHPLCにてα−ヒドロキシ−γ−ブチロラク
トンを定量した。また上清中のα−ヒドロキシ−γ−ブ
チロラクトンについては酢酸メチルで抽出し、得られた
酢酸メチル層を減圧留去後、高速液体クロマトグラフィ
ーで分析し光学純度を測定した。得られた結果を表1に
示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ラセミ体のα−ヒドロ
キシラクトン類から光学活性なα−ヒドロキシラクトン
類を収率及び光学純度の面で効率良く製造することが出
来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 剛 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4B064 AE44 AE45 AE46 CA06 CC03 CD27 DA01 DA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラセミ体のα−ヒドロキシラクトン類に
    微生物及び/又はその処理物を作用させ、ラセミ体を光
    学活性体に変換させることを特徴とする光学活性α−ヒ
    ドロキシラクトン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ラセミ体のα−ヒドロキシラクトンから
    (S)−α−ヒドロキシラクトンを製造することを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 微生物がメトシュニコウィア属(Metschn
    ikowia) 、アンブロジオザイマ属(Ambrosiozyma)に属す
    る微生物であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 α−ヒドロキシラクトン類が下記の一般
    式(I) 【化1】 (式中、nは1〜3までの整数である)で示される化合
    物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 nが2であることを特徴とする請求項4
    記載の製造方法。
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