JP2928613B2 - 光学活性アミン類の製造方法 - Google Patents

光学活性アミン類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光学活性アミンの製造方法に関する。さらに
詳しくは、特定の(R,S)−アミンのアシル誘導体(以
下、(R,S)−アシル誘導体ともいう)に、(R)−ア
ミンのアシル誘導体(以下、(R)−アシル誘導体とも
いう)のみを不斉加水分解する能力を有するシュードモ
ナス(Pseudomonas)属に属する微生物またはその培養
物を作用させ、特定の(R)−アミンと特定の(S)−
アミンのアシル誘導体(以下、(S)−アシル誘導体と
もいう)との混合物にし、分離して光学活性アミン類を
製造する方法に関する。
これらの光学活性アミン類およびそれらからえられる
光学活性誘導体は、各種の光学活性医薬や活性活性農薬
の中間体となり、実用的に価値が大きい。近年、医薬お
よび農薬で光学活性中心を有する化合物のばあいには、
強い生理活性を示す片方の光学活性体のみが使用される
ことが多く、前記光学活性アミン類などの化合物を利用
することにより、光学活性構造を有する医薬および農薬
に導くことが容易となる。たとえば、本発明によってえ
られる(R)または(S)−1−メチル−3−フェニル
プロピルアミンは光学活性医薬および光学活性農薬の重
要な中間体としての利用が期待されている。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 従来、一般式(R)−(II): または一般式(S)−(II): (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、アルキル基、アミノ基、nは1〜3の整数、*は
不斉炭素を表わす)で表わされるアミンまたはその誘導
体をうる方法として、ジアステレオマーにして光学分割
する方法(特開昭59−108749号公報)などが知られてい
る。
しかしながら、このような光学分割法ではジアステレ
オマーを調製するために別の高価な光学活性化合物が必
要となること、また光学純度を高めるためには繰返しの
晶析が必要となることなどの欠点があり、価格的に安価
に、かつ簡便にこれらの光学活性体をうることが困難で
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは係る実情に鑑み、微生物の利用により簡
便かつ経済的に、一般式(R,S)−(II): (式中、X1、X2、nは前記と同じ)で表わされる(R,
S)−アミンの光学分割法を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、シュードモナス属に属する微生物またはその培
養物が一般式(R,S)−(I): (式中、X1、X2、nは前記に同じ、RはC1のアルキ
ル基を示す)で表わされる(R,S)−アシル誘導体(エ
ナンチオマー混合物)のうち、(R)−アシル誘導体の
みを選択的に加水分解して一般式(R)−(II)で表わ
される(R)−アミンを生成させ、(S)−アシル誘導
体が残存することを発見し、つづいて両者を分離するこ
とにより効率的に光学分割する方法を確立し、本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は、 一般式(R,S)−(I): (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、アルキル基、アミノ基、RはC1のアルキル
基、nは1〜3の整数を表わす)で表わされるアミンの
アシル誘導体(エナンチオマー混合物)に、(R)−ア
ミンのアシル誘導体のみを不斉加水分解する能力を有す
るシュードモナス属に属する微生物またはその培養物を
作用させ、一般式(R)−(II): (式中、X1、X2およびnは前記と同じ、*は不斉炭素を
表わす)で表わされる(R)−アミンとしたのち、
(R)−アミンと残存する一般式(S)−(I): (式中、X1、X2およびnは前記と同じ、*は不斉炭素を
表わす)で表わされる(S)−アミンのアシル誘導体と
を分離することを特徴とする光学活性アミン類の製造方
法 に関する。
[実施例] 本発明においては、一般式(R,S)−(I): で表わされるアミンのアシル誘導体(エナンチオマー混
合物)がシュードモナス属に属する微生物またはその培
養物の作用により、不斉的に加水分解せしめられ、
(R)−アミンと(S)−アシル誘導体にされる。
これらの(R,S)−アミンのアシル誘導体の(R)体
のみを不斉加水分解する能力を有する微生物のスクリー
ニングの方法としてたとえば、(R,S)−アミンのアシ
ル誘導体を含有する培地(濃度0.05〜0.3W/V%)を調製
し、これに各微生物(菌体)を植菌し、28℃にて2〜4
日間振盪し培養後、TLC分析にてアミン生成が認められ
た菌体につき1〜5W/V%の(R,S)−アミンのアシル誘
導体を含む培養培地に植菌し、菌体反応を行なわせ、ア
シル誘導体の光学活性を確認する方法などをあげること
ができる。
本発明において使用できる微生物としては、土壌から
分離したシュードモナス属に属する微生物、たとえばシ
ュードモナス プチダ(Pseudomonas petida)Sc2(FER
M P−11602)、シュードモナス プチダ(Pseudomonas
petida)Pc3(FERM P−11603)などがあげることができ
る。なお、これらの微生物は工業技術院微生物工業技術
研究所に平成2年7月13日付で寄託されている。
またこれらの微生物の菌学的性質を形態的性質、生理
的性質および炭素源の資化性について調べた。それぞれ
の結果を第1表、第2表および第3表に示す。
これらの結果よりPc3およびSc2はいずれもジュードモ
ナス属に属する微生物であることが確認された。
前記微生物の培養物とは、該微生物を培地を用いて培
養したもののことであり、培養に用いる培地にはとくに
制限はなく、微生物が増殖しうる栄養源を含む培地であ
ればよい。
このような培地の具体例としては、たとえば炭素源と
して、グリセロール、グルコース、シュークロースなど
の糖類、チッ素源として酵母エキス、肉エキス、ポリペ
プトンなど、無機塩として燐酸カリウム、硫酸マグネシ
ウムなどを含有せしめたpH4.0〜10.0の培地があげられ
る。
培養方法としては、前記のごとき培地を使用し、培養
温度10〜40℃にて第1次種母培養、ついで第2次本培養
を各々2〜3日間行なう方法が、具体的な方法としてあ
げられる。
前記培養に際し、培地に誘導物質として、たとえば一
般式(R,S)−(I)で表わされるアミンのアシル誘導
体、好ましくは炭素原子数が1〜4のノルマルまたはイ
ソタイプのアルキル基を有するアシル基であるアシル誘
導体、その(S)体である(S)−アシル誘導体、
(R)体である(R)−アシル誘導体、それらの加水分
解物である(R,S)−アミン、(S)−アミン、(R)
−アミン、さらにはベンジルアセトンなどの一般式(R,
S)−(I)で表わされるアミンのアシル誘導体に近似
した構造を有する化合物を培地に対し0.005〜0.5W/V
%、好ましくは0.05〜0.3W/V%添加して培養することに
より、著しく不斉加水分解活性の高い培養物がえられ
る。
このようにして培養された高活性の培養物を用いるこ
とにより、高濃度の(R,S)−アシル誘導体の不斉加水
分解が可能となる。
本発明において使用されるアミンのアシル誘導体とし
ては、 があげられるが、ここでX1、X2はそれぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、たとえばC1のアルキル基、ア
ミノ基を示し、X1とX2は同一であってもよく、異なって
いてもよい。
前記RはC1のアルキル基であるが、これらのうち
でもC1のアルキル基であるのが反応速度などの点か
ら好ましい。
前記一般式(R,S)−(I)で表わされるアミンのア
シル誘導体の具体例としては、たとえば(R,S)−1−
メチル−3−フェニルプロピルアセトアミドなどがあげ
られる。
つぎに不斉加水分解反応には前記培養物をそのまま使
用してもよく、また微生物(菌体)を遠心分離法などに
より濃縮・集菌して使用してもよく、また集菌した微生
物を凍結乾燥などの乾燥操作を行ない使用してもよい。
さらに、微生物が産生する酵素が(R)−アシル誘導体
の不斉加水分解に対して高い活性を有するばあいには、
単離した酵素または凍結乾燥した酵素を使用してもよ
い。
本培養菌体から生成される不斉加水分解酵素は培養時
間が40時間を超える時点から菌体外に徐々に移行する現
象が見られるので、本菌体の利用に対してはこの点を考
慮していく必要がある。したがってつぎの不斉加水分解
反応には培養時間が40時間以内であれば菌体をそのまま
使用してもよくまたは集菌した菌体を使用し活性能を上
げることもできる。一方、2日以上の長時間培養を行な
ったばあいは酵素が菌体外の培養ろ液または遠心上清液
中に存在しているため培養ろ液または遠心上清液の使用
による不斉加水分解を行なうことができる。
一般式(R,S)−(I)で表わされるアミンのアシル
誘導体を、前記微生物またはその培養物の作用により不
斉的に加水分解させる際の条件としては、たとえば(R,
S)−アシル誘導体を親水性の高いアルコールなどの親
水性溶剤もしくはSolvon T80(ツィーン80)などの界面
活性剤に溶解ないし懸濁させ、10〜60W/V%濃度液と
し、この一部ないしは全部に対して前記の微生物または
濃縮・集菌した微生物をリン酸緩衝液中に懸濁させたの
ちに添加し、反応液中の(R,S)−アシル誘導体の濃度
が1〜30W/V%となるようにし、反応条件としては15〜6
0℃、好ましくは25〜40℃の温度で充分に攪拌もしくは
振盪しながら1〜5日間、好ましくは2〜4日間反応さ
せるというような条件を採用することができる。
前記不斉加水分解反応に際して、(R,S)−アシル誘
導体を有機溶剤に部分的に可溶化させながらまたは界面
活性剤の作用で溶剤への分散効率を高めた状態で反応を
行なうと、これらの処理を行なわない方法とくらべて著
しく反応率を高めることができる。
とくに前記有機溶媒が水に不溶もしくは難溶の有機溶
剤であって、水との2相系において不斉加水分解反応を
行なうばあいには、基質と微生物との接触が増大するな
どの点から好ましい。
前記反応率を高める効果のある有機溶剤としては、た
とえばn−ヘキサン、イソペンタン、n−オクタン、n
−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカンのようなア
ルカン系、イソプロピルエーテルのようなエーテル系、
エタノール、n−プロパノールのようなアルコール系の
溶剤があげられる。前記アルカン系、エーテル系の溶剤
は水に不溶もしくは難溶の有機溶剤の代表例である。
また、前記界面活性剤としては、たとえばポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレートのようなツィーン系界
面活性剤があげられる。界面活性剤の使用量としては水
に対して約1〜20重量%が通常である。
前記有機溶剤などを溶媒菌体を含む水相に対し50〜15
0W/V%使用することにより、とくに基質である(R,S)
−アシル誘導体の5W/V%以上の高濃度における反応率が
著しく増加する。なお、使用する有機溶剤などの使用量
は基質濃度により決定されるものであり、必ずしも前記
の範囲に限定されるものではない。また、不斉加水分解
反応に際して分割添加する方が一括添加するよりも反応
に好ましいばあいもあるから、(R,S)−アシル誘導体
を段階に添加してもよい。
不斉加水分解後の(R)−アミンと残存する(S)−
アシル誘導体の分離には、非親水性の有機溶剤による抽
出操作が好適に採用されうるが、このばあいの有機溶剤
としては、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル系
溶剤が好ましい。この抽出操作により(R)−アミンと
(S)−アシル誘導体を分離することができる。分離
後、水相からベンゼンなどによる抽出操作で、また
(S)−アシル誘導体はn−ヘキサン中で結晶化させる
ことにより、効率よく各々を採取することができる。
このようにしてえられた(R)−アミンおよび(S)
−アシル誘導体の光学純度は各々99%以上とすることが
可能である。
また、(S)−アシル誘導体は常法により化学的に分
解することにより(R)−アミンにすることができる。
以下に実施例をあげて本発明の方法を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 (R,S)−1−メチル−3−フェニルプロピルアセト
アミド(MPAC)を不斉加水分解し、(R)−1−メチル
−3−フェニルプロピルアミンを産生する微生物、シュ
ードモナス プチダ Sc2 FERM P 11602およびシュー
ドモナス プチダ Pc3 FERM P 11603をスクリーニン
グするために下記の組成でpH7.0の培地を調製した。
培地組成 (W/V%) (R)−MPAC 0.15 KH2PO4 0.1 K2HPO4 0.1 NH4Cl 0.1 MgSO4・7H2O 0.03 イーストエキス 0.01 この培地5mlを含む試験管にシュードモナス プチダ
Sc2 FERM P 11602およびPc3 FERM P 11603を植菌
後、28℃の培養温度で2日間振盪培養した。同じ培地10
0mlを含む500mlの坂口フラスコ中に前記培養菌体を注入
し、28℃の培養温度で2日間振盪培養した。(R,S)−M
PAC 25gを100mlのエタノールに溶解した溶液を各々の培
養菌体中に添加し、(R,S)−MPACの濃度が1W/V%、2W/
V%および3W/V%となるようにしたのちさらに30℃にて
2日間振盪させた。遠心分離法により菌体を除去した上
清液を用いてHPLC分析による化学純度測定および化学純
度測定を行なった。
光学純度測定に使用したカラムは5C18(4.6×100mm)
であり、光学純度測定においては、試料とGITC(テトラ
−0−アセチル−β−D−グルコシルイソチオシアネー
ト)とを付加反応させたのち、カラム 10C18(4.6×250
mm)を使用して行なった。菌体の種類および不斉加水分
解の結果を第4表に示す。
つぎに培養時間が約40時間を超える頃から酵素は菌体
内から培養液中に移行するため菌体を濾別した上清液を
使用し不斉加水分解を行なった。
前記液体培地100mlを含む500mlの坂口フラスコ中にあ
らかじめ培養を行なったシュードモナス プチダ Sc2
FERM P 11602およびPc3 FERM P 11603の種培養液を
それぞれ4ml添加し、28℃の培養温度で7日間振盪培養
した。培養後遠心分離法により菌体を分離したのち上清
液をそれぞれ約100mえた。(R−S)−MPAC25gを100ml
エタノールに溶解した溶液を各々の上清液10mlに添加
し、(R−S)−MPACの濃度が1W/V%、2W/V%および3W
/V%となるようにしたのちさらに30℃にて2日間反応を
行なった。菌体の種類および不斉加水分解の結果を第5
表に示す。
実施例2 種々の誘導物質の効果を調べるために種々の誘導物質
を添加し不斉加水分解活性を求めた。
実施例1に記載の培地のうちの(R)−MPACのかわり
に第6表記載の誘導物質(濃度0.15W/V%)に置換した
液体培地に、シュードモナス プチダ Pc3 FERM P 116
03菌体を接種し28℃の培養温度で2日間振盪培養した。
この培養ブロス中にSolvon T80(ツィーン80)溶液に
50W/V%のMPACを溶解した溶液を添加し、反応液中にMPA
Cが5W/V%となるようにして28℃にて2日間振盪し不斉
加水分解を行なった。これらの結果を第6表に示す。
実施例3 MPAC基質の高濃度における不斉加水分解性を調べた。
実施例1に記載した液体培地100mlを含む500mlの坂口フ
ラスコ中にあらかじめ培養を行なったシュードモナス
プチダ Pc3 FERM P 11603種培養液4mlを添加し、28℃
の培養温度で4日間振盪培養した。培養後遠心分離法に
より菌体を分離した上清液を限外濾過により約10倍(10
ml)に濃縮し、これにSolvon T80(ツィーン80)溶液に
50W/V%のMPACを溶解した溶液および20mMのトリス塩酸
バッファー液を反応液の全量が20mlになるように、また
反応液中のMPACの濃度が5W/V%、10W/V%および15W/V%
となるように添加したのち28℃にて4日間振盪培養を行
なった。不斉加水分解の結果を第7表に示す。
実施例4 シュードモナス プチダ Pc3 FERM P 11603によるMP
ACの不斉加水分解反応後(R)−MPPAと(S)−MPACの
分離精製を行ない、各々を採取した。
実施例1に記載の培地5mlを含む試験管に植菌し、28
℃の培養温度が2日間振盪培養を行なった。同じ培地10
0mlを含む500mlの坂口フラスコ中に前記培養菌体を注入
し、28℃の培養温度で2日間振盪培養を行なった。別に
MPAC25gを100mlのエタノールに溶解した溶液8mlを前記
菌体に添加し、さらに28℃で3日間振盪した。
つぎに遠心分離法により菌体を除去し、上清液約100m
lをえた。この上清液中の(R)−MPPAおよび(S)−M
PACの濃度ならびに光学純度を第8表に示す。
前記上清液を硫酸にてpH3としたのち約50mlの酢酸メ
チルにより3回抽出を行なった。
水層を当容量のベンゼンで2回抽出したのちベンゼン
を溜去して濃縮することにより油状物質0.5g((R)−
MPPA)をえた。えられた油状物質の分析値は化学純度99
%、化学純度99.5%ee以上であった。
つぎに酢酸メチル層より酢酸メチルを溜去して油状と
したのちn−ヘキサン30ml中に滴下して(S)−MPACを
結晶化させた。結晶を濾別・乾燥して白色結晶0.73gを
えた。えられた白色結晶の分析値は化学純度99%、化学
純度97%eeであった。
実施例5 非水性有機溶剤添加による2相系反応の効果を調べる
ために下記に示す反応条件により反応を行なった。
シュードモナス プチダ Pc3 FERM P 11603の培養菌
体1mlより遠心分離法にて菌体を集菌し、0.15Mのリン酸
バッファー(pH7.0)0.9ml中に添加した。エタノール中
にMPACを50W/V%濃度とした溶液0.1mlを添加した。さら
に、第9表に記載の有機溶剤1mlを加え、28℃にて4日
間振盪攪拌した。反応の結果を第9表に示す。
[発明の効果] 本発明は、従来から知られているジアステレオマーに
誘導したのちの光学分割法に基づく光学活性アミンの製
法とは異った微生物の光学分割能を利用したものであ
り、本発明によると容易に高純度の光学活性(R)−ア
ミンおよび(S)−アシル誘導体を取得することができ
る。
本発明におけるシュードモナス属に属する光学分割能
を有する微生物の発見、該微生物の培養に際し誘導物質
の添加により菌体の不斉加水分解能を著しく向上させう
ること、不斉加水分解反応に際し基質と菌体酵素との接
触率を高める効果がある有機溶剤などの使用で反応率を
著しく高めうることなどは、きわめて実用的に重要な意
味を持ち、工業的な光学活性アミンの製造技術としての
価値の大きいものである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(R,S)−(I): (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
    酸基、アルキル基、アミノ基、RはC1のアルキル
    基、nは1〜3の整数を表わす)で表わされるアミンの
    アシル誘導体(エナンチオマー混合物)に、(R)−ア
    ミンのアシル誘導体のみを不斉加水分解する能力を有す
    るシュードモナス属に属する微生物またはその培養物を
    作用させ、一般式(R)−(II): (式中、X1、X2およびnは前記と同じ、*は不斉炭素を
    表わす)で表わされる(R)−アミンとしたのち、
    (R)−アミンと残存する一般式(S)−(I): (式中、X1、X2およびnは前記と同じ、*は不斉炭素を
    表わす)で表わされる(S)−アミンのアシル誘導体と
    を分離することを特徴とする光学活性アミン類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】RがC1のアルキル基である請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(R,S)−(I)で表わされるアミ
    ンのアシル誘導体が(R,S)−1−メチル−3−フェニ
    ルプロピルアセトアミドであり、一般式(R)−(II)
    で表わされる(R)−アミンが(R)−1−メチル−3
    −フェニルプロピルアミンである請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記微生物またはその培養物が、アシル誘
    導体を分解する酵素を誘導する物質(誘導物質)の存在
    下で培養、調製した微生物またはその培養物である請求
    項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記誘導物質が、一般式(R,S)−(I)
    で表わされるアミンのアシル誘導体に対応する(R,S)
    −アミン、一般式(R)−(II)で表わされる(R)−
    アミン、前記(R)−アミンの鏡像異性体である(S)
    −アミンまたはこれらのアシル誘導体である請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】水と水に不溶もしくは難溶の有機溶剤との
    2相系で反応を行なう請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】親水性溶剤または界面活性剤に一般式(R,
    S)−(I)で表わされるアミンのアシル誘導体を溶解
    させたものを用いて反応させる請求項6記載の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008182986A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Chemical Co Ltd アミノアシラーゼ遺伝子

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