JP2000196234A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

Info

Publication number
JP2000196234A
JP2000196234A JP37116598A JP37116598A JP2000196234A JP 2000196234 A JP2000196234 A JP 2000196234A JP 37116598 A JP37116598 A JP 37116598A JP 37116598 A JP37116598 A JP 37116598A JP 2000196234 A JP2000196234 A JP 2000196234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
multilayer wiring
circuit layer
substrate
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP37116598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3694601B2 (ja
Inventor
Akiya Fujisaki
昭哉 藤崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP37116598A priority Critical patent/JP3694601B2/ja
Publication of JP2000196234A publication Critical patent/JP2000196234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3694601B2 publication Critical patent/JP3694601B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ビルドアップ法で形成した多層配線層とコア基
板との密着力が向上した高密度配線化が可能な多層配線
基板を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が10
℃以上異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合し、さ
らにはセラミック粉末を含有する混合物を少なくとも2
段階の熱硬化処理を経て表面に表面粗さ(Ra)が0.
1μm以上の凹凸を形成した絶縁基板1の少なくとも表
面に配線回路層2が被着形成されコア基板3の表面に、
ビルドアップ法によって絶縁層4と配線回路層5とから
なる多層配線層6を形成することにより、コア基板3と
多層配線層6との密着性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板及び
半導体素子収納用パッケージ等に好適な、特にビルドア
ップ法により形成された多層配線基板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、小型化には
目ざましいものがあり、携帯情報端末の発達や、コンピ
ューターを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピ
ューティングの普及によって、このような電子機器に用
いられる多層配線基板には、更に小型化、薄型化かつ高
精細化等が要求されている。
【0003】一方、通信機器に代表されるような高速動
作が求められる電子機器では、その普及に伴って高い周
波数の信号に対して正確なスイッチングが可能であるこ
と等の要求を満足する多層配線基板が求められている。
【0004】このような諸要求に応えるためには、多層
配線基板の配線を高密度化することが必要とされるが、
従来の銅張積層板にドリルを用いて穿孔し、バイアホー
ル導体並びに配線パターンを形成して積層するという多
層プリント配線基板では、小径のスルーホールを加工す
るドリル径に限界があること、及び多層化による高アス
ペクト比のスルーホールの信頼性に限界があること、絶
縁層を薄く形成するために製造コストが増大すること等
から、高密度化と製造コストの低減に限界があった。
【0005】そこで、前記欠点を解消して配線の高密度
化と、製造コストの低減を図る一つの手段として、絶縁
基板上に配線回路層と絶縁層を交互に形成するという工
程を繰り返して多層配線基板を製造するビルドアップ法
が知られている。
【0006】かかるビルドアップ法は、例えば、銅箔を
エッチングして形成した配線回路層を有する両面銅張ガ
ラスエポキシ基板をコア基板とし、この両面銅張ガラス
エポキシ基板の表面に絶縁層として感光性エポキシ樹脂
を塗布し、バイアホールを形成する部分の感光性エポキ
シ樹脂を露光、現像して除去した後、得られた絶縁層上
に無電解メッキ法や電解メッキ法により銅の被覆層を形
成し、該被覆層をエッチングすることによりバイアホー
ル導体及び配線回路層を形成する。その後、前記感光性
エポキシ樹脂による絶縁層の形成と、銅の被覆層による
バイアホール導体及び配線回路層の形成を繰り返して多
層化し、最後に、ドリル等によりスルーホール用の貫通
孔を設け、該貫通孔内にめっき層を形成して層間の配線
回路層間を電気的に接続することにより多層配線基板と
するものである(特開平9−64514号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ビ
ルドアップ法もその普及に伴って以下のような課題が明
かとなってきた。即ち、前記ビルドアップ法で形成した
多層配線基板は、コア基板の両面銅張ガラスエポキシ基
板とビルドアップ法で形成した絶縁層や配線回路層との
密着性が劣るという課題があり、特にアラミド不織布に
樹脂を含浸させて成る絶縁基板をコア基板とすると、こ
のコア基板の熱膨張率が一般的に用いられているエポキ
シ系樹脂に比較して低いため、このコア基板表面に形成
したエポキシ系樹脂などの絶縁層を成す樹脂との熱膨張
差が大きくなる結果、ビルドアップ法で形成した前記絶
縁層や配線回路層がコア基板から剥離し易いという問題
があった。
【0008】従って、本発明は、ビルドアップ法で形成
した多層配線層とコア基板との密着力が向上した高密度
配線化が可能な多層配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題に鑑
み鋭意検討した結果、コア基板を形成する絶縁材料とし
て、1分間半減期温度が異なる2種以上の重合開始剤を
熱硬化性樹脂中に混合して用いることにより、硬化時に
その表面に微小な凹凸が形成され、コア基板の表面の表
面粗さを大きくすることができる結果、このコア基板表
面にビルドアップ法によって絶縁層や配線回路層を有す
る多層配線層を形成すると、コア基板と多層配線層との
密着力が向上することを見いだし、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の多層配線基板は、熱硬化性
樹脂と、1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重
合開始剤を混合した混合物を硬化してなる絶縁基板の少
なくとも表面に配線回路層が被着形成され、且つ前記絶
縁基板の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上のコア基板
の表面に、絶縁層と配線回路層とからなる多層配線層を
形成してなることを特徴とするものであり、特に、前記
少なくとも2つの重合開始剤の開始温度が10℃以上異
なること、さらには、前記コア基板における絶縁基板中
に、0.2〜10μmの平均粒径を有するセラミック粉
末を10〜70体積%の割合で含有することが望まし
い。
【0011】また、前記配線基板の表面の配線回路層
は、樹脂フィルム上に作製した配線導体層を転写して形
成されて成ることが望ましい。
【0012】本発明の多層配線基板によれば、コア基板
の絶縁基板を、熱硬化性樹脂と重合開始剤との反応によ
って硬化させて形成する場合、1分間半減期温度が異な
る少なくとも2種の重合開始剤を混合した組成物を用い
ることにより、硬化過程で、低い1分間半減期温度にて
一部の樹脂の硬化が進行する結果、樹脂は一部硬化した
樹脂と未硬化の軟質状態の樹脂との混合物状態となり、
さらにこの状態で昇温して高い1分間半減期温度に達す
ると、残存していた未硬化の樹脂の硬化が進行する。こ
の時、硬化する樹脂成分に押されるようにして先に硬化
していた樹脂成分が表面にせりあがり基板表面に凹凸が
形成されることになる。このような現象は、前記樹脂中
にセラミック粉末を配合している場合、さらに顕著とな
る。
【0013】その結果、コア基板の表面に形成された凹
凸が、ビルドアップ法で形成される感光性樹脂による絶
縁層や、メッキによる配線回路層を有する多層配線層の
コア基板との密着力を向上させる作用をなす。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層配線基板につ
いて一実施例を図面に基づき詳述する。図1は、本発明
の多層配線基板の一実施例を示す断面図である。図1に
よれば、本発明の多層配線基板は、絶縁基板1の表面に
配線回路層2が被着形成されたコア基板3の表面に、ビ
ルドアップ法によって形成された絶縁層4、配線回路層
5とから成る多層配線層6を具備するものである。な
お、コア基板3の内部には、配線回路層7やビアホール
導体8が形成されていてもよい。
【0015】(コア基板)本発明によれば、上記コア基
板3における絶縁基板1が、熱硬化性樹脂と、1分間半
減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合し
た混合物を硬化してなる絶縁材料からなることが重要で
ある。
【0016】ここで、用いられる1分間半減期温度が異
なる重合開始剤としては、表1に示すように、主として
過酸化物などの種々のものが挙げられる。
【0017】
【表1】
【0018】1分間半減期温度が異なる少なくとも2種
の重合開始剤としては、その1分間半減期温度差が10
℃未満の場合には、樹脂の硬化はほぼ同時に進行するた
めに、前述のような基板表面に凹凸が形成されにくい。
また、1分間半減期温度の差が100℃を超えると、硬
化温度の差が大きくなり過ぎ、高い硬化温度がでの硬化
中に先に硬化した樹脂にクラックや分解を生じたりする
恐れがある。従って、本発明における1分間半減期温度
差、言い換えれば1分間半減期温度差が10〜100℃
が望ましく、特に絶縁基板の変形や樹脂の偏析を防止す
る点からは20〜100℃が望ましく、更には30〜6
0℃が最適である。
【0019】前記重合開始剤によって硬化される熱硬化
性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル(PPE)、
ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂が使用でき、特に耐熱性に優れ、吸湿性が
低く、高周波領域での電気特性に優れるという点からは
PPEやポリイミド樹脂が最適である。
【0020】また、この樹脂中には、無機質フィラーを
配合させることによって効率的に且つ均一な凹凸面を形
成することができる。用いられる無機質フィラーとして
は、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 3 )、窒
化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)等のセ
ラミック粉末が使用でき、該セラミック粉末は、その粒
径が大きすぎると配線回路層の断線を招くおそれがある
ことから、その平均粒径が0.2〜10μmであること
が望ましく、その含有量は10〜70体積%の範囲内が
より好適である。更に、この絶縁基板材料中には、ガラ
スクロスやアラミド不織布の補強剤を含んでいてもよ
い。また、これらのフィラーに対しては、樹脂との濡れ
性を向上させるためにフィラー表面をカップリング処理
を施してもよい。
【0021】本発明によれば、上記絶縁材料を用いてコ
ア基板を作製するには、前記未硬化状態の熱硬化性樹脂
と、1分間半減期温度が2種以上の重合開始剤、場合に
よって無機質フィラーを含む組成物を混練した後、この
混練物をドクターブレード法、カレンダーロール法、圧
延法などによって所定の厚みにシート成形する。また、
他の方法としては、上記混練物をガラスクロス、アラミ
ド樹脂による織布、不織布中に含浸させてシート化する
ことも可能である。
【0022】次に、このシートを少なくとも2段階の熱
処理によって硬化させる。まず、低温重合開始剤による
1分間半減期温度よりも高く、高温重合開始剤による1
分間半減期温度よりも低い温度で5分以上保持して、熱
硬化性樹脂の一部を熱硬化させる。その後、昇温して高
温重合開始剤による1分間半減期温度以上の温度に5分
以上保持して、残存した未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化
させて、シート中の全ての熱硬化性樹脂を完全硬化させ
る。
【0023】この高温での硬化時、硬化した樹脂と未硬
化の軟質状態の樹脂との混合物状態から残存していた未
硬化の樹脂の硬化が進行する過程で、後に硬化する樹脂
成分に押されるようにして先に硬化していた樹脂成分が
表面にせりあがり基板表面に凹凸を形成することができ
る。この時に形成される凹凸によって、最終的に絶縁基
板表面の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上となること
が重要である。
【0024】これは、絶縁基板の上記表面粗さが0.1
μm未満では、その表面に形成される多層配線層が、加
熱冷却の繰り返しによってコア基板から剥離し易くなる
ためである。前記表面粗さが粗くなればなる程、多層配
線層のコア基板への密着力は高くなるが、あまり粗くな
ると多層配線層とコア基板との間に気泡が入り易くなっ
て逆に密着力を低下させる虞があることから表面粗さ
(Ra)は0.5〜3μm程度がより良好である。
【0025】コア基板の表面、あるいは表面と内部に
は、配線回路層あるいは配線回路層間を電気的に接続す
るためのビアホール導体を配設することができる。表面
の配線回路層の形成は、上記のように絶縁基板全体の完
全硬化後に、金属箔を接着剤を用いて密着させた後、レ
ジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト除去に
よって回路パターンを形成することができるが、本発明
によれば、前記コア基板を硬化処理する前に、軟質状態
のコア基板に対して、転写法によって配線回路層を転写
した後に前記熱硬化処理を施すことにより、表面の配線
回路層をコア基板表面に埋め込むことができるために、
配線回路層の厚さ分の突起がなくなり、ビルドアップ法
による多層配線層間への気泡の巻き込みを防止するとと
もに、多層配線基板全体の平滑性を高めることができ
る。
【0026】具体的には、図2の工程図に示すように、
前記未硬化状態の熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が
2種以上の重合開始剤、場合によって無機質フィラーを
含む組成物を混練してなる絶縁シート11に対して、図
2(a)に示すように、パンチングあるいはレーザー等
により100〜200μmの径のスルーホール12を形
成する。
【0027】次に、図2(b)に示すように、前記スル
ーホール12内に金属ペーストを充填して乾燥し、スル
ーホール導体13を形成する。
【0028】金属ペーストは、金属粉末、有機樹脂及び
溶剤から成り、金属粉末としては、銅(Cu)、アルミ
ニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)から選ばれる
少なくとも1種又はそれらの合金によって構成するのが
望ましい。
【0029】また、前記金属ペースト中の有機樹脂とし
ては、前述した熱硬化性樹脂の他、セルロース等の樹脂
も使用でき、また、溶剤としては使用する有機樹脂が溶
解可能な溶剤であればいずれでも良く、例えば、イソプ
ロピルアルコールやテルピネオール、2−オクタノー
ル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)等が挙げ
られる。
【0030】次いで、スルーホール導体13が形成され
た絶縁シート11の表面の少なくとも一方の露出端部に
金属箔から成る配線回路層を転写法によって形成する。
具体的には、図2(c)に示すように、表面に銅箔から
なる逆パターンの配線回路層14が形成された転写フィ
ルム15を絶縁シート11に積層圧着した後、転写フィ
ルム15を引き剥がすことによって、配線回路層14を
絶縁シート11表面に埋め込むことができる。この時に
印加する圧力は密着性と界面の気泡を除去する点から、
1〜200kg/cm2 の加圧力が好ましく、より望ま
しくは20〜70kg/cm2 の範囲となる。
【0031】このようにして、配線回路層14およびス
ルーホール導体13を有する絶縁シート11を前述した
ように、少なくとも2段階の熱硬化処理を施すことによ
り、図2(d)に示すような、表面に凹凸が形成された
コア基板16を作製することができる。この時、熱硬化
処理のうち1段目の熱処理を配線回路層14を転写する
際の圧力印加とともに行うことによって工程の簡略化を
行うこともできる。
【0032】また、コア基板を多層構造にする場合に
は、前記配線回路層14およびスルーホール導体13を
有する絶縁シート11を複数層形成し、これらを積層一
体化した後、前述した少なくとも2段階の熱硬化処理を
施すことにより、図1に示すような多層構造のコア基板
を作製することができる。
【0033】さらに、上記のようにして作製したコア基
板に対しては、所望により表面の配線回路層14に対し
て硫酸あるいは塩酸、所望により過酸化水素を含んだエ
ッチング液を前記配線基板にスプレーすることにより、
配線回路層14表面にも凹凸を形成することができる。
これにより、前記配線回路層14表面を0.1μm以上
の表面粗さ(Ra)に粗くすることが可能となり、さら
に後述するビルドアップ法による多層配線層との密着性
を高めることができる。
【0034】次に、上記のようにして作製されたコア基
板の表面に、ビルドアップ法により絶縁層と配線回路層
を順次形成する。ビルドアップ法としては、周知の方法
を採用でき、具体的には、コア基板の表面全面に感光性
樹脂からなる絶縁層を塗布した後、バイアホールを形成
する部分の感光性エポキシ樹脂を露光、現像して取り除
く。その後、その絶縁層表面に無電解メッキ法や電解メ
ッキ法によって銅などの金属層を一面に形成した後、非
配線回路部分をエッチング除去することにより配線回路
層およびビアホール導体を形成することができる。
【0035】その後、上記感光性樹脂からなる絶縁層の
塗布、バイアホールの形成、金属層形成、エッチングに
よる配線回路層形成を繰り返すことにより、多層配線層
を形成することができる。
【0036】また、他の方法としては、コア基板の表面
に、樹脂付き銅箔を積層した後、フォトレジストで露光
現像を行って配線回路層の形成を行い、さらにレーザー
でバイアホールを形成後、メッキによってバイアホール
導体を形成する。その後、上記樹脂付き銅箔の積層、配
線回路層の形成、バイアホール導体の形成を繰り返すこ
とにより多層配線層を形成することができる。
【0037】本発明によれば、上述したように、表面に
微細な突起による凹凸が形成されたコア基板を用いるこ
とにより、ビルドアップ法による多層配線層形成時に感
光性樹脂を凹凸によるアンカー効果によってコア基板表
面に感光性樹脂からなる絶縁層を強固に密着させ、コア
基板とビルドアップ法により形成した絶縁層や配線回路
層からなる多層配線層とを強固に接続し信頼性を向上さ
せることができる。
【0038】
【実施例】先ず、コア基板の絶縁基板を構成する絶縁材
料として、前記表1の重合開始剤のうちから、1種また
は2種を選択し、これをイミド樹脂中に1重量%の割合
で添加混合し、更に、平均粒径が5μmのSiO2 粉末
を30体積%の割合で配合し、それに有機溶剤を添加混
合しドクターブレード法でグリーンシートを成形した。
【0039】次に、得られたグリーンシートに炭酸ガス
レーザーにより直径0.1mmのバイアホールを形成
し、該バイアホール内に粒径約5μmの銀をメッキした
銅粉末から成る銅ペーストを充填した。
【0040】一方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂から成る転写シートの表面に接着剤を塗布して
粘着性を付与し、厚さ18μmの銅箔を一面に接着した
後、フォトレジスト(ドライフィルム)を塗布して露光
現像を行った後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して非
パターン部をエッチング除去し、線幅が40μm、配線
間の間隔が40μmの逆パターンの配線回路層を形成し
た。
【0041】そして、前記グリーンシートに上記配線回
路層を形成した転写シートを位置決めして密着させ、該
転写シートのみを剥離して配線回路層をグリーンシート
表面に転写した。また、前記同様にしてバイホール導体
および配線回路層を形成したグリーンシートを積層して
20kg/cm2 の圧力で圧着するとともに、2種の重
合開始剤を含む場合には、低温重合開始剤の1分間半減
期温度よりも高く、高温重合開始剤の1分間半減期温度
よりも低い温度で加熱した。また、1種の重合開始剤し
か含まない場合もそれぞれ表2に示す温度で3分間加熱
処理した。
【0042】その後、高温重合開始剤の1分間半減期温
度よりも高い温度に60分間保持して完全硬化させてコ
ア基板を作製した。
【0043】かくして得られた配線基板について、その
表面の絶縁基板の表面粗さ(Ra)を測定しその結果を
表2に示した。
【0044】続いて、コア基板の表面に感光性エポキシ
樹脂をスピンコート法により塗布した後、所定温度で加
熱して絶縁層を形成し、バイアホールを形成する部分の
感光性エポキシ樹脂を露光、現像して取り除いた。
【0045】その後、前記絶縁膜の表面及びバイアホー
ル内に無電解メッキ法や電解メッキ法により銅被覆層を
形成し、該銅被覆層をエツチングすることにより配線回
路層とバイアホール導体を形成した。
【0046】そして、前記同様の工程を4回繰り返して
感光性樹脂による絶縁層と、配線回路層及びバイアホー
ル導体から成る多層配線層を形成した後、最外層に配線
回路層を保護するエポキシ樹脂から成るソルダーレジス
トを被覆して評価用の多層配線基板を作製した。
【0047】かくして得られた評価用の多層配線基板に
ついて、多層配線層の銅配線回路層に金具を取り付け、
該銅配線回路層を引き剥がすときに必要な力を測定し
て、配線の密着強度を求めて密着性を評価した。
【0048】一方、前記評価用の多層配線基板を−55
℃と+125℃の温度でヒートサイクル試験を200サ
イクル行った後、試験後の多層配線層の剥離の有無を確
認した。
【0049】なお、前記評価用の多層配線基板を切断
し、断面における配線回路層やバイアホール導体の形成
付近を観察したところ、コアの配線基板の変形や、配線
回路層、バイアホール導体等の接続不良、配線の断線等
の不良はいずれも認められなかった。
【0050】また、前記評価用の多層配線基板を湿度8
5%、温度85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置し
たが、本発明の多層配線基板ではいずれも目視で判別で
きる程度の変化は生じておらず、1000時間放置後に
周辺部にわずかな層の剥離が認められたが、動作には全
く影響のないことを確認した。
【0051】
【表2】
【0052】表2から明らかなように、1種類の重合開
始剤のみを使用した試料No.1、7では表面粗さが0.
07μm以下と小さく、ビルドアップ法による多層配線
層の密着力が弱く、いずれもヒートサイクル試験で剥離
したり、クラックを生じた。これに対して、2種の重合
開始剤を用いた本発明の多層配線基板においては、コア
基板の絶縁基板の表面粗さが0.1μm以上と大きく、
その結果、多層配線層の密着力が改善されてヒートサイ
クル試験でも不良は発生していないことが確認できた。
【0053】また、試料No.5と試料No.6との比較か
ら、2種の重合開始剤の1分間半減期温度差が10℃以
上であることが効果的であることも理解された。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コア基板を構成する絶縁基板として、1分間半減期温度
の異なる少なくとも2種の重合開始剤を含む絶縁材料を
用いることにより、コア基板表面に凹凸を形成すること
ができるために、ビルドアップ法で形成した多層配線層
のコア基板との密着力を向上させ、配線の高密度化と低
コスト化を実現した多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明におけるコア基板の製造方法を説明する
ための工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 配線回路層 3 コア基板 4 絶縁層 5 配線回路層 6 多層配線層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が異な
    る少なくとも2種の重合開始剤を混合した混合物を硬化
    してなる絶縁基板の少なくとも表面に配線回路層が被着
    形成され、且つ前記絶縁基板の表面粗さ(Ra)が0.
    1μm以上のコア基板の表面に、絶縁層と配線回路層と
    からなる多層配線層を形成してなることを特徴とする多
    層配線基板。
  2. 【請求項2】前記少なくとも2種の重合開始剤の1分間
    半減期温度が10℃以上異なることを特徴とする請求項
    1記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】前記コア基板における絶縁基板中に、0.
    2〜10μmの平均粒径を有するセラミック粉末を10
    〜70体積%の割合で含有することを特徴とする請求項
    1記載の多層配線基板。
  4. 【請求項4】前記配線基板の少なくとも表面の配線回路
    層が樹脂フィルム上に作製した配線導体層を転写して形
    成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の多層配
    線基板。
JP37116598A 1998-12-25 1998-12-25 多層配線基板 Expired - Fee Related JP3694601B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37116598A JP3694601B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 多層配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37116598A JP3694601B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 多層配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000196234A true JP2000196234A (ja) 2000-07-14
JP3694601B2 JP3694601B2 (ja) 2005-09-14

Family

ID=18498257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37116598A Expired - Fee Related JP3694601B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 多層配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3694601B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261447A (ja) * 2001-03-02 2002-09-13 Hitachi Chem Co Ltd 配線板とその製造方法とその配線板を用いた半導体搭載用基板とその製造方法と半導体パッケージ並びにその製造方法
WO2004015765A1 (ja) * 2002-08-09 2004-02-19 Ibiden Co., Ltd. 多層プリント配線板
JP2006066626A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Kyocera Corp 複合体及び複合体の製造方法並びに、複合シートの製造方法、積層体の製造方法、積層部品の製造方法
JP2009182221A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Kyocer Slc Technologies Corp 配線基板およびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261447A (ja) * 2001-03-02 2002-09-13 Hitachi Chem Co Ltd 配線板とその製造方法とその配線板を用いた半導体搭載用基板とその製造方法と半導体パッケージ並びにその製造方法
WO2004015765A1 (ja) * 2002-08-09 2004-02-19 Ibiden Co., Ltd. 多層プリント配線板
CN100461383C (zh) * 2002-08-09 2009-02-11 揖斐电株式会社 多层印刷线路板
US7507913B2 (en) 2002-08-09 2009-03-24 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board
US8592688B2 (en) 2002-08-09 2013-11-26 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board
US9226397B2 (en) 2002-08-09 2015-12-29 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board having multilayer core substrate
JP2006066626A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Kyocera Corp 複合体及び複合体の製造方法並びに、複合シートの製造方法、積層体の製造方法、積層部品の製造方法
JP2009182221A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Kyocer Slc Technologies Corp 配線基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3694601B2 (ja) 2005-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1250033B1 (en) Printed circuit board and electronic component
JPH11126978A (ja) 多層配線基板
KR20010051189A (ko) 접착 필름을 사용하는 다층 프린트 배선판의 제조방법
US20040126547A1 (en) Methods for performing substrate imprinting using thermoset resin varnishes and products formed therefrom
JP2005072328A (ja) 多層配線基板
JP3619421B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP3037662B2 (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP3728068B2 (ja) 多層配線基板
JP3786512B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP3694601B2 (ja) 多層配線基板
JP2001308536A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JPH11214846A (ja) 多層プリント配線板
JPH1174641A (ja) 多層配線基板
JPH10107445A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2002232152A (ja) 多層配線基板
JP3236812B2 (ja) 多層配線基板
JP2003046244A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JP3981314B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JPH10335834A (ja) 多層配線基板
JP2002198619A (ja) 回路基板
JP2002109956A (ja) 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法
JP2003046258A (ja) 配線基板用絶縁シート及びそれを用いた多層配線基板及びその製造方法
JP2002290036A (ja) 配線基板の製造方法
JP2002252465A (ja) 多層配線基板とその製造方法
JP2000022330A (ja) 多層配線基板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040930

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20050621

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050627

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080701

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090701

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090701

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110701

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees