JP2000195702A - 金属酸化物皮膜抵抗器とその製造方法 - Google Patents

金属酸化物皮膜抵抗器とその製造方法

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JP2000195702A
JP2000195702A JP10369216A JP36921698A JP2000195702A JP 2000195702 A JP2000195702 A JP 2000195702A JP 10369216 A JP10369216 A JP 10369216A JP 36921698 A JP36921698 A JP 36921698A JP 2000195702 A JP2000195702 A JP 2000195702A
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metal oxide
oxide
resistor
forming
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JP10369216A
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Akiyoshi Hattori
章良 服部
Katsuya Morinaka
克也 森仲
Nobuyuki Yoshiike
信幸 吉池
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、初抵抗値が高く、TCRが小さ
く、高信頼性の金属酸化物皮膜抵抗器とその製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 絶縁性基材1上に一定の結晶面に配向し
て柱状に成長した結晶粒からなる金属酸化物保護皮膜2
を形成し、その保護皮膜2上に結晶成長した柱状もしく
は粒状の結晶粒からなる金属酸化物抵抗皮膜3を形成し
たのち、抵抗皮膜3の製膜温度+200℃未満でアニー
ルする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気機器の回
路を構成する場合に広く用いられている金属酸化物皮膜
抵抗器とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物皮膜抵抗器は、図4に示すよ
うに、ムライトやアルミナ等の棒状の絶縁性基材1、そ
の表面に形成された酸化スズもしくはアンチモン添加酸
化スズ(ATO)の金属酸化物皮膜20、前記基材の両端
に圧入された金属製のキャップ端子5,6、前記端子に
溶接されたリード線7,8および抵抗器の表面上に形成
された保護膜9から構成されている。
【0003】金属酸化物皮膜材料として、酸化スズ単相
では比抵抗が大きく、TCRも非常に負に大きいため、
使用条件が大きく限定され、実用的ではない。この理由
から、一般的には金属酸化物皮膜材料として、比抵抗が
小さく、TCRも正もしくは0に近い値を有するATO
が実用化されている。
【0004】前記の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法
は、一般にスプレー法や化学蒸着法(CVD)等の化学
的製膜法によっている。これらの方法においては、600
〜800℃に加熱した炉中で、塩化第二スズと三塩化アン
チモンを含む水溶液ないしは有機溶液の蒸気を、棒状の
ムライト・アルミナ質の基材1に噴霧することにより、
基材の表面上にATO膜(金属酸化物皮膜20)を形成す
る。このとき、得られるATO膜の膜厚は400〜1000nm
で、膜の微構造は、基材から150nmの領域は粒状の多結
晶粒からなり、150nm以上の領域では粒成長して柱状に
近い結晶粒となっている。さらに、金属キャップ端子
5,6を基材1の両端に圧入し、所望の抵抗値になるよ
うに基材1を回転させながらATO膜の一部をダイアモ
ンドカッタもしくはレーザでトリミングを行い、キャッ
プ端子5,6にリード線7,8を溶接した後、樹脂製の
保護膜9を形成することにより、金属酸化物皮膜抵抗器
を得る。このようにして得られる金属酸化物皮膜抵抗器
の完成抵抗値は、基材の大きさが一定で有れば、初抵抗
値とトリミングのターン数により異なり、一般に10Ω〜
100kΩである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の抵抗調整の手法
に基づくと、初抵抗値が高い金属酸化物皮膜抵抗器を得
るためには、ATO膜の膜厚を薄くする方法が考えられ
る。しかしながら、ATO膜の比抵抗は約1×10-3〜1
×10-2Ω・cmであるために、抵抗値を高くするためには
膜厚を薄くしていかなければならない。このとき、膜自
身の歪や、膜全体に占める膜表面の空乏層の割合が増え
ること、膜自身の結晶性が低くなるために、TCRが負
の大きな値になりやすいという問題がある。また、低コ
ストの金属酸化物皮膜抵抗器を得るためには、低コスト
の絶縁基材を用いることが有用である。しかしながら、
低コストの絶縁基材は、純度と表面の平滑度の低下を招
くことになる。すなわち、絶縁基材の純度が下がると、
絶縁基材中のアルカリイオンの影響で、膜自身の抵抗値
が変化してしまい、信頼性の高い金属酸化物皮膜抵抗器
を得ることが困難であった。また、絶縁基材の平滑度が
低下すると、膜厚を薄くしたり、トリミング間隔を狭く
すると、電気伝導の経路の断面積が減少するとともに、
外界との接触面積が増え、かつ、粒自身の結晶性が低
く、粒界も多いため、電気的なストレスや湿度等によ
り、信頼性の高い金属酸化物皮膜抵抗器を得ることが困
難であった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するもので、低
コストで、初抵抗値が高く、TCRが小さく、高信頼性
の金属酸化物皮膜抵抗器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも絶
縁性基材と、前記基材上に一定の結晶面に配向して柱状
に成長した結晶粒からなる金属酸化物保護皮膜と、前記
保護皮膜上に結晶成長した柱状もしくは粒状の結晶粒か
らなる金属酸化物抵抗皮膜とからなり、アニール処理に
より粒成長した前記抵抗皮膜および前記保護皮膜の柱状
の結晶粒を有することを特徴とする。
【0008】また、本発明の製造方法は、絶縁性基材上
に一定の結晶面に配向して柱状に成長した結晶粒からな
る金属酸化物保護皮膜を形成する工程と、前記保護皮膜
上に結晶成長した柱状もしくは粒状の結晶粒からなる金
属酸化物抵抗皮膜を形成する工程と、前記抵抗皮膜の製
膜温度+200℃未満でアニールする工程とからなること
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】まず最初に、図3に示す本実施の
形態で用いた金属酸化物皮膜製造装置について説明す
る。基材1を、反応管10中に入れ、電気炉12の炉心管11
の中心部にくるように反応管10を固定して、反応管10と
炉心管11を回転させる。このとき、炉心管11、反応管10
と基材1は電気炉12により、金属酸化物皮膜20形成用組
成物が分解する温度以上に加熱されている。なお、反応
管10を回転させるのは、金属酸化物皮膜20を基材1上に
均一に形成するためであり、反応管10に機械的な振動を
与えても良い。また、炉心管11を回転させる必要性は特
になく、本実施の形態では反応管10の回転を安定にする
ために炉心管11に固定している。この反応管10中に、ガ
ス供給装置16からパイプ14を通じてキャリアガス17を、
前記皮膜形成用組成物の入った原料供給器15に送り込
み、パイプ13を通じて前記皮膜形成用組成物の気体また
はミストを送る。送り込まれた前記気体またはミストが
加熱された基材1上で分解し、金属酸化物皮膜20を形成
する。そして、未分解の前記皮膜形成用組成物の気体
は、ガス排気装置19で吸引され、冷却して回収される。
なお、ガス供給装置16から供給されるキャリアガス17と
しては、空気、酸素、窒素、アルゴン等の不活性ガスが
挙げられ、キャリアガス17の流量で、前記皮膜形成用組
成物の気体やミストの供給量を制御することが可能であ
る。また、原料供給器15を加熱もしくは原料供給器15に
超音波をあてることにより、前記皮膜形成用組成物の気
体やミストの供給量を制御することも可能である。
【0010】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態例の金属酸化物皮膜抵抗器である。絶縁性基材1、
前記基材1上に形成された一定の結晶面に配向して柱状
に成長した結晶粒からなる第1の金属酸化物保護皮膜2
と、前記絶縁皮膜上に結晶成長した柱状もしくは粒状の
結晶粒からなる金属酸化物抵抗皮膜3と、前記基材の両
端に圧入された金属製のキャップ端子5,6、前記端子
に溶接されたリード線7,8および抵抗器の表面上に形
成された保護膜9から構成されている。ここで、基材1
は少なくとも表面上に絶縁性を有しておればよく、ムラ
イト、アルミナ、コージェライト、フォルステライト、
ステアタイト等の磁器が好ましい。また、前記保護皮膜
2は、アルカリイオンの前記抵抗皮膜3への拡散を抑え
るものであり、前記抵抗皮膜3は、高い電気伝導性を有
する主たる抵抗体層である。前記保護皮膜2は、前記抵
抗皮膜3よりも低い電気伝導性を有し、かつ、前記抵抗
皮膜3と同じ結晶構造を有する金属酸化物皮膜材料であ
ればよく、一方、前記抵抗皮膜3は、高い電気伝導性と
高いキャリア濃度を有し、酸化スズ、酸化インジウム、
酸化亜鉛を主成分とするものが好ましい。なお、前記保
護皮膜2は、前記抵抗皮膜3が酸化スズを主成分とする
ときは、酸化スズもしくは酸化チタン(ルチル構造)の
いずれかもしくはその固溶体が好ましく、前記抵抗皮膜
3が酸化インジウムを主成分とするときは、酸化インジ
ウムが好ましく、前記抵抗皮膜3が酸化亜鉛を主成分と
するときは、酸化亜鉛もしくは酸化カドミウムのいずれ
かもしくはその固溶体が好ましい。また、前記保護皮膜
2と前記抵抗皮膜3の比抵抗は、主成分に対して加えら
れる添加物に依存し、前記保護皮膜2には、酸化スズ、
酸化インジウム、酸化亜鉛などは単相でも10-1〜10-2Ω
・cm程度で用いることができ、酸化スズの場合にはスズ
と同じ4価の酸化チタン、酸化珪素など、酸化インジウ
ムの場合にはインジウムと同じ3価の酸化アルミニウム
や希土類酸化物など、酸化亜鉛の場合には亜鉛と同じ2
価のアルカリ土類酸化物などを添加して、比抵抗を低い
ものも用いることができる。さらに、前記抵抗皮膜3に
は、酸化スズの場合にはスズより1つ価数の大きい5価
の酸化アンチモン、酸化リン、酸化砒素など、酸化イン
ジウムの場合にはインジウムより1つ価数の大きい4価
の酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなど、酸化
亜鉛の場合には亜鉛より1つ価数の大きい3価の酸化ア
ルミニウム、酸化インジウム、酸化ガリウムなどを適量
添加して、比抵抗が高く、TCRが正もしくは0に近い
ものを用いることが好ましい。
【0011】金属酸化物保護皮膜2形成用組成物および
金属酸化物抵抗皮膜3形成用組成物は以下のようにして
合成した。
【0012】200mlの三角フラスコに、5gの塩化第二
スズ(SnCl4・5H2O)を秤量し、68mlのメタノールと8ml
の濃塩酸を加えて溶解させ、前記皮膜2形成用組成物を
合成した。また、200mlの三角フラスコに、5gの塩化
第二スズと、(1)式で9mol%の三塩化アンチモン(Sb
Cl3)を秤量し、68mlのメタノールと8mlの濃塩酸を加
えて溶解させ、前記皮膜3形成用組成物を合成した。
【0013】M/(Sn+M)×100 ・・・(1) 図3の前記皮膜製造装置を用い、72%アルミナの円柱状
の基材1(外形3mmφ×11mmL、Ra 0.4μm)を反応
管中に、前記皮膜2形成用組成物を原料供給器15に入れ
た。キャリアガス17には空気を用い、ガス流量は1リットル
/min、基材1の加熱温度は650℃であった。なお、基材
1の加熱温度は、基材1の変形温度もしくは前記皮膜2
の融点以下であればよく、加熱温度が高い方が得られる
前記皮膜2の膜質は良好であり、400〜900℃が好まし
い。
【0014】650℃で反応管10中の基材1を30分間保持
し、前記皮膜2形成用組成物を反応管10中に0.2g/分
の速度で10〜20分間送った。このようにして形成される
前記皮膜2の膜厚は通常数十〜数千nmであるが、本実施
例では約100〜200nmであった。
【0015】同様に、前記皮膜製造装置を用い、前記絶
縁皮膜2の形成された基材1を反応管中に、前記皮膜3
形成用組成物を原料供給器15に入れた。キャリアガス17
には空気を用い、ガス流量は1リットル/min、基材1の加熱
温度は600℃であった。なお、基材1の加熱温度は、基
材1の変形温度もしくは前記皮膜2と前記皮膜3の融点
以下であればよく、加熱温度が高い方が得られる前記皮
膜3の膜質は良好であり、400〜900℃が好ましい。
【0016】600℃で反応管10中の基材1を30分間保持
し、1gの前記皮膜3形成用組成物を反応管10中に5分
間送り、前記抵抗皮膜3を形成した。このようにして形
成される前記抵抗皮膜3の膜厚は通常数十〜数千nmであ
るが、本実施例では約300nmであった。
【0017】さらに同様に、前記皮膜製造装置を用い、
前記抵抗皮膜3の形成された基材1を反応管10中に入
れ、キャリアガス17には空気を用い、ガス流量は1リットル
/min、基材1の加熱温度は600〜800℃で15分間であっ
た。
【0018】前記皮膜2と前記皮膜3が形成された基材
1の両端にスズメッキされたステンレス製のキャップ端
子6,7を圧入し、ダイアモンドカッタで完成抵抗値が
15kΩとなるようにトリミングを行った後、前記キャ
ップ端子6,7にスズメッキされた銅製のリード線8,
9を溶接した。なお、キャップ端子8,9は前記皮膜4
とオーミックに接合されるものであればよく、また、リ
ード線8,9も前記キャップ端子6,7にオーミックに
接合されるものであればよい。
【0019】最後に、前記皮膜3の表面上に、熱硬化性
の樹脂ペーストを塗布・乾燥し、150℃で10分間加熱処
理し、絶縁性の保護膜9を形成して、本発明の金属酸化
物皮膜抵抗器を得た。なお、保護膜9は、絶縁性と耐湿
性を有しておればよく、材質としては樹脂のみまたは無
機フィラーを含有したもの、硬化には熱以外に可視光や
紫外線等の光を用いてもよい。
【0020】(表1)に得られた金属酸化物皮膜抵抗器
の各特性を挙げる。なお、変化率は、60℃、95%RHで、
100時間耐湿試験を行ったときの抵抗値変化率である。
【0021】
【表1】
【0022】絶縁性基材上に、前記基材上に一定の結晶
面に配向して柱状に成長した結晶粒からなる第1の金属
酸化物保護皮膜を形成し、前記保護皮膜上に結晶成長し
た柱状もしくは粒状の結晶粒からなる金属酸化物抵抗皮
膜を形成したのち、前記抵抗皮膜の製膜温度以上でアニ
ールすることにより、前記抵抗皮膜および前記保護皮膜
の結晶性を高められ、抵抗器としてのTCRが正もしく
は0に近くなるとともに、高抵抗化のための薄膜化によ
る信頼性の低下の要因であるアルカリイオンの拡散と、
水分との電気化学的反応による前記抵抗皮膜の変質によ
る信頼性の低下を抑えることができ、高抵抗で、TCR
が小さく、信頼性の高い金属酸化物皮膜抵抗器を得るこ
とができる。
【0023】(実施の形態2)図2は本発明の一実施の
形態の金属酸化物皮膜抵抗器である。絶縁性基材1、前
記基材1上に形成された金属酸化物抵抗皮膜4と、基材
の両端に圧入された金属製のキャップ端子5,6、前記
端子に溶接されたリード線7,8および抵抗器の表面上
に形成された保護膜9から構成されている。ここで、前
記抵抗皮膜4は、一定の結晶面に配向して結晶成長し、
かつ、粒子内に化学組成分布を有する柱状の結晶粒から
なり、前記結晶粒は高い電気伝導性を有する部分とそれ
より電気伝導性の低い部分からなっており、酸化スズ、
酸化インジウム、酸化亜鉛を主成分とするものが好まし
い。なお、電気伝導性の高い部分には、酸化スズを主成
分とするときはスズより1つ価数の大きい5価の酸化ア
ンチモン、酸化リン、酸化砒素など、酸化インジウムの
場合にはインジウムより1つ価数の大きい4価の酸化ス
ズ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなど、酸化亜鉛の場
合には亜鉛より1つ価数の大きい3価の酸化アルミニウ
ム、酸化インジウム、酸化ガリウムなどを適量添加し
て、比抵抗が高く、TCRが正もしくは0に近いものを
用いることが好ましい。また、電気伝導性の低い部分に
は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛などは単相で
も10-1〜10-2Ω・cm程度で用いることができ、酸化スズ
の場合にはスズと同じ4価の酸化チタン、酸化珪素な
ど、酸化インジウムの場合にはインジウムと同じ3価の
酸化アルミニウムや希土類酸化物など、酸化亜鉛の場合
には亜鉛と同じ2価のアルカリ土類酸化物などを添加し
て、比抵抗を低いものも用いることができる。
【0024】2種類の金属酸化物抵抗皮膜4,4’形成
用組成物を以下のようにして合成した。
【0025】200mlの三角フラスコに、5gの塩化第二
スズ(SnCl4・5H2O)と、(1)式で10mol%の四塩化チタ
ン(TiCl4)とを秤量し、68mlのメタノールと8mlの濃
塩酸を加えて溶解させ、前記皮膜4形成用組成物を合成
した。また、200mlの三角フラスコに、5gの塩化第二
スズと、(1)式で9mol%の三塩化アンチモン(SbC
l3)を秤量し、68mlのメタノールと8mlの濃塩酸を加え
て溶解させ、もう一種類の前記皮膜4’形成用組成物を
合成した。
【0026】図3の前記皮膜製造装置を用い、基材1を
反応管中に、前記皮膜4形成用組成物を原料供給器15に
入れた。キャリアガス18には空気を用い、ガス流量は1
リットル/min、基材1の加熱温度は700℃であった。なお、
基材1の加熱温度は、基材1の変形温度もしくは前記皮
膜4の融点以下であればよく、加熱温度が高い方が得ら
れる前記皮膜4の膜質(結晶性)は良好であり、400〜9
00℃が好ましい。
【0027】700℃で反応管10中の基材1を30分間保持
し、3gの前記皮膜4形成用組成物を反応管10中に15分
間送り、700℃から600℃に降温している間に、前記皮膜
4’形成用組成物を原料供給器15に入れ、1gの前記皮
膜4’形成用組成物を反応管10中に10分間送って、金属
酸化物抵抗皮膜4を形成した後、600℃で10分間保持し
てアニール処理を行った。このようにして形成される前
記皮膜4の膜厚は通常数十〜数千nmであるが、本実施の
形態では約500nmであった。他は実施の形態1と同じで
あった。
【0028】(実施の形態3)2種類の金属酸化物抵抗
皮膜4,4’形成用組成物を以下のようにして合成し
た。
【0029】200mlの三角フラスコに、10gのインジウ
ムトリアセチルアセトナート(In(CH 3COCH2COCH3)3
と、(1)式で10mol%のアルミニウムトリアセチルアセ
トナート(Al(CH3COCH2COCH3)3)とを秤量し、50mlのエ
タノールを加えて溶解させ、前記皮膜4形成用組成物を
合成した。また、200mlの三角フラスコに、10gのイン
ジウムトリアセチルアセトナート(In(CH3COCH2COC
H3)3)と、(1)式で10mol%のスズジブチルジアセチル
アセトナート((CH3CH2CH2CH2)2Sn(CH3COCH2COCH3)2
とを秤量し、50mlのエタノールを加えて溶解させ、もう
一種類の前記皮膜4’形成用組成物を合成した。
【0030】図3の前記皮膜製造装置を用い、基材1を
反応管中に、前記皮膜4形成用組成物を原料供給器15に
入れた。キャリアガス17には空気を用い、ガス流量は1
リットル/min、基材1の加熱温度は600℃であった。なお、
基材1の加熱温度は、基材1の変形温度もしくは前記皮
膜4の融点以下であればよく、加熱温度が高い方が得ら
れる前記皮膜4の膜質(結晶性)は良好であり、400〜7
00℃が好ましい。
【0031】600℃で反応管10中の基材1を30分間保持
し、15gの前記皮膜4形成用組成物を反応管10中に20分
間送り、600℃から500℃に降温している間に、前記皮膜
4’形成用組成物を原料供給器15に入れ、10gの前記皮
膜4’形成用組成物を反応管10中に15分間送って、金属
酸化物抵抗皮膜4を形成した後、600℃で10分間保持し
てアニール処理を行った。このようにして形成される前
記皮膜4の膜厚は通常数十〜数千nmであるが、本実施の
形態では約450nmであった。他は実施の形態1と同じで
あった。
【0032】(実施の形態4)2種類の金属酸化物抵抗
皮膜4,4’形成用組成物を以下のようにして合成し
た。
【0033】200mlの三角フラスコに、10gの亜鉛ジア
セチルアセトナート(Zn(CH3COCH2COCH3)2)と、(1)
式で5mol%のマグネシウムジアセチルアセトナート(Mg
(CH3COCH2COCH3)2)とを秤量し、50mlのエタノールを加
えて溶解させ、前記皮膜4形成用組成物を合成した。ま
た、200mlの三角フラスコに、10gの亜鉛ジアセチルア
セトナート(Zn(CH3COCH2COCH3)2)と、(1)式で5mo
l%のインジウムトリアセチルアセトナート(In(CH3COCH
2COCH3)3)とを秤量し、50mlのエタノールを加えて溶解
させ、もう一種類の前記皮膜4’形成用組成物を合成し
た。
【0034】図3の前記皮膜製造装置を用い、基材1を
反応管10中に、前記皮膜4形成用組成物を原料供給器15
に入れた。キャリアガス17には空気を用い、ガス流量は
1リットル/min、基材1の加熱温度は550℃であった。な
お、基材1の加熱温度は、基材1の変形温度もしくは前
記皮膜4の融点以下であればよく、加熱温度が高い方が
得られる前記皮膜4の膜質(結晶性)は良好であり、30
0〜600℃が好ましい。
【0035】550℃で反応管10中の基材1を30分間保持
し、15gの前記皮膜4形成用組成物を反応管10中に20分
間送り、550℃から400℃に降温している間に、前記皮膜
4’形成用組成物を原料供給器15に入れ、10gの前記皮
膜4’形成用組成物を反応管10中に15分間送って、金属
酸化物抵抗皮膜4を形成した後、600℃で10分間保持し
てアニール処理を行った。このようにして形成される前
記皮膜4の膜厚は通常数十〜数千nmであるが、本実施の
形態では約400nmであった。他は実施の形態1と同じで
あった。
【0036】(比較例1)92%アルミナの円柱状の基材
1(外形3mmφ×11mmL、Ra 0.3μm)を用いた。金
属酸化物保護皮膜2を形成しなかった。本比較例では前
記皮膜3の膜厚は約400nmであった。他は実施の形態1
と同じであった。
【0037】(比較例2)0.5gの金属酸化物皮膜形成
用組成物を反応管11中に3分間送った。本比較例では前
記皮膜3の膜厚は約80nmであった。他は比較例1と同じ
であった。
【0038】(表2)に実施例2〜4、比較例1、2の
結果を挙げる。なお、変化率は、60℃、95%RHで、100
時間耐湿試験を行ったときの抵抗値変化率である。
【0039】
【表2】
【0040】絶縁性基材と、抵抗体として、前記基材上
に一定の結晶面に配向して結晶成長し、かつ、粒子内に
化学組成分布を有する柱状の結晶粒からなる高結晶性の
金属酸化物抵抗皮膜を用いることにより、高抵抗化のた
めの薄膜化による信頼性の低下の要因であるアルカリイ
オンの拡散と水分との電気化学的反応による前記抵抗皮
膜の変質を抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は広範囲の抵抗値とTCRが小さ
な金属酸化物皮膜抵抗器であり、民生用および産業機器
の回路用抵抗器の用途に適するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器の一実施の形態
を示す概略図
【図2】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器の他の実施の形
態を示す概略図
【図3】本発明の金属酸化物皮膜製造装置の一実施の形
態を示す概略図
【図4】従来の金属酸化物皮膜抵抗器の一例を示す概略
【符号の説明】
1 基材 2 金属酸化物保護皮膜 3,4 金属酸化物抵抗皮膜 5,6 キャップ端子 7,8 リード線 9 保護膜 10 反応管 11 炉心管 12 電気炉 13,14 パイプ 15 原料供給器 16 ガス供給装置 17 キャリアガス 18 パイプ 19 排気装置 20 金属酸化物皮膜
フロントページの続き (72)発明者 吉池 信幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E032 BA15 BB01 CA13 CC08 CC18 5E033 AA03 BA03 BB01 BC01 BE04 BG05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも絶縁性基材と、前記基材上に
    一定の結晶面に配向して柱状に成長した結晶粒からなる
    金属酸化物保護皮膜と、前記保護皮膜上に結晶成長した
    柱状もしくは粒状の結晶粒からなる金属酸化物抵抗皮膜
    とからなり、アニール処理により粒成長した前記抵抗皮
    膜および前記保護皮膜の柱状の結晶粒を有することを特
    徴とする金属酸化物皮膜抵抗器。
  2. 【請求項2】 金属酸化物保護皮膜の平均膜厚が150〜6
    00nmであることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物
    皮膜抵抗器。
  3. 【請求項3】 金属酸化物抵抗皮膜が、酸化スズ、酸化
    インジウム、酸化亜鉛のいずれかを主成分とすることを
    特徴とする請求項1または2記載の金属酸化物皮膜抵抗
    器。
  4. 【請求項4】 金属酸化物保護皮膜が、酸化スズ、酸化
    インジウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれかを主成分
    とすることを特徴とする請求項3記載の金属酸化物皮膜
    抵抗器。
  5. 【請求項5】 絶縁性基材上に一定の結晶面に配向して
    柱状に成長した結晶粒からなる金属酸化物保護皮膜を形
    成する工程と、前記保護皮膜上に結晶成長した柱状もし
    くは粒状の結晶粒からなる金属酸化物抵抗皮膜を形成す
    る工程と、前記抵抗皮膜の製膜温度+200℃未満でアニ
    ールする工程とからなることを特徴とする金属酸化物皮
    膜抵抗器の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属酸化物抵抗皮膜が、酸化スズ、酸化
    インジウム、酸化亜鉛のいずれかを主成分とすることを
    特徴とする請求項5記載の金属酸化物皮膜抵抗器の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 金属酸化物保護皮膜が、酸化スズ、酸化
    インジウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれかを主成分
    とすることを特徴とする請求項6記載の金属酸化物皮膜
    抵抗器の製造方法。
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