JPH0992503A - 金属酸化物皮膜抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

金属酸化物皮膜抵抗器およびその製造方法

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JPH0992503A
JPH0992503A JP7247394A JP24739495A JPH0992503A JP H0992503 A JPH0992503 A JP H0992503A JP 7247394 A JP7247394 A JP 7247394A JP 24739495 A JP24739495 A JP 24739495A JP H0992503 A JPH0992503 A JP H0992503A
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JP
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oxide film
metal oxide
film resistor
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metal
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JP7247394A
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Akiyoshi Hattori
章良 服部
Masaki Ikeda
正樹 池田
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 完成抵抗値が100kΩ以上で、抵抗の温度
係数が小さな金属酸化物皮膜抵抗器を提供することを目
的とする。 【解決手段】 Sn−Sb−M−O系複合酸化物(ただ
し、MはAl、Cr、FeおよびVからなる群より選ば
れる金属を表す。)からなる抵抗皮膜を有する金属酸化
物皮膜抵抗器。Snに対するSbの割合は0.1at%
〜20at%、Snに対するMの割合は0.1at%〜
50at%の範囲が好ましい。塩化第二スズ、三塩化ア
ンチモン、金属元素Mのハロゲン化物塩、およびメタノ
ールを含む混合気体またはミストを加熱された基材に接
触させて、Sn−Sb−M−O系複合酸化物皮膜を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気機器の回
路を構成する場合に広く用いられる金属酸化物皮膜抵抗
器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物皮膜抵抗器は、図1に示すよ
うに、ムライトやアルミナ等の棒状の絶縁性基材1、そ
の表面に形成された酸化スズもしくはアンチモン添加酸
化スズ(ATO)の金属酸化物皮膜2、前記基材の両端
に圧入された金属製のキャップ端子3と4、前記端子に
溶接されたリード線5と6、および抵抗器の表面に形成
された保護膜7から構成されている。金属酸化物皮膜材
料として、酸化スズ単相を用いたものは、比抵抗が大き
く、抵抗値の温度係数(TCR)も負で非常に大きいた
め、使用条件が大きく限定され、実用的ではない。この
理由から、一般的には金属酸化物皮膜材料として、比抵
抗が小さく、TCRも正もしくは0に近い値を有するA
TOが実用化されている。この材料は、キャリア濃度が
高く、温度上昇時において、熱の励起エネルギによるキ
ャリア濃度の増加よりも、格子振動によるキャリアの散
乱効果の方が大きいために、正のTCRを有し、金属的
な電気伝導を示す。このように、一般的には比抵抗の小
さいものは、キャリア濃度が高く、正もしくは0に近い
TCRを有し、比抵抗が大きいものは、キャリア濃度が
低く、TCRは負の大きな値となる。
【0003】前記の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法
は、一般にスプレー法や化学蒸着法(CVD)等の化学
的製膜法によっている。これらの方法においては、60
0〜800℃に加熱した炉中で、塩化第二スズと三塩化
アンチモンを含む水溶液ないしは有機溶媒溶液の蒸気
を、棒状のムライト・アルミナ質の基材1に噴霧するこ
とにより、基材の表面上にATO膜2を形成する。さら
に、金属キャップ端子3、4を基材1の両端に圧入し、
所望の抵抗値になるように基材1を回転させながらAT
O膜2の一部をダイアモンドカッタもしくはレーザでト
リミングを行い、キャップ端子3、4にリード線5、6
を溶接した後、樹脂製の保護膜7を形成することによ
り、金属酸化物皮膜抵抗器を得る。このようにして得ら
れる金属酸化物皮膜抵抗器の完成抵抗値は、基材の大き
さが一定であれば、ATO膜の膜厚とトリミングのター
ン数により異なり、一般に10Ω〜100kΩである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の抵抗調整の手法
に基づくと、完成抵抗値が100kΩ以上の金属酸化物
皮膜抵抗器を得るためには、ATO膜の膜厚を薄くする
か、ATO膜のトリミング間隔を狭くするという方法が
考えられる。しかしながら、ATO膜の比抵抗は約1×
10-3〜1×10-2Ω・cmであるために、抵抗値を高
くするためには膜厚をかなり薄くしなければならない。
このとき、膜自身の歪や、膜全体に占める膜表面の空乏
層の割合が増えるために、TCRが負の大きな値になっ
てしまう問題がある。
【0005】また、ATO膜の初期抵抗値が低いため
に、最終抵抗値を100kΩ以上にしようとすると、レ
ーザによるトリミングのターン数が多くなって、トリミ
ングに非常に時間を要するとともに、トリミング間隔が
狭くなりすぎて、物理的にトリミングできなくなってし
まうという問題もある。そして、以上のように、あまり
膜厚を薄くしたり、トリミング間隔を狭くすると、電気
伝導の経路の断面積が減少するとともに、外界との接触
面積が増え、電気的なストレスや外界の変化に弱くな
り、信頼性の高い金属酸化物皮膜抵抗器を得ることが困
難であった。本発明は、上記課題を解決するもので、完
成抵抗値が100kΩ以上で、TCRが小さな金属酸化
物皮膜抵抗器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の金属酸化物皮膜
抵抗器は、Sn−Sb−M−O系複合酸化物(ただし、
MはAl、Cr、FeおよびVからなる群より選ばれる
金属を表す。)からなる抵抗皮膜を有する。ここで、S
nに対するSbの原子数の割合は、100×Sb/Sn
(at%)で表して0.1at%〜20at%の範囲に
あることが好ましい。また、Snに対するMの原子数の
割合は、100×M/Snで表して0.1at%〜20
at%の範囲にあることが好ましい。
【0007】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法
は、塩化第二スズ、三塩化アンチモン、金属元素Mのハ
ロゲン化物(ただし、MはAl、Cr、FeおよびVか
らなる群より選ばれる金属を表す。)、およびメタノー
ルを含む混合気体またはミストを、加熱された基材に接
触させ、Sn−Sb−M−O系複合酸化物皮膜を形成す
るものである。ここで、基材の加熱温度は、500〜9
00℃であることが好ましい。また、金属元素Mのハロ
ゲン化物は塩化物であることが好ましい。
【0008】金属酸化物皮膜抵抗体を構成するATOの
比抵抗は、製造方法や酸素欠陥量によって異なり、約1
×10-3Ω・cm〜1×10-2Ω・cmである。本発明
のSn−Sb−M−O系複合酸化物皮膜は、添加するア
ンチモン、アルミニウム、クロム、鉄、バナジウムの添
加量を制御することにより、比抵抗を約1×10-3Ω・
cm〜1×10ー1Ω・cmと、ATOに比べて比較的抵
抗の高い領域で、より広い範囲の抵抗値を有することが
できる。
【0009】本発明の製造方法においては、前記混合気
体またはミストが加熱された基材に接触する際に、塩化
第二スズ、三塩化アンチモン、および金属元素Mのハロ
ゲン化物塩が雰囲気中の酸素もしくは水やアルコール等
の酸化剤と反応して、Sn−Sb−M−O系複合酸化物
皮膜を形成するので、表面粗度の大きな基材の凹部にも
膜質の良好な膜が形成される。このようにして得られる
Sn−Sb−M−O系複合酸化物皮膜の比抵抗は、AT
O膜の比抵抗に比べて高いために、皮膜の膜厚を比較的
厚くすることができる。その結果、初期抵抗値も高くな
り、トリミングも簡単になり、またTCRも小さくな
る。このように本発明によれば、信頼性の高い金属酸化
物皮膜抵抗器を安定して製造することができる。
【0010】ここで、アルミニウムのハロゲン化物とし
ては、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三ヨ
ウ化アルミニウム等が挙げられるが、三塩化アルミニウ
ムが好ましい。クロムのハロゲン化物としては、三塩化
クロム、三臭化クロム、三ヨウ化クロム等が挙げられる
が、三塩化クロムが好ましい。鉄のハロゲン化物として
は、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第一鉄、臭化第二
鉄、ヨウ化第一鉄、ヨウ化第二鉄等が挙げられるが、塩
化第二鉄が好ましい。バナジウムのハロゲン化物として
は、三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、五塩化バナ
ジウム、二塩化バナジル、三塩化バナジル、四臭化バナ
ジウム、四ヨウ化バナジウム等が挙げられるが、二塩化
バナジルと三塩化バナジルが好ましい。また、これら添
加されるアンチモン、アルミニウム、クロム、鉄、バナ
ジウムは、酸化スズと固溶体もしくは複合酸化物を形成
するか、または金属酸化物となって、酸化スズと混在し
た状態になっているものと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例の金属酸
化物皮膜抵抗器を示す。絶縁性基材1、基材1上に形成
された金属酸化物抵抗皮膜2、基材1の両端に圧入され
た金属製のキャップ端子3、4、前記端子に溶接された
リード線5、6、および抵抗器の表面に形成された保護
膜7から構成され、金属酸化物抵抗皮膜2が異なる他は
従来例と同様である。ここで、基材1は、少なくとも表
面上に絶縁性を有していればよく、ムライト、アルミ
ナ、コージェライト、フォルステライト、ステアタイト
等の磁器から構成するのが好ましい。また、キャップ端
子3、4は抵抗皮膜2とオーミックに接合されるもので
あればよく、また、リード線5、6もキャップ端子3、
4にオーミックに接合されるものであればよい。なお、
図1のサイズは必ずしも正確なものではない。
【0012】図2は、加熱された絶縁性基材の表面に、
金属酸化物からなる抵抗皮膜形成用組成物の気体もしく
はミストを供給して金属酸化物皮膜を形成するための装
置を示している。金属酸化物を形成しようとする基材1
を入れた石英製反応管11は、同じく石英製の炉芯管1
2内に、パッキン13により固定されている。電気炉1
4内に挿入された炉芯管12は、図示しない駆動装置に
より駆動されて電気炉14内において適当な回転速度で
回転されるようになっている。金属酸化物皮膜形成用組
成物15を収容した原料供給器16は、キャリアガスを
供給するガス供給器17とパイプ18によって連結され
るとともに、パイプ19によって反応管11に連結され
ている。また、反応管11の他方端には、パイプ20に
よって排気装置21が連結されている。
【0013】この装置を用いて基材の表面に金属酸化物
皮膜を形成するには、まず基材を反応管11に入れて図
示のようにセットし、電気炉14により基材を加熱し、
前記金属酸化物皮膜形成用組成物が熱分解する温度以上
に保持するとともに、反応管11を回転させる。この状
態でガス供給器17からパイプ18を通じて原料供給器
16にキャリアガスを送り込み、パイプ19を通じて金
属酸化物皮膜形成用組成物の気体もしくはミストを反応
管11に供給する。反応管11に供給された前記気体も
しくはミストは、基材に接して分解し、基材表面に金属
酸化物皮膜を形成する。そして、未分解の金属酸化物皮
膜形成用組成物は、ガス排気装置21で吸引され、冷却
して回収される。
【0014】なお、ガス供給器17から供給されるキャ
リアガスとしては、空気、酸素、または窒素、アルゴン
等の不活性ガスが用いられる。このキャリアガスの流量
によって、前記気体もしくはミストの供給量を制御する
ことができる。また、原料供給器16を加熱するかもし
くは原料供給器に超音波をあてることにより、前記気体
もしくはミストの供給量を制御することもできる。反応
管11を回転させるのは、金属酸化物皮膜を基材上に均
一に形成するためであり、反応管11を回転させる代わ
りに機械的な振動を与えてもよい。また、炉芯管12を
回転させる必要性は特になく、本実施例では反応管11
の回転を安定にするために炉芯管12に固定している。
【0015】[実施例1]金属酸化物皮膜形成用組成物
は以下のようにして合成した。200mlの三角フラス
コに、5gの塩化第二スズ(SnCl4・5H20)と、
100×Sb/Sn(at%)で0〜30at%の三塩
化アンチモン(SbCl3)と、Al/Sn×100
(at%)で0〜60at%の三塩化アルミニウム(A
lCl3)を秤量し、75mlのメタノールを加えて溶
解させ、金属酸化物皮膜形成用組成物を合成した。
【0016】次に、図2の金属酸化物皮膜製造装置を用
い、アルミナ分92%の円柱状の基材1(外形2mm、
長さ10mm)の表面に金属酸化物皮膜を形成した。す
なわち、前記の基材1を反応管11中に、また前記金属
酸化物皮膜形成用組成物を原料供給器16にそれぞれ入
れた。キャリアガスには空気を用い、ガス流量は1リッ
トル/min、基材1の加熱温度は800℃とした。な
お、基材1の加熱温度は、基材の変形温度もしくは金属
酸化物皮膜2の融点以下であればよく、加熱温度が高い
方が得られる金属酸化物皮膜2の膜質は良好であり、5
00〜900℃が好ましい。800℃で反応管11中の
基材1を30分間保持し、2.5gの前記金属酸化物皮
膜形成用組成物を反応管11中に10分間送り、金属酸
化物皮膜2を形成した後、さらに800℃で10分間保
持した。このようにして形成される皮膜2の厚さは通常
数十〜数千nmであるが、本実施例では約300nmで
あった。
【0017】前記金属酸化物皮膜2が形成された基材1
の両端にスズメッキされたステンレス鋼製のキャップ端
子3、4を圧入し、ダイアモンドカッタで8ターン分の
トリミングを行った後、前記キャップ端子3、4にスズ
メッキされた銅製のリード線5、6を溶接した。最後
に、前記金属酸化物皮膜2の表面上に、熱硬化性の樹脂
ペーストを塗布・乾燥し、150℃で10分間加熱処理
し、絶縁性の保護膜7を形成して、本発明の金属酸化物
皮膜抵抗器を得た。なお、保護膜7は、絶縁性と耐湿性
を有しておればよく、材質としては樹脂のみまたは無機
フィラーを含有したもの、硬化には熱以外に可視光や紫
外線等の光を用いてもよい。
【0018】得られた金属酸化物皮膜抵抗器の組成と完
成抵抗値、TCRの関係を図3に示す。図3に示すよう
に、金属酸化物皮膜抵抗器として、Snに対するSbの
割合が0.1at%〜20at%、Snに対するAlの
割合が0.1at%〜50at%の範囲であることが好
ましく、Snに対するSbの割合が1at%〜15at
%、Snに対するAlの割合が1at%〜20at%の
範囲であることが最も好ましい。
【0019】[実施例2]200mlの三角フラスコ
に、5gの塩化第二スズ(SnCl4・5H20)と、S
b/Sn×100(at%)で0〜30at%の三塩化
アンチモン(SbCl3)と、Cr/Sn×100(a
t%)で0〜60at%の三塩化クロム(CrCl3
を秤量し、68mlのメタノールと8mlの塩酸を加え
て溶解させ、得られた金属酸化物皮膜形成用組成物を用
いた。他は実施例1と同様にして金属酸化物皮膜抵抗器
を作製した。得られた金属酸化物皮膜2の厚さは、本実
施例では約300nmであった。
【0020】得られた金属酸化物皮膜抵抗器の組成と完
成抵抗値、TCRの関係を図4に示す。図4に示すよう
に、金属酸化物皮膜抵抗器として、Snに対するSbの
割合が0.1at%〜20at%、Snに対するCrの
割合が0.1at%〜50at%の範囲であることが好
ましく、Snに対するSbの割合が1at%〜15at
%、Snに対するCrの割合が1at%〜30at%の
範囲であることが最も好ましい。
【0021】[実施例3]200mlの三角フラスコ
に、5gの塩化第二スズ(SnCl4・5H20)と、S
b/Sn×100(at%)で0〜30at%の三塩化
アンチモン(SbCl3)と、Fe/Sn×100(a
t%)で0〜60at%の塩化第二鉄(FeCl3)を
秤量し、68mlのメタノールと8mlの塩酸を加えて
溶解させ、得られた金属酸化物皮膜形成用組成物を用い
た。他は実施例1と同様にして金属酸化物皮膜抵抗器を
作製した。得られた金属酸化物皮膜2の厚さは、本実施
例では約300nmであった。
【0022】得られた金属酸化物皮膜抵抗器の組成と完
成抵抗値、TCRの関係を図5に示す。図5に示すよう
に、金属酸化物皮膜抵抗器として、Snに対するSbの
割合が0.1at%〜20at%、Snに対するFeの
割合が0.1at%〜50at%の範囲であることが好
ましく、Snに対するSbの割合が1at%〜15at
%、Snに対するFeの割合が0.2at%〜40at
%の範囲であることが最も好ましい。
【0023】[実施例4]200mlの三角フラスコ
に、5gの塩化第二スズ(SnCl4・5H20)と、S
b/Sn×100(at%)で0〜30at%の三塩化
アンチモン(SbCl3)と、V/Sn×100(at
%)で0〜60at%の二塩化バナジル(VOCl2
を秤量し、68mlのメタノールと8mlの塩酸を加え
て溶解させ、得られた金属酸化物皮膜形成用組成物を用
いた。他は実施例1と同様にして金属酸化物皮膜抵抗器
を作製した。得られた金属酸化物皮膜2の厚さは、本実
施例では約300nmであった。
【0024】得られた金属酸化物皮膜抵抗器の組成と完
成抵抗値、TCRの関係を図6に示す。図6に示すよう
に、金属酸化物皮膜抵抗器として、Snに対するSbの
割合が0.1at%〜20at%、Snに対するVの割
合が0.1at%〜50at%の範囲であることが好ま
しく、Snに対するSbの割合が1at%〜15at
%、Snに対するVの割合が0.2at%〜40at%
の範囲であることが最も好ましい。
【0025】[比較例1]200mlの三角フラスコ
に、5gの塩化第二スズ(SnCl4・5H20)と、S
b/Sn×100(at%)で0〜30at%の三塩化
アンチモン(SbCl3)を秤量し、68mlのメタノ
ールと8mlの塩酸を加えて溶解させ、得られた金属酸
化物皮膜形成用組成物を用いた。他は実施例1と同様に
して金属酸化物皮膜抵抗器を作製した。得られた金属酸
化物皮膜2の厚さは、本実施例では約300nmであっ
た。得られた金属酸化物皮膜抵抗器の組成と完成抵抗
値、TCRの関係を図7に示す。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、広範囲の
抵抗値を有し、抵抗値の温度係数が小さな金属酸化物皮
膜抵抗器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における金属酸化物皮膜抵抗
器を示す縦断面略図である。
【図2】本発明の一実施例における金属酸化物皮膜製造
装置を示す縦断面略図である。
【図3】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器(Sn−Sb−
Al−O系)の組成と完成抵抗値、TCRの関係を示す
グラフである。
【図4】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器(Sn−Sb−
Cr−O系)の組成と完成抵抗値、TCRの関係を示す
グラフである。
【図5】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器(Sn−Sb−
Fe−O系)の組成と完成抵抗値、TCRの関係を示す
グラフである。
【図6】本発明の金属酸化物皮膜抵抗器(Sn−Sb−
V−O系)の組成と完成抵抗値、TCRの関係を示すグ
ラフである。
【図7】従来の金属酸化物皮膜抵抗器(Sn−Sb−O
系)の組成と完成抵抗値、TCRの関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 基材 2 金属酸化物皮膜 3、4 キャップ端子 5、6 リード線 7 保護膜 11 反応管 12 炉心管 13 パッキン 14 電気炉 15 皮膜形成用組成物 16 原料供給器 17 ガス供給装置 18、19、20 パイプ 21 排気装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sn−Sb−M−O系複合酸化物(ただ
    し、MはAl、Cr、FeおよびVからなる群より選ば
    れる金属を表す。)からなる抵抗皮膜を有することを特
    徴とする金属酸化物皮膜抵抗器。
  2. 【請求項2】 Snに対するSbの割合が、100×S
    b/Sn(at%)で0.1at%〜20at%の範囲
    にある請求項1記載の金属酸化物皮膜抵抗器。
  3. 【請求項3】 Snに対するMの割合が、100×M/
    Sn(at%)で0.1at%〜50at%の範囲にあ
    る請求項1または2記載の金属酸化物皮膜抵抗器。
  4. 【請求項4】 塩化第二スズ、三塩化アンチモン、金属
    元素Mのハロゲン化物(ただし、MはAl、Cr、Fe
    およびVからなる群より選ばれる金属を表す。)、およ
    びメタノールを含む混合気体またはミストを、加熱され
    た基材に接触させ、Sn−Sb−M−O系複合酸化物皮
    膜を形成することを特徴とする金属酸化物皮膜抵抗器の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 基材の加熱温度が500〜900℃であ
    る請求項4記載の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属元素Mのハロゲン化物が塩化物
    である請求項4記載の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方
    法。
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