JPH07283007A - 金属酸化物皮膜抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

金属酸化物皮膜抵抗器およびその製造方法

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JPH07283007A
JPH07283007A JP6311535A JP31153594A JPH07283007A JP H07283007 A JPH07283007 A JP H07283007A JP 6311535 A JP6311535 A JP 6311535A JP 31153594 A JP31153594 A JP 31153594A JP H07283007 A JPH07283007 A JP H07283007A
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oxide film
metal oxide
zinc
film resistor
base material
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JP6311535A
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Akiyoshi Hattori
章良 服部
Yoshihiro Hori
堀  喜博
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1kΩ〜10MΩと広範囲の抵抗値を有し、
抵抗値のばらつきが小さな金属酸化物皮膜抵抗器を提供
する。 【構成】 酸化亜鉛皮膜を抵抗体とする金属皮膜抵抗
器。酸化亜鉛にアルミニウムやインジウムの酸化物を含
ませることにより、広範囲の抵抗値を有するものとな
る。この金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法は、絶縁性基
材の表面において、酸素を含む雰囲気下もしくは酸素を
供給する物質の共存下に亜鉛塩あるいはさらに添加した
アルミニウム塩を熱分解することにより、絶縁性基材の
表面に酸化亜鉛皮膜あるいは酸化アルミニウムを含む皮
膜を形成する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電気機器の回路を
構成する場合に広く用いられている金属酸化物皮膜抵抗
器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物皮膜抵抗器は、ムライトやア
ルミナ等の棒状の絶縁性基材、その表面に形成された酸
化スズもしくは酸化スズ・酸化アンチモン(ATO)の
金属酸化物皮膜、前記基材の両端に圧入された金属製の
キャップ端子、前記端子に溶接されたリード線、および
抵抗器の表面上に形成された保護膜から構成されてい
る。金属酸化物皮膜が、酸化スズ単相からなるものは、
抵抗の温度係数(TCR)が非常に大きいため、使用条
件が大きく限定され、実用的ではない。この理由から、
一般的には金属酸化物皮膜材料として、ATOが実用化
されている。
【0003】前記の金属酸化物皮膜の製造方法は、一般
にスプレー法や化学蒸着法(CVD)等の化学的製膜法
によっている。これらの方法においては、600〜80
0℃に加熱した炉中で、塩化第二スズと三塩化アンチモ
ンを含む水溶液ないしは有機溶媒溶液の蒸気を、棒状の
ムライト・アルミナ質の基材に噴霧することにより、基
材の表面上にATO膜を形成する。さらに、金属キャッ
プ端子を基材の両端に圧入し、所望の抵抗値になるよう
に皮膜の一部をカットして、キャップ端子にリード線を
溶接した後、樹脂製の保護膜を形成することにより、金
属酸化物皮膜抵抗器を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ATO膜を用いた金属
酸化物皮膜抵抗器は、ATO膜の比抵抗が約1×10-3
〜1×10-2Ω・cmであり、膜厚による抵抗値の調節
方法によると、最終抵抗値を100kΩ以上にしようと
すると、膜厚をかなり薄くする必要がある。しかし、薄
い膜厚を制御するのは難しく、膜厚のばらつきにより、
所望の抵抗値を有する一定品質の金属酸化物皮膜抵抗器
を得ることが困難であった。本発明は、上記課題を解決
するもので、1kΩ〜10MΩと広い抵抗値の範囲内に
おいて所望の抵抗値を有する一定品質の金属酸化物皮膜
抵抗器を提供することを目的とする。本発明は、またそ
のような金属酸化物皮膜抵抗器を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁性基材、
前記基材の表面に形成された酸化亜鉛皮膜、および前記
酸化亜鉛皮膜に接触する一対の端子からなる金属酸化物
皮膜抵抗器を提供するものである。本発明の一態様にお
いて、前記酸化亜鉛皮膜は、アルミニウム、マグネシウ
ム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
ルコニウム、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン
およびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種
の金属の酸化物を含んでいる。
【0006】また、本発明は、絶縁性基材の表面におい
て、酸素を含む雰囲気下もしくは酸素を供給する物質の
共存下に亜鉛塩を熱分解することにより、絶縁性基材の
表面に酸化亜鉛皮膜を形成する工程を含む金属酸化物皮
膜抵抗器の製造方法を提供する。本発明の好ましい一態
様において、亜鉛塩の熱分解温度以上に加熱された絶縁
性基材に亜鉛塩を含む溶液の蒸気を供給することによ
り、亜鉛塩は絶縁性基材の表面で熱分解して基材表面に
酸化亜鉛皮膜が形成される。前記の熱分解工程は、酸素
を含む雰囲気下は勿論、窒素等の不活性雰囲気下におい
ても行うことができる。後者の場合、亜鉛塩の熱分解に
より酸化亜鉛を形成するための酸素は、亜鉛塩を溶解し
ている溶液から供給される。
【0007】本発明の他の態様において、表面に亜鉛塩
を含む塗膜を形成した絶縁性基材を酸素を含む雰囲気下
で亜鉛塩の熱分解温度以上の温度に加熱することによ
り、基材表面に酸化亜鉛皮膜が形成される。さらに、好
ましい態様においては、少なくとも亜鉛塩と亜鉛に配位
可能な有機化合物とこれらを溶解する有機溶媒からなる
溶液を、絶縁性基材に塗布して亜鉛塩を含む塗膜を形成
する工程、および前記塗膜を酸素を含む雰囲気下で焼成
して酸化亜鉛皮膜を形成する工程からなる。好ましい他
の態様においては、前記亜鉛塩を含む溶液は、アルミニ
ウム、マグネシウム、スカンジウム、チタン、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
イットリウム、ジルコニウム、インジウム、スズ、アン
チモン、ランタンおよびセリウムよりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属の無機塩または有機塩を含んで
いる。
【0008】
【作用】本発明の金属酸化物皮膜抵抗体を構成する酸化
亜鉛単相の比抵抗は、酸素欠陥量によって異なり、約1
×10-2Ω・cm〜1×102Ω・cmであるが、添加
する金属元素の種類や添加量を制御することにより、他
種の金属元素が添加された酸化亜鉛の比抵抗は約5×1
-3Ω・cm〜1×103Ω・cmと、ATOに比べて
比較的抵抗の高い領域で、広範囲の抵抗値を有すること
ができる。酸化亜鉛に添加されたこれらの各種金属元素
は、酸化亜鉛と固溶体もしくは複合酸化物を形成する
か、または金属酸化物となって、酸化亜鉛と混在した状
態になるものと考えられる。
【0009】これにつき、さらに詳しく説明すると、本
発明における金属酸化物皮膜は、以下の3つの状態が局
所的に混在しているものと考えられる。1つは、酸化亜
鉛以外の各種金属酸化物が酸化亜鉛中に固溶した状態で
ある。他の1つは、前記の各種金属酸化物が酸化亜鉛と
化合物を形成した状態である。さらに、他の1つは、前
記の各種金属酸化物が酸化亜鉛と固溶体もしくは化合物
を形成できずに単独で存在した状態である。ここで、金
属酸化物の種類にもよるが、金属酸化物の量が酸化亜鉛
に対する固溶限界量より少ない場合には、酸化亜鉛に完
全固溶する。そして、各種金属酸化物が添加された酸化
亜鉛は、単相で存在する。また、金属酸化物の量が酸化
亜鉛に対する固溶限界量より多い場合には、すべての前
記金属酸化物が酸化亜鉛に固溶しきれずに、金属酸化物
が粒界に析出する。そして、析出した金属酸化物は、金
属酸化物を固溶した酸化亜鉛のマトリックス中に分散し
た状態で存在する。ある種の金属酸化物は、亜鉛と反応
して、スピネル系化合物(ZnM24)やZnMO3
の化合物を形成する。
【0010】
【実施例】本発明の好ましい実施例について、以下にさ
らに詳しく説明する。本発明による酸化亜鉛皮膜は、前
記のように、少なくとも亜鉛塩と亜鉛に配位可能な有機
化合物とこれらを溶解する有機溶媒からなる溶液を塗布
することによって絶縁性基材表面に形成された塗膜を、
酸素を含む雰囲気下で焼成することによって製造され
る。ここに用いる亜鉛塩としては、亜鉛に配位可能な有
機化合物と置換できるような配位子を持つものであれば
よい。具体的には、酢酸亜鉛の他、硝酸亜鉛、塩化亜
鉛、硫酸亜鉛やシュウ酸亜鉛等が用いられる。また、亜
鉛に配位可能な有機化合物としては、亜鉛に一部配位し
て、有機溶媒に対する溶解性をもたせるために必要であ
り、2−アミノエタノールのようなα−またはβ−アミ
ノアルコール類、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン
類、α−またはβ−ケトン酸類、前記ケトン酸類のエス
テル類が挙げられる。さらに、有機溶媒としては、本発
明で用いる有機化合物や無機化合物を溶解するものであ
ればよい。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ア
セトン、ジエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、メトキシエタノール、エトキシエ
タノール等のエーテルアルコール類等が挙げられる。
【0011】活剤としては、酸化亜鉛皮膜の抵抗値およ
びTCRを制御するために加えられる金属塩であり、金
属元素として、アルミニウム、マグネシウム、スカンジ
ウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニ
ウム、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン、セリ
ウム等が挙げられる。これらの塩としては、硝酸塩、塩
化物、硫酸塩、フッ化物等の無機塩や、酢酸、2−エチ
ルヘキサン酸等のカルボン酸の塩、シュウ酸塩等のジカ
ルボン酸の塩、アセチルアセトン錯塩等が挙げられる。
上記の本発明の製造方法においては、少なくとも無機亜
鉛塩と亜鉛に配位可能な有機化合物とこれらを溶解する
有機溶媒からなる溶液を金属酸化物皮膜形成用組成物と
して用いる。この組成物の調製に際しては、前記有機溶
媒の還流する温度で還流することが好ましい。この還流
処理は、亜鉛塩、あるいはさらに加えた活剤の塩と亜鉛
に配位可能な有機化合物との反応を促進するためであ
り、溶液調製において必ずしも必要ではない。しかし、
室温で非常に溶解度の低い活剤の場合、還流処理は有効
な手段である。
【0012】亜鉛に配位可能な化合物は、亜鉛塩に配位
することで、亜鉛塩の加水分解を抑えるとともに、熱分
解過程において、有機溶媒の蒸発した後、亜鉛塩と配位
できずに残っている前記の配位可能な有機化合物が、前
記亜鉛塩の熱分解までの補助溶剤となり、前記亜鉛塩の
析出と熱分解が同時に起こるような状況を作り出す。こ
のため、非常に緻密な膜が得られることとなる。また、
酸化亜鉛皮膜に他種の金属元素を含ませるための金属塩
を活剤として前記溶液に添加された場合においても、無
機亜鉛塩および活剤の析出と熱分解が同時に進行するよ
うになる。これにより、組成のばらつきの少ない金属酸
化物皮膜が形成されるので、抵抗値のばらつきの小さい
金属酸化物皮膜抵抗器を安定して製造することができ
る。このように、配位可能な有機化合物は、亜鉛塩の熱
分解過程に大きく関与するため、その化合物の種類(沸
点等)が異なると、得られる膜の特性も影響を受ける。
【0013】次に、前記のようにして調製した金属酸化
物皮膜形成用組成物を基材の表面に塗布する方法として
は、ディップコート法やスプレー法、ディスペンサ等が
ある。ここに用いる基材は、少なくとも表面上に絶縁性
を有していればよく、ムライト、アルミナ、フォルステ
ライト、ステアタイト、コージェライト等の磁器が好ま
しい。次に、前記金属酸化物皮膜形成用組成物の塗膜を
乾燥した後、焼成して、酸化亜鉛、または酸化亜鉛を主
成分とし金属Mの酸化物を含む金属酸化物皮膜を形成す
る。焼成温度は、金属酸化物形成用組成物が分解する温
度以上で、かつ基材の変形温度以下であればよく、40
0〜900℃が好ましい。また、前記の焼成雰囲気は、
空気中または酸素を含む雰囲気である。こうして形成さ
れる金属酸化物皮膜の厚さは、通常数十〜数百nmであ
る。前述した従来のATO膜は、製膜条件が不安定なス
プレー法等により皮膜を形成することと、アンチモンが
熱的に不安定であることから、抵抗値のばらつきが大き
いという問題があった。これに対して上記の本発明の方
法は、そのような問題を克服しうるものであることは、
前記の説明から明らかである。
【0014】酸化亜鉛皮膜を形成するさらに好ましい方
法は、亜鉛塩の熱分解温度以上に加熱された絶縁性基材
に、亜鉛塩を含む溶液の蒸気を供給することにより、亜
鉛塩を絶縁性基材の表面で熱分解して基材表面に酸化亜
鉛皮膜を形成する方法である。ここにおいて、前記亜鉛
塩の溶液は、さらに上に挙げた前記活剤の金属塩を含む
ことができる。前記の亜鉛塩、さらには前記金属塩を含
む溶液を作るための溶媒は、それらの塩を溶解するもの
であればよい。具体的には、エタノール、イソプロパノ
ールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の酢酸エステル類、アセトン、ジエチルケトンなどのケ
トン類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなど
のエーテルアルコール類などである。最も好ましいの
は、水である。塩の溶解を促進するため、塩酸、硫酸、
硝酸などの酸またはアンモニアを加えることができる。
【0015】亜鉛塩を含む溶液の蒸気を供給されて亜鉛
塩を熱分解させる絶縁性基材の温度は、基材の変形する
温度および得られる金属酸化物皮膜の融点より低ければ
よい。温度は高い方が得られる金属酸化物皮膜の膜質は
良好である。400〜900℃が好ましい。また、前記
熱分解時の雰囲気は、空気中または酸素を含む雰囲気の
他窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気である。こうして
形成される金属酸化物皮膜の厚さは、通常数十〜数千n
mである。
【0016】上記いずれの方法によって得られる金属酸
化物皮膜についても、さらに窒素、アルゴンなどの不活
性ガスまたは水素などの還元性ガス雰囲気あるいはそれ
らの混合ガス雰囲気中で熱処理することが好ましい。こ
の熱処理により、酸化物皮膜表面に化学的に吸着してい
る酸素の離脱、および酸化亜鉛結晶中の酸素空孔子の生
成が生じる。これにより、抵抗値のばらつきのより小さ
な抵抗体を与える。熱処理する雰囲気ガスは、実用上窒
素ガス、または窒素ガスと水蒸気の混合系が好ましい。
【0017】焼成等による金属酸化物皮膜生成後の金属
酸化物皮膜の抵抗値は、数時間程度で一定となるが、前
記の不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気中での熱処理後
の抵抗値は、一定になるのに数日を要する。この膜の抵
抗値変化の挙動は、一般には、金属酸化物皮膜生成時に
吸着した酸素ガスによるものと考えられている。この不
活性ガスや還元ガス雰囲気での熱処理により、金属酸化
物皮膜生成時に吸着した酸素ガスが脱離して、伝導電子
を放出する。このとき、熱力学に安定な量だけ酸素が残
存することになるので、吸着酸素量のばらつきに起因す
る抵抗値のばらつきが減少する。また、酸化亜鉛は半導
体で、バンドギャップが3eV以上と大きく、かつキャ
リア(伝導電子)濃度が高い導電材料でもある。そのた
め、前記の不活性ガスや還元ガス雰囲気での熱処理によ
り、金属酸化物皮膜生成時に吸着した酸素ガスの脱離の
結果として放出される伝導電子の分だけ、キャリア濃度
は増加し、抵抗値は減少する。そして、伝導帯中の伝導
電子量が非常に大きくなるために、温度が増加しても、
伝導帯に電子が励起され難くなり、むしろ格子振動によ
る伝導電子の散乱により抵抗値は増加して、前記の不活
性ガスや完全ガス雰囲気での熱処理後の金属酸化物皮膜
は、金属的な正の抵抗値の温度係数をとるものと思われ
る。以上に述べたように、不活性ガスや還元ガス雰囲気
での熱処理温度が低すぎると、吸着酸素が脱着しにく
い。また、熱処理温度が高すぎると、金属酸化物皮膜が
還元され、金属の析出を生じるために、抵抗値の温度係
数が正に大きな値となる。不活性ガスや還元ガスの種類
により、還元性が異なり、還元性が高いガスほど、熱処
理温度の上限は低くなるが、一般的には300℃〜70
0℃が好ましい。
【0018】図1は、本発明の一実施例における金属酸
化物皮膜抵抗器の構造を示す。絶縁性基材1の表面に上
記のようにして金属酸化物皮膜2が形成されている。皮
膜2を形成した基材1の両端には、スズメッキされたス
テンレス鋼製のキャップ端子3が圧入され、前記キャッ
プ端子3にはスズメッキされた銅製のリード線4が溶接
されている。なお、キャップ端子3は金属酸化物皮膜2
とオーミックに接合されるものであればよく、また、リ
ード線4も前記キャップ端子3にオーミックに接合され
るものであればよい。さらに、金属酸化物皮膜2の表面
上に熱硬化性樹脂からなる保護膜5が形成されている。
図示の例では、保護膜5はキャップ端子3をも被覆して
いる。なお、保護膜5は、絶縁性と耐湿性を有していれ
ばよく、材質としては樹脂のみまたは無機フィラーを含
有したものが用いられる。また、樹脂の硬化には熱以外
に可視光や紫外線等の光を用いてもよい。
【0019】図2は、加熱された絶縁性基材の表面に、
亜鉛塩を含む溶液の蒸気を供給して金属酸化物皮膜を形
成するための装置を示している。金属酸化物を形成しよ
うとする基材を入れた石英製反応管11は、同じく石英
製の炉心管12内に、パッキン13により固定されてい
る。電気炉14内に挿入された炉心管12は、モータ1
5により駆動されるチェーン16によって電気炉14内
において適当な回転速度で回転されるようになってい
る。金属酸化物皮膜形成用組成物17を収容した原料供
給器18は、キャリアガスを供給するガス供給器19と
パイプ20によって連結されるとともに、パイプ21に
よって反応管11に連結されている。
【0020】この装置を用いて基材の表面に金属酸化物
皮膜を形成するには、まず基材を反応管11に入れて図
示のようにセットし、電気炉14により基材を加熱し、
金属酸化物形成用組成物が熱分解する温度以上に保持す
るとともに、炉心管14とともに反応管11を回転させ
る。この状態でガス供給器19からパイプ20を通じて
原料供給器18にキャリアガスを送り込み、パイプ21
を通じて金属酸化物形成用組成物の蒸気を反応管11に
供給する。反応管11に供給された前記組成物の蒸気
は、基材に接して分解し、基材表面に金属酸化物皮膜を
形成する。なお、ガス供給器19から供給されるキャリ
アガスとしては、空気、酸素、または窒素、アルゴン等
の不活性ガスが用いられる。このキャリアガスの流量に
よって、前記金属酸化物皮膜形成用組成物の蒸発の供給
量を制御することができる。また、原料供給器18を加
熱するかもしくは原料供給器に超音波をあてることによ
り、前記金属酸化物皮膜形成用組成物の蒸気の供給量を
制御することもできる。反応管11を回転させるのは、
基材を転動させてその表面を亜鉛塩を含む溶液の蒸気に
一様に接触させ、基材表面に金属酸化物皮膜を均一に形
成させるためである。反応管を回転させる代わりに機械
的振動を与えもよい。
【0021】図2の装置においては、加圧されたキャリ
アガスにより金属酸化物形成用組成物の蒸気を反応管1
1へ供給するようにしている。図3に示す装置は、反応
管11のガス排気側に、パイプ22により減圧装置23
を接続したもので、反応管11は減圧となり、パイプ2
0との圧力差によりパイプ20を通じてキャリアガスが
原料供給器18に送り込まれ、さらにパイプ21を通じ
て金属酸化物形成用組成物の蒸気が反応管11へ供給さ
れる。この装置においては、減圧装置23によるガス排
出量により、前記蒸気の供給量を制御することができ
る。また、原料供給器18を加熱するか原料供給器18
に超音波をあてることにより前記蒸気の供給量を制御す
ることができる。なお、図2および図3に示す装置にお
ける反応管11とパイプ21との接続部、および図3に
示す装置における反応管11とパイプ22との接続部
は、反応管11の回転によってガスがもれないような継
手によって構成されている。
【0022】[実施例1]まず、金属酸化物皮膜形成用
組成物を以下のようにして合成した。1リットルの三角
フラスコに、66gの酢酸亜鉛Zn(CH3CO22
2H2Oを秤量し、100gの2−アミノエタノールH2
NC25OHを加えて、室温で混合し溶解させた。その
溶液に、金属のモル数で換算して、かつ式M/(Zn+
M)で表される値が0.05となるように秤量した各種
金属Mのアセチルアセトン錯塩とメタノールを加えて、
金属酸化物皮膜形成用組成物を合成した。次に、アルミ
ナ分92重量%の円柱状の基材(直径2mm、長さ10
mm)に、前記の金属酸化物皮膜形成用組成物をディッ
プコートした。
【0023】こうして得た金属酸化物皮膜形成用組成物
の塗膜を60℃で5分間乾燥した後、空気中において8
00℃で10分間焼成し、酸化亜鉛を主成分とする金属
酸化物皮膜を形成した。このようにして形成された皮膜
の厚さは約50nmであった。次に、上記のようにして
皮膜2を形成した基材1の両端に、キャップ端子3を圧
入した後、キャップ端子にリード線4を溶接した。次
に、皮膜2の表面に熱硬化性の樹脂ペーストを塗布・乾
燥し、150℃で10分間加熱処理し、絶縁性の保護膜
5を形成して、図1に示すような構造の金属酸化物皮膜
抵抗器を得た。以上のようにして得た各種組成の金属酸
化物皮膜を有する抵抗器の特性を表1に挙げる。
【0024】
【表1】
【0025】[実施例2]亜鉛塩として塩化亜鉛ZnC
2・6H2Oを用い、活剤は用いない。他は実施例1に
同じとした。 [実施例3]亜鉛に配位可能な有機化合物としてCH3
COCH2COCH3を用いた。他は実施例2に同じとし
た。 [実施例4]活剤として硝酸アルミニウムAl(N
33・9H2Oを用い、モル数換算値で表したAl/
(Zn+Al)を0.05となるようにした。他は実施
例1に同じとした。
【0026】[比較例1]塩化第二スズSnCl4・5
2O、三塩化アンチモンSbCl3およびメタノールを
それぞれ100g、6.4gおよび10mlの割合で混
合して金属酸化物皮膜形成用組成物を調製した。これを
110℃に加熱して得られる煙状物質を、650℃で保
持されている基材に吹き付け、ATO膜からなる金属酸
化物皮膜を形成した。その後は、実施例1と同様に、端
子キャップ、およびリード線を取り付けた後、保護膜を
形成して、金属酸化物皮膜抵抗器を得た。表2に実施例
2〜4および比較例1の抵抗器の特性の比較を示す。
【0027】
【表2】
【0028】[実施例5]金属酸化物皮膜形成用組成物
を以下のようにして合成した。1リットルの三角フラス
コに、3.4gの塩化亜鉛ZnCl2と、M/(Zn+
M)が0〜0.15となるように塩化アルミニウムAl
Cl3または塩化インジウムInCl3・3H2Oを秤量
し、500mlの純水を加えた。そして、さらに濃塩酸
を加えて、溶液のpHを4以下に調節し、塩化亜鉛と塩
化アルミニウムまたは塩化インジウムとを完全に溶解さ
せ、金属酸化物皮膜形成用組成物を合成した。なお、溶
液のpHは、塩化亜鉛と塩化アルミニウムや塩化インジ
ウム等の活剤が溶解すればよく、水溶液ではpHが4以
下が好ましい。図2の装置を用い、アルミナ分92%の
円柱状の基材(直形3mm、長さ14mm)を反応管1
1中に、前記金属酸化物皮膜形成用組成物を原料供給器
18にそれぞれに入れた。原料供給器18の温度は、室
温で、バブリングにより、金属酸化物皮膜形成用組成物
のミストを反応管に供給した。キャリアガスには空気を
用い、ガス流量は1リットル/min、基材の加熱温度
は800℃とした。800℃で反応管11中の基材を6
0分間保持し、続いて40分間で50gの前記金属酸化
物皮膜形成用組成物を反応管11に送り、金属酸化物皮
膜を形成した後、さらに800℃で60分間保持した。
このようにして形成された皮膜の厚さは約3000nm
であった。次に、窒素雰囲気中において、650℃で5
時間熱処理した。その後実施例1と同様にして端子キャ
ップの取り付けとリード線の溶接をした後、保護膜を形
成して、金属酸化物皮膜抵抗器を得た。
【0029】上記のようにして、得られた金属酸化物皮
膜抵抗器の電気特性を図4に示す。MとしてAlを用い
た抵抗器の抵抗値をRAl、抵抗値の温度係数をTCRAl
で示す。また。MとしてInを用いた抵抗器の抵抗値を
In、抵抗値の温度係数をTCRInで示す。なお、抵抗
値の温度係数(TCR)は、25〜125℃における値
である。
【0030】[実施例6]1リットルの三角フラスコ
に、12.6gの塩化亜鉛ZnCl2・6H2OとM/
(Zn+Mn)が0.02となるように各種金属Mの塩
化物を秤量し、100mlの純水を加えて溶解させ、金
属酸化物皮膜形成用組成物を合成した。図2の装置を用
い、実施例5と同じ条件で基材表面に酸化亜鉛を主成分
とする厚さ約1000nmの酸化物皮膜を形成した。こ
れらの試料については、実施例5のような窒素雰囲気中
における熱処理をせずに、キャップ端子とリード線の取
り付けおよび保護膜の形成を行って金属酸化物皮膜抵抗
器を作製した。得られた添加金属Mを含む酸化亜鉛皮膜
を有する抵抗器の抵抗値を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】[実施例7]亜鉛塩として酢酸亜鉛Zn
(CH3COO)2・2H2Oを用いた。活剤は用いてい
ない。他の条件は実施例6と同じとした。 [実施例8]活剤としてアルミニウムアセチルアセトナ
ートAl(CH3COCH2COCH33を用いた。他の
条件は実施例6と同じとした。 [実施例9]キャリアガスとして窒素を用いた。他の条
件は実施例6と同じである。 [実施例10]図3の装置を用い、キャリアガスの流量
が1リットル/minとなるように、減圧装置の圧力を
設定した。他の条件は実施例6と同じである。 [比較例2]基材としてアルミナ分92%の円柱状の基
材(直形3mm、長さ14mm)を用いて他は比較例1
と同様にして抵抗器を得た。 上記実施例6〜10および比較例2の抵抗器の抵抗値を
表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、広範囲
の抵抗値を有し、しかも抵抗値のばらつきの小さな金属
酸化物皮膜抵抗器を容易にかつ安価に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における金属酸化物皮膜抵抗器
の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例における金属酸化物皮膜製造装
置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例における金属酸化物皮膜製
造装置の要部の概略構成を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施例における金属酸化物皮膜抵抗器
の電気特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基材 2 金属酸化物皮膜 3 キャップ端子 4 リード線 5 保護膜

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基材、前記基材の表面に形成され
    た酸化亜鉛皮膜、および前記酸化亜鉛皮膜に接触する一
    対の端子からなる金属酸化物皮膜抵抗器。
  2. 【請求項2】 前記皮膜が、アルミニウム、マグネシウ
    ム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
    ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
    ルコニウム、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン
    およびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種
    の金属の酸化物を含む請求項1記載の金属酸化物皮膜抵
    抗器。
  3. 【請求項3】 絶縁性基材の表面において、酸素を含む
    雰囲気下もしくは酸素を供給する物質の共存下に亜鉛塩
    を熱分解することにより、前記絶縁性基材の表面に酸化
    亜鉛皮膜を形成する工程を含む金属酸化物皮膜抵抗器の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも亜鉛塩を含む溶液を調製する
    工程、および前記溶液の蒸気を、前記亜鉛塩の熱分解温
    度以上に加熱された絶縁性基材に供給することにより、
    前記亜鉛塩を前記絶縁性基材の表面で熱分解して前記絶
    縁性基材表面に酸化亜鉛皮膜を形成する工程を含む金属
    酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶液が、アルミニウム、マグネシウ
    ム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
    ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
    ルコニウム、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン
    およびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種
    の金属の無機塩または有機塩を含む請求項4記載の金属
    酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溶液が、酸性の水溶液である請求項
    4または5記載の金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁性基材の加熱温度が、400〜
    900℃である請求項4または5記載の金属酸化物皮膜
    抵抗器の製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも亜鉛塩と亜鉛に配位可能な有
    機化合物とこれらを溶解する有機溶媒とからなる溶液を
    調製する工程、前記溶液を絶縁性基材に塗布する工程、
    および塗布された塗膜を空気中または酸素を含む雰囲気
    中において焼成して酸化亜鉛皮膜を形成する工程を有す
    る金属酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶液が、アルミニウム、マグネシウ
    ム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
    ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
    ルコニウム、インジウム、スズ、アンチモン、ランタン
    およびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種
    の金属の無機塩または有機塩を含む請求項8記載の金属
    酸化物皮膜抵抗器の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記焼成温度が、400〜900℃で
    ある請求項8または9記載の金属酸化物皮膜抵抗器の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記金属酸化物皮膜を不活性
    ガスまたは還元性ガス雰囲気中において熱処理する工程
    を含む請求項4、5、8または9記載の金属酸化物皮膜
    抵抗器の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱処理する工程における熱処理温
    度が300〜700℃である請求項11記載の金属酸化
    物皮膜抵抗器の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記不活性ガスまたは還元性ガスが、
    窒素、アルゴン、および水素よりなる群から選択される
    少なくとも一種である請求項12記載の金属酸化物皮膜
    抵抗器の製造方法。
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