JP2002284526A - 特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の製造方法。 - Google Patents

特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の製造方法。

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JP2002284526A JP2001090989A JP2001090989A JP2002284526A JP 2002284526 A JP2002284526 A JP 2002284526A JP 2001090989 A JP2001090989 A JP 2001090989A JP 2001090989 A JP2001090989 A JP 2001090989A JP 2002284526 A JP2002284526 A JP 2002284526A
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熊谷俊弥
Susumu Mizuta
進 水田
Susumu Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2種類の配位子が配位している金属錯体からな
る溶液組成物、超電導膜製造用溶液組成物、前記金属錯
体の非結晶固形物、前記金属錯体を含む溶液の製造方法
及び希土類超電導膜製造用溶液の製造方法の提供。 【解決手段】希土類元素、バリウム及び銅を含有する金
属種の金属イオンに対して、トリフロロ酢酸基又はペン
タフロロプロピオン酸基から選ばれる基、並びにピリジ
ン基の2種類の配位子が配位した金属錯体を形成してお
り、この金属錯体が溶媒に溶解されており、均一溶液で
あるであることを特徴とする溶液組成物、希土類超電導
膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特
定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体溶液の
製造方法及び希土類超電導膜製造用溶液の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の金属種に特
定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希
土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶
固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属
錯体溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造
方法及び超電導膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導膜を形成する方法ために種々の方
法が開発されている。この方法の中に、各種支持体上に
超電導膜を形成する原子種を含む有機化合物を含有する
溶液を原料とし、これを基板上に塗布し、熱処理を行う
ことで塗膜を熱分解させて超電導膜を形成する塗布熱分
解法がある。この方法では、原子種を含む有機化合物
を、溶媒である溶液中にできるだけ均一に溶解させて均
一混合溶液を調製すること、この溶液を支持体上に均一
に塗布すること、高温加熱処理を行い有機物物質などの
成分を熱分解処理して有機成分のみを除去して、固相反
応或いは液相反応を経由して超電導膜を均一に形成する
ことが要求される。本発明者らはこの方法に積極的に関
わって開発を進めてきた。そして、超電導膜の製法及び
塗布溶液についての発明を行った(特許第177869
3号。特許第1778694号)。又、これらに関して
は熊谷らの発明が知られている(特許第2091583
号、特許第1991979号)。この製造方法は、他の
方法、例えば真空蒸着法などと比較して、真空装置を必
要としないため低コストな製膜方法であるという特長、
また長尺・大面積基板上への製膜が容易であるという特
長を有している。また、この手法で作製された超電導膜
の特性の点からも、他の製法と比較して良好なものであ
るとして高く評価された。この塗布熱分解法による超電
導膜の形成の成功に刺激され、これと類似した手法を用
いた超電導膜作製に関する研究開発が世界各機関で進め
られ、以下の方法が発表された。米国IBMトーマスワ
トソン研究所、引き続いて、マサチューセッツ工科大学
では、トリフルオロ酢酸塩溶液を支持体上に塗布して、
これを水蒸気雰囲気中で熱処理することにより、超伝導
体を形成することができるとしている(A.Gupta
ら、Appl.Phys.Lett.52(1988)
2077、P.C.McIntyreら、J.Mate
r.Res.5(1990)2771)。その後、超電
導工学研究所では、このプロセスの改良及び最適化を行
い、高い臨界電流特性を有する超電導膜の作成に成功し
たことを発表している(日経産業新聞2000年9月1
3日)。これらの方法は、本発明者らによる上記特許の
製法とほとんど同一のものであるが、上記特許の実施例
に記載していないトリフロロ酢酸金属塩を原料溶液とし
て用いたこと、および上記特許の実施例に記載していな
い水蒸気雰囲気を用いた熱処理を用いたという相違点が
ある。トリフロロ酢酸金属塩溶液を原料溶液とすると化
学的に安定なフッ化物が前駆体中に形成されるため、こ
れを経由して超電導体を形成するのが困難と従来考えら
れてきたが、水蒸気雰囲気を用いた熱処理を行うこと
で、トリフロロ酢金属塩溶液を原料溶液とした場合であ
っても、超電導体が形成されるというものである。最近
では、フッ化物を経由して超電導体を形成するプロセス
では、水蒸気雰囲気を用いた熱処理を行う際に、フッ素
を含む溶融成分が膜中に一旦生成し、この溶融成分を経
由して超電導体が形成されるため、配向性の高い超電導
膜膜試料が得られるという利点があると考えられるよう
になってきた。
【0003】しかしながら、トリフロロ酢酸金属塩を用
いた溶液の塗布熱分解法では、トリフロロ酢酸を用いる
ことにより塗布溶液が強酸性となっている。この強酸性
の溶液を支持体に塗布したときに、溶液が支持体を溶解
させる現象が起こる。このため、基板に凹凸が発生して
塗膜の平滑性が損なわれたり、支持体から溶解された金
属成分が塗膜中に混入するため、生成する超電導膜中に
これらの溶解された金属成分が不純物として混在するた
め、膜の超電導特性を劣化させることが問題点として指
摘されてきた。とりわけ、耐酸性に乏しいニッケルや銀
などの各種金属線材基板、酸化ニッケルや酸化マグネシ
ウムなどの各種セラミックス中間層を形成した金属線材
基板、および酸化マグネシウムなどの各種セラミックス
単体基板を支持体として用いた場合、この問題が深刻な
問題であることが知られている。また、通常塗布熱分解
法において厚膜を形成する場合は、塗布−焼成の工程を
繰り返し行う手法が広く用いられているが、トリフロロ
酢酸塩を用いた溶液の場合には、塗布した溶液が、それ
以前の塗布−焼成工程により形成された下地膜を溶解さ
せてしまい、塗布−焼成の工程を繰り返し行っても膜厚
が増加しなくなるため、厚膜を形成することが困難であ
ることが知られている。さらに、塗布した溶液が下地膜
を溶解する場合、下地膜の各化学成分の酸に対する溶解
性の違いにより、界面に局所的な化学組成のゆらぎが生
じ、膜の均一性が劣化する問題点が指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、希土
類元素、バリウム、及び銅を含有する金属種の金属イオ
ンに対して、トリフロロ酢酸基又はペンタフロロプロピ
オン酸基から選ばれる基、並びにピリジン基からなる2
種類の配位子が配位している金属錯体からなる溶液組成
物、超電導膜製造用溶液組成物、前記金属錯体の非結晶
固形物、前記金属錯体を含む溶液の製造方法及び希土類
超電導膜製造用溶液の製造方法を提供することである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、 希土類
元素、バリウム及び銅を含有する金属種の金属イオン、
さらに具体的にはこれら金属種を含む希土類超電導膜を
構成する金属種の金属イオンに対して、トリフロロ酢酸
基又はペンタフロロプロピオン酸基から選ばれる基並び
にピリジン基からなる2種類の配位子を配位させた金属
錯体を含む均一溶液を得ることができること、そして、
この金属錯体の均一溶液であるから、基板の上に塗布す
るする際には均一な塗布が可能となり、均一な塗布膜を
形成することができることを見出した。また、基板上に
塗布された金属錯体の均一溶液を加熱処理する際に、金
属錯体はトリフロロ酢酸基又はペンタフロロプロピオン
酸基から選ばれる基、並びにピリジン基からなる2種類
の配位子を有するために大きな立体障害効果を有するも
のであることにより、また塗布液を加熱処理して得られ
る超電導膜は、偏析が抑制され、平滑かつ均一な状態で
あることを見いだした。又、この均一溶液を基板上に塗
布する際には、従来から知られている超電導膜を形成す
る際のトリフロロ酢酸金属塩溶液を用いる場合には、こ
の溶液は強酸性であり、基板に対する腐食は避けること
ができないが、前記金属錯体の均一溶液は、中性を示す
ものであり、この金属錯体の均一溶液を基板上に塗布
し、水蒸気雰囲気下に加熱処理を行うと、基板の腐食を
伴うことなく、フッ素を含む中間体を経由して超電導膜
を形成することができる超電体を製造することができる
ことも、見出した。確かに、従来の製造方法であるトリ
フロロ酢酸金属塩溶液を用いた超電導膜の製造方法で
は、超電導膜を製造するという点では優れた方法ではあ
るが、基板に塗布する溶液が強酸性であるため、加熱処
理に際しては基板を腐食するという問題点があり、その
ために腐食を防止する手段を他に講ずる必要があった。
今回発明者らが新たに発明した、基板に塗布する金属錯
体の均一溶液は中性であるために、加熱処理に際しても
基板を腐食するという心配は皆無となり、基板の腐食を
伴うことなく、超電導膜を形成することができるという
ものである。以上の事柄をまとめると以下の通りであ
る。本発明者らは、前記特定の有機基からなる配位子有
する前記金属錯体の均一溶液を製造することができ、こ
の均一溶液を用いると、基板上に均一な塗布をすること
ができ、塗布膜を加熱処理すると、均一な超電導膜を形
成することができ、その際にニッケル金属基板など耐酸
性の弱い各種支持体を用いても溶解・腐食することはな
いことを見いだしたものである。更に、塗布−焼成の工
程を繰り返し行った場合でも、塗布した溶液が、それ以
前の塗布−焼成工程により形成された下地膜を溶解させ
てしまうことが無いため、塗布−焼成の工程を繰り返し
による膜厚の制御と増大化が容易であることを見いだし
た。
【0006】本発明によれば、以下の発明が提供され
る。 (1)希土類元素、バリウム及び銅を含有する金属種の
金属イオンに対して、トリフロロ酢酸基又はペンタフロ
ロプロピオン酸基から選ばれる基、ピリジン基、並びに
アセチルアセトナート基の3種類の配位子が配位した金
属錯体を形成しており、この金属錯体が溶媒に溶解され
ており、均一溶液であるであることを特徴とする溶液組
成物。 (2)金属種として、更にカルシウム又はストロンチウ
ムを含有することを特徴とする前記(1)記載の溶液組
成物。 (3)溶液組成物が希土類超電導膜製造用溶液組成物で
あることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の溶液
組成物。 (4)希土類元素、バリウム及び銅を含有する金属種の
金属アセチルアセトナート粉末混合物に、ピリジン、引
き続いてトリフロロ酢酸又はその塩又はペンタフロロプ
ロピオン酸又はその塩を添加して、得られる粉末混合物
を溶媒に溶解させた後、過剰の溶媒を揮発させることに
より、アセチルアセトナート基、ピリジン基、並びにト
リフロロ酢酸又はペンタフロロプロピオン酸の3種類の
配位子を金属イオンに結合させて得られることを特徴と
する金属錯体の非結晶固形物。 (5)金属種として、更にカルシウム又はストロンチウ
ムを含有することを特徴とする前記(4)記載の金属錯
体の非結晶固形物。 (6)前記(4)又は(5)記載の金属錯体の非結晶固
形物を、溶媒に溶解させて均一溶液を製造することを特
徴とする金属錯体溶液組成物の製造方法。 (7)希土類元素、バリウム及び銅を含有するトリフロ
ロ酢酸塩またはペンタフロロプロピオン酸を溶媒に溶解
させた後に、この溶液にピリジンを添加し、引き続いて
アセチルアセトンを添加することにより、希土類元素、
バリウム及び銅を含有する金属にアセチルアセトナート
基、ピリジン基、並びにトリフロロ酢酸またはペンタフ
ロロプロピオン酸の3種類の配位子を金属イオンに結合
させた金属錯体の均一溶液を製造することを特徴とする
金属錯体溶液の製造方法。 (8)金属種として、更にカルシウム又はストロンチウ
ムを含有することを特徴とする、前記(7)記載の金属
錯体溶液の製造方法。 (9)前記(7)又は(8)記載の金属錯体溶液が超電
導膜製造用溶液であることを特徴とする金属錯体溶液の
製造方法。 (10)前記(1)乃至(3)いずれか記載の溶液組成
物を、基板上に塗布して塗布膜を形成後、200〜50
0℃で加熱処理を行い、引き続いて700〜1000℃
で焼成して基板上に超電導膜を形成することを特徴とす
る超電導膜の形成方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の金属錯体を含有する均一
溶液には、希土類金属、バリウム(Ba)、及び銅(C
u)からなる各金属成分を必須成分として含有する。こ
の溶液は、超電導膜形成のために用いられるものであ
り、又、加熱処理を行って、これらの金属成分を含有す
る無機化合物を合成するために用いることができる。従
って、これら金属の必須成分の他にも、目的成分に応じ
て金属成分を添加することができる。
【0008】前記必須成分である希土類金属元素には、
スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタ
ノイド15元素である、ランタン(La)、セリウム
(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(N
d)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユ
ウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウ
ム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(H
o)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテ
ルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)を含有する。こ
れらの希土類金属はこれらの中から選ばれる複数の金属
を用いることができる。超電導膜を製造することを目的
とする場合には、希土類金属、バリウム及び銅の必須金
属成分の他に、カルシウム、又はストロンチウム等の他
の成分を含ませることにより、得られる超電導膜の電気
的特性を変化させることができる。この他にも超電導膜
を形成する際に用いることができる金属種として用いる
ことができるものであれば、適宜用いることができる。
【0009】希土類金属、バリウム、銅からなる超電導
膜を形成しようとする場合には、希土類金属、バリウム
及び銅の比率として、1:2:3の割合の希土類123
系超電導膜、1:2:4の割合の希土類124系超電導
膜の2種類が存在する。したがって、原料溶液における
前記元素種の混合割合は、モル比で、1:2:3〜1:
2:4のものが好ましい。この割合をはずれると、不純
物が副生成物として混在する結果となり、好ましい結果
を得ることができない。又、上記溶液にカルシウムやス
トロンチウムを、希土類金属に対するモル比として0か
ら0.2程度の間の任意の比率で添加することにより、
カルシウムやストロンチウムが溶液と同じ比率でドープ
された超電導膜を形成することが可能である。カルシウ
ムやストロンチウムがドープされた超電導膜は、ドープ
無しの超電導膜とは異なる電気的特性を有するため、ド
ープの比率を制御することで、超電導膜の電気的特性、
例えば臨界温度や臨界電流密度などの諸特性を制御する
ことが可能となる。
【0010】本発明の金属錯体を含有する溶液は、以下
のようにして製造される。始めに、希土類金属、バリウ
ム、銅の割合が目的とする超電導膜の組成比となるよう
に、特定の重量比からなる金属またはその金属化合物に
トリフロロ酢酸又はその塩又はペンタフロロプロピオン
酸又はその塩から選ばれる化合物を添加して、これら金
属にトリフロロ酢酸又はペンタフロロプロピオン酸を配
位子とする金属錯体を製造する。ここで、金属化合物
は、酸化物、炭酸塩、水酸化物、酢酸塩等が挙げられ
る。これにピリジン溶液を添加して、トリフロロ酢酸又
はペンタフロロプロピオン酸、並びにピリジンの2種類
を配位子と金属錯体を製造することができる。そして、
このようにして添加する原料物質をすべて溶液に溶解さ
せ均一溶液を製造する。超電導膜を形成する場合には、
これらの金属種の他に他の金属種を適宜用いることがで
きる。超電導膜に異種元素をドープする目的のためにそ
の異種元素、例えばカルシウム、ストロンチウムなどを
用いることができ、これら金属のアルカリ土類金属塩を
用いることもできる。 トリフロロ酢酸又はその塩の代
わりにペンタフロロ酢酸又はその塩を用いることもでき
る。 塩としては、上記アセチルアセトナート金属塩と
同種の金属塩、すなわち、Y、Ba、Cuトルフロロ酢
酸塩を用いることができる。これらトリフロロ酢酸塩
は、以下の方法によって製造される。Y、Ba、Cuの
化合物原料粉体を原料として、この粉体原料がすべて溶
解するまでトリフロロ酢酸を添加して、その後溶液を乾
固させてY、Ba、Cuトリフロロ酢酸塩粉体を得る。
これら化合物原料粉体としては、硝酸塩、炭酸塩、酸化
物、水酸化物、酢酸塩等が用いられる。温度は室温程度
で進行させることができる。必要に応じて加温すること
ができる。この錯体形成とそれに伴う溶解反応は室温で
すみやかに進行する。この一連の製造方法において、前
記ピリジンを添加し反応させる工程と、トリフロロ酢酸
又はその塩、もしくはペンタフロロ酢酸又はその塩を添
加し反応させる工程を入れ替えてもよい。次に、過剰の
溶媒を乾燥除去して金属錯体の非結晶乾固物を得る。こ
れは室温・常圧下でも可能であるが、必要に応じて減圧
下に行うことにより溶媒の除去を速やかに行うことがで
きる。又、加熱を行って、溶媒除去の速度を上げること
ができる。作製された金属錯体は暗緑色を呈しており、
トリフロロ酢酸金属塩の淡青色とは異なる色調を持つ。
また、作製された金属錯体はトリフロロ酢酸金属塩とは
異なる赤外スペクトルを示す。したがって、作製された
金属錯体は、トリフロロ酢酸金属塩とは異なる配位子と
異なる配位構造を有する新規な金属錯体であるというこ
とができる。
【0011】配位構造を以下に記述する。トリフロロ酢
酸又はペンタフロロプロピオン酸基においては、基中に
存在する2つの酸素原子が同一の金属イオンと、もしく
はそれぞれの酸素が近接する2つの金属イオンと結合し
ている。また、ピリジン基においては、基中に存在する
窒素が金属イオンと結合している。さらに、1つの金属
イオンに対して、トリフロロ酢酸又はペンタフロロプロ
ピオン酸基が2つから6つ、ピリジン基が1つから3つ
の比率で、1つの金属イオンに少なくとも2種類以上の
配位子が配位結合している。そのため、この錯体は結晶
質を偏析することなく、非晶質(ガラス)状態で乾固す
るという特長を有している。
【0012】この金属錯体の乾固物を、溶液に溶解させ
て均一溶液を製造する。溶液の種類は、この金属錯体を
溶解することができるものの中から適宜選択して用いる
ことができる。この溶液を具体的に挙げれば、水、低級
アルコール(炭素数2から4)、アセトン等を挙げるこ
とができる。低級アルコールとしてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールを挙げることができ
る。このようにして得られる溶液のpHは6〜7であ
り、ほぼ中性であるということができる。ちなみに従来
のトリフロロ酢酸金属塩溶液のpHは通常4以下の強酸
性である。
【0013】又、以下の方法によっても製造することが
できる。希土類金属、バリウム、銅からなるトリフロロ
酢酸金属塩を、メタノール、エタノール、プロピルアル
コールなどのアルコール、アセトン、エーテル等の溶剤
に溶解させた溶液、すなわち、従来用いられてきたトリ
フロロ酢酸金属塩塗布溶液に対して、ピリジンを少量ず
つ溶液全体が淡青色から濃紺色に変化するまでの量を添
加する。この反応は室温ですみやかに進行する。このよ
うな工程で処理することにより、前記金属にトリフロロ
酢酸基又はペンタフロロ酢酸基、及びピリジンの2種類
の配位子を有する金属錯体を含む均一溶液を調製するこ
とができる。このようにして得られる溶液も、ほぼ中性
である。そして、この溶液も超電導膜を製造する溶液と
して使用することはできる。しかしながら、時間の経過
により沈殿などが生じやすく、溶液の安定性が十分では
ない。
【0014】この溶液のpHは、ほぼ7を示す。
【0015】本発明で用いられる金属成分の有機金属錯
体の溶液を、塗布熱分解法における原料溶液として使用
する。この溶液を、基板上への塗布、引き続いて水蒸気
雰囲気を用いた熱処理を行うことで、超電導膜の膜を形
成することができる。基板上に塗布する方法は、従来か
ら行われてきたトリフロロ酢酸溶液による塗布の場合と
同様にして行うことができる。
【0016】本発明で用いられる金属成分の有機金属錯
体を、従来のトリフロロ酢酸金属塩溶液を用いた場合と
比較すると、超電導膜形成の塗布溶液を用いる利点は、
以下のような点にある。本発明で用いられる有機金属錯
体は、トリフロロ酢酸基又はペンタフロロ酢酸基からな
る強酸性の基、並びにピリジンからなる塩基性の基から
なる2種類の配位子が1つの金属イオンに対して配位し
た構造を有している。これを含む溶液は均一であり、基
板上に均一な塗布膜を形成することができる。そして、
この塗布膜を加熱処理する際には、偏析がない、平滑か
つ均一な状態で得ることができる。本発明で用いられる
金属成分の有機金属錯体の溶液を、従来のトリフロロ酢
酸金属塩溶液に代替して超電導膜形成の塗布溶液として
用いる利点は、以下のような点にもある。従来のトリフ
ロロ酢酸金属塩がトリフロロ酢酸という1種類の配位子
のみを有しており、金属イオンに対して直鎖・平面的な
配位構造を持つ。これに対して、本発明で用いる有機金
属錯体は、トリフロロ酢酸基又はペンタフロロ酢酸基、
並びにピリジン基の2種類の配位子を持ち、金属イオン
に対してこの2種類の配位子が3次元的な配位した複雑
な構造を有する。したがって、大きな立体障害効果を期
待することができる。その結果、塗布・乾燥状態におい
て同種金属の結晶偏析を抑制し、非晶質(ガラス)状態
を保ちやすくすることができる。このことにより、超電
導膜の表面平滑性・均一性が向上する。
【0017】本発明の金属錯体を含む均一溶液のユニー
クな点は、以下の点にある。前記の2種類の配位子を有
することにより、トリフロロ酢酸基又はペンタフロロ酢
酸による強酸性の性質が弱められ、その結果、溶液全体
としては中性に近い状態となる。このため、ニッケルな
ど耐酸性に乏しい各種基板を支持体として用いる場合
に、塗布溶液がこれら支持体を溶解・腐食することがな
い。また、塗布−焼成の工程を繰り返し行った場合で
も、塗布した溶液が、以前に形成された下地膜を溶解さ
せてしまうことが無いため、塗布−焼成の工程を繰り返
しによる膜厚の制御と増大化が容易である。このため、
トリフロロ酢酸塩溶液を用いた塗布熱分解法とは相違し
て、耐酸性に乏しいニッケルや銀などの金属線材基板、
酸化マグネシウムなどのセラミックス基板、さらには酸
化マグネシウム、酸化ニッケルなどのセラミックス中間
層を形成した金属線材基板上に、基板の腐食を伴うこと
なく良好な超電導膜を形成できる。膜厚の制御と厚膜形
成が容易である。トリフロロ酢酸塩及びピリジンから成
る2種類の配位子を配位させた金属錯体を溶媒に溶解さ
せた溶液を用いる場合と、更にアセチルアセトナート基
を配位させ、トリフロロ酢酸又はペンタフロロプロピオ
ン酸基、ピリジン基、3種類の配位子を配位させた金属
錯体を溶解させた溶液を塗布溶液とした場合と対比する
と、中性であるという点では同様であると言うことがで
きるが、前者である本発明の場合には溶液の経時変化に
よる沈殿などの生成が見られ、均一溶液の安定性の点で
は劣る結果となっている。
【0018】前記の操作により得られた金属混合物から
なる錯体を含有する溶液を用いて超電導膜の形成方法に
ついて以下に述べる。始めに金属混合物からなる錯体を
含有する溶液を、基板などの支持体の表面に塗布して、
薄膜を形成する。溶液の塗布方法には、浸漬法、はけ塗
り法、スプレー法、スピンコート法などの従来知られて
いる塗布方法が採用される。この塗布に際しては、前記
金属混合物の錯体を含有する溶液が均一であり、安定性
のよい、均一な塗布膜の形成が可能となる。支持体に
は、銀、ニッケル、銅などの金属基板、マグネシア、酸
化ニッケル、セリア等の各種酸化物保護中間層を被覆し
た金属基板、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ラン
タンアルミネート、チタン酸ストロンチウムなどの酸化
物セラミックス基板が用いられる。本発明では塗布液が
中性であるために、従来酸に腐食されやすい物質とされ
ており、使用することが困難であった、例えば、上記
銀、ニッケル、マグネシア等の材料も用いることができ
る。支持体の形状についても、細かい部分などにも均一
な塗布膜を形成することができることから、板状、線
状、繊維状、管状等であり、任意の形状のものが使用で
き、例えば金属線材であっても使用でき、ニッケルや銀
などの金属線材、酸化マグネシウム、酸化ニッケルなど
の酸化物保護中間層を形成した金属線材も用いることが
できる。又、形状の複雑なものであっても使用すること
ができる。従って、支持体は形状が複雑な多孔質のもで
も使用することができる。
【0019】前記の操作によって得られた支持体の上の
塗布膜を、室温又は加温下に、常圧又は減圧条件下に乾
燥させる。乾燥された薄膜を加熱焼成して超電導性複合
酸化物の薄膜を形成する。まず、塗布膜中の有機成分を
燃焼除去する必要があり、このための温度は通常200
〜500℃の範囲で行う。焼成は、酸素、空気、窒素、
アルゴンなどの雰囲気が採用される。水蒸気を加えるこ
ともある。引き続いて700〜1000℃の条件下にて
焼成することで超電導相を生成する。焼成は、酸素、空
気、窒素、アルゴンなどの雰囲気が採用され、水蒸気を
加える必要がある。希土類123型超電導膜を形成する
場合、窒素、アルゴンといった不活性ガスをベースに、
酸素と水蒸気を加えた雰囲気が通常用いられる。不活性
ガスの代替として減圧雰囲気をベースに、酸素と水蒸気
を加えた雰囲気が用いることもできる。真空などの各条
件下に行うことができる。焼成時間は、一般に、0.5
時間以上は必要であり、1時間〜24時間程度の範囲か
ら適宜選択する。焼成工程終了後、室温程度まで徐冷す
る。
【0020】前記の操作により得られる、支持体上の超
電導膜は、膜厚として100Å〜20μm、特に100
0Å〜10μmのものが得られる。
【0021】超電導膜を形成する場合に、予め加熱され
た支持体の表面に金属含有溶液を液滴状又は蒸気状で吹
きつけ、その後に加熱焼成を行うこともできる。支持体
の加熱温度は、一般には、100〜1000℃の範囲の
温度が採用される。表面温度が100〜200℃程度の
場合は、得られる膜は金属含有化合物と僅かに溶媒を含
有した状態で堆積する。200〜500℃の場合は、得
られる堆積物は金属含有化合物とその熱分解生成物を含
有する状態となる。500〜1000℃の場合は金属含
有生成物及び複合金属酸化物を含有する堆積物が得られ
る。このようにして得られる吹き付けた生成物を、70
0〜1000℃の温度で最終焼成処理を行うことで、超
電導膜を形成する。金属錯体はトリフロロ酢酸基又はペ
ンタフロロプロピオン酸基から選ばれる基、アセチルア
セトナート基、並びにピリジン基からなる3種類の配位
子を有するために大きな立体障害効果を有するものであ
ることにより、また塗布液を加熱処理して得られる超電
導膜は、偏析が抑制され、平滑かつ均一な状態であるこ
とを確認した。又、この均一溶液を基板上に塗布する際
には、従来から知られている超電導膜を形成する際のト
リフロロ酢酸金属塩溶液を用いる場合には、この溶液は
強酸性であり、基板に対する腐食は避けることができな
いが、前記金属錯体の均一溶液は、中性を示すものであ
り、この金属錯体の均一溶液を基板上に塗布し、水蒸気
雰囲気下に加熱処理を行うと、基板の腐食を伴うことな
く、フッ素を含む中間体を経由して超電導膜を形成する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明の内容を更に詳細
に説明する。しかしながら、これにより本発明は限定さ
れるものではない。
【0023】実施例1 イットリウム、バリウム,銅(金属のモル比で、1:
2:3)のトリフロロ酢酸塩のメタノール溶液、すなわ
ち、従来用いられてきたトリフロロ酢酸塩塗布溶液に対
して、ピリジンを少量ずつ、溶液全体が淡青色から濃紺
色に変化するまでの量を添加した。色の変化はトリフロ
ロ酢酸金属塩にピリジンが配位して新規な錯体が形成さ
れたことを示す。この溶液のpHはほぼ7であり、ピリ
ジンを配位させることでトリフロロ酢酸塩溶液の持つ強
酸性という欠点を克服できることが明らかとなった。こ
の溶液を酸化マグネシウム等各種基板上に塗布したとこ
ろ、溶液が基板を溶解することが無いことを確認した。
この溶液を各種支持体に塗布し、塗布膜を空気中で50
0℃の条件下に加熱することにより、塗膜中の有機成分
を燃焼除去して仮焼膜(膜厚0.2μm)を作製した。
仮焼成膜の段階では超電導膜はまだ生成しておらず、非
晶質の酸化物およびフッ化物の混合体からなっている。
この仮焼膜にフッ素原子が含まれていることは、エネル
ギー分散型X線装置により確認した。すなわち、本発明
で開発した金属錯体溶液は、中性であるというトリフロ
ロ酢酸金属塩溶液とは異なる特長を有する一方で、仮焼
成後に非晶質の酸化物およびフッ化物の混合体を生成す
るというトリフロロ酢酸金属塩溶液と同じ特徴を保持し
ていることが明らかとなった。ただし、ここで用いた
Y、Ba、Cu−トリフロロ酢酸−ピリジン配位錯体溶
液は、ただし、アセチルアセトナート−トリフロロ酢酸
−ピリジン配位金属錯体溶液と比較して、塗膜の均一性
および平滑性の点ではやや劣った結果となっていた。ま
た、溶液を数日放置すると沈殿の生成が観察され、溶液
の安定性に問題があることがわかった。また、同一基板
上に、上記スピンコート塗布工程と仮焼工程を最大8回
(最大膜厚1.5μm)繰り返す実験を行ったところ、
膜厚は塗布回数に比例して増加することを確認した。ま
た、工程を繰り返した後の塗膜も良好な平滑性を有する
ことを確認した。すなわち、塗布溶液が下地仮焼膜を溶
解することがなく、スピンコート塗布工程と仮焼工程の
繰り返しにより厚膜が形成できることを確認した。
【0024】実施例2 実施例1の方法で作製した、チタン酸ストロンチウム単
結晶からなるセラミックス基板上の仮焼膜を、水蒸気/
アルゴン/酸素混合雰囲気中(水蒸気濃度80゜Cdew
point、酸素濃度100ppm、アルゴンベー
ス)で760℃にて2時間、引き続いてアルゴン/酸素
混合雰囲気中(酸素濃度100ppm、アルゴンベー
ス)で760℃にて2時間、引き続いて酸素雰囲気中で
760℃にて10分熱処理を行った後、酸素雰囲気中で
炉冷した。得られた膜試料(膜厚0.5μm)を、X線
回折法により分析したところ、膜がY123構造の超電
導膜単相であることを確認した。またX線極点測定によ
りY123の面内配向性を調べたところ、単結晶基板上
にエピタキシャル成長していることを確認した。また、
この膜の超電導特性を誘導電流法で評価したところ、超
電導臨界温度として91Kという高い特性が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明により得られる、希土類元素、バ
リウム及び銅を含有する金属種の金属イオンに対して、
トリフロロ酢酸基又はペンタフロロプロピオン酸基から
選ばれる基、並びにピリジン基の2種類の配位子が配位
した金属錯体を用いた溶液組成物は、溶媒に溶解されて
おり、均一であり、均一な塗布膜を形成することがで
き、中性であり、トリフロロ酢酸塩溶液が強酸性を示す
のとは相違している。このため、トリフロロ酢酸塩溶液
を用いた塗布熱分解法とは相違して、耐酸性に乏しいニ
ッケルや銀などの金属線材基板、酸化マグネシウムなど
のセラミックス基板、さらには酸化マグネシウム、酸化
ニッケルなどのセラミックス中間層を形成した金属線材
基板上に、基板の腐食を伴うことなく良好な超電導膜を
形成できる。また、塗布−焼成の工程を繰り返し行う手
法が適用できるため、膜厚の制御と厚膜形成が容易であ
る。又、前記金属錯体に、更にアセチルアセトナート基
を配位させ、トリフロロ酢酸又はペンタフロロプロピオ
ン酸基、並びにピリジン基の2種類の配位子を含有する
金属錯体を有機溶媒に溶解させた溶液を塗布溶液とした
場合には、中性であるという特長を有すると同時に、溶
液の経時変化による沈殿などの生成もなく均一溶液の安
定性が一層良好となる。また、アセチルアセトナート基
の持つ立体障害効果により、微結晶の偏析を抑制して、
超電導性膜を形成するための膜の形成がより均一に行う
ことができ、平滑でかつ均一な超電導膜を形成できるも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 213/06 C07D 213/06 C07F 1/08 C07F 1/08 B 3/00 3/00 F 5/00 5/00 B (72)発明者 熊谷俊弥 茨城県つくば市東1−1経済産業省産業技 術総合研究所物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 水田 進 茨城県つくば市東1−1経済産業省産業技 術総合研究所物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 中村 進 茨城県つくば市東1−1経済産業省産業技 術総合研究所物質工学工業技術研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 CA01 DA01 GA02 4G047 JA03 JC02 KD02 4H006 AA01 AA03 AB78 AB91 BM10 BM71 BS10 4H048 AA01 AA03 AB78 AB91 VA11 VA20 VA56 VA60 VA70 VB10 5G321 AA02 AA04 AA07 CA20 DB22 DB47 DB55 (54)【発明の名称】 特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶 液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を 含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の製造方法。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類元素、バリウム及び銅を含有する金
    属種の金属イオンに対して、トリフロロ酢酸基又はペン
    タフロロプロピオン酸基から選ばれる基、並びにピリジ
    ン基の2種類の配位子が配位した金属錯体を形成してお
    り、この金属錯体が溶媒に溶解されており、均一溶液で
    あるであることを特徴とする溶液組成物。
  2. 【請求項2】金属種として、更にカルシウム又はストロ
    ンチウムを含有することを特徴とする請求項1記載の溶
    液組成物。
  3. 【請求項3】溶液組成物が希土類超電導膜製造用溶液組
    成物であることを特徴とする請求項1又は2記載の溶液
    組成物。
  4. 【請求項4】希土類元素、バリウム及び銅を含有する金
    属種のトリフロロ酢酸塩又はペンタフロロプロピオン酸
    塩混合物に、ピリジンを添加して、溶媒に溶解させ、ピ
    リジン基、並びにトリフロロ酢酸又はペンタフロロプロ
    ピオン酸の2種類の配位子を金属イオンに結合させた金
    属錯体を製造し、過剰の溶媒を揮発させて得られること
    を特徴とする金属錯体の非結晶固形物。
  5. 【請求項5】金属種として、更にカルシウム又はストロ
    ンチウムを含有することを特徴とする請求項4記載の金
    属錯体の非結晶固形物。
  6. 【請求項6】請求項4又は5記載の金属錯体の非結晶固
    形物を、溶媒に溶解させて均一溶液を製造することを特
    徴とする金属錯体溶液の製造方法。
  7. 【請求項7】希土類元素、バリウム及び銅を含有するト
    リフロロ酢酸塩またはペンタフロロプロピオン酸を溶媒
    に溶解させた後に、この溶液にピリジンを添加を添加す
    ることにより、希土類元素、バリウム及び銅を含有する
    金属種に、ピリジン基、並びにトリフロロ酢酸またはペ
    ンタフロロプロピオン酸の2種類の配位子を金属イオン
    に結合させた金属錯体の均一溶液を製造することを特徴
    とする金属錯体溶液の製造方法。
  8. 【請求項8】金属種として、更にカルシウム又はストロ
    ンチウムを含有することを特徴とする、請求項7記載の
    金属錯体溶液の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の金属錯体溶液が超電
    導膜製造用溶液であることを特徴とする金属錯体溶液の
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至3いずれか記載の溶液組成
    物を、基板上に塗布して塗布膜を形成後、200〜50
    0℃で加熱処理を行い、引き続いて700〜1000℃
    で焼成して基板上に超電導膜を形成することを特徴とす
    る超電導膜の形成方法。
JP2001090989A 2001-03-27 2001-03-27 特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の製造方法。 Expired - Lifetime JP3548802B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1302848C (zh) * 2004-05-27 2007-03-07 华东理工大学 含稀土金属的全氟羧酸路易斯酸催化剂及其制备方法
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WO2011071103A1 (ja) * 2009-12-09 2011-06-16 独立行政法人産業技術総合研究所 希土類超電導膜形成用溶液およびその製造方法
JP2012151018A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 超電導膜の製造方法並びに該方法により得られる仮焼成膜及び超電導膜

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