JP2000195525A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

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JP2000195525A
JP2000195525A JP10371701A JP37170198A JP2000195525A JP 2000195525 A JP2000195525 A JP 2000195525A JP 10371701 A JP10371701 A JP 10371701A JP 37170198 A JP37170198 A JP 37170198A JP 2000195525 A JP2000195525 A JP 2000195525A
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aqueous electrolyte
positive electrode
negative electrode
electrode
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JP10371701A
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Hiroyuki Fujimoto
洋行 藤本
Nobumichi Nishida
伸道 西田
Hiroshi Watanabe
浩志 渡辺
Shin Fujitani
伸 藤谷
Koji Nishio
晃治 西尾
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極と負極との間にセパレータが介在された
状態で連続して配列された電極体が収容された電池缶内
に非水電解液を注液させる場合に、非水電解液が速やか
に電池缶内に充填されて正極や負極に十分に浸透され、
負荷特性に優れ、高い放電電流で放電を行った場合に十
分な放電容量が得られる非水電解液電池を提供する。 【解決手段】 正極11と負極12の間にセパレータ13が介
在された状態で連続して配列された電極体10を電池缶20
内に収容させると共に、この電池缶内に非水電解液を注
液させてなる非水電解液電池において、電極体における
正極と負極との少なくとも一方に、非水電解液を案内す
る凹路14a,14b を注液側の端部から他端に至るように設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、正極と負極との
間にセパレータが介在された状態で連続して配列された
電極体を電池缶内に収容させると共に、この電池缶内に
非水電解液を注液させるようにした非水電解液電池に係
り、特に、非水電解液の注液が適切に行えて、非水電解
液が正極や負極に十分に浸透されるようにし、非水電解
液電池の負荷特性を向上させた点に特徴を有するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、高出力,高エネルギー密度の新型
電池として、電解液に非水電解液を使用し、リチウムの
酸化,還元を利用した高起電力の非水電解液電池が利用
されるようになった。
【0003】ここで、このような非水電解液電池として
は、図1に示すように、電極体10として、正極11と
負極12との間にセパレータ13を介在させて、スパイ
ラル状に巻いたものや複数積層させたものを用い、この
電極体10を電池缶20内に収容させると共に、この電
池缶20内に非水電解液を注液させ、この電池缶20を
正極蓋21により絶縁パッキン22を介して封口させ、
正極11を正極リード11bを介して正極蓋21に接続
させると共に、負極12を負極リード12bを介して電
池缶20に接続させたものが用いられていた。
【0004】ここで、上記の非水電解液電池において
は、非水電解液として、一般に六フッ化燐酸リチウムL
iPF6 や、四フッ化ホウ酸リチウムLiBF4 等の電
解質をエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート
等の有機溶媒に溶解させたものが用いられていた。
【0005】しかし、非水電解液は粘度が高く、上記の
ように電池缶20内に非水電解液を注液させる場合、非
水電解液が電池缶20の底部に流れ込んで充填されるの
に時間を要すると共に、非水電解液が正極11や負極1
2に十分に浸透されず、正極11や負極12の利用率が
悪くなって、非水電解液電池における負荷特性が低下
し、高い放電電流で放電を行った場合に十分な放電容量
が得られないという問題があった。
【0006】このため、近年においては、特開平10−
12273号公報に示されるように、電解液にフッ素系
の界面活性剤等を添加して、正極や負極に対する非水電
解液の浸透性を向上させるようにしたものが提案され
た。
【0007】しかし、このように非水電解液にフッ素系
の界面活性剤等を添加した場合においても、依然として
非水電解液が正極や負極に十分に浸透されず、高い放電
電流で放電を行った場合に十分な放電容量が得られない
という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、正極と負
極との間にセパレータが介在された状態で連続して配列
された電極体を電池缶内に収容させると共に、この電池
缶内に非水電解液を注液させるようにした非水電解液電
池における上記のような問題を解決することを課題とす
るものであり、電池缶内に非水電解液を注液させた場合
に、この非水電解液が速やかに電池缶内に充填されて正
極や負極に十分に浸透するようにし、正極や負極の利用
率を高めて負荷特性を向上させ、高い放電電流で放電を
行った場合に十分な放電容量が得られるようにすること
を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明における非水電
解液電池においては、上記のような課題を解決するた
め、正極と負極との間にセパレータが介在された状態で
連続して配列された電極体を電池缶内に収容させると共
に、この電池缶内に非水電解液を注液させてなる非水電
解液電池において、上記の電極体における正極と負極と
の少なくとも一方に、非水電解液を案内する凹路を注液
側の端部から他端に至るように設けたのである。
【0010】ここで、この発明における非水電解液電池
のように、電池缶内に収容させる電極体において、その
正極と負極の少なくとも一方に非水電解液を案内する凹
路を注液側の端部から他端に至るように設けると、この
電極体を電池缶内に収容させて電池缶内に非水電解液を
注液させる場合に、非水電解液が上記の凹路を通して電
極体内部や電池缶の底部に導かれ、この非水電解液が電
池缶内に速やかに充填されて、非水電解液が正極や負極
に十分に浸透する。
【0011】そして、このように非水電解液が正極や負
極に十分に浸透すると、正極や負極の利用率が高くなっ
て負荷特性が向上し、高い放電電流で放電を行った場合
にも十分な放電容量が得られるようになる。
【0012】ここで、上記の凹路の幅が狭いと、非水電
解液がこの凹路を通して電極体内部や電池缶の底部に導
かれる速度が低下する一方、この凹路の幅が大きくなり
すぎると、この凹路部分の周辺において正極と負極との
間の圧力が弱くなり、電極間においてリチウムイオン等
のイオンがスムーズに移動されなくなるため、この凹路
の幅を請求項2に示したように50μm〜1mmの範囲
内にすることが好ましい。
【0013】また、この凹路の深さが浅いと、非水電解
液がこの凹路を通して電極体内部や電池缶の底部に導か
れる速度が低下する一方、この凹路の深さが深くなりす
ぎると、この凹路の部分において正極と負極との間の距
離が大きくなり、電極間においてリチウムイオン等のイ
オンの移動がスムーズに行われなくなるため、請求項3
に示したように、この凹路の深さを正極や負極の厚みに
対して5〜30%の範囲にすることが好ましい。
【0014】また、正極や負極に凹路を設けるにあた
り、この凹路全体の面積が小さいと、非水電解液が凹路
を通して電極体内部や電池缶の底部に導かれる速度が低
下する一方、この凹路の面積が大きくなりすぎると、正
極と負極とが離れた部分が多くなり、電極間におけるリ
チウムイオン等のイオンの移動がスムーズに行われなく
なるため、請求項4に示したように、この凹路の部分の
面積を正極と負極とからなる電極全体の面積の1〜10
%の範囲にすることが好ましい。
【0015】ここで、この発明における非水電解液電池
は、上記のように非水電解液を電池缶内に速やかに充填
させて、非水電解液を正極や負極に十分に浸透させるこ
とを特徴とするものであり、非水電解液電池において使
用する正極や負極の材料、また使用する非水電解液につ
いては特に限定されず、従来より一般に使用されている
公知の材料を用いることができる。
【0016】ここで、正極に用いる正極材料としては、
例えば、二酸化マンガン、リチウム含有マンガン酸化
物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有バナジ
ウム酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含
有鉄酸化物、リチウム含有クロム酸化物、リチウム含有
チタン酸化物等を使用することができる。
【0017】また、負極に用いる負極材料としては、例
えば、金属リチウム、Li−Al,Li−In,Li−
Sn,Li−Pb,Li−Bi,Li−Ga,Li−S
r,Li−Si,Li−Zn,Li−Cd,Li−C
a,Li−Ba等のリチウム合金、リチウムイオンの吸
蔵,放出が可能な黒鉛,コークス,有機物焼成体等の炭
素材料を使用することができる。
【0018】また、非水電解液としては、溶媒に電解質
を溶解させたものを用いることができ、溶媒としては、
例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の
環状炭酸エステルや、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、メチルエチルカーボート等の鎖状炭酸エ
ステルや、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメト
キシエタン、エトキシメトキシエタン等の溶媒を一種又
は2種以上混合させて使用することができ、また電解質
としては、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiN
(C2 5 SO22 、LiAsF6 、LiSbF6
LiBiF4 、LiAlF4 、LiGaF 4 、LiIn
4 、LiClO4 、LiN(CF3 SO2 2 、Li
CF3 SO 3 等のリチウム化合物を使用することができ
る。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る非水電解液電
池を添付図面に基づいて具体的に説明すると共に、この
実施例に係る非水電解液電池においては、負荷特性が向
上して、高い放電電流で放電を行った場合にも十分な放
電容量が得られることを比較例を挙げて明らかにする。
なお、この発明における非水電解液電池は下記の実施例
に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変
更しない範囲において適宜変更して実施できるものであ
る。
【0020】(実施例1〜6)これらの実施例において
は、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液
を用いて、図2に示すような円筒型の非水電解液二次電
池を作製した。
【0021】[正極の作製]正極を作製するにあたって
は、LiOHとCo(OH)2 とを、LiとCoとのモ
ル比が1:1になるようして乳鉢で混合した後、これを
乾燥空気の雰囲気中において850℃で20時間熱処理
して、コバルト酸リチウムLiCoO2 を得た後、これ
をジェットミルを用いて粉砕し、平均粒径が約5μmに
なったLiCoO2 粉末を得た。
【0022】そして、このLiCoO2 粉末を正極材料
に使用し、このLiCoO2 粉末と、導電剤としてのア
セチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリ
デンとが90:5:5の重量比になるようにポリフッ化
ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液を加え、これを
混練してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体
であるアルミニウム箔の両面にドクターブレード法によ
り塗布して、正極集電体の両面に正極の層を設けた。
【0023】その後、このように正極集電体の両面に正
極の層を設けたものを凸状が設けられた2枚のステンレ
ス板の間に挟み込み、これを圧縮ローラを用いて圧縮
し、図3(A),(B)に示すように、正極集電体11
aの両面に設けられた正極11の表面にそれぞれ長辺の
一端から他端に至る凹路14aを所定のピッチで形成し
た。
【0024】ここで、実施例1〜6においては、正極1
1として、短辺の長さが40mm,長辺の長さが300
mmで、正極集電体11aの両面に設けられた各正極1
1の層厚D1 が75μmになったものを作製した。
【0025】そして、上記のように正極集電体11aの
両面における正極11にそれぞれ凹路14aを設けるに
あたり、凹路14aの深さd1 を10μmにすると共
に、正極11の面積に対する凹路14aの面積比率が5
%になるようにし、凹路14aの幅w1 だけを変更さ
せ、下記の表1に示すように、実施例1では10μm、
実施例2では30μm、実施例3では50μm、実施例
4では500μm、実施例5では1000μm、実施例
6では1300μmにした。なお、正極11の層厚D1
に対する凹路14aの深さd1 の比率[=(d1
1 )×100]は13.3%であった。
【0026】[負極の作製]負極を作製するにあたって
は、負極材料に天然黒鉛を用い、この天然黒鉛と結着剤
としてのポリフッ化ビニリデンとが95:5の重量比に
なるようにポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリド
ン溶液を加え、これを混練してスラリーを調製し、この
スラリーを負極集電体である銅箔の両面にドクターブレ
ード法により塗布して、負極集電体の両面に負極の層を
設けた。
【0027】その後、このように負極集電体の両面に負
極の層を設けたものを、上記の正極の場合と同様に、凸
状が設けられた2枚のステンレス板の間に挟み込み、こ
れを圧縮ローラを用いて圧縮し、図4に示すように、負
極集電体12aの両面に設けられた負極12の表面にそ
れぞれ長辺の一端から他端に至る凹路14bを所定のピ
ッチで形成した。
【0028】ここで、実施例1〜6においては、負極1
2として、短辺の長さが42mm,長辺の長さが300
mmで、負極集電体12bの両面に設けられた各負極1
2の層厚D2 が75μmになったものを作製した。
【0029】そして、負極集電体12bの両面における
負極12にそれぞれ凹路14bを設けるにあたっては、
上記の正極11の場合と同様に、凹路14bの深さd2
を10μmにすると共に、負極12の面積に対する凹路
14bの面積比率が5%になるようにし、凹路14bの
幅w2 だけを変更させて、下記の表1に示すように、実
施例1では10μm、実施例2では30μm、実施例3
では50μm、実施例4では500μm、実施例5では
1000μm、実施例6では1300μmにした。な
お、負極12の層厚D2 に対する凹路14bの深さd2
比率[=(d2 /D2 )×100]は13.3%であっ
た。
【0030】[非水電解液の作製]非水電解液を作製す
るにあたっては、エチレンカーボネートとジエチルカー
ボネートとを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を用
い、この混合溶媒に電解質としてヘキサフルオロリン酸
リチウムLiPF6 を1mol/lの割合で溶解させて
非水電解液を作製した。
【0031】[電池の作製]電池を作製するにあたって
は、図2及び図5に示すように、上記のようにして作製
した各正極11と各負極12との間にそれぞれポリプロ
ピレンの微多孔膜からなるセパレータ13を介在させ、
これらをスパイラル状に巻いて電池缶20内に収容さ
せ、この電池缶20内に上記のようにして作製した非水
電解液を注液した後、この電池缶20を正極蓋21によ
り絶縁パッキン22を介して封口させ、正極11を正極
リード11bを介して正極蓋21に接続させると共に、
負極12を負極リード12bを介して電池缶20に接続
させて、各非水電解液二次電池を得た。
【0032】(実施例7)実施例7においては、正極の
作製において、正極集電体11aの両面における正極1
1に凹路を設けないようにする一方、負極集電体12a
の両面に設けられた負極12の表面にそれぞれ深さd2
が10μm、幅w2 が500μmになった凹路14bを
設け、正極11と負極12の全面積に対するこの凹路1
4bの面積比率が5%になるようにし、それ以外につい
ては、上記の実施例1〜6の場合と同様にして非水電解
液二次電池を作製した。
【0033】(実施例8)実施例8においては、負極の
作製において、負極集電体12aの両面における負極1
2に凹路を設けないようにする一方、正極集電体11a
の両面に設けられた正極11の表面にそれぞれ深さd1
が10μm、幅w1 が500μmになった凹路14aを
設け、正極11と負極12の全面積に対するこの凹路1
4aの面積比率が5%になるようにし、それ以外につい
ては、上記の実施例1〜6の場合と同様にして非水電解
液二次電池を作製した。
【0034】(比較例1)比較例1においては、図1に
示した従来の場合と同様に、正極集電体11aの両面に
おける正極11及び負極集電体12aの両面における負
極12の表面にそれぞれ凹路を設けないようにし、それ
以外については、上記の実施例1〜6の場合と同様にし
て非水電解液二次電池を作製した。
【0035】そして、上記のようにして作製した実施例
1〜8及び比較例1の各非水電解液二次電池を用い、こ
れらの各非水電解液二次電池を、25℃の温度雰囲気下
においてそれぞれ充電電流200mAの定電流で充電終
止電圧4.1Vまで充電した後、放電電流1500mA
の定電流で放電終止電圧2.75Vまで放電して、各非
水電解液二次電池における放電容量を求め、その結果を
下記の表1に合わせて示した。
【0036】
【表1】
【0037】この結果から明らかなように、正極11と
負極12の両方、或いは正極11と負極12の何れか一
方に非水電解液を案内する凹路14a,14bを設けた
実施例1〜8の各非水電解液二次電池は、正極11と負
極12の両方に凹路を設けなかった比較例1の非水電解
液二次電池に比べて、負荷特性が向上し、高い放電電流
で放電を行った場合における放電容量が高くなってお
り、特に、凹路14a,14bの幅を50〜1000μ
mの範囲内にした実施例3〜5,7,8の各非水電解液
二次電池においては、高い放電電流で放電を行った場合
における放電容量がさらに向上していた。
【0038】(実施例9〜15)実施例9〜15におい
ては、上記の実施例8の場合と同様に、負極の作製にお
いて、負極集電体12aの両面における負極12に凹路
を設けないようにする一方、正極集電体11aの両面に
設けられた正極11の表面にそれぞれ幅w1 が500μ
mで、深さd1 が下記の表2に示すように実施例9では
3μm、実施例10では4μm、実施例11では5μ
m、実施例12では15μm、実施例13では20μ
m、実施例14では22μm、実施例15では25μm
になった凹路14aを設け、それぞれ正極11と負極1
2の全面積に対するこの凹路14aの面積比率が5%に
なるようにし、それ以外については、上記の実施例8の
場合と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0039】そして、このようにして作製した実施例9
〜13の各非水電解液二次電池についても、上記の場合
と同様に、25℃の温度雰囲気下においてそれぞれ充電
電流200mAの定電流で充電終止電圧4.1Vまで充
電した後、放電電流1500mAの定電流で放電終止電
圧2.75Vまで放電して、各非水電解液二次電池にお
ける放電容量を求め、その結果を上記の実施例8のもの
と合わせて下記の表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】この結果から明らかなように、正極11に
設ける凹路14aの深さd1 を4〜22μmの範囲に
し、正極11の層厚D1 に対する凹路14aの深さd1
の比率[(d1 /D1 )×100]を5〜30%の範囲
内にした実施例8,10〜14の各非水電解液二次電池
は、正極11の層厚D1 に対する凹路14aの深さd1
の比率が上記の範囲外になった実施例9,15の各非水
電解液二次電池に比べて負荷特性が向上し、高い放電電
流で放電を行った場合における放電容量がさらに高くな
っていた。
【0042】(実施例16〜19)実施例16〜19に
おいては、上記の実施例8の場合と同様に、負極の作製
において、負極集電体12aの両面における負極12に
凹路を設けないようにする一方、正極集電体11aの両
面に設けられた正極11の表面にそれぞれ幅w1 が50
0μmで、深さd1 が10μmになった凹路14aを設
け、それぞれ正極11と負極12の全面積に対するこの
凹路14aの面積比率を下記の表3に示すように変更
し、実施例16では面積比率が0.5%、実施例17で
は面積比率が1%、実施例18では面積比率が10%、
実施例19では面積比率が12%になるようにし、それ
以外については、上記の実施例8の場合と同様にして非
水電解液二次電池を作製した。
【0043】そして、このようにして作製した実施例1
6〜19の各非水電解液二次電池についても、上記の場
合と同様にして、各非水電解液二次電池における放電容
量を求め、その結果を上記の実施例8のものと合わせて
下記の表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】この結果から明らかなように、正極11と
負極12の全面積に対する凹路14aの面積比率を1〜
10%の範囲内にした実施例8,17,18の各非水電
解液二次電池は、正極11と負極12の全面積に対する
凹路14aの面積比率が上記の範囲外になった実施例1
6,19の各非水電解液二次電池に比べて、負荷特性が
向上し、高い放電電流で放電を行った場合における放電
容量がさらに高くなっていた。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
非水電解液電池においては、電池缶内に収容させる電極
体において、その正極と負極の少なくとも一方に非水電
解液を案内する凹路を注液側の端部から他端に至るよう
にして設けたため、この電極体を電池缶内に収容させて
電池缶内に非水電解液を注液させる場合に、非水電解液
が上記の凹路を通して電極体内部や電池缶の底部に導か
れて、この非水電解液が電池缶内に速やかに充填され、
非水電解液が正極や負極に十分に浸透するようになっ
た。
【0047】この結果、この発明における非水電解液電
池においては、正極や負極の利用率が高くなって負荷特
性が向上し、高い放電電流で放電を行った場合にも十分
な放電容量が得られるようになった。
【0048】また、この発明における非水電解液電池に
おいて、上記の凹路の幅を請求項2に示すように50μ
m〜1mmの範囲内にすると、非水電解液がこの凹路を
通して電極体内部や電池缶の底部に速やかに導かれるよ
うになると共に、この凹路部分の周辺において正極と負
極との間の圧力が弱くなるということもなく、電極間に
おいてイオンがスムーズに移動するようになり、高い放
電電流で放電を行った場合における放電容量がさらに向
上した。
【0049】また、この発明における非水電解液電池に
おいて、上記の凹路の深さを請求項3に示すように正極
や負極の厚みに対して5〜30%の範囲内にすると、非
水電解液がこの凹路を通して電極体内部や電池缶の底部
に速やかに導かれるようになると共に、この凹路の部分
において正極と負極との間の距離が大きくなるというこ
ともなく、電極間においてイオンがスムーズに移動する
ようになり、高い放電電流で放電を行った場合における
放電容量がさらに向上した。
【0050】また、この発明における非水電解液電池に
おいて、正極や負極に凹路を設けるにあたり、この凹路
全体の面積を正極と負極とからなる電極全体の面積の1
〜10%の範囲内にすると、非水電解液がこの凹路を通
して電極体内部や電池缶の底部に速やかに導かれるよう
になると共に、正極と負極とが離れた部分が多くなると
いうこともなく、電極間においてイオンがスムーズに移
動するようになり、高い放電電流で放電を行った場合に
おける放電容量がさらに向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の非水電解液電池の概略説明図である。
【図2】この発明の実施例に係る非水電解液電池の概略
説明図である。
【図3】この発明の実施例に係る非水電解液電池におい
て、正極に凹路を設けた状態を示した断面図及び平面図
である。
【図4】この発明の実施例に係る非水電解液電池におい
て、負極に凹路を設けた状態を示した断面図及び平面図
である。
【図5】この発明の実施例に係る非水電解液電池におい
て、凹路が設けられた正極と凹路が設けられた負極との
間にセパレータを介在させた状態を示した断面説明図で
ある。
【符号の説明】
10 電極体 11 正極 12 負極 13 セパレータ 14a,14b 凹路 20 電池缶 D1 正極の層厚 D2 負極の層厚 d1 ,d2 凹路の深さ w1 ,w2 凹路の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩志 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H014 AA06 CC04 HH00 HH01 HH06 5H015 AA05 AA08 CC05 HH06 HH13 HH15 5H024 AA02 AA03 CC02 CC06 CC08 CC12 DD16 FF15 FF16 FF17 FF18 FF20 FF31 HH01 HH13 HH15 5H029 AJ02 AK02 AK03 AL06 AL07 AL08 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ09 DJ12 DJ14 HJ04 HJ07 HJ12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極との間にセパレータが介在さ
    れた状態で連続して配列された電極体を電池缶内に収容
    させると共に、この電池缶内に非水電解液を注液させて
    なる非水電解液電池において、上記の電極体における正
    極と負極との少なくとも一方に、非水電解液を案内する
    凹路を注液側の端部から他端に至るように設けたことを
    特徴とする非水電解液電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した非水電解液電池にお
    いて、上記の凹路の幅が50μm〜1mmの範囲内であ
    ることを特徴とする非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した非水電解液電
    池において、上記の凹路の深さが、凹路を設けた正極や
    負極の厚みに対して5〜30%の範囲内であることを特
    徴とする非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載した非
    水電解液電池において、上記の凹路の部分の面積が正極
    と負極とからなる電極全体の面積の1〜10%の範囲内
    であることを特徴とする非水電解液電池。
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