JP2000195492A - 電池用セパレ―タ―およびポリマ―電池 - Google Patents
電池用セパレ―タ―およびポリマ―電池Info
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Abstract
適するセパレーター、およびポリマー電池の提供。 【解決手段】 シート状正極2とシート状負極3との間
に介挿され、かつ電解液を担持する電池用のセパレータ
ー1であって、前記電池用セパレーター1は、ポリマ
ー、可塑剤および表面積が20〜60 m2 /gの絶縁性フィラ
ーを含有していることを特徴とする電池用セパレーター
である。なお、セパレーター中の絶縁性フィラー量が、
体積比でポリマー 1に対して 0.8〜 4.0倍であること、
あるいは/およびセパレーターの空隙率が、25〜50体積
%であることが望ましい。
Description
と、この電池用セパレーターを使用したポリマー電池に
関する。
ンなど電子機器のコードレス化、高性能化はめざまし
く、これら電子機器の電源となる二次電池においても、
小形、軽量、薄型化や大容量化、高電圧化などが求めら
れている。そして、このような要望に対して、シート状
の正極層、ポリマ−電解質層および負極層を重ね合わ
せ、薄型に一体化した構成の電極要素を備えた厚さ 0.5
mm程度のリチウム非水溶媒電池も知られている(たとえ
ば米国特許第 5,296,318号明細書)。
素の一構成例の要部を断面的に示したものである。図1
において、1はセパレーターの機能をする電解質保持性
のポリマ−電解質系シート(たとえばヘキサフロロプロ
ピレン−フッ化ビニリデン共重合体などのポリマと、リ
チウム塩などのエチレンカーボネート溶液…非水電解液
…との系)、2は金属酸化物などの活物質、非水電解液
および電解質保持性ポリマーを含む正極層を集電体に積
層して成る正極シート、3はリチウムイオンを吸蔵・放
出する活物質、非水電解液および電解質保持性ポリマー
を含む負極層を集電体に積層して成る負極シートであ
る。
たとえばリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガ
ン、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケ
ルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジ
ウム、カルコゲン化合物などが挙げられる。また、負極
活物質としては、たとえばビスフェノール樹脂、ポリア
クリロニトリル、セルローズなどの焼成物、コークスや
ピッチの焼成物が挙げられ、これらは天然もしくは人造
グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラック、ニッケル粉末などを含有した
形態を採ってもよい。 さらに、電解質系シート(セパ
レーター)1は、耐薬品性のポリマー、たとえばフッ素
系樹脂の多孔質性シート(多孔質性フィルム)に、非水
電解液を担持(保持)つさせた構成を採っている。ここ
で、電解質保持性ポリマー(多孔質性シート)1は、機
械的な強度を上げるため、可塑剤を適宜分散・含有して
おり、さらに、短絡防止のために絶縁性フィラーを分散
・含有させる場合もある。
ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネートなどの非水溶媒に、過塩
素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、ホウ四フッ化
リチウム、六フッ化ヒ素リチウム、トリフルオロメタン
スルホン酸リチウムなどを 0.2〜 2mol/ l程度に溶解さ
せたものである。
に、次のようにして製作される。先ず、電極要素である
正極シート2、セパレータ(ポリマ−電解質系)シート
1および負極シート3を積層状に組み合わせ加圧・一体
化する。その後、一体化された電極要素を所定の形状・
寸法に切断分離し、所要の外部用リードを付設し、前記
正極シート2および負極シート3の裏面側を樹脂フィル
ムで被覆保護・シール層(封止層)するか、電極要素中
に含まれている可塑剤を抽出した後、電池外装缶内に封
装する。そして、要すれば電解液を供給・注入した後、
外部用リードを導出させながら、電池外装缶の開口部を
封止することにより電池化している。
マー電池は、その電極要素が正極シート2、セパレータ
ーシート1および負極シート3を積層・一体化した構造
を採っている。すなわち、電極要素を形成する正極シー
ト2および負極シート3は、電解質を担持ないし保持す
るセパレーターシート1を介して、いわゆる電池反応を
進めて起電し、それぞれ電極端子を通して外部に導かれ
る。そして、この電池反応による起電をスムースに外部
へ導き出す上で、セパレーターの信頼性が重要視され
る。
持する電解液によって、正極シート2および負極シート
3間の電池反応に寄与する一方、両電極2,3を絶縁離
隔して、信頼性(もしくは安全性)の高いスムースな起
電が行われるようにしている。このセパレーター1の絶
縁性、特に、短絡防止などの対策として、たとえば無機
酸化物系のフィラーをセパレーター1内に分散・含有さ
せる試みでも、有効な対策は得られていない。
て、鋭意検討を進めた結果、総比表面積が適度の混合フ
ィラーを選択して分散・含有させた場合、また、その分
散・含有量を適度に選択した場合、さらには、セパレー
ターの空隙率の選択によって、短絡防止などが容易に図
られ、セパレーターの高性能化およびポリマー電池の信
頼性向上に寄与することを見出した。
ので、信頼性の高いポリマー電池の電極要素形成に適す
るセパレーター、およびポリマー電池の提供を目的とす
る。
ト状正極とシート状負極との間に介挿され、かつ電解液
を担持する電池用セパレーターであって、前記電池用セ
パレーターは、ポリマー、可塑剤および表面積が 2〜50
m2 /g未満と50〜 250 m2 /gで、かつ 2〜50 m2 /g未満
/50〜 250 m2 /gの比が 0.1〜10である混合絶縁性フィ
ラーを含有していることを特徴とする電池用セパレータ
ーである。
セパレーターにおいて、セパレーター中の絶縁性フィラ
ー量が、体積比でポリマー 1に対して 0.8〜 4.0倍であ
ることを特徴とする。
項2記載の電池用セパレーターにおいて、セパレーター
の空隙率が、25〜50体積%であることを特徴とする。
ポリマー負極シートとの間に電解液を担持するセパレー
ターを介挿させ一体化した電極要素を有するポリマー電
池であって、前記セパレーターは、ポリマー、可塑剤お
よび表面積が 2〜50 m2 /g未満と50〜 250 m2 /gで、か
つ 2〜50 m2 /g未満/50〜 250 m2 /gの比が 0.1〜10で
ある混合絶縁性フィラー含有していることを特徴とする
ポリマー電池である。
ー電池において、セパレーター中の混合絶縁性フィラー
量が、体積比でポリマー 1に対して 0.8〜 4.0倍である
ことを特徴とする。
項5記載のポリマー電池において、セパレーターの空隙
率が、25〜50体積%であることを特徴とする。
(非水電解液を保持し得るポリマー)は、正極シートと
負極シートとの間に介挿させ、たとえば熱圧着により一
体化して電極要素を形成(構成)するものである。前記
正極シートは、非水電解液を保持するポリマー、電極活
物質および可塑剤を含む正極シートを集電体に担持させ
て形成される。
を保持するポリマーおよびび、可塑剤を含む一方、機械
的な強度の向上を目的として、たとえば酸化珪素粉末(S
iO2) 、アルミナ粉末 (Al2 O 3 ) 、酸化チタン粉末(Ti
O2 ) 、窒化チタン粉末 (TiN)もしくは窒化アルミ粉末
(AlN)などで、かつ表面積の異なったの絶縁性の無機フ
ィラーが添加・配合されている。なお、酸化珪素粉末に
ついては、シランカップリング剤やカップリング剤など
で処理したものでもよい。
の表面積が 2〜50 m2 /g未満の範囲にある粉末状ないし
微粒子状と、表面積が50〜 250 m2 /gの範囲にある粉末
状ないし微粒子状であり、また、その混合比が 2〜50 m
2 /g未満と50〜 250 m2 /gとの比が 0.1〜10の範囲にあ
る混合系が選ばれる。
表面積が50〜 250 m2 /gとを混合系の組成分および組成
比に選択したのは、成膜(シート化)の過程で、偏在な
ど起こさずに、良好な均質性を有し、内部短絡の発生が
容易に防止され、電極シートとの圧着・一体化性の良好
なセパレーターが形成されるからである。ここで、フィ
ラーの表面積の測定は、いわゆるベッド法(窒素吸着
法)によるものである。なお、上記混合系フィラーの組
成比は、一般的に、表面積が 2〜50 m2 /g未満のフィラ
ーを10〜90重量%程度、好ましくは30〜70重量%、ま
た、表面積が50〜250 m2 /gのフィラーを90〜10重量%
程度、好ましくは70〜30重量%に選択する。 さらに、
セパレーター中の混合フィラー量が、体積比でポリマー
1に対して0.8〜 4.0倍(好ましくは 1.2〜 3.0倍)の
範囲で選ぶことが望ましい。すなわち、 0.8倍未満の場
合は、バインダー成分の溶融に伴ってセパレーターが変
形し、内部短絡を発生し易い傾向が認められる。一方、
4.0倍を超えた場合は、バインダー成分の溶融が困難
で、結果的に、導電率が低下する恐れがある。
電解液の保持量)は、可塑剤の添加配合によりコントロ
ールし、ひの可塑剤が25体積%未満の場合は、イオン導
電率が低下する傾向にあり、また、50体積%をこえた場
合には、内部短絡を発生し易く、結果的に、不良率が増
大する傾向にある。なお、セパレーターの空隙率は、一
般的に、非水電解液の保持量に匹敵するが、実際には、
セパレータを形成するポリマーの膨潤性の影響によっ
て、非水電解液の保持量は30〜55体積%(好ましくは36
〜48体積%)程度の範囲となる。
は、たとえば、非水電解液を保持することができるポリ
マー、可塑剤および前記無機フィラーをアセトンなどの
有機溶媒中で混合してペーストなどを調製し、このペー
ストなどを成膜化(シート化)することにより作製する
ことができる。ここで、非水電解液を保持することがで
きるポリマーとしては、たとえばポリエチレンオキサイ
ド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導
体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキ
サフルオロプロピレン(HFP)との共重合体などがあげら
れる。
イドは共重合体の骨格部で機械的強度の向上に寄与し、
ヘキサフルオロプロピレンは共重合体に非晶質の状態で
取り込まれ、非水電解液の保持と電解液中のリチウムイ
オンの透過部として機能する。なお、前記ヘキサフルオ
ロプロピレンの共重合割合は、前記共重合体の合成方法
にも依存するが、通常、最大で20重量%程度である。
を保持するこが可能なポリマーに対して相溶性がすぐ
れ、セパレートシートに柔軟性を付与することができる
とともに、熱圧着時おけるセパレートシートの溶着を阻
害せず、かつ溶媒抽出で容易に除去できるものがのぞま
しく、たとえばフタル酸ジブチル( DBP)、フタル酸ジ
メチル( DMP)、エチルフタリルエチルグリコレート
(EPEG)などが挙げられる。 請求項4ないし請求項6
の発明において、正極シートの一主要部を成す正極活物
質としては、たとえば、リチウムマンガン複合酸化物
(LiMn2 O 4 )、二酸化マンガン(Mn O2 )、リチウム
含有ニッケル酸化物(LiNi O2 )、リチウム含有コバル
ト酸化物(LiCo O2 )、リチウム含有コバルトニッケル
酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなどの
酸化物、たとえば、二硫化チタン、二硫化モリブデンな
どのカルコゲン化合物を挙げることができる。中でも、
リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸
化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好まし
い。ここで、正極シートは、導電性を向上するために、
たとえば人造黒煙、カーボンブラック(アセチレンブラ
ックなど)、ニッケル粉末などの導電性材料を添加・配
合してもよい。
しては、たとえば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポ
リプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリ
マー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプ
ロピレン(HFP)との共重合体などを用いることができ
る。前記共重合体の場合は、上記したように、ビニリデ
ンフロライドは共重合体の骨格部で機械的強度の向上に
寄与し、ヘキサフルオロプロピレンは共重合体に非晶質
の状態で取り込まれ、非水電解液の保持と電解液中のリ
チウムイオンの透過部として機能する。
前記セパレーターの場合と同様の理由により、前記例示
と同様の化合物が使用され、集電体としては、たとえば
アルミニウム箔、アルミニウム製メッシュ、アルミニウ
ム製エキスパンドメタル、アルミニウム製パンチドメタ
ルなどが用いられる。
から導電性材料を含んでいてもよい。前記導電性材料と
しては、例えば、人造黒煙、カーボンブラック(たとえ
ば、アセチレンブラックなど)、ニッケル粉末などを挙
げることができる。
マー、可塑剤および正極活物質、要すれば導電性材料を
溶媒存在下で混合し、ペーストを調製し、このペースト
を成膜した後、この成膜(正極シート)を、集電体に熱
圧着などすることにより作製できる。
電極要素の一を成す主要部を負極シートは、バインダー
として機能するポリマー、負極活物質および可塑剤を含
む負極シート本体が集電体に担持され構成を採ってい
る。
オンを吸蔵放出する炭素質材料が挙げられる。たとえ
ば、有機高分子化合物(フェノ一ル樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、セルロースなど)を焼成することにより得ら
れるもの、コークスやピッチを焼成することにより得ら
れるもの、人造グラファイト、天然グラファイトなどに
代表される炭素質材料が挙げられる。中でも、アルゴン
ガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中において、 5
00〜3000℃の温度で、常圧または減圧下、前記有機高分
子化合物を焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好
ましい。
および可塑剤は、上記正極シートの場合と同様なものが
使用され、また、負極の集電体としては、たとえば銅
箔、銅製メッシュ、銅製エキスパンドメタル、銅製パン
チドメタルなどが用いられる。そして、このポリマー電
池に使用する負極シートは、たとえば、前記ポリマー、
可塑剤および負極活物質をアセトンなどの有機溶媒中で
混合し、ペーストを調製し、このペーストを製膜して負
極シートを作製した後、その負極シートを熱圧着などに
より集電体に接着することにより作製できる。
ポリマー電池用の電極要素をポリマー電池化するに当た
り、前記電極要素(積層物)中の可塑剤が抽出される。
ここで、抽出に使用する溶媒としては、有機溶媒が用い
られる。すなわち、前記積層物を有機溶媒中に浸漬し、
撹拌を加えながら放置する操作を数回繰り返すことによ
り、前記積層物中の可塑剤を溶媒に抽出・除去する。こ
の抽出操作には、撹拌の代りに、あるいは撹拌に加えて
超音波を加える態様を採ることもできる。
に、アルコール、エーテル、飽和炭化水素などが用いら
る。そして、飽和炭化水素としては、コスト面および再
生再利用などの点から、炭素数が 5〜12程度が好まし
く、より望ましく炭素数が 7〜10のものが好ましい。こ
こで、炭素数が 5未満の化合物は、常温 (25℃)付近で
気体化し易く取り扱いが困難であり、また、炭素数が12
より大きくなると液体の粘性率が高くなり電池に対する
浸透性が悪くなる恐れががある。
電極要素の一主要部を成す電解液(非水電解液)は、電
解質を非水溶媒に溶解することにより調製されたもので
ある。ここで、非水溶媒としては、エチレンカーボネー
ト(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボ
ネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチ
ルカーボネート (DEC)、エチルメチルカーボネート (EM
C)、γ−ブチロラクトン(γ-BL)、スルホラン、アセト
ニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメト
キシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン
(THF)、2−メチルテトラヒドロフランなどを挙げら
れ、これらは単独で使用しても、2種以上混合して使用
してもよい。
(LiCl O4 )、六フッ過リン酸リチウム(LiPF6 )、ホ
ウフッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(L
iAsF6 )トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF
3 SO3 )などのリチウム塩が挙げられる。
量の絶縁性フィラーを含有させた構成としたことによ
り、内部短絡の発生などが効果的に防止されるので、信
頼性および高性能化が図られた電池用セパレーターが提
供される。
性および高性能化が図られた電池用セパレーターを具備
したことに伴って、信頼性の高いポリマー電池を歩留ま
りよく提供できる。
化物(正極活物質)、カーボンブラック、ビニリデンフ
ロライド−へキサフルオロプロピレン(VdF-HFP)の共重
合体粉末、およびフタル酸ジブチル(DBP)の混合物を、
アセトン中で混合してペーストを調製した。なお、LiMn
2 O 4 、 VdF-HFP共重合体、カーボンブラックおよび D
BP混合物の配合比(LiMn2 O 4 : VdF-HFP共重合体:カ
ーボンブラック: DBP)は、70重量%: 8重量%: 7重
量%:15重量%である。
ドメタル(箔厚20μm 、開孔率60%)上に、160g/m2 と
なるように塗布しシート化した。得られた正極シートを
アルミ製エキスパンドメタル(箔厚30μm 、開孔率60
%)の両側に配置し、 140℃、6 kgf/cmでロールプレス
して正極シートを作製した。
共重合体粉末、およびDBPをアセトン中で混合してペー
ストを調製した。なお、炭素繊維、 VdF-HFP共重合体粉
末、および DBPの配合比(炭素繊維: VdF-HFP: DBP)
は、70重量%:9重量%:18重量%である。
フタレートフィルム面上に活物質が60g/m2 となるよう
に塗布しシート化した。得られた負極シートを銅製エキ
スパンドメタル(箔厚30μm 、開孔率60%)の両側に配
置し、 140℃、 6 kgf/cm でロールプレスして、負極シ
ートを作製した。
積が 5.5 m2 /gの酸化珪素(SiO2 )との混合粉末(混合
重量比 1: 1)、 VdF-HFP共重合体粉末(バインダ
ー)、および DBPを表1に示す組成比にそれぞれ選び比
較例を含めて、 5種類の組成物をそれぞれ調製し、さら
に、アセトン中で混合してペーストを調製した。上記調
製した各ペーストを、それぞれポリエチレンテレフタレ
ートフィルム面上に厚さが50μm となるように塗布して
セパーターシートを作製した。なお、VdF-HFP共重合体
粉末とDBP の比率をほぼ一定として、酸化珪素粉末量を
VdF-HFP共重合体粉末の体積に対して 0.8〜 4.0倍とし
た。
C)とを体積比で 2: 1の割合で混合した非水溶媒に、電
解質としてのLiPF6 を1mol/l の濃度となるように溶解
させて非水電解液を調製した。
トを(正極/セパレーター/負極)の順に積層し、 130
℃に加熱した剛性ロールにて熱圧着することにより、容
量が100 mAh の非水電解電池用の電極要素を製造した。
その後、前記電極要素を100 mlのメタノ一ル中に浸漬
し、マグネチックスターラーで撹拌しながら15分間放置
して、可塑剤の抽出を行った。この抽出操作をガスクロ
マトグラフィーによるメタノ一ル中の可塑剤 (DBP)の濃
度が20 ppm以下になるまで繰り返し行って可塑剤を除去
した。
を、上記調製した非水電解液中に30分間浸漬し、非水電
解液を電池要素のセパレーターなどに含浸・担持させて
から、熱可塑性樹脂層/アルミ箔/樹脂層からなるラミ
ネートフィルム製の袋に挿入し、正極および負極端子を
袋の外部に突出するように導出させた状態で加熱・封口
(封止)し、ポリマー電池化した。
ターシート中の酸化珪素(SiO2 )微粉末量と VdF-HFP共
重合体粉末(バインダー)との比をほぼ一定にし、セパ
レーター中の DBP量を変えて、非水電解液を体積比で25
〜50%としたセパレーターシートを使用した他は、実施
例1の場合と同様の条件で、比較例を含めて 5種類のポ
リマー電池を作成した。ここで、酸化珪素(SiO2 )微粉
末は、表面積200m2 /gの酸化珪素粉末と表面積5.5m2 /g
の酸化珪素粉末とを重量比で1:2の割合で混合したも
のである。
2 /g、10 m2 /g、 200m2 /gおよび 100 m2 /gの酸化珪
素(SiO2 )微粉末を表3に示すように組み合わせ、ま
た、セパレーターシート中の酸化珪素(SiO2 )微粉末
量、 VdF-HFP共重合体粉末(バインダー)量および DBP
量との比を重量比で、40:20:40としたセパレーターシ
ートを使用した他は、実施例1の場合と同様の条件で、
比較例を含めて 9種類のポリマー電池を作成した。
を抽出除去した各電池要素について、正極シートと負極
シートとの間の短絡数(セパレートシートの耐絶縁性)
を試験評価した結果を表4にそれぞれ示す。
充電を行って、その充電状態での交流抵抗(イオン導電
率)を測定した結果を表4に併せて示す。
結果から(フィラー体積)/(バインダー体積)の比が
0.8未満の場合、バインダー(樹脂)の溶融に伴うセパ
レーターの変形が大きいため内部短絡を起こし易く、ま
た、 4.0を超える場合には、溶融しにくくなってイオン
導電性が低下する。
ら、非水電解液の体積がセパレーター中の25%以下の場
合は、イオン導電性が低くなり、50%を超えた場合に
は、内部短絡による不良率が増加する。
ら、セパレーターフィルム中のフィラーが、表面積の異
なった混合系の場合、フィラー表面を被覆するバインダ
ーの適正量を選び易いので、電極シートと一体化し易
く、かつイオン導電性の良好なセパレーターとして機能
する。
試験評価から明らかのように、絶縁性フィラーの含有
は、セパレーターの内部短絡を防止する上で有効である
が、十分な融着性および内部短絡を防止するためには、
フィラーとバインダーとの体積比を 0.8〜 4.0の範囲内
に選択する。また、シート状のセパレータは、セパレー
タ−中のフィラーが、総比表面積 2〜 50m2 /g未満およ
び50〜250m2 /gの混合系で、均一性もしくは均質性が良
好で、内部短絡を防止する効果が向上する。さらに、セ
パレータ−の空隙率(非水電解液保持容量)が、25〜50
%の場合は、より良好なイオン導電性を保持する。
ものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの
変形を採ることができる。たとえば絶縁性フィラーは、
酸化珪素(シリカ)以外の無機酸化物(たとえば酸化ア
ルミニウム、窒化チタン、窒化アルミニウムなど)、バ
インダー樹脂は、 VdF-HFP共重合体の代りにポリエチレ
ンオキサイド誘導体などを使用した構成を採ることもで
きる。
ば、信頼性および高性能化が図られた電池用セパレータ
ーの提供により、歩留まりよく、高品質のポリマー電池
を提供することができる。
携帯型の電源として、信頼性の高いポリマー電池が、容
易に、かつ歩留まりよく提供できる。
図。
Claims (6)
- 【請求項1】 シート状正極とシート状負極との間に介
挿され、かつ電解液を担持する電池用セパレーターであ
って、 前記電池用セパレーターは、ポリマー、可塑剤および表
面積が 2〜50 m2 /g未満と50〜 250 m2 /gで、かつ 2〜
50 m2 /g未満/50〜 250 m2 /gの比が 0.1〜10である混
合絶縁性フィラーを含有していることを特徴とする電池
用セパレーター。 - 【請求項2】 セパレーター中の絶縁性フィラー量が、
体積比でポリマー 1に対して 0.8〜 4.0倍であることを
特徴とする請求項1記載の電池用セパレーター。 - 【請求項3】 セパレーターの空隙率が、25〜50体積%
であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載
の電池用セパレーター。 - 【請求項4】 ポリマー正極シートとポリマー負極シー
トとの間に電解液を担持するセパレーターを介挿させ一
体化した電極要素を有するポリマー電池であって、 前記セパレーターは、ポリマー、可塑剤および表面積が
2〜50 m2 /g未満と50〜 250 m2 /gで、かつ 2〜50 m2
/g未満/50〜 250 m2 /gの比が 0.1〜10である混合絶縁
性フィラー含有していることを特徴とするポリマー電
池。 - 【請求項5】 セパレーター中の電気絶縁性フィラー量
が、体積比でポリマー 1に対して 0.8〜 4.0倍であるこ
とを特徴とする請求項4記載のポリマー電池。 - 【請求項6】 セパレーターの空隙率が、25〜50体積%
であることを特徴とする請求項4もしくは請求項5記載
のポリマー電池。
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