JP2000194160A - トナ―及びその製造方法 - Google Patents

トナ―及びその製造方法

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JP2000194160A
JP2000194160A JP36973698A JP36973698A JP2000194160A JP 2000194160 A JP2000194160 A JP 2000194160A JP 36973698 A JP36973698 A JP 36973698A JP 36973698 A JP36973698 A JP 36973698A JP 2000194160 A JP2000194160 A JP 2000194160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速複写や低温定着に適した熱溶融特性を有
し、かつ耐ホットオフセット性を有し、高速複写時の力
学的な摩擦にも耐えうることができ、流動性に優れた球
形トナーを提供すること 【解決手段】 (1)着色剤(a)と、(2)(2-1)ポリエステル
樹脂(b)及び(2-2)該ポリエステル樹脂(b)とは別の樹脂
であって、テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を
含有する結着樹脂とからなるトナーにおいて、テトラヒ
ドロフランに不溶な架橋ゲル(c)がポリウレタンウレア
樹脂であることを特徴とする球形トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電潜像の現像剤として
有用なポリエステル樹脂系球形トナー及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現像剤を用いて静電潜像を可視化して得
た可視化像を定着する方式としては、熱ロールを用いる
のが一般的である。熱ロールを用いた定着に使用するト
ナーには、鮮明な画像が得られることと、定着開始温度
が低いことが求められている。
【0003】低温で定着させる手段としては、ガラス転
移点が低い樹脂をトナーに用いる方法、あるいは、分子
量が小さい樹脂をトナーに用いる方法が挙げられる。し
かしながら、ガラス転移点が低い樹脂を用いた場合、ト
ナーの保存安定性に問題があり、分子量が小さい樹脂を
用いた場合、熱定着時にヒートローラーにトナーが付着
し、紙を汚してしまう、いわゆるホットオフセット現象
が生じるという問題がある。
【0004】低温定着性と耐ホットオフセット性を両立
させ、かつ保存安定性に優れたトナーを得るためには、
結着用樹脂として、低分子量成分と、高分子量成分(架
橋分岐した超高分子量成分等)との2種類を併用する方
法が試みられている。
【0005】一方、近年、従来のスチレンアクリル系樹
脂を用いたトナーに代わり、ポリエステル系樹脂を用い
たトナーの開発が盛んに行われている。その理由とし
て、(1)スチレンアクリル系トナーは、重合した樹脂
中にモノマー・オリゴマーが残存し、熱ロール定着時に
発生する臭気や揮発性有機物が環境衛生上望ましくない
こと、(2)ポリエステル系樹脂を用いたトナーは、臭
気が少なく、定着画像の耐摩耗性が期待されること、が
挙げられる。
【0006】ポリエステル系樹脂を用いたトナーであっ
て、低分子量成分と、高分子量成分(架橋分岐した超高
分子量成分等)との2種類を併用したトナーとして、特
開昭63−56659号公報、特開平2−166464
号公報、特開平2−256066号公報及び特開平4−
211272号公報等には、ポリエステル樹脂にイソシ
アネート化合物を加えてウレタン結合により架橋したウ
レタン変性ポリエステル樹脂と低分子量ポリエステル樹
脂とを併用したトナーが開示されている。この方法によ
れば、確かに定着開始温度が低く、ホットオフセットの
起こる温度が高い、いわゆる「定着温度範囲が広い」ト
ナーを得ることができる。
【0007】しかしながら、このような2種類のポリエ
ステル樹脂を併用し、粉砕法を用いてトナーを製造する
には、現実に、高分子量あるいは一部架橋した樹脂を熱
溶融混練し、次いで冷却後に粉砕する方法を経るため、
その動力が極めて大きくなるという問題がある。また、
このようなウレタン変性ポリエステル樹脂を用いたトナ
ーでは、粉砕法により小粒径化を図るのは困難であり、
強いて小粒径化しようとすると、規格外の微粉が発生す
るので、分級によって所望の粒径のものを選別する必要
があり、その結果、トナーの収量が減少するという問題
もある。さらに、粉砕法によって得られるトナーは、そ
の大部分の形態が非球形であるため、帯電が不均一で、
カブリが起き易い、また、流動性も良くない、という問
題もあった。
【0008】一方、特開平8−297379号公報に
は、ウレタン結合による架橋体(溶融混練が可能なも
の)とポリエステル樹脂とが相互侵入網目構造を有する
樹脂組成物を用いたトナーが開示されている。しかしな
がら、この公報に開示されたトナーにおいても、所望の
粒子径のものを得るには、粉砕法によるしかなく、上記
した2種類のポリエステル樹脂を併用したトナーの場合
と同様の欠点を持つものであった。
【0009】また、特開平8−211655号には、ポ
リエステル樹脂を用いた球形トナーが開示されている。
この公報に開示されたトナーの製造方法によれば、確か
に小粒径かつ球形のトナーが得られるが、この方法で得
られたトナーは、ホットオフセットが起きやすく、定着
温度範囲が広いと言えるものではなかった。
【0010】一方では、球形で、かつ小粒径化に対応で
きるトナーの製造方法として、重合法によるトナーの製
造方法が知られている。しかしながら、ポリエステル樹
脂で、ラジカル重合で製造できるものは限られており、
しかも、そのようなポリエステル樹脂は高価であり、ま
た、開環重合や重縮合を水中で行うのは難しい、などの
理由で、いまだにポリエステル系の重合法トナーは、工
業的規模で製造できるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ポリエ
ステル系樹脂を用いて、低温定着と耐ホットオフセット
性を両立させながら小粒径かつ球形のトナーを、工業的
に実用化できるレベルで製造する方法は確立されていな
いのが実状であった。本発明が解決しようとする課題
は、高速複写や低温定着に適した熱溶融特性を有し、か
つ耐ホットオフセット性を有し、高速複写時の力学的な
摩擦にも耐えうることができ、流動性に優れた球形トナ
ー及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(1)着色剤(a)と、(2)(2−1)
ポリエステル樹脂(b)及び(2−2)該ポリエステル
樹脂(b)とは別の樹脂であって、テトラヒドロフラン
(以下、THFと省略する。)に不溶な架橋ゲル(c)
を含有する結着樹脂とからなるトナーにおいて、THF
に不溶な架橋ゲル(c)がポリウレタンウレア樹脂であ
ることを特徴とする球形トナーを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の球形トナーは、例えば、
以下の製造方法に従って製造することができる。
【0014】(I)(1)着色剤(a)、カルボキ
シル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエ
ステル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結
合を有し、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆体とな
るポリイソシアネート化合物(c1)及び塩基性中和
剤(d)からなる混合物を、溶剤の存在下又は非存在下
に、水媒体中に分散させて水分散体を得る第1工程、及
び(2)第1工程で得た水分散体に、イソシアネート基
と反応する架橋剤(f)を加えて、ポリイソシアネート
化合物(c1)と反応させることにより、THFに不溶
な架橋ゲル(c)を生成させた後、THFに不溶な架橋
ゲル(c)を含む転相乳化物を水媒体から分離してトナ
ー粒子を得る第2工程からなる球形トナーの製造方法。
【0015】(II)(1)着色剤(a)、カルボキ
シル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエ
ステル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結
合を有し、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆体とな
るポリイソシアネート化合物(c1)、塩基性中和剤
(d)及び有機溶剤(e)からなる混合物を水媒体中
に転相乳化させて転相乳化物を得る第1工程、及び
(2)第1工程で得た転相乳化物に、イソシアネート基
と反応する架橋剤(f)を加えて、ポリイソシアネート
化合物(c1)と反応させることにより、THFに不溶
な架橋ゲル(c)を生成させた後、THFに不溶な架橋
ゲル(c)を含む転相乳化物を水媒体から分離してトナ
ー粒子を得る第2工程からなる球形トナーの製造方法。
【0016】(III) (1)着色剤(a)及びカル
ボキシル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポ
リエステル樹脂(b)からなる混合物を、有機溶剤
(e)の存在下又は非存在下に混練して、混練物を得る
第1工程、(2)第1工程で得た混練物に、ウレタン結
合及び/又はウレア結合を有し、THFに不溶な架橋ゲ
ル(c)の前駆体となるポリイソシアネート化合物(c
1)及び塩基性中和剤(d)を加えて、水媒体中に転相
乳化させて転相乳化物を得る第2工程、及び(3)第2
工程で得た転相乳化物にイソシアネート基と反応する架
橋剤(f)を加えて、ポリイソシアネート化合物(c
1)と反応させることにより、THFに不溶な架橋ゲル
(c)を生成させた後、THFに不溶な架橋ゲル(c)
を含む転相乳化物を水媒体から分離してトナー粒子を得
る第3工程からなる球形トナーの製造方法。
【0017】(VI)(1)着色剤(a)、カルボキ
シル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエ
ステル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結
合を有し、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆体とな
るポリイソシアネート化合物(c1)、塩基性中和剤
(d)、有機溶剤(e)及び架橋剤(f)としてポ
リオール(f2)からなる混合物を水媒体中に転相乳化
させて転相乳化物を得る第1工程、及び(2)転相乳化
物中のポリイソシアネート化合物(c1)とポリオール
(f2)とを架橋させてTHFに不溶な架橋ゲル(c)
を生成させた後、水媒体から分離してトナー粒子を得る
第2工程からなる球形トナーの製造方法。
【0018】着色剤(a)としては、従来のトナー用着
色剤に用いられている染料、顔料が特に制限なく使用で
きる。そのような着色剤(a)としては、例えば、ファ
ーネスブラック法、サーマルブラック法、アセチレンブ
ラック法、チャンネルブラック法、ランプブラック法等
により製造される各種のカーボンブラック、カーボンブ
ラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト化カーボン
ブラック;C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ベー
シックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.
I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー
2、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシック
ブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モー
ダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.
I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリー
ン6の如き染料;カドミウムイエロー、ミネラルファー
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジGTR、ベン
ジジンオレンジG、カドミウムレッド4R、ウオッチン
グレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、フ
ァストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシ
アニンブルー、フェストスカイブルー、ピグメントグリ
ーンB、マカライトグリーンレーキ、ファイナルイエロ
ーグリーンGの如き顔料;
【0019】C.I.ソルベントイエロー6、C.I.
ソルベントイエロー9、C.I.ソルベントイエロー1
7、C.I.ソルベントイエロー31、C.I.ソルベ
ントイエロー35、C.I.ソルベントイエロー10
0、C.I.ソルベントイエロー102、C.I.ソル
ベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー1
05、C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベ
ントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ13、
C.I.ソルベントオレンジ14、C.I.ソルベント
オレンジ66、C.I.ソルベントレッド5、C.I.
ソルベントレッド16、C.I.ソルベントレッド1
7、C.I.ソルベントレッド18、C.I.ソルベン
トレッド19、C.I.ソルベントレッド22、C.
I.ソルベントレッド23、C.I.ソルベントレッド
143、C.I.ソルベントレッド145、C.I.ソ
ルベントレッド146、C.I.ソルベントレッド14
9、C.I.ソルベントレッド150、C.I.ソルベ
ントレッド151、C.I.ソルベントレッド157、
C.I.ソルベントレッド158、C.I.ソルベント
バイオレット31、C.I.ソルベントバイオレット3
2、C.I.ソルベントバイオレット33、C.I.ソ
ルベントバイオレット37、C.I.ソルベントブルー
22、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベ
ントブルー78、C.I.ソルベントブルー83、C.
I.ソルベントブルー84、C.I.ソルベントブルー
85、C.I.ソルベントブルー86、C.I.ソルベ
ントブルー104、C.I.ソルベントブルー191、
C.I.ソルベントブルー194、C.I.ソルベント
ブルー195、C.I.ソルベントグリーン24、C.
I.ソルベントグリーン25、C.I.ソルベントブラ
ウン3、C.I.ソルベントブラウン9、などが挙げら
れる。
【0020】着色剤の使用量は、樹脂成分100重量部
に対して1〜15重量部の範囲が好ましい。
【0021】本発明で使用するポリエステル樹脂(b)
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
GPCと省略する)を用いて測定したポリスチレン換算
での重量平均分子量(以下、Mwと省略する。)が、5
00〜50000の範囲のものが好ましく、1000〜
30000の範囲のものが特に好ましい。ポリエステル
樹脂(b)のMwが500より小さい場合、得られたト
ナーの保存時の安定性が悪く、トナー粒子同士のブロッ
キングが発生し易くなる傾向にあるので、好ましくな
い。また、ポリエステル樹脂(b)のMwが50000
よりも大きい場合には得られたトナーの定着温度の最低
温度が高くなり、低温定着や高速印刷への対応ができな
くなる傾向にあるので、好ましくない。
【0022】また、ポリエステル樹脂(b)の示差走査
熱量測定法(DSC)を用いて測定したガラス転移温度
(以下、Tgと省略する。)は、40〜80℃の範囲が
好ましい。このような温度範囲にガラス転移温度を有す
るポリエステル樹脂を用いることにより、熱保存性と共
に低温定着性と、耐ホットオフセット性を満たしたトナ
ーを製造することができる。
【0023】また、ポリエステル樹脂(b)の原料とな
る成分は、ジオール、ジカルボン酸、オキシ酸のいずれ
であっても良い。
【0024】ポリエステル樹脂(b)の原料となるジオ
ールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール、ヒドロキノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフ
ェノールAプロピレンオキシド付加物、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、などが挙げられ
る。
【0025】ポリエステル樹脂(b)の原料となるジカ
ルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、などのジカル
ボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。
【0026】ポリエステル樹脂(b)の原料となるオキ
シ酸としては、例えば、オキシカプロン酸、乳酸、グリ
コール酸、マンデル酸、等を挙げることができる。
【0027】また、1分子中に2個の官能基を有する化
合物からなる成分の一部を1分子中に3個以上の官能基
を有する化合物で置き換えることもできる。このように
することによって、分子量が大きいポリエステル樹脂を
得ることができる。1分子中に3個以上の官能基を有す
る化合物としては、例えば、ピロメリット酸、トリメリ
ット酸などの多価カルボン酸及びそれらの酸無水物;グ
リセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールメタ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンな
どのポリオール;リンゴ酸、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロールブタン酸などの多官能オキシ酸等が挙
げられる。
【0028】また、このポリエステル樹脂(b)は、得
られたトナーの低温定着性を保持するため、ウレタン結
合及び/又はウレア結合を有するTHFに不溶な架橋ゲ
ル(c)の成分とならないことが望ましい。
【0029】そのように制御するためには、ポリエステ
ル樹脂(b)の水酸基価は、0〜10mgKOH/gの範
囲が好ましく、0〜5mgKOH/gの範囲が特に好まし
い。なお、ここで、水酸基価とは、1gの樹脂の水酸基
を無水酢酸/ピリジン混合物でエステル化したときに発
生する酢酸を中和するのに必要なKOHの量を示す。ポ
リエステル樹脂(b)として、水酸基を有するポリエス
テル樹脂を用いた場合には、例えば、ポリイソシアネー
ト化合物とポリエステル樹脂(b)が共存するときに、
さらに1級アミノ基又は2級アミノ基を有する他の化合
物と併存させる等の方法で、ポリエステル樹脂(b)
が、実質的にウレタン結合及び/又はウレア結合を有す
るTHFに不溶な架橋ゲル(c)の成分にならないよう
にすることもできる。
【0030】また一方、ポリエステル樹脂(b)は、転
相乳化させるために、カルボキシル基を有することが望
ましく、その酸価は、5〜150mgKOH/gの範囲が
好ましく、10〜100mgKOH/gの範囲が特に好ま
しい。ここで、酸価とは1gの樹脂を中和するのに必要
な水酸化カリウム(KOH)の重量を、ミリグラム単位
で表したものを用いている。酸価をこのような範囲に設
定することにより、転相乳化し易く、低温定着性と保存
安定性が両立し、定着温度範囲が広い球形トナーを製造
することができる。
【0031】本発明で使用するポリエステル樹脂(b)
は、公知の製造方法によって合成することができるが、
例えば、以下の製造方法に従って製造することができ
る。
【0032】(1)ジオール、ジカルボン酸、必要に応
じポリオール、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸
の混合物を、不活性ガス雰囲気下、加熱脱水する方法。
【0033】(2)ジオール、ジカルボン酸、必要に応
じポリオール、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸
の混合物を、不活性ガス雰囲気下、加熱脱水し、触媒を
加えて、減圧条件で、脱グリコール反応を行って得たポ
リエステル樹脂と2価カルボン酸及び/又は多価カルボ
ン酸やその無水物を反応させる方法。
【0034】(3)アルコールを開始剤にして、触媒の
存在下、ラクトンやオキシ酸環状2量体等の重合を行う
ことによって得たポリエステル樹脂に対し、2価カルボ
ン酸及び/又は多価カルボン酸やその無水物を反応させ
る方法。
【0035】次に、本発明で使用するウレタン結合及び
/又はウレア結合を有するTHFに不溶な架橋ゲル
(c)について説明する。
【0036】本発明で使用するウレタン結合及び/又は
ウレア結合を有するTHFに不溶な架橋ゲル(c)は、
実質的に、該架橋ゲル(c)の前駆体であるポリイソシ
アネート化合物(c1)、及びイソシアネート基と反応
する架橋剤(f)の反応によって得られるものである。
【0037】該架橋ゲル(c)の前駆体であるポリイソ
シアネート化合物(c1)は、1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有する化合物又はその混合物であれば
どのようなものを用いても構わないが、転相乳化時に用
いる水や特に活性水素を有する有機溶剤との反応速度が
遅いものが好ましく、そのような観点から、脂肪族又は
脂環式のポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0038】そのようなポリイソシアネート化合物(c
1)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート、水添メタキシリレ
ンジイソシアネート、水添トリフェニルメタントリイソ
シアネートなどが挙げられる。また、イソシアネート同
士の多量体も用いることもでき、例えば、上記のイソシ
アネート化合物のイソシアヌレート化合物などが挙げら
れる。
【0039】また、該架橋ゲル(c)の前駆体であるポ
リイソシアネート化合物(c1)として、ポリオールと
イソシアネートのアダクト化合物、ポリアミンとイソシ
アネートのアダクト化合物などを用いることもできる。
【0040】アダクト化合物を製造するために用いるポ
リオールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、ジエチレングリコール、ヒドロキノ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビスフェノールAエチレンオキシ
ド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加
物、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシブタン
酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、各種ポリエステル
ジオールの如きジオール;グリセリン、ペンタエリスリ
トール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、各種ポリエーテル類、各
種ポリエステルポリオールの如きポリオール、などが挙
げられる。
【0041】アダクト化合物を製造するために用いるポ
リアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレン
ジアミン、ピリジンジアミン、トリ(アミノエチル)ア
ミン、などが挙げられる。
【0042】ポリイソシアネート化合物(c1)は単独
で用いることもできるが、2種以上の化合物を併用する
こともでき、例えば、イソホロンジイソシアネートのよ
うな剛直な構造を有するものと、各種ポリエステルポリ
オールやポリエーテルポリオールとヘキサメチレンジイ
ソシアネートのアダクト型化合物のような柔軟な構造を
有するものとを併用する方法が挙げられる。また、TH
Fに不溶な架橋ゲル(c)を構成するポリイソシアネー
ト化合物(c1)の一例のポリオールとイソシアネート
のアダクト化合物のポリオール成分として、ジメチロー
ルブタン酸、ジメチロールプロピオン酸のようなカルボ
キシル基を有する材料を用いて、電荷や親水性を調節す
る、などによって、多彩な性質を有する架橋ゲル(c)
を製造することもできる。
【0043】また、ポリイソシアネート化合物(c1)
が、中和によって自己水分散性を有する材料を用いた場
合、(1)転相乳化がし易くなること、(2)ウレタン
結合及び/又はウレア結合を有するTHFに不溶な架橋
ゲル(c)がトナー粒子表面付近に偏在する結果、低温
定着に優れ、かつ熱保存安定性や耐ホットオフセット性
に優れたトナーが得られること、などが期待できるの
で、大変好ましい。
【0044】さらに、ポリイソシアネート化合物(c
1)として、カルボキシル基を有する親水性ポリイソシ
アネート化合物と、カルボキシル基を有しない疎水性ポ
リイソシアネート化合物とを併用することも、それらの
併用割合を制御することにより、転相乳化挙動を制御す
ることができるので、好ましい。
【0045】親水性のポリイソシアネート化合物は、ジ
メチロールブタン酸やジメチロールプロピオン酸の如き
カルボキシル基を有するポリオールと、ポリイソシアネ
ートとの反応によって容易に製造することができる。
【0046】上述のポリイソシアネート化合物(c1)
と反応する架橋剤(f)としては、ポリアミン化合物
(f1)を用いる場合と、ポリオール(f2)を用い
る場合、とが考えられる。中でも、これらの架橋剤
(f)のうち、ポリアミン化合物(f1)を用いるのが
特に好ましい。
【0047】ポリアミン化合物(f1)の中でも、1級
アミノ基又は2級アミノ基を有する化合物であって、1
分子中に1級アミノ基と2級アミノ基を合わせて平均2
個以上有するポリアミン化合物は、速い反応速度で、溶
剤に不溶のゲルを生成させることができるので、好まし
い。
【0048】また、ポリアミン化合物(f1)の中で
も、水溶性のポリアミン化合物は、粒子が水媒体中に分
散させた状態で、反応速度が速い化合物を添加すること
ができるので、好ましい。
【0049】従って、ポリアミン化合物(f1)の中で
も、(1)1級アミノ基又は2級アミノ基を有する化合
物であって1分子中に1級アミノ基と2級アミノ基を合
わせて平均2個以上持つもの、かつ(2)水溶性のも
の、が特に好ましい。
【0050】このようなポリアミン化合物としては、例
えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、プロピレンジアミン、ピリジンジ
アミン、トリ(アミノエチル)アミン、ポリエチレンイ
ミン、などが挙げられる。
【0051】以上、ポリイソシアネート化合物(c
1)、ポリアミン化合物(f1)について説明したが、
これらの材料がウレタン結合及び/又はウレア結合を有
し、THFに不溶な架橋ゲルを構成するためには、下記
(1)及び(2)の双方が2以上であり、かつ少なくと
も一つが2を越える組み合わせが好ましい。 (1)ポリイソシアネート化合物(c1)の1分子あた
りのイソシアネート基の数 (2)ポリアミン化合物(f1)の1分子当たりの1級
アミノ基、2級アミノ基の和
【0052】架橋剤(f)として用いられるポリオール
(f2)としては、例えば、グリセリン、ペンタエリス
リトール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパンの如き低分子化合物;ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールの如きポリエーテル;それら
の共重合体構造を有するポリオール;少なくとも各種ジ
オール、ジカルボン酸を成分に含んでいるポリエステル
ポリオール、などが挙げられるが、特に反応性の低いポ
リオール(f2)が水中に溶出しないことが好ましいた
め、水に対して不溶なものを用いることが望ましい。
【0053】以上、ポリイソシアネート化合物(c
1)、ポリオール化合物(f2)について説明したが、
これらの材料がウレタン結合及び/又はウレア結合を有
するTHFに不溶な架橋ゲルを構成するためには、下記
(1)及び(2)の双方が2以上であり、かつ少なくと
も一つが2を越える組み合わせが好ましい。 (1)ポリイソシアネート化合物(c1)の1分子あた
りのイソシアネート基の数 (2)ポリオール化合物(f2)の1分子当たり水酸基
の数
【0054】ここで、添加するポリイソシアネート化合
物(c1)のイソシアネート基のモル数をM1、添加す
る架橋剤中のポリイソシアネート化合物と反応する活性
水素のモル数をM2とした時、M2/M1が0.8以上
1.0未満であることが望ましい。この範囲にすること
によって架橋剤に由来する臭気が少なく、架橋が十分に
進んだ好ましい物性を有するトナーを与えることができ
る。
【0055】ポリエステル樹脂(b)と、ウレタン結合
及び/又はウレア結合を有する架橋ゲル(c)とは、相
溶化した、いわゆるIPN(相互侵入網目構造)をとっ
ていることが好ましい。ここで、ポリエステル樹脂
(b)の重量をWb、THFに不溶な架橋ゲルの重量を
Wcとした時、Wb/(Wb+Wc)が0.3〜0.9
5の範囲にあることが好ましく、更に0.45〜0.9
0の範囲にあることが好ましい。このような構造をとる
ことにより、ポリエステル樹脂(b)の性質を生かした
低温定着性と、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有
するTHFに不溶な架橋ゲルに由来する高耐ホットオフ
セット性の両立が可能となる。
【0056】トナーのTHF可溶分の割合は、実質的
に、「ポリエステル樹脂(b)の重量」と、「着色剤
(a)とウレタン結合及び/又はウレア結合を有するT
HFに不溶な架橋ゲル(c)の重量の和」との比を示す
ものである。
【0057】トナーのTHF可溶分の割合の測定法は、
各種のものが挙げられるが、ソクスレー抽出によるもの
が簡便であり、本発明のトナーの評価においてもこの方
法を採用している。すなわち、トナーのTHF可溶分の
評価は、THFによるソクスレー抽出を24時間行った
時の粒子全体に対する抽出される割合で行っている。こ
の割合は、30〜90%の範囲が好ましく、45〜80
%の範囲が特に好ましい。トナーのTHF可溶分が、こ
のような範囲となるように設計することによって、低温
定着、保存安定性が両立された、ホットオフセットが起
こる温度が高い、定着温度巾の広いトナーを製造するこ
とができる。
【0058】また、本発明のトナーは、THFによる抽
出後のTHF不溶分が、抽出後も散逸せずに、ほぼ球形
を保っているという特徴を有する。
【0059】本発明のトナーの製造方法で使用する塩基
性中和剤(d)としては、通常のカルボキシル基の中和
剤として作用する塩基性化合物であれば、いずれのもの
も用いることができる。そのような塩基性中和剤(d)
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、トリエチルアミン、アンモニア、
などが挙げられる。
【0060】本発明のトナーの製造方法で使用する有機
溶剤(e)としては、通常の有機溶剤又はその混合物を
用いることができる。有機溶剤(e)としては、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンの如きケ
トン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、
酢酸ベンジル、酢酸メチル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ
エチルエーテルアセテートの如きエステル類;γーブチ
ロラクトン、δーバレロラクトン、δーカプロラクトン
の如きラクトン類;エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートの如き環状カーボネート類;ジエチルエー
テル、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリ
ム、トリグリムの如きエーテル類;メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、i−ブタノール、t−ブタノール、2−メトキ
シエタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノー
ル、ドデカノールの如きアルコール類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロルエタン
の如きハロゲン化アルキル、などが挙げられる。これら
の中でも、脱溶剤の容易さの面から、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、イソプロパノール、n−プ
ロパノール、THF、ジクロロメタン等の低沸点の溶剤
が特に好ましい。
【0061】これらの溶剤は、単独で用いることもで
き、2種類以上を混合して用いることもできる。また、
全溶剤中の25重量%までの割合で、他の溶剤、例え
ば、炭化水素系溶剤などと混合して、極性を調整して用
いることもできる。
【0062】本発明の請求項4記載の球形トナーの製造
方法(I)の第1段階に使用する着色剤(a)、カ
ルボキシル基を有し、中和によって自己水分散性を示す
ポリエステル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウ
レア結合を有し、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆
体となるポリイソシアネート化合物(c1)及び塩基
性中和剤(d)からなる混合物中に、他の樹脂や添加剤
を混合することもできる。
【0063】本発明の請求項8記載の球形トナーの製造
方法(II)の第1段階に使用する着色剤(a)、カ
ルボキシル基を有し、中和によって自己水分散性を示す
ポリエステル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウ
レア結合を有し、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆
体となるポリイソシアネート化合物(c1)、塩基性
中和剤(d)及び有機溶剤からなる混合物中に、他の
樹脂や添加剤を混合することもできる。
【0064】本発明の請求項12記載の球形トナーの製
造方法(III) の第1段階に使用する着色剤(a)、
カルボキシル基を有し、中和によって自己水分散性を
示すポリエステル樹脂(b)及び有機溶剤からなる混
合物中に、他の樹脂や添加剤を混合することもできる。
【0065】上記製造方法(I)〜(II)の第1段階及
び上記製造方法(III) の第2段階に使用する水媒体中
に、転相乳化を阻害しない範囲で、水溶性の有機溶剤、
無機塩、有機塩などを加えることもできる。
【0066】上記製造方法(I)〜(III) における水
媒体中に転相乳化させる方法としては、乳化剤や保護コ
ロイドなどの分散安定剤を使用して水性媒体中に分散さ
せる方法でも良いが、ポリエステル樹脂(b)に親水性
となる官能基を導入して、自己水分散性を付与した上
で、水性媒体中に分散させる方法が好ましく、中でも特
に、中和によって親水性が増加する官能基であるカルボ
キシル基を有する樹脂を、塩基性化合物で中和して樹脂
が水性媒体中に安定に分散し得る程度の親水性を与える
方法が、帯電安定性や環境安定性に問題が少なく、特に
乳化剤等を用いた場合に煩雑になる洗浄工程が簡略化で
きるので、好ましい。
【0067】従って、本発明の球形トナーの製造方法
(I)〜(III) におけるポリエステル樹脂(b)、ポ
リイソシアネート化合物(c1)及び塩基性中和剤
(d)を含有する混合物に対してせん断力を加えなが
ら、徐々に水媒体を加える方法が好ましい。
【0068】本発明の球形トナーの製造方法(I)〜
(II)における第2工程ならびに製造方法(III)にお
ける第3工程は、 水媒体中で、ポリアミン化合物(f
1)を架橋剤として添加し、実質的にアミノ基とイソシ
アネート基とを反応させて架橋させて得た生成物を水媒
体から分離するものである。
【0069】このポリアミン化合物(f1)の添加時期
は、このポリアミン化合物(f1)とイソシアネートと
の反応は非常に速やかに起こるものであるから、転相乳
化を行った後で、粒子の懸濁した水媒体中に加えるのが
好ましいが、転相乳化に悪影響を与えない範囲内で、転
相乳化を行う前に部分的に加えることもできる。
【0070】また、このポリアミン化合物(f1)を添
加する方法は、水などの適当な媒体に添加・希釈して加
える方法であっても、そのままニートで加える方法であ
っても良い。
【0071】これらの架橋反応は、室温で進むため、常
温で放置することによって達成できるが、反応を速めた
い場合には、加熱することも可能である。
【0072】このようなウレア結合を有するTHFに不
溶な架橋ゲル(c)は、ポリオール(f2)を用いたウ
レタン結合単独による架橋ゲル(c)と比較して、反応
が速やかに進行するので、架橋剤(f)を転相乳化後に
加えることができ、架橋剤(f)や、部分的に生成した
THFに不溶な架橋ゲル(c)が、転相乳化挙動に悪影
響を及ぼさないので、より優れた方法であるということ
ができる。
【0073】本発明の請求項16に記載の球形トナーの
製造方法(IV)は、着色剤(a)、ポリエステル樹脂
(b)及び有機溶剤(e)を公知の方法で十分に混練
し、次いで、これにTHFに不溶な架橋ゲル(c)の前
駆体となるポリイソシアネート化合物(c1)、ポリオ
ール(f2)及び塩基性中和剤(d)を加えた後、水媒
体中に転相乳化させ(第1工程)、架橋を行い、水媒体
から分離する(第2工程)方法である。
【0074】この製造方法(IV)においても、前記した
製造方法(I)〜(III) と同様に、発明の効果を阻害
しない範囲で、着色剤(a)やポリエステル樹脂(b)
を混練する際に、他の樹脂や添加剤を混合して粒子中に
取り込ませることもできる。また、水媒体中に、転相乳
化を阻害しない範囲で、水溶性の有機溶剤、無機塩、有
機塩などを加えることもできる。
【0075】製造方法(IV)の第1工程における水性媒
体中で転相乳化させる方法としては、乳化剤や保護コロ
イドなどの分散安定剤を使用して水媒体中に分散させる
方法でも良いが、ポリエステル樹脂(b)に親水性とな
る官能基を導入して、自己水分散性を付与した上で、水
性媒体中に分散させる方法が好ましく、中でも特に、中
和によって親水性が増加する官能基であるカルボキシル
基を有する樹脂を、塩基性化合物で中和して樹脂が水性
媒体中に安定に分散し得る程度の親水性を与える方法
が、帯電安定性や環境安定性に問題が少なく、特に乳化
剤等を用いた場合に煩雑になる洗浄工程が簡略化できる
ので、好ましい。
【0076】従って、製造方法(IV)の第1工程におけ
る転相乳化の方法は、着色剤(a)、ポリエステル樹脂
(b)、THFに不溶な架橋ゲル(c)の前駆体となる
ポリイソシアネート化合物(c1)、塩基性中和剤
(d)、有機溶剤(e)及びポリオール(f2)を含有
する混合物に対して、せん断力を加えながら、徐々に水
媒体を加える方法が好ましい。
【0077】製造方法(IV)で使用するポリオール(f
2)は、カルボキシル基を有しているものであっても、
カルボキシル基を有していないものでもあっても良い
が、ポリオール(f2)が反応する前に水媒体中に溶出
しない方が望ましいので、ポリオール(f2)は疎水性
のものがより好ましい。
【0078】架橋反応は、室温でも進行させることはで
きるが、実用的な速さで架橋反応を進行させたい場合に
は、加熱して加速することが好ましい。
【0079】また、架橋剤(f)としてポリオール(f
2)を用いる場合には、ポリイソシアネート化合物(c
1)とポリオール(f2)との反応を速めるために、触
媒を用いることも好ましい。そのような目的で使用する
触媒としては、通常のウレタン結合生成を触媒する化合
物ならばどのようなものも用いることができ、例えば、
オクタン酸錫、酸化錫、塩化錫の如き2価の錫化合物;
ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジオクトエート、ジブ
チル錫ジクロリド、ジブチル錫ジラウレートの如き4価
の錫化合物、などが挙げられる。
【0080】本発明の球形トナーには、帯電性を制御す
る目的で、正および負のいずれの電荷制御剤を添加する
こともできる。
【0081】正の電荷制御剤の市販品としては、例え
ば、「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックB
S」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−0
1」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−0
9」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント化学
工業(株)製)、「ボントロンP−51」(オリエント
化学工業(株)製);「コピー チャージ(COPY CHARG
E) PX VP435」(ヘキスト社製)、「AFP−B」(オ
リエント化学工業(株)製)、「PLZ−2001」、
「PLZ−8001」(以上、四国化成(株)製)、な
どが挙げられる。
【0082】また、負の電荷制御剤の市販品としては、
例えば、「バリファーストブラック3804」、「ボン
トロンS−31」(以上、オリエント化学工業(株)
製)、「T−77」(保土谷化学工業(株)製)、「ボ
ントロンS−32」、「ボントロンS−34」、「ボン
トロンS−36」(以上、オリエント化学工業(株)
製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化
学工業(株)製)、「ボントロンE−81」、「ボント
ロンE−82」、「ボントロンE−84」、「ボントロ
ンE−85」(以上、オリエント化学工業(株)製)、
「コピー チャージ(COPY CHARGE) NX VP434」(ヘキ
スト社製)、「LR−147」(日本カーリット(株)
製)、などが挙げられる。
【0083】電荷制御剤を添加する場合の使用割合は、
樹脂成分の100重量部に対して0.1〜8.0重量部
の範囲が好ましく、0.2〜5.0重量部の範囲が特に
好ましい。
【0084】本発明の球形トナーの製造方法は、樹脂の
中和度、有機溶剤の量、転相乳化の際の攪拌速度や攪拌
方法を調節することにより、小さい動力で、粒径分布が
狭く、小粒径の球形トナー粒子が容易に製造できるとい
う特長を有する。
【0085】また、本発明のトナーの製造方法によれ
ば、球形度が極めて高いトナー粒子を得ることができ
る。本発明の製造方法によれば、以下の式で表わされる
円形度を算出し、その平均値である平均円形度が0.9
7以上の実質的に真球のトナー粒子を得ることができ
る。
【0086】
【数2】
【0087】なお、この円形度は、東亜医用電子(株)
製フロー式粒子像分析装置FPIPー1000等を用い
て測定するのが簡便であり、本発明に於いてもこの方法
を用いている。
【0088】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、低温定着と耐ホットオフセット性を両立させた、粒
径分布の狭い、小粒径かつ球形のポリエステル系トナー
を得ることができる。
【0089】
【実施例】以下、製造例、参考例、実施例及び比較例に
より、本発明を更に詳細に説明する。以下の例におい
て、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、重量基
準で表わすものである。
【0090】なお、作成したトナー原体の処理は、特に
断りがない限り、以下のような方法で処理・評価を行っ
た。
【0091】<現像剤の作製>各実施例及び各比較例で
得た各黒色トナー50部に、疎水性シリカ粉末(日本ア
エロジル(株)の「アエロジルR972」)0.25部
を配合した後、サンプルミルを用いて外添処理を行っ
た。このように外添処理して得たトナーに、トナー濃度
が5%となるように、パウダーテック(株)社製のキャ
リア「F96C100−1020」を加えて混合して、
2成分系現像剤を調製した。
【0092】<定着試験>市販の複写機(リコー社製の
「イマジオ(IMAGIO)MF530」)の改造機を用いて
未定着画像を形成し、同機の定着装置を改造したものを
オイルを塗布せずに使用し、紙送り速度を120mm/秒
に制御した上で、熱ロールの表面温度を5℃刻みで90
〜200℃に変化させて定着温度を調べた。
【0093】この定着性の判定は、トナー画像上に住友
スリーエム(株)製の「スコッチ(Scotch)メンディン
グテープ」をのせ、これに100g/cm2の荷重をか
けた後、ゆっくりと引き剥がし、その画像濃度(以下、
ID値と略する)の変化をアメリカ国マクベス社画像濃
度測定装置RD918を用いて測定した。
【0094】・定着温度 ID値が1.5〜1.6の画像を用い、「スコッチ(Sc
otch)メンディングテープ」剥離試験を実施する前後の
ID値の比が90%以上となる熱ロールの最低温度を以
て評価した。
【0095】・ホットオフセット発生温度 ホットオフセットが発生する熱ロールの最低温度で評価
した。
【0096】・定着巾 定着開始からホットオフセットが発生するまでの定着可
能な熱ロールの温度範囲で示した。
【0097】<耐熱保存安定性>耐熱保存安定性の評価
は「アエロジルR−972」を外添したトナー5gを5
0ccガラス製サンプル瓶にいれ、50℃で7日間放置
し、室温に戻した後の粒子の凝集度合いで判定した。5
は変化なし、4は少し触れると崩れる、3は少し力を入
れると崩れる、2はかなり力を入れると崩れる、1は固
化を意味し、3以上を合格とした。
【0098】<THF可溶分の測定>THF可溶分の測
定は、THFを用いてソクスレー抽出を24時間行な
い、その結果、抽出される量から測定したものである。
【0099】<粒径及び粒径分布の測定>粒径及び粒径
分布の測定は、株式会社日科機製のコールターカウンタ
ーを用いて行った。ここで、Dnは数平均粒径を、Dv
は体積平均粒径をそれぞれ示している。
【0100】<合成例1>[カルボキシル基を有しない
「ポリイソシアネート化合物(c1)」の合成] 温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置及び還流冷却器を備
えた容量3リットルのフラスコに、「プラクセル21
2」(ダイセル化学社製のMn=1250のカプロラク
トンジオール)625部(0.5モル部)及びイソホロ
ンジイソシアネート333部(1.5モル部)を仕込
み、80〜110℃の範囲の温度に制御しながら、1時
間反応させた後、80℃で、さらに1,3−プロパンジ
オールを38部(0.5モル部)及び、ジブチル錫ジラ
ウレート0.1部を加え、反応を続けた。これに対して
1時間毎に、酢酸エチルを200部、200部及び10
0部の順に添加し、さらに2時間反応を続けた。反応混
合物にさらに酢酸エチルを加えて、不揮発成分を67%
に調整した。以下、このようにして得たポリイソシアネ
ート化合物の溶液を、「UPP0」と省略する。
【0101】<合成例2>[カルボキシル基を有する
「ポリイソシアネート化合物(c1)」の合成] 合成例1において、1,3−プロパンジオール38部
(0.5モル部)に代えて、ジメチロールプロピオン酸
67部(0.5モル部)を用いる他は合成例1と全く同
様にして、不揮発成分67%の溶液を調製した。以下、
このようにして得たポリイソシアネート化合物の溶液
を、「UPP1」と省略する。
【0102】合成例1〜2で調製した「ポリイソシアネ
ート化合物」及び大日本インキ化学工業製のポリイソシ
アネート化合物「DN980」(ヘキサメチレンジイソ
シアネートの部分的イソシアヌレート3量体の75%酢
酸エチル溶液)の酸価、イソシアネート価、及び数平均
分子量を表1にまとめて示した。但し、ここで酸価は固
形樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの重量
をmg単位で表したもの、イソシアネート価は固形又はバ
ルクの樹脂中に含まれるイソシアネート基の重量%で示
したもの、数平均分子量は重量比50%のメタノールと
1日反応させたものをTHFで希釈し、GPCで測定し
た結果である。
【0103】
【表1】
【0104】<合成例3>攪拌機、温度計、窒素ガス導
入管及び分留管を備えたフラスコに、テレフタル酸43
4部(2.61モル部)、イソフタル酸289部(1.
74モル部)、ネオペンチルグリコール417部(4.
01モル部)、ペンタエリスリトール0.2部(1.4
7ミリモル部)及びジブチル錫オキシド4部を仕込み、
窒素ガス気流下、加熱攪拌しながら240℃にて脱水縮
合反応を行った。その際、原料モノマーが留出しないよ
う注意を払い、もし留出したときは留出分を補填して、
仕込み組成比通りの樹脂組成となるよう調整した。酸価
が32mgKOH/gとなるまで反応させた後、窒素ガス
を停止して攪拌しながら160℃まで冷却した。分留管
をジムロート管に交換して、更に冷却しながらメチルエ
チルケトン5455部をジムロート管の上部から徐々に
加え、室温まで冷却して、本発明のポリエステル樹脂の
不揮発分60%のメチルエチルケトン溶液を得た。GP
Cによる重量平均分子量は12000であった。
【0105】<合成例4>合成例3において、原料とし
て、テレフタル酸325重量部(1.96モル部)、イ
ソフタル酸320重量部(1.93モル部)、エチレン
グリコール72重量部(1.16モル部)、ネオペンチ
ルグリコール283重量部(2.72モル部)及びジブ
チル錫オキシド4部を用いた以外は、合成例3と同様に
して、不揮発分60%、酸価14mgKOH/g、水酸基
価14mgKOH/gのポリエステル樹脂のメチルエチル
ケトン溶液を得た。このポリエステル樹脂のGPCによ
る重量平均分子量は11000であった。
【0106】<合成例5>[合計酸基含有量が樹脂10
0gあたり5mgKOH/g以下の例] 合成例3において、原料として、シクロヘキサンジメタ
ノール576部(4.0モル部)、ビスフェノールAエ
チレンオキサイド2.2モル付加物1950部(6.0
モル部)、テレフタル酸1411部(8.5モル部)及
びジブチル錫オキシド4部を用いた以外は、合成例3と
同様にして、不揮発分60%、酸価3mgKOH/gのポ
リエステル樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。この
ポリエステル樹脂のGPCによる重量平均分子量は94
00であった。
【0107】<合成例6>[カルボキシル基を有しない
「ポリイソシアネート化合物(c1)」の合成] 温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置及び還流冷却器を備
えた容量3リットルのフラスコに、「プラクセル21
2」(ダイセル化学社製のMn=1250のカプロラク
トンジオール)625部(0.5モル部)及びイソホロ
ンジイソシアネート222部(1.0モル部)を仕込
み、80〜110℃の範囲の温度に制御しながら、3時
間反応させた。以下、このようにして得たポリイソシア
ネート化合物を、「UPP2」と省略する。
【0108】<合成例7>[比較例5に用いるポリエス
テル樹脂の合成例] 還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び
攪拌装置を設けた容量5リットル4口フラスコに、ビス
フェノールA−プロピレンオキシド1.9量体付加物2
064部、ネオペンチルグリコール353.6部及びト
リメチロールプロパン80.4部を仕込み、フラスコ内
に窒素を導入しながら220〜240℃で脱水縮重合を
行った。酸価が0.7mgKOH/gになったところで反
応を終了させて、ポリエステル樹脂を得た。この樹脂の
水酸基価は49.6mgKOH/gであった。
【0109】<合成例8>[比較例5に用いるポリエス
テル樹脂の合成例] 合成例7において、原料として、ビスフェノールA−プ
ロピレンオキシド1.9量体付加物3440部及びイソ
フタル酸1931部を用いた以外は、合成例7と同様に
して、酸価が34mgKOH/gになるまで反応させた。
この樹脂の水酸基価は1.9mgKOH/gであった
【0110】<合成例9>[合成例7及び8で得たポリ
エステル樹脂を用いたポリエステルウレタン樹脂組成物
の合成例] 合成例7で得たポリエステル樹脂40部と合成例8で得
たポリエステル樹脂10部とをそれぞれ0.5〜1mmの
粒径に粉砕した後、ヘンシェルミキサーで予備混合をし
た。これを2軸押出機((株)栗本鉄鋼製KRC S
1)を用いて、次のようにしてウレタン変性した。押し
出し条件としては、樹脂温度が150℃となるように押
出機シリンダー温度を設定し、スクリュー回転速度を樹
脂の平均滞留時間が20分となるように、また樹脂のフ
ィード量が5kg/時間となるように調整した。ウレタ
ン変性は、予備混合した樹脂を定量フィーダーを用いて
押出機に所定の流量で連続的に供給・溶融混練し、押出
機に設けた第一ベント口よりトルイレンジイソシアネー
トを供給量が62.8g/時間となるように定量ポンプ
を用いて供給した。得られたバインダー樹脂を冷却し、
粗砕した。
【0111】<参考例1>[ミルベースの調製法] 合成例3で得たポリエステル樹脂の不揮発分60%のメ
チルエチルケトン溶液900部及び「エルフテックス
(ELFTEX)8」(米国キャボット社のカーボンブ
ラック)60部を、「アイガーモーターミル M−25
0」(アイガージャパン株式会社製の顔料分散機)を使
用して、1時間混練した。このようにして得た混練物に
メチルエチルケトンを加えて、170℃のオーブン中に
20分間放置したときの不揮発分が50%になるように
調製してミルベースを作製した。このミルベースの樹脂
固形分/顔料(カーボンブラック)の比は、計算上、9
0/10となる。
【0112】<参考例2>[ミルベースの調製法] 参考例1において、合成例3で得たポリエステル樹脂に
代えて、合成例4で得たポリエステル樹脂を用いた以外
は、参考例1と同様にして、不揮発分50%のミルベー
スを調製した。このミルベースの樹脂固形分/顔料(カ
ーボンブラック)の比は、計算上、90/10となる。
【0113】<参考例3>[ミルベースの調製法] 参考例1において、合成例3で得たポリエステル樹脂に
代えて、合成例9で得たポリエステル樹脂を用いた以外
は、参考例1と全く同様にして、不揮発分50%のミル
ベースを調製した。このミルベースの樹脂固形分/顔料
(カーボンブラック)の比は、計算上、90/10とな
る。
【0114】<実施例1>[架橋剤にポリアミンを用い
たトナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.75
部含有)に、メチルエチルケトン4.68部、イソプロ
パノール3.65部、合成例2で得たUPP1/酢酸エ
チル溶液1.27部(有効固形分0.85部含有)「D
N980」/酢酸エチル溶液0.94部(有効固形分
0.63部)及び1N水酸化ナトリウム水溶液3.23
部を加えた。この添加量の時、全カルボキシル基に対す
る中和率は、74モル%であった。この混合物を、スリ
ーワンモーターを用いて350rpmにて5分間攪拌し
た後、同速度で攪拌させながら、イオン交換水50部を
10分かけて、徐々に滴下して、転相させた。これをさ
らに350rpmで攪拌しながら60分間保持した後、
イオン交換水600部を加えた。
【0115】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、ジエチレントリア
ミン0.14部及びイオン交換水500部から成る溶液
を攪拌しながら加えて、12時間静置した。残存してい
るイソシアネート基に対する1級アミノ基及び2級アミ
ノ基の和の割合は97%であった。さらに、これを22
μのメッシュの金網で濾過して規格外の大粒子を濾別し
た後、濾紙で濾過した。濾別したケーキにイオン交換水
500部を加え、更に攪拌しながら1規定塩酸にてpH
を2〜3の範囲に調整した後、濾過して得られた残渣を
イオン交換水500部で洗浄した。濾過後のケーキを凍
結乾燥させてトナー原体を得た。このようにして得たト
ナー原体の円形度は、0.98であった。このトナー原
体をTHFに浸漬したところ、その球形の形状は保持さ
れたままであった
【0116】<比較例1>[結着樹脂がポリエステル樹
脂単独のトナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部含有)、メチルエチルケトン2.18部、イソプロ
パノール3.65部及び1N水酸化ナトリウム水溶液
3.13部を加えた。この時、全カルボキシル基の中和
率は、79%であった。スリーワンモーターを用いて3
50rpmにて5分間攪拌した後、同速度で攪拌しなが
ら、イオン交換水50部を10分かけて、徐々に滴下し
て、転相させた。これをさらに350rpmで攪拌しな
がら60分間保持した後、イオン交換水600部を加え
た。
【0117】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った。さらにこれを22μ
のメッシュの金網で濾過して規格外の大粒子を濾別した
後、濾紙で濾過した。濾別したケーキにイオン交換水5
00部を加え、更に攪拌しながら1規定塩酸にてpHを
2〜3の範囲に調整した後、濾過して得られた残渣をイ
オン交換水500部で洗浄した。濾過後のケーキを凍結
乾燥させてトナー原体を得た。このようにして得たトナ
ー原体の円形度は、0.97であった。このトナー原体
をテトラヒドロフランに浸漬したところ、カーボンブラ
ック以外は全て溶解し、残存する樹脂はなかった。
【0118】<実施例2>[ポリイソシアネート化合物
がカルボキシル基を有さず、架橋剤がポリアミンである
トナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部含有)、メチルエチルケトン3.25部、イソプロ
パノール4.00部、合成例1で得たUPP0/酢酸エ
チル溶液1.29部、「DN980」/酢酸エチル溶液
0.94部及び1N水酸化ナトリウム水溶液3.2部
を加えた。この添加量の時、全カルボキシル基に対する
中和率は、81.1%であった。この混合物をスリーワ
ンモーターを用いて350rpmにて5分間攪拌した
後、同速度で攪拌しながら、イオン交換水50部を10
分かけて、徐々に滴下して、転相させた。これをさらに
350rpmで攪拌しながら60分間保持した後、イオ
ン交換水600部を加えた。
【0119】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、トリエチレンテト
ラミン0.15部及びイオン交換水500部から成る溶
液を攪拌しながら加え、12時間静置した。残存してい
るイソシアネート基に対する1級アミノ基及び2級アミ
ノ基の和の割合は、97.3モル%であった。これを2
2μのメッシュの金網で濾過することによって、規格外
の大粒子を濾別した後、濾紙で濾過した。濾別したケー
キにイオン交換水500部を加え、更に攪拌しながら1
規定塩酸にてpHを2〜3の範囲に調整した後、濾過し
て得られた残渣をイオン交換水500部で洗浄した。濾
過後のケーキを凍結乾燥させてトナー原体を得た。この
ようにして得たトナー原体の円形度は0.97であっ
た。このトナー原体をテトラヒドロフランに浸漬したと
ころその球形の形状は保たれたままであった
【0120】<実施例3>[ポリイソシアネート化合物
がカルボキシル基を有するジイソシアネートでポリアミ
ンが4官能であるトナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部含有)、メチルエチルケトン1.0部、合成例2で
得たUPP1/酢酸エチル溶液1.30部、ヘキサメチ
レンジイソシアネート0.94部及び1N水酸化ナトリ
ウム水溶液3.2部を加えた。この添加量の時、全カル
ボキシル基に対する中和率は、81%であった。この混
合物をスリーワンモーターを用いて350rpmにて5
分間攪拌した後、同速度で攪拌しながら、イオン交換水
50部を10分かけて、徐々に滴下して、転相させた。
これをさらに350rpmで攪拌しながら60分間保持
した後、イオン交換水600部を加えた。
【0121】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、トリエチレンテト
ラミン0.62部及びイオン交換水500部から成る溶
液を攪拌しながら加え、12時間静置した。残存してい
るイソシアネート基に対する1級アミノ基及び2級アミ
ノ基の和の割合は、97モル%であった。これを22μ
のメッシュの金網で濾過することによって、規格外の大
粒子を濾別した後、濾紙で濾過した。濾別したケーキに
イオン交換水500部を加え、更に攪拌しながら1規定
塩酸にてpHを2〜3の範囲に調整した後、濾過して得
られた残渣をイオン交換水500部で洗浄した。濾過後
のケーキを凍結乾燥させてトナー原体を得た。このよう
にして得たトナー原体の円形度は0.97であった。こ
のトナー原体をTHFに浸漬したところその球形の形状
は保たれたままであった
【0122】<実施例4>[架橋剤にジアミンを用いた
トナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.75
部含有)、メチルエチルケトン3.25部、合成例2で
得たUPP1/酢酸エチル溶液1.29部(有効固形分
0.86部含有)「DN980」/酢酸エチル溶液0.
94部(有効固形分0.705部)及び1N水酸化ナト
リウム水溶液3.23部を加えた。この添加量の時、全
カルボキシル基に対する中和率は、81モル%であっ
た。この混合物を、スリーワンモーターを用いて350
rpmにて5分間攪拌した後、同速度で攪拌させなが
ら、イオン交換水50部を10分かけて、徐々に滴下し
て、転相させた。これをさらに350rpmで攪拌しな
がら60分間保持した後、イオン交換水600部を加え
た。
【0123】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、エチレンジアミン
0.13部及びイオン交換水500部から成る溶液を攪
拌しながら加えて、12時間静置した。残存しているイ
ソシアネート基に対する1級アミノ基及び2級アミノ基
の和の割合は97%であった。さらにこれを22μのメ
ッシュの金網で濾過して規格外の大粒子を濾別した後、
濾紙で濾過した。濾別したケーキにイオン交換水500
部を加え、更に攪拌しながら1規定塩酸にてpHを2〜
3の範囲に調整した後、濾過して得られた残渣をイオン
交換水500部で洗浄した。濾過後のケーキを凍結乾燥
させてトナー原体を得た。このようにして得たトナー原
体の円形度は、0.98であった。このトナー原体をT
HFに浸漬したところ、その球形の形状は保持されたま
まであった。
【0124】<実施例5>[架橋剤にポリアミンを用い
たトナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.75
部含有)、メチルエチルケトン4.68部、イソプロパ
ノール3.65部、合成例2で得たUPP1/酢酸エチ
ル溶液1.27部(有効固形分0.85部含有)「DN
980」/酢酸エチル溶液0.94部(有効固形分0.
63部)及び1N水酸化ナトリウム水溶液3.23部を
加えた。この添加量の時、全カルボキシル基に対する中
和率は、74モル%であった。この混合物を、スリーワ
ンモーターを用いて350rpmにて5分間攪拌した
後、同速度で攪拌させながら、イオン交換水50部を1
0分かけて、徐々に滴下して、転相させた。これをさら
に350rpmで攪拌しながら60分間保持した後、イ
オン交換水600部を加え、さらにジエチレントリアミ
ン0.14部及びイオン交換水500部から成る溶液を
攪拌しながら加えた。残存しているイソシアネート基に
対する1級アミノ基及び2級アミノ基の和の割合は97
%であった。
【0125】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、12時間静置し
た。さらにこれを22μのメッシュの金網で濾過して規
格外の大粒子を濾別した後、濾紙で濾過した。濾別した
ケーキにイオン交換水500部を加え、更に攪拌しなが
ら1規定塩酸にてpHを2〜3の範囲に調整した後、濾
過して得られた残渣をイオン交換水500部で洗浄し
た。濾過後のケーキを凍結乾燥させてトナー原体を得
た。このようにして得たトナー原体の円形度は、0.9
8であった。このトナー原体をTHFに浸漬したとこ
ろ、その球形の形状は保持されたままであった
【0126】<比較例2>[全樹脂成分がTHFに不溶
な架橋ゲル成分になっているトナー原体の例] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例2で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部を含有)、メチルエチルケトン3.25部、ヘキサ
メチレンジイソシアネート0.71部及びジブチル錫ジ
ラウレート0.1部を加えた後、50℃で50分間、攪
拌を続けた。内容物の温度を室温に戻し、合成例2で得
たUPP1/酢酸エチル溶液1.30部、1N水酸化ナ
トリウム水溶液 1.70部を加えた後、スリーワンモ
ーターを用いて350rpmにて5分間攪拌した。この
時、全カルボキシル基に対する中和率は81.0モル%
であった。これを同速度で攪拌させながら、イオン交換
水50部を10分かけて、徐々に滴下して、転相させ
た。これをさらに350rpmで攪拌しながら60分間
保持した後、イオン交換水600部を加えた。
【0127】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、ジエチレントリア
ミン0.1部、エチレンジアミン0.15部及びイオン
交換水500部から成る溶液を攪拌しながら加えて、1
2時間静置した。この時、全イソシアネート基に対する
1級及び2級アミンの和は96.7%であった。さらに
これを22μのメッシュの金網で濾過して規格外の大粒
子を濾別した後、濾紙で濾過した。濾別したケーキにイ
オン交換水500部を加え、更に攪拌しながら1規定塩
酸にてpHを2〜3の範囲に調整した後、濾過して得ら
れた残渣をイオン交換水500部で洗浄した。濾過後の
ケーキを凍結乾燥させてトナー原体を得た。このように
して得たトナー原体の円形度は0.97であった。この
トナー原体をTHFに浸漬したところ、その球形の形状
は保たれたままであった
【0128】<比較例3>[架橋ゲルの構成要素である
べきポリアミンもポリイソシアネート化合物も2官能で
あるトナー原体の例] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部を含有)、メチルエチルケトン3.25部、イソプ
ロパノール4.30部、合成例2で得たUPP1/酢酸
エチル溶液1.30部及び1N水酸化ナトリウム水溶液
3.50部を加えた後、スリーワンモーターを用いて3
50rpmにて5分間攪拌した。この時、全カルボキシ
ル基に対する中和率は80.1%であった。この混合物
に、同速度で攪拌させながらイオン交換水50部を10
分かけて、徐々に滴下して、転相させた。これをさらに
350rpmで攪拌しながら60分間保持した後、イオ
ン交換水600部を加えた。
【0129】(第2工程)第1工程で得た転相乳化物か
ら減圧蒸留により脱溶剤を行った後、エチレンジアミン
0.03部及びイオン交換水500部から成る溶液を加
え、12時間放置した。この時、残存イソシアネート基
に対する1級アミノ基の比は、78.8モル%であっ
た。これを22μのメッシュの金網で濾過することによ
って、規格外の大粒子を濾別した後、濾紙で濾過した。
濾別したケーキにイオン交換水500部を加え、更に攪
拌しながら1規定塩酸にてpHを2〜3の範囲に調整し
た後、濾過して得られた残渣をイオン交換水500部で
洗浄した。濾過後のケーキを凍結乾燥させてトナー原体
を得た。このようにして生成したトナー原体の円形度は
0.97であった。このトナー原体をTHFに浸漬した
ところ、カーボンブラック以外は全て溶解してしまい、
顕微鏡観察の結果、樹脂成分は全く見当たらなかった。
【0130】<比較例4>[酸価の低いポリエステル樹
脂を用いて製造した円形度が低いトナー原体の例] 合成例5で得たポリエステル樹脂:75.2部及び合成
例6で得たウレタン変性ポリエステル樹脂UPP2:1
8.8部を粗粉砕機で粒径0.5〜2mmに粗粉砕した
後、このようにして得た樹脂粗粒子94部に対して、カ
ーボンブラック(米国キャボット社製、エルフテックス
(elftex)8)6部を混合し、ヘンシェルミキサ
ーにて分散混合した後、2軸混合機で混練し、塊状のト
ナー樹脂組成物を得た。この組成物を粗粉砕した後、微
粉砕機(日本ニューマチック社製、I式ミル)にて微粉
砕し、次いで分級して重量平均粒径6μのトナー粒子を
得た。このトナーを大気中に放置して水蒸気と架橋反応
させた。このトナー粒子の円形度は0.65であった。
【0131】<比較例5>[結着樹脂がウレタン結合を
含むポリエステル樹脂組成物のトナー原体の製造] (第1工程)容量500ミリリットルの丸底セパラブル
フラスコに、参考例1で得たミルベース14.9部(ポ
リエステル樹脂6.71部、カーボンブラック0.74
5部含有)に対して、メチルエチルケトン2.18部、
イソプロパノール3.65部及び1N水酸化ナトリウム
水溶液0.98部を加えた。この時、全カルボキシル基
の中和率は、80%であった。スリーワンモーターを用
いて350rpmにて5分間攪拌した後、同速度で攪拌
しながら、イオン交換水50部を10分かけて、徐々に
滴下したが、転相させることはできなかった。
【0132】各実施例及び各比較例で調製したトナーの
性質を以下の表にまとめてに示した。以下の表の「定着
温度範囲」の欄において、下限は定着開始温度、上限は
ホットオフセットが開始する温度で示した。
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】また、THFでソクスレー抽出した後の抽
出残渣は実施例1〜5及び比較例2では球形を保ってい
たが、比較例1及び比較例3では殆ど原型をとどめず、
カーボンブラック以外の残渣は殆ど見あたらなかった。
【0136】上表に示した結果から、実施例1〜5で得
られたトナーは、保存安定性も良く、定着温度範囲も満
足できるものであった。
【0137】一方、架橋を行っていないポリエステル単
独樹脂を用いた比較例1のトナーでは、定着開始温度は
低いものの、定着温度範囲が極めて狭く、オフセット現
象が定着開始温度ですぐに始まっており、黒トナーとし
ての実用性はないものであることが明らかである。ま
た、ポリエステル樹脂(b)が架橋剤(f)と反応した
樹脂を用いた比較例2のトナーは、定着温度範囲はある
程度確保されているものの、低温定着性に劣り、現存す
るトナーと比較して魅力に乏しいものであることが明ら
かである。さらに、ポリイソシアネート化合物(c1)
も架橋剤(f)も2官能性のものから成る架橋重合体を
含む樹脂を用いた比較例3のトナーは、特に耐ホットオ
フセット性が劣るものであることが明らかである。さら
にまた、比較例4に示したように円形度の低いトナー
は、定着開始温度が高い上に、定着温度範囲が狭く、性
能が劣っていることは明らかである。
【0138】
【発明の効果】本発明のトナーは、ポリエステル系樹脂
を用いた低温定着と耐オフセット性が両立した小粒径か
つ球形のものである。また、本発明のトナーの製造方法
によれば、ポリエステル系樹脂を用い、低温定着と耐オ
フセット性が両立し、小粒径かつ球形のトナーを容易に
製造することができる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)着色剤(a)と、(2)(2−
    1)ポリエステル樹脂(b)及び(2−2)該ポリエス
    テル樹脂(b)とは別の樹脂であって、テトラヒドロフ
    ランに不溶な架橋ゲル(c)を含有する結着樹脂とから
    なるトナーにおいて、 テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)がポリウレ
    タンウレア樹脂であることを特徴とする球形トナー。
  2. 【請求項2】 トナー粒子の下記式で表わされる円形度
    の平均値が0.97以上である請求項1記載の球形トナ
    ー。 【数1】
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(b)の酸価が5〜1
    50の範囲にあり、かつ、テトラヒドロフランに不溶な
    架橋ゲル(c)の前駆体であるポリイソシアネート化合
    物(c1)の酸価が5〜150の範囲にある請求項1記
    載の球形トナー。
  4. 【請求項4】 (1)着色剤(a)、カルボキシル
    基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエステ
    ル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結合を
    有し、テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)の前
    駆体となるポリイソシアネート化合物(c1)及び塩
    基性中和剤(d)からなる混合物を、溶剤の存在下又は
    非存在下に、水媒体中に分散させて水分散体を得る第1
    工程、及び(2)第1工程で得た水分散体に、イソシア
    ネート基と反応する架橋剤(f)を加えて、ポリイソシ
    アネート化合物(c1)と反応させることにより、テト
    ラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を生成させた
    後、テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を含む
    転相乳化物を水媒体から分離してトナー粒子を得る第2
    工程からなることを特徴とする請求項1に記載の球形ト
    ナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリイソシアネート化合物(c1)がカ
    ルボキシル基を有する化合物である請求項4記載の球形
    トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 架橋剤(f)が、1分子中に1級アミノ
    基及び2級アミノ基をあわせて平均2個以上有するポリ
    アミン化合物(f1)である請求項4又は5記載の球形
    トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリアミン化合物(f1)の1分子当た
    りの1級アミノ基と2級アミノ基の個数の和とポリイソ
    シアネート化合物(c1)1分子当たりのイソシアネー
    ト基の数が、どちらも2以上であり、かつ双方又は片方
    が2を越えることを特徴とする請求項4、5又は6記載
    の球形トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 (1)着色剤(a)、カルボキシル
    基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエステ
    ル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結合を
    有し、テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)の前
    駆体となるポリイソシアネート化合物(c1)、塩基
    性中和剤(d)及び有機溶剤(e)からなる混合物を
    水媒体中に転相乳化させて転相乳化物を得る第1工程、
    及び(2)第1工程で得た転相乳化物に、イソシアネー
    ト基と反応する架橋剤(f)を加えて、ポリイソシアネ
    ート化合物(c1)と反応させることにより、テトラヒ
    ドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を生成させた後、テ
    トラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を含む転相乳
    化物を水媒体から分離してトナー粒子を得る第2工程か
    らなることを特徴とする請求項1記載の球形トナーの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 ポリイソシアネート化合物(c1)がカ
    ルボキシル基を有する化合物である請求項8記載の球形
    トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 架橋剤(f)が、1分子中に1級アミ
    ノ基及び2級アミノ基をあわせて平均2個以上有するポ
    リアミン化合物(f1)である請求項8又は9記載の球
    形トナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリアミン化合物(f1)の1分子当
    たりの1級アミノ基と2級アミノ基の個数の和とポリイ
    ソシアネート化合物(c1)1分子当たりのイソシアネ
    ート基の数が、どちらも2以上であり、かつ双方又は片
    方が2を越えることを特徴とする請求項8、9又は10
    記載の球形トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 (1)着色剤(a)及びカルボキ
    シル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエ
    ステル樹脂(b)からなる混合物を、有機溶剤(e)
    の存在下又は非存在下に混練して、混練物を得る第1工
    程、(2)第1工程で得た混練物に、ウレタン結合及び
    /又はウレア結合を有し、テトラヒドロフランに不溶な
    架橋ゲル(c)の前駆体となるポリイソシアネート化合
    物(c1)及び塩基性中和剤(d)を加えて、水媒体中
    に転相乳化させて転相乳化物を得る第2工程、及び
    (3)第2工程で得た転相乳化物にイソシアネート基と
    反応する架橋剤(f)を加えて、ポリイソシアネート化
    合物(c1)と反応させることにより、テトラヒドロフ
    ランに不溶な架橋ゲル(c)を生成させた後、テトラヒ
    ドロフランに不溶な架橋ゲル(c)を含む転相乳化物を
    水媒体から分離してトナー粒子を得る第3工程からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の球形トナーの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 ポリイソシアネート化合物(c1)が
    カルボキシル基を有する化合物である請求項12記載の
    球形トナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 架橋剤(f)が、1分子中に1級アミ
    ノ基及び2級アミノ基をあわせて平均2個以上有するポ
    リアミン化合物(f1)である請求項12又は13記載
    の球形トナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 ポリアミン化合物(f1)の1分子当
    たりの1級アミノ基と2級アミノ基の個数の和とポリイ
    ソシアネート化合物(c1)1分子当たりのイソシアネ
    ート基の数が、どちらも2以上であり、かつ双方又は片
    方が2を越えることを特徴とする請求項12、13又は
    14記載の球形トナーの製造方法。
  16. 【請求項16】 (1)着色剤(a)、カルボキシ
    ル基を有し、中和によって自己水分散性を示すポリエス
    テル樹脂(b)、ウレタン結合及び/又はウレア結合
    を有し、テトラヒドロフランに不溶な架橋ゲル(c)の
    前駆体となるポリイソシアネート化合物(c1)、塩
    基性中和剤(d)、有機溶剤(e)及び架橋剤
    (f)としてポリオール(f2)からなる混合物を水媒
    体中に転相乳化させて転相乳化物を得る第1工程、及び
    (2)転相乳化物中のポリイソシアネート化合物(c
    1)とポリオール(f2)とを架橋させてテトラヒドロ
    フランに不溶な架橋ゲル(c)を生成させた後、水媒体
    から分離してトナー粒子を得る第2工程からなることを
    特徴とする請求項1に記載された球形トナーの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 ポリイソシアネート化合物(c1)が
    カルボキシル基を有する化合物である請求項16記載の
    球形トナーの製造方法。
  18. 【請求項18】 ポリオール化合物(f2)の1分子当
    たりの水酸基の個数とポリイソシアネート化合物(c
    1)1分子当たりのイソシアネート基の数が、どちらも
    2以上であり、かつ、双方又は片方が2を越える請求項
    16又は17記載の球形トナーの製造方法。
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