JP2000192182A - 炭化珪素系複合材料およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素系複合材料およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱基板、特に半導体装置に有用な高い熱伝
導率のAl−SiC系またはCu−SiC系の炭化珪素
系複合材料を安価に提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたは銅を主成分とする金
属を第一成分とし、炭化珪素を主成分とする粒子を第二
成分とする炭化珪素系複合材料であって、空孔率が10
〜20%かつ熱伝導率が170W/m・K以上である炭
化珪素系複合材料。この材料は、第一成分と第二成分と
を含んだ原料を混合・成形し、成形体をアルミニウムま
たは銅を主成分とする金属の融点未満の温度下、雰囲気
圧力1×10-3Torr以下の真空中で加熱後、第一成
分の主成分金属の融点以上の温度で焼結することによっ
て得られる。特に成形は通常より低圧下で行うため、型
の寿命が長くなり従来より安価に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種装置・機器に
用いられる放熱基板、特に半導体装置の放熱基板に用い
られる高い熱伝導性を有する炭化珪素系複合材料および
それを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体装置の高速演算・高集積化に
対する市場の要求は急速に高まりつつある。それととも
に、同装置の半導体素子搭載用放熱基板には、同素子か
ら発生する熱をより一層効率良く逃がすため、その熱伝
導率のより一層の向上が求められてきた。さらに同素子
ならびに同基板に隣接配置された同装置内の他の部材
(周辺部材)との間の熱歪みをより一層小さくするため
に、より一層それらに近い熱膨張係数を有するものであ
ることも求められてきた。具体的には、半導体素子とし
て通常用いられるSi、GaAsの熱膨張係数がそれぞ
れ4.2×10-6/℃、6.5×10-6/℃であり、半
導体装置の外囲器材として通常用いられるアルミナセラ
ミックスのそれが6.5×10-6/℃程度であることか
ら、同基板の熱膨張係数はこれらの値に近いことが望ま
れる。
【0003】また近年のエレクトロニクス機器の応用範
囲の著しい拡張にともない、半導体装置の使用範囲はよ
り一層多様化しつつある。その中で、高出力の交流変換
機器・周波数変換機器等のいわゆる半導体パワーデバイ
ス機器への利用が増えつつある。これらのデバイスで
は、半導体素子からの発熱が半導体メモリーやマイクロ
プロセッサーに比べ数倍から数十倍(通常例えば数十W)
にも及ぶ。このためこれらの機器に使われる放熱基板
は、その熱伝導率を格段に向上させるとともに、その熱
膨張係数の周辺部材のそれとの整合性を高めることが重
要である。一方半導体メモリーやマイクロプロセッサー
のように、実用時に以上述べたパワーデバイスほど大き
な発熱を伴わない機器もある。このような機器は、多量
に製造されるためにパワーデバイス機器以上に安価なも
のが要求される。したがってこれに用いられる放熱基板
は、上記ほど高い放熱性は必要としないが、安価なもの
が要求される。このように機器の出力容量やその実用機
能レベルによって基板に要求される放熱性のレベルも千
差万別である。またそれぞれの機器での基板周辺の構造
によって、基板に要求される熱膨張係数の整合性の度合
いもまちまちである。
【0004】パワーデバイスの場合、通常の基本構造
は、例えば以下のようになっている。まずSi半導体素
子を第一の放熱基板である高熱伝導性の窒化アルミニウ
ム(以下単にAlNとも言う)セラミック基板上に載せ
る。次いでその第一の放熱基板の下に銅等のより高熱伝
導性の金属からなる第二の放熱基板を配置する。さらに
この第二の基板の下に、これを水冷または空冷可能な放
熱機構を配置する。以上のような構造によって外部に遅
滞なく熱を逃がす。したがって複雑な放熱構造とならざ
るを得ない。この構造においては、第一の放熱基板であ
るAlNセラミックスに170W/m・K程度のものを
用いるとすると、第二の放熱基板は、この第一の基板か
ら伝達された熱をその下の放熱機構に遅滞なく逃がす必
要がある。このため第二の基板としては、室温で少なく
とも200W/m・K以上の高い熱伝導率と第一の基板
との熱膨張係数の整合のため、10×10-6/℃以下、
特に8×10-6/℃以下の低い熱膨張係数を有するもの
が要求される。
【0005】特にパワーデバイスの内でも実用時の発熱
量の大きなものでは、放熱基板自体の温度も100℃以
上に昇温することがあるため、このような温度での高い
熱伝導率を要求される場合もある。したがって、このよ
うな温度下でも150W/m・K以上の熱伝導率のもの
が要求される。またその容量が大きくなればなるほどS
i半導体素子のサイズも大きくなる。それ故それを搭載
する放熱基板も大きくせざるを得ない。例えばパソコン
用の基板が高々20〜40mm角程度のであるのに対
し、容量の大きなパワーデバイスでは、200mm角を
越えるものも求められつつある。このような大きな基板
では、実装時のその寸法精度のみならず高温でその精度
の低下しないことが要求されている。すなわち高温で基
板に反りや変形が生じると、上記した基板の下に配置さ
れる放熱機構(ラジエターやフィン等)との界面に隙間が
でき放熱効率が落ちる。また最悪の場合半導体素子が破
壊する場合もある。それ故高温での放熱基板の優れた熱
伝導性の確保は、重要な課題である。
【0006】また以上述べた各種機器に用いられる放熱
基板には、従来より例えばCu−W系やCu−Mo系の
複合合金からなるものが用いられてきた。これらの基板
は、原料が高価なためにコスト高となる。さらに重量が
大きくなるという問題があった。そこで、最近は安価で
軽量な材料として各種のアルミニウム(以下単にAlと
も言う)複合合金が注目されるようになってきた。中で
もAlと炭化珪素(以下単にSiCとも言う)を主成分と
するAl−SiC系複合合金は、それらの原料が比較的
安価であり、軽量かつ高熱伝導性である。なお通常市販
されている純粋なAl、SiC単体の密度は、それぞれ
2.7g/cm3程度、3.2g/cm3程度、熱伝導率
は、それぞれ240W/m・K程度、200〜300W
/m・K程度までであるが、さらにその純度や欠陥濃度
を調整すれば、その熱伝導率のレベルはさらに向上する
ものと思われる。そのため、特に注目されている材料で
ある。また純粋なSiC単体、Al単体の熱膨張係数は
それぞれ4.2×10-6/℃程度、24×10-6/℃程
度であり、それらを複合化することによって、その熱膨
張係数が広い範囲で制御可能となる。したがってこの点
でも有利である。
【0007】かかるAl−SiC系複合合金およびその
製造方法については、(1)特開平1−501489号公
報、(2)特開平2−343729号公報、(3)特開昭6
1−222668号公報および(4)特開平9−1577
73号公報に開示されている。(1)は、SiCとAlの
混合物中のAlを溶融させて鋳造法によって固化する方
法に関するものである。(2)、(3)は、いずれもSiC
多孔体の空隙にAlを溶浸する方法に関するものであ
る。この内(3)は、加圧下でAlを溶浸する、いわゆる
加圧溶浸法に関するものである。また(4)は、SiCと
Alの混合粉末の成形体かまたはそれをホットプレスし
たものを型内に配置し、これを真空中、Alの融点以上
の温度で液相焼結する方法に関するものである。
【0008】本発明者等は、特願平9−136164号
にて、(5)液相焼結法によって得られ、その熱伝導率が
180W/m・K以上のアルミニウム−炭化珪素系複合
材料を提示している。この複合材料は、例えば10〜7
0重量%の粒子状SiC粉末とAl粉末との混合粉末を
成形した後、99体積%の窒素を含み、酸素濃度が20
0ppm以下、露点が−20℃以下の非酸化性雰囲気
中、600〜750℃で焼結する工程によって得られ
る。また本発明者等は、特願平9−93467号にて、
(6)その熱膨張係数が18×10-6/℃以下、その熱伝
導率が230W/m・K以上であり、焼結後の寸法が実
用寸法に近い、いわゆるネットシェイプなアルミニウム
−炭化珪素系複合材料も提示している。さらに本発明者
等は、特願平10−41447号にて、(7)常圧焼結法
とHIP法とを組み合わせた同複合材料の製造方法を提
案している。それによれば、例えば粒子状SiCを10
〜70重量%混合したAl−SiC系混合粉末の成形体
を、窒素ガスを99%以上含む非酸化性雰囲気中、60
0℃以上、Alの溶融温度以下の温度範囲で常圧焼結
し、その後金属容器に封入して700℃以上の温度でH
IPすることによって、均質でその熱伝導率が200W
/m・K以上のアルミニウム−炭化珪素系複合材料が得
られている。
【0009】さらに(8)特開平9−157773号公報
には、Al粉末とSiC粉末との混合物をホットプレス
し、成形と焼結とを同時に行う方法が開示されている。
その方法は、Al10〜80体積%、残部SiCの混合
粉末を成形し、Alの溶融点以上の温度下500kg/
cm2以上の圧力でホットプレスするものである。この
方法によって150〜280W/m・Kの熱伝導率のア
ルミニウム−炭化珪素系複合材料が得られている。
【0010】また主成分金属をアルミニウムから銅に置
き換えた銅−炭化珪素系の複合材料については、その文
献は少ないが、本発明者等の知見によれば、この複合材
料は、アルミニウムを銅(以下単にCuとも言う)に置き
換えれば、以上述べた製造方法とほぼ同様の方法によっ
て得られる。なお純粋なCu単体の密度は8.9g/c
3程度、その熱伝導率は395W/m・K程度、その
熱膨張係数は17×10-6/℃程度である。したがっ
て、アルミニウム系のものに比べ得られる複合材料の密
度は大きくなるので、軽量化による効果は小さい。その
一方で銅はその熱伝導率がアルミニウムのそれに比べ約
60%大きく、またその熱膨張係数がアルミニウムのそ
れに比べ約40%小さい。このためアルミニウム系のも
のに比べ高い熱伝導率で低い熱膨張係数が必要な基板材
料の製造には有利な材料である。なお銅はアルミニウム
に比べ溶融温度がかなり高く重量も嵩むので、アルミニ
ウム系に比べ製造コスト面でいくぶん不利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたような複合
材料を半導体装置用の比較的高い放熱量の基板として使
用するためには、以下に述べる解決すべきいくつかの課
題が残っている。先ず上記(1)に記載の方法では、Al
溶湯を鋳型に流し込み、SiC粒子を分散させて固化す
る鋳造法を用いる。したがってAlとSiCの密度差に
より冷却時に成形体中のSiC粒子の偏析が生じ、固化
体の組成が不均一になり易い。このため固化体の表面が
AlまたはAl合金からなる被覆層(以下この層をAl
被覆層とも言う)により覆われるのは避けられない。そ
のためこの表面と内部および内部での組成の偏析によっ
て、熱応力による反り等の変形は避けられない。また上
記(2)および(3)の方法では、通常第一成分の融液
とSiC粒子との濡れ性を確保するとともに、第一成分
の溶浸不足による引け巣を防ぐため、外周部にあえて過
剰の第一成分の溶出層を溶出させるのは避けられない。
それ故溶浸後の仕上げ加工に手間がかかる。また(3)
の加圧溶浸法は、その設備費用が高い。上記(4)およ
び(8)のホットプレスによる方法では、融点以上の第
一成分がその加圧によって型外に染み出し、複合材料の
組成にばらつきが生じ易い。またその事前のセッティン
グや事後の取り出し等にかなりの手間がかかる。(6)
の溶出を抑制する手段の場合や(7)のHIPを併用す
る場合でも、同様にその事前事後の準備・整理に手間が
要る。以上の品質上・生産上の問題に加えて、同基板の
周辺部材が熱膨張係数の比較的小さいものである場合に
は、これら部材とのその整合性も配慮する必要がある。
その熱膨張係数を小さくするためには、どうしてもSi
Cの量を多くせざるを得ない。このためその熱伝導性を
犠牲にする必要があった。
【0012】以上詳述したように、従来のAl−SiC
系の複合材料の製造には品質上・生産上のいくつかの課
題をかかえている。したがってAl−SiC系の複合材
料は、高い放熱性を要求される基板の一つとして、その
性能面で最近有望視されているにもかかわらず、従来か
ら行われてきた鋳造法、溶浸法、焼結法、ホットプレス
法やそれらを組み合わせたいずれの方法でも、満足のゆ
く本来の性能レベルのものは得られていない。その理由
の一つとして以下のことが考えられる。すなわちAlと
SiCの間の濡れ性を改善するためやAl融液のSiC
粒子間への自発的な浸透を促したり、空孔の発生を抑え
るためにAl中にSi等の従成分を添加したり、または
これらの従成分を不純物として含むAlを用いたりする
場合が多々あった。このためこれらの従成分の介在によ
って複合材料の熱伝導率の低下は避けられなかった。特
にSiC自体がAlに匹敵するか、またはそれを凌ぐ高
い熱伝導率を有しながら、従来のAl−SiC系の複合
材料では、その量の多い組成域での熱伝導性が低い。こ
のため本発明者等は、既に特願平10−26003号公
報にて、特にパワーデバイスに用いられるAl−SiC
系およびCu−SiC系の放熱基板材料を提案した。こ
れによって高熱伝導の要求課題はほぼ克服できる見通し
を得た。その手段は、例えば比較的純度の高いSiC粉
末および第一成分の混合物を、特に高い成形圧力によっ
て第一成分粒子の表面に存在する酸化物や吸着成分から
なる被膜を破断し、その後の鍛造によって加圧固化す
る。成形時に表面被膜を破ることによって、その後の加
熱で溶融した第一成分がSiC粒子と直接触れるため双
方の濡れが促進される。さらに熱間で加圧鍛造すること
によって、双方の密着が確実に達成される。このような
手順によって、SiC量が多くても従来に無い高い熱伝
導性を付与することができる。
【0013】ところで一般には、溶融したアルミニウム
(Al)は、下記式(1)で示される化学反応をしつつ
SiC粒子の表面を濡らす。 4Al+3SiC→Al43+3Si (1) しかし上述のように、Al原料の表面はその酸化物層と
吸着成分とからなる被膜に覆われている。通常この皮膜
は、主に化学式がAl23のアルミナまたは化学式がC
2O、CuOの酸化銅からなり、さらに水分やOH基
が吸着している。成形時にこの表面被膜を破断しておか
ないと、その後の焼成によって同皮膜が成長して厚い酸
化物の膜となり、SiC粒子との濡れ性を低下させる。
一方同皮膜を破断しておくと、上述のように、第一成分
の粒子表面の破断部に露呈したAlやCuを主成分とす
る金属が、SiC粒子表面を濡らし易い。このため以上
詳述した各種のいずれの方法でも、鋳造法を除き、Si
C粉末やこれと第一成分粉末との混合粉末を成形する
際、通常は4ton/cm2以上の高い圧力を負荷する
必要があるからである。このように硬質のSiC粒子を
含む粉末を高い圧力で成形すると、その圧力が高いほど
成形型の摩耗がより一層激しくなる。さらに成形型の寸
法精度を維持するのが難しくなる。その結果成形コスト
の上昇を招くという問題がある。また上記した鍛造法で
の固化は、高速の圧力が負荷される。したがって、この
型もまた同様の問題がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以上述
べてきたいくつかの課題も考慮し、特にこの成形および
焼結のコスト上昇を最少限に抑え、安価に炭化珪素系複
合材料を提供することである。このため本発明の製造方
法では、成形時には高い圧力を負荷しない。その代わり
焼結加熱前に成形体を熱処理し、上記した第一成分粒子
表面の皮膜の厚みを予め薄くする。これによって焼結時
の高い圧力負荷の必要も無くなる。ただし、その結果焼
結後第一・第二両成分間の濡れは改善されるが、第一成
分の溶融相内に小さな空孔が残るのは避けられない。す
なわち本発明の方法で提供される複合材料は、アルミニ
ウムまたは銅を主成分とする金属を第一成分とし、炭化
珪素を主成分とする粒子を第二成分とするものであり、
10〜20%の空孔率のものである。またその熱伝導率
は、170W/m・K以上のものである。また本発明に
は、炭化珪素粒子の量が、50〜80重量%の範囲のも
のが含まれる。また本発明の複合材料には、炭化珪素粒
子が、酸素含有量1重量%以下、鉄を含む成分の含有量
が鉄元素に換算して0.01重量%以下、アルミニウム
を含む成分の含有量がアルミニウム元素に換算して0.
01重量%以下の高純度であり、かつ低欠陥であるもの
も含まれる。さらに本発明には、上記の炭化珪素系複合
材料を用いた半導体装置も含まれる。
【0015】本発明の複合材料の製造方法は、アルミニ
ウムまたは銅を主成分とする金属からなる第一成分と、
炭化珪素粉末を主成分とする第二成分とを含んだ原料を
準備する工程と、同原料を混合して混合物とする工程
と、同混合物を成形し成形体とする工程と、同成形体を
アルミニウムまたは銅を主成分とする金属の融点未満の
温度下、雰囲気圧力1×10-3Torr以下の真空中で
加熱し、熱処理体とする工程と、同熱処理体をアルミニ
ウムまたは銅を主成分とする金属の融点以上の温度で焼
結し、焼結体とする工程とを含む。なおこの熱処理体と
する工程の雰囲気圧力が、1×10-4Torr以下であ
れば、より好ましい。
【0016】さらに原料である炭化珪素粉末は、酸素量
が1重量%以下、鉄を含む成分の量が鉄元素に換算して
0.01重量%以下、アルミニウムを含む成分の量がア
ルミニウム元素に換算して0.01重量%以下の純度の
高い粉末を用いる方法もある。その場合、例えば通常の
炭化珪素粉末を不活性ガス雰囲気中1600〜2400
℃の温度範囲で加熱する予備加熱処理をする方法や通常
の炭化珪素粉末をフッ酸、硝酸または塩酸の内の少なく
とも1種の酸を含む水溶液中に浸漬する予備酸処理をす
る方法が挙げられる。また予備酸処理後予備加熱処理を
する方法もある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明によって提供される炭化珪
素系複合材料には、大別するとアルミニウムを主成分と
する金属からなる第一成分と炭化珪素を主成分とする第
二成分とを含む複合材料(以下Al−SiC系複合材
料、単にAl−SiC系またはAl系とも言う)と、銅
を主成分とする金属からなる第一成分と炭化珪素を主成
分とする第二成分とを含む複合材料(以下Cu−SiC
系複合材料、単にCu−SiC系またはCu系とも言
う)とがある。本発明は、これらの材料に着目し、放熱
基板(ヒートシンク)、特に半導体装置用の放熱基板の熱
伝導性とともに、その生産性を、特にSiC量が50重
量%以上の組成領域で、向上させるためになされたもの
である。
【0018】本発明の複合材料は、前述のようにその空
孔率が10〜20%であり、その熱伝導率が170W/
m・K以上のものである。空孔率をこの範囲としたの
は、その下限未満とするためには、後述のように製造時
の粉末成形圧力を上げる必要があり、これによって成形
型の摩耗が大きくなるからである。その結果成形体の成
形寸法のばらつきを抑えるため、成形型の交換頻度が増
し、成形コストが上昇するからである。また空孔率が上
限を越えると、熱伝導率が急激に低下するからである。
【0019】本発明の複合材料の炭化珪素結晶粒子は、
純度が高くかつ低欠陥であるのが望ましい。例えばその
炭化珪素粒子が、酸素含有量1重量%以下、鉄を含む成
分の含有量が鉄元素に換算して0.01重量%以下、ア
ルミニウムを含む成分の含有量がアルミニウム元素に換
算して0.01重量%以下の高純度であり、かつ低欠陥
であるものがある。このような材料は、以下に述べるよ
うに予め純度の高いSiC粉末原料を準備することによ
って得られる。これらの例示した不純物の上限値は、そ
の量をこの値以下にコントロールすることによって、上
記のような空孔率であっても、より優れた熱伝導性のも
のが得られるからである。
【0020】本発明の複合材料の製造方法は、前述のよ
うに、第一成分と第二成分との混合物を含む成形体をア
ルミニウムまたは銅を主成分とする金属の融点未満の温
度下、雰囲気圧力1×10-3Torr以下の真空中で加
熱し、熱処理体とする工程と、同熱処理体をアルミニウ
ムまたは銅を主成分とする金属の融点以上の温度で焼結
し、焼結体とする工程とを含むことに特徴がある。なお
この熱処理体とする工程の雰囲気圧力が、1×10-4
orr以下であれば、より好ましい。また上記混合物中
の炭化珪素粉末の量は、通常は50〜80重量%の範囲
とする。下限未満では本発明の成形コストの低減効果が
小さく、上限を越えるとSiC量が多くなり過ぎて、成
形体密度の確保が難しくなるからである。
【0021】また本発明では、成形体を焼結する前に上
記のように予め真空雰囲気中で熱処理する。これによっ
て、既に述べたように、第一成分粒子の表面に形成され
た酸化物層上に吸着した水分やOH基を主体とする成分
の被膜を予め除去する。もし熱処理をせずこの皮膜を残
留させると、その後の焼結時の加熱によって酸化物層の
厚みが増大し、SiC粒子との濡れ性を低下させる。そ
の状態を模式的に図1に示す。同図の上の図が熱処理を
しない場合である。この場合焼結後第一成分粒子1の表
面の膜2がより厚い酸化物層となり、SiC粒子3との
界面が濡れず殆どの部分が密着していない。密着してい
ない界面部分は空孔となり、同部分では熱抵抗が大きく
なる。一方下の図が熱処理をした場合である。この場合
第一成分粒子1の表面の膜2がほとんど除かれ、焼結後
SiC粒子3との界面がほぼ濡れて密着している。界面
部分には空孔が殆ど残らない。なお成形体中のSiC粒
子の骨格は堅牢であるとともに、機械的に圧力がかから
ないためにその隙間は縮まらない。このため第一成分が
溶融してもその隙間を完全に埋めることはできない。し
たがって同骨格中に内在する隙間には空孔が残る。
【0022】加熱時の真空雰囲気の圧力は、1×10-3
Torr以下とする。これを越えると吸着した水分やO
H基を主体とする成分の除去が不十分となり、その結果
最終的な複合材料において空孔率が増加し、その熱伝導
率が急激に低下するため好ましくない。また加熱温度は
第一成分の金属の融点未満とする。融点以上の温度では
第一成分の金属と吸着成分が反応してそれぞれの酸化物
を形成し、同金属表面の酸化層の厚みが増加し、SiC
粒子との濡れ性が急激に低下するからである。ただし融
点未満であれば、その温度は高いほど望ましい。その下
限は、通常第一成分がAlを主成分とするものの場合は
300℃以上、Cuを主成分とするものの場合は600
℃以上とする。なお加熱時間は、雰囲気圧力や温度にも
よるが、通常は10分程度で効果が現れ、長いほどその
効果は上がる。この熱処理後の焼結は、非酸化性雰囲気
中、第一成分の金属の融点以上の温度下で行う。窒素が
望ましい。この場合、常圧下でも加圧下でもよい。
【0023】以下本発明の複合材料の熱伝導率のレベル
を向上させる手段について述べる。本発明の材料は、上
述のように空孔を含むものである。このためそれによる
熱伝導性の低下は避けられない。それ故以下に述べるよ
うに構成する両成分の内部や界面の熱抵抗を下げる必要
がある。したがって、原料粒子に高純度のものを選んだ
り、予めキャリア濃度の高いSiC原料粉末を調製した
りする。
【0024】その第一は、酸素、陽イオン不純物、特に
鉄やアルミニウムを含む不純物の少ない炭化珪素原料粉
末を使うことである。これによって、得られる炭化珪素
結晶粒子中の不純物や欠陥の量を少なくすることができ
る。その結果複合材料の熱伝導率のレベルを上げること
ができる。特に結晶粒子中の酸素含有量が1重量%以
下、鉄を含む成分の含有量が鉄元素に換算して0.01
重量%以下、アルミニウムを含む成分の含有量がアルミ
ニウム元素に換算して0.01重量%以下の高純度の炭
化珪素粉末を使い、同程度の不純物量・欠陥量の炭化珪
素結晶粒子であるのが望ましい。酸素量や鉄・アルミニ
ウムを含む不純物量がこの量を越えると、熱伝導率が大
きく低下することがある。なお前述のように、この不純
物レベルの炭化珪素粉末は、炭化珪素粉末を不活性ガス
雰囲気中1600〜2400℃の温度範囲で加熱する予
備加熱処理の工程を経ても得られる。この場合雰囲気ガ
ス中には、SiC粒子中に固溶して同結晶内に格子欠陥
を作り易い窒素や炭素成分が共存しないことが重要であ
る。雰囲気ガスの圧力は高い方が望ましく、例えば高圧
下HIP(熱間静水圧成形)処理を行っても良い。温度が
1600℃未満では、同熱処理での欠陥低減の効果が小
さくなり易い。また2400℃を越えるとSiCが昇華
・分解し易くなり、収率が低下する場合がある。
【0025】さらにこのような粉末は、炭化珪素粉末を
フッ酸、硝酸または塩酸の内の少なくとも1種の酸を含
む水溶液中に浸漬することによっても得られる。この処
理によって、粉末中の粒子表面に存在する陽イオン不純
物、鉄(Fe)、クロミウム(Cr)、バナジウム(V)、ニ
ッケル(Ni)等の遷移金属を含む不純物、とりわけ鉄
(Fe)や酸素、炭素を溶解除去することができる。これ
によって、SiC結晶粒子中でのフォノン散乱の原因と
なる不純物の量が少なくなり、得られる複合材料の熱伝
導性は向上する。すなわちこれらの成分は、高温下で粒
子表面から同内部に拡散し、欠陥を形成し熱伝導率の低
下を招き易いからである。この予備酸処理後予備加熱処
理をすることによって、さらに高純度かつ低欠陥のSi
C粉末が得られる。
【0026】またSiC結晶中のキャリヤ濃度もその熱
拡散率に影響するものと考えられる。一般にSiCは、
過剰電子を持つn型半導体や過剰空格子を持つp型半導
体になりうる材料である。したがって、これらの過剰な
電子や空格子(キャリヤ)濃度が増加すると、それがSi
C結晶粒子中のフォノンを散乱させる一因となる。この
ためSiCの熱伝導性が低下するものと考えられる。S
iCには、6H、4H、3C、15R等の結晶型の異な
る多形が存在する。前述のように、これらの中でも熱伝
導性の高いのは、6Hまたは4H型であるが、特に6H
型のSiCは、n型半導体であり、結晶内の不純物の量
が同程度のレベルであれば、他の結晶型のものに比べて
キャリヤ濃度が低い。それ故本発明の炭化珪素系複合材
料に用いるSiC原料は、6H型のものが望ましい。そ
のキャリヤ濃度は、1×1019個/cm3以下であるの
が望ましい。なお本発明の炭化珪素系複合材料の製造に
供するSiC原料は、全量この6H型であるのが望まし
いが、他の結晶型のものが一部混在しても構わない。
【0027】なおSiC粒子の表面に存在する前記不純
物の量は、酸抽出法によって確認できる。その手順は、
SiC粉末を100℃に保持された硝酸とフッ酸からな
る混酸水溶液中に約2時間浸漬し同表面に存在する不純
物を溶出した後、その溶出物をIPC発光分光分析法に
よって定量する。またSiC粒子の内部に存在する不純
物の量も確認したい場合には、加圧酸分解法によって不
純物を溶出する。この場合は、SiC粉末を190〜2
30℃に保持された硝酸とフッ酸からなる混酸水溶液中
に約40時間浸漬する。これによってSiC粒子の表面
のみならず内部の不純物も抽出できるので、同様にその
溶出物をIPC発光分光分析法によって定量する。Si
C粒子の積層欠陥の量は、対象とするSiC粒子を透過
型電子顕微鏡で直接観察することによって確認できる。
また複合化後の炭化珪素系複合材料中のSiC粒子の不
純物や積層欠陥の量を確認する場合には、まず第一成分
を酸等で分離除去後、残留したSiC粒子を同様な手順
で分析・評価する。なおSiC粒子のキャリヤ濃度の確
認は困難であるが、同粒子の集合体である粉末であれ
ば、ラマン分光分析によって確認できる。
【0028】アルミニウムまたは銅を主成分とする第一
成分の原料は、市販のものを用いればよい。なお本発明
で用いる第一成分の原料の使用形態は、塊状・粉末状他
のいかなる形態であってもよいが、通常は粉末状のもの
を用いる。原料粉末内に介在する不純物種としては、特
にアルミニウムに固溶し易い遷移金属元素、特に8a族
元素を含む成分は、可能な限り少ないのが望ましい。し
たがって、市販のアルミニウム合金粉末を用いる場合に
は、これらの合金を作るための成分の少ないものを選ぶ
のが望ましい。
【0029】以上述べたように、本発明で使用する原料
は、第二成分のSiC粉末として可能な限り高純度かつ
低欠陥のものを用い、第一成分のアルミニウムや銅を主
成分とする原料も高純度のものを用いるのが望ましい。
原料の混合方法は、原料の形態・性状に合わせ原料純度
が低下しない方法であれば、既存の方法でよい。また混
合物は、その成形性を高めるために、例えば顆粒状に造
粒してその嵩を下げるのが好ましい。混合物の成形法に
ついては、通常のいかなる方法であってもよい。
【0030】
【実施例】(実施例1) 原料として、いずれもその平
均粒径が50μmで、表1に記載の各種予備処理を行っ
たSiC原料粉末と、表2に記載のAl系原料および表
3に記載のCu系原料とを準備した。ラマン分光分析に
よって確認したSiC原料粉末のキャリヤ濃度は、いず
れのものも1×1017個/cm3程度であった。なお表
1の予備処理欄に「なし」と記述のものは、該当する予
備処理をしていないものである。予備酸処理は、表に記
載の濃度・温度の酸水溶液中に記載の時間浸漬後、純水
で洗浄する過程を3回繰り返し、それを温風乾燥する手
順によって行った。したがって、例えば原料S2の場合
は、原料S1のSiC粉末をまず室温の濃度10%のフ
ッ酸水溶液に30分間浸漬し、その後純水で洗浄し、こ
の一連の操作を3回繰り返した後、温風によって脱水・
乾燥した。また予備加熱処理は、粉末を炭化珪素質のケ
ースに装入し、ヒーターがタングステン製の炉にセット
し、アルゴンガス雰囲気中、記載の同ガス圧力下・記載
の温度で1時間保持する方法で行った。同表に記載の各
SiC粉末中の不純物量は、前記した条件の加圧酸分解
法によって同粉末から不純物含有成分を溶解抽出し、そ
の抽出物をIPC発光分光法によって分析して得た値で
あり、粒子表面のみでなくその内部も含めた粒子全体に
存在する量である。表1にはFe(鉄)以外の本発明で言
う陽イオン元素(遷移金属元素)の量は記載されていない
が、それら個々の量は、いずれの番号の原料においても
高々500ppmであった。またC(炭素)の量は、いず
れの番号の原料においても高々500ppmであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】第二成分として表1に記載の各SiC原料
粉末、第一成分として表2に記載のAl系原料粉末A1
1または表3に記載のCu系原料粉末C11を選び、そ
れぞれの組合わせで本発明の熱処理を含む方法によっ
て、SiCを70重量%含む炭化珪素系複合材料試片を
それぞれ作製した。表4の原料欄に作製した38種類の
原料の組み合わせを示す。まず表1に記載の各SiC原
料粉末70重量%と、残部30重量%が上記A11また
はC11の原料粉末となるように秤取し、バインダーと
してパラフィンを3重量%添加し、エタノール中3時間
混合した。得られたスラリーを噴霧乾燥して造粒粉末と
した。これを乾式粉末成形プレスによって、超硬内張り
ダイス鋼製型により、表4の成形圧力欄に記載の成形圧
力(ただし表の数値はton/cm2単位)で直径10
0mmで、厚みはほぼ10mm程度に成形した。その
後、これらをニクロム線ヒーター炉内に配置し、窒素気
流中400℃でバインダーを除去し成形体とした。これ
らの各成形体をニクロム線ヒーターの真空炉内に装入
し、表4の熱処理欄に記載の窒素分圧Pn(ただし表の
数値は10-4Torr単位)、温度条件下で、いずれも
20分間熱処理を行った。次いでこの熱処理体を炭化珪
素製の保持容器に入れ、同表の焼結欄に記載の温度範
囲、窒素気流中にて、いずれも2時間焼結した。焼結体
の最終厚みは、いずれの試料もほぼ10mmであった。
その後試料を研削加工仕上げした。成形圧力の成形型の
摩耗速度に及ぼす影響については、試料5および試料1
2〜14、さらに同じ組成粉末を用いた5ton/cm
2の場合も追加して、成形数1000個および5000
個での成形型の内径寸法を内径マイクロメーターによっ
て確認し、その摩耗状況を調べた。その結果を表5に示
す。表5の数値は内径の増量である。当初寸法が100
mmであるので、同数値はそれに対する%単位の増加率
を示すことになる。
【0035】各試料の実測した単重と体積から計算した
見かけ密度と、主成分の密度とその組成比率から複合則
によって計算した理論密度とからその空孔率を、またレ
ーザーフラッシュ法によって鍛造体の径方向の熱伝導率
を、差動トランス式熱膨張係数測定装置によってその熱
膨張係数を、さらに前記した加圧酸分解法と発光分光分
析の組み合わせによってそのSiC結晶粒子中の不純物
量を、それぞれ求めた。これらの結果も併せて表4に示
す。なお別途予備加熱処理の雰囲気ガスを窒素または炭
素を含むガスに切り換えて行ったSiC原料粉末S1を
用いて、表4と同様の第一成分との組成・組み合わせ、
同様の成形・焼結の手順で作製した焼結体は、その熱伝
導率が事前の酸処理を行った場合、Al−SiC系で表
4の試料9程度、Cu−SiC系で表4の試料28程度
であり、予備酸処理を行わなかったものでは、これより
低下してAl−SiC系で170W/m・K程度、Cu
−SiC系で200W/m・K程度であり、予備加熱処
理の効果は小さくなった。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】以上の結果より以下のことが分かる。
(1)通常より低い成形圧力(4ton/cm2未満)で
成形し、それを第一成分の融点未満の温度、10-3To
rr以下の雰囲気圧力下で熱処理を行わずに、常圧下で
焼結すると、空孔率は20%を越える。その結果焼結体
の熱伝導率は、Al−SiC系では170W/m・K未
満、Cu−SiC系では190W/m・K未満となる。
一方同熱処理を行ったものは、空孔率が20%以下とな
り、その結果焼結体の熱伝導率は、Al−SiC系では
170W/m・K以上、Cu−SiC系では190W/
m・K以上となる。また特に熱処理の雰囲気圧力を10
-4Torr以下にすることによって、さらに熱伝導性は
向上する。この理由は以下のように考えられる。減圧下
での熱処理によって、第一成分表面の酸化物や付着成分
からなる被膜がほぼ除かれる。これによって炭化珪素と
第一成分融液との界面の濡れが改善される。その結果双
方界面の密着度が増し、そこでの熱抵抗が減少したこと
によるものと思われる。また(2)成形圧力を上げる
と、焼結体の空孔率は下がり熱伝導性は向上する。しか
しその一方で成形型の内径の摩耗量は大きくなる。特に
成形圧力が4ton/cm2以上になると、急激に摩耗量
が大きくなる。さらに(3)SiC粉末を事前に予備加
熱または予備酸処理したものは、しないものに比べ熱伝
導性が改善される。
【0039】(実施例2) 表1のS3のSiC粉末、
表2のA11、A12のアルミニウム粉末および表3の
C11、C12の銅粉末を用いて、実施例1とほぼ同じ
方法によって、表6に記載のSiC量のAl−SiC系
およびCu−SiC系焼結体を作成した。なお造粒粉末
の成形、熱処理および焼結の各条件は、Al−SiC系
では試料13に、Cu−SiC系では試料32のそれに
合わせた。得られた試料を実施例1と同様の項目で評価
をした。その結果を表6に併せて示す。
【0040】
【表6】
【0041】以上の結果より、本発明の製造方法によれ
ば、比較的低い成形圧力で成形し常圧下で焼結した場
合、10%以上の空孔はあるものの、SiC量の広い範
囲にわたって高い熱伝導性の炭化珪素系複合材料が得ら
れることが分かる。
【0042】(実施例3) 以上述べた実施例の試料番
号3、5、15、22、24、34、48および59の
ものと同じ方法で得た炭化珪素系複合材料を、それぞれ
50個ずつ長さ200mm、幅200mm、厚み3mm
の形状の基材に仕上げ加工した。これを図2に模式的に
示すようなパワーモジュールに放熱基板として実装し
て、各実装段階も含めて温度サイクル試験を行った。図
2において、4は本発明の上記複合材料からなる第二の
放熱基板、5は同基板上に配置され、その上面に(図示
しないが)銅回路が形成されたセラミックスからなる電
気絶縁性の第一の基板、6はSi半導体素子、7は第二
の放熱基板の下に配置された放熱構造体である。なおこ
のジャケットは、本実施例では水冷ジャケットである
が、他に空冷のフィン等もある。なお同図には半導体素
子周辺の配線等については省略してある。本実施例で
は、Si半導体素子を第一のセラミックス製基板を介し
て6個搭載したモジュールとした。
【0043】実装に先立ち第二の基板に直接第一の基板
を半田付けできないため、第二の基板の主面に予め平均
厚み10μmの無電解ニッケルメッキ層と平均厚み5μ
mの電解ニッケルメッキ層を形成した。この内各4個の
試片は、ニッケルメッキ上に直径5mmの半球状のAg
−Sn系半田によって直径1mmの銅線をメッキ面に垂
直な方向に取り付けた。この試片の基板本体を治具に固
定して銅線を掴みメッキ面に垂直な方向に引っ張り、基
板へのメッキ層の密着強度を確認した。その結果いずれ
の基板のメッキ層も1kg/mm2以上の引っ張り力で
も剥がれなかった。またメッキ層が形成された別の試片
の内から10個を抜き取って、−60℃で30分保持、
150℃で30分保持の昇降温を1000サイクル繰り
返すヒートサイクル試験を実施し、試験後上記と同様の
密着強度を確認したところ、いずれの試片もメッキの密
着性で上記レベルを満足する結果が得られた。以上の結
果より本発明の複合材料からなる基板へのメッキの密着
性は、実用上問題の無いレベルであることが判明した。
【0044】次に第二の基板上に搭載するセラミックス
製の第一の基板として、熱伝導率が150W/m・K、
熱膨張係数が4.5×10-6/℃、3点曲げ強度450
MPaの窒化アルミニウムセラミックス製の基板Aおよ
び熱伝導率が120W/m・K、熱膨張係数が3.7×
10-6/℃、3点曲げ強度1300MPaの窒化珪素セ
ラミックス製の基板Bの二種の銅回路を形成した第一の
基板を、それぞれ18個ずつ準備した。これらの基板の
形状は、いずれも長さ90mm、幅60mm、厚み1m
mとした。これらの基板を第二の基板の200mm角の
主面上に2行3列で等間隔に配置し、同基板のニッケル
メッキ層を形成した面上にAg−Sn系半田によって固
定した。次にこのアッセンブリーの第二の基板の裏面側
と水冷ジャケットとを、その接触面にシリコンオイルコ
ンパウンドを塗布介在させてボルト閉め固定した。なお
この場合の第一の基板の取り付け穴は、予め素材段階で
その四隅に開けておいた下穴部に炭酸ガスレーザーを照
射して、それを直径3mmまで拡げる方法によって形成
した。この加工は他のセラミックス材やCu−W、Cu
−Moを対象とした場合に比べ、高精度かつ高速で行う
ことができた。この傾向は特に熱伝導率が高くなればな
るほど顕著であった。
【0045】これらの各試片の中から第一の基板がAと
Bの物を各15個ずつ選び、上記と同じ単サイクル条件
で2000サイクルのヒートサイクル試験を行い、その
100サイクル毎のモジュールの出力の変化を確認し
た。その結果、全てのモジュールが、実用上問題が無い
とされる1000サイクルまで、その出力の低下は観測
されなかった。ただし、第一の基板の材質種を問わず1
000サイクルを越えた1100サイクル以降の確認
で、第二の基板に熱伝導率が200W/m・K以下の
5、15および48の板を用いたもので、ヒートサイク
ルによるモジュールの若干の出力低下が、15個中2個
観測された。この出力の低下した試料では、第一・第二
の両基板の半田付けされた接合界面の第一の基板側に微
細な亀裂の発生が認められた。以上述べたもの以外には
2000サイクル終了までこのような異常は無かった。
【0046】以上の結果より、本発明の炭化珪素系複合
材料からなる第一の基板を用いたパワーモジュールは、
実用上問題の無いレベルのものとなることが分かる。な
お別途熱伝導率が170W/m・K以上の試料を、この
種のモジュールに比べ低出力・低熱(サイクル)負荷の高
容量のパーソナルコンピューター等の半導体素子搭載装
置に放熱基板として実装・評価も行ったが、その信頼性
・実用性能上何ら問題は無かった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の炭化珪素
系複合材料は、通常より低い成形圧力で成形し、それを
真空下第一成分の融点未満の温度で熱処理を行い、常圧
下で焼結する。すなわち成形時や焼結時に通常の機械的
負荷を加えない。例えば焼結時には、緻密化のためのホ
ットプレス・鍛造等の高圧力をかけない。したがって、
SiC粉末を用いても成形型・焼結型の寿命が長くな
る。それ故従来のものに比べ安価に製造できる。本発明
の材料は、10%以上の空孔率があり、緻密なものに比
べその熱伝導率は低い。しかしながら上記熱処理によっ
て、第二成分粒子と第一成分との濡れ性が大幅に改善さ
れ、その結果従来のものに比べ空孔率は高いにもかかわ
らず、両成分界面で密着性が高く優れた熱伝導性の材料
が提供できる。なおSiC原料粒子を予め予備加熱・予
備酸処理し純化することによって、さらにその熱伝導性
を高めることができる。本発明によれば、SiC量の広
い範囲にわたって170W/m・K以上の熱伝導率のも
のが得られ、各種半導体装置用の放熱基板に有用であ
る。特に200W/m・K以上のものは、パワーモジュ
ールのように高容量の半導体装置にも用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化珪素系複合材料での熱処理の効果
を説明する模式図である。
【図2】本発明の材料を基板に用いた半導体装置(パワ
ーモジュール)を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1.第一成分粒子 2.第一成分粒子表面の酸化物等の皮膜 3.第二成分粒子 4.炭化珪素系複合材料からなる第一基板 5.第二基板 6.半導体素子 7.放熱構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 彰 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 武田 義信 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4K018 AA03 AA14 AB04 AC01 AD11 BA02 BA08 BB06 BC01 BC09 DA01 KA32 KA62 5F036 AA01 BB08 BD01 BD03 BD13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたは銅を主成分とする金
    属を第一成分とし、炭化珪素を主成分とする粒子を第二
    成分とする炭化珪素系複合材料であって、空孔率が10
    〜20%かつ熱伝導率が170W/m・K以上である炭
    化珪素系複合材料。
  2. 【請求項2】 前記炭化珪素を主成分とする粒子の量が
    50〜80重量%である請求項1に記載の炭化珪素系複
    合材料。
  3. 【請求項3】 前記炭化珪素粒子が、酸素含有量が1重
    量%以下、鉄を含む成分の含有量が鉄元素に換算して
    0.01重量%以下、アルミニウムを含む成分の含有量
    がアルミニウム元素に換算して0.01重量%以下の高
    純度であり、かつ低欠陥である請求項1または2に記載
    の炭化珪素系複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭
    化珪素系複合材料を用いた半導体装置。
  5. 【請求項5】 アルミニウムまたは銅を主成分とする金
    属を第一成分とし、炭化珪素を主成分とする粒子を第二
    成分とする炭化珪素系複合材料の製造方法であって、ア
    ルミニウムまたは銅を主成分とする金属からなる第一成
    分と、炭化珪素粉末を主成分とする第二成分とを含んだ
    原料を準備する工程と、該原料を混合して混合物とする
    工程と、該混合物を成形し成形体とする工程と、該成形
    体をアルミニウムまたは銅を主成分とする金属の融点未
    満の温度下、雰囲気圧力1×10-3Torr以下の真空
    中で加熱し、熱処理体とする工程と、該熱処理体をアル
    ミニウムまたは銅を主成分とする金属の融点以上の温度
    で焼結し、焼結体とする工程とを含む炭化珪素系複合材
    料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理体とする工程の雰囲気圧力
    が、1×10-4Torr以下である請求項5に記載の炭
    化珪素系複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第二成分を含んだ原料の混合量が、
    50〜80重量%である請求項5または6に記載の炭化
    珪素系複合材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原料を準備する工程において、前記
    炭化珪素粉末は、酸素量が1重量%以下、鉄を含む成分
    の量が鉄元素に換算して0.01重量%以下、アルミニ
    ウムを含む成分の量がアルミニウム元素に換算して0.
    01重量%以下である請求項5ないし7のいずれかに記
    載の炭化珪素系複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記原料を準備する工程において、前記
    炭化珪素粉末は、炭化珪素粉末を不活性ガス雰囲気中1
    600〜2400℃の温度範囲で加熱される予備加熱処
    理の工程を経た粉末である請求項8に記載の炭化珪素系
    複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記原料を準備する工程において、前
    記炭化珪素粉末は、炭化珪素粉末をフッ酸、硝酸または
    塩酸の内の少なくとも1種の酸を含む水溶液中に浸漬さ
    れる予備酸処理の工程を経た粉末である請求項8に記載
    の炭化珪素系複合材料の製造方法。
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