JP4269853B2 - 半導体素子搭載用基板向け複合材料およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子搭載用基板向け複合材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、アルミニウムとセラミックを主成分とする複合材料およびその製造方法と、半導体装置を構成するヒートシンク材等に用いられる半導体素子搭載用基板向け複合材料およびその製造方法に関するものである。
近年、半導体装置においては半導体素子の高速化や集積度の増加が著しく、半導体素子から発生する熱の影響を無視することができなくなっている。その結果、半導体素子搭載用基板材には、半導体素子から発生する熱を効率よく除去するために高い熱伝導率が要求されるようになってきている。
また、半導体素子搭載用基板材と半導体素子との界面や、その半導体素子が搭載される半導体パッケージを構成する周辺部材との界面は、熱応力によって発生する歪みをできるだけ小さくする必要がある。したがって、半導体素子搭載用基板材は、広範囲の熱膨張係数を設定することが可能であり、適宜選択使用される半導体素子や周辺部材に応じて、それらの熱膨張係数に比較的近い熱膨張係数を有するように設計製作が容易な材料が望まれる。
また、半導体素子とパッケージとの電気的接合にワイヤを用いる代わりにハンダボールを用いる方法(フリップチップ方式)や、マザー基板への接合にピンを用いる代わりにハンダボールを用いる方法(ボールグリッドアレイ方式)が広く採用されるようになってきている。これらの方式を採用する場合、半導体素子搭載用基板材が重いと、半田ボールが必要以上につぶれる危険性が高くなる。このため、軽い半導体素子搭載用基板材が望まれている。
さらに、半導体素子搭載用基板材は安価な材料が望まれている。
最近では、アルミニウム複合材料が半導体素子搭載用基板材の候補として提案され、一部で使用され始めている。アルミニウム複合材料の中でも、アルミニウム−炭化珪素(Al-SiC)複合材料は、高い熱伝導性を有する材料である。また、熱膨張係数が小さい炭化珪素(4.2×10−6/℃)と、熱膨張係数が大きいアルミニウム(23.5×10−6/℃)とを組み合わせることにより、広い範囲で任意の熱膨張係数を得ることができる。さらに、原料であるアルミニウムと炭化珪素が共に比較的安価であるなどの特徴を有する。
アルミニウム複合材料の製造方法として、従来、粉末状態でアルミニウムとセラミックスの混合を行い、成形、焼結を行う粉末冶金法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
また、溶融状態のアルミニウムにセラミックス粉末を導入する溶湯撹拌法も知られている。(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−335538号公報 特公平7−819号公報
粉末冶金法で得られたアルミニウム炭化珪素複合材料は、薄肉の材料を生産することが困難であるとともに、連続的に生産することが困難であり、製造コストが高くなるなど、半導体素子搭載用基板材に用いるには問題があった。
溶湯撹拌法は、溶融状態のアルミニウムにセラミックス粉末を導入するために、撹拌羽根を回転させ溶湯に渦巻きを発生させ、その渦巻きを利用してセラミックス粉末を溶融アルミニウム中に混合するものである。このため、溶湯表面に存在する酸化物等の異物が混入したり、セラミック粉末が撹拌羽根や溶湯表面とルツボ内壁が接する部分に混合されずに残留し、鋳造時にそのセラミックス粉末が塊状のまま溶融混合物に混入したりする場合がある。
半導体素子搭載用基板材に複合材料を用いる場合、通常の構造材料とは異なり、補強材粒子がより均一に分布していることが要求される。補強材粒子が均一に分布していないと、複合材料を薄板に加工する工程で、均一な加工が行われないために、薄板に部分的な反りやうねり等が発生する。さらに、複合材料において補強材粒子が均一に分布していないと、複合材料の熱膨張係数や熱伝導率等の特性にバラツキを生じる。したがって、複合材料を半導体素子搭載用基板材に用いる場合には、補強材粒子をより均一に分布させることが要求される。
そこで、本発明は、補強材粒子が均一に分布し、薄肉の形状にすることが容易であるアルミニウム複合材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、半導体パッケージとしてセラミックスパッケージやメタルパッケージに好適であるとともに、特にプラスチックパッケージ、フリップチップ方式やボールグリッドアレイ方式等のパッケージ方式に好適な熱伝導率と熱膨張係数を有し、軽量で、今後ますます複雑化する形状にも対応可能である半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法について種々検討を行い、本発明に至ったものである。
本発明にかかる複合材料の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる粒子と、少なくとも一種類以上のセラミックス粒子からなる粉末を混合、圧粉して粉体混合物を得る工程と、得られた粉体混合物を、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気下において、焼結温度500〜750℃で焼結し、焼結体を得る焼結工程と、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物を得る工程と、前記液相混合物から板材を得る工程からなることを特徴とする。
本発明において、液相混合物とは、固相と液相が共存した混合物をいう。
本発明にかかる複合材料は、前記の製造方法によって製造される。
本発明にかかる半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる粒子と、少なくとも一種類以上のセラミックス粒子からなる粉末を混合、圧粉して粉体混合物を得る工程と、得られた粉体混合物を、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気下において、焼結温度500〜750℃で焼結し、焼結体を得る焼結工程と、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物を得る工程と、前記液相混合物から連続的に板材を得る工程からなることを特徴とする。
また、本発明においては、前記粉体混合物を焼結し、焼結体を得る焼結工程をさらに備え、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物から連続的に板材を得る。
また、本発明においては、前記焼結工程は、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気下において焼結温度500〜750℃で行う。
本発明の実施態様においては、前記粉体混合物は、セラミックス粒子を体積割合で10〜70%含有する。
さらに、本発明の一の実施態様においては、前記セラミックス粒子は、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ホウ化チタン、酸化珪素、酸化ベリリウムから選ばれた少なくとも一種類のセラミック粒子からなる。
また、本発明の更なる他の実施態様においては、前記液相混合物中の液相部分は体積割合で5%以上である。
本発明の更なる他の実施態様においては、連続的に板材を得る工程で製造される前記板材の厚みが20mm以下である。
さらに、本発明の他の実施態様においては、連続的に板材を得る工程では、板材の冷却速度が10℃/秒以上である。
また、本発明の一の実施態様においては、液相混合物から連続的に板材を得る工程は、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール鋳造法、および横型鋳造法からなる群より選ばれた一種の方法で行なわれる。
さらに、本発明の一の実施態様においては、板材を圧延加工によって薄板状材に加工する圧延工程をさらに備える。他の実施態様においては、圧延工程は、前記板材を200℃以上550℃以下の温度に加熱した後に圧延加工を行う。
本発明にかかる半導体素子搭載用基板向け複合材料は、上述したいずれかの製造方法によって製造される。
上述した本発明の構成要素は可能な限り組み合わせることが出来る。
本発明にかかるアルミニウムとセラミックスの複合材料の製造方法は、セラミック粒子が均一に分布し、特性のバラツキが少なく、かつ、薄肉や複雑な形状に加工することが出来る複合材料を得ることのできる製造方法である。本発明は、半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法として好適であり、このような製造方法によって製造された材料は、半導体素子搭載用のヒートシング等に広く用いることができる。
本発明は、アルミニウムを主成分とする粒子とセラミックス粒子を混合した後に、圧粉した材料を、加工性を高めるために少なくとも一部液相を生じさせた液相混合物とし、この混合物を板材にする製造方法である。
すなわち、アルミニウムまたはアルミニウム合金中にセラミックス粒子を十分に分散させた複合材料を得るためには、濡れ性、反応性に影響を受けやすく、凝集・ボイド等を発生させやすい溶融混合法を用いるよりも、粉末状態で両者を混合する粉末冶金法で作製した複合材料の方が、均一性が高くなる。しかしながら、粉末冶金法で作成した焼結部材である複合材料から、連続的に板材を得ることは困難であった。
本発明は、この問題を解決すべく、粉体混合物を焼結し、得られた焼結体の一部に液相を生じさせることにより、加工容易な流動性を持つ混合物に変化させ、この液相混合物から板材を作製するものである。粉体混合物として純Al粉末を用いる場合に液相を生じさせるには、粉体混合物の焼結体を660℃以上に加熱すればよい。また、粉体混合物としてAl-Si合金粉末を用いる場合に液相を生じさせるには、粉体混合物の焼結体を固相線温度または共晶温度以上に加熱すればよい。
本発明の製造方法で得られる複合材料は、半導体素子搭載用基板向け複合材料に好適なものであるが、その他の構造材料としても使用出来る。
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる粒子とセラミックス粒子からなる粉末を混合、圧紛して粉体混合物を得る工程は、両者の粒子が実質的に均一に混合されるように行われる。
また、本発明にかかる半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法においては、液相混合物から板材を得る工程は、連続的に板材を得る工程とされる。
アルミニウム(またはアルミニウム合金)とセラミック粒子の組成・混合割合を選択することにより、この複合材料は、熱膨張係数を広範囲に亘り変更することが出来る。たとえば、半導体素子を構成する珪素(Si)の熱膨張係数は4.2×10−6/℃、ガリウムヒ素(GaAs)の熱膨張係数は6.5×10−6/℃である。また、半導体パッケージを構成する周辺部材がセラミックスから形成される場合には、たとえば、アルミナ(A1203)の熱膨張係数は6.5×10−6/℃である。周辺部材がプラスチックから形成される場合には、プラスチックの熱膨張係数は12×10−6/℃〜17×10−6/℃である。本発明により製造される複合材料は、材料の混合割合を変更することにより、その熱膨張係数をこれらの熱膨張係数に近似した値にすることが出来る。
本発明の好ましい実施態様では、この粉体混合物をそのまま用いるのではなく、焼結を行い、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物とし、この液相混合物から連続的に板材を作製する。これは、あらかじめ焼結を行うことにより、より緻密な板材を得ることができ、熱伝導率の向上を図ることができるからである。
前記粉末混合体を焼結するには、アルミニウムに対する非酸化性雰囲気において、焼結温度500〜750℃で行うのが好ましい。焼結を行う雰囲気をアルミニウムに対する非酸化性の雰囲気とするのは、焼結中のアルミニウムの酸化を防止するためである。アルミニウムに対する非酸化的雰囲気としては、99体積%以上の窒素雰囲気、酸素濃度が200ppm以下の雰囲気、あるいは露点が-20℃以下の雰囲気などを使用することができる。
また、焼結温度を500〜750℃の範囲とすると、原料粒子間の結合が十分となり、また、セラミックス粒子とアルミニウムの化学反応による変質化が避けられるからである。
セラミックス粒子の含有率としては、体積割合で10%〜70%とするのが好ましい。セラミックス粒子の体積割合をこの範囲にすると、複合材料の熱膨張率等の特性が変化して、セラミックス粒子を含有させる利点が生じるためであり、また、粉体混合物に液相を生じさせることにより、板材作製に十分な流動性が得られるからである。
セラミックス粒子としては、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ホウ化チタン、酸化珪素、酸化ベリリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を含む材料を用いることが好ましい。アルミニウム(又はアルミニウム合金)に混合するセラミック粒子は、上述の中から、一種だけを選択することも出来、また、これらの中から任意の複数のセラミック粒子を選択し、任意の割合で混合した混合物をアルミニウム(又はアルミニウム合金)に混合するセラミック粒子とすることも出来る。
本発明では、前述の方法で得られた粉体混合物もしくは粉体混合物を焼結した焼結体に液相を生じさせる。生じさせる液相の割合としては、体積割合で5%以上が好ましい。なお、本発明ではセラミックス粉末の融点以下でアルミニウム相に液相を生じさせるので、液相の割合を以下に記述する式(1)で定義する。

混合物中の液相率[%]
=アルミニウム相の体積割合[%]×アルミニウム相中の液相率[%]/100
=(100−セラミックス相の体積割合[%])×アルミニウム相中の液相率[%]/100
− 式(1)
また、アルミニウム相中の液相率については、実際に測定することは困難であるため、本発明では、アルミニウム相の組成、温度を用いて、状態図から概算した値を用いることとする。
例えば純アルミニウム粉末と炭化ケイ素粉末の混合物で、炭化ケイ素の体積割合が40%である混合物を700℃に加熱した場合、この温度では、純アルミニウムの融点(660℃)以上であり、炭化ケイ素の融点以下であるため、アルミニウムは完全に溶融し、炭化ケイ素は固相のままである。
式(1)に代入すると
混合物中の液相の割合=(100−40)×100/100=60[%]
つまり、液相の割合は60%となる。
また、アルミニウム相が合金粉末の場合は、先に述べたようにアルミニウム合金の組成、温度から算出される固相率を用いて、混合物中の液相率を定義する。
例えば、ここでAl-8wt%Si合金粉末と炭化ケイ素粉末の混合物であり、炭化ケイ素の体積割合が30%である混合物を600℃に加熱した場合を考えてみる。600℃においてAl-8wt%Si合金のAl-Si二元系状態図から概算した液相率は86%である。式(1)に代入すると混合物全体の液相率は、以下のように計算できる。
混合物中の液相の割合=(100−30)×86/100=60.2[%]
よって、液相の割合は60.2%となる。
液相の割合が5%以上であれば、混合物に十分な流動性が生じ、板材を得る工程を円滑に行うことができる。また、アルミニウムおよびアルミニウム合金が完全に溶融した状態でも板作製は可能である。なお、粒子が比重差により沈降するような条件下では、沈降を防止するため撹拌等を行ってもよい。
本発明の製造方法によると、板材を得る工程で、液相混合物の液相が固相に変化する。液相部分が凝固した部位は凝固組織となる。凝固組織は、初晶アルミニウムからなる。この初晶アルミニウムのセルが粗大な場合、この部分が外観上不均一な組織となり、半導体素子搭載用基板向け複合材料としての適用は困難である。つまり、液相部分が凝固する際に初晶アルミニウムが粗大に成長しないような条件下で板材を作製することが好ましい。
連続的に板材を得る工程においては、板材の厚みを20mm以下にすると実用上許容される初晶アルミニウムの大きさになる。また、冷却速度を10℃/秒以上とすると、実用上許容される初晶アルミニウムの大きさになる。上記の厚みの下限は、0.5mm程度、および冷却速度の上限は、2000℃/秒程度である。
連続的に板材を得る工程として採用する具体的な方法は、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール鋳造法、および横型鋳造法が好ましい。セラミック粒子を均一に分散させた板材を連続的に得ることができ、また工業的規模で、安価に複合材料板材を得ることが出来るからである。
これらの方法で得られた板材は、圧延加工によりさらに薄板状形状にすることが可能である。圧延工程は、単一であっても良く、複数回でも良い。複数回の圧延工程を行うことがより好ましい。圧延工程に付することにより、さらに複合材の密度の増大を図ることができる。その際、圧延を行う前に板材を200℃以上550℃以下に加熱するのが好ましい。素材の加熱温度をこの範囲とするのは、加工歪みの蓄積を避けて、加工を行うためであり、また、加工発熱などによって、再度液相を生じることを避けるためである。
以下に実施例により、本発明にかかるアルミニウムを主成分とする複合材料の製造方法をさらに説明する。この発明の実施例に記載されている部材の寸法、材質、形状、工程の時間、温度などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
(実施例1)
組成がAl-8wt%Si-0.1wt%Caであるアルミニウム合金粒子の粉末と、市販のSiC粉末(#800)を用意し、セラミックスの体積割合が30%となるように秤量を行い、ニーダーで2時間混合した。得られた混合粉末を圧縮成型し、圧粉体を作製した後、焼結体の作製を試みた。試料1〜6について、焼結工程は窒素雰囲気下でおこなった。
なお、表中の試料1と7は、比較例である。焼結体の作製の可否の結果を表1に示す。試料1については、緻密化せず焼結が行なえず、圧粉体と変わらない状態のため、以下の工程は行わなかった。
さらに、上記の各焼結体(試料2〜6)を600℃に加熱し液相を60%の割合で生じさせ、得られた混合物から双ロール法にて連続的に板厚4mmX幅100mmX長さ2000mmの板材の作製を行った。なお、比較のため、圧粉体をそのまま用いて、同様の条件・方法で板材の作製を行った。そして、得られたそれぞれの板材の熱伝導率、熱膨張率を測定した。熱伝導率は、円板状試験片を用いてレーザーフラッシュ法によって測定した。熱膨張率は、柱状試験片を用いて押し棒式によって測定した。なお、熱伝導率、熱膨張率ともに、1条件につき50ケ試験片を作製し、それぞれ測定した。セラミックス粒子の分散の均一性は、1条件につき50ケの得られた測定値の標準偏差をとり、測定値のバラツキから評価した。特性(熱伝導率、熱膨張率)のバラツキが粉末冶金法で作製した試料より劣る場合は×、優れる場合には○とした。また、圧粉体をそのまま用いて作製した板材と熱伝導率の比較を行い、その熱伝導率の差についても表1に示した。なお、符号としては、圧粉体をそのまま用いた板材と比較し、熱伝導率が向上したものについて+、熱伝導率が低下したものについては−で示した。
Figure 0004269853
試料2〜5については、特性のバラツキが粉末冶金法で作製した試料と同等以上であり、圧粉体をそのまま用いて作製した試料と比較し、熱伝導率が向上していた。試料6については、特性のバラツキが大きく、熱伝導率が圧粉体で作製したものと比較し、低下していた。これは、SiCとアルミニウムが反応し、劣化が起こったためと考えられる。
本実施例の結果、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気において焼結温度500〜750℃の範囲で焼結を行うことにより、セラミックスの分散が均一であり、圧粉体をそのまま用いて作製した板材よりも熱伝導率が向上し、特性のバラツキのない複合材料が得られたことが分かる
(実施例2)
組成がAl-2wt%Si-0.1wt%Caであるアルミニウム合金粒子の粉末と、市販のSiC粉末(#800)を用意し、セラミックスの体積割合が10%となるように秤量を行い、ニーダーで2時間混合した。得られた混合粉末を圧縮成型し、圧粉体を作製した後、窒素雰囲気下にて700℃で焼結体の作製を行った。
得られた焼結体を用いて、表2に示すように生じさせる液相の割合を変化させ、双ロール法にて連続的に板材を作製することを試みた。結果を表2に示す。
Figure 0004269853
表2に示すように5%以上であると板作製が可能であり、液相の割合が3%では、流動性が乏しく板作製が行えなかった。
また、アルミニウム合金粉末の組成、加熱温度を変えて同様の手法で板作製を試みたところ、同様の結果が得られた
(実施例3)
板厚と冷却速度
組成がAl-8wt%Si-0.1wt%Caであるアルミニウム合金粒子の粉末と、市販のSiC粉末(#800)を用意し、セラミックスの体積割合が30%となるように秤量を行い、ニーダーで2時間混合した。得られた混合粉末を圧縮成型し、圧粉体を作製した。得られた圧粉体を窒素雰囲気下にて700℃で焼結を行い、焼結体の作製を行った。
得られた焼結体を610℃に加熱し、生じさせる液相の割合を75%とした混合物を作製し、表3に示すように板材を作製する方法、作製する板厚を変え、板作製を行った。試料20は比較例である。得られた板材の中心部に、ヒートシンクに加工した場合に外観上不均一な組織となる粗大なα相が見られたものについては×、見られなかったものについては○を記した。
Figure 0004269853
表3に示すように、試料15、17、18、19では中心部に粗大なα相は観察されなかった。試料16と比較例である試料20では、中心部に粗大なα相が見られた。つまり、冷却速度10℃/秒未満または、板厚が20mmを越えると、粗大なα相が現れた。
さらに、セラミックス粒子の分散の均一性を評価するため、粗大なα相が見られなかった試料15、17、18、19の熱膨張係数、熱伝導率の測定を行った。前記と同じように各50ケずつの試験片から測定を行い、その測定値の標準偏差を計算し、測定値のバラツキから評価したところ、いずれも粉末冶金法で作製したものと同等以上であった。このことから、セラミックス粒子が均一に分散されており、特性のバラツキのない複合材料が得られたことがわかる
(実施例4)
圧延加工
実施例3で得られた試料15、17、18、19の板材は、それぞれ温度450℃に加熱し、1パスごとの板厚減少率を20%にすると、厚みが1.0mmになるまで圧延加工を行うことができた
(実施例5)
ヒートシンク形状加工
実際のヒートシンク形状に加工を行うため、実施例4で得られた試料15、17、18、19から得られた厚み1.0mmの薄板を用いて、30×30mmの角形形状に加工し、中央部に15×15mmの角形形状で深さが0.3mmの凹部をスタンピングとコイニングにより形成した。その結果、いずれの試料も加工時の反りやうねり、割れ等の問題なく、上記の形状を付与することができた。
次に本件発明の前記実施形態から把握できる請求項以外の技術思想をその効果とともに記載する。
この発明の製造方法の混合物から連続的に板材を得る工程では、鋳造速度が100mm/分以上であることが好ましい。
液相混合物が冷却されて生じる初晶アルミニウムのセルが、実用上許容範囲内の大きさとなり、生成複合材料が、半導体素子搭載用基板向け複合材料としての適合性を有する効果がある。

Claims (12)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる粒子と、少なくとも一種類以上のセラミックス粒子からなる粉末を混合、圧粉して粉体混合物を得る工程と、得られた粉体混合物を、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気下において、焼結温度500〜750℃で焼結し、焼結体を得る焼結工程と、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物を得る工程と、前記液相混合物から板材を得る工程からなる複合材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって製造された複合材料。
  3. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる粒子と、少なくとも一種類以上のセラミックス粒子からなる粉末を混合、圧粉して粉体混合物を得る工程と、得られた粉体混合物を、アルミニウムに対する非酸化性の雰囲気下において、焼結温度500〜750℃で焼結し、焼結体を得る焼結工程と、得られた焼結体の少なくとも一部に液相を生じさせた液相混合物を得る工程と、前記液相混合物から連続的に板材を得る工程からなる半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  4. 前記粉体混合物中に前記セラミックス粒子を体積割合で10〜70%含有することを特徴とする、請求項3に記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  5. 前記セラミックス粒子が、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ホウ化チタン、酸化珪素、酸化ベリリウムから選ばれた少なくとも一種類を含むセラミック粒子からなる、請求項3または請求項4に記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  6. 前記液相混合物中の液相の割合が体積割合で5%以上である、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  7. 前記液相混合物から連続的に板材を得る工程において製造される前記板材の厚みが20mm以下である、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  8. 前記液相混合物から連続的に板材を得る工程において、前記板材の冷却速度は10℃/秒以上である、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  9. 前記液相混合物から連続的に板材を得る工程が、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール鋳造法、および横型鋳造法からなる群より選ばれた一種の方法で行なわれることを特徴とする、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  10. 前記板材を圧延加工によって薄板状材に加工する圧延工程をさらに備える、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  11. 前記圧延工程は、前記板材を200℃以上550℃以下の温度に加熱した後に圧延加工を行う、請求項10に記載の半導体素子搭載用基板向け複合材料の製造方法。
  12. 請求項3ないし11のいずれかに記載の製造方法によって製造された半導体素子搭載用基板向け複合材料。
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