JP2000192029A - 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法 - Google Patents

希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法

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JP2000192029A
JP2000192029A JP36976998A JP36976998A JP2000192029A JP 2000192029 A JP2000192029 A JP 2000192029A JP 36976998 A JP36976998 A JP 36976998A JP 36976998 A JP36976998 A JP 36976998A JP 2000192029 A JP2000192029 A JP 2000192029A
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Kazuhiro Hasegawa
和弘 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線像記録再生方法に利用した場合におい
て、高い鮮鋭度を示す画像が得られるとともに、感度お
よび粒状性が良好な希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系輝尽性蛍光体の新規な製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 NH4XおよびLnの水溶性化合物を含
有する反応母液に、無機弗化物の水溶液とBaX2の水
溶液とを添加して、蛍光体前駆体結晶の沈殿物を生成す
る工程で、無機弗化物の水溶液およびBaX2の水溶液
の添加開始からt(0<t<T、Tは添加終了時間を示
す。)までの各々の平均添加速度が、tからTまでの各
々の平均添加速度よりも速くなるように添加することを
特徴とする、特定の粒子サイズ、および粒子サイズ分布
を有する下記基本組成式(I)で表される輝尽性蛍光体
の製造方法である。 Ba1-xII xFX:yMI,zLn ・・・(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55−12145号公報に記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方
法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有す
る放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用す
るもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せ
られた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そ
ののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波
(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性
蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝
尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取
って電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて
被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生
するものである。読み取りを終えた前記パネルは、残存
する画像の消去が行われた後、次の撮影のために備えら
れる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用す
ることができる。
【0003】上記放射線像記録再生方法によれば、従来
の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射
線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線
量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるとい
う利点がある。さらに、従来の放射線写真法では、一回
の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対し
て、この放射線像変換方法では、放射線像変換パネルを
繰り返し使用することができるので、資源保護、経済効
率の面からも有利である。
【0004】輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励
起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用
上、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によ
って300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍
光体が一般的に利用される。従来より放射線像変換パネ
ルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例として、希土類賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体を挙げる
ことができる。放射線像記録再生方法に用いられる放射
線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその表面
に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。た
だし、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ず
しも支持体を必要としない。輝尽性蛍光体層は、通常は
輝尽性蛍光体と、これを分散状態で含有支持する結合剤
とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法
や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽性
蛍光体の凝集体のみから構成されるものも知られてい
る。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が
含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルも知られている。これらのいずれの輝尽性蛍光体層
であっても、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収し
たのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有
するものであるから、被写体を透過したあるいは被検体
から発せられた放射線は、その放射線量に比例した量の
エネルギーが放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸
収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が
放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積
像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光とし
て放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読
み取って電気信号に変換することにより放射線エネルギ
ーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0005】なお、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面
していない側の表面)には通常、ポリマーフィルムある
いは無機物の蒸着膜などからなる保護膜が設けられてい
て、輝尽性蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝
撃から保護している。
【0006】前記希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系輝尽性蛍光体は、感度が優れ、また放射線像
変換パネルとして使用した場合に鮮鋭度の高い放射線再
生画像をもたらすため、実用上において優れた輝尽性蛍
光体ということができる。しかしながら、放射線像記録
再生方法の実用化が進むにつれて、輝尽性蛍光体の更な
る高性能化の要望が高まっている。そこで、これまでに
利用されている希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系輝尽性蛍光体の粒子形状を調べると、それらは
板状粒子からなることが判明した。従来知られている希
土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体の製造方法は、原料化合物のアルカリ土類金属弗化
物、弗化物以外のアルカリ土類金属ハロゲン化物、希土
類元素のハロゲン化物、弗化アンモニウムなどを一緒
に、乾式で混合するか、あるいは水系媒体中に懸濁させ
て混合したのち、これを必要に応じて焼結防止剤を添加
のうえ、焼成し、粉砕する工程からなっていた。従っ
て、従来の製造方法では焼成後の粉砕工程が実質的には
必須となっており、このようにして得られる希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の粒
子は大部分が板状の粒子(以下、単に「板状蛍光体」と
いう場合がある)となっていた。
【0007】ところが、かかる板状蛍光体をバインダ樹
脂溶液と混合して支持体上に塗布し、乾燥して得られる
輝尽性蛍光体層では、板状蛍光体が、添付の図9に見ら
れるように、板状蛍光体表面と支持体平面とが平行にな
るように配列する傾向がある。このように板状蛍光体が
配置された輝尽性蛍光体層を持つ放射線像変換パネルに
放射線像を記憶させ、励起光を照射すると、その励起光
や、発生する輝尽光が横方面(支持体平面と平行な方
向)に拡がり易くなり(図9中の水平矢印参照)、この
ため得られる放射線再生画像の鮮鋭度が低下し易くなる
との問題がある。
【0008】以上のような、放射線像記録再生方法にお
ける放射線再生画像の鮮鋭度の低下を抑制するために
は、特開昭62−86086号公報に開示されている略
立方体の輝尽性蛍光体粒子を用いることが考えられる。
しかしながら、上記公報に開示されている略立方体の輝
尽性蛍光体粒子の製法は、工業的に利用するには、その
再現性が充分といえない。
【0009】さらに、特開平7−233369号公報等
では、粒子形状と粒子アスペクト比を制御した14面体
型の希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
尽性蛍光体(以下、単に「蛍光体」という場合がある)
の製造方法が示されている。希土類賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(以下、単に「14
面体蛍光体」という場合がある)が配置された輝尽性蛍
光体層を有する放射線像変換パネルでは、図10に示す
ように、輝尽性蛍光体層中で、14面体蛍光体が方向性
の少ない配列を示すため、励起光そして輝尽発光光の好
ましくない横方向への拡がりが低減され、得られる放射
線再生画像の鮮鋭度が向上する。上記公報に開示されて
いる製造方法は、ハロゲン化アンモニウムを反応母液と
して用い、この母液にハロゲン化バリウム水溶液と無機
弗化物塩の水溶液とを同時に添加して反応を進行させ、
輝尽性蛍光体を合成している。この製造方法は、合成反
応の進行に伴うイオン濃度変化が極めて小さいため、連
続的な合成に適しており生成効率が高いという点で優れ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記製造方法
においては、蛍光体前駆体の合成反応が、バリウムイオ
ンが過剰でない反応系で進行するため、生成する輝尽性
蛍光体の粒子は、結晶C軸方向へ特異な結晶成長を示
し、粒子アスペクト比の高い粒子形状をとりやすい傾向
がある。あらかじめ反応母液にハロゲン化バリウムを添
加することにより、ある程度アスペクト比を1に近づけ
ることができるが、粒子形状、粒子サイズ、および粒子
サイズ分布の制御性の点で十分ではない。
【0011】本発明は、得られる輝尽性粒子の粒子形
状、粒子サイズ、および粒子サイズ分布の制御性の高
い、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
尽性蛍光体の新規な製造方法を提供することを目的とす
る。特に、放射線像変換パネルに利用した場合におい
て、極めて高い鮮鋭度を示す高画質な画像が得られると
ともに、感度および粒状性が良好な希土類賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の新規な製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、生成される輝尽性蛍光体粒子の形状や、
粒子サイズ、および粒子サイズの分布は、反応母液に添
加する試薬の水溶液の添加速度を調節することによって
制御し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。即ち、上記目的は、以下の本発明に
より達成される。 <1> 基本組成式(I): Ba1-x II x FX:y MI ,zLn ・・・(I) [但し、MIIはSr及びCaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、MI はLi、
Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属を表し、XはCl、Br及びI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表
し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm
及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素を表し、x、y及びzは、0≦x≦0.5、0≦
y≦0.05、及び0<z≦0.2の各範囲内の数値を
それぞれ表す。]で表され、かつ、粒子サイズのメジア
ン径(Dm)が、1〜10μmであり、粒子サイズ分布
の標準偏差をσとしたときのσ/Dmが、50%以下の
範囲にあり、粒子アスペクト比が、1.0〜2.0の範
囲にある、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体の製造方法であって、NH4X;Ln
の水溶性化合物;上記基本組成式(I)のxが0でない
場合にはさらにMIIのハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩
もしくは酢酸塩;上記基本組成式(I)のyが0でない
場合にはさらにMIのハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩
もしくは酢酸塩;を含むとともに、NH4Xの濃度が
2.0モル/リットル以上4.5モル/リットル以下で
ある反応母液を調製する反応母液調製工程と、該反応母
液を20〜100℃の温度に維持しながら、無機弗化物
塩の水溶液とBaX2の水溶液とを、無機弗化物塩の弗
素とBaX2のモル比率が一定に維持されるように添加
し、蛍光体前駆体結晶の沈殿物を生成する沈殿物生成工
程と、前記蛍光体前駆体結晶の沈殿物を水溶液から分離
する分離工程と、分離した前記蛍光体前駆体結晶の沈殿
物を、焼結を避けながら焼成する焼成工程とを含み、前
記沈殿物生成工程において、無機弗化物塩の水溶液およ
びBaX2の水溶液の添加開始からt(0<t<T、T
は添加終了時間を示す。)までの各々の平均添加速度
が、tからTまでの各々の平均添加速度よりも速くなる
ように添加することを特徴とする希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0013】<2> 沈殿物生成工程が、第1の沈殿
物生成工程と第2の沈殿物生成工程とからなることを特
徴とする<1>に記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0014】<3> 沈殿物生成工程において、最終的
に得られる蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量をN、第1の
沈殿物生成工程で沈殿する蛍光体前駆体結晶の量をN1
としたとき、NおよびN1が下記関係式を満たしている
ことを特徴とする<2>に記載の希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。 0 <(N1 /N)≦0.8
【0015】<4> 沈殿物生成工程において、無機弗
化物塩の水溶液およびBaX2の水溶液の添加速度の時
間変化を示す曲線が、n(nは1以上の自然数を示
す。)の屈曲点または屈折点を有し、n=1の場合は、
添加開始から屈曲点または屈折点までの時間が第一の沈
殿物生成工程であり、n≧2の場合は、添加開始から第
1の屈曲点または屈折点と第2の屈曲点または屈折点の
中点までの時間が第1の沈殿物生成工程であることを特
徴とする<2>または<3>に記載の希土類賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方
法。
【0016】<5> 第2の沈殿物生成工程を第1の沈
殿物生成工程の後、連続して行うか、もしくは第2の沈
殿物生成工程を第1の沈殿物生成工程の後、一定時間を
経た後に行うことを特徴とする<2>から<4>までの
いずれかに記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0017】<6> 沈殿物生成工程において、BaX
2の水溶液と無機弗化物塩の水溶液の添加速度を一定速
度に維持するか、もしくは添加時間に対して連続的、あ
るいは断続的に変化させることを特徴とする<1>から
<5>までのいずれかに記載の希土類賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0018】<7> 無機弗化物塩が、弗化アンモニウ
ムもしくはアルカリ金属の弗化物であることを特徴とす
る<1>から<6>までのいずれかに記載の希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製
造方法。
【0019】<8> 沈殿物生成工程において、最終的
に得られる蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量をNとしたと
き、添加中に生成する蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量
が、0.001×N/分〜100×N/分の範囲となる
ように無機弗化物塩の水溶液およびBaX2の水溶液の
添加速度を調整することを特徴とする<1>から<7>
までのいずれかに記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
性蛍光体 まず、本発明の製造方法の製造目的物である希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体につ
いて説明する。本発明における希土類賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、基本組成式
(I): Ba1-x II x FX:y MI ,zLn ・・・(I) [但し、MIIはSr及びCaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、MI はLi、
Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属を表し、XはCl、Br及びI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表
し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm
及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素を表し、x、y及びzは、0≦x≦0.5、0≦
y≦0.05、及び0<z≦0.2の各範囲内の数値を
それぞれ表す。]で表される。
【0021】上記基本組成式(I)で表される希土類賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
は、正六面体と正八面体との中間多面体であり、通常
は、アスペクト比は1.0〜5.0の範囲にある。本発
明における希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽蛍光体は、粒子アスペクト比が1.0〜2.0
(さらに好ましくは、1.0〜1.5)の範囲、粒子サ
イズのメジアン径(Dm)が1〜10μm(さらに好ま
しくは、2.0〜7.0μm)の範囲、かつ、粒子サイ
ズ分布の標準偏差をσとしたときのσ/Dmが50%以
下の範囲にあるものである。
【0022】上記本発明における希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、放射線像変
換パネルの蛍光体層を形成するための輝尽性蛍光体材料
として有利に用いることができる。
【0023】製造方法 上記本発明における希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系輝尽性蛍光体は、以下に示す製造方法によ
り製造される。NH4X;Lnの水溶性化合物と;上記
基本組成式(I)のxが0でない場合にはさらにMII
ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩もしくは酢酸塩;上記
基本組成式(I)のyが0でない場合にはさらにMI
ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩もしくは酢酸塩;を含
むとともに、NH4Xの濃度が2.0モル/リットル以
上4.5モル/リットル以下である反応母液を調製する
反応母液調製工程と、該反応母液を20〜100℃の温
度に維持しながら、無機弗化物塩の水溶液とBaX2
水溶液とを、無機弗化物塩の弗素とBaX2のモル比率
が一定に維持されるように添加し、蛍光体前駆体結晶の
沈殿物を生成する沈殿物生成工程と、前記蛍光体前駆体
結晶の沈殿物を水溶液から分離する分離工程と、分離し
た前記蛍光体前駆体結晶の沈殿物を、焼結を避けながら
焼成する焼成工程とを含み、前記沈殿物生成工程におい
て、無機弗化物塩の水溶液およびBaX2の水溶液の添
加開始からt(0<t<T、Tは添加終了時間を示
す。)までの各々の平均添加速度が、tからTまでの各
々の平均添加速度よりも速くなるように添加することを
特徴とする希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体の製造方法。以下、各工程を詳細に説
明する。
【0024】i)反応母液調製工程 少なくとも、NH4XとLnの水溶性化合物とを、水系
媒体中に入れ、混合し、十分に溶解させて反応母液を調
製する。NH4XのXはCl,Br及びIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し、所望の最
終生成物の組成に応じて選択することができる。NH4
Xの濃度が、2.0モル/リットル以上4.5モル/リ
ットル以下、好ましくは3.0モル/リットル以上4.
5モル/リットル以下となるように調製する。Lnは、
Ce,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm及びYbか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表
し、所望の最終生成物の組成に応じて選択することがで
きる。Lnの水溶性化合物としては、前記希土類元素の
ハロゲン化物(塩化物、臭化物等)、硝酸塩、および酢
酸塩等が挙げられる。
【0025】前記組成式(I)のxが0でない場合に
は、水系媒体中に、さらにMIIのハロゲン化物、硝酸
塩、亜硝酸塩、または酢酸塩を同様に溶解させる。MII
としては、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属を表し、所望の最終生成物
の組成に応じて選択することができる。さらに、下記組
成式(I)のyが0でない場合には、MIのハロゲン化
物、硝酸塩、亜硝酸塩、または酢酸塩を同様に溶解させ
る。MIはLi,Na,K,Rb及びCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、所望
の最終生成物の組成に応じて選択することができる。反
応母液には、前記成分以外に、少量の酸、アンモニア、
水溶性高分子ポリマー、および水不溶性金属酸化物微粒
子粉体等を添加してもよい。尚、本発明において「水溶
液」とは、「溶質」を「水系媒体」により溶解したもの
をいう。また、「水系媒体」とは、水は勿論のこと、水
と親和性の高い液体(たとえば、アルコール等)単独ま
たは複数混合したもの、あるいはこれらと水とを混合し
たものを含む概念であり、これらのなかでも水が最も好
ましい。従って、本発明において「水溶液」という場合
には、本発明に言う「水系媒体」により調製された全て
の溶液を含む概念であり、水を「水系媒体」とするもの
が最も好ましい。
【0026】ii)沈殿物生成工程 次に、前記のように調製した反応母液に、BaX2の水
溶液、および無機弗化物塩の水溶液を各々添加する。添
加は、反応母液を攪拌しながら行うのが好ましく、特
に、反応母液の攪拌中心部分(強く攪拌されている部
分)に、前記水溶液が添加されるように行うのが好まし
い。BaX2中、XはCl,Br及びIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し、所望の最終
生成物の組成に応じて選択することができる。用いられ
る無機弗化物塩としては、弗化アンモニウム、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の弗化物、弗
化水素酸等が挙げられ、特に弗化アンモニウム、および
アルカリ金属の弗化物が、溶解度、発光特性、および反
応中のpH変化の点で好ましい。無機弗化物塩の水溶液
およびBaX2の水溶液は、各々の水溶液に含まれる弗
素とBaX2のモル比率を一定に維持するように設定さ
れる。例えば、精密シリンダーポンプ、精密ギアポン
プ、チューブポンプ、またはダイヤフラムポンプ等の精
密ポンプを用いると、添加速度を高精度で制御できるの
で好ましい。また、BaX2の水溶液と、無機弗化物塩
の水溶液の添加時には、反応母液の温度は20℃〜10
0℃に維持する。
【0027】本発明では、無機弗化物塩の水溶液および
BaX2の水溶液の添加開始からt(0<t<T、Tは
添加終了時間を示す。)までの各々の平均添加速度が、
tからTまでの各々の平均添加速度よりも速くなるよう
に添加する必要がある。無機弗化物塩の水溶液およびB
aX2の水溶液を添加する初期の段階では、前記一般式
(I)に示される輝尽性蛍光体の前駆体結晶粒子の母核
が生成する。この際に生成する母核の数が多すぎると、
不定形微粒子が生成したり、結晶粒子の形状や粒子サイ
ズが不均一になる場合がある。一方、生成する母核の数
が少なすぎると、結晶粒子は結晶C軸方向へ特異な結晶
成長を示して柱状粒子になる場合がある。本発明では、
両水溶液の添加速度を前記のように調節することによ
り、添加初期では母核生成を促進し、添加後期では母核
生成を抑制するとともに、母核結晶の成長を促進し、得
られる蛍光体前駆体結晶の粒子サイズ、粒子サイズ分
布、および形状を制御している。
【0028】無機弗化物塩の水溶液およびBaX2の水
溶液の添加速度は、前記条件を満たしている限り、時間
に対してどのように変化させてもよい。例えば、任意の
時間tまでは、各々の添加初速度V0およびV0’を保持
し、母核を生成させた後、tから添加終了時間Tまで
は、添加速度を各々、VtおよびVt’(但し、Vt<V0
およびVt’<V0’)に維持し、母核の成長を促進して
もよい。また、添加速度は、時間に対して変化させても
よく、時間に対する変化は連続的であっても、断続的で
あってもよい。また、連続的変化と断続的変化を組み合
わせてもよい。両水溶液の添加速度を時間に対して変化
させる場合は、n次関数的(n=1、2、または3)、
指数関数的、あるいは微分関数的に変化させてもよい。
その他、時間に対する添加速度の変化が、ヒステリシス
カーブ、cos関数等を示すような添加パターンであっ
てもよい。図1から図3に、無機弗化物塩の水溶液(あ
るいは、BaX2の水溶液)の添加パターンの態様をい
くつか示すが、本発明の製造方法における添加パターン
は、特にこれに限定されるものではない。
【0029】図1から図3に示すように、速い平均添加
速度で添加を行う第1の沈殿物生成工程と、遅い平均添
加速度で添加を行う第2の沈殿物生成工程に分けて添加
を行うのが好ましい。このように、2段階に分けて添加
を行うと、蛍光体前駆体結晶の粒子形状、粒子サイズ等
をより制御できるので好ましい。この場合、第1の沈殿
物生成工程においては添加速度を一定に維持するのが、
均一な母核を必要量生成させることができるので好まし
い。また、第2の沈殿物生成工程においては、添加速度
を一定に維持してもよいし(図1(a)および
(b))、添加速度を時間に対して減少させても(図2
(a)および図3(a))、増加させてもよい(図2
(b)および図3(b))。中でも、一定に維持する場
合は、粒子サイズが均一となる点で、減少させる場合は
結晶性(外形安定化)の点で、増加させる場合は製造に
要する時間を短縮化できる等の製造効率の点で好まし
い。
【0030】また、本発明において、無機弗化物塩の水
溶液およびBaX2の水溶液の各々の添加速度の時間変
化を示す曲線は、屈曲点(または屈折点)を有していて
も、有していなくてもよく、有している場合は、その数
についても特に限定されない。ここで、屈折点とは、図
4(a)、図5(a)ならびに(b)、および図6
(a)のような、傾きが異なる複数の直線が結合した曲
線において、傾きの異なる2つの直線の交点(図中、矢
印で示す。)をいう。一方、屈曲点とは、図4(b)、
図5(c)、および図6(c)のような、非直線からな
る曲線を、傾きが異なる複数の直線が結合した曲線に近
似させた場合に、その近似曲線が有する前記屈折点をい
う。図4(a)(b)は、屈曲点(または屈折点)が1
である場合、図5(a)〜(c)は、屈曲点が2である
場合、図6(a)および(b)は、屈曲点が3以上の場
合の曲線の例を示す。屈曲点(または屈折点)が1の場
合は、添加開始〜屈曲点(または屈折点)までの時間が
第1の沈殿物生成工程で、屈曲点(または屈折点)〜T
までの時間が第2の沈殿物生成工程となるのが好まし
い。屈曲点(または屈折点)が2の場合は、添加開始〜
2つの屈曲点(または屈折点)の中点までの時間が第1
の沈殿物生成工程で、2つの屈曲点(または屈折点)の
中点〜Tまでの時間が第2の沈殿物生成工程となるのが
好ましい。屈曲点(または屈折点)が3以上の場合は、
添加開始〜第1の屈曲点(または屈折点)と第2の屈曲
点(屈折点)の中点の時間までが第1の沈殿物生成工程
で、第1の屈曲点(または屈折点)と第2の屈曲点(ま
たは屈折点)の中点〜Tまでの時間が第2の沈殿物生成
工程であるのが好ましい。
【0031】第1の沈殿物生成工程における各々の水溶
液の平均添加速度V1およびV1’、および第2の沈殿物
生成工程における各々の水溶液の平均添加速度をV2
よびV2’とした場合、V2<V1であり、かつV1’<V
2’の関係が成立している必要があり、好ましくは、V1
/V2およびV1’/V2’が1〜1000のとなるよう
に、特に好ましくは10〜100となるように、添加速
度を調節するのが好ましい。また、第1の沈殿物生成工
程が終了する時間tで添加速度を急激に低下させたり、
時間tで添加速度を0とし、その後任意の時間経過した
t’で第1の沈殿物生成工程の添加速度よりも遅い添加
速度で添加を開始するのが好ましい。第1の沈殿工程に
おける各々の添加初速度V0とV0’、第2の工程におけ
る各々の添加初速度をVtおよびVt’とした場合、V0
/VtおよびV0’/Vt’は1〜1000となるのが好
ましく、10〜100となるのが特に好ましい。
【0032】第2の沈殿物生成工程を第1の沈殿物生成
工程の後連続して行ってもよいし(例えば、図1
(a))、第2の沈殿物生成工程を第1の沈殿物生成工
程の後、一定時間を経た後に行ってもよい(例えば、図
1(b))。前者は、連続工程であるので、反応時間を
短縮化できる点で好ましく、後者は、母核生成後の熟成
により、粒子サイズおよび粒子形状が安定化できる点で
好ましい。
【0033】添加速度を低下させるタイミングとして
は、沈殿した蛍光体前駆体結晶の物質量を目安にするこ
とができる。例えば、沈殿物生成工程を平均添加速度が
異なる2段階で行う場合、第1の沈殿物生成工程で生成
する蛍光体前駆体結晶の物質量N1、最終的に沈殿する
蛍光体前駆体結晶の物質量をNとすると、N1とNは下
記関係式を満たしているのが、粒子アスペクト比を1〜
2、粒子サイズ(Dm)を1〜10μmに調節する点で
好ましい。 0<(N1/N)≦0.8 さらに、下記関係式を満たしているのがより好ましい。 0.05≦(N1/N)≦0.3
【0034】また、沈殿物生成工程で、得られる蛍光体
前駆体結晶の沈殿物の全量をNとすると、添加速度は、
0.001×N/分〜100×N/分であるのが好まし
く、0.01×N/分〜1.0N/分であるのがより好
ましい。特に、第1の沈殿物生成工程においては、添加
速度は、0.1×N〜100×N/分であるのが好まし
い。添加速度を精密に調整するためには、例えば、精密
シリンダーポンプ、精密ギアポンプ、チューブポンプ、
またはダイヤフラムポンプ等の精密ポンプにて添加する
ことが好ましい。
【0035】iii)分離工程 以上のようにして得られた蛍光体前駆体結晶の沈殿物
は、吸引濾過、加圧濾過、遠心分離などの分離手段によ
って、水溶液から分離する。分離された蛍光体前駆体結
晶の沈殿物は、メタノールなどの低級アルコールによっ
て充分に洗浄し、乾燥することができる。
【0036】iv)焼成工程 分離した前記蛍光体前駆体結晶の沈殿物を、焼結を避け
ながら焼成する。焼結を避ける方法としては、たとえ
ば、蛍光体前駆体結晶に、アルミナ、シリカ、ジルコニ
ア、チタニア、マグネシアなどの金属酸化物微粉末から
なる焼結防止剤を添加して混合し、結晶表面に焼結防止
剤微粉末を均一に付着させるから焼成する方法が挙げら
れる。なお、焼成条件を適宜調整することによって焼結
防止剤の添加を省略することも可能である。
【0037】具体的な焼成方法としては、必要に応じて
焼結防止剤微粉末が表面に付着した蛍光体前駆体結晶
を、石英ボート、アルミナボート、石英るつぼ、アルミ
ナるつぼなどの耐熱性容器に充填し、電気炉等の炉芯に
入れて行う方法が挙げられる。焼成温度は400〜13
00℃の範囲が好ましく、500〜1000℃の範囲が
より好ましい。焼成時間は、蛍光体前駆体結晶の充填
量、焼成温度及び取出し温度などによっても異なるが、
一般には0.5〜12時間が適当である。焼成雰囲気
は、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性雰
囲気、あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲
気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還
元雰囲気、あるいは微量酸素導入雰囲気が利用される。
上記の焼成によって目的の希土類賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が得られる。
【0038】放射線像変換パネルの製造方法 次に、本発明の製造方法により得られる希土類賦活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を用いた
放射線像変換パネルの製造方法について述べる。
【0039】本発明の製造方法により得られる希土類賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
(以下、単に「輝尽性蛍光体」という場合がある)は、
放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に含まれる。通常
は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合
剤とからなるのものである。なお、輝尽性蛍光体層中に
は更に、他の輝尽性蛍光体および/または着色剤などの
添加剤が含まれていてもよい。
【0040】輝尽性蛍光体層が、輝尽性蛍光体とこれを
分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、放射線像変換パネルの製造方法を説明する。
【0041】輝尽性蛍光体層は、次のような公知の方法
により支持体上に形成することができる。まず、輝尽性
蛍光体と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合し
て、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布
液を調製する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体と
の混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、輝
尽性蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合
剤と輝尽性蛍光体との混合比(重量比)は、1:1乃至
1:100の範囲から選ばれ、特に1:8乃至1:40
の範囲から選ぶのが好ましい。次に、上記のようにして
調製された輝尽性蛍光体と結合剤とを含有する塗布液
を、支持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形
成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、
ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターな
どを用いることにより行うことができる。
【0042】支持体としては、従来より放射線像変換パ
ネルの支持体の材料として公知のものから任意に選ぶこ
とができる。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持
体と輝尽性蛍光体層との結合を強化するため、あるいは
放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭
度、粒状性)を向上させるために、輝尽性蛍光体層が設
けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を
塗布して接着性付与層を設けたり、あるいは二酸化チタ
ンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカー
ボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層など
を設けることが知られている。本発明において用いられ
る支持体についても、これらの各種の層を設けることが
でき、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目
的、用途などに応じて任意に選択することができる。さ
らに特開昭58−200200号公報に記載されている
ように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支
持体の輝尽性蛍光体層側の表面(支持体の輝尽性蛍光体
層側の表面に接着性付与層、光反射層または光吸収層な
どが設けられている場合には、その表面を意味する)に
は微小凹凸が形成されていてもよい。
【0043】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち該塗膜を乾燥して、支持体上に輝尽性蛍光体層を
形成する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝
尽性蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は2
0μm乃至1mmとする。該層厚は50乃至500μm
とするのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずし
も上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成す
る必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プ
ラスチックシートなどのシート上に塗布液を塗布し乾燥
することにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持
体上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支
持体と輝尽性蛍光体層とを接合してもよい。
【0044】前述のように、通常は輝尽性蛍光体層の上
に保護膜が付設される。保護膜としては、セルロース誘
導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有
機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を輝
尽性蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、ポ
リエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや
透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成し
て輝尽性蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けた
もの、あるいは無機化合物を蒸着などによって輝尽性蛍
光体層上に成膜したもの、などが用いられる。また、有
機溶媒可溶性のフッ素系樹脂の塗布膜により形成され、
パーフルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹
脂粉末を分散、含有させた保護膜であってもよい。
【0045】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことを目的として、放射線像変換パネルを構成する上記
各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、輝尽発光
光は吸収しないような着色剤によって着色されていても
よく、独立した着色中間層を設けてもよい(特公昭54
−23400号公報参照)。
【0046】上記の方法により、支持体上に、本発明の
製造方法により得られる希土類賦活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体と、これを分散状態で含
有支持する結合剤と、からなる輝尽性蛍光体層が付設さ
れてなる放射線像変換パネルを製造することができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により、より詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例において、「水溶液」というと
きは、本発明における概念にかかわらず、水のみを媒体
とする一般的な水溶液を意味する。 [実施例1]以下の手順で、ユーロピウム付活弗化臭化
バリウムの輝尽性蛍光体(BaFBr:0.001Eu
2+)を製造した。NH4Br水溶液(4.5モル/リッ
トル)1780ml、EuBr3水溶液(0.2モル/
リットル)5ml、および水215mlを4リットルの
容積の反応器に入れた。この反応器中の反応母液(NH
4Br濃度が4.0モル/リットル)を60℃に保温
し、周囲に容積が約100mlの混合室が付設された直
径45mmのスックリュー型攪拌羽根を500rpmで
回転させて、混合室から上方流を発生させるように反応
母液を攪拌した。次に、NH4F水溶液(10モル/リ
ットル)100mlとBaBr2水溶液(2.5モル/
リットル)400mlを、上記の攪拌下に保温している
反応母液中の混合室に、別々の精密シリンダーポンプを
用いてNH4FとBaBr2のモル比率が一定になるよう
に添加した。
【0048】添加は、2段階に分けて実施した。1段目
は、NH4F水溶液を20ml/分の等速度(平均添加
速度20ml/分)で、BaBr2水溶液を80ml/
分の等速度(平均添加速度80ml/分)で1分間添加
した。1段目の添加の後、2段目の添加を連続して行っ
た。2段目は、NH4F水溶液を2ml/分の等速度
(平均添加速度2ml/分)で、BaBr2水溶液を8
ml/分の等速度(平均添加速度8ml/分)で40分
間行った。1段目の添加により、最終的に沈殿した前駆
体結晶の20%が沈殿した。両水溶液の添加中、反応液
は60℃に維持されていた。次に沈殿した前駆体結晶を
濾別し、メタノール2リットルで洗浄した。洗浄した前
駆体結晶を取出し、120℃で4時間真空乾燥させてユ
ーロピウム付活弗化臭化バリウムの結晶を約220g得
た。上記の結晶に、焼成時の焼結による粒子形状の変化
や粒子間融着による粒子サイズの変化を防止するため
に、アルミナの超微粒子粉体を1重量%添加し、ミキサ
ーで充分に混合して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉
体を均一に付着させた。これを100g取って石英ボー
トに充填し、チューブ炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、
850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化臭化バ
リウム蛍光体粒子(BaFBr:0.001Eu 2+)を
得た。
【0049】[実施例2]実施例1の製造方法におい
て、1段目のNH4F水溶液の添加速度を50ml/分
(等速度、平均添加速度50ml/分)に変え、BaB
2水溶液の添加速度を200ml/分(等速度、平均
添加速度200ml/分)に変えて、0.4分間添加
し、2段目のNH4F水溶液の添加速度を2ml/分
(等速度、平均添加速度2ml/分)に変え、BaBr
2水溶液の添加速度を8ml/分(等速度、平均添加速
度8ml/分)に変えて40分間行った以外は、実施例
1と同様にして、ユーロピウム付活弗化臭化バリウム蛍
光体粒子(BaFBr:0.001Eu2+)を得た。1
段目の添加により、最終的に沈殿した前駆体結晶の20
%が沈殿した。
【0050】[実施例3]実施例1の製造方法におい
て、1段目のNH4F水溶液の添加速度を100ml/
分(等速度、平均添加速度100ml/分)に変え、B
aBr2水溶液の添加速度を400ml/分(等速度、
平均添加速度400ml/分)に変えて、0.2分間添
加し、2段目のNH4F水溶液の添加速度を2ml/分
(等速度、平均添加速度2ml/分)に変え、BaBr
2水溶液の添加速度を8ml/分(等速度、平均添加速
度8ml/分)に変えて40分間行った以外は、実施例
1と同様にして、ユーロピウム付活弗化臭化バリウム蛍
光体粒子(BaFBr:0.001Eu2+)を得た。1
段目の添加により、最終的に沈殿した前駆体結晶の20
%が沈殿した。
【0051】[比較例1]以下の手順で、ユーロピウム
付活弗化臭化バリウムの輝尽性蛍光体(BaFBr:
0.001Eu2+)を製造した。NH4Br水溶液
(4.5モル/リットル)1780ml、EuBr3
溶液(0.2モル/リットル)5ml、および水215
mlを4リットルの容積の反応器に入れた。この反応器
中の反応母液(NH4Br濃度が4.0モル/リット
ル)を60℃に保温し、周囲に容積が約100mlの混
合室が付設された直径45mmのスックリュー型攪拌羽
根を500rpmで回転させて、混合室から上方流を発
生させるように反応母液を攪拌した。次に、NH4F水
溶液(10モル/リットル)100mlとBaBr2
溶液(2.5モル/リットル)400mlを、保温およ
び攪拌されている反応母液中に、別々の精密シリンダー
ポンプを用いてNH4FとBaBr2のモル比率が一定に
なるように、NH4F水溶液を添加速度10ml/分の
等速度で、BaBr2水溶液を添加速度40ml/分の
等速度で添加した。この添加により、前駆体結晶が沈殿
した。添加の完了後も保温と攪拌を2時間続けて沈殿物
の熟成を行った。次に沈殿物を濾別し、メタノール2リ
ットルで洗浄した。次いで、洗浄した沈殿物を取出し、
120℃で4時間真空乾燥させてユーロピウム付活弗化
臭化バリウムの結晶を約220g得た。上記の結晶を実
施例1と同様に焼成して、ユーロピウム付活弗化臭化バ
リウム蛍光体粒子(BaFBr:0.001Eu2+)を
得た。
【0052】[比較例2]ユーロピウム付活弗化臭化バ
リウムの輝尽性蛍光体(BaFBr:0.001E
2+)を以下の手順で製造した。前駆体を合成するため
に、NH4Br水溶液(4.5モル/リットル)220
ml、EuBr3水溶液(0.2モル/リットル)5m
l、BaBr2水溶液(2.5モル/リットル)480
ml、および水1295mlを4リットルの容積の反応
器に入れた。この反応器中の反応母液(NH4Br濃度
が0.5モル/リットル、BaBr2濃度が0.6モル
/リットル)を60℃に保温し、周囲に容積が約100
mlの混合室が付設された直径45mmのスックリュー
型攪拌羽根を500rpmで回転させて、混合室から上
方流を発生させるように反応母液を攪拌した。NH4
水溶液(10モル/リットル)100mlとBaBr2
水溶液(2.5モル/リットル)400mlを、保温お
よび攪拌されている反応母液中に、別々の精密シリンダ
ーポンプを用いてNH4FとBaBr2の比率が一定にな
るように、NH4F水溶液の添加速度を2ml/分の等
速度で、BaBr2水溶液の添加速度を8ml/分の等
速度で添加した。この添加により前駆体結晶を沈殿させ
た。添加の完了後も保温と攪拌を2時間続けて沈殿物の
熟成を行った。次に沈殿物を濾別し、メタノール2リッ
トルで洗浄した。次いで、洗浄した沈殿物を取出し、1
20℃で4時間真空乾燥させてユーロピウム付活弗化臭
化バリウムの結晶を約220g得た。上記の結晶を実施
例1と同様に焼成して、ユーロピウム付活弗化臭化バリ
ウム蛍光体粒子(BaFBr:0.001Eu2+)を得
た。
【0053】実施例1から実施例3、および比較例1か
ら比較例2で得られた輝尽性蛍光体を以下のように評価
した。 [蛍光体粒子の形状等についての評価]粒子サイズ(メ
ジアン径)、および粒子サイズ分布は、光回折型粒子サ
イズ分布測定装置(堀場製作所株式会社製、「LA−5
00」)を用いて測定した。メジアン径は、上記装置で
測定される値を使用し、粒子サイズ分布は、上記装置で
測定される分布表より算出した(図7および図8)。粒
子形状、および粒子アスペクト比は、走査型電子顕微鏡
(日本電子株式会社製、「JSM−5400LV」)を
用いて評価した。形状は、上記装置で得られた写真を観
察して評価した。粒子アスペクト比は、上記装置で得ら
れた写真の粒子200点の縦横比を実測して平均値を求
め、該平均値より算出した。評価結果を表1に示す。
【0054】次に、実施例1から実施例3、および比較
例1から比較例2で得られた輝尽性蛍光体を用いて、放
射線像変換パネルを以下の手順で作製し、以下のように
評価した。実施例1〜3および比較例1〜2で得られた
輝尽性蛍光体356g、ポリウレタン樹脂(住友バイエ
ルウレタン(株)製、「デスモラック4125」)1
5.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gを
メチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添
加し、プロペラミキサーを用いて分散し、粘度25〜3
0PSの蛍光体層用塗布液を調製した。この蛍光体層用
塗布液を、ドクターブレードを用いて下塗り付きポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に塗布したのち、10
0℃で15分間乾燥させて、種々の厚さの蛍光体層を形
成した。
【0055】次に、弗素系樹脂(フルオロオレフィン−
ビニルエーテル共重合体:旭硝子(株)製、「ルミフロ
ンLF−100」)70g、架橋剤(イソシアネート:
住友バイエルウレタン(株)製、「デスモジュール Z
4370」)25g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
5g、およびシリコーン樹脂粉末(粒子径1〜2μm:
信越化学工業(株)製、「KMP−590」)10gを
トルエン−イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒
に添加し、保護層用塗布液を調製した。この保護層用塗
布液を、予め形成しておいた蛍光体層上にドクターブレ
ードを用いて塗布し、次に120℃で30分間熱処理し
て熱硬化させるとともに乾燥し、厚さ10μmの保護層
を設けた。以上に記載の方法により、種々の厚さの輝尽
性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを得た。
【0056】[放射線像変換パネルの評価方法] <感度の評価>作製した放射線像変換パネルに、管電圧
80kVのX線を照射したのち、He−Neレーザー光
(波長:632.8nm)で走査して、蛍光体層から放
射される輝尽発光強度を測定し、この輝尽発光強度を用
いて感度を評価した(実施例1のパネルが示す輝尽発光
強度を感度100とし、相対的に評価した。)。 <鮮鋭度の評価>作製した放射線像変換パネルに、管電
圧80kVのX線をCTFチャートを通して照射したの
ち、He−Neレーザー光で走査して、CTFチャート
の画像を得た。得られた画像からコントラスト伝達関数
(CTF)を測定して、空間周波数2サイクル/mmに
おけるCTF値で評価した。 <粒状性の評価>作製した放射線像変換パネルに、管電
圧80kVのX線を均一照射したのち、He−Neレー
ザー光で走査して、均一露光画像を得た。得られた画像
信号の粒状性をRMS値を用いて評価した(実施例1の
パネルが示すRMS値を粒状性100とし、相対的に評
価した。)。以上の評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から、反応母液に、前半は速い
添加速度で、後半は遅い添加速度で、反応液を添加した
実施例1〜3では、粒子アスペクト比が1付近の14面
体型粒子が得られ、粒子サイズ分布の制御性も良好であ
るのに対して、比較例1では得られた粒子の形状が柱状
型となった。比較例2は、得られた粒子の形状は14面
体型であったが、粒子サイズ分布が50%以上でブロー
ドであった。また、実施例1〜3の蛍光体からなる放射
線像変換パネルの画質は、感度、鮮鋭度、粒状性のバラ
ンスが良好なのに対して、比較例1および比較例2のパ
ネルの画質は、鮮鋭度と粒状性が悪い傾向にあった。
【0059】
【発明の効果】本発明の輝尽性蛍光体の製造方法によれ
ば、得られる蛍光体粒子の粒子形状、粒子アスペクト
比、粒子サイズ(メジアン径)、および粒子サイズ分布
の制御が容易となり、例えば、放射線像変換パネル等に
利用した場合に、画質(特に鮮鋭度や構造ノイズ)を向
上し得る輝尽性蛍光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターンの一例を示した図である。
【図2】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターンの他の例を示した図である。
【図3】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターンの他の例を示した図である。
【図4】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターン(屈曲点または屈折点が1)の一例を示した図で
ある。
【図5】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターン(屈曲点または屈折点が2)の一例を示した図で
ある。
【図6】 本発明の第1および第2の添加工程の添加パ
ターン(屈曲点または屈折点が3以上)の一例を示した
図である。
【図7】 実施例および比較例で得られた蛍光体粒子の
粒子サイズ分布表である。
【図8】 実施例および比較例で得られた蛍光体粒子の
粒子サイズ分布を示すグラフである。
【図9】 放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層中にお
ける従来の板状希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系輝尽性蛍光体の配列と、その輝尽性蛍光体層内
の光伝導の方向を模式的に示す図である。
【図10】 放射線像変換パネルの蛍光体層中における
希土類賦活アルカリ土類金属弗化 ハロゲン化物系輝尽
性蛍光体の配列と、その蛍光体層内の光伝導の方向を模
式的に示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本組成式(I): Ba1-xII xFX:yMI,zLn ・・・(I) [但し、MIIはSr及びCaからなる群より選ばれる少
    なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、MIはLi,
    Na,K,Rb及びCsからなる群より選ばれる少なく
    とも一種のアルカリ金属を表し、XはCl,Br及びI
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表
    し、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm
    及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
    類元素を表し、Baはバリウム原子を表し、Fは弗素原
    子を表し、x,y及びzは、0≦x≦0.5、0≦y≦
    0.05、0<z≦0.2の各範囲内の数値をそれぞれ
    表す。]で表され、かつ、 粒子サイズのメジアン径(Dm)が、1〜10μmであ
    り、 粒子サイズ分布の標準偏差をσとしたときのσ/Dm
    が、50%以下の範囲にあり、 粒子アスペクト比が、1.0〜2.0の範囲にある、希
    土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
    光体の製造方法であって、 NH4X;Lnの水溶性化合物;上記基本組成式(I)
    のxが0でない場合にはさらにMIIのハロゲン化物、硝
    酸塩、亜硝酸塩もしくは酢酸塩;上記基本組成式(I)
    のyが0でない場合にはさらにMIのハロゲン化物、硝
    酸塩、亜硝酸塩もしくは酢酸塩;を含むとともに、NH
    4Xの濃度が2.0モル/リットル以上4.5モル/リ
    ットル以下である反応母液を調製する反応母液調製工程
    と、 該反応母液を20〜100℃の温度に維持しながら、無
    機弗化物塩の水溶液とBaX2の水溶液とを、無機弗化
    物塩の弗素とBaX2のモル比率が一定に維持されるよ
    うに添加し、蛍光体前駆体結晶の沈殿物を生成する沈殿
    物生成工程と、 前記蛍光体前駆体結晶の沈殿物を水溶液から分離する分
    離工程と、 分離した前記蛍光体前駆体結晶の沈殿物を、焼結を避け
    ながら焼成する焼成工程とを含み、かつ、 前記沈殿物生成工程において、無機弗化物塩の水溶液お
    よびBaX2の水溶液の添加開始からt(0<t<T、
    Tは添加終了時間を示す。)までの各々の平均添加速度
    が、tからTまでの各々の平均添加速度よりも速くなる
    ように添加することを特徴とする希土類賦活アルカリ土
    類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 沈殿物生成工程が、第1の沈殿物生成工
    程と、第2の沈殿物生成工程とからなることを特徴とす
    る請求項1に記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
    ロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 沈殿物生成工程において、最終的に得ら
    れる蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量をN、第1の沈殿物
    生成工程で沈殿する蛍光体前駆体結晶の量をN1とした
    とき、NおよびN1が下記関係式を満たしていることを
    特徴とする請求項2に記載の希土類賦活アルカリ土類金
    属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。 0 <(N1 /N)≦0.8
  4. 【請求項4】 沈殿物生成工程において、無機弗化物塩
    の水溶液およびBaX2の水溶液の添加速度の時間変化
    を示す曲線が、n(nは1以上の自然数を示す。)の屈
    曲点または屈折点を有し、n=1の場合は、添加開始か
    ら屈曲点または屈折点までの時間が第一の沈殿物生成工
    程であり、n≧2の場合は、添加開始から第1の屈曲点
    または屈折点と第2の屈曲点または屈折点の中点までの
    時間が第1の沈殿物生成工程であることを特徴とする請
    求項2または請求項3に記載の希土類賦活アルカリ土類
    金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 第2の沈殿物生成工程を第1の沈殿物生
    成工程の後、連続して行うか、もしくは第2の沈殿物生
    成工程を第1の沈殿物生成工程の後、一定時間を経た後
    に行うことを特徴とする請求項2から請求項4までのい
    ずれか1項に記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
    ロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 沈殿物生成工程において、BaX2の水
    溶液と無機弗化物塩の水溶液の添加速度を一定速度に維
    持するか、もしくは添加時間に対して連続的、あるいは
    断続的に変化させることを特徴とする請求項1から請求
    項5までのいずれか1項に記載の希土類賦活アルカリ土
    類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 無機弗化物塩が、弗化アンモニウムもし
    くはアルカリ金属の弗化物であることを特徴とする請求
    項1から請求項6までのいずれか1項に記載の希土類賦
    活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 沈殿物生成工程において、最終的に得ら
    れる蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量をNとしたとき、添
    加中に生成する蛍光体前駆体結晶の沈殿物の量が、0.
    001×N/分〜100×N/分の範囲となるように無
    機弗化物塩の水溶液およびBaX2の水溶液の添加速度
    を調整することを特徴とする請求項1から請求項7まで
    のいずれか1項に記載の希土類賦活アルカリ土類金属弗
    化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
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US09/472,076 US6383412B1 (en) 1998-12-25 1999-12-23 Rare earth element-activated, alkaline earth metal fluorohalide based stimulable phosphor, process and apparatus for the preparation thereof, and radiographic image conversion panel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115298141A (zh) * 2020-03-31 2022-11-04 松下知识产权经营株式会社 卤化物的制造方法

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