JP2000191928A - ボ―ル用熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いたワンピ―スゴルフボ―ル - Google Patents
ボ―ル用熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いたワンピ―スゴルフボ―ルInfo
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Abstract
なボール用熱可塑性樹脂組成物、並びに当該組成物を用
いて製造したワンピースゴルフボールを提供する。 【解決手段】 ジエン系ゴムを動的架橋してなるゴム微
粒子が、熱可塑性エラストマー中に分散されてなる。前
記熱可塑性エラストマーは、ポリエステル系、ポリウレ
タン系及びポリアミド系が好ましく、融点が130〜2
30℃であることが好ましい。また、前記熱可塑性エラ
ストマーと前記ジエン系ゴムの含有重量比率(熱可塑性
エラストマー/ジエン系ゴム)は、95/5〜20/8
0であることが好ましい。
Description
ボール、特にワンピースゴルフボールの材料として好適
な熱可塑性樹脂組成物及び該組成物から高い生産効率で
射出成形できるワンピースゴルフボールに関するもので
ある。
ドゴルフボールは、ツーピースゴルフボールとワンピー
スゴルフボールとに大別されており、練習場用ゴルフボ
ールとしては、耐久性に優れていて、且つ安価なワンピ
ースゴルフボールが、主として使用されている。
エンゴムを加硫成形して作製されている。加硫成形は熱
可塑性樹脂の成形に比べて時間がかかるため、コストダ
ウン、生産性アップの弊害となっている。また、使用後
のボールは焼却などの廃棄処分に付するしかなく、ゴミ
減量問題と合わせてリサイクル可能なゴルフボールが要
望されている。
撃スポットがへこむ等の問題が起らないように架橋ゴム
が有する復元力をできる限り持たせたゴルフボール材料
として、例えば、特開平8―113679号公報に、動
的架橋をしたジエン系ゴム(以下、「架橋ゴム」とい
う)粒子を、熱可塑性樹脂中に分散させた熱可塑性樹脂
組成物が提案されている。この熱可塑性樹脂組成物は、
ゴム弾性を有する架橋ゴム粒子が復元力を発揮するとと
もに、架橋ゴム粒子が熱可塑性樹脂中に微分散されてい
るので射出成形が可能であり、しかも加熱溶融を繰返し
ても物性の低下がほとんどないので、リサイクル可能で
ある。さらに、この熱可塑性樹脂組成物を用いるなら
ば、射出成形によりゴルフボールを製造でき、また製造
されたゴルフボールは復元力があるので打撃スポットが
へこんだりすることがなく、使用寿命が長くなる。
記載の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として、エ
チレン−アクリル酸共重合体の金属イオン中和物、エチ
レン−メタクリル酸共重合体の金属イオン中和物、エチ
レン−アクリル酸−メタクリル酸三元共重合体の金属イ
オン中和物などで代表されるアイオノマー樹脂が用いら
れている。
出成形した場合に、冷却に時間がかかり生産性が悪いと
いう問題がある。すなわち、上記アイオノマー樹脂は、
一般に融点が90℃程度と低いにも拘わらず溶融後の粘
度が高いため、良好な射出成形するためには220〜2
30℃というような高温で射出しなければならない。一
方、射出成形により形成される硬化体の取り出しは、融
点以下、すなわち90℃以下にまで冷却してからでない
と取り出せないが、220〜230℃というような高温
から90℃以下までの冷却には時間がかかる。金型に特
殊な冷却装置を取り付ける等して冷却時間を短縮するこ
とも考えられるが、コストアップの原因となる。また、
射出成形時の温度を低めに設定して、射出成形時の温度
と融点との温度差を小さくすることにより冷却時間を短
縮することも考えられるが、組成物の流動性が不十分な
状態で射出成形すると、成形体にしわが生じたり、へこ
みが生じたりするなどボールのように、高い真球度が要
求される成形体の成形には不適当である。
的架橋により得られる弾性体は、アイオノマー樹脂によ
る高反発性能を有しているが、ボール表面のクラブフェ
ースとの摩擦係数が低く、ボールを打ったときのスピン
量が低減するため、コントロール性が良くないという欠
点もあった。
ものであり、その目的とするところは、成形性及び生産
性を改良したリサイクル可能なボール用熱可塑性樹脂組
成物、並びに当該組成物を用いて製造したワンピースゴ
ルフボールを提供することにある。
性樹脂組成物は、ジエン系ゴムを動的架橋してなるゴム
微粒子が、熱可塑性エラストマー中に分散されてなるこ
とを特徴とする。
リエステル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エ
ラストマー、及び熱可塑性ポリアミド系エラストマーよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ま
しく、特に融点が130〜230℃であることが好まし
い。また、前記熱可塑性エラストマーと前記ジエン系ゴ
ムの含有重量比率(熱可塑性エラストマー/ジエン系ゴ
ム)は、95/5〜20/80であることが好ましい。
明のボール用熱可塑性樹脂組成物の硬化体で形成された
ものである。
可塑性樹脂組成物について説明する。本発明のゴルフボ
ール用熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー
中、架橋ゴム微粒子が分散したものである。
ラストマーは、融点以下では凍結相又は結晶相を示すポ
リマーブロック又は水素結合により分子運動が拘束され
ているハードセグメントのポリマーブロックと可塑性を
示すソフトセグメントのポリマーブロックとが結合して
なるブロックコポリマーで、結合様式は、ハードブロッ
クをHとし、ソフトブロックをSとして、H−S型、H
−S−H型、(H−S)n で表されるマルチブロック
型、星型など、特に限定しない。
レンでソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソプ
レン、又はこれらの水素添加物であるポリスチレン系エ
ラストマー;ハードセグメントがポリエチレン又はポリ
プロピレンで、ソフトセグメントがブチルゴムやEPD
M(エチレン−プロピレン−ジエン三共重合体)である
ポリオレフィン系エラストマー;ハードセグメントがポ
リアミドでソフトセグメントがポリエステル又はポリエ
ーテルであるポリアミド系エラストマー;ハードセグメ
ントがポリエステルでソフトセグメントがポリエーテル
であるポリエステル系エラストマー;ハードセグメント
がウレタン結合を有するポリウレタン系ブロックでソフ
トセグメントがポリエステル又はポリエーテルであるポ
リウレタン系エラストマー;さらにはポリブタジエンブ
ロックにエポキシ基が含有していたり、末端のポリスチ
レンブロックにOH基が付加されているものなど;及び
これらのエラストマーの2種類以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち、好ましいのは、ハードセグメントが
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドのエラストマ
ーである。具体的には、ポリエステル系エラストマーと
して大日本インキ化学工業株式会社製の「パンデックス
T7890」、武田パーディッシュウレタン工業株式会
社製の「エラストランET890」「エラストランS9
0A」等が挙げられる。また、ポリアミド系エラストマ
ーとしては、東レ株式会社製の「ペバックス4033S
N」「ペバックス5533SN」等が挙げられる。
30℃であることが好ましく、より好ましくは160〜
210℃である。この温度範囲に融点を有する熱可塑性
エラストマーは、220〜240℃程度でジエン系ゴム
の動的架橋及び組成物を射出成形することができ、融点
以下に冷却すれば固化して取り出すことができる。つま
り、ゴムが劣化しない程度の温度で且つ130℃以上の
比較的高融点の熱可塑性樹脂を用いることにより、短時
間で冷却固化することができ、射出成形サイクルを短く
することができる。
ソフトセグメントの持つ軟質さから、アイオノマーと比
べて摩擦係数が大きく、特に湿潤状態のボールに対し
て、摩擦係数の低減が少なくて済むため、湿潤状態のボ
ールに対してもスピンをかけることができる。すなわ
ち、濡れた状態でのボールのコントロール性の低下が少
なくて済むという効果がある。
うな熱可塑性エラストマー中に、ジエン系ゴムを動的架
橋してなるゴム粒子(架橋ゴム粒子)が分散したもので
ある。
は、分子内にジエン成分を有しているゴムであればよ
く、例えば、エチレンプロピレンジエン3元共重合体
(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ
る。これらのうち、反発性を重視する場合には、BRや
IR等の高反発弾性ゴムを用いることが好ましく、加工
性を重視する場合は反発性を確保できる範囲内でEPD
M等の耐熱性且つ高流動性ゴムを用いることが好まし
い。
塑性エラストマーとジエン系ゴムの重量混合比(熱可塑
性エラストマー:ジエン系ゴム)は、95:5〜20:
80、特に80:20〜40:60、より好ましくは8
0:20〜60:40となる量だけ配合されていること
が好ましい。ジエン系ゴムの相対的含有量が少なくなり
過ぎると塑性変形に対する復元力が低下し、また硬くな
りすぎて打球感が低下する。一方、ジエン系ゴムの配合
割合が多くなりすぎると、塑性物の流動性が悪くなっ
て、成形性が低下するからである。ここで、本発明で
は、組成物におけるマトリックス樹脂として熱可塑性エ
ラストマーを用いているので、従来のようにアイオノマ
ーを用いた場合よりもジエン系ゴムの含有割合を少なく
できる。つまり、熱可塑性エラストマーは、ソフトセグ
メントが衝撃変形を吸収するので、塑性変形がアイオノ
マーよりも起こりにくい。このことは、復元性を確保す
るために必要なジエン系ゴム量を減らすことができ、ひ
いては熱可塑性樹脂性樹脂組成物の流動性を上げること
ができることになる。
の一部を変性してなるゴム、具体的にはカルボキシル基
変性ジエン系ゴム、無水マレイン酸変性ジエン系ゴム、
エポキシ基変性ジエン系ゴム、グリシジル基変性ジエン
系ゴムなどを用いてもよい。但し、これらの変性ゴム
は、反発性能を確保する観点から、ゴム成分全体の10
重量%以下、好ましくは5重量%以下、また熱可塑性エ
ラストマー100重量部に対して30重量部以下、好ま
しくは20重量部以下とすることが好ましい。
る架橋剤としては、特に限定せず、硫黄と加硫促進剤の
併用、硫黄のみ、加硫促進剤のみ、オキシム、樹脂架橋
剤などが挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して
用いてもよい。
との組合わせ;アクリル酸亜鉛、メタクリル酸等のα,
β−不飽和カルボン酸又はその金属塩;p−ベンゾイル
キノンオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキ
シム等のオキシム系架橋剤;アルキルフェノール−ホル
ムアルデヒド、臭素化アルキルフェノール−ホルムアル
デヒド、フェノール樹脂、クマロン樹脂等の樹脂架橋
剤;ジベンゾチアジルジスルフィド、N,N′−ジシク
ロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ヘ
キサメチレンテトラミン、メルカプトベンゾチアゾー
ル、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチル
チウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフ
ィド、4,4′−ジチオ−ビス−ジモルフォリンン等の
有機硫黄化合物などが挙げられる。
量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1重量部
以上である。0.1重量部未満では動的架橋が行われ
ず、ジエン系ゴムの微粒子化が困難だからである。一
方、20重量部を超えると、反発性の増加が殆ど認めら
れない反面、架橋に利用されなかった過剰分の架橋剤が
成形体(ゴルフボール)においてブルームの原因となっ
たりするからである。
トマー及びジエン系ゴムの他に、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹
脂を含有していてもよい。他の熱可塑性樹脂を含有する
場合には、エラストマー100重量部に対して、30重
量部以下とすることが好ましく、より好ましくは20重
量部以下とすることである。30重量部を超えると、反
発性が低下するからである。
必要に応じて、相溶化剤、可塑剤、顔料などの充填剤が
適宜配合され得る。特に、相溶化剤は配合しておくこと
が好ましい。熱可塑性樹脂と架橋ゴム粒子とは相溶性が
低いため、摩擦熱によるエネルギーロスが大きくなるの
で、相溶化剤の含有により摩擦熱を低減してヒステリシ
スロスを少なくできるからである。
脂組成物を動的架橋に付すると、上記ジエン系ゴムが動
的架橋されて架橋ゴム粒子となって、エラストマー組成
物中に分散された本発明のボール用熱可塑性樹脂組成物
となる。
製時に行なう混練工程、成形用ペレットやコンパウンド
を調製する工程、さらには成形時の押し出し工程など、
キャビティ内に組成物を充填するまでに行われる加硫乃
至架橋をいう。いずれにしても、動的架橋できる条件に
設定しておくことにより、混練り工程、押し出し工程、
可塑化工程等でジエン系ゴムの動的架橋を行なうことが
できる。
樹脂である熱可塑性エラストマーの溶融温度よりも高
温、好ましくは10〜30℃高い温度で、具体的には1
60〜250℃で行なうことが好ましく、より好ましく
は190〜220℃で行なう。下限温度は、熱可塑性エ
ラストマーの種類(融点)により組成物を押し出しする
のに必要な温度が適宜選択される。一方、動的架橋時の
温度が高くなりすぎると、架橋が速く進みすぎて架橋ゴ
ム粒子の分散が悪くなり、また熱可塑性樹脂が劣化する
ので、250℃以下とすることが好ましい。
混練機、ニーダー、バンバリー、オープンロール等の各
種混練り機を用いて行ない、均一に混練したものを成形
に用いてもよいし、射出成形のように材料の溶融押し出
し時に混練を行ってもよい。生産効率の面では、押し出
し機で溶融押し出しする際に、混練り、動的架橋を行な
うことが好ましい。
れた架橋ゴム微粒子となって熱可塑性エラストマー中に
分散されている熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性エラス
トマーの加熱溶融状態において、架橋ゴム微粒子が無機
充填材のような挙動を示す。従って、架橋ゴム微粒子が
分散されているにも拘らず射出成形に供することがで
き、また、架橋ゴム微粒子が劣化しない限りにおいて
は、熱可塑性エラストマーを溶融して再び成形すること
が可能なので、リサイクル可能な成形体を提供すること
ができる。分散しているゴム粒子が、動的架橋により加
硫ゴムの状態となっているため、成形品(例えばゴルフ
ボール)の状態において、ゴム弾性を発揮して、復元力
を確保できる。
のような構成を有する弾性体からなるものである。すな
わち、上記熱可塑性樹脂性組成物を用いてゴルフボール
に成形したものである。成形方法は、熱可塑性樹脂を成
形する方法であれば使用することができ、射出成形、プ
レス成形などにより作製することができる。
定温度は、熱可塑性樹脂組成物のマトリックス樹脂であ
る熱可塑性エラストマーが溶融する温度であればよい
が、成形体の形状維持、具体的にはボールの真球度を確
保する点から、ある程度粘度を低くする必要がある。よ
って、融点より20℃以上高いことが好ましく、具体的
には、熱可塑性エラストマーの種類(融点)により適宜
選択されるが、180〜250℃、好ましくは190〜
220℃である。成形温度が低すぎると、樹脂の流動性
が低下し、成形品において樹脂の流れ不良に起因する傷
が発生しやすくなるからである。一方、成形温度が高く
なりすぎると、熱可塑性樹脂が劣化するだけでなく、ゴ
ム焼けが起こり、含有されている架橋ゴム粒子のゴム弾
性の低下、ひいては成形品の復元力の低下をもたらすか
らである。
く、より好ましくは15〜80℃である。金型温度を低
く設定することにより冷却速度を速めることができる
が、低すぎるとキャビティ内に完全に充填されるまでに
樹脂が冷却固化しはじめて、真球度が高い成形体が得ら
れない場合が生じたり、ウェルドラインが生じ、割れの
原因となることがある。
明の上記熱可塑性樹脂組成物の性質に基づいて、従来よ
りも成形サイクルを短くすることができ、しかも成形性
がよく、また湿潤状態においてもグラブフェースとの摩
擦係数の低減が少なく、コントロール性を確保すること
ができる。しかも加熱溶融して再度利用することができ
るというリサイクル性があるので、現在の環境問題にも
対処できる。
を45m/sの速度で衝突させ、衝突前後の円筒物及び
ゴルフボールの速度を測定し、夫々の速度及び重量から
算出結果を、参考例(アイオノマー100重量部でジエ
ン系ゴムを含有しない組成物で製造したボール)の反発
係数を100として指数化した。指数が大きい程反発力
が大きいことを示す。
別可能なボールのへこみ及び/又はしわの有無を観察し
た。肉眼でへこみ及びしわが認められない場合を
「◎」、ゲート部分のへこみが認められ真球度が低下し
ていた場合を「○」、目視にて認められるようなへこ
み、内部気泡が認められた場合を「△」とした。
最大外径及び最小外径をダイヤルゲージで測定し、〔最
外外径−最小外径〕の値を算出した。算出値が0.3m
m未満では「3」、0.3〜0.5mmでは「2」、
0.5mm超では「1」と点数評価した。つまり、真球
度を3段階で評価し、数字が大きい程、真球度が高いこ
とを意味する。
ーが5回づつ打撃を行ない、ボール落下点からボール停
止点までの距離(ラン)を測定し、5回の平均値(m)
を算出した。平均値が2m未満の場合を「○」、2m〜
4m未満を「△」、4m以上の場合を「×」とした。
有しない組成物で成形したゴルフボール)の冷却時間を
100として、指数化した。指数が小さい程、冷却時間
が短いことを示している。
うな配合組成を有する熱可塑性樹脂組成物を調製した。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系熱可塑
性エラストマー(東レデュポン株式会社製のハイトレル
4767(融点約200℃))を使用し、アイオノマー
としてはデュポン社製のサーリンAD8511とサーリ
ンAD8512との等量混合物(融点:90℃)を用い
た。ジエン系ゴムとしてJSR製のBR01(ブタジエ
ンゴムの商品名)を用いた。架橋剤としては、樹脂架橋
剤である田岡化学社製のタッキロール250―3(臭素
化アルキルフェノールーホルムアルデヒド樹脂)を用い
た。
機を用いて均一に混練して押し出すことにより、ブタジ
エンゴムが動的架橋されたペレットを作製した。熱可塑
性樹脂性樹脂としてエラストマーを用いた場合には、動
的架橋温度を230℃とし、アイオノマーを用いた場合
には200℃とした。
(参考例及び従来例については220℃)に設定した射
出成形機で、No.1〜5及び参考例のワンピースゴル
フ(外径約42mm、重量45.1〜45.6g)を射
出成形した。金型温度は40℃とした。
・評価方法に基づいて、反発係数、成形性、冷却時間、
形状維持性、コントロール性について測定・評価した。
各配合組成及び測定・評価結果について、表1に示す。
て熱可塑性エラストマーを用いたものは、従来例よりも
冷却時間を随分短くすることができた。また、熱可塑性
エラストマーの含有量を40重量部以上、好ましくは6
0〜80重量部とすることにより、反発係数、成形性を
従来例と同程度に保ちつつ、しかも形状維持性、コント
ロール性を従来例よりも優れたゴルフボールを得ること
ができた。
効果:熱可塑性エラストマーの種類を表2に示すように
変えた以外は、No.3と同様にしてワンピースゴルフ
ボールを作製した。ここで、ポリアミド系エラストマー
としては、東レ株式会社製のペバックス4033SN
(融点:168℃)、ポリウレタン系エラストマーとし
ては武田バーディシュウレタン工業株式会社製のエラス
トランET858D(融点:180℃)を用いた。そし
て、動的架橋はポリアミド系エラストマーの場合は20
0℃で行ない、ポリウレタン系エラストマーの場合は2
10℃で行なった。また、射出成形は、ポリアミド系エ
ラストマー及びポリウレタン系エラストマーいずれの場
合も220℃で行なった。
・評価方法に基づいて、反発係数、成形性、冷却時間、
形状維持性、コントロール性について測定・評価した。
各配合組成及び測定・評価結果について、表2に示す。
参考例及び従来例も併せて示す。
マーの種類を変えても、成形性、形状維持性、コントロ
ール性は同程度であったが、熱可塑性エラストマーの種
類によって冷却時間が異なった。融点が高い程、冷却時
間は短くて済み、また反発性も高い傾向にあった。従っ
て、融点が200℃程度のポリエステル系エラストマー
を用いた場合に、反発性に優れたボールを高い生産効率
で生産することができることがわかる。
用いれば、従来のボール用熱可塑性樹脂組成物と比べ
て、成形性、反発性を損なうことなく、射出成形におけ
る冷却時間を短くでき、高い生産性で、真球度の高いボ
ールを生産することができる。
成形に供することができる本発明の熱可塑性樹脂組成物
を用いているので、リサイクル可能なボールであって、
しかも従来よりも短い成形サイクルで、従来と同程度の
反発性を有している。
Claims (5)
- 【請求項1】 ジエン系ゴムを動的架橋してなるゴム微
粒子が、熱可塑性エラストマー中に分散されてなること
を特徴とするボール用熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性
ポリエステル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系
エラストマー、及び熱可塑性ポリアミド系エラストマー
よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1
に記載のボール用熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーは、融点が1
30〜230℃である請求項1又は2に記載のボール用
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記熱可塑性エラストマーと前記ジエン
系ゴムの含有重量比率(熱可塑性エラストマー/ジエン
系ゴム)は、95/5〜20/80である請求項1〜3
のいずれかに記載のボール用熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のボール
用熱可塑性樹脂組成物の硬化体で形成されたワンピース
ゴルフボール。
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