JP4233378B2 - ゴルフボール製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カバーが均一な厚みで形成され、耐久性に優れるゴルフボールを得ることができるゴルフボール製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴルフボールの製造においてカバーをコアに被覆する際には、射出成形または加熱加圧成形が一般的に用いられている。射出成形においては、カバー材料の射出初期には、コアがピンによってキャビティ中心に保持されているが、射出が最終段階に入ると、ピンが後退する。したがって、射出成形においてはコアの中心がボールの中心とずれることがあり、カバー厚みが不均一となり易い。カバー厚みが厚い(たとえば1.4〜2.3mm)ゴルフボールにおいては、射出成形によってカバー厚みの不均一が生じても十分ボールの物性を確保できる場合が多いが、カバー厚みが薄い(たとえば0.3〜1.0mm)場合には、カバー厚みの不均一が、ボールの性能に対して重大な悪影響を与えるため、射出成形を用いるには限界がある。
【0003】
一方、加熱加圧成形は射出成形に比べてカバー厚みを均一に形成させることができるため、カバー厚みが薄い場合には加熱加圧成形を好適に用いることができる。特許文献1には、カバー厚みを0.5〜2.0mmとしたソリッドゴルフボールの製造において、カバー材料の2枚のハーフシェルを加圧成形で中間層の上に被覆することができる旨が記載されている。しかし、特にソリッドゴルフボールの製造に加熱加圧成形を用いた場合、カバーとコアとの間に空気が残留する「エアー噛み」、金型外へカバー材料が過剰に流出することによってカバーの厚みが不足する「ベアー不良」、およびカバー厚みが不均一になる「偏肉不良」が生じ易い。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−10359
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決し、加熱加圧成形によって特にカバー厚みが薄いゴルフボールを製造する場合において、エアー噛み不良、ベアー不良、偏肉不良等を発生させず、カバーが均一な厚みで形成され、耐久性に優れるゴルフボールを得ることが可能なゴルフボール製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂を主成分とするカバー材料を成形してなるハーフシェルの2枚をコアまたは中間層に貼り合わせ、半割れ球金型(上下型)により加熱加圧成形してカバーをコアまたは中間層に被覆するゴルフボール製造方法において、加熱加圧成形時の金型温度をT1(℃)、ハーフシェルの流動開始温度(℃)をT2(℃)としたときに、(T1−T2)が−3〜+10℃の範囲に設定されることを特徴とするゴルフボール製造方法に関する。本発明の製造方法においては、2枚のハーフシェルの合計体積がゴルフボールのカバーの体積に対して好ましくは105〜120%となるように設定される。また本発明において加熱加圧成形には、圧力が0.5〜5MPaの範囲に設定された低圧成形工程を経た後、圧力が7〜15MPaの範囲に設定された高圧成形工程に移行する方法を好ましく用いる。さらに、カバーの設計厚みは好ましくは0.3〜1.0mmである。
【0007】
なお本発明において「熱可塑性樹脂」とは、加熱により成形できる程度の熱可塑性が得られる合成樹脂をいうものとし、室温で流動性を示さないものだけでなく、ハードセグメントとソフトセグメントからなる熱可塑性エラストマーや、ゴム等も含む。また「熱可塑性樹脂を主成分とする」とは、カバー材料中の50質量%以上を熱可塑性樹脂が占めることをいう。本発明において「加熱加圧成形時の金型温度」とは、金型表面が加熱加圧成形工程を通じて最も高温となる時点での金型表面の温度をいう。さらに、本発明における「2枚のハーフシェルの合計体積」および「カバー体積」とは、いずれも常温における体積である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、熱可塑性樹脂を主成分とするカバー材料をハーフシェルに成形し、その2枚をあらかじめ成形したコアまたは中間層に貼り合わせて被覆し、半割れ球金型(上下型)により加熱加圧成形する。以下図にしたがって説明する。
【0009】
図1は本発明の典型的な加熱加圧成形について説明する断面図である。コア1に2枚のハーフシェル2が被覆されたボール材料が半割れ球金型3にセットされ、プレス機等によって金型が締められる(以下「型締め」という)。型締め時の圧力は、好ましくは低圧成形工程で0.5〜5MPa、高圧成形工程で7〜15MPaに設定される。ここで、常温における2枚のハーフシェルの体積は、常温におけるボールのカバー体積に対して好ましくは105〜120%に設定される。ボールのカバー体積とは、完成したボールにおけるカバーの体積である。また、加熱加圧成形時の金型温度T1は、ハーフシェルの流動開始温度T2に対して、(T1−T2)が−3〜+10℃となるように設定されており、型締めによって加圧状態になるとハーフシェルが溶融し、適度な溶融粘度を保ちながら流動する。2枚のハーフシェルの合計体積がボールのカバー体積よりも大きい場合には、余剰のカバー材料が金型の上下型の隙間から金型外へ流出する。このとき、余剰のカバー材料とともに、コアとハーフシェルとの間に残存するエアーも金型外へ排出される。
【0010】
ここで、カバー材料の流出は低圧成形工程、高圧成形工程を通じて起こるが、エアーの排出は低圧成形工程でほぼ完了する。すなわち、本発明の製造方法においては、低圧成形工程において圧力を比較的低圧に設定することでカバー材料の急激な流出を防止するとともにエアーをほぼ完全に排出し、高圧成形工程で余剰なカバー材料をさらに流出させるという2段階の工程を経ることで、コアとカバーとの間にエアーを残存させず、かつベアー不良を防止することが可能となる。
【0011】
高圧成形工程の後、型締めがされた状態のまま金型温度を下げて成形物を徐冷する。成形物は、温度が十分下がった後に金型から取り出し、ペイントの塗装等を適宜施し、ゴルフボールとして完成させる。
【0012】
本発明において、加熱加圧成形時の金型温度(T1)は、ハーフシェルの流動開始温度(T2)に対して、(T1−T2)が−3〜+10℃、好ましくは−2〜+8℃となるように設定される。(T1−T2)が−3℃より小さい場合、金型温度が低すぎてカバー材料が十分溶融せず、特にハーフシェルの貼り合わせ部分の強度が不足して耐久性が悪くなるとともに、偏肉不良が生じ易い。一方、(T1−T2)が+10℃よりも大きい場合、カバー材料の溶融粘度が低くなり、金型内で流動し過ぎるためにカバー厚みを制御できず、ベアー不良が生じる。
【0013】
なお金型温度は、金型にハーフシェルをセットした時点ではハーフシェルの流動開始温度よりも15〜80℃低く設定しておき、その後成形工程において金型温度(T1)まで昇温させる方法を好ましく用いることができる。これにより、カバー材料が過度に金型外へ流出することを防止し、カバーをより均一に形成させることができる。
【0014】
本発明において、2枚のハーフシェルの合計体積は、ゴルフボールのカバーの体積に対して好ましくは105〜120%、さらに好ましくは110〜115%、最も好ましくは112〜114%となるように設定される。105%以上であれば、加熱加圧成形時に金型外へ流出させるカバー材料の量が一定以上であるため、流出量を容易に制御でき、ベアー不良を防止できる。また120%以下であれば、加熱加圧成形時に金型外へ流出させるカバー材料の量が多量になる危険性がなく、偏肉不良を効果的に防止できる。
【0015】
本発明の加熱加圧成形には、圧力が0.5〜5MPaの範囲に設定された低圧成形工程を経た後、圧力が7〜15MPaの範囲に設定された高圧成形工程に移行させる方法を好ましく用いることができる。これにより、エアー噛みを防止し、かつカバーを均一な厚みで形成させることができる。
【0016】
低圧成形工程における圧力は0.5〜5MPaの範囲であることが好ましく、特に1〜4MPa、さらに2.5〜3.5MPaの範囲であることがより好ましい。圧力が0.5MPa以上であれば、ハーフシェルが先に溶融してしまい、ハーフシェルとコアとの間のエアーが残留するという問題が生じず、エアーを完全に排出できる。また5MPa以下であれば、ハーフシェルが溶融する前にボール材料に過度の圧力が加わる危険性がなく、偏肉不良を防止できる。
【0017】
高圧成形工程における圧力は7〜15MPaの範囲であることが好ましく、特に7〜14MPa、さらに8〜13MPaの範囲であることがより好ましい。圧力が7MPa以上であれば、溶融して金型外へ流れるカバー材料の量を加圧によって制御することができ、ベアー不良を効果的に防止できる。一方、15MPa以下であれば、金型に圧力がかかり過ぎ、金型を損傷する危険性はない。
【0018】
加熱加圧成形において、低圧成形工程および高圧成形工程の処理時間は、カバー2の材質および厚み、雰囲気温度等によって適宜選択することができ、たとえば、低圧成形工程を1〜6分、高圧成形工程を3〜15分とする条件等が採用できる。
【0019】
本発明において、カバーの厚みは好ましくは0.3〜1.0mmである。本発明は、特に厚みの薄い(たとえば0.3〜1.0mm)カバーを有するボールの製造において、エアー噛み、ベアー不良、偏肉不良等の成形不良の発生を著しく低減させる効果を有する。なお、本発明におけるカバーの厚みとは、ゴルフボール仮想球に内接する正八面体を想定し、6個の頂点それぞれについてこの頂点と最も近いランド部を決定し、6個のランド部の直下において測定されたカバーの厚みを平均化して算出した値である。
【0020】
本発明には熱可塑性樹脂を主成分とするカバー材料を用いる。すなわち、カバー材料中の熱可塑性樹脂の含有量は50質量%であるが、特に80質量%であることが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂は熱可塑性エラストマーを含む概念であり、カバーの物性に優れるという点で、熱可塑性樹脂成分の50質量%以上、特に80質量%以上、さらに100質量%を熱可塑性エラストマーが占めることが好ましい。好ましい熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーのうち少なくとも1種類以上を含むもの等が挙げられる。本発明は、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の軟質エラストマーを主成分とするカバー材料に対して好適に使用でき、特にポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いた場合には優れた効果を得ることができる。
【0021】
熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしてBASFポリウレタンエラストマーズ(株)製の「エラストラン」、(株)クラレ製の「クラミロン」、大日本インキ化学工業(株)製の「パンデックス」等がある。またポリアミド系熱可塑性エラストマーとして東レ(株)製の「ペバックス」、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとして東レ・デュポン社製の「ハイトレル」等がある。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては三菱化学(株)製の「ラバロン」、(株)クラレ製の「セプトン」等が挙げられる。
【0022】
また、上記以外の熱可塑性樹脂として、アイオノマー樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のナイロン系樹脂、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム成分等をさらに含有させることもできる。
【0023】
カバー材料としては、主成分の熱可塑性樹脂以外に、共架橋剤、架橋開始剤、充填剤、着色剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤等を、所望のカバー物性を損なわない範囲で適宜配合し得る。
【0024】
本発明は、たとえば、コアをカバーで被覆してなるツーピースゴルフボールのカバー、3層以上の構造を有するマルチピースゴルフボールのカバー等の製造に適用できる。なおコア、カバー、および中間層を形成させた場合の中間層は、単層でも2層以上の複数層としてもよい。
【0025】
コアは、ソリッド層、糸巻き層のいずれの形状でもよく、たとえばソリッドコアの場合、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム等を1種または2種以上含むゴム成分に、共架橋剤としてアイオノマー樹脂、架橋開始剤として有機過酸化物等を配合し、さらに添加剤を適宜加えて混練成形したゴム組成物等を用いることができる。中間層についてもコアと同様に、ソリッド層、糸巻き層のいずれの形状でもよい。コアまたは中間層が糸巻き層を有する場合には、カバー形成時にコアとカバーの間、または中間層とカバーの間に残留したエアーの一部は、糸巻き層の空隙中に吸収される。一方ソリッドゴルフボールの場合には、エアーが吸収され得る空隙を有しないため、カバーの被覆成形時にエアーを確実に金型外に排出する必要がある。本発明の製造方法においては、金型温度とハーフシェルの流動開始温度との関係を一定の範囲内とすることで、ボール内に残留したエアーを確実に金型外へ排出することができるため、特にソリッドゴルフボールの製造において、従来の製造方法では実現し得ない優れた効果を得ることができる。
【0026】
コアは、一般的な公知の方法で作製することができる。たとえば、配合成分をロール、ニーダー、バンバリなどを用いてミキシングし、金型を用いて加圧下で145℃〜200℃、好ましくは150℃〜175℃で10分〜40分間加硫して作製する。コアとカバーとの密着をよくするため、得られたコアの表面に接着剤を塗布したり、表面を粗面化してもよい。コアの外側には、たとえば射出成形等の方法でさらに中間層を形成させることができる。
【0027】
ハーフシェルは、射出成形、加熱加圧成形等の公知の方法によって、たとえば凸部を有する上型と凹部を有する下型との間隙にカバー材料を充填することにより作製することができる。射出成形の場合、たとえば温度200〜250℃、圧力3〜7MPa等の条件を採用できる。
【0028】
【実施例】
(1) ゴルフボールの作製
(コアの作製)
ハイシスポリブタジエンゴム(シス−1,4−ポリブタジエン含有率が96%であるJSR(株)製「BR01」)100質量部、アクリル酸亜鉛(日本蒸留(株)製「ZNDA−90S」)27質量部、酸化亜鉛(東邦亜鉛(株)製)20質量部、ジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製「パークミルD」)0.6質量部を、ニーダーを用いて混練した後、金型に入れ、160℃で20分間プレス成形し、直径41.1mmのコアを作製した。
【0029】
(ハーフシェルの作製)
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(BASFポリウレタンエラストマーズ(株)製「エラストランXNY97A」)80質量部、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(東レ(株)製「ペバックス5533」)20質量部、酸化チタン(石原産業(株)製「A−220」)5質量部を配合したカバー材料を二軸混練押出機を用いて混練し、230℃で押出した後、射出成形にて表1の厚みのハーフシェルを作製した。押出条件は以下の通りである。
スクリュー径:45mm
スクリュー回転数:200rpm
スクリューL/D:35
なおカバー材料は押出機のダイの位置で195〜205℃に加熱された。
【0030】
【表1】
【0031】
コアに、作製したハーフシェルを2枚貼り合わせて表1の成形条件にて加熱加圧成形を行ない、50回プレス成形を行なった後、ペイントを施してゴルフボールを作製した。
【0032】
(2) ハーフシェルの流動開始温度の評価
ハーフシェルの流動開始温度は、測定機器として「SHIMADZU FLOWTESTER CFT−500」を用い、プランジャー面積を1cm2、DIE LENGを1mm、DIE DIAを1mm、荷重を60kgf(588.399N)として等速昇温試験を実施して測定した。
【0033】
(3) カバー平均偏肉度の評価
50回プレスしたボールについてカバー厚みの最大値、最小値を測定し、以下の計算式によってカバー偏肉度を算出した。カバー厚みの最大値、最小値は、ボールのX線撮影により得られた投影写真でカバー厚みを計測する方法を用いて求めた。結果を表1に示す。なお、結果はプレス50回の平均値として表している。
カバー偏肉度=(カバー最大厚み−カバー最小厚み)/カバー平均厚み
(4) 外観(エアー噛み)不良発生率の評価
50回プレスしたボール表面の外観を目視でチェックし、50回を100%としてエアー噛み不良が見られた回数を百分率で表した。結果を表1に示す。
【0034】
(5) 外観(ベアー)不良発生率の評価
50回プレスしたボール表面の外観を目視でチェックし、50回を100%としてベアー不良が見られた回数を百分率で表した。結果を表1に示す。
【0035】
(6) 耐久性の評価
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットにメタルヘッド製W♯1ドライバーを取り付け、ヘッドスピードを55m/secに設定してゴルフボールを打撃し、ゴルフボールが破壊するまでの打撃回数を測定した。各実施例および各比較例につき12個のボールを100回まで打撃し、100回の打撃終了までに破壊したボールの個数と、破壊した個々のボールについての破壊時の打撃回数を、(破壊個数/破壊時の打撃回数)として表1に示す。
【0036】
実施例は、すべてについて、カバー平均偏肉度が0.2以下、外観(エアー噛み)不良率が0%、外観(ベアー)不良率が0%、耐久性の評価において破壊個数が0個であった。したがって、本発明の方法を用いることによって均一な厚みのカバーが形成され、耐久性に優れるゴルフボールを得られることが分かる。一方、加熱加圧成形時の金型温度がハーフシェルの流動開始温度に対して高過ぎる比較例1では、外観(ベアー)不良発生率が18%と高く、金型温度がハーフシェルの流動開始温度に対して低過ぎる比較例2、比較例3では、耐久性評価で破壊が見られたことから、比較例においては良好なカバー被覆状態のゴルフボールを得られていないことが分かる。
【0037】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0038】
【発明の効果】
本発明においては、加熱加圧成形時の金型温度をハーフシェルの流動開始温度に対して一定の範囲内とし、好ましくは加熱加圧成形時の圧力およびハーフシェルの体積を一定の範囲内に制御することによって、特にカバー厚みが薄いゴルフボールを製造する場合に、エアー噛み不良、ベアー不良、偏肉不良等を発生させず、カバーを均一な厚みで形成させることが可能である。これにより、耐久性に優れたゴルフボールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の典型的な加熱加圧成形について説明する断面図である。
【符号の説明】
1 コア、2 ハーフシェル、3 半割れ球金型。
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂を主成分とするカバー材料を成形してなるハーフシェルの2枚をコアまたは中間層に貼り合わせ、半割れ球金型により加熱加圧成形してカバーをコアに被覆するソリッドゴルフボール製造方法において、ハーフシェルの2枚の合計体積がゴルフボールのカバー体積に対して105〜120%であり、加熱加圧成形時の金型温度をT1(℃)、ハーフシェルの流動開始温度をT2(℃)としたときに、(T1−T2)が−3〜+10℃の範囲に設定され、加熱加圧成形は、圧力が0.5〜5MPaの範囲で処理時間が1〜6分に設定された低圧成形工程を経た後、圧力が7〜15MPaの範囲で処理時間が3〜15分に設定された高圧成形工程に移行することを特徴とするカバーの厚みが0.3〜1.0mmであるソリッドゴルフボール製造方法。
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